JP2008221811A - バリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 生分解性樹脂を主成分とする樹脂組成物による生分解性樹脂層、バリア性樹脂層、および、生分解性樹脂を主成分とする樹脂組成物による生分解性樹脂層の順で共押出した少なくとも3層の多層積層樹脂フィルムからなり、更に、上記の生分解性樹脂層が、脂肪族ポリエステル樹脂とこれを改質する改質剤とを、前者51〜95重量部、後者5〜49重量部の配合割合で混練してなる混合樹脂を主成分とする樹脂組成物による生分解性樹脂層からなり、また、上記のバリア性樹脂層が、ポリグリコ−ル酸を主成分とするバリア性樹脂組成物によるバリア性樹脂層からなることを特徴とするバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムに関するものである。
【選択図】 図1
Description
而して、上記の包装用容器においては、通常、その最内層に、ヒ−トシ−ル性を有するヒ−トシ−ル性フィルムが積層された積層体を使用し、その積層体のヒ−トシ−ル性フィルムの面を対向させて重ね合わせ、次いで、その外周周辺の端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成し、これによって、種々の形態からなる包装用容器が製造されているものである。
ところで、近年、上記のヒ−トシ−ル性フィルムとして、特に、ヒ−トシ−ル性を有し、密閉性を充足すると共に消費時においては、その包装用容器の開口部を容易に開封することができる易開封性を有することが要求されることは勿論であるが、更に、使用後、ゴミとして廃棄処理する場合、生分解性等を備え、自然環境を破壊することがない廃棄処理適性を有することが要求されているものである。
そのため、近年、上記のヒ−トシ−ル性フィルムについて、生分解性樹脂からなるヒ−トシ−ル性フィルムが、開発され、提案されている。
例えば、その一つとして、ポリ乳酸系重合体と他の脂肪族ポリエステルとを80:20〜20:80の重量割合で含有してなるフィルムにおいて、フィルムを昇温したときのポリ乳酸系重合体換算融解熱量ΔHmlが35J/g以下であることを特徴とする生分解性フィルムおよびその製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、別の例として、ポリ乳酸(A) :10〜90重量%、他の脂肪族ポリエステル(B):90〜10重量%及び粘着付与剤(C):1〜20重量%とからなることを特徴とする脂肪族ポリエステル組成物、その脂肪族ポリエステル組成物から得られるフィルムおよび積層体が、提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
更に、上記で提案されている積層体においては、例えば、種々公知の方法、例えば、脂肪族ポリエステル組成物と基材とを多層ダイを用いて共押出しフィルム等としても良い、又、予め得られた基材に脂肪族ポリエステル組成物を押出しラミネートして積層体としても良いし、あるいは、夫々別個に得たフィルム等を貼り合せて積層体としても良い、又、生分解性ポリマーあるいは紙等の基材からなる積層体は、それ自体生分解性を有することは言うまでもない、本発明における積層体は、フィルム、シートに限らずシートを熱成形してなるトレー、カップあるいはボトル等用途に応じて様様な形状をとり得る等と記載されている。
しかしながら、仮に、上記でフィルムあるいは積層体を製造し得たとしても、それらは、硬く、脆く、柔軟性、耐衝撃性等に劣り、実用上使い勝手が悪く、また、ヒ−トシ−ル性等にも欠け、例えば、ヒ−トシ−ル等により、包装用容器を製造し、更に、その開口部をヒ−トシ−ルして密閉したとしても、その密閉性等に欠け、また、その開口部を容易に開封することができる易開封性等にも劣るという問題点がある。
更に、上記で提案されている発明においては、共押出成形も可能であると開示されているが、その具体例はなく、いずれにしても、上記で提案されているフィルムあるいは積層体等は、いずれも、未だ、十分に満足し得ると言うものではないというのが実状である。 そこで本発明は、ヒ−トシ−ル適性に優れて容器密閉性を有すると共に 酸素ガスの透過を阻止する酸素バリア性に優れて内容物の保存性、貯蔵性等を有し、更に、生分解性を備え、廃棄処理適性等に優れた極めて有用なバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムを提供することである。
そして、本発明に係るバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムは、生分解性樹脂層とバリア性樹脂層とを共に脂肪族ポリエステル系樹脂を使用し、その相溶性、親和性等を利用して積層することから、その各層間は極めて強固に密接着し、各層間での層間剥離(デラミ)等の現象は認められないものである。
また、本発明に係るバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムは、脂肪族ポリエステル樹脂とこれを改質する改質剤との混合樹脂からなる生分解性樹脂層を構成することから、脂肪族ポリエステル樹脂と改質剤とが相互に作用し合い、これにより、その両者の特性が、相乗的に生かされ、極めて良好なヒ−トシ−ル特性を有し、更に、その耐衝撃性等も向上し、包装製品の落下適性等にも優れ、また、凝集破壊の機能が維持され、かつ、凝集破壊によって剥離する際に、糸引等の現象等を抑えることができるという利点を有するものである。
更に、本発明に係るバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムは、バリア性樹脂としてのポリグリコ−ル酸を使用し、そのバリア性樹脂層を層間の中間層に有することから、特に、酸素ガス等の透過を阻止する酸素ガスバリア性が、安定し、その効果に富むものである。
すなわち、本発明に係るバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムは、ヒ−トシ−ル材として、ヒ−トシ−ル性に優れ、その密封性を十分に満足し得るものであって、内容物の品質の保護、保存期間の延長、その他等の要請を充足すると共に、更に、使用時に包装用容器等を容易に開封することができる易開封性を有するものである。
更に、本発明に係るバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムは、酸素ガス等の透過を阻止する酸素ガスバリア性に優れていると共に生分解性を備え、自然環境中で分解性を有するという利点を備えているものである。
まず、図1は、本発明に係るバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムについてその層構成の一例を示す概略的断面図であり、図2および図3は、図1に示す本発明に係るバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムを使用して製造した本発明に係る積層体についてその層構成の一二例を示す概略的断面図であり、図4おび図5は、図2に示す本発明に係る積層体を使用し、これを製袋して製造した本発明に係る包装用袋および包装製品についてその一例の構成を示す概略的斜視図でありる。
なお、本発明に係るバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムにおいては、更に、他の樹脂組成物等を使用し、6層ないしそれ以上の積層構成とすることも可能なものである。
なお、上記の図2、図3中、符号Aに係る1、2、3、1´、1a、1´a、2a、3a等については略す。
上記の例示は、本発明に係るバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムを使用して製造する本発明に係る積層体についてその一二例を例示したものであり、本発明は、これに限定されるものではないものである。
なお、上記において、少なくとも、基材シ−ト、バリア性基材、本発明に係るバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルム等を積層する積層法としては、例えば、ラミネ−ト用接着剤等によるラミネ−ト用接着剤層を設け、次いで、該ラミネ−ト用接着剤層を介して積層するドライラミネ−ト積層方式、あるいは、アンカ−コ−ト剤等による接着助剤層、溶融押出樹脂層等を設け、次いで、該アンカ−コ−ト剤等による接着助剤層、溶融押出樹脂層等を介して積層する溶融押出積層方式等により行うことができる。
而して、本発明においては、図5に示すように、上記で製造した三方シ−ル型の袋状容器本体からなる本発明に係る包装用袋Cを使用し、その開口部32から、例えば、飲食品、その他等の物品33を充填し、しかる後、上方の開口部32をヒ−トシ−ルして上方のシ−ル部34等を形成して密封することにより、本発明に係る包装用袋Cを使用して製造した本発明に係る包装製品Dを製造することができる。
上記の例示は、本発明に係る包装用袋、包装製品についてその一例を例示したものであり、本発明は、これによって限定されるものではなく、例えば、包装用袋の形態としては、図示しないが、例えば、その目的、用途等により、二方ないし四方シ−ル型、自立性型、ガゼット型、角底型、その他等の種々の形態からなる袋状容器本体を製造することができることは言うまでもないことである。
なお、本発明においては、上記の図3に示す積層体を使用し、上記と同様にして、上記と同様に、本発明に係る包装用袋、包装製品等を製造し得ることができるものである。
而して、本発明において、上記のような脂肪族ポリエステル樹脂の中でも、特に、ポリブチレンサクシネ−トを使用することが好ましいものである。
なお、上記のポリブチルサクシネ−トとしては、例えば、メルトフロ−レイト(MFR)が、1.0〜30.0g/10分位、好ましくは、3.0〜20.0 g/10分(190℃、2.16kg)位の範囲内で、 密度が、約1.20〜1.30g/cm3 位、融点が、80〜120℃位の範囲内にあるポリブチレンサクシネ−トを使用することができる。
なお、本発明において、メルトフロ−レイト(MFR)とは、JIS K6921(190℃)に準拠した手法から測定したものであり、また、密度は、JIS K7112に準拠した手法から測定したものである。
以下、同様である。
而して、上記のポリブチレンサクシネ−トとしては、具体的には、1.4−ブタンジオ−ルとコハク酸とを使用し、それらを主成分とし、直接脱水重縮合させてなる脂肪族ポリエステル系樹脂からなり、軟質性の、ポリオレフィン系樹脂と類似物性を有する生分解性ポリエステルを使用することができる。
なお、本発明においては、上記の脂肪族ポリエステル樹脂を構成する脂肪族ジカルボン酸単位としては、その一部ないし全部を芳香族ジカルボン酸単位で変性することもできるものである。
上記において、上記のポリ乳酸樹脂としては、例えば、L−、D−、またはDL−乳酸単位を主成分とする重合体で、透明性を有し、軟質タイプのポリオレフィン系樹脂と類似物性を有する生分解性ポリエステルを使用することができる。
而して、上記のポリ乳酸樹脂としては、具体的には、例えば、メルトフロ−レイト(MFR)が、1.0〜20.0g/10分位、好ましくは、1.5〜12.0g/10分(190℃、2.16kg)位の範囲内で、密度が、約1.10〜1.30g/cm3 位、融点が、150〜170℃位の範囲内、更に、非晶タイプにおいては、Tg=50〜70℃の範囲内にあるポリ乳酸樹脂を使用することができる。
なお、本発明において、上記のポリ乳酸樹脂としては、基本的には、比較的に軟質性を有し、熱により溶融し、ヒ−トシ−ル性を有し、更に、溶融張力および延伸性等に優れ、後述する共押出成形適性を有する生分解性樹脂としてのポリ乳酸樹脂を使用することが好ましいものである。
具体的には、大八化学工業株式会社製のアジピン酸エステルからなる可塑剤(商品名、DAIFATTY−101)等を使用することができる。
具体的には、東レ・デュポン株式会社製の商品名、ハイレトルト4057等のポリエステル系エラストマ−等を使用することができる。
これにより、例えば、硬いポリエステル樹脂のマトリクスへ改質的に作用するものである。
脂肪族ポリエステル樹脂と親和性が高いことから、ハ−ドセグメント(脂肪族ポリエステル樹脂)とソフトセグメン(改質剤)が混ざり合いゴム状の耐衝撃材を製造可能とするものである。
上記において、脂肪族ポリエステル樹脂が、51重量%、更には、60重量%を未満であると、フィルムの腰、剛性等が小さくなり、フィルムとしての強度等が低下してしまうという理由から好ましくなく、また、脂肪族ポリエステル樹脂が、95重量%、更には、90重量%を越えると、柔軟性の低下が懸念され、耐衝撃性が心配されるという理由から好ましくないものである。
逆に、上記において、改質剤が、5重量%、更には、10重量%を未満であると、柔軟性の低下が懸念され、耐衝撃性が心配されるという理由から好ましくなく、また、改質剤が、49重量%、更には、40重量%を越えると、フィルムの腰、剛性等が小さくなり、フィルムとしての強度等が低下してしまうという理由から好ましくないものである。
而して、上記のバリア性樹脂層としては、ポリグリコ−ル酸をビヒクルの主成分とする樹脂組成物によるバリア性樹脂層で構成することができるものである。
上記のポリグリコ−ル酸としては、例えば、グリコ−ル酸を重縮合した単純な分子構造からなる結晶性の脂肪族ポリエステル樹脂を使用することができる。
上記のポリグリコ−ル酸は、酸素ガス等の透過を阻止する高いガスバリア性を有し、更に、高強度、高弾性、透明性、耐熱性、耐薬品性等の優れた性能を有し、また、押出、射出成形等に対して高い加工特性を有するものである。
而して、上記のポリグリコ−ル酸は、密度、1.50〜1.70g/cm3位 、融点、210〜230℃位の物性を有するものである。
なお、上記のポリグリコ−ル酸は、それ自身で生分解性等を備え、自然環境を破壊することがない廃棄処理適性を有するという利点を有するものである。
なお、本発明においては、上記のような滑剤の中でも、特に、エルカ酸アミドやエチレンビスオレイルアミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等は、それ自身が滑性をもち、極めて有効な材料である。
上記の滑剤の添加量としては、ビヒクルの主成分としての樹脂100重量部に対し0.08重量%〜10.0重量%位の割合で添加することが好ましいものである。
その添加量としては、ビヒクルの主成分としての樹脂100重量部に対し0.01〜3重量%位が好ましい。
なお、一般的に、上記のような各樹脂組成物を使用して、本発明に係る多層積層樹脂フィルムからなるバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムを押出製膜化する場合、フィルム製膜化にとって、例えば、製品替え(パ−ジ)時に、押出機等の分解清掃等の作業が負荷されるので、樹脂組成物中に顔料等の着色剤を使用することは回避したいものであり、着色剤無添加フィルムの製膜化が望まれるものである。
そこで本発明においては、押出機の顔料等の着色剤による汚れを回避できないものの一番分解が困難であるダイスにおいて、顔料等の着色剤による汚れが生じない積層フィルムを製膜化すべく、外層として、顔料等の着色剤を添加しない透明ないし半透明の樹脂組成物を使用し、これにより、顔料等の着色剤無添加の樹脂膜を5μm〜100μmとし、これにより、ダイスの汚れ等を保護するという利点を有するものである。
また、本発明においては、本発明に係る多層積層樹脂フィルムを製造するに際して、接着性樹脂層、バリア性樹脂層等は、その樹脂組成物を2以上の樹脂組成物に分けて使用し、1層のみならず2層以上の多層に共押出積層することができるものである。
更に、本発明においては、本発明に係る多層積層樹脂フィルムとしては、その使用目的、用途等によって、他の材料を使用し、これを任意に共押出積層して、種々の形態からなる共押出多層積層樹脂フィルムを設計して製造することができるものである。
更に、本発明においては、上記の生分解性樹脂層の一方が、その上に直接的あるいは間接的に設ける印刷模様層の下地層等の機能を兼備することになり、印刷模様層を構成する文字、図形、記号、絵柄、その他等の印刷画像をより一層鮮明にし、美麗な印刷模様を再現ないし顕現することができるという効果を奏し、また、その生分解性樹脂層の他方が、製袋時等におけるシ−ル部等を形成するヒ−トシ−ル性樹脂層としての機能を兼備するという作用効果を奏することができるものである。
また、本発明において、上記のバリア性樹脂層は、酸素ガス、水蒸気等の透過を遮断ないし阻止する作用等を奏するものであり、これにより、内容物の品質保持、劣化防止等を達成するものである。
而して、本発明に係るバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムにおいて、その多層積層樹脂フィルムを構成する各層の膜厚としては、まず、第1および第2の生分解性樹脂層としては、膜厚5μm〜100μm、好ましくは、10μm〜70μm位、次に、バリア性樹脂層としては、膜厚2μm〜20μm、好ましくは、5μm〜15μm位の範囲からなることが好ましいものである。
上記において、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムからなるバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムを構成する各層の膜厚として、まず、第1および第2の生分解性樹脂層の膜厚として、膜厚5μm未満であると、保護層としての機能を奏することが困難になり、また、外観上、美観性等が低下することと、生分解性樹脂層の上に、印刷模様層等を設ける場合、印刷模様層等の階調あるいは色調等が影響を受けること等、更に、ヒ−トシ−ル性樹脂層等としての機能も低下すること等の理由から好ましくなく、また、膜厚100μmを越えると、保護層としての機能等は高くなるものの、全体の厚みが大きくなり、包装ゴミ等として環境に与える影響等が大きくなる恐れがあること等の理由から好ましくないものである。
次に、バリア性樹脂層の膜厚として、膜厚2μm未満であると、その効果を奏することが困難であり、また、膜厚20μmであると、その効果を奏することは可能であるが、全体の膜厚が高くなり、無駄になること等になり好ましくないものである。
而して、本発明に係るバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムは、これをバリア性材料あるいはヒ−トシ−ル性材料等として使用し、これと、プラスチックフィルム等の他の基材、紙基材、他の酸素ガスあるいは水蒸気等の透過を阻止するバリア性基材、セロハン、織布ないし不織布、ガラス板、その他等の種々の基材シ−トの1種ないし2種以上と任意に積層して、種々の形態からなる積層体を製造し、而して、該積層体を使用し、これを製袋して、種々の形態からなる包装用袋、包装製品等を構成する包装用材料、その他等の用途に適用し得るものである。
具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、フッ素系樹脂、生分解性樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
而して、上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
また、本発明において、その樹脂のフィルムないしシ−トの厚さとしては、強度、耐突き刺し性、剛性、その他等について必要最低限に保持され得る厚さであればよく、厚すぎると、コストを上昇するとい欠点もあり、逆に、薄すぎると、強度、耐突き刺し性、剛性、その他等が低下して好ましくないものである。
本発明においては、上記のような理由から、約10μmないし100μm位、好ましくは、約12μmないし50μm位が最も望ましい。
而して、本発明においては、上記のような樹脂のフィルムないしシ−トの中でも、特に、厚さ9μm〜30μm位の二軸延伸ポリエステル系樹脂、二軸延伸ポリアミド系樹脂、または、二軸延伸ポリプロピレン系樹脂のフィルムを使用することが好ましいものである。
勿論、本発明においては、紙層を構成する紙基材と、上記に挙げた基材シ−トとしての各種の樹脂のフィルムないしシ−ト等を併用して使用することができる。
具体的には、例えば、バリア性を有する酸化珪素、酸化アルミニュウム等の無機酸化物の蒸着膜を有する樹脂のフィルム、水蒸気、水等のバリア−性を有する低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等の樹脂のフィルムないしシ−ト、ガスバリア−性を有するポリビニルアルコ−ル、ナイロンMXD6等の樹脂のフィルムないしシ−ト、樹脂に顔料等の着色剤を、その他、所望の添加剤を加えて混練してフィルム化してなる遮光性を有する各種の着色樹脂のフィルムないしシ−ト等を使用することができる。
これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。 上記のフィルムないしシ−トの厚さとしては、任意であるが、通常、5μmないし300μm位、更には、10μmないし100μm位が望ましい。
また、上記の蒸着膜を支持する樹脂のフィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカ−ボネ−トフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコ−ルフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム、その他等を使用することができる。
更に、本発明においては、無機酸化物としては、一酸化ケイ素と二酸化ケイ素との混合物、あるいはケイ素酸化物と酸化アルミニウムとの混合物であってもよい。
而して、本発明において、無機酸化物の薄膜層を形成する方法としては、イオンビ−ム法、電子ビ−ム法等の真空蒸着法、スパッタリング法等によって蒸着膜を構成することによって形成することができる。
上記において、無機酸化物の薄膜層の厚さとしては、十分なバリア−性を得るために、通常、50Å〜2000Å位であることが好ましく、特に、本発明においては、100Å〜1000Å位が望ましい。
上記において、無機酸化物の薄膜層の厚さが、1000Åを超えると、特に、2000Åを超えると、無機酸化物の薄膜層にクラック等が入りやすくなり、それによりバリア−性が低下するという危険性があると共に、材料コストが高くなるという問題点であるので好ましくはなく、また、50Å未満、特に、100Å未満では、その効果が認められることが困難であり、好ましくない。
具体的には、例えば、ポリアクリル系樹脂、ポリメタクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリメタクリロニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリエチレンテレフタレ−ト系樹脂若しくはそのエチレン成分および/またはテレフタレ−ト成分の一部を他のジまたはたその以上の多価アルコ−ル成分またはジカルボン酸成分で共重合ないし変性した樹脂あるいはポリエチレンナフタレ−ト系樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、その他等の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
而して、本発明においては、上記の樹脂のフィルムないしシ−トの中でも、保香性を有すると共に酸素ガスあるいは水蒸気等に対するバリア性を有する樹脂のフィルムないしシ−トを使用することが望ましく、具体的には、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、または、ポリエステル系樹脂等からなる保香性、バリア性等に富む樹脂のフィルムないしシ−トを使用することが望ましいものである。
具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジェン−スチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタ− ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロ−ス、その他等の公知の樹脂のフィルムないしシ−トから任意に選択して使用することができる。
その他、例えば、セロハン等のフィルム、合成紙等も使用することができる。
本発明において、上記のフィルムないしシ−トは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。
また、その厚さは、任意であるが、数μmから300μm位の範囲から選択して使用することができる。
更に、本発明においては、フィルムないしシ−トとしては、押し出し成膜、インフレ−ション成膜、コ−ティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。
而して、本発明において、上記の印刷模様層としては、例えば、上記の基材シ−トの上に、例えば、文字、図形、記号、絵柄、その他等からなる所望の印刷模様を印刷して、印刷模様層を形成することができるものである。
而して、上記の印刷模様層としては、具体的には、まず、樹脂等の1種ないし2種以上からなるインキ用ビヒクルを主成分とし、これに、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他等の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練してインキ組成物を調整し、次いで、該インキ組成物を使用し、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリ−ン印刷、転写印刷、フレキソ印刷、その他等の印刷方式を使用し、上記の基材フィルムの上に、文字、図形、記号、絵柄、その他等からなる所望の印刷模様を印刷して、本発明にかかる印刷模様層を形成することができるものである。
上記の接着剤の組成系は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの組成物形態でもよく、また、その性状は、フィルム・シ−ト状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよいものである。
而して、上記の接着剤は、例えば、ロ−ルコ−ト法、グラビアロ−ルコ−ト法、キスコ−ト法、その他等のコ−ト法、あるいは、印刷法等によって施すことができ、そのコ−ティング量としては、0.1〜10g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
上記のアンカ−コ−ト剤は、例えば、ロ−ルコ−ト、グラビアロ−ルコ−ト、キスコ−ト、その他等のコ−ティング法を用いてコ−ティングすることができ、そのコ−ティング量としては、0.1〜5g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
なお、上記の押出ラミネ−ト積層法において、より強固な接着強度を得るために、例えば、上記のアンカ−コ−ト剤等のアンカ−コ−ト剤層を介して、積層することができる。
なお、本発明においては、例えば、ロ−ルコ−ト、グラビアロ−ルコ−ト、キスコ−ト、その他等のコ−ティング法を用いてコ−ティングしてプライマ−コ−ト剤層を形成することができ、而して、そのコ−ティング量としては、0.1〜10g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
また、本発明においては、上記の積層を行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、オゾン処理等の前処理をフィルムに施すことがでる。
而して、その製袋方法としては、上記の積層材を、その内層の面を対向させて折り曲げるか、あるいはその二枚を重ね合わせ、更にその外周の周辺端部を、例えば、側面シ−ル型、二方シ−ル型、三方シ−ル型、四方シ−ル型、封筒貼りシ−ル型、合掌貼りシ−ル型(ピロ−シ−ル型)、ひだ付シ−ル型、平底シ−ル型、角底シ−ル型、その他等のヒ−トシ−ル形態によりヒ−トシ−ルして、本発明に係る種々の形態の包装用袋を製造することができる。
その他、例えば、自立性包装袋(スタンディングパウチ)等も製造することが可能であり、更に、本発明においては、上記の積層材を使用してチュ−ブ容器等も製造することができる。
上記において、ヒ−トシ−ルの方法としては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−ル等の公知の方法で行うことができる。
なお、本発明においては、上記のような包装用袋には、例えば、ワンピ−スタイプ、ツウ−ピ−スタイプ、その他等の注出口、あるいは開閉用ジッパ−等を任意に取り付けることができる。
而して、本発明においては、特に、例えば、醤油、ソ−ス、ス−プ等を充填包装する自立性袋、生菓子等を充填包装する自立性袋、冷凍食品を充填包装する包装用袋、あるいは、ボイルあるいはレトルト食品等を充填包装する自立性袋等の液体飲食物あるいは水分等を含む飲食物等を充填包装する自立性袋として有用なものである。
本発明においては、例えば、上記で製造した自立性袋の開口部から、例えば、飲食品、その他等の内容物を充填し、次いで、上方の開口部をヒ−トシ−ルして上方のシ−ル部等を形成し、更に、必要に応じて、例えば、ボイル処理、レトルト処理等を施して、種々の形態からなる包装製品を製造することができるものである。
また、本発明においては、特に、産業材料としての感光性材料、例えば、フィルム、感光剤、その他等の物品を充填包装する自立性袋として有用なものである。
次に、本発明について実施例を挙げて更に具体的に説明する。
(イ).第一層を構成する樹脂組成物
表面層を構成する樹脂組成物として、ポリブチレンサクシネ−ト(PBS)(三菱化学株式会社製、商品名、GS Pla AZ91T:密度=1.26g/cm3 、メルトフロ−レイト(MFR)=4.5g/10分、融点110℃)90.0重量部と、アジピン酸エステル(大八化学工業株式会社社製、商品名、DAIFATTY−101:密度=1.10g/cm3 、分子量=338、粘度=19mPa・s)10.0重量部とを充分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ロ).第二層を構成する樹脂組成物
バリア性樹脂層を構成する樹脂組成物として、ポリグリコ−ル酸(ガラス転移点=60℃、融点=220℃)100.0を充分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ハ).第三層を構成する樹脂組成物
上記の(イ)の第一層を構成する樹脂組成物と同じ樹脂組成物を使用した。
(2).次に、上記で調製した3種の樹脂組成物を使用し、これらを、3種3層の上吹き空冷インフレ−ション共押出製膜機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を20μm、(ロ)の樹脂組成物による層を10μm、および、(ハ)の樹脂組成物による層を20μmにそれぞれ共押出して製膜化して、2種3層の総厚50μmの共押出インフレ−ションフィルムからなる本発明に係るバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムを製造した。 上記のフィルムにおいて、第一層、第二層、および、第三層の各層間は、極めて強固に密接着し、その接着強度は十分高く、実用上問題のないレベルであった。
(3).次に、厚さ20μmの延伸ポリ乳酸樹脂フィルム(東セロ株式会社製、商品名、延伸PLAフィルム、パルグリ−ンLC、片面コロナ放電処理)を使用し、そのコロナ放電処理面に、所望の印刷模様を形成した後、その印刷模様を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングしてラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト用接着剤層の面に、上記の(2)で製造したバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムを、その第一層の面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−トして積層して、本発明に係る積層体を製造した。
(4).次に、上記で製造した積層体の2枚を用意し、そのバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムの第五層の面を対向して重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を有する130mm×170mmの三方シ−ル型の軟包装用袋を製造した。
上記で製造した三方シ−ル型の軟包装用袋内に、その開口部から50gの小麦粉を充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ルして上方シ−ル部を形成して、本発明にかかる包装製品を製造した。
上記で製造した包装製品を1mの高さから5回落下させたが、破袋は認められず、また、高い酸素ガス性も確認できた。
(イ).第一層を構成する樹脂組成物
表面層を構成する樹脂組成物として、ポリブチレンサクシネ−ト(三菱化学株式会社製、商品名、GS Pla AZ91T:密度=1.26g/cm3 、メルトフロ−レイト(MFR)=4.5g/10分、融点110℃)70.0重量部と、ポリエステル系エラストマ−(東レ・デュポン株式会社製、商品名、ハイレトルト4057:密度=1.15g/cm3 、融点163℃、弾性=60MPa)30.0重量部とを充分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ロ).第二層を構成する樹脂組成物
バリア性樹脂層を構成する樹脂組成物として、ポリグリコ−ル酸(ガラス転移点=60℃、融点=220℃)100.0を充分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ハ).第三層を構成する樹脂組成物
上記の(イ)の第一層を構成する樹脂組成物と同じ樹脂組成物を使用した。
(2).次に、上記で調製した3種の樹脂組成物を使用し、これらを、3種3層の上吹き空冷インフレ−ション共押出製膜機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を20μm、(ロ)の樹脂組成物による層を10μm、および、(ハ)の樹脂組成物による層を20μmにそれぞれ共押出して製膜化して、2種3層の総厚50μmの共押出インフレ−ションフィルムからなる本発明に係るバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムを製造した。 上記のフィルムにおいて、第一層、第二層、および、第三層の各層間は、極めて強固に密接着し、その接着強度は十分高く、実用上問題のないレベルであった。
(3).次に、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、そのコロナ放電処理面に、所望の印刷模様を形成した後、その印刷模様を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングしてラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト用接着剤層の面に、上記の(2)で製造したバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムを、その第一層の面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−トして積層して、本発明に係る積層体を製造した。
(4).次に、上記で製造した積層体の2枚を用意し、そのバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムの第五層の面を対向して重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を有する130mm×170mmの三方シ−ル型の軟包装用袋を製造した。
上記で製造した三方シ−ル型の軟包装用袋内に、その開口部から50gの小麦粉を充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ルして上方シ−ル部を形成して、本発明にかかる包装製品を製造した。
上記で製造した包装製品を1mの高さから5回落下させたが、破袋は認められず、また、高い酸素ガス性も確認できた。
(イ).第一層を構成する樹脂組成物
表面層を構成する樹脂組成物として、ポリブチレンサクシネ−ト(PBS)(三菱化学株式会社製、商品名、GS Pla AZ91T:密度=1.26g/cm3 、メルトフロ−レイト(MFR)=4.5g/10分、融点110℃)70.0重量部と、ポリ乳酸樹脂(PLA)(三井化学株式会社製、商品名、レイシアH400:密度=1.26g/cm3 、メルトフロ−レイト(MFR)=2.7g/10分、融点166℃)30.0重量部とを充分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ロ).第二層を構成する樹脂組成物
バリア性樹脂層を構成する樹脂組成物として、ポリグリコ−ル酸(ガラス転移点=60℃、融点=220℃)100.0を充分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ハ).第三層を構成する樹脂組成物
上記の(イ)の第一層を構成する樹脂組成物と同じ樹脂組成物を使用した。
(2).次に、上記で調製した3種の樹脂組成物を使用し、これらを、3種3層の上吹き空冷インフレ−ション共押出製膜機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を20μm、(ロ)の樹脂組成物による層を10μm、(ハ)の樹脂組成物による層を20μmにそれぞれ共押出して製膜化して、2種3層の総厚50μmの共押出インフレ−ションフィルムからなる本発明に係るバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムを製造した。
上記のフィルムにおいて、第一層、第二層、および、第三層の各層間は、極めて強固に密接着し、その接着強度は十分高く、実用上問題のないレベルであった。
(3).次に、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、そのコロナ放電処理面に、所望の印刷模様を形成した後、その印刷模様を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングしてラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト用接着剤層の面に、上記の(2)で製造したバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムを、その第一層の面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−トして積層して、本発明に係る積層体を製造した。
(4).次に、上記で製造した積層体の2枚を用意し、そのバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムの第五層の面を対向して重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を有する130mm×170mmの三方シ−ル型の軟包装用袋を製造した。
上記で製造した三方シ−ル型の軟包装用袋内に、その開口部から50gの小麦粉を充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ルして上方シ−ル部を形成して、本発明にかかる包装製品を製造した。
上記で製造した包装製品を1mの高さから5回落下させたが、破袋は認められず、また、高い酸素ガス性も確認できた。
上記の実施例1〜3で製造した本発明に係るバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムを使用して製造した本発明に係る積層体について、下記の物性を測定した。
(1).酸素バリア性の測定
これは、実施例1〜3で製造した本発明に係るバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムを使用して製造した本発明に係る積層体について、温度20℃、湿度65%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、オクストラン(OXTRAN)〕にて測定した。
(2).シ−ル強度の測定
これは、実施例1〜3で製造した本発明に係るバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムを使用して製造した本発明に係る積層体について、180℃、1kg/cm2 、1sにてシ−ルし、そのシ−ル部分を15mm巾に切り出し、300mm/minの速度から引っ張り試験を行って、測定した。
(3).曲げ弾性率の測定
これは、実施例1〜3で製造した本発明に係るバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムを使用して製造した本発明に係る積層体について、JIS−K7171に準拠した手法で測定した。
(4).落下適性の測定
これは、実施例1〜3で製造した本発明に係るバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムを使用して製造した本発明に係る積層体を使用し、これを製袋して、130mm×170mmの4方パウチを製造し、これに50gの小麦粉を充填包装して包装製品を製造し、害包装製品を1mの高さから5回落下させてテストした。
上記の測定結果について、下記の表1に示す。
┌────┬───────────┬────────┐ │ │ 酸素ガスバリア性 │ シ−ル強度 │ │ │[cc/m2 ・day]│[N/15mm]│ ├────┼───────────┼────────┤ │実施例1│ 1.2 │ 19.3 │ ├────┼───────────┼────────┤ │実施例2│ 1.1 │ 17.1 │ ├────┼───────────┼────────┤ │実施例3│ 0.9 │ 25.9 │ └────┴───────────┴────────┘
┌────┬───────┬──────┐ │ │ 曲げ弾性率 │ 落下強度 │ │ │ [MPa] │ [5回] │ ├────┼───────┼──────┤ │実施例1│ 500 │ 破袋なし │ ├────┼───────┼──────┤ │実施例2│ 450 │ 破袋なし │ ├────┼───────┼──────┤ │実施例3│ 850 │ 破袋なし │ └────┴───────┴──────┘
B、B1 積層体
C 包装用袋
D 包装製品
1、1a、1´、1´a 生分解性樹脂層
2、2a バリア性樹脂層
3、3a 5層の多層積層樹脂フィルム
Claims (12)
- 生分解性樹脂を主成分とする樹脂組成物による生分解性樹脂層、バリア性樹脂層、および、生分解性樹脂を主成分とする樹脂組成物による生分解性樹脂層の順で共押出した多層積層樹脂フィルムからなり、更に、上記の生分解性樹脂層が、脂肪族ポリエステル樹脂とこれを改質する改質剤とを、前者51〜95重両部、後者5〜49重量部の配合割合で混練してなる混合樹脂を主成分とする樹脂組成物による生分解性樹脂層からなり、また、上記のバリア性樹脂層が、ポリグリコ−ル酸を主成分とするバリア性樹脂組成物によるバリア性樹脂層からなることを特徴とするバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルム。
- 脂肪族ポリエステル樹脂が、ポリブチレンサクシネ−ト樹脂、ポリブチレンアジペ−ト樹脂、ポリブチレンセバケ−ト、または、ポリブチレンサクシネ−トアジペ−ト樹脂の1種ないし2種以上からなることを特徴とする上記の請求項1に記載するバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルム。
- 脂肪族ポリエステル樹脂が、密度、1.20〜1.30g/cm3 、融点、80〜120℃、メルトフロ−レイト(MFR)、1.0〜30.0g/10分からなるポリブチレンサクシネ−ト樹脂からなることを特徴とする上記の請求項1〜2のいずれか1項に記載するバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルム。
- 改質剤が、ポリ乳酸樹脂、アジピン酸エステルまたはポリエステル系エラストマ−からなることを特徴とする上記の請求項1〜3のいずれか1項に記載するバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルム。
- ポリ乳酸樹脂が、密度、1.10〜1.30g/cm3 、融点、150℃〜170℃、メルトフロ−レイト(MFR)、1.0〜20.0g/10分からなることを特徴とする上記の請求項4に記載するバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルム。
- アジピン酸エステルが、アジピン酸と高級アルコ−ルとのジエステル化物からなることを特徴とする上記の請求項4に記載するバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルム。
- ポリエステル系エラストマ−が、高融点(Tm )のポリエステル部分をハ−ドセグメントとし、低融点(Tm )ないし低ガラス転移温度(Tg )のポリエ−テルまたはポリエステル部分ををソフトセグメントとするポリエステル系エラストマ−からなることを特徴とする上記の請求項4に記載するバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルム。
- 生分解性樹脂層が、膜厚5μm〜100μmからなることを特徴とする上記の請求項1〜7のいずれか1項に記載するバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルム。
- バリア性樹脂層が、膜厚2μm〜20μmからなることを特徴とする上記の請求項1〜8のいずれか1項に記載するバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルム。
- バリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムが、酸素透過度5cc/m2 ・day(20℃−65%RH)以下であることを特徴とする上記の請求項1〜9のいずれか1項に記載するバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルム。
- バリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムが、曲げ弾性率が200〜1000MPaの範囲であることを特徴とする上記の請求項1〜10のいずれか1項に記載するバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルム。
- バリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルムが、シ−ル強度10N/15mm以上であることを特徴とする上記の請求項1〜11のいずれか1項に記載するバリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルム。
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