JP2004203036A - 生分解性樹脂積層体 - Google Patents

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Abstract

【目的】 生分解性、及びガスバリア性を有すると共に、層間接着性、及びヒートシール性等の熱融着性に優れ、特に食品包装用に好適に用いられる生分解性樹脂積層体を提供する。
【構成】 下記の(A)層と(B)層とが、共押出成形により融着されてなる生分解性樹脂積層体。
(A)脂肪族或いは脂環式ジオールに由来する構成単位と脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸に由来する構成単位を含み、数平均分子量が10,000〜200,000の脂肪族或いは脂環式ポリエステル樹脂からなる層
(B)グリコール酸に由来する構成単位から主としてなる脂肪族ポリエステル樹脂からなる層

Description

本発明は、生分解性樹脂積層体に関し、更に詳しくは、生分解性、及びガスバリア性を有すると共に、層間接着性、及びヒートシール性等の熱融着性に優れ、特に食品包装用に好適に用いられる生分解性積層体に関する。
近年、合成樹脂成形体の使用期間終了後の埋め立て廃棄処理に伴う環境蓄積による環境の悪化の問題に対して、土壌中の微生物や酵素等で生分解する生分解性樹脂の使用が注目されており、その生分解性樹脂として、従来より、ポリ乳酸や、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸からなる脂肪族ポリエステル等が知られている。
一方、これらの生分解性樹脂は酸素や炭酸ガス等に対するガスバリア性を有していないことから、食品等の包装材としては用い得ず、これに対して、生分解性樹脂の中でポリグリコール酸からなるガスバリア性フィルムが提案され(例えば、特許文献1参照。)、更に、ポリ乳酸、ポリこはく酸エステル等の生分解性樹脂からなるフィルムに、そのポリグリコール酸からなるフィルムを接着剤を介して積層することによりガスバリア性を付与した複合フィルム(例えば、特許文献2参照。)、或いは、ポリ乳酸等のポリ(ヒドロキシカルボン酸)からなる層と、ポリグリコール酸からなる層との共押出等による積層ラップフィルムが提案されている(例えば、特許文献3、及び特許文献4参照。)。
しかしながら、本発明者等の検討によると、これら特許文献に開示されるフィルムは、ガスバリア性には優れるものの、特許文献1に記載されるフィルムはヒートシール性等の熱融着性の点において、又、特許文献2に記載される複合フィルムもヒートシール性等の熱融着性の点、及び、非生分解性の接着剤を用いていることから生分解性の点において、又、特許文献3及び4に記載される共押出等による積層ラップフィルムもヒートシール性等の熱融着性の点において、それぞれ改良の余地を残し、いずれも、生分解性、ガスバリア性、及び、層間接着性、熱融着性のバランスにおいて欠陥を有するものであった。
特開平10−60136号公報 特開平10−80990号公報 特開2000−37837号公報 特開2002−1890号公報
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたもので、生分解性、及びガスバリア性を有すると共に、層間接着性、及びヒートシール性等の熱融着性に優れ、特に食品包装用に好適に用いられる生分解性樹脂積層体を提供することを目的とする。
本発明者等は、生分解性樹脂としてその生分解性に優れる脂肪族或いは脂環式ポリエステルであって、その高分子量物を選択すると共に、その脂肪族或いは脂環式ポリエステルと、ガスバリア性に優れるポリグリコール酸とを共押出成形により積層した積層体が、前記目的を達成できることを見出し本発明に到達したもので、従って、本発明は、下記の(A)層と(B)層とが、共押出成形により融着されてなる生分解性樹脂積層体、を要旨とする。
(A)脂肪族或いは脂環式ジオールに由来する構成単位と脂肪族或いは脂環式ジカルボ
ン酸に由来する構成単位を含み、数平均分子量が10,000〜200,000の脂肪族或いは脂環式ポリエステル樹脂からなる層
(B)グリコール酸に由来する構成単位から主としてなる脂肪族ポリエステル樹脂からなる層
本発明によれば、生分解性、及びガスバリア性を有すると共に、層間接着性、及びヒートシール性等の熱融着性に優れ、特に食品包装用に好適に用いられる生分解性樹脂積層体を提供することができる。従って、本発明の生分解性樹脂積層体を用いたフィルムやシートにおいては、生分解性、ガスバリア性、及び層間接着性に優れると共に、ヒートシール性にも優れた包装袋、熱成形容器等の、又、本発明の生分解性樹脂積層体を用いたブロー成形体においては、生分解性、ガスバリア性、及び層間接着性に優れると共に、ピンチオフ強度にも優れた瓶等の、食品包装用容器が得られる。
本発明の生分解性樹脂積層体を構成する(A)層は、脂肪族或いは脂環式ジオールに由来する構成単位と脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸に由来する構成単位を含む脂肪族或いは脂環式ポリエステル樹脂からなる。
ここで、脂肪族或いは脂環式ポリエステル樹脂は、脂肪族或いは脂環式ジオールと脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸との重縮合体又は共重縮合体であり、その脂肪族或いは脂環式ジオールとしては、炭素数が2〜10の脂肪族ジオール、或いは炭素数が3〜10の脂環式ジオールが好ましく、又、脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸としては、カルボキシル基以外の炭素数が2〜12の脂肪族ジカルボン酸、或いはカルボキシル基以外の炭素数が3〜12の脂環式ジカルボン酸が好ましい。
その脂肪族或いは脂環式ジオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール等が挙げられ、中で、1,4−ブタンジオールが特に好ましい。又、その脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸としては、具体的には、例えば、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、及びこれらジカルボン酸の炭素数1〜4程度のアルキルエステル、無水物等の誘導体等が挙げられ、中で、琥珀酸が特に好ましい。
又、本発明における脂肪族或いは脂環式ポリエステル樹脂は、数平均分子量が10,000〜200,000であることが必須であり、20,000〜150,000であるのが好ましい。数平均分子量が前記範囲未満では、機械的強度が劣り、後述する、グリコール酸に由来する構成単位から主としてなる脂肪族ポリエステル樹脂からなる(B)層との層間接着力が低下することとなり、一方、前記範囲超過では、積層体に成形するときの成形加工性が劣り、又、生分解性も低下することとなる。
本発明における脂肪族或いは脂環式ポリエステル樹脂が前記数平均分子量の範囲を満足するためには、該ポリエステル樹脂が、前記脂肪族或いは脂環式ジオールに由来する構成単位と前記脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸に由来する構成単位の外に、更に、共重合成分として、脂肪族或いは脂環式オキシカルボン酸、又は環状エステルに由来する構成単位を含ませることにより高分子量化するか、又は、末端が実質的にヒドロキシル基であるポリエステルジオールに、その溶融状態でカップリング剤としてのイソシアナート化合物を
添加してウレタン結合により高分子量化するか、又は、ジフェニルカーボネート等を添加してカーボネート結合により高分子量化する等の方法を採ることが好ましい。
これらの高分子量化法の中で、ウレタン結合、或いはカーボネート結合により高分子量化する方法は積層体に成形するにおいてゲルやブツ等が生じ易い等の点から、脂肪族或いは脂環式オキシカルボン酸、又は環状エステルに由来する構成単位を含ませることにより高分子量化する方法によるのが好ましい。
本発明におけるその脂肪族或いは脂環式オキシカルボン酸としては、炭素数が2〜12の2−ヒドロキシアルカン酸が好ましく、具体的には、例えば、グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−n−酪酸、2−ヒドロキシ−n−吉草酸、2−ヒドロキシ−n−ヘキサン酸、2−ヒドロキシ−i−ヘキサン酸等が挙げられ、中で、グリコール酸、又は乳酸が特に好ましい。
又、環状エステルとしては、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の環状モノエステルであるラクトン類、及び、グリコリド、ラクチド等の環状ジエステルであるラクチド類が挙げられる。
又、本発明における脂肪族或いは脂環式ポリエステル樹脂としては、積層体に成形するときの成形加工性、並びに、積層体としての生分解生、層間接着性、及びヒートシール性等の熱融着性等の面から、脂肪族或いは脂環式ジオールに由来する構成単位が35〜49.99モル%、脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸に由来する構成単位が35〜49.99モル%、及び脂肪族或いは脂環式オキシカルボン酸に由来する構成単位が0.02〜30モル%からなるものが好ましく、脂肪族或いは脂環式ジオールに由来する構成単位が40〜49.75モル%、脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸に由来する構成単位が40〜49.75モル%、及び脂肪族或いは脂環式オキシカルボン酸に由来する構成単位が0.5〜20モル%からなるものが更に好ましく、脂肪族或いは脂環式ジオールに由来する構成単位が45〜49.5モル%、脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸に由来する構成単位が45〜49.5モル%、及び脂肪族或いは脂環式オキシカルボン酸に由来する構成単位が1〜10モル%からなるものが特に好ましい。
尚、本発明における脂肪族或いは脂環式ポリエステル樹脂は、共重縮合成分として、更に、例えば、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族ジオール、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、及び、ヒドロキシ安息香酸等の芳香族オキシカルボン酸、並びに、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、没食子酸、及び、林檎酸、トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の三官能以上の多官能成分を、全成分に対して、通常1モル%以下の量の構成単位として含んでいてもよい。
又、本発明の生分解性樹脂積層体を構成する(B)層は、グリコール酸に由来する構成単位から主としてなる脂肪族ポリエステル樹脂からなり、具体的には、グリコール酸に由来する構成単位のみからなる単独重縮合体、及び、グリコール酸に由来する構成単位から主としてなりグリコール酸以外の共重縮合成分を含む共重縮合体のいずれであってもよいが、グリコール酸に由来する構成単位の含有割合が、積層体としてのガスバリア性の面から、70モル%以上であるのが好ましく、80モル%以上であるのが更に好ましく、90モル%以上であるのが特に好ましい。
尚、ここで、グリコール酸以外の共重縮合成分としては、前記(A)層の脂肪族或いは脂環式ポリエステル樹脂において挙げたと同様の脂肪族或いは脂環式ジオール、脂肪族或
いは脂環式ジカルボン酸、並びに、脂肪族或いは脂環式オキシカルボン酸、及び、ラクトン類やラクチド類の環状エステル等が挙げられる。
本発明の生分解性樹脂積層体は、脂肪族或いは脂環式ジオールに由来する構成単位と脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸に由来する構成単位を含む前記脂肪族或いは脂環式ポリエステル樹脂からなる(A)層と、グリコール酸に由来する構成単位から主としてなる前記脂肪族ポリエステル樹脂からなる(B)層とが、共押出成形により融着されてなるものであり、その共押出による融着は、(A)層を構成する前記脂肪族或いは脂環式ポリエステル樹脂と、(B)層を構成する前記脂肪族ポリエステル樹脂とを、それぞれ、押出機で溶融混練した後、Tダイ或いは環状ダイを備えた、フィルム、或いはシート等の共押出成形機に供給して両者を積層一体化し、Tダイ或いは環状ダイより、シート状或いはチューブ状に溶融共押出した後、冷却固化する従来公知の共押出成形法、又は、押出機で溶融混練した後、環状ダイを備えたブロー成形機に供給して両者を積層一体化し、環状ダイより溶融共押出したパリソンをブロー成形した後、冷却固化する従来公知の共押出成形法、によりなされる。
尚、その際の共押出温度は、180〜300℃程度であるのが好ましく、200〜250℃程度であるのが特に好ましい。又、両層には、樹脂成形体に通常用いられる酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、離型剤、防曇剤、核剤、可塑剤、着色剤、充填材等が含有されていてもよい。
本発明の生分解性樹脂積層体において、脂肪族或いは脂環式ジオールに由来する構成単位と脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸に由来する構成単位を含む前記脂肪族或いは脂環式ポリエステル樹脂からなる(A)層と、グリコール酸に由来する構成単位から主としてなる前記脂肪族ポリエステル樹脂からなる(B)層とが共押出成形により融着されている限り、その層構成は特に限定されず、又、更に他の生分解性樹脂からなる(C)層も含んでいてよく、例えば、A/B、A/B/A、A/B/C、B/A/B、B/A/C、等の層構成例が挙げられるが、中で、A/B、又はA/B/Aの層構成であるのが好ましく、A/B/Aの層構成であるのが特に好ましい。
又、本発明の生分解性樹脂積層体としての厚みは、5〜2,000μm程度であるのが好ましく、各層の厚みは、前記(A)層が3〜1,800μm、前記(B)層が1〜500μmであるのが好ましく、前記(A)層が10〜800μm、前記(B)層が5〜200μmであるのが特に好ましい。尚、本発明の生分解性樹脂積層体は、未延伸物及び延伸物のいずれであってもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
(A)層用として、1、4−ブタンジオールに由来する構成単位47.8モル%、琥珀酸に由来する構成単位47.8モル%、及び乳酸に由来する構成単位4.4モル%からなり、数平均分子量が69,000の脂肪族ポリエステル樹脂と、(B)層用として、グリコール酸に由来する構成単位100モル%からなる脂肪族ポリエステル樹脂とを、卓上プレス機((株)東洋精機製作所製,製品名:ミニテストプレスMP−S)を用いて、厚み450μmの前者脂肪族ポリエステル樹脂(A)層/厚み100μmの後者脂肪族ポリエステル樹脂(B)層/厚み450μmの前者脂肪族ポリエステル樹脂(A)層、の2種3層の生分解性樹脂積層フィルムを作製した。接着性は良好であった。
得られた生分解性樹脂積層フィルムについて、以下に示す方法で、ガスバリア性を評価したところ、酸素透過度は0.05cm3/m2・24h・atm未満であった。
<ガスバリア性>
JIS K7126に準拠して、23℃、80%RHの条件下で、酸素透過度を測定した。
比較例1
(A)層用として、1、4−ブタンジオールに由来する構成単位と琥珀酸に由来する構成単位、及び乳酸に由来する構成単位からなる脂肪族ポリエステル樹脂に代えて、市販のポリ乳酸樹脂(カーギルダウジャパン社製「ネイチャーワークス」)を用いた以外は、実施例1と同様にして生分解性樹脂積層フィルムを作製した。接着性は不良で部分的に剥離が見られた。得られた生分解性樹脂積層フィルムについて、前記と同様の方法で測定した酸素透過度は0.05cm3/m2・24h・atm未満であった。
実施例2
(A)層用として、1,4−ブタンジオールに由来する構成単位47.8モル%、琥珀酸に由来する構成単位47.8モル%、及び乳酸に由来する構成単位4.4モル%からなり、数平均分子量が69,000の脂肪族ポリエステル樹脂と、(B)層用として、グリコール酸に由来する構成単位100モル%からなる脂肪族ポリエステル樹脂とを、それぞれ一軸押出機で溶融混練した後、Tダイを備えた共押出フィルム成形機に供給して両者を積層一体化し、210℃でフィルム状に溶融共押出した後、冷却固化することにより、厚み45μmの前者脂肪族ポリエステル樹脂(A)層/厚み10μmの後者脂肪族ポリエステル樹脂(B)層/厚み45μmの前者脂肪族ポリエステル樹脂(A)層、の2種3層の生分解性樹脂積層フィルムを製造した。
得られた生分解性樹脂積層フィルムについて、以下に示す方法で、ガスバリア性を評価したところ、酸素透過度は7.0cm3 /m2 ・24h・atm、炭酸ガス透過度は25cm3 /m2 ・24h・atmであった。
<ガスバリア性>
JIS K7126に準拠して、23℃、80%RHの条件下で、酸素透過度、及び炭酸ガス透過度を測定した。
又、得られた生分解性樹脂積層フィルムについて、以下に示す方法で、層間接着性を評価したところ、剥離強度は350g/10mmであった。
<層間接着性>
フィルムから切り出した幅10mmの短冊状試験片を用い、JIS K6854に準拠して、その一端の(A)層と(B)層間を予め剥離し、剥離速度500mm/分でT型剥離試験を行い剥離強度を測定した。
又、得られた生分解性樹脂積層フィルムについて、以下に示す方法で、ヒートシール性を評価したところ、ヒートシール強度は1,700g/10mmであった。
<ヒートシール性>
2枚のフィルム同士を、5mm×200mmのヒートシールバーを用い、150℃で、圧力2kg/cm2 、時間1.5秒で(A)層同士をヒートシールした試料から切り出した幅10mmの短冊状試験片を用い、JIS K6854に準拠して、その一端を予め剥離し、剥離速度500mm/分でT型剥離試験を行い剥離強度を測定した。
更に、得られた生分解性樹脂積層フィルムについて、以下に示す方法で、生分解性の促進試験を実施したところ、フィルム試験片は生分解され、その残存を全く確認できなかった。
<生分解性の促進試験>
フィルムから2cm×2cmの大きさに切り出した試験片に、リパーゼ(Rhizopus delemer、SIGMA社製)5ユニット/mlと界面活性剤(第一工業製薬
社製「プライサーフA210G」)0.005重量%を加えた燐酸緩衝液に浸漬し、一昼夜放置後、三菱化学(株)横浜科学技術研究センター内の試験圃場の土壌中10cmの深さに埋め込み、1年後にシート試験片の生分解・残存状況を確認した。
実施例3
(A)層用として、1,4−ブタンジオールに由来する構成単位48.8モル%、琥珀酸に由来する構成単位48.8モル%、及びグリコール酸に由来する構成単位2.4モル%からなり、数平均分子量が42,500の脂肪族ポリエステル樹脂を用いた外は、実施例2と同様にして生分解性樹脂積層フィルムを製造し、得られた生分解性樹脂積層フィルムについて、前記と同様の方法で測定した酸素透過度は7.0cm3 /m2 ・24h・atm、炭酸ガス透過度は25cm3 /m2 ・24h・atmであり、剥離強度は300g/10mm、ヒートシール強度は1,500g/10mmであった。又、生分解性の促進試験において、シート試験片は生分解され、その残存を全く確認できなかった。
実施例4
(A)層用として、1,4−ブタンジオールに由来する構成単位と琥珀酸に由来する構成単位及び乳酸に由来する構成単位からなる脂肪族ポリエステル樹脂に代えて、ウレタン結合により高分子量化した市販の脂肪族ポリエステル樹脂(数平均分子量26,000、昭和高分子社製「ビオノーレ」)を用いた外は、実施例2と同様にして生分解性樹脂積層フィルムを製造した。尚、フィルムには、(A)層側に僅かながらのブツの存在が認められた。得られた生分解性積層フィルムについて、前記と同様の方法で測定した酸素透過度は7.0cm3 /m2 ・24h・atm、炭酸ガス透過度は25cm3 /m2 ・24h・atmであり、剥離強度は250g/10mm、ヒートシール強度は1,400g/10mmであった。又、生分解性の促進試験において、シート試験片は生分解され、その残存を全く確認できなかった。
比較例2
(A)層用として、1,4−ブタンジオールに由来する構成単位と琥珀酸に由来する構成単位、及び乳酸に由来する構成単位からなる脂肪族ポリエステル樹脂に代えて、市販のポリ乳酸樹脂(カーギルダウジャパン社製「ネイチャーワークス」)を用いた外は、実施例2と同様にして生分解性樹脂積層フィルムを製造し、得られた生分解性樹脂積層フィルムについて、前記と同様の方法で測定した酸素透過度は7.5cm3 /m2 ・24h・atm、炭酸ガス透過度は27cm3 /m2 ・24h・atmであり、剥離強度は30g/10mmであり、又、ヒートシール強度は0g/10mmであり、熱融着が不可であった。又、生分解性の促進試験において、シート試験片は生分解され、その残存を殆ど確認できなかった。
本発明によれば、生分解性、及びガスバリア性を有すると共に、層間接着性、及びヒートシール性等の熱融着性に優れ、特に食品包装用に好適に用いられる生分解性樹脂積層体を提供することができる。従って、本発明の生分解性樹脂積層体を用いたフィルムやシートにおいては、生分解性、ガスバリア性、及び層間接着性に優れると共に、ヒートシール性にも優れた包装袋、熱成形容器等の、又、本発明の生分解性樹脂積層体を用いたブロー成形体においては、生分解性、ガスバリア性、及び層間接着性に優れると共に、ピンチオフ強度にも優れた瓶等の、食品包装用容器が得られるものである。

Claims (6)

  1. 下記の(A)層と(B)層とが、共押出成形により融着されてなることを特徴とする生分解性樹脂積層体。
    (A)脂肪族或いは脂環式ジオールに由来する構成単位と脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸に由来する構成単位を含み、数平均分子量が10,000〜200,000の脂肪族或いは脂環式ポリエステル樹脂からなる層
    (B)グリコール酸に由来する構成単位から主としてなる脂肪族ポリエステル樹脂からなる層
  2. (A)層の脂肪族或いは脂環式ポリエステル樹脂における、脂肪族或いは脂環式ジオールが1,4−ブタンジオールであり、脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸が琥珀酸である請求項1に記載の生分解性樹脂積層体。
  3. (A)層の脂肪族或いは脂環式ポリエステル樹脂が、更に、脂肪族或いは脂環式オキシカルボン酸、又は環状エステルに由来する構成単位を含むものである請求項1又は2に記載の生分解性樹脂積層体。
  4. (A)層の脂肪族或いは脂環式ポリエステル樹脂における脂肪族或いは脂環式オキシカルボン酸、又は環状エステルが、グリコール酸又は乳酸である請求項3に記載の生分解性樹脂積層体。
  5. (A)層の脂肪族或いは脂環式ポリエステル樹脂が、脂肪族或いは脂環式ジオールに由来する構成単位35〜49.99モル%、脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸に由来する構成単位35〜49.99モル%、及び、脂肪族或いは脂環式オキシカルボン酸、又は環状エステルに由来する構成単位0.02〜30モル%からなるものである請求項3又は4に記載の生分解性樹脂積層体。
  6. (B)層の脂肪族ポリエステル樹脂が、グリコール酸に由来する構成単位を70モル%以上含むものである請求項1乃至5のいずれかに記載の生分解性樹脂積層体。

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