JP2008062984A - ポリ乳酸系延伸フィルムからなる包装袋 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を含むポリ乳酸系組成物からなり、DSC測定における150〜200℃の範囲にある吸熱ピークの最大吸熱ピークのピーク高さ(ピーク1)と205〜240℃の範囲にある吸熱ピークの最大吸熱ピークのピーク高さ(ピーク2)とのピーク比(ピーク1/ピーク2)が0.2以下であるポリ乳酸系延伸フィルムからなることを特徴とする包装袋に関する。
【選択図】図1
Description
本発明に係わるポリ乳酸系組成物層の1成分であるポリ−L−乳酸(PLLA)は、L−乳酸を主たる構成成分、好ましくは95モル%以上を含む重合体である。L−乳酸の含有量が95モル%未満の重合体は、後述のポリ−D−乳酸(PDLA)と溶融混練して得られるポリ乳酸系組成物からなる層あるいは当該層を延伸して得られる延伸フィルムの耐熱性が劣る虞がある。
<ポリ−D−乳酸>
本発明に係わるポリ乳酸系組成物層の1成分であるポリ−D−乳酸(PDLA)は、D−乳酸を主たる構成成分、好ましくは95モル%以上を含む重合体である。D−乳酸の含有量が95モル%未満の重合体は、前述のポリ−L−乳酸と溶融混練して得られるポリ乳酸系組成物からなる層あるいは当該層を延伸して得られる延伸フィルムの耐熱性が劣る虞がある。
多価カルボン酸としては、具体的には、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、スベリン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、セバシン酸、ジグリコール酸、ケトピメリン酸、マロン酸及びメチルマロン酸等の脂肪族ジカルボン酸並びにテレフタル酸、イソフタル酸及び2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
多価カルボン酸エステルとしては、具体的には、例えば、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル、グルタル酸ジメチル、グルタル酸ジエチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、ピメリン酸ジメチル、アゼライン酸ジメチル、スベリン酸ジメチル、スベリン酸ジエチル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、デカンジカルボン酸ジメチル、ドデカンジカルボン酸ジメチル、ジグリコール酸ジメチル、ケトピメリン酸ジメチル、マロン酸ジメチル及びメチルマロン酸ジメチル等の脂肪族ジカルボン酸ジエステル並びにテレフタル酸ジメチル及びイソフタル酸ジメチル等の芳香族ジカルボン酸ジエステルが挙げられる。
多価アルコールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタメチレングリコール、へキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、ドデカメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール及び分子量1000以下のポリエチレングリコール等が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸としては、具体的には、例えば、グリコール酸、2−メチル乳酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−2−メチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、ヒドロキシピバリン酸、ヒドロキシイソカプロン酸及びヒドロキシカプロン酸等が挙げられる。
ラクトン類としては、具体的には、例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、β又はγ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、4−メチルカプロラクトン、3,5,5−トリメチルカプロラクトン、3,3,5−トリメチルカプロラクトン等の各種メチル化カプロラクトン;β−メチル−δ−バレロラクトン、エナントラクトン、ラウロラクトン等のヒドロキシカルボン酸の環状1量体エステル;グリコリド、L−ラクチド、D−ラクチド等の上記ヒドロキシカルボン酸の環状2量体エステル等が挙げられる。
また、本発明に係わるPLLA及びPDLAには、それぞれD−乳酸若しくはL−乳酸を前記範囲以下であれば少量含まれていてもよい。
<ポリ乳酸系組成物>
本発明に係わるポリ乳酸系延伸フィルムを得るには、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を含むポリ乳酸系組成物として、以下の熱融解特性を有するポリ乳酸系組成物を用意して、延伸することが好ましい。
さらに、本発明に係わるポリ乳酸系組成物は、そのDSCの第2回昇温時の測定(250℃で10分経た後に10℃/分で降温を行い、0℃から再度10℃/分で昇温)において得られたDSC曲線の150〜200℃の範囲にある吸熱ピークの最大吸熱ピークのピーク高さ(ピーク10)と205〜240℃の範囲にある吸熱ピークの最大吸熱ピークのピーク高さ(ピーク20)のピーク比(ピーク10/ピーク20)が好ましくは0.5以下、より好ましくは0.3以下、特に好ましくは0.2以下であるという熱特性を有することが望ましい。これは、この組成物がステレオコンプレックス晶を選択的に形成しているためと考えられる。
ピーク比(ピーク10/ピーク20)が0.5より大きいと、結晶化後にPLLA、PDLA単体結晶の形成量が大きく、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸とが十分に混練されていない虞がある。
ピーク比(ピーク10/ピーク20)が0.5より大きい組成物は結晶化後のα晶(PLLAあるいはPDLAの単独結晶)の形成量が大きいため、延伸しても耐熱性に劣る虞がある。
また、本発明に係わるポリ乳酸系組成物は、DSCの第2回昇温時における205〜240℃の吸熱ピークの吸熱量(ΔHm)が35J/g以上であることが好ましい。
本発明に係わるポリ乳酸系組成物の熱融解特性は、後述のポリ乳酸系延伸フィルムの熱融解特性を求めた方法と同様な方法で、DSC(示差走査熱量計)として、ティー・エイ・インスツルメント社製 Q100を用い、試料約5mgを精秤し、JIS K 7121及びJIS K 7122に準拠して求めた。なお、ポリ乳酸系組成物の熱融解特性は、降温時と第2回昇温時における特性を求めた。
PLLAの量が上記範囲外の組成物は上述の方法で混練しても、得られる組成物を延伸してなるフィルムはα晶の結晶体を含み、耐熱性が不十分となる虞がある。
本発明に係わるポリ乳酸系組成物が耐熱性に優れるのは、当該組成物がステレオコンプレックス構造を形成しており、ステレオコンプレックス構造はPLLAとPDLAの等量から構成されるためであると考えられる。
本発明に係わるポリ乳酸系組成物を得るために、PLLAとPDLAを溶融混練するときの温度は、好ましくは230〜260℃であり、より好ましくは235〜255℃である。溶融混練する温度が230℃より低いとステレオコンプレックス構造物が未溶融で存在する虞があり、260℃より高いとポリ乳酸が分解する虞がある。
本発明の包装袋に用いるポリ乳酸系延伸フィルムは、前記ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を含むポリ乳酸系組成物からなり、DSC測定における150〜200℃の範囲にある吸熱ピークの最大吸熱ピーク(ピーク1)と205〜240℃の範囲にある吸熱ピークの最大吸熱ピーク(ピーク2)とのピーク比(ピーク1/ピーク2)が0.2以下、好ましくは0.1以下であることを特徴とするポリ乳酸系延伸フィルムである。
本発明に係わるポリ乳酸系フィルムは、更に、他の層を積層させてもよい。他の層としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン及びポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート及びポリカーボネート等のポリエステル、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリメチルメタクリレート、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ乳酸、脂肪族ポリエステル等の生分解性ポリエステル等の熱可塑性樹脂からなるフィルム、シート、カップ、トレー状物、あるいはその発泡体、若しくはガラス、金属、アルミニウム箔、紙等が挙げられる。熱可塑性樹脂からなるフィルムは無延伸であっても一軸あるいは二軸延伸フィルムであっても良い。勿論、基材は1層でも2層以上としても良い。
本発明の包装袋に用いるポリ乳酸系延伸フィルムの少なくとも片面に積層し得る脂肪族ポリエステル層を形成する脂肪族ポリエステルは、融点(Tm)が60〜180℃、好ましくは80〜160℃の範囲にある脂肪族ポリエステルである。
<脂肪族または脂環式多価カルボン酸>
本発明に係わる脂肪族ポリエステルを構成する成分である脂肪族または脂環式多価カルボン酸は、特に限定はされないが、通常、脂肪族多価カルボン酸成分は2〜10個の炭素原子(カルボキシル基の炭素も含めて)、好ましくは4〜6個の炭素原子を有する化合物であり、線状であっても枝分れしていてもよい。脂環式多価カルボン酸成分は、通常、7〜10個の炭素原子、特に8個の炭素原子を有するものが好ましい。
また、脂肪族または脂環式多価カルボン酸は、2〜10個の炭素原子を有する脂肪族多価カルボン酸を主成分とする限り、より大きい炭素原子数、例えば30個までの炭素原子を有する多価カルボン酸を含むことができる。
かかる脂肪族または脂環式多価カルボン酸としては、具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、スベリン酸、1,3−シクロペンタジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、ジグリコール酸、イタコン酸、マレイン酸および2,5−ノルボルナンジカルボン酸等のジカルボン酸、かかるジカルボン酸のジメチルエステル、ジエチルエステル、ジ−n−プロピルエステル、ジ−イソプロピルエステル、ジ−n−ブチルエステル、ジ−イソブチルエステル、ジ−t−ブチルエステル、ジ−n−ペンチルエステル、ジ−イソペンチルエステルまたはジ−n−ヘキシルエステル等のエステル形成誘導体を例示できる。
これら、脂肪族または脂環式多価カルボン酸あるいはそのエステル形成誘導体は、単独かまたは2種以上からなる混合物として使用することもできる。
脂肪族または脂環式多価カルボン酸成分としては、特に、コハク酸またはそのアルキルエステルまたはそれらの混合物が好ましく、融点(Tm)が低い脂肪族ポリエステルを得るために、コハク酸を主成分とし、副成分としてアジピン酸を併用してもよい。
<脂肪族または脂環式多価アルコール>
本発明に係わる脂肪族ポリエステルを構成する成分である脂肪族または脂環式多価アルコールは、特に限定はされないが、通常、脂肪族多価アルコールであれば、2〜12個の炭素原子、好ましくは4〜6個の炭素原子を有する枝分かれまたは線状の多価アルコール、脂環式多価アルコールであれば、5〜10個の炭素原子を有する環状の多価アルコールが挙げられる。
かかる脂肪族または脂環式多価アルコールとしては、具体的には、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、とくには、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール及び2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール);シクロペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール及び2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール類及びジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びポリオキシエチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール並びにポリテトラヒドロフラン等が例示でき、特には、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びポリオキシエチレングリコール又はこれらの混合物又は異なる数のエーテル単位を有する化合物が挙げられる。脂肪族または脂環式多価アルコールは、異なる脂肪族または脂環式多価アルコールの混合物も使用することができる。
脂肪族または脂環式多価アルコールとしては1,4−ブタンジオールが好ましい。
<2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸>
本発明に係わる脂肪族ポリエステルを構成する成分である2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸は、特に限定はされないが、通常、1〜10個の炭素原子を有する枝分かれまたは線状の二価脂肪族基を有する化合物が挙げられる。
かかる2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸としては、具体的には、例えば、グリコール酸、L−乳酸、D−乳酸、D,L−乳酸、2−メチル乳酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−2−メチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、ヒドロキシピバリン酸、ヒドロキシイソカプロン酸、ヒドロキシカプロン酸等、かかる2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、シクロヘキシルエステル等の2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸エステル形成誘導体を挙げることができる。
<ラクトン類>
本発明に係わる脂肪族ポリエステルを構成する成分であるラクトン類としては、具体的には、例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、β又はγ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、4−メチルカプロラクトン、3,5,5−トリメチルカプロラクトン、3,3,5−トリメチルカプロラクトン等の各種メチル化カプロラクトン;β−メチル−δ−バレロラクトン、エナントラクトン、ラウロラクトン等のヒドロキシカルボン酸の環状1量体エステル;グリコリド、L−ラクチド、D−ラクチド等の上記ヒドロキシカルボン酸の環状2量体エステル等が挙げられる。
本発明の包装袋に用いるポリ乳酸系延伸フィルムは、前記ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を含むポリ乳酸系組成物を用いて、押出成形して得られるフィルムあるいはシートを、好ましくは一方向に2倍以上、より好ましくは2〜12倍、さらに好ましくは3〜6倍延伸することにより、耐熱性、透明性に優れる延伸フィルムが得られる。延伸倍率の上限は延伸し得る限り、とくに限定はされないが、通常、12倍を超えるとフィルムが破断したりして、安定して延伸できない虞がある。
本発明の包装袋に用いるポリ乳酸系延伸フィルムとして、ポリ乳酸系延伸フィルムの少なくとも片面に融点(Tm)が60〜180℃または非結晶の脂肪族ポリエステル層、もしくはアクリル系樹脂層が積層されてなる多層のポリ乳酸系延伸フィルムを製造する方法としては、予め得られたポリ乳酸系延伸フィルムと予め得られた前記脂肪族ポリエステルフィルムとを積層する(貼り合わせる)方法、前記ポリ乳酸系延伸フィルムの少なくとも片面に前記脂肪族ポリエステルもしくはアクリル系樹脂を押出ラミネートする方法、あるいは前記ポリ乳酸系組成物と脂肪族ポリエステルもしくはアクリル系樹脂を共押出成形して得られるフィルム若しくはシートを一軸若しくは二軸延伸する方法などにより製造し得る。
かかるポリ乳酸系延伸フィルムを共押出成形法により製造する場合は、好ましくは一方向に2倍以上、より好ましくは2〜12倍、さらに好ましくは3〜6倍延伸することにより、耐熱性、透明性に優れる延伸フィルムが得られる。延伸倍率の上限は延伸し得る限り、とくに限定はされないが、通常、12倍を超えるとフィルムが破断したりして、安定して延伸できない虞がある。
<包装袋>
本発明の包装袋は前記ポリ乳酸系延伸フィルムからなる。本発明の包装袋は二枚のポリ乳酸系延伸フィルム、脂肪族ポリエステル層を有する場合は脂肪族ポリエステル層が内層になるように重ねた後、三方をヒートシールする方法、一枚のポリ乳酸系延伸フィルム、脂肪族ポリエステル層を有する場合は脂肪族ポリエステル層が内層になるように折り畳んだ後、両側をヒートシールするキャラメル包装等、種々公知の方法により得られる。
本発明の包装袋は、口部に生分解性樹脂からなるチャックを設けてもよい。かかる生分解性樹脂は、特に限定はされず、前記脂肪族ポリエステルをはじめ、ポリ乳酸、脂肪族・芳香族ポリエステル共重合体などあらゆる生分解性樹脂を用い得る。剛性の高いフィルムのためこれら生分解性樹脂の中でもキャラメル包装が好ましい。
(1)ポリ乳酸
(イ)ポリ−L−乳酸(PLLA―1):
D体量:1.9% Mw:22.2万(g/モル)、Tm:163℃。
(ロ)ポリ−D−乳酸(PURAC社製:PDLA―1):
D体量:100.0% Mw:135万(g/モル)、Tm:180℃。
インヘレント粘度(溶媒;クロロホルム、測定温度;25℃、濃度;0.1g/dl):7.04(dl/g)
(ハ)ポリ−DL−乳酸共重合体(PLAC―1):
D体量:12.6% MFR(温度190℃、荷重2160g):2.6g/10分、Tm:なし(非晶)。
(2)重量平均分子量(Mw)
(イ)、(ロ)のポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸は以下の方法で測定した。
測定装置;Shodex GPC SYSTEM−21
解析装置;データ解析プログラム:SIC480データステーションII
検出器;示差屈折検出器(RI)
カラム;Shodex GPC K−G + K−806L + K−806L
カラム温度;40℃
溶離液;クロロホルム
流速;1.0ml/分
注入量;200μL
分子量校正;単分散ポリスチレン
(3)DSC測定
前記記載の方法で測定した。
(4)広角X線測定
測定装置:X線回折装置(株式会社リガク製 自動X線回折装置RINT−2200)
反射法
X線ターゲット;Cu K―α
出力;40kV×40mA
回転角;4.0度/分
ステップ;0.02度
走査範囲;10〜30度
(5)透明性
日本電色工業社製 ヘイズメーター300Aを用いてフィルムのヘイズ(HZ)及び平行光光線透過率(PT)を測定した。
(6)引張り試験
ポリ乳酸系延伸フィルムからMD方向及びTD方向に、夫々短冊状の試験片(長さ:150mm、幅:15mm)を採取して、引張り試験機(オリエンテック社製テンシロン万能試験機RTC-1225)を使用し、チャック間距離:100mm、クロスヘッドスピード:300mm/分(但し、ヤング率の測定は5mm/分で測定)で、引張り試験を行い、引張強さ(MPa)、伸び(%)及びヤング率(MPa)を求めた。
参考例1
<ポリ乳酸系組成物およびポリ乳酸系二軸延伸フィルムの製造>
PLLA―1:PDLA―1を50:50(重量部)の比で計量し、二軸混練押出機を用い、溶融温度;250℃、回転速度:420rpm、混練時間;6分で、溶融混練してポリ乳酸系組成物を得た後、T−ダイシート成形機で、厚さ約300μmのポリ乳酸系組成物からなるシートを得た。かかるポリ乳酸系組成物の熱融解特性を前記記載の方法で測定した。
次に、当該シートをブルックナー社製二軸延伸機で、縦方向に延伸温度;65℃で3倍に、横方向に延伸温度;70℃で3倍に延伸し、テンター内で180℃、約40秒間の条件でヒートセットを行い、ポリ乳酸系二軸延伸フィルムを得た。得られたポリ乳酸系二軸延伸フィルムの物性を前記記載の方法で測定した。
測定結果を表1に示す。
比較例1
参考例1で用いたPLLA―1及びPDLA―1に代えて、PLLA―1を単独で用い、二軸延伸フィルムのヒートセットを150℃で約40秒間行う以外は参考例1と同様に行い、PLLA―1のシート及び二軸延伸フィルムを得た。測定結果を表1に示す。
表1から明らかなように、参考例1で得られたポリ乳酸系組成物からなるポリ乳酸系二軸延伸フィルムは、熱融解特性において、150〜200℃の範囲の吸熱ピークは僅かで、205〜240℃の範囲の吸熱ピークは大きく、吸熱量(ΔHc)も66.1J/gと多く、降温した際の発熱量(ΔHm)も49.7J/gある。
また、ポリ乳酸系二軸延伸フィルムの素材となるポリ乳酸系組成物(シート)の熱融解特性は、第1回降温時の発熱量(ΔHc)が20.3J/g、第2回昇温時には、150〜200℃の範囲には吸熱ピークはみられず、205〜240℃の範囲の吸熱ピークの吸熱量(ΔHm)は51.0J/gである。さらに、参考例1で得られたポリ乳酸系組成物からなるポリ乳酸系二軸延伸フィルムは、透明性、耐熱性に優れ、透湿度及び酸素透過度も低く、バリア性能を有し、広角X線測定における回折ピークは2θが12度近辺にのみ有し、2θが17度近辺には回折ピークは現れなかった。
<袋の製造>
参考例1のフィルムを重ね合わせて、3方をヒートシール(2方溶断シール、1方超音波シール)して120mm(開口部)×235mmの開口部において一方のフィルムが27mm長く封筒形の袋を製造した。溶断シール強度を測定したところ、いずれの面も十分な強度でついていた。また包装袋は美麗な外観と光沢を有していた。
また、ポリ乳酸系二軸延伸フィルムの素材となるポリ乳酸系組成物(シート)の熱融解特性は、第1回降温時の発熱量(ΔHc)が20.3J/g、第2回昇温時には、150〜200℃の範囲には吸熱ピークはみられず、205〜240℃の範囲の吸熱ピークの吸熱量(ΔHm)は51.0J/gである。さらに、参考例1で得られたポリ乳酸系組成物からなるポリ乳酸系二軸延伸フィルムは、透明性、耐熱性に優れ、透湿度及び酸素透過度も低く、バリア性能を有し、広角X線測定における回折ピークは2θが12度近辺にのみ有し、2θが17度近辺には回折ピークは現れなかった。
また包装開封後は、本発明の積層フィルムは、ポリ乳酸本来の生分解性も有するので、使用済みの包装材料は、食品等の分解される非包装物が付着していてもコンポストとして、ごみの回収、処理が容易になる。
Claims (15)
- ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を含むポリ乳酸系組成物からなり、DSC測定における150〜200℃の範囲にある吸熱ピークの最大吸熱ピークのピーク高さ(ピーク1)と205〜240℃の範囲にある吸熱ピークの最大吸熱ピークのピーク高さ(ピーク2)とのピーク比(ピーク1/ピーク2)が0.2以下であるポリ乳酸系延伸フィルムからなることを特徴とする包装袋。
- ポリ乳酸系延伸フィルムの少なくとも片面に融点(Tm)が60〜180℃または非結晶の脂肪族ポリエステル層、もしくはアクリル系樹脂層が積層されてなる請求項1に記載の包装袋。
- ポリ乳酸系延伸フィルムの205〜240℃の範囲にある吸熱ピークの吸熱量が40J/g以上である請求項1または2に記載の包装袋。
- ポリ乳酸系延伸フィルムのDSC測定における吸熱ピーク測定後に、降温した際の発熱量が40J/g以上である請求項1または2に記載の包装袋。
- ポリ乳酸系延伸フィルムの広角X線測定における2θが12度、21度および24度近辺のピーク面積の総和(SSC)が全体の面積に対して20%以上であり、かつ2θが17度および19度近辺のピーク面積の総和(SPL)が全体の面積に対して5%以下である請求項1または2に記載の包装袋。
- ポリ乳酸系延伸フィルムのDSC測定において、250℃で10分間経過後に降温した際の発熱量が20J/g以上のポリ乳酸系組成物を延伸してなる請求項1または2に記載の包装袋。
- DSC測定において、第2回昇温時における150〜200℃の範囲にある吸熱ピークの最大吸熱ピークのピーク高さ(ピーク10)と205〜240℃の範囲にある吸熱ピークの最大吸熱ピークのピーク高さ(ピーク20)とのピーク比(ピーク10/ピーク20)が0.5以下のポリ乳酸系組成物を延伸したポリ乳酸延伸フィルムからなる請求項1または2に記載の包装袋。
- DSC測定において、第2回昇温時における205〜240℃の範囲にある吸熱ピークの吸熱量が35J/g以上のポリ乳酸系組成物を延伸たポリ乳酸延伸フィルムからなる請求項1または2に記載の包装袋。
- ポリ乳酸系組成物が、ポリ−L−乳酸75〜25重量部及びポリ−D−乳酸25〜75重量部(ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の合計で100重量部)から調製されてなる請求項1〜8のいずれかに記載の包装袋。
- 脂肪族ポリエステルが、D−乳酸を10〜90重量%含む非晶性のポリ乳酸共重合体である請求項2に記載の包装袋。
- 脂肪族ポリエステルが、D−乳酸を0〜10重量%または90〜100重量%含む融点(Tm)が60〜180℃のポリ乳酸(共)重合体である請求項2に記載の包装袋。
- 少なくとも一方向に2倍以上延伸されてなるポリ乳酸延伸フィルムからなる請求項1〜11のいずれかに記載の包装袋。
- 縦方向に2倍以上及び横方向に2倍以上延伸されてなるポリ乳酸延伸フィルムである請求項1〜11のいずれかに記載の包装袋。
- 140〜220℃で1秒以上熱処理したポリ乳酸延伸フィルムからなる請求項12または13に記載の包装袋。
- 口部分に生分解性樹脂からなるチャックを設けてなる請求項1〜14のいずれかに記載の包装袋。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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- 2006-09-09 JP JP2006244896A patent/JP2008062984A/ja active Pending
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