JP2008221432A - 回転切削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 止まり穴のような切屑の排出されにくい穴を加工する回転切削工具であっても、切屑を効率よく排出させることができ、加工面の精度や刃先の状態を悪化させにくく、切れ刃の再研磨も容易で寿命も長くすることができる回転切削工具を提案する。
【解決手段】 軸状の基材の先端にチップが設けられ、チップの先端側には先端切れ刃が、チップの外周側には外周切れ刃が設けられた回転切削工具で、チップのすくい面上にはブレーカ片を設け、ブレーカ片を構成する面のうちチップの先端側に向き、かつ回転軸と交差する方向の面にはすくい面と平行な方向の断面形状が略V字形の凸部を設ける。凸部の大きさは、0.2〜1.0mmとするのが好ましく、すくい面を垂直方向から見た時の、凸部が設けられた面と半径線との角度αは、5〜30°とするのが好ましい。また、凸部の先端部には、Rが0.15〜1.0mmの大きさの曲面を設けるのが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、各種材料に形成された止まり穴の加工を行う回転切削工具に関するもので、特にアルミニウム合金などの非鉄材料に形成された止まり穴の仕上げ加工を行うための回転切削工具に関する。
自動車の基幹部品の一つであるバルブボディは、アルミダイカストなどの材料が使用されているが、部品の集約化に伴いその構造が複雑化しており、油圧制御用の穴が多段形状になったり多数の総形形状の穴で構成されるようになっている。このような穴の仕上げ加工を行うために、例えば切れ刃にダイヤモンド焼結体を用いたリーマなどが用いられる。このリーマで加工を行う際に、加工形態によっては切屑がリーマに巻き付くことがあり、作業能率を低下させたり加工面に傷が入るなどの問題が生じやすくなる。特に、加工部分の形状が貫通穴ではなく止まり穴である場合は切屑の排出性が悪くなり、切れ刃に切屑が巻き付いたり、加工後に穴の中に切屑が残り、次工程で切屑の処理が必要になって生産能率の低下をきたすなどの問題が生じる。従来、切削工具で切れ刃に切屑が巻き付くのを防止する対策として、切れ刃チップに切屑のブレーク機能を持たせて切屑を分断させる方法があり、その代表的な形状としてチップのすくい面上に段差を設けることで切屑を分断させるようなことが行われる。
ブレーク機能を持たせるためにすくい面上に段差を設けた切削工具の例として、特許文献1、特許文献2および特許文献3に記載の工具がある。特許文献1に記載の工具は図5に示すように、切れ刃が形成された高硬度焼結体22をシャンク21にロウ付けしたバイトで、高硬度焼結体22のすくい面23に連なるシャンク21のすくい面に切屑処理用の突起29を設けたものである。この工具は、高硬度焼結体22が設けられたバイトであっても簡単な構造で切屑処理性を高めることができ、切削時における切屑の向き、長さおよび形状を容易にコントロールできるものとされている。また、特許文献2に記載の工具は図6に示すように、ダイヤモンドやCBNの超硬質焼結体32を有する切削工具で、すくい面33上に複雑な三次元形状のチップブレーカー39を設けたものであり、複雑な三次元形状のチップブレーカー39を設けることで切屑処理性に優れたものとすることができるものとされている。さらに、特許文献3に記載の工具は図7に示すように、切れ刃から延びる第1すくい面43aと、第1すくい面43aの後方に設けられ第1すくい面43aよりも高さ位置が高い第2すくい面43bと、第1すくい面43aの後縁と第2すくい面43bの前縁とを接続する壁面50を設けるとともに、切れ刃に切欠部45を設け、壁面50が切れ刃と平行に延びている構造としたものである。この構造によれば、切屑の長さ方向が分断されるだけでなく、切欠部45により切屑の幅方向も小さく分断されるため、より小さな切屑とすることができ排出性を向上させることができるものである。
特開2003−340615号公報 特開2004−223648号公報 特開2007−44833号公報
しかしながら、特許文献1に記載の構造の切屑処理用の突起や特許文献2に記載の構造のチップブレーカーを、止まり穴を加工するリーマのような回転切削工具に設けた場合には様々な問題が発生する。このような回転切削工具の場合、切れ刃は外周の軸方向に外周切れ刃が設けられるとともに工具先端の半径方向に先端切れ刃が設けられ、この工具で加工した場合には、先端切れ刃も切屑を発生させる。そして、先端切れ刃は加工の際に同時に作用する部分が長いため、発生する切屑の幅は広くなる。特許文献1や2に記載のような構造のブレーカをすくい面上に設けた場合、先端切れ刃から発生した切屑は長さ方向には分断されて短くなるが、前述のように切屑の幅が大きいため、長さ方向に分断されても切屑は依然として大きく、切れ刃に巻き付くことは防止できても排出性は良くならない。しかも止まり穴を加工する場合、穴の中に切屑が溜まりやすいこともあってより排出性は悪く、加工面の面あらさが粗くなったり刃先が欠けたりするトラブルも発生しやすいという問題がある。
この問題を解決するものとして特許文献3に記載の工具があるが、この工具では切屑を小さく分断して排出性を向上させることはできるものであるが、切れ刃に切欠部を設けるために、この切れ刃で加工した面のうち切欠部の部分には削り残しが発生したり、加工した面の精度が悪くなる恐れがある。また、切欠部付近の切れ刃が欠けやすくなり、寿命が短くなる問題が生じる。さらに、切れ刃が摩耗し再研磨を行って切れ刃を再生する場合に、切欠部があるとこれを一旦除去する必要があるため、再研磨を行える回数が減り、この点でも工具としての寿命が短くなる。
このようなことから、本発明は特に止まり穴のような切屑の排出されにくい穴を加工する回転切削工具であっても、切屑を効率よく排出させることができ、加工面の精度や刃先の状態を悪化させにくく、切れ刃の再研磨も容易で寿命も長くすることができる回転切削工具を提案するものである。
本発明者は、ブレーカの形状に工夫を取り入れることで、切れ刃の強度を維持しながらも切屑を幅方向に分断させることができ、切屑を小さくして排出性を向上させることが可能なブレーカ形状を見出した。
本発明の回転切削工具の特徴は、軸状の基材の先端にチップが設けられ、前記チップの先端側には前記基材の半径方向に先端切れ刃が設けられるとともに前記チップの外周側には外周切れ刃が設けられた回転切削工具であって、前記チップのすくい面上にはブレーカ片が設けられ、前記ブレーカ片を構成する面のうち前記チップの先端側に向き、かつ回転軸と交差する方向の面には前記すくい面と平行な方向の断面形状が略V字形の凸部が設けられていることである。
このように、ブレーカ片を構成する面のうちチップの先端側に向きかつ回転軸と交差する方向の面、すなわち先端切れ刃で発生した切屑がチップのすくい面上を流れさらにその切屑が流れてブレーカ片と接する面に工具先端に向かって略V字形の凸部が設けられることで、切屑の幅方向が分断され、しかも切屑がブレーカ片に接して流れていくことで切屑を強制的にカールさせて長さ方向も分断されるため、切屑が小さく分断される。従って、止まり穴のような切屑が排出されにくい穴の加工でも切屑を効率よく排出させることができる。
前記凸部の大きさwは、0.2〜1.0mmとするのが好ましい。0.2mm以上とするのは、切屑に対して凸部を有効に作用させるために必要な大きさであり、1.0mm以下とするのはこれより大きいと切屑が溶着し、凹部に溶着物が溜まりやすくなるためである。なお本願でいう凸部の大きさwは、図3に示すようにチップのすくい面と平行な方向の断面で見た時の凸部の突出量とする。
前記すくい面を垂直方向から見た時の、前記凸部が設けられた面と半径線との角度αは、5〜30°とするのが好ましい。このようにすることで、先端切れ刃で発生した切屑がブレーカ片の凸部を有する面と接触しながら流れる時に、切屑に対して外周側へねじる力が加わり、切屑の幅方向に力が加わることになるため幅方向に分断されやすくなる。
前記凸部の先端部には、Rが0.15〜1.0mmの大きさの曲面が設けられていることが好ましい。このようにすることで、切屑に対して局部的に抵抗がかかるため、幅方向により分断されやすくなる。
回転切削工具の切れ刃で幅の広い切屑が発生する加工においても、切屑を幅方向に分断させることが容易になり、幅方向の分断する大きさも制御できるため、止まり穴のような切屑の排出されにくい穴を加工する場合においても切屑を小さくして効率よく排出させることが可能になる。これにより、加工面の精度を向上させ、切れ刃の損傷を防止することができ、切れ刃の再研磨も容易で寿命も長くすることができる。
本発明の回転切削工具として、ダイヤモンド焼結体からなるチップを有するダイヤモンドリーマを例にあげて説明する。図1、図2は本発明のリーマの概略を示す図であり、図1は斜視図、図2(a)は正面図、(b)は平面図である。また、図3および図4はチップ上に設けられるブレーカ片を示した図で、いずれも(a)は平面図、(b)は側面図である。
図1および図2を参照して、本発明のリーマは、軸状の本体1の先端側にヌスミ部底面1aとヌスミ部側面1bが設けられることによりヌスミ部が形成され、ヌスミ部の先端部にダイヤモンド焼結体からなるチップ2がろう付けなどにより接合されている。なお、チップ2が接合される部分はヌスミ部底面1aよりさらに掘り込まれてチップの厚み分だけ凹んでおり、チップ2のすくい面3とヌスミ部底面1aとは同一平面上にある。チップ2のうち、先端側にあるすくい面3と先端逃げ面4bとの境界部には先端切れ刃5が形成されており、すくい面3と外周逃げ面4aとの境界部には外周切れ刃6が形成されている。また、外周逃げ面4aと先端逃げ面4bとの境界部には面取り面7が形成され、すくい面3と面取り面7との境界部には斜め切れ刃8が形成されている。
チップ2のすくい面3上と本体1のヌスミ部底面1a上には両者に跨るようにブレーカ片9が設けられており、ブレーカ片9は取付孔11を介してヌスミ部底面1aあるいはチップ2にネジなどで固定される。ブレーカ片9を構成する面のうち、チップ2の先端側を向き、かつ回転軸と交差する面10には凸部10aが設けられている。
図3を参照して、ブレーカ片9に設けられた凸部10aの大きさwは、0.2〜1.0mmになっている。凸部10aの間には凹部10bが設けられ、ブレーカ片9を構成する面のうちチップ2の先端側に向きかつ回転軸と交差する方向の面10は凹凸形状になっている。この面10の方向yは半径線xに対して5〜30°の角度αが設けられ、これによって先端切れ刃5から発生した切屑がすくい面3上を流れて凸部10aに接触した際に、この面10を切屑が流れるとねじれの力が加わり、幅方向に分断されやすくなる。また、凸部10aの先端部にはRの大きさが0.15〜1.0mmの曲面が設けられており、切屑との接触面積が小さくなるので、上記の切屑に対するねじれの力が局部的に加わることになり、幅方向により分断されやすくなる。
図4は図3とは別のブレーカ片を表したものである。ブレーカ片9に設けられた凸部10aの数は図3に示したものよりも少なく、凸部10aの間の凹部10bは平面形状になっている。その他は、図3に示したものと同じである。
本発明のダイヤモンドリーマとして、図4に示す形状のブレーカ片を設けたもの(本発明1〜17)、従来のダイヤモンドリーマとして図8に示す形状のブレーカ片を設けたもの(比較例1、2)と図9に示す形状のブレーカを有し切れ刃に切欠部を設けたもの(比較例3)を製作し、切屑が分断される状況、切れ刃の欠けの発生状況、加工面の精度、および加工後の切屑の残っている状況について比較試験を行った。
切屑の幅方向の分断状況については4段階の評価とし、◎はほとんどの切屑が幅方向にも分断されて切屑が細かくなっているもの、○は幅方向に分断されていない切屑も混ざっているが、幅方向に分断されているものが多いもの、△は幅方向に分断されいるものが少なく分断されていないものが多いもの、×はほとんど幅方向には分断されていないものとしている。また、切屑が穴に残っている状況については、○は穴にほとんど切屑が残らず排出されているもの、△はある程度は排出されているが穴にも残っているもの、×は排出されないものが多く相当量の切屑が穴に残っているものとした。
すべてのリーマについて、軸状の本体1の材料として超硬合金を用い、図1および図2に示すようにその先端側にはヌスミ部底面1aとヌスミ部側面1bを形成し、このヌスミ部の先端部は、ヌスミ部底面1aよりさらに掘り込んだ形状とした。
本発明1〜17と比較例1および2は、この掘り込んだ形状部分に図2に示す形状のダイヤモンド焼結体からなるチップ2をろう付けにより接合した。本体1の掘り込んだ部分の凹み量はチップ2の厚みと同じになっており、従ってチップ2を接合した時点ですくい面3とヌスミ部底面1aとは同一平面上にある。チップ2は、最も先端にあるすくい面3と先端逃げ面4bとの境界部には先端切れ刃5を形成しており、この先端切れ刃5はリーマを回転させた時の回転半径と一致する方向に形成している。また、すくい面3と外周逃げ面4aとの境界部には外周切れ刃6を形成し、外周逃げ面4aと先端逃げ面4bとの境界部には面取り面7を形成することで、すくい面3と面取り面7との境界部に斜め切れ刃8を形成している。外周切れ刃6の回転半径は10mmとした。
比較例3は、本体1の先端の掘り込んだ形状部分に図9に示す形状のダイヤモンド焼結体からなるチップ42をろう付けにより接合した。チップ42はすくい面43の先端側を研削して凹ませることにより第1すくい面43aを形成し、後端側は第1すくい面43aより高さ位置が高い第2すくい面43bとした。本体1の掘り込んだ部分の凹み量は第2すくい面43bの部分のチップの厚みと同じになっており、従ってチップ42を接合した時点で第2すくい面43bとヌスミ部底面1aとは同一平面上にある。チップ42は、最も先端にある第1すくい面43aと先端逃げ面44bとの境界部には先端切れ刃46を形成しており、この先端切れ刃46はリーマを回転させた時の回転半径と一致する方向に形成している。この先端切れ刃46には切欠部45を2ヶ所形成した。また、すくい面43aと外周逃げ面44aとの境界部には外周切れ刃47を形成し、外周逃げ面44aと先端逃げ面44bとの境界部には面取り面49を形成することで、第1すくい面43aと面取り面49との境界部に斜め切れ刃48を形成した。外周切れ刃47の回転半径は10mmとした。
本発明1〜17のリーマに使用するブレーカ片9の形状は図4に示す形状のものを作成した。ブレーカ片9を構成する面のうち、チップ2の先端側に向きかつ回転軸と交差する面10には凸部10aを形成し、この凸部10aは間隔をおいて面10上に3箇所形成している。また、面10はリーマを回転させた時の回転半径の方向xとは角度αを有して取り付けられる形状にしており、外周側に向く面12は外周切れ刃6と平行になるように取り付ける。比較例1および2のリーマに使用するブレーカ片9の形状は図8に示す形状のものであり、チップ2の先端側に向きかつ回転軸と交差する面10には凸部がない平面としている。また、いずれのリーマについても、面10はすくい面3に対して垂直ではなく、切屑が流れやすいように角度βの傾斜を付けており、ブレーカ片9の中央部には取付孔11を設けている。本実施例では角度βは10°とした。以上のブレーカ片9をチップ2のすくい面3とヌスミ部底面1aとに跨るようにこれらの上に載置し、取付孔11を使ってネジにより固定した。
本発明1〜17のリーマについて、ブレーカ片9の凸部10aの大きさw、先端切れ刃5からブレーカ片9の凸部の先端までの距離(ここでは、複数の凸部10aのうち最も先端切れ刃5に近いものから先端切れ刃5までの距離とする)、凸部10aの先端のRの大きさ、面10とリーマを回転させた時の回転半径の方向xとの角度αが異なるものを製作し、その違いによる効果の差を比較した。ブレーカ片9の仕様は表1に示す通りである。また、比較例1および2は、先端切れ刃5からブレーカ片9の面10までの距離を1.7mmとし、この面10の角度αを異ならせたものとした。比較例3は、先端切れ刃46から第1すくい面43aの後縁と第2すくい面43bの前縁とを接続する壁面50(比較例1、2の面10に相当)までの距離を1.7mmとし、壁面50は第1すくい面43aに対して垂直とした。また、比較例3はチップ42のすくい面43に段差を設けてこれをブレーカとしているので、ブレーカ片は設けていない。以上に説明したもの以外の仕様については、すべてのリーマで同じものとした。
Figure 2008221432
これらのリーマを用いて、ADC12相当材のバルブスプール(穴φ20mm、深さ40mm)の止まり穴の仕上げ加工をそれぞれ3000回行い、その時点での状況を確認した。加工条件は、回転速度S=2400min−1、送り速度F=240mm/minとした。以上の試験を行った結果を表1に示す。
本発明1〜5を比較して、凸部の大きさの違いによる効果を見ると、大きさが0.1mmのもの(本発明5)は幅方向の分断状況が少し悪くなる傾向があり、小さすぎると効果が小さくなることがわかる。また、大きさが1.2mmのもの(本発明4)は幅方向の分断状況は良かったが凹部に少し切屑の溶着が見られたため、大きくしすぎると悪影響が出始める傾向が見られた。
本発明1と6〜8を比較して、切れ刃からブレーカ片の凸部先端までの距離の違いによる効果を見ると、その距離が2.7mm(本発明8)と大きいものでは、小さいものに比べて切屑の幅方向の分断状況が少し悪くなる傾向が見られた。これは、距離が大きくなると先端切れ刃で発生しすくい面上を流れた切屑がブレーカ片の凸部に接触する際の力が弱くなるため、幅方向に分断されにくくなったものと考えられる。
本発明1と9〜13を比較して、凸部先端のRの大きさの違いによる効果を見ると、Rが0.1mmと小さいもの(本発明13)や1.2mmと大きいもの(本発明12)は切屑の幅方向の分断状況が少し悪くなる傾向が見られた。特に、Rが0.1mmのものは、加工を繰り返すうちに凸部の欠けや摩耗が見られ、そのため分断状況が悪くなったものと思われる。
本発明1と14〜17を比較して、ブレーカ片の面の角度αの違いによる効果を見ると、角度が0°のもの(本発明17)や40°のもの(本発明16)は切屑の幅方向の分断状況が悪くなる傾向が見られた。角度をある程度付けたものでは、切屑に捻りの力が加わるため幅方向に分断する効果が大きくなると考えられるが、40°のように大きくしすぎると凸部が切屑に有効に作用せず切屑が逃げてしまうために切屑の分断状況が悪くなったものと思われる。
比較例1および2のようにブレーカ片の切屑が接触する面に凸部がないものは、切屑の幅方向に分断する効果は得られず、加工した穴に相当量の切屑が残っていて、排出性が悪いことが確認できた。また、比較例3のように先端切れ刃に切欠部を設けたものは、切屑を幅方向に分断する効果は見られたが、切欠部周辺の切れ刃に欠けが見られ、加工面の精度が悪くなるとともに寿命が短くなる傾向が見られた。
以上のことからわかるように、本発明のリーマによれば、切屑を幅方向に分断することで切屑の排出性を向上させることができて、加工面の精度を向上させることができ、しかも切れ刃の欠けなどを防止して寿命を向上させることができる。
本発明は、リーマの他、先端切れ刃を有するドリルやエンドミルなどの各種回転切削工具に利用することができる。
本発明の回転切削工具の例を示す斜視図。 本発明の回転切削工具の例を示す図で、(a)は正面図、(b)は平面図。 本発明の回転切削工具に付けるブレーカ片の例を示す図で、(a)は平面図、(b)は側面図。 本発明の回転切削工具に付けるブレーカ片の別の例を示す図で、(a)は平面図、(b)は側面図。 従来のブレーカ付切削工具の例を示す図で、(a)は平面図、(b)は側面図。 従来のブレーカ付切削工具の別の例を示す図で、(a)は平面図、(b)は側面図。 従来のブレーカ付切削工具のさらに別の例を示す図で、(a)は平面図、(b)は側面図。 従来の回転切削工具に付けるブレーカ片の例を示す図で、(a)は平面図、(b)は側面図。 実施例における比較例3のリーマに付けるチップ周辺を示す部分拡大図で、(a)は平面図、(b)は側面図。
符号の説明
1 本体
1a ヌスミ部底面
1b ヌスミ部側面
2 チップ
3 すくい面
4a 外周逃げ面
4b 先端逃げ面
5 先端切れ刃
6 外周切れ刃
7 面取り面
8 斜め切れ刃
9 ブレーカ片
10 チップの先端側を向きかつ回転軸と交差する面
10a 凸部
11 取付孔
12 外周側に向く面

Claims (4)

  1. 軸状の基材の先端にチップが設けられ、前記チップの先端側には前記基材の半径方向に先端切れ刃が設けられるとともに前記チップの外周側には外周切れ刃が設けられた回転切削工具であって、
    前記チップのすくい面上にはブレーカ片が設けられ、前記ブレーカ片を構成する面のうち前記チップの先端側に向き、かつ回転軸と交差する方向の面には前記すくい面と平行な方向の断面形状が略V字形の凸部が設けられている回転切削工具。
  2. 前記凸部の大きさwは、0.2〜1.0mmである請求項1に記載の回転切削工具。
  3. 前記すくい面を垂直方向から見た時の、前記凸部が設けられた面と半径線との角度αは、5〜30°である請求項1または2に記載の回転切削工具。
  4. 前記凸部の先端部には、Rが0.15〜1.0mmの大きさの曲面が設けられている請求項1〜3のいずれかに記載の回転切削工具。
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