〔パチンコ遊技機の全体構造〕
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図7を参照して実施形態に係るパチンコ遊技機の全体について説明する。図1は、実施形態に係るパチンコ遊技機1の外枠2に対して本体枠3を開放し、本体枠3に対して扉枠5を開放した状態を示す斜視図であり、図2は、パチンコ遊技機の正面から見た斜視図であり、図3は、パチンコ遊技機1の正面図であり、図4は、パチンコ遊技機1の側面図であり、図5は、パチンコ遊技機1の平面図であり、図6は、パチンコ遊技機1の背面図であり、図7は、パチンコ遊技機1の本体枠3に対してカバー体199を開放した状態を示す背面斜視図である。
図1乃至図7において、本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、島(図示しない)に設置される外枠2と、該外枠2に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4を装着し得る本体枠3と、該本体枠3に開閉自在に軸支され且つ前記遊技盤4に形成されて球が打ち込まれる遊技領域208を遊技者が視認し得る遊技窓51と該遊技窓51の下方に配置され且つ遊技の結果によって払出される球を貯留する貯留皿としての皿ユニット58とを備えた扉枠5と、を備えて構成されている。
外枠2には、その下方前方に表面が装飾カバー板15によって被覆されている下部前面板14が固着されている。また、本体枠3には、上記したように遊技盤4が着脱自在に装着し得る他に、その裏面下部に打球発射装置200と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板等が一纏めに設けられている基板ユニット195が取り付けられ、本体枠3の後面開口185(図7参照)を覆うカバー体199が着脱自在に設けられている。更に、扉枠5には、上記した皿ユニット58の他に、遊技窓51を閉塞するようにガラスユニット66と、操作ハンドル65とが設けられている。そして、本実施形態の特徴は、扉枠5に設けられる皿ユニット58が1つであり、しかも、従来は本体枠3に設けられていた操作ハンドル65が扉枠5(正確には、皿ユニット58)に設けられ、また、扉枠5と本体枠3とが正面から見てほぼ同じ方形の大きさであるため、正面から本体枠3が視認できなくした点である。以下、パチンコ遊技機1を構成する部材について詳細に説明する。
〔外枠〕
外枠2について、主として図8乃至図11を参照して説明する。図8は、外枠2の正面斜視図であり、図9は、本体枠3の上軸支金具151と外枠2の上支持金具20との脱着構造を説明するための斜視図であり、図10は、外枠2の上支持金具20の裏面に設けられるロック部材32の取付状態を示す分解斜視図(A)と下方から見た斜視図(B)であり、図11は、軸支ピン152とロック部材32との関係を説明するための上支持金具20部分の裏面図である。
図8において、本実施形態に係る外枠2は、上下の上枠板10及び下枠板11と左右の側枠板12,13とを、それぞれの端部を連結するための連結部材16で連結することによって方形状に組み付けられるものである。そして、外枠2を構成する上枠板10と下枠板11、及び側枠板12,13のうち、上枠板10と下枠板11とは従来と同じ木製であり、側枠板12,13は、軽量金属、例えば、アルミニュウム合金の押出し成型板により構成されている。上枠板10及び下枠板11を従来と同じ木製で構成した理由は、パチンコ遊技機1を遊技場に列設される島に設置する場合に、島の垂直面に対し所定の角度をつけて固定する作業を行う必要があるが、そのような作業は上枠板10及び下枠板11と島とに釘を打ち付けて行われるため、釘を打ち易くするためである。一方、側枠板12,13をアルミニュウム合金の押出し成型板により構成した理由は、従来の木製に比べ強度を維持しつつ肉厚を薄く形成することができるため、側枠板12,13の内側に隣接する本体枠3の収納壁158(図13参照)の正面から見たときの左右幅を広くすることができる。このため左右方向の寸法の大きな遊技盤4を本体枠3に装着することができることになり、結果的に遊技盤4の遊技領域208を大きく形成することができるからである。ただし、側枠板12,13をアルミニュウム合金の平板で構成すると、充分な剛性が確保できないため、側枠板12(側枠板13も全く同じ構造である。)の後方部分内側にリブによって後方が開放した空間部を形成して後方部分の肉厚が厚くなるように引き抜き成型されている。
そして、上記のように形成される開放側の側枠部13には、連結部材16を取り付けるための構成以外に、その上部内側に閉鎖用突起17が取り付けられ、その下部内側に閉鎖用突起18が取り付けられている。この閉鎖用突起17,18は、外枠2に対して本体枠3を閉じる際に、本体枠3の開放側辺に沿って取り付けられる錠装置201の本体枠用フック部203(図13参照)と係合するものであり、後に詳述するように錠装置201のシリンダー錠204に鍵を差し込んで一方に回動することにより、本体枠用フック部203と閉鎖用突起17,18との係合が外れて本体枠3を外枠2に対して開放することができるものである。
また、下枠板11と左右の側枠板12,13の下部前面に固定される下部前面板14は、閉止時においてその上面に本体枠3が載置されるものであり、下部前面板14の表面及び側面は、装飾カバー板15によって被覆されているが、装飾カバー板15の裏面に、その後端に弾性爪が形成される止着突起が突設され、その止着突起が下部前面板14に貫通される止着穴に貫通させられることにより下部前面板14に取り付けられている。なお、外枠2の装飾カバー板15の開放側の上面には、本体枠3の閉止時に該本体枠3をスムーズに案内するための案内板19が交換可能に装着されている。
ところで、本体枠3を開閉自在に軸支する構造として、上枠板10と側枠板12とを連結する機能も兼用する上支持金具20と下部前面板14の一側上面に沿って取り付けられる下支持金具40とが設けられている。上支持金具20には、前方に突出している支持突出片21に該支持突出片21の側方から先端中央部に向かって屈曲して形成された支持鉤穴22が形成されており、この支持鉤穴22に本体枠3の後述する上軸支金具151の軸支ピン152(図9参照)が着脱自在に係合されるようになっている。この支持鉤穴22と軸支ピン152との係合関係については、後に詳述する。また、図8に示すように、下支持金具40も前方に突出した前方突出部41を有して形成されているが、この前方突出部41に上向きに支持突起42が突設され、この支持突起42に本体枠3の後述する枠支持板155(図13参照)に形成される支持穴が挿入される。したがって、外枠2に本体枠3を支持するためには、下支持金具40の支持突起42に本体枠3の枠支持板155に形成される支持穴を係合させた後、本体枠3の上軸支金具151の軸支ピン152を支持鉤穴22に掛け止めることにより簡単に開閉自在に軸支することができる。
また、上支持金具20は、図10に示すように、上枠板10の軸支側の上面及び前面に凹状に形成される取付段部24に装着されるものであるが、その装着に際し、上支持金具20に形成される複数(図示の場合2個)の取付穴23と取付段部24に穿設される複数(図示の場合2個)の取付穴25とを一致させて取付ビス26を上方から差し込み、上枠板10の裏面から押し当てられる挟持板(図示しない)に止着することにより上支持金具20が上枠板10に堅固に固定される。また、上支持金具20の外側側方には、側枠板12の外側に当接する垂下片部27があり、その垂下片部27にも取付穴28が穿設され、この取付穴28と側枠板12に穿設される取付穴とを止着ビスで止着することにより、上支持金具20と側枠板12とを固定すると共に、上枠板10と側枠板12とを上支持金具20を介して連結している。
上記のように構成される外枠2において、その構成部材である上枠板10と下枠板11と側枠板12,13とを連結部材16で連結することにより、連結部材16が側枠板12,13の内面に密着して止着されると共に連結部材16と上枠板10及び下枠板11が係合した状態で止着されるので、その組み付け強度が高く頑丈な方形状の枠組みとすることができる。また、連結部材16によって上枠板10、下枠板11、側枠板12,13を連結した後、上支持金具20を所定の位置に取り付けたときに、図8に示すように、各枠板10,11,12,13の外側面(外周面)から外側に突出する部材は存在しないので、パチンコ遊技機1を図示しないパチンコ島台に設置する際に、隣接する装置(例えば、隣接する玉貸器)と密着して取り付けることができる。また、下支持金具40を取り付けたときにも、下部前面板14の上面と下支持金具40の上面とがほぼ同一平面となるようになっている。
ところで、本体枠3を開閉自在に軸支するための上支持金具20の支持突出片21の裏面には、図10に示すようにロック部材32が回動自在に軸支されている。より詳細に説明すると、図10(A)に示すように、上支持金具20の支持突出片21は、先端部が円弧状の平板として形成されると共に支持突出片21の外側縁に沿って直角に折り曲げられた垂下壁29が形成される。この垂下壁29により、上支持金具20の支持突出片21の強度を向上させることができると共に、正面から見たときに次に説明するロック部材32が視認できないようにして外観を良くし、更に、次に説明するロック部材32の弾性片35の先端当接部が当接する部位として利用したり、ロック部材32が支持突出片21から外側に飛び出さないように停止部として利用している。また、支持突出片21に形成される支持鉤穴22は、垂下壁29が形成されない反対側の側方から内側にやや向ってさらに先端中央部に向かって傾斜状となるように屈曲して形成されている。そして、支持鉤穴22の傾斜状穴部の溝寸法は、軸支ピン152の直径よりもやや大きな寸法に形成されている。また、上記した垂下壁29は、支持鉤穴22の前方の入口端部から支持突出片21及び上支持金具20の外側縁に沿って直角に折り曲げられて形成されていると共に、支持鉤穴22の前方の入口端部の部分で内側に向って折り曲げられて停止垂下部30となっている。また、支持突出片21のほぼ中央に取付穴36が穿設され、該取付穴36にロック部材32がリベット37によって回転自在に軸支されている。ロック部材32は、合成樹脂によって成型されるものであり、ストッパー部33と操作部34とがL字状に形成され、また操作部34と反対側に円弧状の弾性片35が一体的に延設されている。そして、ストッパー部33と操作部34とがなすL字状の基部に前記リベット37が挿通される取付穴36が形成されている。しかして、ロック部材32がリベット37によって取付穴36に取り付けられて支持突出片21の裏面に回転自在に固定した状態においては、図10(B)に示すように、弾性片35の先端当接部が垂下壁29の内側面と当接しており、ストッパー部33が支持鉤穴22の傾斜状穴部を閉塞するようになっている。また、このときストッパー部33の先端部分は、支持鉤穴22の傾斜状穴部の先頭空間部分を閉塞した状態となっていない。即ち、通常の状態で支持鉤穴22の先頭空間部分には、本体枠3の上軸支金具151の軸支ピン152が挿入される空間が形成されている。
ところで、軸支ピン152が支持鉤穴22の傾斜状穴部の先端空間部分に挿入されてストッパー部33の先端側方が入口端部の停止垂下部30に対向している状態(この状態ではストッパー部33の先端側方と停止垂下部30との間に僅かな隙間があり当接した状態となっていない)である通常の軸支状態においては、屈曲して形成される支持鉤穴22の傾斜状穴部の先端空間部分に位置する軸支ピン152とストッパー部33の先端面38とのそれぞれの中心が斜め方向にずれて対向した状態となっている。そして、この通常の軸支状態においては、重量のある本体枠3を軸支している軸支ピン152が支持鉤穴22の先端部分に当接した状態となっているので、軸支ピン152からストッパー部33の先端面38への負荷がほとんどかかっていないため、ロック部材32の弾性片35に対し負荷がかかっていない状態となっている。また、図11(A)に示すように、ストッパー部33の先端面38が操作部34を操作して回動したときにロック部材32がスムーズに回動するように円弧状に形成されている。図示の場合、この円弧状先端面38の円弧中心は、リベット37の中心(ロック部材32の回転中心)である。このため、軸支ピン152が支持鉤穴22の傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって円弧状の先端面38に当接したとき、その作用力Fを、軸支ピン152と円弧状の先端面38との当接部分に作用する分力F1(円弧状先端面38の円弧の法線方向)と、軸支ピン152と支持鉤穴22の傾斜状穴部の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けたときに、分力F1の方向がリベット37の中心(ロック部材32の回転中心)を向くため、ロック部材32のストッパー部33の先端部が支持突出片21から外れる方向(図示の時計方向)に回転させるモーメントが働かず、軸支ピン152がロック部材32のストッパー部33の先端部と支持鉤穴22の傾斜状穴部の一側内面との間に挟持された状態を保持する。このため、通常の軸支状態でもあるいは軸支ピン152の作用力がロック部材32にかかった状態でも、ロック部材32の弾性片35に常時負荷がかからず、合成樹脂で一体形成される弾性片35のクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って軸支ピン152の支持鉤穴22からの脱落を防止することができる。なお、仮に無理な力がかかってロック部材32のストッパー部33の先端部が支持突出片21から外れる方向(図示の時計方向)に回転させられても、ストッパー部33の先端部の一側方が停止垂下部30に当接してそれ以上外れる方向に回転しないので、ロック部材32が支持突出片21の外側にはみ出ることはない。
また、図11(A)に示す実施形態においては、ストッパー部33の円弧状先端面38の円弧中心がリベット37の中心(ロック部材32の回転中心)であることにより、軸支ピン152に対し支持鉤穴22の傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向の作用力Fがかかってもロック部材32に回転モーメントが生じないものについて説明したが、図11(B)に示すように、ストッパー部33の円弧状先端面39の曲率半径をさらに小さくし、且つロック部材32のリベット37による軸支位置を支持突出片21の内側にした場合に、軸支ピン152が支持鉤穴22の傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって円弧状の先端面39に当接したとき、その作用力Fを、軸支ピン152と円弧状の先端面39との当接部分に作用する分力F1(円弧状先端面39の円弧の法線方向)と、軸支ピン152と支持鉤穴22の傾斜状穴部の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けた場合において、分力F1によって回転モーメントが働いてロック部材32を図示の矢印方向(時計回転方向)に回転させるが、ロック部材32が回転してもストッパー部33の先端一側方が停止垂下部30に当接するだけであるため、ロック部材32が支持突出片21の外側にはみ出ることもないし、ロック部材32の弾性片35に対しても負荷がかかることもない。
つまり、図11(A)及び図11(B)に示す実施形態から理解することができる点は、軸支ピン152が支持鉤穴22の傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって先端面38,39に当接したとき、その作用力Fの軸支ピン152と先端面38,39との当接部分に作用する分力F1によってロック部材32を回転させる回転モーメントが生じない位置若しくはロック部材32をその先端部が支持突出片21の外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材32の回転中心(リベット37により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材32の弾性片35に対しても負荷がかかることはないし、ロック部材32が回転してもストッパー部33の先端一側方が停止垂下部30に当接するだけであるため、ロック部材32が支持突出片21の外側にはみ出ることもない。なお、ストッパー部33の先端面の形状が円弧状でなくても、上記した分力F1の作用により回転モーメントが生じない位置又はロック部材32をその先端部が支持突出片21の外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材32の回転中心(リベット37により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材32の弾性片35に対しても負荷がかかることはないし、ロック部材32が回転してもストッパー部33の先端一側方が停止垂下部30に当接するだけであるため、ロック部材32が支持突出片21の外側にはみ出ることもないという点を本出願人は確認している。
上記したように、外枠2の上支持金具20に設けられるロック部材32は、ストッパー部33と操作部34と弾性片35とが合成樹脂によって一体的に形成されているので、上支持金具20の裏面に極めて簡単に取り付けることができると共に、極めて簡単な構造であるため故障も少なく且つ製造コストの低減を計ることができる。また、軸支ピン152が支持鉤穴22の傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって先端面38,39に当接したとき、その作用力Fの軸支ピン152と先端面38,39との当接部分に作用する分力F1によってロック部材32を回転させる回転モーメントが生じない位置若しくはロック部材32をその先端部が支持突出片21の外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材32の回転中心(リベット37により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材32の弾性片35に対しても負荷がかかることはなく、合成樹脂で一体形成される弾性片35のクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って軸支ピン152の支持鉤穴22からの脱落を防止することができると共に、ロック部材32が回転してもストッパー部33の先端一側方が停止垂下部30に当接するだけであるため、ロック部材32が支持突出片21の外側にはみ出ることもない。
〔扉枠〕
次に、上記した本体枠3の前面側に開閉自在に設けられる扉枠5について、図12及び前記した図1、図2を参照して説明する。図12は、扉枠5の背面図である。図2に示すように、扉枠5は、方形状に形成される扉枠本体50の上部に縦長六角形状の遊技窓51が形成され、該遊技窓51の前面周囲に扉レンズユニット52が取り付けられ、また、遊技窓51の下方の板状部の前面に扉枠本体50に皿ユニット58が設けられ、その皿ユニット58の一側(開放側)に操作ハンドル65が突設固定されている。また、扉枠本体50の裏面には、図12に示すように、遊技窓51の周囲に補強板金80が固定され、遊技窓51を閉塞するようにガラスユニット66が取り付けられると共に、前記遊技窓51の下方の板状部の裏面に、前記操作ハンドル65に対応するジョイントユニット106、球送りユニット103及び開口蓋104が装着される装着台102、及び枠装飾中継基板を覆う中継基板カバー105がそれぞれ取り付けられている。なお、ガラスユニット66の裏面下部には、防犯機能を有する防犯カバー72(図1参照)も装着されている。以下、扉板5を構成する上記の各構成部材のより詳細な構造について説明する。
扉枠本体50は、合成樹脂によって額縁状に形成され、前述したように上方部に扉レンズユニット52によって囲まれる縦長六角形状の遊技窓51が形成され、その遊技窓51の下方が板状部となっている。遊技窓51の板状部には、その前面に皿ユニット58が取り付けられていると共に、その裏面側に装着台102、中継基板カバー105、ジュイントユニット106等が取り付けられている。また、板状部の開放側には、本体枠3に取り付けられる錠装置201のシリンダー錠204(図1参照)を貫通させる錠穴73が開設されている。なお、本実施形態に係る遊技窓51は、従来に比べて上下方向及び左右方向の寸法が大きくなった遊技盤4が取り付けられるため、遊技窓51の上下方向及び左右方向の寸法も大きくなっている。このため、扉レンズユニット52の形状として、前方への突出寸法がその基部寸法よりも大きな断面楔状に構成されて従来一般的に知られている形状と大きく相違して形成されている。
扉枠本体50の前面側の上部に取り付けられる扉レンズユニット52は、図18(図3のA−A断面図)に示すように、光透過性のあるレンズカバーによって前方への突出寸法がその基部寸法よりも大きな断面楔状に構成されていると共に、そのレンズカバーの内部に、前面側を反射面とするリフレクタ55と、該リフレクタ55の前面及び内側に取り付けられる冷陰極管53及びLED54と、を備えて構成されるものである。そして、遊技状態に応じて前記冷陰極管53やLED54を点灯又は点滅表示制御して遊技の雰囲気を盛り上げるものである。なお、図2に示すように、扉レンズユニット52には、その左右上部にスピーカカバー56が取り付けられると共に、その左右下部に装飾カバー57が取り付けられている。スピーカカバー56の裏面側には、図1及び図12に示すように、高音の効果音を発生するスピーカ101が配置されている。
また、遊技窓51の下方の板状部の前面に取り付けられる皿ユニット58には、
賞球を貯留する貯留部59と、遊技球を借り受ける際に操作する貸球ボタンユニット60と、遊技において遊技者が参加するために操作される操作ボタンユニット61と、貯留部59の下流側から貯留された球を球抜きする第1球抜ボタン62と、貯留部59の中程から貯留された球を球抜きする第2球抜ボタン63と、皿ユニット58の内部に収納される低音の効果音発生用スピーカ(図示しないが、前記スピーカ101と協働してステレオ効果音を発生する。)の前面を覆うスピーカカバー64と、が設けられ、更に、開放側の下部に操作ハンドル65が固定されている。操作ハンドル65の裏面側には、図1及び図14に示すように、ジョイントユニット106が固定され、操作ハンドル65の回転動作がジョイントユニット106によってスライド連結片107のスライド動作に変換される。そして、扉枠5を閉じた状態でスライド連結片107が、後に詳述する本体枠主体150に形成される発射装置取付部164に穿設されるハンドル連結窓165に挿入されて打球発射装置200の弾発用スプリングの弾発力の強弱を調整するスライド部材(図示しない)と係合することによって、スライド連結片107のスライド動作が打球発射装置200の弾発用スプリングに伝達されて打球の発射勢を調節するようになっている。
一方、扉枠本体50の裏面側に設けられるガラスユニット66は、図1及び図12に示すように、遊技窓51よりも大きな開口を有する合成樹脂で成型した環状の縦長八角形状のユニット枠67と、該ユニット枠67の開口の外周前後面に2枚の透明板としてのガラス板78(ガラス板でなくても透明な合成樹脂板でもよい。)を接着することにより、所謂セットガラス板として構成されるものである。また、ガラスユニット70を扉枠本体50に取り付けるには、ガラスユニット66のユニット枠67から外部に突出される掛止突片を扉枠本体50に形成される係合受片70に上方から掛け止めた後、ガラスユニット66のユニット枠67から外部に突出される止め片に対し扉枠本体50に回動自在に取り付けられる止めレバー69を閉止位置に回動して係止することにより、ガラスユニット70を扉枠本体50の裏面に簡単に取り付けることができる。
上記したガラスユニット66の裏面下部を覆うように取り付けられる防犯カバー72は、図1に示すように、透明な合成樹脂によって左右の補強板金の間のガラスユニット66の下方部を覆うような平板状に形成され、その前面側や後面側に遊技盤4の誘導レール207に沿った円弧状の防犯用突片が突設されている。そして、防犯カバー72をガラスユニット66の下方部に沿うように扉枠本体50に形成される装着開口部71(図12参照)に取り付けた状態では、防犯用突片がガラスユニット66の下辺に沿って当接すると共に、扉枠5を閉じたときに、防犯用突片が遊技盤4の誘導レール207の下方に上下重複状に侵入して外部からの不正具の侵入を防止するようになっている。
装着台102は、図1及び図12に示すように、扉枠本体50の板部裏面の上半分を覆うように取り付けられるものであり、防犯カバー72と同様に透明な合成樹脂によって前方が開放した横長直方体状に形成されるものである。この装着台102は、後述する発射レール161から発射された球をスムーズに遊技盤4に導くために、扉枠5を閉めたときに装着台102の後面と本体枠3の板部160(図13参照)とによって発射レール161を挟持するように形成されるものである。ところで、本実施形態に係る装着台102には、その開放側下部に球送りユニット103を取り付ける球送りユニット取付凹部と、該球送りユニット取付凹部の側方に開口蓋104を取り付けるための開口が形成されている。球送りユニット取付凹部に取り付けられる球送りユニット103は、打球発射装置200の打球槌の往復動差に対応して揺動する球送り部材が設けられ、この球送り部材の揺動動作によって皿ユニット58の貯留部59に貯留されていた球を発射レール161の発射位置に1個ずつ供給するものである。また、開口に取り付けられる開口蓋104は、皿ユニット58の第2球抜ボタン63を操作したときに球抜きされた球が通過する球抜き通路における球詰り等が発生したときに、その球詰り現象を解消するために取り外し可能に構成されているものである。
上記した装着台102の下部の軸支側には、図1及び図12に示すように、枠装飾中継基板(図示しない)が取り付けられ、その枠装飾中継基板の後面を覆う中継基板カバー105が取り付けられている。この枠装飾中継基板は、扉枠5に設けられる電飾部品や電気部品(冷陰極管53、LED54,スピーカ101、操作ハンドル65内に設けられるスイッチ、操作ボタンユニット61等)からの配線が集約して接続され、その枠装飾中継基板からの配線が本体枠3の裏面に取り付けられる基板ユニット195(図6参照)に組み込まれる扉中継基板等を介して払出制御基板や遊技盤4に取り付けられる遊技制御基板に接続されている。
次に、遊技窓51の周囲を囲むように扉枠本体50の裏面に取り付けられる補強板金80について説明すると、図12に示すように、扉枠本体50の上辺部裏面に沿って取り付けられる上側補強板金81と、扉枠本体50の軸支側辺部裏面に沿って取り付けられる軸支側補強板金82と、扉枠本体50の開放側辺部裏面に沿って取り付けられる開放側補強板金83と、扉枠本体50の遊技窓51の下辺裏面に沿って取り付けられる下側補強板金84と、が相互にビス等で締着されて方形状に構成されるものである。また、補強板金80は、図示しないが、扉枠5側で発生する静電気等の除電部と導通するように取り付けられている。
上側補強板金81は、所定幅を有して扉枠本体50の横幅寸法とほぼ同じ長さに形成され、その長辺の両端縁が後方に向って折曲した上折曲突片85、下折曲突片86となっている。この上折曲突片85及び下折曲突片86は、本体枠3の後述する上部防犯二重溝166(図13参照)に嵌合されるものであり、本実施形態においては、詳細に図示しないが、上折曲突片85の方が下折曲突片86よりも僅かにその突出量が大きくなるように形成されている。これは、上折曲突片85と上部防犯二重溝166の上溝との凹凸係合の度合いを大きくしてピアノ線等の侵入をさせ難くする一方、仮に、この外側の防犯凹凸係合をピアノ線が侵入した場合に、内側の凹凸係合の度合いが小さくても、不正具を操作しながら内側の凹凸係合をすり抜けるのは極めて困難であるからである。もちろん、上辺部からの不正具の挿入が、後述する開放側の不正具の挿入よりも店側に発見され易いので、その分、内側の凹凸係合の度合いを外側の凹凸係合の度合いよりも小さくしてもよいと言う考えにも基いている。しかし、外側と内側の凹凸係合の度合いが一緒となるようにしても良い。
軸支側補強板金82も、所定幅を有して扉枠本体50の縦長寸法とほぼ同じ長さに形成され、その長辺の両端縁が後方に向って折曲されているが、内側の軸支側短折曲突片92は極めて短く、外側の折曲突片が、図18に示すように折曲部から先がL字状に形成された軸支側L字状折曲突片87となっている。この軸支側L字状折曲突片87は、そのL字状に曲がった先端部が本体枠3の軸支側の延設された延設辺部169の内側に当接するようになっており、扉枠5と本体枠3との当接面からピアノ線等の不正具が挿入された場合に、不正具の先端が軸支側L字状折曲突片87と延設辺部169の内側の当接部分を容易にすり抜けないようにしている。特に、扉枠5の軸支側は、従来において本体枠3との間で隙間があけにくく且つ不正な作業が行い難い反面、開閉軸側であるため上辺部や開放側辺部のように凹凸係合する構造にすると開閉動作に支障を来たすおそれがあるため、軸支側L字状折曲突片87と延設辺部169の内側の当接構造としたものであるが、近年においては、この軸支側の防犯構造が手薄になっていることに着目してバール等の工具で無理やり本体枠3と扉枠5との間の隙間を形成して不正行為が行われる場合があるため、本実施形態においては、後に詳述するように、本体枠3の軸支側の辺に沿って不正行為を防止することができる構造を採用している。
また、図12に示すように、軸支側補強板金82の上下端部には、その上面に上下方向に摺動自在に設けられる軸ピン89を有する上軸支部88と、その下面に軸ピン91を有する下軸支部90と、が一体的に形成されている。そして、上下の軸ピン89,91が本体枠3の軸支側上下に形成される上軸支金具151及び下軸支金具154に軸支されることにより、扉枠5が本体枠3に対して開閉自在に設けられるものである。ただし、上記したように、バール等の工具を使用して上記した軸ピン89,91と上軸支金具151及び下軸支金具154との軸支部を変形させて扉枠5と本体枠3との軸支側の隙間を意図的に形成される場合があるので、本実施形態においては、後述するように、本体枠3の軸支側内壁に上下方向に延びる凸状の防犯金具170を固定している。この点については、後に詳述する。
開放側補強板金83は、所定幅を有して扉枠本体50の縦長寸法とほぼ同じ長さに形成され、その長辺の両端縁が後方に向って折曲した開放側外折曲突片93、開放側内折曲突片94となっている。開放側外折曲突片93は、後述する本体枠3の側部防犯溝167に挿入されるものであり、開放側内折曲突片94は、本体枠3の収納壁158のやや前方内側に挿入されるものである。しかして、開放側外折曲突片93と側部防犯溝167とは、凹凸係合するようになっているが、開放側内折曲突片94は、凹凸係合とはいえないものの、開放側内折曲突片94が収納壁158のやや前方内側に侵入した状態で開放側内折曲突片94の先端がガラスユニット66よりも遊技盤4に近い位置であって遊技盤4の飾り枠206(図1参照)の前端面からやや遊技盤4寄りの位置まで侵入される長さに設定されているため、仮に上記した開放側外折曲突片93と側部防犯溝167との凹凸係合部をすり抜けて不正具が侵入したとしても、開放側内折曲突片94によって案内される不正具の先端がガラスユニット66と遊技盤4の飾り枠206との間から遊技盤4の表面に侵入することはない。
更に、本実施形態における開放側補強板金83には、従来にはない構造を採用している。即ち、開放側補強板金83の上部、中間部、下部に錠装置201の扉枠用フック部202が侵入しえるように係合開口95が形成され、その係合開口95の裏面側を覆うように扉枠用フック部202が係合するフックカバー96が固定されている。したがって、扉枠5を本体枠3に対して施錠した状態では、錠装置201の扉枠用フック部202がフックカバー96に係合すると共に、扉枠用フック部202の先端が係合開口95の内部に侵入した状態となっている。
下側補強板金84は、所定幅を有して扉枠本体50の横幅寸法とほぼ同じ長さに形成され、その長辺の両端縁のうち下方長辺端縁が後方に向って折曲した下折曲突片98となっており、上方長辺端縁の両側部が後方に向って折曲した上折曲突片99となっているものの、その両側部の上折曲突片99に挟まれる部分が垂直方向に延設される垂直折曲突片100となっている。下折曲突片98の突出量はあまり大きくなく、この下折曲突片98が溝部や凹部と係合して凹凸係合をなすものではなく、強度を高めるために形成されているのに対し、両側部の上折曲突片99の突出量は下折曲突片98の突出量よりもやや大きく下方からの不正具の侵入を多少防止するが、むしろ、本実施形態における下側補強板金84の構成で最も特徴的な構成は、垂直折曲突片100である。この垂直折曲突片100は、その上端縁形状がガラスユニット66のユニット枠67の下端形状に合致するように凹状に形成され、ガラスユニット66を扉枠5の裏面側に装着固定したときに、垂直折曲突片100の上端片がガラスユニット66のユニット枠67の幅方向のほぼ中央の外周に沿って形成される係合溝に係合するようになっている。なお、下側補強板金84には、扉枠本体50に形成される賞球通過口の底面を除く外周を保護する賞球通過口被覆部97が形成されている。
〔本体枠〕
次に、遊技盤4が前面側から着脱自在に装着し得ると共に、打球発射装置200と、賞球を払い出すための賞球タンク190とタンクレール部材191と球通路ユニット192と賞球ユニット193と満タンユニット194と、外枠2に対する本体枠3の施錠及び本体枠3に対する扉枠5の施錠を行う錠装置201と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板等が一纏めに設けられている基板ユニット195と、後面開口185を覆うカバー体199と、等の各種の部品が本体枠主体150に装着されることにより構成される本体枠3について、図面を参照して説明する。
まず、図13乃至図19を参照して、上記した各種の部品が装着される本体枠主体150及び各種の部品が装着された本体枠3について説明する。図13は、本体枠主体150に部品を取り付けた本体枠3の前方から見た斜視図であり、図14は、扉枠5に設けられる操作ハンドル65と本体枠3に設けられる打球発射装置200との関係を示す部分斜視図であり、図15は、扉枠5を開放した状態における軸支側の特徴点を示すパチンコ遊技機1の斜視図であり、図16は、図15に描かれる上部の一点鎖線で囲まれる部位の拡大斜視図(A)と下部の一点鎖線で囲まれる部位の拡大斜視図(B)であり、図17は、本体枠主体150の軸支側に取り付けられる防犯金具170と防犯シート174の取付状態を示す部分斜視図であり、図18は、図3のA−Aで切断した断面図であり、図19は、扉枠5と本体枠3との軸支側の隙間を不正に開けた状態の断面図である。
図13において、本体枠主体150の一側上下には、本体枠3を外枠2に開閉軸支するための上軸支金具151及び下軸支金具154が取り付けられている。本体枠主体150に上軸支金具151及び下軸支金具154を取り付けた状態では、本体枠主体150の上辺及び側辺が上軸支金具151の上辺及び側辺とほぼ同一平面状となり、本体枠主体150の下辺及び側辺が下軸支金具154の下辺及び側辺とほぼ同一平面状となっている。上軸支金具151は、本体枠主体150の裏面に取付部を有すると共にその上端辺が前方に突出し、その前方に突出した上面に軸支ピン152が立設固定され、その軸支ピン152の側方に扉軸支穴153が穿設されている。一方、下軸支金具154は、本体枠主体150の裏面に取付部を有すると共にその下端辺及びやや上部に2つの支持板155,156が一体的に突設されている。下方に位置する支持板155は、本体枠3を外枠2の下支持金具40に支持するための枠支持板155を構成するものであり、上方に位置する支持板156は、扉枠5の下軸支部90を本体枠3に支持するための扉支持板156を構成するものである。このため、枠支持板155に外枠2の下支持金具40の支持突起42を挿入するための軸支穴(図示しない)が形成され、扉支持板156に扉枠5の下軸支部90に突設される軸ピン91を挿入するための軸支穴157が穿設されている。
ところで、本体枠主体150は、正面から見た場合に、長方形状に形成され、その上部の約3/4が遊技盤4を設置するための収納壁158によって構成される遊技盤設置凹部159となっており、その遊技盤設置凹部159の下方のやや奥まった領域が板部160となっている。また、遊技盤設置凹部159を囲む前面側の前面上辺部及び前面開放側辺部は、扉枠5の裏面と対面するように所定幅を有して形成されており、前面上辺部には、横方向に平行状に突設される突起によって上部防犯二重溝166が形成され、正面から見て右側の前面開放側辺部には、外側に側部防犯溝167が形成され、正面から見て左側の前面軸支側辺部は、前面上辺部や前面開放側辺部と異なり扉枠5の裏面と対面する所定幅を有するように形成されていないが、本体枠主体150の前面軸支側辺部が前面上辺部や前面開放側面部に比べて前方への突出量が多い延設辺部169となっている。
より詳細に説明すると、前面上辺部に形成される上部防犯二重溝166は、扉枠5の上辺部裏面に取付固定される上側補強板金81の両長辺端を後方に向って折曲される折曲突片85,86がそれぞれ挿入されるようになっているものである。また、前面開放側辺部に形成される側部防犯溝167は、扉枠5の開放部裏面に取付固定される開放側補強板金83の両長辺端を後方に向って折曲される開放側外折曲突片93が挿入されるようになっているものである。更に、前面軸支側辺部の延設辺部169には、扉枠5の軸支側裏面に取付固定される軸支側補強板金82の軸支側L字状折曲突片87の先端部が当接するようになっている。そして、上記した構造によって扉枠5と本体枠3との当接面の隙間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を防止することができ、特に、最も不正行為が行われやすい開放側辺部や次いで不正行為が行われやすい上辺部における不正行為の防止をはかることができる構造となっている。もちろん、軸支側における軸支側補強板金82と軸支側L字状折曲突片87との当接による不正行為の防止も充分に機能するが、多くの場合、軸支側は、頑丈な支持金具20,40と軸支金具151,154とで本体枠3と扉枠5とが連結されているため、上辺部及び開放側辺部に比べて本体枠3と扉枠5との間に隙間が作り難いものである。しかし、前述したように、最近は、軸支側の本体枠3と扉枠5との間の隙間をバール等の工具で無理やり開ける不正行為も行われる場合もあるので、本実施形態においては、本体枠主体150の延設辺部169に防犯凸部としての防犯金具170を取り付けると共に、その防犯金具170の内側面を覆うように防犯シート174を設けた構造を採用している。防犯金具170及び防犯シート174については、後に詳述する。
また、遊技盤設置凹部159を囲む前面上辺部、前面開放側辺部、及び前面軸支側辺部には、上記した構成以外に前面開放側辺部の上部、中間部、下部に本体枠3の開放側裏面に取り付けられる後述する錠装置201に設けられる扉枠用フック部202を貫通させて前方に飛び出させるための扉用フック穴が開設されており、また、軸支側の収納壁158の前方内壁に遊技盤4の位置決めを行う上下一対の盤位置決め突起168が設けられている。
本体枠主体150の板部160の上面は、遊技盤4を載置するための遊技盤載置部となっていると共に、板部160の前面の中央部から開放側の端部に向かって発射レール161がビス止め固定されている。また、発射レール161の先端位置に対応する板部160の前面には、レール接続部材162が突設され、遊技盤設置凹部159に遊技盤4が設置されたときに、遊技盤4の誘導レール207の下流端と隣接するようになっている。また、レール接続部材162の側方位置(発射レール161と反対側の位置)には、遊技盤4の下部を固定するための楕円形状の遊技盤固定具163が取り付けられている。遊技盤固定具163は、回転自在に設けられ、遊技盤載置部に遊技盤4が載置された状態で時計方向に回動して遊技盤固定具163を遊技盤4の前面に押圧して遊技盤4を固定するものである。また、遊技盤4を取り外す場合には、遊技盤固定具163を反時計方向に回して取り外すことにより、簡単に行うことができる。
また、板部160の開放側下部は、手前側に膨出状に突設された(裏面から見れば凹状となっている)直方体状の発射装置取付部164が形成されており、この発射装置取付部164に本体枠主体150の裏面から打球発射装置200が固定されている。上記した発射装置取付部164の前面壁部分には、前述したジョイントユニット106のスライド連結片107と連携されるスライド部材(図示しない)が収納されるハンドル連結窓165が形成されている。また、発射装置取付部164の上壁部分には、錠装置201のシリンダー錠204が貫通している。
また、遊技盤設置凹部159は、軸支側の内側面及び上記した上辺部及び開放側の鍔面部から後方へ周設される収納壁158により、本体枠3の左右側辺及び上辺の後方部分が囲まれた凹状に形成されているものである。そして、収納壁158は、遊技盤4と遊技盤4に設けられる各種の遊技装置の後方突出部分が収納されるようになっている。特に、本実施形態の場合には、図5に示すように、収納壁158の後方への突出量が、本体枠3の裏面側上部に固定される賞球タンク190の球を貯留する貯留部の後面壁とほぼ同じ位置となるように形成されている。これにより、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで収納壁158によって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4のほぼ全域を液晶表示画面が占めるような遊技装置が取り付けられている場合においても、そのような遊技装置の後方突出部分を楽に収納することができるものである。なお、図示の実施形態に係る遊技盤4は、図1及び図18に示すように、ほぼ正方形状のベニヤ盤205と、該ベニヤ盤205の前面に遊技領域208を囲むように取り付けられる飾り枠206と、から構成されている。ベニヤ盤205の表面には、装飾セルともいわれる装飾板が貼付されると共に遊技領域208に各種の遊技装置や多数の障害釘(いずれも図示省略)が植立されている。そして、それらの遊技装置や障害釘が設けられた後に飾り枠206がベニヤ盤205の前面に取り付けられるが、その飾り枠206は、ベニヤ盤205の周囲を囲むように内部が円形の空洞状に形成され且つ外形がベニヤ盤205の外形に沿った形状に形成されており、その下辺中程から上辺の中心を過ぎた斜め上方までの円弧面と、その円弧面の下部位置から対称位置までの円弧面とによって構成される誘導レール207が形成されている。
また、図6及び図13に示すように、収納壁158の後端辺からは背面から見てその右辺(軸支側)及び上辺に、軸支側後面壁183及び上後面壁184がそれぞれパチンコ機の正面と平行となるように内側に向かって突設されている。軸支側後面壁183は、その前面が平板状となっており、その後面に球払出機構を構成する後述の球通路ユニット192と賞球ユニット193とが着脱自在に取り付けられるようになっている。したがって、軸支側後面壁183の内側への突出幅寸法は、球通路ユニット192と賞球ユニット193とを取り付ける幅があれば充分である。また、上後面壁184は、その前面が平板状となっており、その後面にタンクレール部材191が取り付けられるため、その下端辺が傾斜状に形成されている。したがって、上後面壁184の内側への突出幅は、傾斜状に取り付けられるタンクレール部材191の高さ幅寸法があれば充分である。なお、賞球ユニット193の下流側には、賞球ユニット193から払い出された賞球を前記皿ユニット58に導くと共に、払い出された賞球が皿ユニット58の貯留部59及びその上流側まで満杯となったことを検出するための機構が内蔵される満タンユニット195(図13参照)が設けられている。
上述したように、収納壁158の後端辺から内側に向かって突設される上後面壁184及び軸支側後面壁183の前面が平板状に形成され、この平板状部分が遊技盤4の周辺部に対応するものであるため、上記したように、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで収納壁158によって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4のほぼ全域を液晶表示画面が占めるような遊技装置が取り付けられている場合においても、そのような遊技装置の後方突出部分を楽に収納することができるものである。なお、上後面壁184及び軸支側後面壁183の内側は、後面開口185となっており、この後面開口185がカバー体199によって開閉自在に閉塞されるようになっている。
また、本体枠3の裏面側には、上記した賞球タンク190、タンクレール部材191、球通路ユニット192、賞球ユニット193、満タンユニット195、及びカバー体199以外に、図6、図7、図13に示すように、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板(賞球ユニット193を制御するための払出制御基板を収納する払出制御基板ボックス197や外部情報端子基板や台間玉貸器と接続されるCRユニット端子基板を収納する端子基板ボックス198)やパチンコ遊技機1に装備される電機部品や基板等に対して電源を供給する電源基板を収納する電源基板ボックス196等が一纏めに設けられている基板ユニット195と、外枠2に対する本体枠3の施錠及び本体枠3に対する扉枠5の施錠を行う錠装置201と、発射レール161の発射位置にある打球を弾発する打球発射装置200と、等の各種の部品が装着されている。なお、錠装置201は、前記扉枠本体50に形成される鍵穴73に挿通してパチンコ遊技機1の前面に臨む円筒状のシリンダー錠204を有し、該シリンダー錠204に図示しない鍵を差し込んだ一方向に回動したときに扉枠用フック部202が上動して前記フックカバー96(図12参照)との係合を解除して本体枠3に対して扉枠5を開放することができ、他方向に回動したときに本体枠用フック部203が下動して前記閉鎖用突起17,18(図6参照)との係合を解除して外枠2に対して本体枠3を開放することができる。
以上、実施形態に係るパチンコ遊技機1の外枠2、本体枠3、及び扉枠5の構成について説明してきたが、次に、本実施形態における特徴的な構成である本体枠3に設けられる防犯凸部としての金属製の防犯金具170と防犯シート174の構成及び作用について図15乃至図19を参照して説明する。図17において、本体枠主体150の軸支側の延設辺部169の上端部から下端部にかけて適宜間隔を置いて複数の取付穴172が穿設され、この取付穴172に上下に延びる長尺コ字形状に形成された防犯金具170が取り付けられる。このため、防犯金具170のコ字状の底面にも前記取付穴172に対応する取着穴171が適宜間隔を置いて形成されている。そして、取着穴171と取付穴172とを一致させた状態でカシメピン173を貫通させてカシメ固着することにより、防犯金具170を本体枠主体150の延設辺部169に固定することができる。なお、防犯金具170を固定する際に、1つの取着穴171(図示の場合は、下方部)には、金属製の接点突片182が一緒に固着されている。この接触突片182は、バネ性が付与されており、扉枠5を閉じたときに、扉枠5の裏面に固定される前記軸支側補強板金82の軸支側L字状折曲突片87と接触するようになっている。また、前述したように、補強板金80を構成する軸支側補強板金82は、扉枠5側で発生する静電気等の除電部と導通するように取り付けられている。更に、防犯金具170は、本体枠主体150にカシメ固着された状態で、前述した外部端子基板ボックス198に設けられたアース用コネクタに接続されて、電気的にアース接地部と導通している。
更に、本体枠主体150の軸支側の延設辺部169の奥側の遊技盤4が収納される収納壁158の前方内壁には、上下一対の前記盤位置決め突起168のやや上下内側に取着孔181が穿設され、該取着孔181に防犯シート174を掛け止めた当て板175が取着される。より詳細に説明すると、防犯シート174には、上下端部に取付穴176を形成すると共にこの取付穴176の間に適宜間隔を置いて差込み穴177を形成し、一方、当て板175には、取付穴176に対応する取着穴178と、差込み穴177に対応する係止爪部180と、が形成され、当て板175の係止爪部180に防犯シート174の差込み穴177を差し込んで当て板175に防犯シート174を装着した状態で、上下端部の取付穴176及び取着穴178と本体枠主体150の軸支側内壁に形成される取着孔181とを一致させ、その一致した取付穴176、取着穴178及び取着孔181にカシメピン179を挿通してカシメ固着することにより、防犯シート174の後部を本体枠主体150の軸支側の前方内壁と当て板154とで挟持した状態で防犯シート174を固定することができる。そして、防犯シート174を固定した状態では、防犯シート174の前部は、図16(A),(B)に示すように、防犯金具170の内側面(コ字状に形成された開放面)まで延設されてその内側面を覆うようになっている。ただし、この防犯シート174で覆う防犯金具170の範囲は、遊技盤4の遊技領域208の軸支側の側方に対応する範囲である。
また、防犯シート174は、可撓性のある材料(ゴム等)であれば良いが、本実施形態においては、黒色又は灰色の熱可塑性エラストマーにより形成している。防犯シート174を黒色又は灰色の材料で形成することにより、扉枠5と本体枠3との間に隙間が生じても、その間を閉塞する防犯シート174が黒色又は灰色であれば、隙間の大小が判別し難く不正具の侵入個所を狙うことが困難となる利点を有する。また、防犯シート174を熱可塑性エラストマーとすることにより、長期間の繰り返し屈曲運動にも優れた耐久性を有すると共に、引き裂きにも極めて強くピアノ線等の不正具により差込みに対して優れた耐久性を有する。
上記のように構成される防犯金具170と防犯シート174は、扉枠5が本体枠3に対して開放されている状態において、前述したように、防犯金具170の内側面(コ字状に形成された開放面)まで延設されてその内側面を覆うようになっているが、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態においては、図18に示すように、防犯金具170と断面L字状折曲突片87との間に防犯シート174が弾性変形して折り畳まれた状態で挟持されている。この状態では、断面L字状折曲突片87が防犯金具170の裏側面と内側面とに対向した重複状態となっているので、ピアノ線等の不正具を扉枠5と本体枠3との間の隙間から挿入しても、重複部分からさらに奥に侵入させることはできないし、通常の力で扉枠5を手前側に引き出そうとしても、断面L字状折曲突片87の先端折曲部が防犯金具170の裏面側と当接するので、容易に扉枠5を手前側に引き出して扉枠5と本体枠3との間の隙間を大きくすることはできない。
これに対し、バール等の工具を扉枠5と本体枠3との間に差し込んで無理やりこじ開ける不正行為をした場合には、断面L字状折曲突片87の先端折曲部が図19に示すように延びたり、あるいは扉枠5を支持している軸ピン89,91を変形させたりして、扉枠5と本体枠3との間の隙間220の寸法を不正に大きくし、それによって防犯金具170と断面L字状折曲突片87との間の間隙が大きくなる場合がある。そのような場合であっても、本実施形態においては、図19に示すように、防犯シート174が弾性復元して防犯金具170と断面L字状折曲突片87との間の間隙を閉塞してピアノ線等の不正具221の侵入を防止することができる。
以上、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の構成について説明してきたが、本実施形態においては、扉枠5と本体枠3との間の隙間寸法をバール等の工具を使用して不正に大きくすることにより本体枠3に固定される防犯金具170と扉枠5に固定される断面L字状折曲突片87との間の間隙が大きくなった状態でも、防犯シート174が弾性復元して防犯金具170と断面L字状折曲突片87との間の間隙を閉塞するので、不正具221の侵入を確実に防止することができる。一方、通常時の扉枠5の開閉動作においては、防犯金具170と断面L字状折曲突片87との間に防犯シート174が弾性変形して折り畳まれた状態で挟持されるので、扉枠5の開閉動作に支障を来たすことがない。
また、防犯シート174が黒色又は灰色の熱可塑性エラストマーにより形成されているので、扉枠5と本体枠3との間に隙間が生じても、その間を閉塞する防犯シート174が黒色又は灰色であれば、隙間の大小が判別し難く不正具の侵入個所を狙うことが困難となる。そして、防犯シート174を熱可塑性エラストマーとすることにより、長期間の繰り返し屈曲運動にも優れた耐久性を有すると共に、引き裂きにも極めて強くピアノ線等の不正具により差込みに対して優れた耐久性を有する。
また、防犯シート174を本体枠3の軸支側内壁と当て板175とで挟持固定する際に、当て板175の係止爪部180に防犯シート174の差込み穴177を差し込んで当て板175に防犯シート174を装着した状態で、上下端部の取付穴176、取着穴178及び取着孔181にカシメピン179を挿通してカシメ固着したので、すべての取着部等をビス等で止着する場合に比べて、ビスの頭部等が本体枠3の内壁側に突出することを防止し、これによって本体枠3の遊技盤設置凹部159への遊技盤4の脱着操作の邪魔とならないようにすることができる。即ち、カシメピン179による固定個所を最小限に抑え且つ不正時に防犯シート174が簡単に弛まないように係止爪部180と差込み穴177とで固定したので、本体枠3の内壁側への突出量を抑制することができると共に長尺状の防犯シート174の取付けを確実に行ことができる。
更に、扉枠5側で発生する静電気が扉枠5の裏面に固定される補強板金80、接点突片182、本体側に固定される防犯金具170を介してアース接続部に流されるので、扉枠5側とアース接続部とを特別なアース線で接続する必要がないため、極めて簡単な構造によって扉枠5側のアース経路を確保することができる。
なお、上記した実施形態においては、防犯凸部として断面コ字状の金属製の防犯金具170を示したが、本体枠主体の内側に向かって突出しておれば断面コ字状形態のものでなくても良い。また、防犯凸部と対向する折曲突片87として断面L字状形状のものを示したが、必ずしも断面L字状でなくてもよく、少なくとも防犯凸部の裏側面及び内側面と対向するような形状であれば良い。例えば、防犯凸部の表側面、裏側面及び内側面と対向するような形状であっても良い。