JP2008220109A - 電力変換機器に適用されるコモンモード漏れ電流抑制回路 - Google Patents

電力変換機器に適用されるコモンモード漏れ電流抑制回路 Download PDF

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Abstract

【課題】各種電力変換機器において、負荷寄生容量に起因するコモンモード漏れ電流とともに、スイッチ寄生容量に起因するコモンモード漏れ電流をも抑制する。
【解決手段】第1の発明に係るPWMインバータ1は、出力平均電圧を検知する検知部4と、出力平均電圧と等しい重畳電圧を発生する電圧生成部5と、重畳電圧と逆極性の電圧をインバータの上下アーム電源ラインE、Eに重畳する重畳部6を備え、負荷寄生容量及び下アーム側スイッチ寄生容量に起因するコモンモード漏れ電流を抑制する。また、第2の発明に係るPWMインバータ1’は、上アーム側スイッチ寄生容量の漏れ電流に相当する補償電流を発生する補償電流発生部7をさらに備え、上アーム側スイッチ寄生容量に流れる漏れ電流をインバータ内で循環させ、上アーム側スイッチ寄生容量に起因するコモンモード漏れ電流を抑制する。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種電力変換機器において、電力用半導体スイッチング素子のスイッチング動作に応じて発生するコモンモード漏れ電流の抑制回路に関する。
近年の電力用半導体スイッチング素子の高速化により、PWMインバータに代表される各種電力変換機器においてスイッチング周波数の高速化が進んでいる。スイッチング周波数の高速化は、モーター等の負荷をきめ細かく制御できるというメリットがある。しかしながら、その一方で、高速スイッチング時の急峻な電流、電圧の変化によって生じる電磁波が他の電子機器に影響を及ぼす電磁波干渉(EMI)が問題となってきている。
このEMIを引き起こす要因の1つにコモンモード漏れ電流がある。コモンモード漏れ電流は、主に、負荷の寄生容量によるものと、スイッチング素子の寄生容量によるものがある。
このうち、スイッチング素子の寄生容量について、図8(A)〜(C)を参照して説明する。図8(A)は、三相負荷3を制御する最も基本的な三相のPWMインバータ10の回路図である。PWMインバータ10は、E[V]を出力する直流電源2と、上アーム電源ラインE及び下アーム電源ラインEを介して直流電源2に接続されるインバータINVで構成される。インバータINVは、U相を制御する一対のスイッチSW及びSW、V相を制御する一対のスイッチSW及びSW、W相を制御する一対のスイッチSW及びSWからなる。また、図9に示されるように、直流電源2が出力するE[V]は、通常、三相交流電圧を整流して生成される。
通常、インバータINVの各相のスイッチは電力用半導体スイッチで構成されており、図8(B)に示す一例において、各スイッチはN型IGBTトランジスタである。図8(B)のトランジスタTrは図8(A)のスイッチSWに対応し、トランジスタTrはスイッチSWに対応している。
スイッチを構成するこれらのトランジスタは、複数の素子が一体的にモジュール化された状態で使用されることが多く、例えば、一相分のトランジスタ(2個)を含む「2 in 1」タイプや、三相分のトランジスタ(6個)を含む「6 in 1」タイプ等がある。
図8(C)は、2個のトランジスタTr及びTrからなる「2 in 1」モジュールの断面模式図である。各トランジスタにおいて、コレクタ電極14は絶縁基板11に接続され、各絶縁基板11は、放熱の役割を果たす金属板12にはんだ付け等によってそれぞれ接続されている。そして、トランジスタTrのエミッタ電極13と、トランジスタTrのコレクタ電極14とが適当な導体で相互に接続されて、インバータ出力(U相)となる(例えば、非特許文献1参照)。
この構造では、コレクタ電極14と金属板12が絶縁基板11を挟んだ並行平板状の電極となっているので、コレクタ電極14と金属板12の間には寄生のコンデンサが形成されることになる。図8(B)において、この寄生のコンデンサはスイッチ寄生容量Cで表される。
コモンモード漏れ電流を引き起こすもう一つの寄生容量である負荷寄生容量Cは、主に、モーター巻線と接地されたフレームとの間の浮遊容量である。
上記スイッチ寄生容量及び負荷寄生容量を、図8(A)に示す三相のPWMインバータ10に反映させると図10のようになる。図10に示されるように、PWMインバータ10には、上アーム側スイッチSW〜SWのコレクタ側に付随するスイッチ寄生容量CSU、下アーム側スイッチSW〜SWのコレクタ側に付随するスイッチ寄生容量CSD、及び三相負荷3に付随する負荷寄生容量Cが存在する。
なお、接地点は様々に設定可能であるが、本明細書及び各添付図面では直流電源2の中間点を接地し、ここを基準電位として説明する。
図11は、図10に示した最も基本的なPWMインバータ10の動作波形の一例である。図11に示す動作において、インバータINVは、時間T、T、T、Tに各スイッチが切り替わる。また、図11に図示されていない上アーム側スイッチSWはOFF、下アーム側スイッチSWはONである。
なお、PWMインバータの動作波形を示す各添付図面において、例えば“↑E[V]”は、スイッチ状態の変化に応じて電圧がE[V]上昇したことを示し、“↓E[V]”はE[V]下降したことを示す。
時間0の初期状態において、上アーム側スイッチSW、SW、SWはいずれもOFF、下アーム側スイッチSW、SW、SWはいずれもONである。このとき、インバータINVの各相(U相、V相、W相)出力は、接続された直流電源2にしたがって−E/2[V]であり、三相負荷3のコモンモード電圧VCOMは各相出力の平均電圧(−E/2[V])である。
時間Tにおいて、スイッチSWがOFFからONに、スイッチSWがONからOFFにそれぞれ変化すると、インバータINVのU相出力が−E/2[V]からE/2[V]まで+E[V]変動し、これに応じて、コモンモード電圧VCOMが+E/3[V]変動する。そして、この変動に伴って、負荷寄生容量Cに漏れ電流Iが流れ、さらに、スイッチSWの寄生容量CSDに漏れ電流ISDが流れる。
同様に、時間T、T・・・においても、各スイッチの変化に伴って各相出力及びコモンモード電圧VCOMが変動し、漏れ電流I及びISDが流れる。
なお、図10に示すPWMインバータ10では、各スイッチが変化しても上アーム電源ラインEは変化しない。したがって、PWMインバータ10では、各スイッチが変化しても上アーム側スイッチ寄生容量CSUに印加される電圧は一定に保たれ、スイッチ寄生容量CSUに漏れ電流ISUは流れない。
以上のように、図10に示す従来のPWMインバータ10では、各スイッチが変化する度に、負荷寄生容量C及び下アーム側スイッチ寄生容量CSDにそれぞれ漏れ電流I及びISDが流れ、これらがコモンモード漏れ電流の一因となっていた。
この対策として、例えば、特許文献1では、負荷寄生容量Cに着目したコモンモード漏れ電流の抑制が検討されている。
図12に示す、特許文献1に記載された三相のPWMインバータ10’は、インバータINVの各相出力に接続されて出力平均電圧(=各相の平均電圧)Vinvを検知する3つのコンデンサCと、コンプリメンタリなNPNトランジスタTr及びPNPトランジスタTrからなるプッシュプル型エミッタホロワ回路8と、この回路の出力に接続された一次コイルLcm1と、インバータINVの各相出力と三相負荷3の間に直列に接続された3個の二次コイルLcm2と、を含むコモンモードキャンセル回路20を備えている。
上記構成によれば、コモンモード電圧VCOMが一定に保たれ、負荷寄生容量Cの漏れ電流Iに起因するコモンモード漏れ電流を抑制することができる。
しかしながら、図12に示すコモンモードキャンセル回路20では、下アーム側スイッチ寄生容量CSDの漏れ電流ISDを抑制することはできず、これに起因するコモンモード漏れ電流を抑制することはできなかった。また、今までに、スイッチ寄生容量に着目し、これに起因するコモンモード漏れ電流を抑制する検討はあまりなされていない。
特開平10−94244号公報 清水、木村、広瀬、「トランジスタモジュールの浮遊静電容量に起因する高周波漏洩電流の解析と抑制法」:電学論D、116巻7号、p758〜p759、平成8年
したがって、本発明は、各種電力変換機器において、負荷寄生容量に起因するコモンモード漏れ電流とともに、スイッチ寄生容量に起因するコモンモード漏れ電流をも抑制可能なコモンモード漏れ電流抑制回路を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るコモンモード漏れ電流抑制回路は、上アーム電源ライン及び下アーム電源ラインを介して直流電源から電力が供給され、電力用半導体スイッチング素子のスイッチング動作によって電力変換を行う電力変換機器において、該スイッチング動作に応じて生じるコモンモード漏れ電流を抑制すべく備えられる回路であって、i)前記電力変換機器の各相の出力に接続され、前記スイッチング動作に応じて変動する出力平均電圧を検知する検知部と、ii)前記検知部に接続され、前記出力平均電圧と等しい重畳電圧を発生する電圧生成部と、iii)前記電圧生成部に接続され、前記重畳電圧と変動量が等しい逆極性の電圧を、前記上アーム電源ライン及び下アーム電源ラインに重畳する重畳部とを備えたことを特徴とする。
なお、前記電圧生成部は、プッシュプル型エミッタホロワ回路からなることが好ましい。
さらに、前記重畳部は、a)前記電圧生成部に接続され、前記重畳電圧が入力される一次コイルと、b)前記上アーム電源ライン及び下アーム電源ラインにそれぞれ直列に接続され、前記一次コイルと巻数が等しい2個の二次コイルとからなるトランスを含み、前記一次コイルと二次コイルの電磁誘導作用により、前記重畳電圧と変動量が等しい逆極性の電圧が前記上アーム電源ライン及び下アーム電源ラインに重畳されることが好ましい。
また、本発明に係るコモンモード漏れ電流抑制回路は、iv)前記重畳部に接続された補償電流発生部と、をさらに備え、前記補償電流発生部は、a)前記トランスに備えられ、前記一次コイルから電圧が誘起されるコイルであって、前記一次コイルのn倍(ただしn>1)の巻数を有し、一端が接地された補助コイルと、b)前記補助コイルの他端と前記上アーム電源ラインの間に接続され、容量値が、式“C=(前記上アーム電源ラインに付随する寄生容量の総和)/(n−1)”に基づいて決定される補償コンデンサとからなり、前記補償コンデンサの両端の電位差に応じた補償電流が発生するようにしたことを特徴とする。
本発明は、各種電力変換機器において、負荷寄生容量、及びスイッチ寄生容量に起因するコモンモード漏れ電流の抑制回路を提供するものであって、まず第1の発明によれば、負荷寄生容量、及び下アーム側スイッチ寄生容量の漏れ電流を抑制し、これに起因するコモンモード漏れ電流を抑制することができる。さらに第2の発明によれば、上アーム側スイッチ寄生容量の漏れ電流を、これと同等の補償電流を発生させることによって電力変換機器内を循環させ、上アーム側スイッチ寄生容量に起因するコモンモード漏れ電流を抑制することができる。
本発明に係るコモンモード漏れ電流抑制回路の好ましい実施例を説明するにあたり、まず、図1を参照して、本発明に係るコモンモード漏れ電流抑制回路を備えた電力変換機器の概要につき説明する。なお、図1、2、4における電力変換機器は、一例として、三相負荷を駆動するPWMインバータである。
本発明の第1の発明において、PWMインバータ1は、直流電源2、インバータINV及び三相負荷3からなる従来のPWMインバータに、検知部4、電圧生成部5及び重畳部6からなるコモンモード漏れ電流抑制回路9を付加して構成される。このPWMインバータ1によれば、コモンモード電圧の変動をキャンセルすることによって、下アーム側スイッチSW〜SWに付随するスイッチ寄生容量の漏れ電流、及び負荷寄生容量の漏れ電流を抑制し、これらに起因するコモンモード漏れ電流を抑制することができる。
本発明の第2の発明に係るPWMインバータ1’のコモンモード漏れ電流抑制回路9’は、上記第1の発明に係るコモンモード漏れ電流抑制回路9に、さらに、補償電流発生部7を付加して構成される。このPWMインバータ1’によれば、上アーム側スイッチSW〜SWに付随するスイッチ寄生容量の漏れ電流を、この電流に等しい補償電流を発生させることによってインバータ内を循環させ、上アーム側スイッチ寄生容量に起因するコモンモード漏れ電流を抑制することができる。
以下、第1の発明を実現する実施例1、及び第2の発明を実現する実施例2の具体的な回路構成、及びその動作につき、図2〜図5を参照して説明する。
図2に示される実施例1に係るPWMインバータ1において、検知部4は、一端がインバータINVの各相出力に接続され、他端が相互に接続される同一の3個のコンデンサCからなる。検知部4は、各コンデンサCの一端においてインバータINVの各相出力の電圧が入力され、各コンデンサCの他端である相互接続点において、上アーム電源ラインE及び下アーム電源ラインE間に直列接続される2つのコンデンサC間の電位(=インバータ中性点電位V)を基準とするインバータの出力平均電圧(=各相の平均電圧)Vinvを出力する。
電圧生成部5は、コンプリメンタリなNPNトランジスタTr及びPNPトランジスタTrからなるプッシュプル型エミッタホロワ回路である。本回路は一例であり、高速応答性、低出力インピーダンス、高入力インピーダンスといった特性を有する他の回路に置き換えてもよい。
電圧生成部5は、各トランジスタのベースにおいて出力平均電圧Vinvが入力され、この電圧と等しい重畳電圧Vを出力する。
重畳部6は、主に、一次コイルL及び二次コイルL2p、L2nからなるトランスで構成される。一次コイルLと二次コイルL2p、L2nの巻数比は1:1で、一次コイルLに生じた電圧は、電磁誘導作用によって二次コイルL2p、L2nのそれぞれに伝達されるようになっている。一次コイルLの一端は電圧生成部5に接続され、また、他端は上アーム電源ラインE及び下アーム電源ラインE間に直列接続される2つのコンデンサCの間に接続される。
一次コイルLの一端に入力される重畳電圧Vが変動しても、一次コイルLの両端には電圧Vが生じ、これと等しい電圧が二次コイルL2p、L2nに誘起され、上アーム電源ラインE及び下アーム電源ラインEにそれぞれ重畳電圧Vと変動量が等しい逆極性の電圧が重畳される。結果的に、上アーム電源ラインE及び下アーム電源ラインEは、検知された出力平均電圧Vinvと変動量が等しく、かつ逆極性にシフトする。
上アーム電源ラインE及び下アーム電源ラインEが出力平均電圧Vinvと逆極性にシフトすると、それに応じて、各相(U相、V相、W相)出力も出力平均電圧Vinvと逆極性にシフトする。したがって、各スイッチの変化に伴って変動した出力平均電圧Vinvの変動はキャンセルされ、コモンモード電圧VCOMは一定に保たれる。
上記した実施例1に係るPWMインバータ1において、各スイッチの変化に応じた各部の電圧、電流波形は図3のようになる。なお、図3において、出力平均電圧Vinvはインバータ中性点電位Vを基準とした電圧であり、他は接地点を基準とした電位である。また、図3において、図示しない上アーム側スイッチSWはOFF、下アーム側スイッチSWはONである。
時間0の初期状態において、上アーム側スイッチSW、SW、SWはいずれもOFF、下アーム側スイッチSW、SW、SWはいずれもONである。このとき、上アーム電源ラインE及び下アーム電源ラインEは、それぞれE[V]、0[V]である。また、インバータINVの各相(U相、V相、W相)出力は、下アーム電源ラインEに等しい電圧0[V]で、三相負荷3のコモンモード電圧VCOMは、各相出力の平均電圧(0[V])である。
時間Tにおいて、スイッチSWはOFFからONに、スイッチSWはONからOFFにそれぞれ変化し、これとともに、出力平均電圧Vinvは+E/3[V]変動する。このとき、検知部4、電圧生成部5及び重畳部6は、この出力平均電圧Vinvの変動をキャンセルすべく、上アーム電源ラインE及び下アーム電源ラインEをそれぞれ−E/3[V]シフトさせことによって、インバータINVの各相出力を−E/3[V]シフトする。結局、出力平均電圧Vinvの変動がキャンセルされ、コモンモード電圧VCOMは一定に保たれる。
なお、本来、U相は0[V]からE[V]まで+E[V]変動するところ、上アーム電源ラインE及び下アーム電源ラインEがそれぞれ−E/3[V]シフトしたために、その変動は+2E/3[V]に留まる。
他のスイッチ変化においても、検知部4、電圧生成部5及び重畳部6の働きによってコモンモード電圧VCOMは一定に保たれる。例えば、時間Tでは、上アーム電源ラインE及び下アーム電源ラインEを+E/3[V]シフトさせることによって、インバータINVの各相出力が+E/3[V]シフトし、−E/3[V]変動しようとするコモンモード電圧VCOMの変動がキャンセルされる。
コモンモード電圧VCOMが一定であれば、負荷寄生容量Cの両端の電位差は変化しないので、漏れ電流Iは流れない。また、例えば、図3の時間Tのように、U相の変動量(+2E/3[V])とV相及びW相の変動量(それぞれ−E/3[V])の和が0[V]で出力平均電圧Vinvが一定であれば、下アーム側スイッチSW〜SWに付随するスイッチ寄生容量CSDの漏れ電流の和は0になる。
したがって、実施例1に係るPWMインバータ1によれば、負荷寄生容量C、及び下アーム側スイッチ寄生容量CSDに起因するコモンモード漏れ電流を抑制することができる。
ところで、実施例1に係るPWMインバータ1では、負荷寄生容量C、及び下アーム側スイッチ寄生容量CSDに起因するコモンモード漏れ電流を抑制すべく、上アーム電源ラインEがシフトするようにしたので、上アーム電源ラインEに付随する寄生容量、すなわち、上アーム側スイッチ寄生容量CSUに漏れ電流が流れてしまう。
後述する実施例2に係るPWMインバータは、図2に示される実施例1に係るPWMインバータ1に追加回路を付加し、上記上アーム側スイッチ寄生容量CSUに起因するコモンモード漏れ電流を抑制するものである。
実施例2に係るPWMインバータ1’の回路図を図4に示す。PWMインバータ1’は、実施例1に係るPWMインバータ1(図2)に補償電流発生部7を追加したものである。なお、図4では、上アーム側スイッチSW〜SWのそれぞれに付随するスイッチ寄生容量をまとめて、1つの寄生容量“3×CSU”とした。
補償電流発生部7は、補償コンデンサC、及び重畳部6のトランス(L、L2p、L2n)に設けられる補助コイルLからなる。本実施例において、一次コイルLと補助コイルLの巻数比は1:2で、一次コイルLに生じた電圧の2倍の電圧が、電磁誘導作用によって補助コイルLに伝達されるようになっている。また、本実施例において、補償コンデンサCと、上アーム側スイッチ寄生容量3×CSUは容量値が等しい。
補助コイルLの一端は接地され、他端は補償コンデンサCの一端に接続される。そして、補償コンデンサCの他端は、上アーム電源ラインEに接続される。
実施例2に係るPWMインバータ1’において、各スイッチの変化に応じた各部の電圧、電流波形は図5のようになる。なお、図5においても、出力平均電圧Vinvはインバータ中性点電位Vを基準とした電圧であり、他は接地点を基準とした電位である。また、図示しない上アーム側スイッチSWはOFF、下アーム側スイッチSWはONである。
PWMインバータ1’は、各スイッチが変化しても、検知部4、電圧生成部5及び重畳部6の働きによってコモンモード電圧VCOMは一定に保たれ、負荷寄生容量C及びスイッチ寄生容量CSDに起因するコモンモード漏れ電流を抑制することができる。この動作は、実施例1に係るPWMインバータ1と同様である。
補償電流発生部7は、例えば、図5の時間Tにおいて、次のように動作する。
スイッチSWがOFFからONに、スイッチSWがONからOFFにそれぞれ変化すると、上アーム電源ラインEは−E/3[V]シフトする。このとき、上アーム側スイッチ寄生容量3×CSUには、その容量値(3×CSU)と、その両端における電位差の変化量(E/3[V])に応じた漏れ電流ISUが流れる。漏れ電流ISUは、当該電流が流れる寄生容量の容量値、及びその両端における電位差の変化量に比例して増加する。
これとともに、補償電流発生部7の補助コイルLには、重畳電圧Vの2倍の大きさで変動する電圧VLCが誘起される。図5の時間Tにおいて、電圧VLCは−2E/3[V]シフトし、上アーム電源ラインEは−E/3[V]シフトする。このとき、補償コンデンサCの両端の電位差VCCは、電圧VLCのシフト量(−2E/3[V])から上アーム電源ラインEのシフト量(−E/3[V])を差し引いた分だけシフトする。つまり、図5に示されるように、補償コンデンサCの両端の電位差VCCのシフト量は、上アーム電源ラインEのシフト量と等しく−E/3[V]となる。
つまり、補償コンデンサCと上アーム側スイッチ寄生容量3×CSUは、容量値が等しく、かつ両端における電位差の変化量が等しいので、補償コンデンサCに流れる補償用電流Iは、上アーム側スイッチ寄生容量3×CSUに流れる漏れ電流ISUに等しくなる。
以上のように、実施例2に係るPWMインバータ1’では、上アーム電源ラインEに付随する寄生容量に漏れ電流が流れても、これに等しい補償電流として、漏れ電流が再びPWMインバータ1’内に供給される。結局、PWMインバータ1’によれば、上アーム側スイッチ寄生容量の漏れ電流をPWMインバータ内で循環させることができ、上アーム側スイッチ寄生容量に起因するコモンモード漏れ電流を抑制することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、当業者が種々の変形例を想到できることは自明である。
例えば、各実施例では、一例として、三相のPWMインバータに第1の発明及び第2の発明に係るコモンモード漏れ電流抑制回路を適用したが、電力用スイッチング素子のスイッチングにより電力変換を行う他の電力変換機器(例えば、DC−DCコンバータ)にも適用することができる。
また、本発明が適用されるPWMインバータは三相のものに限定されず、容易に単相(図6(A))または三相を超える多相(図6(B))のPWMインバータやマルチレベルPWMインバータ(図7)にも適用することができる。なお、図7に示すマルチレベルPWMインバータは一例として三相負荷を駆動するものであるが、本発明は、単相または三相を超える多相のマルチレベルPWMインバータにも適用することができる。
また、各実施例において、インバータの各スイッチを制御する制御回路がコモンモード電圧を演算し、それに応じた電圧を発生することができる場合には、その電圧を電圧生成部に入力することによって、各実施例と同等の効果を得ることもできる。この場合、検知部を省略することができる。
また、実施例2では、上アーム電源ラインに付随する寄生容量の総和と上アーム側スイッチ寄生容量3×CSUとが等しいとして補償コンデンサCの容量値を決定したが、上アーム電源ラインにスイッチ寄生容量以外の寄生容量が存在する場合には、その容量値も加味して補償コンデンサCの容量値が決定される。
また、実施例2では、一次コイルLと補助コイルLの巻数比を1:2とし、補償コンデンサCの容量値と、上アーム電源ラインに付随する寄生容量の総和の容量値を等しくしたが、巻数比を1:n(ただし、n>1)とし、補償コンデンサCの容量値を、
=上アーム電源ラインに付随する寄生容量の総和/(n−1)
としてもよい。上式に基づいて補償コンデンサCを決定すれば、上アーム側スイッチ寄生容量に流れる漏れ電流に等しい補償電流を発生することができ、実施例2と同等の効果を得ることができる。例えば、一次コイルLと補助コイルLの巻数比を1:3とした場合、補償コンデンサCの容量値を上アーム電源ラインに付随する寄生容量の半分にすることができる。
本発明に係るPWMインバータの概略図である。 実施例1に係るPWMインバータの回路図である。 実施例1に係るPWMインバータの動作波形の一例である。 実施例2に係るPWMインバータの回路図である。 実施例2に係るPWMインバータの動作波形の一例である。 本発明に係るPWMインバータのその他の形態を示す回路図であって、(A)は単相のPWMインバータ、(B)は三相を超える多相のPWMインバータである。 本発明に係るPWMインバータのその他の形態(マルチレベルPWMインバータ)を示す回路図である。 PWMインバータに付随する寄生容量について説明する図であって、(A)は最も基本的な従来のPWMインバータの回路図、(B)はスイッチの具体的な構成を示す回路図、(C)はスイッチの断面模式図である。 直流電源を具体的な構成で表したPWMインバータの回路図である。 最も基本的な従来のPWMインバータの回路図である。 最も基本的な従来のPWMインバータの動作波形の一例である。 従来のPWMインバータの回路図である。
符号の説明
1 PWMインバータ
1’ PWMインバータ
2 直流電源
3 三相負荷
3’ 単相負荷
3” 多相負荷
4 検知部
5 電圧生成部
6 重畳部
7 補償電流発生部
8 プッシュプル型エミッタホロワ回路
9 コモンモード漏れ電流抑制回路
9’ コモンモード漏れ電流抑制回路
10 PWMインバータ
10’ PWMインバータ
11 絶縁基板
12 金属板
13 エミッタ電極
14 コレクタ電極
20 コモンモードキャンセル回路
上アーム電源ライン
下アーム電源ライン
INV インバータ
INV’ マルチレベルインバータ
SWu〜w 上アーム側スイッチ
SWx〜z 上アーム側スイッチ

Claims (4)

  1. 上アーム電源ライン及び下アーム電源ラインを介して直流電源から電力が供給され、電力用半導体スイッチング素子のスイッチング動作によって電力変換を行う電力変換機器において、該スイッチング動作に応じて生じるコモンモード漏れ電流を抑制すべく備えられる回路であって、
    i)前記電力変換機器の各相の出力に接続され、前記スイッチング動作に応じて変動する出力平均電圧を検知する検知部と、
    ii)前記検知部に接続され、前記出力平均電圧と等しい重畳電圧を発生する電圧生成部と、
    iii)前記電圧生成部に接続され、前記重畳電圧と変動量が等しい逆極性の電圧を、前記上アーム電源ライン及び下アーム電源ラインに重畳する重畳部と、
    を備えたことを特徴とするコモンモード漏れ電流抑制回路。
  2. 前記電圧生成部は、プッシュプル型エミッタホロワ回路からなることを特徴とする請求項1に記載のコモンモード漏れ電流抑制回路。
  3. 前記重畳部は、
    a)前記電圧生成部に接続され、前記重畳電圧が入力される一次コイルと、
    b)前記上アーム電源ライン及び下アーム電源ラインにそれぞれ直列に接続され、前記一次コイルと巻数が等しい2個の二次コイルと、
    からなるトランスを含み、前記一次コイルと二次コイルの電磁誘導作用により、前記重畳電圧と変動量が等しい逆極性の電圧が前記上アーム電源ライン及び下アーム電源ラインに重畳されるようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載のコモンモード漏れ電流抑制回路。
  4. iv)前記重畳部に接続された補償電流発生部と、
    をさらに備え、前記補償電流発生部は、
    a)前記トランスに備えられ、前記一次コイルから電圧が誘起されるコイルであって、前記一次コイルのn倍(ただしn>1)の巻数を有し、一端が接地された補助コイルと、
    b)前記補助コイルの他端と前記上アーム電源ラインの間に接続され、容量値が、
    =(前記上アーム電源ラインに付随する寄生容量の総和)/(n−1)
    に基づいて決定される補償コンデンサと、
    からなり、前記補償コンデンサの両端の電位差に応じた補償電流が発生するようにしたことを特徴とする請求項3に記載のコモンモード漏れ電流抑制回路。
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