JP3254971B2 - インバータを用いたモータ駆動装置 - Google Patents

インバータを用いたモータ駆動装置

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JP3254971B2 JP18416095A JP18416095A JP3254971B2 JP 3254971 B2 JP3254971 B2 JP 3254971B2 JP 18416095 A JP18416095 A JP 18416095A JP 18416095 A JP18416095 A JP 18416095A JP 3254971 B2 JP3254971 B2 JP 3254971B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、インバータ部のスイ
ッチングによりモータへ供給する電圧と周波数とを制御
するインバータを用いたモータ駆動装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】図9は、一般によく知られているモータ
駆動システムの構成を示すものである。図において、1
は交流電源、2は交流電源1を受けて任意の周波数、任
意の電圧に変換するインバータ装置、3はインバータ装
置2の出力を受けて回転するモータである。またインバ
ータ装置2は交流電源1をダイオードD1〜D6で整流
し直流電圧を得る整流回路4、この整流回路4の出力直
流電圧を平滑する平滑コンデンサ5、及びその直流電圧
をスイッチング素子TR1〜TR6により交流電圧に変
換するインバータ部6から基本的部分は構成される。但
し伝導ノイズ(又は雑音端子電圧)等を考える場合は、
インバータシャーシ7、及び主にスイッチング素子TR
1〜TR6のチップとインバータシャーシ7の間に存在
する浮遊キャパシタ8を考慮する必要がある。またモー
タ3にもその入力端子とモータフレーム9との間に浮遊
キャパシタ10が存在している。11は大地アースであ
り、図9では交流電源1の1つの相とつながれている場
合を示している。そして通常、感電防止のため図9に示
すようにインバータシャーシ7とモータフレーム9は大
地アース11に接地して使用する。
【0003】次に伝導ノイズの発生原理について説明す
る。伝導ノイズは、交流電源1へ大地アースから回り込
む大地漏れ電流といわれる高周波電流によって発生する
ものである。この大地アースから回り込む高周波電流が
大きいほど伝導ノイズは大きくなり、それにより同じ交
流電源1に接続された伝導ノイズに弱い電子機器は誤動
作するといったことが起こる場合もある。図9に示すモ
ータ駆動システムでは、インバータ部6で高周波スイッ
チングを行うためその出力端子u,v,wでは大地アー
スに対して高い周波数で電位変動する。その電位変動に
よりインバータ部6の浮遊キャパシタ8を通して高周波
電流i1が流れる。またモータの浮遊キャパシタ10を
通しても高周波電流i2が流れる。この高周波電流i1
及びi2はそれらの一部分はインバータ装置2とモータ
間3を還流するものもあるが、高周波電流i3として大
地アース11に回り込み伝導ノイズを増加させることに
なる。この高周波電流は、インバータ部6のスイッチン
グ周波数が高いほど大きくなり、最近のインバータの低
騒音化のための高キャリヤ周波数化により、いっそう伝
導ノイズが増加している。
【0004】このような問題に対し、従来は図10に示
すようにインバータ装置2の入力端にフィルター100
を設けインバータ装置2への高周波電流の回り込む経路
を高インピーダンスとし、高周波電流i3を小さくし、
伝導ノイズを低く抑えるといったことが行われていた。
しかしこの方法ではフィルタが非常に大きく、高価にな
るといった問題があった。
【0005】また、図11に示す特開昭63−9227
2に示されたようにインバータ装置2の出力側に抵抗、
コンデンサ、リアクトルで構成したフィルタをつける方
法も提案されている。これは、インバータ装置2の出力
端子u,v,wにそれぞれ抵抗r1、コンデンサc1よ
りなる直列回路101、抵抗r2、コンデンサc2より
なる直列回路102、抵抗r3、コンデンサc3よりな
る直列回路103を接続し各直列回路の前記出力端子と
は反対側を共通接続すると共にその共通接続点とインバ
ータ装置の一方の母線との間にリアクトル巻線104を
接続し、かつ前記出力端子に前記リアクトル巻線とそれ
ぞれ結合するリアクトル巻線105を介してモータ3を
接続するように構成している。このように構成すること
によりインバータ装置2の出力端子の電位変動によりモ
ータ3の浮遊キャパシタ10を通して大地アースに高周
波電流が流れるのを防いでいる。しかしこの方法では、
インバータ部の浮遊キャパシタからの高周波電流の流出
は抑えることができない。また、リアクトル105には
モータ3を駆動する大きな電流が流れるため、リアクト
ル105が飽和しないよう大きなリアクトルとなるとい
った問題がある。
【0006】また、特開昭55−68887にはスイッ
チング素子の浮遊キャパシタからの高周波電流を、その
高周波電流を生じさせる電位変動と逆相の電圧波形を得
る手段とコンデンサを使用してキャンセルする方法が示
されている。しかし、この従来例では、モータを接続し
た場合、モータの浮遊キャパシタからの高周波電流につ
いての対応方法はなく、また、モータを駆動するインバ
ータ装置に用いる場合の構成についても述べられていな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】インバータでモータを
駆動する場合、インバータ部の浮遊キャパシタ及びモー
タの浮遊キャパシタを通して高周波電流がながれ、それ
が大地アースに回り込み伝導ノイズが増大するという問
題があった。上記従来例で述べた、インバータの入力に
フィルタを設ける方法では、フィルタが大きく、高価な
ものになってしまうという問題がある。また、特開昭6
3−92272に示された方法では、インバータ装置か
らの高周波電流の流出を防ぐことができず、結果的に伝
導ノイズはある程度しか小さくできない。また使用して
いるリアクトルが大きく高価なものになってしまうとい
う欠点もある。また、特開昭55−68887に示され
た方法では、モータを接続した場合の対応方法はなく、
インバータ装置に応用した場合の構成についても述べら
れていない。
【0008】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたもので、インバータ装置でモータを駆動させる
際、インバータ装置のスイッチングで生じる電位変動に
より、インバータの浮遊キャパシタやモータの浮遊キャ
パシタを介して大地アースに流出する高周波電流をキャ
ンセルし、伝導ノイズの小さいインバータを用いたモー
タ駆動装置を得ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係わるインバ
ータを用いたモータ駆動装置においては、インバータ部
から浮遊容量を介して大地へ流れる高周波電流を打ち消
す向きの高周波電流を生成する高周波電圧発生手段と、
この高周波電圧発生手段とインバータ装置の筺体との間
に設けられた第1のコンデンサと、高周波電圧発生手段
とモータの外被との間に設けられた第2のコンデンサと
を備えたものである。
【0010】
【0011】
【0012】また、高周波電圧発生手段は、インバータ
部の交流出力端子のコモンモード電位とコンバータ部の
正又は負側出力電位との差を入力し、このコモンモード
電位の変動と逆位相で変動する電位変動を出力する電位
変動発生装置であり、この電位変動発生装置の出力側を
第1のコンデンサを介してインバータ装置の筐体に接続
すると共に第2のコンデンサを介してモータの外被に接
続したものである。
【0013】また、高周波電圧発生手段は、コンバータ
部からの直流電圧をインバータ部のスイッチングパター
ンと逆位相でスイッチングして任意の周波数と電圧の交
流を得る第2のインバータ部であり、この第2のインバ
ータ部の交流出力端子を第1のコンデンサを介してイン
バータ装置の筐体に接続すると共に第2のコンデンサを
介してモータの外被に接続したしたものである。
【0014】また、高周波電圧発生手段は、コンバータ
部からの直流電圧をインバータ部のスイッチングパター
ンと逆位相でスイッチングして任意の周波数と電圧の交
流を得る第2のインバータ部であり、この第2のインバ
ータ部をインバータ部と同一の浮遊容量を生じる位置に
設け、第2のインバータ部の交流出力端子を第2のコン
デンサを介してモータの外被に接続したものである。
【0015】また、高周波電圧発生手段は、1次巻線と
2次巻線とを有しこれらの一方の巻線の巻始め端と他方
の巻線の巻終り端と共通に接続した変圧器であり、こ
の変圧器の1次巻線と2次巻線の共通接続端をコンバー
タ部の正又は負側出力端に接続し、変圧器の1次巻線の
2次巻線との共通接続端でない他端をコンデンサを介し
てインバータ部の交流出力端子に接続し、変圧器の2次
巻線の1次巻線との共通接続端でない他端を第1のコン
デンサを介してインバータ装置の筐体に接続すると共に
第2のコンデンサを介してモータの外被に接続したもの
である。
【0016】また、変圧器は、インバータ部の多相交流
出力の各相毎に独立して設け、これら各変圧器の1次巻
線と2次巻線の共通接続端をコンバータ部の正又は負側
出力端に共に接続し、各変圧器の1次巻線の2次巻線と
の共通接続端でない他端をコンデンサを介してインバー
タ部の対応する各相出力端子に接続し、各変圧器の2次
巻線の1次巻線との共通接続端でない他端を各々第1の
コンデンサを介してインバータ装置の筺体に接続すると
共に各々第2のコンデンサを介してモータの外被に接続
したものである。
【0017】更に、変圧器は、インバータ部の多相交流
出力の相数に等しい数の1次巻線と1つの2次巻線を有
し、この変圧器の1次巻線の2次巻線との共通接続端で
ない各他端を各々コンデンサを介してインバータ部の対
応する各相出力端子に接続したものである。
【0018】そして、変圧器は、1次巻線と2次巻線を
各々1つ有し、この変圧器の1次巻線の2次巻線との共
通接続端でない他端を各々コンデンサを介してインバー
タ部の各相出力端子に接続したものである。
【0019】
【作用】この発明に係わるインバータを用いたモータ駆
動装置においては、インバータ部から浮遊容量を介して
大地へ流れる高周波電流を打ち消す向きの高周波電流を
生成する高周波電圧発生手段と、この高周波電圧発生手
段とインバータ装置の筺体との間に設けられた第1のコ
ンデンサと、高周波電圧発生手段とモータの外被との間
に設けられた第2のコンデンサとを備えたので、インバ
ータ装置の筺体やモータの外被から浮遊容量を介して大
地アースに流出する高周波電流を打ち消すことになる。
【0020】
【0021】
【0022】また、高周波電圧発生手段は、インバータ
部の交流出力端子のコモンモード電位とコンバータ部の
正又は負側出力電位との差を入力し、このコモンモード
電位の変動と逆位相で変動する電位変動を出力する電位
変動発生装置であり、この電位変動発生装置の出力側を
第1のコンデンサを介してインバータ装置の筐体に接続
すると共に第2のコンデンサを介してモータの外被に接
続したので、インバータ装置の筐体やモータの外被から
浮遊容量を介して大地アースに流出する高周波電流を、
インバータ部の交流出力端子のコモンモード電位の変動
に合せて打ち消すことになる。
【0023】また、高周波電圧発生手段は、コンバータ
部からの直流電圧をインバータ部のスイッチングパター
ンと逆位相でスイッチングして任意の周波数と電圧の交
流を得る第2のインバータ部であり、この第2のインバ
ータ部の交流出力端子を第1のコンデンサを介してイン
バータ装置の筐体に接続すると共に第2のコンデンサを
介してモータの外被に接続したしたので、インバータ装
置の筐体やモータの外被から浮遊容量を介して大地アー
スに流出する高周波電流を、インバータ部のスイッチン
グパターンに合せて打ち消すことになる。
【0024】また、高周波電圧発生手段は、コンバータ
部からの直流電圧をインバータ部のスイッチングパター
ンと逆位相でスイッチングして任意の周波数と電圧の交
流を得る第2のインバータ部であり、この第2のインバ
ータ部をインバータ部と同一の浮遊容量を生じる位置に
設け、第2のインバータ部の交流出力端子を第2のコン
デンサを介してモータの外被に接続したので、インバー
タ装置の筐体やモータの外被から浮遊容量を介して大地
アースに流出する高周波電流を、インバータ部のスイッ
チングパターンに合わせ、かつインバータ部の浮遊容量
をも利用して打ち消すことになる。
【0025】また、高周波電圧発生手段は、1次巻線と
2次巻線とを有しこれらの一方の巻線の巻始め端と他方
の巻線の巻終り端と共通に接続した変圧器であり、こ
の変圧器の1次巻線と2次巻線の共通接続端をコンバー
タ部の正又は負側出力端に接続し、変圧器の1次巻線の
2次巻線との共通接続端でない他端をコンデンサを介し
てインバータ部の交流出力端子に接続し、変圧器の2次
巻線の1次巻線との共通接続端でない他端を第1のコン
デンサを介してインバータ装置の筐体に接続すると共に
第2のコンデンサを介してモータの外被に接続したの
で、インバータ装置の筐体やモータの外被から浮遊容量
を介して大地アースに流出する高周波電流を、インバー
タ部の交流出力端子から変圧器の1次巻線を介してコン
バータ部の正又は負側出力端に流れる高周波電流によっ
て発生する2次巻線起電力を利用して打ち消すことにな
る。
【0026】また、変圧器は、インバータ部の多相交流
出力の各相毎に独立して設け、これら各変圧器の1次巻
線と2次巻線の共通接続端をコンバータ部の正又は負側
出力端に共に接続し、各変圧器の1次巻線の2次巻線と
の共通接続端でない他端をコンデンサを介してインバー
タ部の対応する各相出力端子に接続し、各変圧器の2次
巻線の1次巻線との共通接続端でない他端を各々第1の
コンデンサを介してインバータ装置の筺体に接続すると
共に各々第2のコンデンサを介してモータの外被に接続
したので、インバータ装置の筺体やモータの外被から浮
遊容量を介して大地アースに流出する高周波電流を、イ
ンバータ部の各相の交流出力端子から各相に対応する変
圧器の1次巻線を介してコンバータ部の正又は負側出力
端に流れる高周波電流によってそれぞれ発生する2次巻
線起電力を利用して打ち消すことになる。
【0027】更に、変圧器は、インバータ部の多相交流
出力の相数に等しい数の1次巻線と1つの2次巻線を有
し、この変圧器の1次巻線の2次巻線との共通接続端で
ない各他端を各々コンデンサを介してインバータ部の対
応する各相出力端子に接続したので、インバータ装置の
筺体やモータの外被から浮遊容量を介して大地アースに
流出する高周波電流を、インバータ部の各相の交流出力
端子から変圧器の各相に対応した各々の1次巻線を介し
てコンバータ部の正又は負側出力端に流れる高周波電流
によって発生する合成の2次巻線起電力を利用して打ち
消すことになる。
【0028】そして、変圧器は、1次巻線と2次巻線を
各々1つ有し、この変圧器の1次巻線の2次巻線との共
通接続端でない他端を各々コンデンサを介してインバー
タ部の各相出力端子に接続したので、インバータ装置の
筺体やモータの外被から浮遊容量を介して大地アースに
流出する高周波電流を、インバータ部の各相の交流出力
端子から変圧器の1次巻線を介してコンバータ部の正又
は負側出力端に流れる合成の高周波電流によって発生す
る2次巻線起電力を利用して打ち消すことになる。
【0029】
【実施例】
実施例1.図1はこの発明の一実施例を示すものであ
り、1〜11は図9の従来例と同一のものである。12
はインバータ装置2の出力端子のコモンモード電位
(u,v,wの各端子に高抵抗を接続し、この高抵抗の
他端を共通に結合した場合のその結合点と母線nとの間
の電位をコモンモード電位と呼ぶ。)の変動と逆位相で
電位変動する電位変動発生装置、この電位変動発生装置
12は、インバータ装置2の母線nに接続(母線pに接
続することも可能である。)され、その出力端子aがイ
ンバータ装置2の出力端子u,v,wのコモンモード電
位とは逆位相で電位変動する。13は電位変動発生装置
の出力端子aとインバータシャーシ7の間に接続された
キャパシタ、14は上記出力端子aとモータフレーム9
の間に接続されたキャパシタである。
【0030】まず電位変動発生装置12の出力端子aに
発生する電位について図2を用いて説明する。図2はす
べてインバータ装置2の母線nを基準とした電位を示し
ている。よく知られているようにパルス幅変調されたイ
ンバータの出力のU相、V相、W相は図2(a),
(b),(c)に示すようなパルス幅の違う電圧とな
る。このような時、出力のコモンモード電位は図2
(d)のように変動する。これに対し電位変動発生装置
12の出力はコモンモード電圧とは逆位相に図2(e)
のように変動させる。従来例で述べたインバータ部6の
浮遊キャパシタ8やモータ3の浮遊キャパシタ10を通
して流れる伝導ノイズ増加の原因となる高周波電流は図
2(d)のコモンモード電圧によって生じる。通常イン
バータ部6の浮遊キャパシタ8を通して流れる高周波電
流i11はインバータシャーシ7を通って大地アース1
1に流れ込む。またモータ3の浮遊キャパシタ10を通
して流れる高周波電流i13はモータフレーム9を通っ
て大地アース11に流れ込む。その大きさは、 i11=c8×dv/dt (1) i13=c10×dv/dt (2) で表され、浮遊キャパシタンスの大きさ(上式のc8お
よびc10)と、コモンモード電圧の変化(上式のdv
/dt)に比例する。コモンモード電圧はインバータ部
6のスイッチングの度に変化するため、その変化の度に
上式の電流が流れる。そのため、インバータ部6を高周
波スイッチングすればするほどその高周波電流の発生回
数は増える。これに対し電位変動発生装置12の出力は
コモンモード電圧とは逆位相となるため、電位変動発生
装置12の出力に接続されたキャパシタ13からの高周
波電流i12及びキャパシタ14からの高周波電流i1
4は、 i12=c13×(−dv/dt) (3) i14=c14×(−dv/dt) (4) となる。(1)式と(3)式より、インバータ部6の浮
遊キャパシタ8と同じ容量値となるようにキャパシタ1
3を選べばインバータシャーシ7に流れる電流の合計
は、i11+i12=0となり、インバータ部6の浮遊
キャパシタ8からの高周波電流がキャンセルされること
がわかる。また(2)式と(4)式より、モータ3の浮
遊キャパシタ10と同じ容量値になるようにキャパシタ
14を選べばモータフレーム9に流れる電流の合計は、
i13+i14=0となり、モータ3の浮遊キャパシタ
10からの高周波電流もキャンセルされることがわか
る。このようにして、インバータ装置2及びモータ3か
らの高周波電流の大地アース11への流出をなくし、伝
導ノイズを効果的に抑えることができる。
【0031】ここで、電位変動発生装置12の一実施例
を図3に示す。インバータ部6の交流出力端子u,v,
wはそれぞれ電位変動発生装置12の入力端子ui,v
i,wiに接続される。また電位変動発生装置12の端
子nはインバータ装置2の母線nに接続され、電位変動
発生装置12の出力端子aはキャパシタ13を介してイ
ンバータシャーシ7に、又キャパシタ14を介してモー
タフレーム9にそれぞれ接続される。入力端子ui,v
i,wiから入力されたインバータ部6の交流出力は、
抵抗R1,R2,R3を介して端子comで共通接続さ
れる。ここで、抵抗R1,R2,R3の値は一般にその
抵抗を流れる電流が数mA以下の小さい値となるように
選ぶ。この端子comの電位が前述のコモンモード電位
となる。このコモンモード電位と母線nの電位の差は反
転器を通してその出力端に反転信号cntとして出力さ
れる。この反転信号cntは電力増幅器などにより電力
増幅され、出力端子aには、図2(e)で示すように、
母線nからみたインバータ部6の交流出力端子u,v,
wのコモンモード電位変動と逆位相の電位変動が生成さ
れることになる。
【0032】上記の例では電位変動発生装置12の電圧
がコモンモード電圧と振幅が等しくなるよう取ってあっ
たが、仮にコモンモード電圧の1/nの振幅になるよう
にすると、キャパシタの容量をn倍すれば同様に高周波
電流をキャンセルすることができる。また、浮遊キャパ
シタとして、インバータ部6の浮遊キャパシタ8及びモ
ータ3の浮遊キャパシタ10のみ問題にしているが、主
回路の配線パターンや、インバータ装置とモータ間の配
線ケーブルに浮遊キャパシタが存在する場合でも全く同
じ構成でキャパシタの容量を調整することにより高周波
電流をキャンセルし、伝導ノイズを効果的に抑えること
ができる。
【0033】実施例2.図4はこの発明の他の実施例を
示すものであり、15はインバータ装置2の母線p,n
に接続された第2のインバータ部、その第2のインバー
タ部15の出力端子u1,v1,w1にはそれぞれ1
6,17,18のキャパシタがインバータシャーシ7に
接続され、また19,20,21のキャパシタがモータ
フレーム9に接続されている。
【0034】第2のインバータ部15はスイッチング素
子TR1m〜TR6mで構成される。このTR1m〜T
R6mはメインのインバータ部6のスイッチング素子T
R1〜TR6とは逆のスイッチングパターンで駆動され
る。すなわち、TR1のスイッチング信号でTR2mを
駆動し、TR2のスイッチング信号でTR1mを駆動す
るといった具合である。但しインバータ部6の短絡防止
時間によりインバータ部6と第2のインバータ部15の
スイッチングタイミングのずれることを防ぐため、イン
バータ部6の出力電流により第2のインバータ部15の
タイミングの補正等を考慮する必要はある。
【0035】上記のようにインバータ部6と第2のイン
バータ部15は逆のスイッチングパターンで駆動される
ため、例えばインバータ部6のu相のみ電位が上昇する
ように変動した場合、第2のインバータのu1相は電位
が下降するように変動する。そのためインバータ部8の
浮遊キャパシタ8から流出する高周波電流とキャパシタ
16から流出する高周波電流は方向が逆になる。そこで
浮遊キャパシタ8の容量値に基づいてキャパシタ16の
容量を選べばインバータシャーシ7への高周波電流の合
計をゼロにできる。また同様にモータ3の浮遊キャパシ
タ10の容量値に基づいてキャパシタ19の容量を選べ
ばモータフレーム9への高周波電流の合計もゼロにでき
る。他の相がスイッチングした時もキャパシタ17,1
8及び20,21の容量値を同様に選ぶことにより高周
波電流の合計をゼロにできる。なおこの第2のインバー
タ部15はメインのインバータ部6に比べモータ3を回
すための電流を流す必要はなく、比較的小さな高周波電
流のみ流せばよいので電流容量の小さなスイッチング素
子で十分であり、そのため小形で、安価に構成すること
ができる。また、浮遊キャパシタとして、インバータ部
6の浮遊キャパシタ8及びモータ3の浮遊キャパシタ1
0のみ問題にしているが、主回路の配線パターンや、イ
ンバータ装置とモータ間の配線ケーブルに浮遊キャパシ
タが存在する場合でも全く同じ構成でキャパシタの容量
を調整することにより高周波電流をキャンセルし、伝導
ノイズを効果的に抑えることができる。
【0036】実施例3.図5はこの発明の他の実施例を
示すものであり、22は第2のインバータ部、23は第
2のインバータ部22の浮遊キャパシタである。
【0037】上記実施例2との違いは、第2のインバー
タの浮遊キャパシタを使う点である。実施例2では第2
のインバータ15の出力にキャパシタ16,17,18
をつけてインバータシャーシ7へ接続していたが、本実
施例では代わりに第2のインバータ部22をメインのイ
ンバータ部6と同一の放熱フィンに取り付けるなどして
その浮遊キャパシタ23を使い、実施例2で用いたキャ
パシタ16,17,18を不用にする。但し、その浮遊
キャパシタ23をメインのインバータ部6の浮遊キャパ
シタ8と同じ値にするためにチップ面積等を調節してや
らなければならない。このように構成すれば実施例2の
場合よりもキャパシタ16,17,18が不用になる分
安価に構成できる。スイッチングパターンの与え方、そ
の動作及び効果に関しては実施例2の場合と同様であ
る。また、浮遊キャパシタとして、インバータ部6の浮
遊キャパシタ8及びモータ3の浮遊キャパシタ10のみ
問題にしているが、主回路の配線パターンや、インバー
タ装置とモータ間の配線ケーブルに浮遊キャパシタが存
在する場合でも全く同じ構成でキャパシタの容量を調整
することにより高周波電流をキャンセルし、伝導ノイズ
を効果的に抑えることができる。
【0038】実施例4.図6はこの発明の他の実施例を
示すものであり、24,25,26はキャパシタ、2
7,28,29はトランスである。キャパシタ24,2
5,26とトランス27,28,29の一次側からなる
直列回路はインバータ部6の出力端子u,v,wとイン
バータ装置2の母線nに接続(母線pに接続する場合も
可能である。)されている。またトランス27,28,
29の2次側の一方の端子はインバータ装置の母線nに
接続(母線pに接続する場合も可能である。)され、も
う一方の端子は30,31,32のキャパシタを通して
インバータシャーシ7に接続されると同時に、33,3
4,35のキャパシタを通してモータフレーム9に接続
される。
【0039】このような構成で、インバータ部6の浮遊
キャパシタ8及びモータ3の浮遊キャパシタ10からの
高周波電流の流出をキャンセルする動作を、インバータ
部6の出力端uの電位が変動した場合を例にとり説明す
る。今、インバータ部6の出力端uの母線nから見た電
位が0から正方向に変動したとすると、前述のようにイ
ンバータ部6の浮遊キャパシタ8を通して図6中i41
で示すようにインバータシャーシ7に電流が流出する。
また、キャパシタ24とトランス27の直列回路にも図
6中i42で示すような方向で電流が流れる。ここでキ
ャパシタ24は、直流成分をカットするために設けたも
のである。この時トランス27の2次側には出力端uと
は逆位相の電圧が誘起される。その電圧によりキャパシ
タ30を通して図6中i43で示されるようにインバー
タシャーシ7から電流を引抜くように流れる。i41と
i43の電流値が等しくなるようにトランス27の巻数
比とキャパシタ30の容量値を選べばインバータシャー
シ7への電流はキャンセルされゼロとなる。同様にモー
タ3の浮遊キャパシタ10からモータフレームに図6中
i44で示すように流出する電流も、キャパシタ33か
らの電流i45でキャンセルしゼロとすることができ
る。以上のようにインバータ部6の浮遊キャパシタ8か
らの高周波電流及びモータ3の浮遊キャパシタ10から
の高周波電流をキャンセルし、伝導ノイズの増加を効果
的に抑えることができる。また高周波電流は電流値とし
ては小さいためトランスは非常に小さく、また安価に構
成できる。また、浮遊キャパシタとして、インバータ部
6の浮遊キャパシタ8及びモータ3の浮遊キャパシタ1
0のみ問題にしているが、主回路の配線パターンや、イ
ンバータ装置とモータ間の配線ケーブルに浮遊キャパシ
タが存在する場合でも全く同じ構成でキャパシタの容量
を調整することにより高周波電流をキャンセルし、伝導
ノイズを効果的に抑えることができる。
【0040】実施例5.図7はこの発明の他の実施例を
示すものであり、36,37,38はキャパシタ、39
は多巻線のトランスである。キャパシタ36とトランス
39の1つめの巻線との直列回路はインバータ部6の出
力端子uとインバータ装置2の母線nに接続(母線pに
接続する場合も可能である。)され、キャパシタ37と
トランス39の2つめの巻線との直列回路は出力端子v
と母線nに接続(母線pに接続する場合も可能であ
る。)され、キャパシタ38とトランス39の3つめの
巻線との直列回路は出力端子wと母線nに接続(母線p
に接続する場合も可能である。)されている。またトラ
ンス39の4つめの巻線の一方の端子はインバータ装置
の母線nに接続(母線pに接続する場合も可能であ
る。)され、もう一方の端子は40のキャパシタを通し
てインバータシャーシ7に接続されると同時に、41の
キャパシタを通してモータフレーム9に接続される。
【0041】このような構成で、インバータ部6の浮遊
キャパシタ8及びモータ3の浮遊キャパシタ10からの
高周波電流の流出をキャンセルする動作を、インバータ
部6の出力端uの電位が変動した場合を例にとり説明す
る。今、インバータ部6の出力端uの母線nから見た電
位が0から正方向に変動したとすると、前述のようにイ
ンバータ部6の浮遊キャパシタ8を通して図7中i51
で示すようにインバータシャーシ7に電流が流出する。
また、キャパシタ36とトランス39の1つめの巻線と
の直列回路にも図7中i52で示すような方向で電流が
流れる。ここでキャパシタ36は、直流成分をカットす
るために設けたものである。この時トランス39の4つ
めの巻線には出力端uとは逆位相の電圧が誘起される。
その電圧によりキャパシタ40を通して図7中i53で
示されるようにインバータシャーシ7から電流を引抜く
ように流れる。i51とi53の電流値が等しくなるよ
うにトランス39の巻数比とキャパシタ40の容量値を
選べばインバータシャーシ7への電流はキャンセルされ
ゼロとなる。同様にモータ3の浮遊キャパシタ10から
モータフレームに図7中i54で示すように流出する電
流も、キャパシタ41からの電流i55でキャンセルし
ゼロとすることができる。以上のようにインバータ部6
の浮遊キャパシタ8からの高周波電流及びモータ3の浮
遊キャパシタ10からの高周波電流をキャンセルし、伝
導ノイズの増加を効果的に抑えることができる。また高
周波電流は電流値としては小さいためトランスは非常に
小さく、また安価に構成できる。また、浮遊キャパシタ
として、インバータ部6の浮遊キャパシタ8及びモータ
3の浮遊キャパシタ10のみ問題にしているが、主回路
の配線パターンや、インバータ装置とモータ間の配線ケ
ーブルに浮遊キャパシタが存在する場合でも全く同じ構
成でキャパシタの容量を調整することにより高周波電流
をキャンセルし、伝導ノイズを効果的に抑えることがで
きる。
【0042】実施例6.図8はこの発明のさらに他の実
施例を示すものであり、42,43,44はキャパシ
タ、45はトランスである。キャパシタ42,43,4
4は一方の端子をそれぞれインバータ6の出力端子u,
v,wに接続されもう一方の端子は共通に接続されてお
り、その共通接続された部分と母線n(母線pの場合も
可能である。)との間にトランス45の1次側が接続さ
れている。またトランス45の2次側の巻線の一方の端
子はインバータ装置の母線nに接続(母線pに接続する
場合も可能である。)され、もう一方の端子は46のキ
ャパシタを通してインバータシャーシ7に接続されると
同時に、47のキャパシタを通してモータフレーム9に
接続される。
【0043】このような構成で、インバータ部6の浮遊
キャパシタ8及びモータ3の浮遊キャパシタ10からの
高周波電流の流出をキャンセルする動作を、インバータ
部6の出力端uの電位が変動した場合を例にとり説明す
る。今、インバータ部6の出力端uの母線nから見た電
位が0から正方向に変動したとすると、前述のようにイ
ンバータ部6の浮遊キャパシタ8を通して図8中i61
で示すようにインバータシャーシ7に電流が流出する。
また、キャパシタ42とトランス45の1次側巻線との
直列回路にも図8中i62で示すような方向で電流が流
れる。ここでキャパシタ42は、直流成分をカットする
ために設けたものである。この時トランス45の2次側
巻線には出力端uとは逆位相の電圧が誘起される。その
電圧によりキャパシタ46を通して図8中i63で示さ
れるようにインバータシャーシ7から電流を引抜くよう
に流れる。i61とi63の電流値が等しくなるように
トランス45の巻数比とキャパシタンス46の容量値を
選べばインバータシャーシ7への電流はキャンセルされ
ゼロとなる。同様にモータ3の浮遊キャパシタ10から
モータフレームに図8中i64で示すように流出する電
流も、キャパシタ47からの電流i65でキャンセルし
ゼロとすることができる。以上のようにインバータ部6
の浮遊キャパシタ8からの高周波電流及びモータ3の浮
遊キャパシタ10からの高周波電流をキャンセルし、伝
導ノイズの増加を効果的に抑えることができる。また高
周波電流は電流値としては小さいためトランスは非常に
小さく、また安価に構成できる。また、浮遊キャパシタ
として、インバータ部6の浮遊キャパシタ8及びモータ
3の浮遊キャパシタ10のみ問題にしているが、主回路
の配線パターンや、インバータ装置とモータ間の配線ケ
ーブルに浮遊キャパシタが存在する場合でも全く同じ構
成でキャパシタの容量を調整することにより高周波電流
をキャンセルし、伝導ノイズを効果的に抑えることがで
きる。
【0044】なお、上述の実施例では、受動的な高周波
電圧発生手段として変圧器を用いたものについて説明し
たが、変圧器の代わりに圧電振動子の輪郭振動や厚み振
動を利用することもできる。例えば、厚み振動素板に複
数の電極対を形成し、一つの電極対を変圧器の一次巻線
と同様に扱い、他の電極対を変圧器の2次巻線と同様に
扱うことにより、インバータ部6の浮遊キャパシタ8及
びモータ3の浮遊キャパシタ10からの高周波電流の流
出をキャンセルするように動作させることができる。
【0045】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に記載される様な効果を奏する。
【0046】インバータ部から浮遊容量を介して大地へ
流れる高周波電流を打ち消す向きの高周波電流を生成す
る高周波電圧発生手段と、この高周波電圧発生手段とイ
ンバータ装置の筺体との間に設けられた第1のコンデン
サと、高周波電圧発生手段とモータの外被との間に設け
られた第2のコンデンサとを備えたので、インバータ装
置の筺体やモータの外被から浮遊容量を介して大地アー
スに流出する高周波電流を打ち消すことになり、小形で
安価な構成により、伝導ノイズを効果的に抑制させる効
果がある。
【0047】
【0048】
【0049】また、高周波電圧発生手段は、インバータ
部の交流出力端子のコモンモード電位とコンバータ部の
正又は負側出力電位との差を入力し、このコモンモード
電位の変動と逆位相で変動する電位変動を出力する電位
変動発生装置であり、この電位変動発生装置の出力側を
第1のコンデンサを介してインバータ装置の筐体に接続
すると共に第2のコンデンサを介してモータの外被に接
続したので、インバータ装置の筐体やモータの外被から
浮遊容量を介して大地アースに流出する高周波電流を、
インバータ部の交流出力端子のコモンモード電位の変動
に合せて打ち消すことになり、小形で安価な構成によ
り、伝導ノイズをコモンモード電位の変動に合せて効果
的に抑制させる効果がある。
【0050】また、高周波電圧発生手段は、コンバータ
部からの直流電圧をインバータ部のスイッチングパター
ンと逆位相でスイッチングして任意の周波数と電圧の交
流を得る第2のインバータ部であり、この第2のインバ
ータ部の交流出力端子を第1のコンデンサを介してイン
バータ装置の筐体に接続すると共に第2のコンデンサを
介してモータの外被に接続したしたので、インバータ装
置の筐体やモータの外被から浮遊容量を介して大地アー
スに流出する高周波電流を、インバータ部のスイッチン
グパターンに合せて打ち消すことになり、小形で安価な
構成により、伝導ノイズをインバータ部のスイッチング
パターンに合せて効果的に抑制させる効果がある。
【0051】また、高周波電圧発生手段は、コンバータ
部からの直流電圧をインバータ部のスイッチングパター
ンと逆位相でスイッチングして任意の周波数と電圧の交
流を得る第2のインバータ部であり、この第2のインバ
ータ部をインバータ部と同一の浮遊容量を生じる位置に
設け、第2のインバータ部の交流出力端子を第2のコン
デンサを介してモータの外被に接続したので、インバー
タ装置の筐体やモータの外被から浮遊容量を介して大地
アースに流出する高周波電流を、インバータ部のスイッ
チングパターンに合わせ、かつインバータ部の浮遊容量
をも利用して打ち消すことになり、小形で安価な構成に
より、伝導ノイズをインバータ部のスイッチングパター
ンに合わせ、かつインバータ部の浮遊容量をも利用して
効果的に抑制させる効果がある。
【0052】また、高周波電圧発生手段は、1次巻線と
2次巻線とを有しこれらの一方の巻線の巻始め端と他方
の巻線の巻終り端と共通に接続した変圧器であり、こ
の変圧器の1次巻線と2次巻線の共通接続端をコンバー
タ部の正又は負側出力端に接続し、変圧器の1次巻線の
2次巻線との共通接続端でない他端をコンデンサを介し
てインバータ部の交流出力端子に接続し、変圧器の2次
巻線の1次巻線との共通接続端でない他端を第1のコン
デンサを介してインバータ装置の筐体に接続すると共に
第2のコンデンサを介してモータの外被に接続したの
で、インバータ装置の筐体やモータの外被から浮遊容量
を介して大地アースに流出する高周波電流を、インバー
タ部の交流出力端子から変圧器の1次巻線を介してコン
バータ部の正又は負側出力端に流れる高周波電流によっ
て発生する2次巻線起電力を利用して打ち消すことにな
り、小形で安価な構成により、伝導ノイズを1次巻線に
流れる高周波電流に合わせして効果的に抑制させる効果
がある。
【0053】また、変圧器は、インバータ部の多相交流
出力の各相毎に独立して設け、これら各変圧器の1次巻
線と2次巻線の共通接続端をコンバータ部の正又は負側
出力端に共に接続し、各変圧器の1次巻線の2次巻線と
の共通接続端でない他端をコンデンサを介してインバー
タ部の対応する各相出力端子に接続し、各変圧器の2次
巻線の1次巻線との共通接続端でない他端を各々第1の
コンデンサを介してインバータ装置の筺体に接続すると
共に各々第2のコンデンサを介してモータの外被に接続
したので、インバータ装置の筺体やモータの外被から浮
遊容量を介して大地アースに流出する高周波電流を、イ
ンバータ部の各相の交流出力端子から各相に対応する変
圧器の1次巻線を介してコンバータ部の正又は負側出力
端に流れる高周波電流によってそれぞれ発生する2次側
起電力を利用して打ち消すことになり、小形で安価な構
成により、伝導ノイズを各相1次巻線に流れる高周波電
流に合わせて、各相独立に効果的に抑制させる効果があ
る。
【0054】更に、変圧器は、インバータ部の多相交流
出力の相数に等しい数の1次巻線と1つの2次巻線を有
し、この変圧器の1次巻線の2次巻線との共通接続端で
ない各他端を各々コンデンサを介してインバータ部の対
応する各相出力端子に接続したので、インバータ装置の
筺体やモータの外被から浮遊容量を介して大地アースに
流出する高周波電流を、インバータ部の各相の交流出力
端子から変圧器の各相に対応した各々の1次巻線を介し
てコンバータ部の正又は負側出力端に流れる高周波電流
によって発生する合成の2次側起電力を利用して打ち消
すことになり、小形で安価な構成により、伝導ノイズを
各相対応の1次巻線に流れる高周波電流を電磁的に合成
したものに合わせて効果的に抑制させる効果がある。
【0055】そして、変圧器は、1次巻線と2次巻線を
各々1つ有し、この変圧器の1次巻線の2次巻線との共
通接続端でない他端を各々コンデンサを介してインバー
タ部の各相出力端子に接続したので、インバータ装置の
筺体やモータの外被から浮遊容量を介して大地アースに
流出する高周波電流を、インバータ部の各相の交流出力
端子から変圧器の1次巻線を介してコンバータ部の正又
は負側出力端に流れる合成の高周波電流によって発生す
る2次側起電力を利用して打ち消すことになり、小形で
安価な構成により、伝導ノイズを1次巻線に流れる各相
合成の高周波電流に合わせて効果的に抑制させる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1によるインバータを用い
たモータ駆動装置を示す構成図である。
【図2】 この発明の実施例1の動作を説明する電位波
形図である。
【図3】 この発明の実施例1による電位変動発生装置
を示す構成図である。
【図4】 この発明の実施例2によるインバータを用い
たモータ駆動装置を示す構成図である。
【図5】 この発明の実施例3によるインバータを用い
たモータ駆動装置を示す構成図である。
【図6】 この発明の実施例4によるインバータを用い
たモータ駆動装置を示す構成図である。
【図7】 この発明の実施例5によるインバータを用い
たモータ駆動装置を示す構成図である。
【図8】 この発明の実施例6によるインバータを用い
たモータ駆動装置を示す構成図である。
【図9】 従来のインバータを用いたモータ駆動装置を
示す構成図である。
【図10】 従来のインバータを用いたモータ駆動装置
の1つの伝導ノイズ低減方法を示す構成図である。
【図11】 従来のインバータを用いたモータ駆動装置
の他の伝導ノイズ低減方法を示す構成図である。
【符号の説明】
1 交流電源、2 インバータ装置、3 モータ、4
整流回路、6 インバータ部、7 インバータシャー
シ、8,10 浮遊キャパシタ、9 モータフレーム、
11 大地アース、12 電位変動発生装置、13,1
4,16〜21,24〜26,30〜38,40〜4
4,46,47 キャパシタ、15,22第2のインバ
ータ部、23 浮遊キャパシタ、27〜29,45 ト
ランス、39 多巻線のトランス。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 5/408 - 5/412 H02P 7/628 - 7/632 H02P 21/00 H02M 7/42 - 7/98

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】交流電源を整流して直流電圧を得るコンバ
    ータ部とこのコンバータ部からの直流電圧をスイッチン
    グして任意の周波数と電圧の交流を得るインバータ部と
    を備え筐体の接地されたインバータ装置と、このインバ
    ータ装置により駆動され外被が接地されたモータと、を
    備えたインバータを用いたモータ駆動装置において、前
    記インバータ部から浮遊容量を介して大地へ流れる高周
    波電流を打ち消す向きの高周波電流を生成する高周波電
    圧発生手段と、この高周波電圧発生手段と前記インバー
    タ装置の筐体との間に設けられた第1のコンデンサと、
    前記高周波電圧発生手段と前記モータの外被との間に設
    けられた第2のコンデンサと、を備えたしたことを特徴
    とするインバータを用いたモータ駆動装置。
  2. 【請求項2】高周波電圧発生手段は、インバータ部の交
    流出力端子のコモンモード電位とコンバータ部の正又は
    負側出力電位との差を入力し、このコモンモード電位の
    変動と逆位相で変動する電位変動を出力する電位変動発
    生装置であり、この電位変動発生装置の出力側を第1の
    コンデンサを介してインバータ装置の筐体に接続すると
    共に第2のコンデンサを介してモータの外被に接続した
    ことを特徴とする請求項記載のインバータを用いたモ
    ータ駆動装置。
  3. 【請求項3】高周波電圧発生手段は、コンバータ部から
    の直流電圧をインバータ部のスイッチングパターンと逆
    位相でスイッチングして任意の周波数と電圧の交流を得
    る第2のインバータ部であり、この第2のインバータ部
    の交流出力端子を第1のコンデンサを介してインバータ
    装置の筐体に接続すると共に第2のコンデンサを介して
    モータの外被に接続したことを特徴とする請求項記載
    のインバータを用いたモータ駆動装置。
  4. 【請求項4】高周波電圧発生手段は、コンバータ部から
    の直流電圧をインバータ部のスイッチングパターンと逆
    位相でスイッチングして任意の周波数と電圧の交流を得
    る第2のインバータ部であり、この第2のインバータ部
    を前記インバータ部と同一の浮遊容量を生じる位置に設
    け、前記第2のインバータ部の交流出力端子を第2のコ
    ンデンサを介してモータの外被に接続したことを特徴と
    する請求項記載のインバータを用いたモータ駆動装
    置。
  5. 【請求項5】高周波電圧発生手段は、1次巻線と2次巻
    線とを有しこれらの一方の巻線の巻始め端と他方の巻線
    の巻終り端とを共通に接続した変圧器であり、この変圧
    器の1次巻線と2次巻線の共通接続端をコンバータ部の
    正又は負側出力端に接続し、前記変圧器の1次巻線の2
    次巻線との共通接続端でない他端をコンデンサを介して
    インバータ部の交流出力端子に接続し、前記変圧器の2
    次巻線の1次巻線との共通接続端でない他端を第1のコ
    ンデンサを介してインバータ装置の筐体に接続すると共
    に第2のコンデンサを介してモータの外被に接続したこ
    とを特徴とする請求項記載のインバータを用いたモー
    タ駆動装置。
  6. 【請求項6】変圧器は、インバータ部の多相交流出力の
    各相毎に独立して設け、これら各変圧器の1次巻線と2
    次巻線の共通接続端をコンバータ部の正又は負側出力端
    に接続し、前記各変圧器の1次巻線の2次巻線との共通
    接続端でない他端をコンデンサを介してインバータ部の
    対応する各相出力端子に接続し、前記各変圧器の2次巻
    線の1次巻線との共通接続端でない他端を各々第1のコ
    ンデンサを介してインバータ装置の筐体に接続すると共
    に各々第2のコンデンサを介してモータの外被に接続し
    たことを特徴とする請求項記載のインバータを用いた
    モータ駆動装置。
  7. 【請求項7】変圧器は、インバータ部の多相交流出力の
    相数に等しい数の1次巻線と1つの2次巻線を有し、こ
    の変圧器の1次巻線の2次巻線との共通接続端でない各
    他端を各々コンデンサを介してインバータ部の対応する
    各相出力端子に接続したことを特徴とする請求項記載
    のインバータを用いたモータ駆動装置。
  8. 【請求項8】変圧器は、1次巻線と2次巻線を各々1つ
    有し、この変圧器の1次巻線の2次巻線との共通接続端
    でない各他端を各々コンデンサを介してインバータ部の
    各相出力端子に接続したことを特徴とする請求項記載
    のインバータを用いたモータ駆動装置。
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