JP2008214118A - 半導体単結晶の製造方法 - Google Patents

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清隆 高野
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泰志 中村
Koji Mizuishi
孝司 水石
Kouzo Yokota
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Abstract

【課題】 MCZ法(磁界下引上げ法)によって半導体単結晶の製造を行う方法において、引き上げた半導体単結晶の結晶成長軸方向の酸素濃度をより高精度で所望の値とすることができる半導体単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】 半導体単結晶の引上炉内においてルツボに収容した原料融液に、磁場印加装置により磁場を印加しながら半導体単結晶の引上げを行うMCZ法(磁界下引上げ法)により半導体単結晶を製造する方法において、予め、前記磁場印加装置による磁場の中心の前記原料融液の液面に対する相対位置である磁場中心相対位置と、引上げられた半導体単結晶中の酸素濃度との関係を求めておき、該磁場中心相対位置と酸素濃度との関係に基づいて、引上げられる半導体単結晶の軸方向の酸素濃度が所望値となるように前記磁場中心相対位置を制御しながら前記半導体単結晶の引上げを行う半導体単結晶の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、シリコン単結晶等の半導体単結晶の製造方法に関し、詳しくは、ルツボ内の原料融液に磁場印加装置により磁場を印加しつつ、前記融液から半導体単結晶を引き上げる磁場印加CZ法(磁界下引上げ法、magnetic field applied CZ法:以下MCZ法と呼ぶ)に関する。
MCZ法が、通常の引上げ法(CZ法、Czochralski法)に比べて種々の点で優れていることはよく知られている。このMCZ法の実施に使用する装置は、通常のCZ法の装置を改良したもので、ルツボ加熱用のヒーターの外側に、磁場印加用の磁場印加装置(マグネット、電磁石)を配備したものである。磁場印加方式としてよく用いられるものには、水平磁場方式とカスプ磁場方式との主に2種類がある。水平磁場方式は、ルツボ内のシリコン融液に対し水平な向きに磁場を印加するもので、巻き線方向が同一の1対のコイルを、軸線が水平となるように横置きして、ルツボを挟んで同軸的に対向配置する。他方、カスプ磁場方式は、シリコン融液に対しルツボ軸線を中心として放射状に磁場を印加するもので、放射状の磁場は、ルツボ内の融液を軸線方向に挟んで上下に同軸的に配置した、巻き線方向の異なる1対のコイルの同極反発磁場を利用して発生させる。
例えば、石英ルツボ内のシリコン融液からシリコン単結晶を引き上げる場合、上記のようなMCZ法によれば融液の熱対流が抑制され、融液液面近傍温度(引上げ単結晶の固液界面温度)の経時変動が低減されるので、転位や欠陥の発生が抑制され、均一かつ低酸素濃度のシリコン単結晶が容易に得られる利点がある。また、転位や欠陥の発生が抑制される結果、大口径の単結晶でも製造が容易である。さらに、対流が抑制される結果、ルツボ壁の劣化が生じにくいといった利点も生ずる。
ところで、従来のMCZ装置では、コイルの中心軸をルツボ内の融液面と一致させることにより、融液液面近傍の対流を抑制し、かつ該融液液面近傍より下部に熱対流を形成するようにした方式が多く用いられていた(例えば特許文献1)。この装置では、引上げ中の単結晶と融液との境界層への熱伝達が高められ、ルツボ周囲と境界層との温度差を減少させることができ、かつ融液液面近傍より下方部分で十分に攪拌された融液が境界層に供給されるために、通常のCZ法に用いる装置に比べて均一な特性の単結晶が得られるのに加えて、熱応力によるルツボのクラックも防止できる利点があるとされている。また、融液量の減少に伴い、液面が低下すると磁場中心位置が融液面よりも上方にずれてしまい、効果が不十分となるので、例えば特許文献2には、融液面の低下に追従して磁場印加装置を下降させる技術も提案されている。
しかし、最近の単結晶の大直径化に伴い、使用する石英ルツボの口径が大きくなると、ルツボ内融液へのルツボ表面部の溶解量が増大して融液中の酸素濃度が高まるため、小型のルツボで得られた小直径の単結晶に比べて、大直径単結晶では酸素濃度が高くなりやすい新たな課題が浮上してきた。そこで、この課題の解決のため、ルツボ内融液の対流抑制効果を一層高めるべく、磁場印加装置のコイル中心軸がルツボ内融液における最適位置(例えば深さ方向の中心部あるいはこれより下方)を通るように、これら磁場印加装置とルツボとの上下方向の相対位置を設定する方式が、特許文献3に開示されている。
ところで、特許文献2では、融液減少による液面低下に合わせて磁場印加装置を移動させるようにしているが、CZ法では、液面が変動する方式を採用すると、育成中の結晶直径を一定に保つのが困難となる問題がある。従って、現在、CZ法を用いたほとんどのシリコン単結晶育成ラインでは、融液減少に合わせてルツボを押し上げ、融液面を常に一定位置に保持することが一般化している。
他方、特許文献3に記載の方法を、ルツボの押し上げにより融液面を一定に保つ技術と組み合わせて用いようとした場合、シリコン単結晶の引き上げに伴いルツボ内の融液が減少したり、あるいは原料仕込み量の変更によりはじめからルツボ内に存在する融液量が変化したりすると、磁場印加装置の発生する磁場の中心位置が、融液深さ方向における最適位置からずれてしまい、ルツボ内融液の対流抑制効果が必ずしも十分に達成できなくなってしまう場合がある。
また、特許文献4には、シリコン単結晶の引き上げ量増加に合わせて、原料融液の液面がほぼ一定となるようにルツボを上昇させるとともに、磁場印加装置をルツボに追従上昇させる半導体単結晶の製造方法が開示されている。
しかしながら、このような方法によっても、引き上げられたシリコン単結晶中の軸方向の酸素濃度の調節を高い精度で行うことは難しかった。
米国特許4,565,671号明細書 特開昭60−27682号公報 特開平8−333191号公報 国際公開第WO02/10485号パンフレット
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、MCZ法によって半導体単結晶の製造を行う方法において、引き上げた半導体単結晶の結晶成長軸方向の酸素濃度をより高精度で所望の値とすることができる半導体単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、半導体単結晶の引上炉内においてルツボに収容した原料融液に、磁場印加装置により磁場を印加しながら半導体単結晶の引上げを行うMCZ法(磁界下引上げ法)により半導体単結晶を製造する方法において、予め、前記磁場印加装置による磁場の中心の前記原料融液の液面に対する相対位置である磁場中心相対位置と、引上げられた半導体単結晶中の酸素濃度との関係を求めておき、該磁場中心相対位置と酸素濃度との関係に基づいて、引上げられる半導体単結晶の軸方向の酸素濃度が所望値となるように前記磁場中心相対位置を制御しながら前記半導体単結晶の引上げを行うことを特徴とする半導体単結晶の製造方法を提供する(請求項1)。
磁場中心相対位置と、引上げられた半導体単結晶中の酸素濃度との間には相関関係がある。従って、上記のように、予め、磁場中心相対位置と、引上げられた半導体単結晶中の酸素濃度との関係を求めておき、該磁場中心相対位置と酸素濃度との関係に基づいて、引上げられる半導体単結晶の軸方向の酸素濃度が所望値となるように磁場中心相対位置を制御しながら半導体単結晶の引上げを行う半導体単結晶の製造方法であれば、半導体単結晶の結晶成長軸方向の酸素濃度をより高精度で所望の値とすることができる。
この場合、前記ルツボの回転数を一定にして前記半導体単結晶の引上げを行うことが好ましい(請求項2)。
このように、本発明の半導体単結晶の製造方法において、ルツボの回転数を一定にして半導体単結晶の引上げを行えば、磁場中心相対位置だけで酸素濃度を制御するので、局所的な酸素濃度の変動がなくなる。従って、半導体単結晶の結晶成長軸方向の酸素濃度をより調節しやすくでき、その結果、より高精度で所望の値とすることができる。
また、前記磁場中心相対位置を下降させながら前記半導体単結晶の引上げを行うことができる(請求項3)。
このように、磁場中心相対位置を下降させながら半導体単結晶の引上げを行えば、原料融液の減少に伴って酸素濃度が低下する場合でも、酸素濃度を一定に調節することができる。
また、前記原料融液の液面位置が一定になるように前記ルツボを上昇させながら前記半導体単結晶の引上げを行うことが好ましい(請求項4)。
このように、原料融液の液面位置が一定になるようにルツボを上昇させながら半導体単結晶の引上げを行えば、結晶直径を制御しやすくできるとともに、半導体単結晶の結晶成長軸方向の酸素濃度をより調節しやすくでき、その結果、より高精度で所望の値とすることができる。
また、少なくとも、前記磁場印加装置を昇降させる磁場印加装置昇降機構を備え、該磁場印加装置昇降機構の駆動モータの回転数を、前記半導体単結晶を引上げる際の低速モードと、前記磁場印加装置を該低速モードにおける昇降速度よりも高速にて昇降させる高速モードとの間で切り替える変速機構を備えた半導体単結晶の製造装置を用いて前記半導体単結晶の引上げを行うことができる(請求項5)。
このような変速機構を備えた半導体単結晶の製造装置を用いて半導体単結晶の引上げを行えば、引上炉解体等のメンテナンス時には磁場印加装置を高速で昇降させ短時間で移動させることができ、半導体単結晶引上げ時には低速で昇降させ磁場中心位置を所望の位置に高精度に制御することができる。
また、前記磁場印加装置を、水平磁場方式とすることが好ましい(請求項6)。
このように、磁場印加装置を水平磁場方式とすれば、効果的に原料融液の熱対流を抑制することができる。
本発明に係る半導体単結晶の製造方法によれば、結晶成長軸方向の酸素濃度をより高精度で所望の値とした半導体単結晶を得ることができる。特に、結晶成長軸方向の酸素濃度を高精度に略一定とすることができる。
以下、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
前述のように、従来のMCZ法では、引き上げられたシリコン単結晶中の軸方向の酸素濃度の調節は、主としてルツボ回転の変更制御により行い、局所的に酸素濃度のピークが発生する等して、高い精度で行うことは難しかった。
本発明者らは、より高精度に半導体単結晶の結晶成長軸方向の酸素濃度を調節する方法を得るべく、鋭意実験及び検討を行った。その結果、磁場印加装置による磁場の中心の前記原料融液の液面に対する相対位置(磁場中心相対位置)と、引上げられた半導体単結晶中の酸素濃度との間に相関関係があることを見出した。そして、このような知見に基づき、予め磁場中心相対位置と、引上げられた半導体単結晶中の酸素濃度との関係を求めておき、該磁場中心相対位置と酸素濃度との関係に基づいて、引上げられる半導体単結晶の軸方向の酸素濃度が所望値となるように磁場中心相対位置を制御しながら半導体単結晶の引上げを行うことにより、より高精度に半導体単結晶中の結晶成長軸方向の酸素濃度を調節できることに想到し、本発明を完成させた。
以下、本発明に係る半導体単結晶の製造方法について、シリコン単結晶を製造する場合を例として図面を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の半導体単結晶を製造する場合でも本発明を適用することができる。
図4に本発明を適用できるMCZ法による半導体単結晶の製造装置の一例として、シリコン単結晶の製造装置(以下、単に単結晶製造装置ともいう)を示した。
該単結晶製造装置100は、引上炉16とその外側に磁場印加装置(マグネット、電磁石)17を備えている。磁場印加装置によって印加される磁場の種類は、水平磁場方式であれば、効果的に原料融液の熱対流を抑制することができるので好ましいが、これに限定されず、カスプ磁場方式であってもよい。引上炉16の内部には、多結晶シリコンを溶かした原料融液12を保持するための内側が石英製で外側が黒鉛からなるルツボ11と、ルツボ11内のシリコンを加熱溶融するためのヒーター15を有する。なお、引上げ法に通常使用されるものであればルツボ11の形状は問わない。また、ヒーター15からの輻射熱が引上炉16の内壁に直接当たらないように保護するための断熱材等を有していてもよい。原料融液12を満たしたルツボ11はルツボ軸13により下方で支えられており、ルツボ軸13の下端にはシリコン単結晶21の引上げに合わせてルツボを所望の値に回転できるようにルツボ駆動装置(不図示)が取り付けられている。また、ルツボ駆動装置によりルツボを上下動可能にするものでもよい。
また、単結晶製造装置100の引上炉16上部には、ワイヤ式のCZ法単結晶製造装置であれば、原料融液12からシリコン単結晶21を育成しながら引上げるためのワイヤ19を巻き取る引上げ駆動機構20が設けられ、ワイヤ19の先端に取り付けられた種結晶18を単結晶育成時の各工程に応じて上下動および回転動できるような機構とされている。
そして、磁場印加装置17を昇降させるために、磁場印加装置支持台31a及びボールスクリュージャッキ31b等からなる磁場印加装置昇降機構31を備えている。
その他、MCZ装置に通常具備される公知の構成要素を具備することができ、例えば、製造装置の引上炉内を清浄に保つことや、育成する単結晶中の炭素等の不純物濃度を所望の値に調整することを目的とし、引上炉16の上部には炉内に不活性ガスを導入するためのガス導入管(不図示)が取り付けられており、他方、炉下方にはガス導入管から引上炉16内に流入したアルゴン等の不活性ガスを引上炉16外へ排出するための排ガス管(不図示)が取り付けられている。
そして、このような単結晶製造装置100を用いて、本発明では、予め、実験等により、磁場印加装置17による磁場の中心Mの原料融液12の液面12aに対する相対位置である磁場中心相対位置と、引上げられた半導体単結晶中の酸素濃度との関係を求めておく。次に、このようにして求めた磁場中心相対位置と半導体単結晶中の酸素濃度との関係に基づいて、引上げられる半導体単結晶の軸方向の酸素濃度が所望値となるように磁場中心相対位置を制御しながら半導体単結晶の引上げを行う。
こうして得られたシリコン単結晶の軸方向の酸素濃度が所望値に対してずれが生じた場合は磁場中心相対位置および/またはルツボ回転速度を変更することによって所望値となるように軸方向の酸素濃度の微調整を行う。
なお、本明細書において「磁場印加装置による磁場の中心」(磁場中心位置)とは、水平磁場方式においては対向配置された電磁石コイルの中心を結んだ線の中央の位置をいう。
以下、本発明者らが原料融液液面と磁場中心との距離と、半導体単結晶の平均酸素濃度との関係を見出すべく行った実験について説明する。
(実験)
図4に示したような単結晶製造装置100を用い、直径800mmのルツボ11に、多結晶シリコンを340kgチャージし、直径300mmのシリコン単結晶を引上げた。
なお、磁場印加装置17は、引上炉16の周囲に一対のコイルを対向配置した水平磁場方式とし、中心磁場強度0.5Tのものを用いた。磁場の中心Mの位置は原料融液液面12aより低くし、1本のシリコン単結晶引上げ中は原料融液液面12aと磁場の中心Mとの距離を一定にした。また、ルツボ11の回転速度は一定(0.3rpm)とした。
さらに、原料融液液面12aと磁場の中心Mとの設定距離を変え、シリコン単結晶の引上げを行った。
このようにして引上げた半導体単結晶について、原料融液液面12aと磁場の中心Mとの距離と、半導体単結晶の平均酸素濃度との関係を示したグラフを図1に示した。なお、平均酸素濃度とは、引上げた半導体単結晶直胴部の、コーンからの距離が20〜110cmの部分の平均値である。また、酸素濃度はJEIDA(日本電子工業振興協会)による換算係数を用いて算出した値である。
図1より、原料融液液面に対して磁場中心位置が近い(磁場中心相対位置が小さい)方が、平均酸素濃度は低下する傾向があることがわかる。
このような知見に基づき、本発明者らは本発明を完成させたのである。
すなわち、上記のように、予め、実験等により、磁場中心相対位置と、引上げられた半導体単結晶中の酸素濃度との関係を求めておき、次に、磁場中心相対位置と半導体単結晶中の酸素濃度との関係に基づいて、引上げられる半導体単結晶の軸方向の酸素濃度が所望値となるように磁場中心相対位置を制御しながら半導体単結晶の引上げを行えば、より高精度に半導体単結晶中の結晶成長軸方向の酸素濃度を制御できる。
なお、通常、引上げ法では、単結晶引上げに伴う原料融液の液面のルツボに対する下降に際し、原料融液の液面の高さを一定にするべく、ルツボを上昇させる。本発明においても、このようにすることが望ましく、これにより、成長結晶の直径制御が容易になるとともに、半導体単結晶の結晶成長軸方向の酸素濃度をより調節しやすくできる。また、このルツボの上昇は、連続的であっても所定の幅によって段階的に上昇させるものでもよい。但し、本発明はこれに限定されず、例えば、ルツボを上昇させずに液面降下分も加味して磁場印加装置を下降させることによって磁場中心相対位置を制御することも可能である。
なお、本発明では、制御する対象は磁場中心相対位置、すなわち、磁場印加装置17による磁場の中心Mの原料融液の液面12aに対する相対位置であるので、磁場印加装置17の絶対位置は上昇させる場合も下降させる場合もあり得る。
また、通常、シリコン単結晶の引上げ法では、シリコン単結晶引上げに伴う原料融液の液面のルツボに対する下降により、原料融液とルツボとの接触面積が小さくなり、シリコン単結晶中に取り込まれる酸素の量が減少し、その結果、引き上げられたシリコン単結晶では、結晶の尾部に向けて酸素濃度が減少する。
そのため、従来、ルツボの回転速度を徐々に上昇させることによって、シリコン単結晶中に取り込まれる酸素濃度を軸方向で一定となるように調節する方法がある。しかし、このようなルツボ回転速度による酸素濃度の調節は調節が難しく、例えば、シリコン単結晶の軸方向に、局所的な酸素濃度の変動が現れてしまうことがある。
本発明においては、磁場中心相対位置により半導体単結晶中の酸素濃度を調節することができるため、ルツボの回転速度により、半導体単結晶中の酸素濃度を調節する必要は必ずしもなく、ルツボの回転速度は一定にすることが望ましい。
また、このように、一般にシリコン単結晶の引上げ法では、シリコン単結晶引上げに伴ってシリコン単結晶中に取り込まれる酸素の量が減少する。そのため、特に、引上げられた半導体単結晶中の酸素濃度を結晶成長軸方向に一定としたい場合には、磁場中心相対位置を下降させながら(すなわち、結晶成長による原料融液液面降下分より大きく磁場印加装置を下降させる。)半導体単結晶の引上げを行うことができる。これにより、原料融液液面における磁場強度を、原料融液量の減少に伴い小さくすることができるので、半導体単結晶の酸素濃度を結晶軸方向に一定にすることができる。
一方、磁場中心相対位置の下降だけでは軸方向の酸素濃度を一定にすることが難しい場合は、さらに、ルツボ回転速度を変動させて微調整を行うことにより、確実に所望の酸素濃度に調節することができる。
また、本発明に用いる半導体単結晶の製造装置においては、磁場印加装置を昇降させる磁場印加装置昇降機構を備え、該磁場印加装置昇降機構の駆動モータの回転数を、半導体単結晶を引上げる際の低速モードと、メンテナンス等のために磁場印加装置を該低速モードにおける昇降速度よりも高速にて昇降させる高速モードとの間で切り替える変速機構を備えた半導体単結晶の製造装置を用いることができる。
この磁場印加装置昇降機構31の一例を図5(a)に模式的に示した。
磁場印加装置17は4箇所の磁場印加装置支持台31aで支持されており、磁場印加装置支持台31aはボールスクリュージャッキ31bにてそれぞれ移動する。4箇所のボールスクリュージャッキ31bは連結シャフト48とマイタギヤ47a、47bで同期駆動するため磁場印加装置17は水平のまま上下移動することができる。
駆動部では、駆動モータ41からタイミングギヤ44及びタイミングベルト45等によってマイタギヤ47aに伝達駆動されるが、その間に、駆動モータ41の回転数を、低速モードと、高速モードとの間で切り替える変速機構42を備える。
変速機構42は、例えば、図5(a)に示したように、減速機43とダブルクラッチ46を組み合わせることにより2段変速が可能となる。図5(b)に高速モード時の駆動伝達経路を、図5(c)に低速モード時の駆動伝達経路を示した。高速モード時は、ダブルクラッチ46の高速側クラッチが入り駆動モータ41からマイタギヤ47aに直接伝達する。低速モード時は、ダブルクラッチ46の低速側クラッチが入り駆動モータ41から減速機43を通じマイタギヤ47aに伝達する。減速機43の減速比等を調節することにより、高速モード時、低速モード時の昇降速度を調節することができる。例えば、低速モードの昇降速度は0.01mm/min以上1mm/min以下、高速モードの昇降速度は5mm/min以上500mm/min以下とすることができる。
その他、電磁ブレーキを連結シャフト48に取り付けることにより、駆動部停止時に磁場印加装置が自重により落下することを防止することもできる。
このように、磁場印加装置昇降機構31に変速機構42を組み込むことにより、2段変速機能が可能となり、同じ駆動部にて高速領域と低速領域を簡単に切り替え、使い分けることができる。
これにより、チャンバー解体等のメンテナンス時には磁場印加装置を高速モードで短時間で移動させることができ、半導体単結晶引上げ時には低速モードで磁場中心位置を所望の位置に高精度に制御することができる。
以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例)
図4に示したような、MCZ法による半導体単結晶の製造装置を用いて、本発明の半導体単結晶の製造方法に従って、以下のようにシリコン単結晶を引上げた。
直径800mmのルツボ11に、多結晶シリコンを340kgチャージし、直径300mmのシリコン単結晶を引上げた。
なお、磁場印加装置17は、引上炉16の周囲に一対のコイルを対向配置した水平磁場方式とし、中心磁場強度0.5Tのものを用いた。磁場の中心Mは原料融液液面12aより低くし、シリコン単結晶引上げ中は、原料融液液面12aと磁場の中心Mとの距離を徐々に大きくした。また、ルツボ11の回転速度は一定(0.3rpm)とし、原料融液液面12aの高さが常に一定になるようにルツボ11を上昇させながらシリコン単結晶引上げを行った。
また、予め実験により求めた磁場中心相対位置と、引上げられたシリコン単結晶中の酸素濃度との関係に基づき、酸素濃度が直胴方向全ての領域で12±1ppma(JEIDA)となるように狙って磁場印加装置17を移動させて磁場中心相対位置を制御しながら引き上げを行った。なお、磁場印加装置17の移動は、パターン入力による位置制御方式とした。
この磁場中心相対位置と引上げたシリコン単結晶中の直胴方向位置との関係及び引上げたシリコン単結晶中の直胴方向位置と、その直胴方向位置における酸素濃度の関係のグラフを図2に示した。
なお、右側の縦軸における磁場中心相対位置の−(マイナス)記号は、磁場中心位置Mが原料融液液面12aより低い位置にあることを示す。
図2より、本発明の半導体単結晶の製造方法に従えば、ルツボ回転を一定としているにもかかわらず、半導体単結晶の結晶成長軸方向の酸素濃度をより高精度で所望の値とすることができることがわかる。
(比較例)
図4に示したような、MCZ法による半導体単結晶の製造装置を用いて、直径800mmのルツボ11に、多結晶シリコンを340kgチャージし、直径300mmのシリコン単結晶を2回引上げた。
ただし、磁場印加装置17の磁場強度、磁場中心相対位置を一定とし、ルツボ回転速度によりシリコン単結晶中の酸素濃度を調節するものとした。磁場印加装置は、磁場の中心Mが常に原料融液液面12aから160mm下になるように配置し、中心磁場強度は0.4Tとした。また、原料融液液面12aの高さが常に一定になるようにルツボ11を上昇させながらシリコン単結晶引上げを行った。
ルツボ回転速度と引上げたシリコン単結晶中の直胴方向位置との関係及び引上げたシリコン単結晶中の直胴方向位置と、その直胴方向位置における酸素濃度の関係のグラフを図3に示した。
図3より、シリコン単結晶のコーン側では酸素濃度が高めになり、また、局所的な酸素濃度の変動(はね上げ)が現れていることがわかる。このように、ルツボの回転速度によって半導体単結晶の酸素濃度を調節することは難しい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
実験における原料融液液面と磁場中心との距離と、シリコン単結晶の平均酸素濃度との関係を示したグラフである。 実施例におけるシリコン単結晶の直胴方向位置と、酸素濃度との関係及び磁場中心相対位置との関係を示したグラフである。 比較例におけるシリコン単結晶の直胴方向位置と、酸素濃度との関係及びルツボ回転速度との関係を示したグラフである。 本発明に用いることのできる半導体単結晶の製造装置の一例を模式的に示した断面図である。 (a)は本発明に用いることのできる磁場印加装置昇降機構の一例を上方から見た模式図であり、(b)はその高速モード時の駆動伝達経路を示す模式図であり、(c)はその低速モード時の駆動伝達経路を示す模式図である。
符号の説明
100…半導体単結晶の製造装置、
11…ルツボ、 12…原料融液、 12a…原料融液液面、
13…ルツボ軸、 15…ヒーター、 16…引上炉、
17…磁場印加装置、 18…種結晶、 19…ワイヤ、
20…引上げ駆動機構、 21…半導体単結晶、 M…磁場の中心、
31…磁場印加装置昇降機構、 31a…磁場印加装置支持台、
31b…ボールスクリュージャッキ、
41…駆動モータ、 42…変速機構、
43…減速機、 44…タイミングギヤ、 45…タイミングベルト、
46…ダブルクラッチ、 47a、47b…マイタギヤ、 48…連結シャフト。

Claims (6)

  1. 半導体単結晶の引上炉内においてルツボに収容した原料融液に、磁場印加装置により磁場を印加しながら半導体単結晶の引上げを行うMCZ法(磁界下引上げ法)により半導体単結晶を製造する方法において、
    予め、前記磁場印加装置による磁場の中心の前記原料融液の液面に対する相対位置である磁場中心相対位置と、引上げられた半導体単結晶中の酸素濃度との関係を求めておき、該磁場中心相対位置と酸素濃度との関係に基づいて、引上げられる半導体単結晶の軸方向の酸素濃度が所望値となるように前記磁場中心相対位置を制御しながら前記半導体単結晶の引上げを行うことを特徴とする半導体単結晶の製造方法。
  2. 前記ルツボの回転数を一定にして前記半導体単結晶の引上げを行うことを特徴とする請求項1に記載の半導体単結晶の製造方法。
  3. 前記磁場中心相対位置を下降させながら前記半導体単結晶の引上げを行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体単結晶の製造方法。
  4. 前記原料融液の液面位置が一定になるように前記ルツボを上昇させながら前記半導体単結晶の引上げを行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の半導体単結晶の製造方法。
  5. 少なくとも、前記磁場印加装置を昇降させる磁場印加装置昇降機構を備え、該磁場印加装置昇降機構の駆動モータの回転数を、前記半導体単結晶を引上げる際の低速モードと、前記磁場印加装置を該低速モードにおける昇降速度よりも高速にて昇降させる高速モードとの間で切り替える変速機構を備えた半導体単結晶の製造装置を用いて前記半導体単結晶の引上げを行うことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の半導体単結晶の製造方法。
  6. 前記磁場印加装置を、水平磁場方式とすることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の半導体単結晶の製造方法。
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