JP2008214088A - シート供給装置、シートの供給方法及び画像表示装置 - Google Patents

シート供給装置、シートの供給方法及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ピックアップローラ3が誤って複数のシート2を重ねてフィードローラ4に供給しても、誤動作により供給されたシート2は、トレイ1に返送するとともに、返送されたシート2がトレイ1の所定位置に確実に納まるようにしたシート供給装置の提供。
【解決手段】複数のサイズのシート2を積載可能なシート供給用のトレイ1と、ピックアップローラ3、フィードローラ4、セパレートローラ6とを備えたシート供給装置であって、セパレートローラ6により返送されたシート2をトレイ1上の所定位置より過剰に後退することを防止し、トレイ1上のシート積載部から退避可能なストッパ10を備えたシート供給装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、シート供給装置、シートの供給方法及び画像表示装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、イメージスキャナなどの画像形成装置、原稿読み取り装置或いはこれらの複合装置には、記録用紙トレイや原稿トレイから記録紙や原稿などのシートを一枚ずつ供給するシート供給装置(給紙装置)が具備されている。このシート供給装置は、シートを搬送する方向に回転するフィードローラと、このフィードローラと対をなしてシートを圧接挟持してシートの搬送を補助するセパレートローラとを備えている。セパレートローラにはトルクリミッタを介してシートの搬送方向とは逆方向に駆動力を付与されている摩擦分離ローラ方式(以下FRR方式という。)のシート供給装置が知られている。なお、シート供給装置におけるシートは、プラスチックフィルムなどもあるが、一般には紙であることが多いので、以下、紙を代表例として説明する。
特許文献1には、上述のようなFRR方式の給紙装置が開示されている。この給紙装置によれば、送り出された用紙が複数枚重なっていた場合は、フィードローラ側の一枚だけが正規に搬送され、搬送が終わると一時的にフィードローラの駆動が停止し、残りの用紙はセパレートローラにより自動的にトレイ側に戻して、その用紙を再使用することができる。この場合、用紙がトレイ上の所定の積載位置を超えて過剰に返送されてしまうことがあった。そこで、定形サイズの用紙を積載するトレイでは、用紙がトレイ上の所定の積載位置を超えて戻されることがないようにエンドフェンスを設けて用紙の過剰な戻りを防止している。また、複数のサイズの用紙を積載する手差しトレイでは、用紙を差し込むだけで使用できるようにエンドフェンスを設けていなが、これに対しては、手差し給紙の場合はトレイ角度を上げるなど、反給紙方向への用紙戻り抵抗を大きくして用紙の過剰な戻りを防止している。
さらに、特許文献2では、用紙を少なくとも複数のスピードで搬送できるように構成すると共に、用紙が複数枚重なってフィードローラに送り出された場合は、複数のスピードのうち最も速いスピードよりも遅いスピードで用紙を戻すように、セパレートローラの回転数を制御することを提案している。この方法によれば、用紙の返送スピードが遅くなるため返送された用紙がトレイ上の所定の積載位置を超えて戻されることがないので、紙詰まり時のリカバリには大変有効な方法であるとしている。
一般に、給紙装置の手差しトレイにおいては、手差し用紙のサイズは用紙幅方向(用紙の搬送方向に直交する方向、以下同じ)のみを幅検知手段によって検知している。例えば、実際に検知した幅が297mm(JIS規格のA3用紙の短辺の長さ)近辺であれば、当初は用紙の配置をA3サイズ長辺と推定し、実際に給紙(プリント)をして記録画像をみて、記録画像の搬送方向長さがA3用紙長辺の長さよりも短いとわかると、記録画像はA4サイズ短辺であったと判断し、画像記録プロセスをA4用紙の短辺(A3用紙長辺の半分のサイズ)の長さまでで停止したり、次の用紙からはA4用紙短辺として、スキャンする長さ、紙間、画像記録プロセス等の動作を制御したりしている。
このようにして設定したサイズでの画像形成動作は、用紙切れとなるか、サイズ検知用の幅検知手段が異なった幅を検知するまでは保存されるため、画像形成の都度サイズを検知するという制御を省略して、生産性の向上に寄与している。しかしながら、長さ方向(用紙の搬送方向と平行な方向)は給紙してから測定し、実際の用紙サイズを確定するため、例えば、用紙幅がA4長辺の長さと検知したとき、A4LEF(Long Edge Feed、A4横(短辺)方向給紙)とA3SEF(Short Edge Feed、A3縦(長辺)方向給紙)の区別がつかず、手差しトレイ上にA4LEFが装填されているのに、A3SEFの画像データがプリントされてミスプリントとなってしまうという問題もあった。
これに対して、複数枚の用紙を給紙中に、前記用紙の長さを1枚ずつ検知し、原稿データのサイズと用紙のサイズが異なったときに給紙・印刷動作を停止して、適切なサイズの用紙を装填することを告知する装填告知手段を備えたプリンタが提案されている(特許文献3)。
特開2004−189487号公報 特開2006−199402号公報 特開2005−88364号公報
特許文献1に記載の発明では、再使用可能な用紙を用紙トレイ上に戻すときの用紙の返送スピードが速すぎると、その用紙が用紙トレイ上の所定の積載位置を通り抜けてしまい、次の給紙動作時に、返送された用紙を再使用のために供給できなくなることがあった。
特許文献2に記載の発明においては、近年の複写機、プリンタでは高生産性が求められ、給紙部での供給用紙感の間隔を狭くして全体としてのプリントスピードを稼ぐようになってきているので、僅かな時間で搬送スピードの切り替えをすることは難しく、特に用紙の移動抵抗が少ない小サイズ紙で用紙の先端がピックアップローラを通り抜けてしまうことがある。
特許文献2に記載の発明においては、長さ検知による制御処理のため生産性が低下したり、復帰操作が煩雑になったりして、最近の高速化、簡素化の要望に合致しない場合があった。
このような問題点に鑑み、本発明の目的は、手差しトレイのように複数のシートを積載できるトレイからシートを供給する際に、ピックアップローラが誤って複数のシートを重ねてフィードローラに供給しても、誤動作により供給されたシートは、トレイに返送するとともに、返送されたシートがトレイの所定位置に確実に納まるようにしたシート供給装置及びシートの供給方法、並びに前記シート供給装置を備えた画像形成装置を提供することにある。
上述の課題を解決するための手段を以下に記載する。
本発明は、複数のサイズのシートを積載可能なシート供給用のトレイと、該トレイからシートを送り出すピックアップローラと、送り出されたシートを搬送するフィードローラと、前記送り出されたシートをフィードローラと共に圧接挟持するセパレートローラとを備えたシート供給装置であって、前記セパレートローラは、トルクリミッタを介してピックアップローラにより過剰に送り出されたシートを前記トレイに返送させる駆動装置を備え、前記トレイにはセパレートローラにより返送されたシートをトレイ上の所定位置より過剰に後退することを防止するストッパを備え、該ストッパは供給用のシートをトレイに挿入する際にはトレイ上のシート積載部から退避可能であることを特徴とするシート供給装置を含む。
本発明は、前記ストッパが、シートのトレイ上への積載動作に連動して退避することを特徴とする前記シート供給装置を含む。
本発明は、前記ストッパが、シートをトレイ上へ積載する際には、シート積載部から押し退けられて退避することを特徴とする前記シート供給装置を含む。
本発明は、前記ストッパが、シートの返送方向に対して逆方向及び垂直方向からの応力によって退避することを特徴とする前記シート供給装置を含む。
本発明は、前記シートの幅を検知する幅検知手段と長さを検知する長さ検知手段とを備えていることを特徴とする前記シート供給装置を含む。
本発明は、前記ストッパが、前記長さ検知手段を兼ねていることを特徴とする前記シート供給装置を含む。
本発明は、前記ストッパが、トレイ上のシートの積載許容高さ以上の高さを有するシート後退防止部材を備えていることを特徴とする前記シート供給装置を含む。
本発明は、前記トレイが、トレイ上のシートの積載許容高さを規制する積載上限規制部材を備えていることを特徴とする前記シート供給装置を含む。
本発明は、前記シート供給装置を含む。
本発明は、シートがトレイ上に装填されている否かを検知する装填検知手段をトレイ上に積載されたシートの搬送方向先端部に接する位置に設け、前記ストッパを前記装填検知手段から所定の距離をおいて配置することを特徴とする前記シート供給装置を含む。
本発明は、前記ストッパをシートの搬送方向に対し移動可能とする移動装置を備えていることを特徴とする前記シート供給装置を含む。
本発明は、前記移動装置が、複数の位置に段階的に固定可能とする固定部材を有することを特徴とする前記シート供給装置を含む。
本発明は、前記固定部材が、着脱可能な凹部と凸部の組み合わせからなることを特徴とする前記シート供給装置を含む。
本発明は、前記トレイの底面に切り欠き部を設け、該切り欠き部に前記ストッパを配置したことを特徴とする前記シート供給装置を含む。
本発明は、前記トルクリミッタが、シート1枚がフィードローラ及びセパレートローラにより圧接されて搬送されているときは、駆動力をセパレートローラに伝達せず、複数のシートが重なってフィードローラ及びセパレートローラにより圧接されて搬送されているときは、駆動力をセパレートローラに伝達することを特徴とする前記シート供給装置を含む。
本発明は、運転開始時には、所定時間ピックアップローラ及びフィードローラは駆動されず、セパレートローラが駆動装置により転送シートの返送方向に駆動されることを特徴とする前記シート供給装置を含む。
本発明は、複数のサイズのシートを積載可能なシート供給用のトレイからピックアップローラによりシートを送り出す工程と、送り出されたシートをフィードローラ及び該フィードローラと共に圧接挟持するセパレートローラにより搬送する工程と、
前記ピックアップローラによりシートを送り出す際に、過剰に送り出されたシートを、トルクリミッタを介して搬送方向とは逆方向に駆動力を付与されたセパレートローラによりトレイ上に返送する工程と、
トレイ上に供給用のシートを積載する際にはトレイ上のシート積載部から退避可能なストッパによりトレイ上に返送されたシートの過剰な後退を防止する工程と
を含むことを特徴とするシートの供給方法を含む。
本発明は、前記トルクリミッタが、シート1枚のみがフィードローラ及びセパレートローラにより圧接挟持されて搬送されているときは、駆動力をセパレートローラに伝達せず、複数のシートが重なってフィードローラ及びセパレートローラにより圧接挟持されて搬送されているときは、駆動力をセパレートローラに伝達することを特徴とする前記シートの供給方法を含む。
本発明は、運転開始時において、シート供給用のトレイからピックアップローラによりシートを送り出す前に、フィードローラ及びセパレートローラにより圧接挟持されているシートをセパレートローラによりトレイ上に返送する工程を有することを特徴とする前記シートの供給方法を含む。
本発明は、前記シート供給装置を具備したことを特徴とする画像形成装置を含む。
本発明によれば、手差しトレイのように複数のシートを積載できるトレイからシートを供給する際に、ピックアップローラが誤って複数のシートを同時にフィードローラに供給しても、誤動作により供給されたシートは、トレイに返送するとともに、返送されたシートがトレイの所定位置に確実に納まるようにしたシート供給装置及びシートの供給方法、並びに前記シート供給装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
画像表示装置を提供することができる。
図1及び図2は、本発明のシート供給装置の概要を示す側面図及び平面図である。図1において、トレイ1上の用紙2を送り出すピックアップローラ3と、送り出された用紙を搬送するフィードローラ4及びフィードローラ4に当接されフィードローラ4と対をなして送り出された用紙を挟持するセパレートローラ6とを備えている。さらに、トレイ上におけるピックアップローラによる用紙送り出し方向を前としたとき、積載された用紙2の後側に用紙2が過剰に後退しないようにするストッパ10を備えている。
まず、ピックアップローラ3とフィードローラ4とセパレートローラ6の動作及び作用について説明する。図3は、このシート供給装置におけるシート搬送部30の動作を説明する斜視図である。図3においては、駆動モータ18によりピックアップローラ3とフィードローラ4とセパレートローラ6の全てを駆動できるようになっている。駆動モータ18は、ギア22とギア23を介してリバース軸8を、例えば図3におけるG方向に回転させるように作用する。そのときリバース軸8からは、トルクリミッタ5を介してセパレートローラ6をI方向に回転させる駆動力が働く。同時に駆動モータ18の駆動力は、ギア23からギア24とギア25、フィード軸21を介してフィードローラ4をB方向に回転させる。ピックアップローラ3は、連結ベルト26を介してフィードローラ4に連動して回転する。
フィードクラッチ7は、必要に応じて駆動モータ18の駆動力をフィードローラ4に伝達したり、遮断したりすることができる。フィードクラッチ7がフィードローラ4に駆動モータ18の駆動力を伝達している場合、フィードローラ4とセパレートローラ6はそれぞれB方向およびI方向に回転することになる。ところが、フィードローラ4とセパレートローラ6とはニップ部を形成しながら当接しているので、このような互いにこすれ合うような回転力が作用すると、フィードローラ4とセパレートローラ6とは表面の摩擦抵抗が大きな材料で形成されているので、ニップ部に大きな摩擦力を生じて回転軸に負荷が掛かる。トルクリミッタ5は、このようにセパレートローラ6の回転に対して大きな負荷が掛かると、セパレートローラ6に対してリバース軸8の回転の駆動力を伝達しない構造になっている。この為、セパレートローラ6は、リバース軸8の回転の駆動力により回転するのではなく、フィードローラ4の回転に連れ回りして、リバース軸8の回転とは逆方向のC方向に回転する。逆に、フィードクラッチ7が作動して、フィードローラ4への駆動モータ18の駆動力が遮断されると、フィードローラ4は回動自在となり、セパレートローラ6には、フィードローラ4の連れ回りの駆動力がなくなり、トルクリミッタ5を介してリバース軸8の駆動力だけが作用するので、セパレートローラ6はI方向に回転する。そして、フィードローラ4もセパレートローラ6に連れ回りしJ方向に回転することになる。すなわち、トルクリミッタ5は、セパレートローラ6に大きな連れ回り駆動力が働いているときは、リバース軸8の駆動力をセパレートローラ6に伝達しないで、セパレートローラ6に働いている回り駆動力が小さいかないかるときは、リバース軸8の駆動力をセパレートローラ6に伝達して回転させる構造になっている。
このような作動機構を持つシート搬送部30において、図1に示すように、ピックアップローラ3がトレイ1上に積載されたシート2の表面に移動(下降)して、シート2を圧接して駆動モータ18の駆動力により図1に示す矢印方向に回転すると、積載されているシート2のうち最上部のシート一枚がピックアップローラ3の表面の摩擦力によってフィードローラ4側に送り出されてくる。送り出されたシート2は、フィードローラ4に示す矢印方向の駆動力により回転しているフィードローラ4とセパレートローラ6の当接部(ニップ部ともいう。)に突き当たり、ニップ部で圧接されながらニップ部前方へと搬送される。なお、セパレートローラ6は、フィードローラ4の駆動力により搬送されているシート2との摩擦力によりリバース軸8の回転とは反対方向へ連れまわりしている。ピックアップローラ3は、シート2の先端がニップ部に圧接されたら元の位置に移動(上昇)し、トレイ1上に積載されたシート2の表面との間に間隙を作っておく(図1参照)。通常は、このようにしてシート2は、シート供給装置から次の装置あるいは工程へ供給される。例えば、図12に示す画像形成装置であれば、トレイ1から送り出された用紙2は、フィードローラ4とセパレートローラ6のニップ部から搬送ローラ17へと搬送されていく。
上記のようにして一枚のシート2が搬送され、シート2の後端がニップ部から送り出されるとシート供給装置による一枚のシート搬送動作が終了する。そして、必要に応じて次のシート搬送動作が同じようになされ、これが繰り返される。シートの搬送間隔は、被供給側の装置の仕様に合わせて制御される。
通常は、上述のようにピックアップローラ3によって一枚ずつシート2が送り出されていくが、時として二枚又はそれ以上のシートが重なって送り出されることがある。このような場合、フィードローラ4とセパレートローラ6のニップ部には重なったままの複数枚のシートが供給される。例えば、最も頻度の高いトラブルとして、二枚のシートが重なって送り出された場合で説明すると、ニップ部に二枚のシートが到着し、フィードローラ4の回転力によってニップ部に引き込まれていくと、フィードローラ4に直接当接するシート(上のシートという。)はその回転駆動力により搬送されていくが、上のシートに重なっている二枚目のシート(下のシートという。)は、上のシートとの摩擦力により引き込まれることになる。しかし、シートとシートとの摩擦力には、シートとフィードローラ4との摩擦力ほど大きな搬送駆動力はない。一方、セパレートローラ6は、フィードローラ4と当接してその回転力により連れまわりしていたが、シートが重なって搬送されてくると、下のシートと接触し、その摩擦力により同じように連れまわりしようとする力がかかる。しかし、下のシートは、上のシートの搬送に伴うシート同士の摩擦力により搬送されているため、その搬送駆動力はあまり大きくはない。すなわち、セパレートローラ6を連れまわりさせようとする応力は、フィードローラ4の連れまわり応力よりも弱いものとなる。このように、セパレートローラ6を連れまわりさせようとする応力が弱くなると、トルクリミッタ5が作動して、セパレートローラ6はリバース軸8の回転駆動力によって反対方向(図1におけるリバース軸8の回転方向)に回転する。このセパレートローラ6の回転動作により、下のシートは通常の搬送方向と逆方向に搬送される。すなわち、下のシートはトレイ1上に返送される。このシート供給装置は、このようにしてピックアップローラ3の誤動作による、複数枚のシートの重ね取りに対してシート供給を停止することなく対処している。ピックアップローラ3による3枚以上の重ね取りに対しても、同じようにして2枚目以降の下のシート2はトレイ1上に返送される。
ところが、最近のシート供給装置のように高速でシートを供給する装置では、当然重ね取りされた下のシートの返送スピードも速くなる。シートの返送スピードが速いと、返送されたシートは、トレイ1上の所定のシート積載位置より過剰に後退してしまう、すなわち所定位置よりも搬送方向と逆方向に行き過ぎとしまう恐れがある。ストッパ10は、この返送されたシートの過剰な後退を防止する機能がある。本発明のトレイは、常に定形のシートを供給するトレイにおいても適用できるが、長さの異なる各種のシートを供給できるトレイ、特に手差しトレイにおいて大きな効果を発揮し易い。
ストッパ10は、トレイ1上の所定のシート積載位置の、シート搬送方向に対しすぐ後側に配置されている。ストッパ10は、トレイ1底面に設置すればよいが、側面や上部に設置することもできる。このストッパ10は、許容されるシート積載高さよりも高いことが好ましく、板、棒、ブロックなどで構成してもよい。また、ストッパ10は、積載すべきシートを補給する際や、長尺のシートを積載して供給する場合などに邪魔にならないように、トレイ1上から取り外し又は退避できる構造が好ましい。このように取り外し又は退避できる構造のストッパ10を使用頻度の高い定形シートの長さに合わせ複数個設置しておいてもよい。ストッパ10の退避は、完全にトレイ上から退避しなくてもシートの積載動作や長尺シートの積載時のシート供給に不都合が生じない程度であればよい。
ストッパの構造としては、例えば、図1に示すように、シートの返送方向に対してほぼ垂直なシートの抑え面10cを備え、トレイ底面下に配置した後部の軸10b側には徐々にトレイ底面下に沈んでいる、断面がほぼ垂直三角形をしており、軸10b中心に回動しトレイ底面上に出入りできるようにすればよい。さらに、抑え面10cはバネ等により押し下げる応力がなければトレイ上に出ている構造とすればよい。
ストッパ10は、搬送方向の長さを検知するセンサを備えていることが好ましい。このセンサは、例えばセンサ上部にシートが存在することを検知する光学センサ等でもよい。センサ上部にシートが存在するときは、ストッパ10を後退させて、センサ上部にシートが存在しなくなった位置にストッパを配置すれば好ましいストッパ位置となる。
ストッパ10は、シート搬送方向に対し移動可能にしておくことが好ましい。ストッパ10は、連続的に移動して配置できるようにしても、段階的に移動して配置できるようにしてもよい。一般に、使用されるシートの大きさは決まっている場合が多い。例えば、ほとんどの場合は、用紙のJIS規格のA4,B4,A3などといった定形用紙が使用される。ストッパ10のシート後退防止部材を、これらの用紙の長さに対応した位置に段階的に配置できるようにしておくと便利である。例えば、図8に示すように、トレイ上にシート搬送方向前後に移動可能なストッパスライダ14を設け、その上にストッパ10を設置して、ストッパ10はストッパスライダ14とともに移動可能とする。さらに、ストッパスライダ14の底部又は底部近くの側面には、突起14aを設けておき、トレイ底部の所定の位置にこの突起14aと嵌合するような凹部15aを形成し、突起14aと凹部15aとが嵌合することによりストッパスライダ14の位置が特定できるようにする。トレイ底部の凹部を仕様頻度の高いシートの長さに合わせて複数設けることが好ましい。例えば、図8では凹部15a、15b,15cと3個設けている。なお、突起14aと凹部15a、15b,15cとは、シート供給装置稼働中は自然に外れない程度の強度で勘合しているが、人為的に移動させる際には容易に外れる程度の嵌合力で勘合されていることが好ましい。このためには、突起14aと凹部15a、15b,15cの少なくとも一方は弾性を持つ素材で形成されていることが好ましい。例えば、薄い金属の突起又は凹部やゴム、プラスチック、バネを含む突起などが好ましく用いられる。
トレイ1には、シートの幅(シート搬送方向に対し垂直な方向の長さ)検知手段を備えていることが好ましい。例えば、図2に示すトレイ1の可動式のサイドフェンス9a,9bを設ければよい。シートの幅に合わせてサイドフェンス9a,9bを配置しこの間隔を計れば、シートの幅は検知できる。
さらに、トレイ1には、積載するシートの積載高さを規制する積載上限規制部材を設けることが好ましい。この積載上限規制部材11は、図6に示すように、ストッパ10のシート後退防止部材10aの高さHをシートの積載許容高さh'以下に規制することが好ましい。このような構成にすれば、返送されてきたシートがストッパ10のシート後退防止部材10aを超えて後退する恐れがない。特に、ストッパ10のシート後退防止部材10aの高さHをシートの積載許容高さh'より低く規制することが好ましい。
トレイ1の底面には切り欠きを設け、その切り欠きに指を入れてトレイ上に積載されたシートを取り出しやすくしておくことが好ましい。例えば、図9,10に示すように、トレイ底面の中央部から後部にかけて切り欠き16を設け、その切り欠き部に退避できるように回動自在なストッパ10を設置してもよい。このようにすれば、ストッパ10は、上からシートが積載されたり、指が挿入されたりした時には、トレイ1の底面の下に退避することができる。
トレイ1に積載したシート2の搬送方向先端部に接する位置に、シートがトレイ上に装填されていることを検知する、装填検知手段を設けることが好ましい。シートが装填されていることを確認してシート供給装置を稼働させるためである。装填検知手段としては、例えば図7に示すように、回動可能な可動部材12と可動部材12の位置又は動きを検知するセンサ13の組み合わせが好ましい。この装填検知手段におけるシートの先端を検知するトレイ1上の検知位置12aは、トレイ上に積載されたシートの長さを測る基準点とすることができるので、ストッパ10の配置を決める際には、この検知位置12aを基準にして所定の距離を決定することが好ましい。
図12には、本発明のシート供給装置を具備した画像形成装置を示している。この画像形成装置は、単色のトナーによる画像形成装置であるが、本発明の画像形成装置としては、フルカラー画像形成装置であってもよい。その場合は、周知のように図12に中の画像形成部が複数備わっていればよく、シート供給装置は特に変化はない。すなわち、本発明の画像形成装置は、本発明のシート供給装置を備えていればどのようなものでもよく、また、この画像形成装置による画像形成方法も周知のどのような方法を用いてもよい。なお、本発明のシート供給装置は、ファクシミリ、イメージスキャナや複写機等の読み取り原稿の供給装置としても使用可能である。本発明のシート供給装置を備えた画像形成装置や画像読み取り装置においては、装置のダウンタイムを低減することができ高速処理に好適である。
本発明のシートの供給方法について、図11を参照にして説明する。具体例として図12に示すような画像形成装置に備えられた、図1,2に示すような記録紙供給用の手差しトレイ1から用紙を供給する場合を想定して説明する。まず、給紙開始の指示がなされると、トレイ1上に記録用の用紙2があることを確認し(S1のYes)、ピックアップローラ3が用紙表面に圧接されながら駆動され、用紙2がフィードローラ4側へ送り出される(S2)。ピックアップローラ3とほぼ同時にフィードローラ4とリバース軸8が駆動される(S3,S4)。最初は、セパレートローラ6とフィードローラ4とのニップ部には用紙がないので、フィードローラ4とセパレートローラ6とのニップ部におけるローラ同士の摩擦による駆動力を受け、セパレートローラ6はフィードローラ4に連れまわりする。ニップ部におけるローラ同士の摩擦による駆動力は大きいので、トルクリミッタ5が作動してセパレートローラ6にはリバース軸8の駆動力は伝達されない状態である。
このように連れまわりしているフィードローラ4とセパレートローラ6のニップ部に、ピックアップローラ3により送り出された用紙2が到着すると、用紙2はニップ部に引き込まれ、フィードローラ4の駆動力により画像形成装置の搬送ローラ17のほうへ搬送される。この場合、用紙2が正常に、すなわち一枚のみの用紙2がピックアップローラ3から送り出されてきたならば、セパレートローラ6表面には、ニップ部において搬送されている用紙2とセパレートローラ6表面との摩擦力が働く。用紙2とセパレートローラ6表面との摩擦力は大きいので、セパレートローラ6はフィードローラ4の駆動力により連れまわりしていた時と同じように用紙2の搬送方向に連れまわりする(S5のYes)。このようにして用紙2がニップ部から用紙搬送路下流の画像形成装置の搬送ローラ等に到達しこの搬送ローラ等により搬送されはじめ、フィードローラ4の用紙搬送の役目が終わった(S11)らフィードローラ4の駆動を停止し(S12)、リバース軸駆動も停止(S10)してセパレートローラ6の駆動がとまり用紙2の供給が終了する。
一方、用紙2がピックアップローラ3から正常送り出されずに、すなわち二枚以上の用紙2が重なってピックアップローラ3からニップ部に送り出されてきたならば、上述の一枚の用紙と同じようにこれらの用紙2は、ニップ部に引き込まれる。このとき、フィードローラ4と直接当接する用紙(通常、最上面の用紙)は、フィードローラ4の駆動力により画像形成装置の搬送ローラ17のほうへ搬送される。フィードローラ4と直接当接していない用紙は、上記のフィードローラ4に直接搬送されている用紙との摩擦力により搬送方向へ引き込まれていく。しかし、用紙と用紙との摩擦力は用紙とフィードローラ4との摩擦力に比べて弱いので、この重なって引き込まれた二枚目以降の用紙の搬送のための駆動力は弱い。搬送駆動力の弱い二枚目以降の用紙と当接しているセパレートローラ6を、この用紙が連れまわりさせる回転駆動力は弱いものとなる(S5のNo)。セパレートローラ6の回転駆動力が規定値より弱くなると、トルクリミッタ5の働きにより、セパレートローラ6はリバース軸8の回転駆動力を与えられ、搬送方向と逆の返送方向へと回転を始める(S6)。そうすると、セパレートローラ6と当接している用紙は、トレイ1側に返送される。フィードローラ4により搬送されている最上面の用紙2がニップ部から用紙搬送路下流の画像形成装置の搬送ローラ等に到達しこの搬送ローラ等により搬送されはじめ、フィードローラ4の用紙搬送の役目が終わった(S7)ら、フィードローラ4は、フィードクラッチ7により駆動力を遮断される(S8)。そして、重なってニップ部に引き込まれた用紙が残っていれば、セパレートローラ6により全てトレイ1側に返送される。トレイ1側に返送された用紙2は、トレイ1上の積載用紙を挟んで反対側に設置されているストッパ10の抑え面10cにより、過剰な返送を抑えられ、確実に所定の位置に返送されることになる(S9)。用紙2が完全にトレイ1上に返送されたら、リバース軸が駆動停止(S10)してセパレートローラ6を停止する。
重なっていた用紙が一枚であれば、その用紙がニップ部から返送されてしまえば、セパレートローラ6は正常な状態に戻り、搬送方向への連れまわりを開始し、用紙2が正常に搬送された後にフィードローラ4とともにリバース軸が駆動停止しセパレートローラ6も停止する(S8,10)。重なってニップ部に引き込まれた用紙が3枚以上あった場合は、セパレートローラ6は直接当接している用紙を一枚ずつ返送する。この場合、フィードローラ4に当接して正常な方向へ搬送されていた用紙が画像形成装置の搬送ローラ側に搬送され終わっても、重なって引き込まれた二枚目以降の用紙2がまだニップ部に残っていることもあるが、フィードローラ4への駆動力が遮断された後もセパレートローラ6が駆動して重なっていた全ての用紙2がトレイ1に戻される(S9)。トレイ1側に返送された用紙は、トレイ1上の積載用紙を挟んで反対側に設置されているストッパ10の抑え面10cにより、所定の位置に返送されることになる。
しかし、給紙装置の電源停止トラブルなどにより、ニップ部に用紙2が残ったままの状態から給紙装置の運転開始をせねばならない場合もある。このような場合に備え、給紙装置の運転開始の際に、最初に、フィードローラ4は、フィードクラッチ7により駆動力を遮断しておき、所定時間セパレートローラ6を用紙2の返送方向に駆動し、ニップ部に残っていた用紙2を全てトレイ1側に返送した後に、実際の給紙を開始するようにすれば、ニップ部に用紙2が残ったままの状態からでも正常な給紙をすることができる。
次に具体的なシート供給装置の実施の形態を示して、本発明のシート供給装置をさらに詳しく説明する。
(実施形態1)
図1、図2は、本発明の実施形態1のシート供給装置の構成を示す。トレイ1の用紙(シートは具体的な例である用紙として説明する。)2を送り出すピックアップローラ3と、送り出された用紙を給送するフィードローラ4及び該フィードローラに圧接され対をなすと共に、トルクリミッタ5を介して給送方向とは逆方向に駆動力を付与されるセパレートローラ6からなる分離給送部を有する給紙装置である。フィードローラ4は、図1、図2では図示しない駆動モータからの動力をフィードローラ4に伝達又は遮断するフィードクラッチ7を介して駆動モータに連結され、セパレートローラ6は、駆動モータにより回転駆動されるリバース軸8に、トルクリミッタ5を介して連結されている。
用紙2は一対のサイドフェンス9a、9bによって幅方向を規制される。また、このサイドフェンスに連動して用紙幅を検知する図示しない用紙幅検知手段を備える。用紙幅検知手段はサイドフェンスにスライド抵抗を連結し、サイドフェンスの位置を抵抗値で判断する方法が知られている。
さらに、用紙が縦置きか横置きかを判断する縦横判別手段を備える。縦横判別手段はストッパ10と一体で構成し、用紙の過剰後退を防止する抑え面10cは、搬送方向上流の軸10bを中心に回動可能であり、搬送方向への用紙挿入に対してはアクチュエータが回動して退避するが、搬送方向と逆側からの用紙進入に対してはアクチュエータが回動して退避せず、用紙を阻止するよう、抑え面10cと軸10bを構成する。
図1,2に示す例は、用紙が4ALEF送りの場合であるが、3ASEF送りの場合はストッパ10上にも用紙がある為、シートセンサ10Aを遮光し、3ASEFと検知する。用紙の幅検知手段と長さ検知手段の検知結果を合わせて用紙のサイズや縦横を判別する縦横判別手段の判別結果によって用紙の定形サイズを確定する。
トレイ1に用紙束2を積載すると、ストッパ10が退避して用紙が装填される。スタート信号により駆動モータが回転し、ピックアップローラ3で用紙が送り出される。給紙方向に回転駆動されたフィードローラ4と、セパレートローラ6との間に給送すべき1枚だけの用紙が送り込まれたとき、セパレートローラ6は、トルクリミッタ5の作用により、用紙の動きに連動して給紙方向に連れ回りする。また、前記駆動モータにより回転駆動されたフィードローラ4と、セパレートローラ6との間に給送すべき用紙とそれ以外の他の用紙が共に送り込まれたときは、駆動モータにより回転駆動されたリバース軸8の回転がトルクリミッタ5を介してセパレートローラ6に伝えられ、セパレートローラ6が反給紙方向に回転して、セパレートローラに当接する他の用紙を戻すように構成される。
用紙2の後端が前記フィードローラ4とセパレートローラ6とのニップ部を通過した直後に、駆動モータの作動を継続したまま、フィードクラッチ7をオフし、駆動モータからフィードローラ4への動力の伝達を遮断して、フィードローラ4を自由に回転できる状態とする。このとき最上紙は図示しない搬送方向下流の搬送ローラに引っ張られて搬送される。またこの間、セパレートローラ6とフィードローラ4の間に挟まれた他の用紙は、駆動モータにより回転駆動されたリバース軸8の回転をトルクリミッタ5を介して伝えられ、反給紙方向に回転駆動するセパレートローラ6によって勢いよく戻される。トレイ1に用紙が十分に残っている場合など、それらの用紙との摩擦係数が高ときは、用紙の戻り量は少ないが、トレイの積載用紙が少ない場合など、用紙と前記トレイ間の摩擦係数が低いときは、用紙の戻り量が多くなる。この場合、用紙は前記縦横判別手段のストッパ10の抑え面10cに当って停止する。停止位置はピックアップローラで呼び出し可能、且つ、搬送タイミングの遅れが出ない範囲で設定する(図4に示す間隔lを調整する。)。
用紙の幅を検知する幅検知手段と、用紙が縦置きか横置きかを判断する縦横判別手段を備えたFRR給紙装置とすることでサイズ不一致によるミスプリントや搬送停止を防止すると共に、縦横判別手段はストッパ10と一体に構成し、ストッパ10は搬送方向への用紙挿入に対しては退避し、搬送方向と逆側からの用紙進入を阻止する抑え面10cを有することによって、用紙セットの簡便性を損なうことなく、セパレートローラ6によって戻される用紙の飛び出しを阻止して用紙搬送遅れによるジャムを防止し、安定した搬送性能を得ることができる。また、用紙戻しによるアクチュエータの回動はないので、ジョブ途中での縦横誤検知がなくなり、サイズ情報違いによるジャムを防止できる。従来は飛び出しに対してトレイが抵抗となるようにトレイ角度を上げていたが、それを緩和できるので、画像形成装置のレジストローラなどへの搬送路角度変更が緩くなり、厚紙搬送にも有利となる。
(実施形態2)
実施形態2の本発明の給紙装置を図5に示す。図5に示す給紙装置においては、ストッパ10の抑え面10cの高さHを用紙の積載許容高さh以上に設定している。これによって、トレイ1に紙間摩擦係数の低い用紙2が十分に残っている場合でも、用紙2の高さが積載許容高さ以内であれば、用紙が勢いよくもどってもストッパ10の抑え面10cに当って停止する。
実施形態1に説明した給紙装置において、紙間摩擦係数の低い用紙を通紙する場合、トレイ上に積載用紙が十分に残っているとき、返送された用紙が勢いよく積載されている用紙上に搬送されてくると、そのまま所定の用紙積載位置を超えて過剰に返送されてしまう恐れがある。このとき、用紙積載高さがストッパ10の抑え面10cの高さ以上であると、返送された用紙がストッパ10を乗り越えて異常な位置に停止することになる。このような用紙は、次の用紙供給の際の給紙装置やその下流にある画像形成装置などのジャムやサイズ誤検知の原因となる恐れがある。実施形態2に示した給紙装置はこのような不具合を起こさないものである。
ストッパ10の抑え面10cの高さを用紙の積載許容高さ以上に設定することによって、用紙セット性を損なうことなく、積層状態でも飛び出し易い紙間摩擦係数の低い用紙でもサイズ不一致による搬送停止を防止すると共に用紙搬送遅れによるジャムを防止し、安定した搬送性能を得ることができる。
(実施形態3)
実施形態3の本発明の給紙装置を図6に示す。図6に示す給紙装置においては、用紙幅検知手段であるトレイ上のサイドフェンス9a,9bに用紙の積載上限を規制する上限規制部材11を設け、この上限規制部材11の規制する積載用紙の高さHは、ストッパ10の抑え面10cの高さlよりも低くなるようにする。これにより、返送された用紙の飛び出しを防止することができる。ストッパ10の抑え面10cの高さlを規制する積載用紙の高さHに対し余裕を持って高くしておれば、カールした紙でも積載上限を規制されるので、ストッパ10の抑え面10cで確実に飛び出しを防止することができる。ただし、あまり抑え面10c高さを高くすると、ストッパ10の退避時のスペース確保は難しくなる。
トレイ上のサイドフェンスに用紙の積載上限規制部材を設け、積載上限規制部材はストッパ10の抑え面10cの高さよりも低くすることにより、用紙セット性を損なうことなく、カールした紙でも確実にストッパで飛び出しを防止することができ、サイズ不一致による搬送停止を防止すると共に、用紙搬送遅れによるジャムを防止し、安定した搬送性能を得ることができる。
(実施形態4)
の実施形態4の給紙装置を図7に示す。図7に示す給紙装置においては、トレイに用紙が装填されたか否かを検知する装填検知手段を設ける。装填検知手段は回動可能な可動部材12とセンサ13で構成している。ストッパ10の抑え面10cを装填検知手段の検知位置12aから、例えば、最も使用頻度の高い4ALEF送り紙の短手方向長さの距離Lの位置に配置する。この距離Lは、用紙の長さより短すぎてはだめであるが、多少長めであることはかまわない。例えば、ストッパ10の形状によりその回動が妨げられる場合は用紙を1枚積載した時に上記の関係が成立する位置に配置する(図7参照)。これにより、通紙中に紙間で用紙が勢いよく戻されても、装填検知が誤動作して、紙無し状態と判断しジョブが自然停止することを防止することができる。
トレイに用紙が装填されたか否かを検知する装填検知手段を設け、ストッパ10の抑え面10cを装填検知手段の検知位置から最も使用頻度の高い用紙の長さの距離に配置することによって、用紙の装填検知が外れてジョブが自然停止することを防止することができる。
(実施形態5)
の実施形態5の給紙装置を図8に示す。図8に示す給紙装置においては、ストッパ10の抑え面10cの位置を装填検知手段の検知位置12aから複数ある積載可能な用紙の搬送方向の長さの中から選択して配置できるよう構成する。図8に示す給紙装置においては、ストッパ10とトレイ面の一部をサブモジュール化したスライダ14を搬送方向にスライド可能としている。スライダ14の突起14aを弾性変形させてスライドし、トレイ側の凹部15a,15b,15cのいずれかに合わせて係止する。ユーザは用紙使用状況に応じてもっとも使用頻度の高い用紙サイズ位置にスライダ14を簡単に設定することができる。また、スライダ14は各サイズ位置でネジ固定などにより不用意な位置変更を禁止しても良い。
ストッパ10の抑え面10cの位置は装填検知手段の検知位置から複数ある積載可能な用紙の長さの距離の中から選択して配置することにより、ユーザの用紙使用状況に応じてもっとも使用頻度の高いサイズ位置にスライダを設定することができる。また、スライダは各サイズ位置でネジ固定として不用意な位置変更を禁止することもできる。
(実施形態6)
の実施形態6の給紙装置を図9,10に示す。図9,10に示す給紙装置においては、ストッパ10を配置するトレイ面に切り欠き16を設け、切り欠き16にストッパ10の一部を露出させる。ストッパ10の底部はストッパ10が退避しないときにはトレイ面と略同一位置にあり、ストッパ10の退避時はその退避動作を妨げないように構成する。また該切り欠き16は用紙が載置される範囲まで延出していると好ましい。用紙交換時は切り欠き16に指を入れると指がストッパ10に触れてストッパ10が退避する。そのまま用紙2を掴んで取り出せば、ストッパ10に引っ掛かることなく片手で容易に用紙取り出しができる。
上述のようにトレイ面に切り欠き16を設け、切り欠き16部にストッパ10をはいちすることにより、片手でアクチュエータを解除して尚且つ用紙取り出しが行える為、用紙交換を容易に行うことができる。
本発明のシート供給装置の側面図 本発明のシート供給装置の平面図 シート搬送部の説明図 ストッパの位置を示す図 ストッパの高さを示す図 シート積載上限規制部材を備えたシート供給装置の模式図 (a)は側面図、 (b)はシート積載上限規制部材とサイドフェンスとの位置関係を示す図 ストッパの配置を示す図 可動式ストッパを備えたシート供給装置の平面図 トレイに切り欠きを設けたシート供給装置の平面図 トレイに切り欠きを設けたシート供給装置の側面図 シート供給装置からのシート供給のフロー図 本発明の画像形成装置
符号の説明
1:トレイ 2:シート 2a:最上部のシート
3:ピックアップローラ 4:フィードローラ 5:トルクリミッタ
6:セパレートローラ 7:フィードクラッチ 8:リバース軸
9:サイドフェンス 9a:右サイドフェンス 9b:左サイドフェンス
10:ストッパ 10a:シートセンサ 10b:軸
10c:抑え面 10d:固定部 11:上限規制部材
12:可動部材 12a:検知位置 13:センサ
14:ストッパスライダ 14a:突起 15a,15b,15c:凹部
16:切り欠き 17:搬送ローラ 18:駆動モータ
20:指 21:フィード軸 22:駆動ギア
23:リバースギア 24:逆転ギア 25:フィードギア
26:連結ベルト 30:シート供給部
41:感光体 42:帯電装置 43:光照射装置
44:現像装置 46:クリーニング装置 48:転写装置
50:定着装置 52:排紙トレイ

Claims (19)

  1. 複数のサイズのシートを積載可能なシート供給用のトレイと、該トレイからシートを送り出すピックアップローラと、送り出されたシートを搬送するフィードローラと、前記送り出されたシートをフィードローラと共に圧接挟持するセパレートローラとを備えたシート供給装置であって、
    前記セパレートローラは、トルクリミッタを介してピックアップローラにより過剰に送り出されたシートを前記トレイに返送させる駆動装置を備え、
    前記トレイにはセパレートローラにより返送されたシートをトレイ上の所定位置より過剰に後退することを防止するストッパを備え、該ストッパは供給用のシートをトレイに挿入する際にはトレイ上のシート積載部から退避可能であることを特徴とするシート供給装置。
  2. 前記ストッパは、シートのトレイ上への積載動作に連動して退避することを特徴とする請求項1に記載のシート供給装置。
  3. 前記ストッパは、シートをトレイ上へ積載する際には、シート積載部から押し退けられて退避することを特徴とする請求項1又は2に記載のシート供給装置。
  4. 前記ストッパは、シートの返送方向に対して逆方向及び垂直方向からの応力によって退避することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のシート供給装置。
  5. 前記シートの幅を検知する幅検知手段と長さを検知する長さ検知手段とを備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のシート供給装置。
  6. 前記ストッパは、前記長さ検知手段を兼ねていることを特徴とする請求項5に記載のシート供給装置。
  7. 前記ストッパは、トレイ上のシートの積載許容高さ以上の高さを有するシート後退防止部材を備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のシート供給装置。
  8. 前記トレイは、トレイ上のシートの積載許容高さを規制する積載上限規制部材を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のシート供給装置。
  9. シートがトレイ上に装填されている否かを検知する装填検知手段をトレイ上に積載されたシートの搬送方向先端部に接する位置に設け、前記ストッパを前記装填検知手段から所定の距離をおいて配置することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のシート供給装置。
  10. 前記ストッパをシートの搬送方向に対し移動可能とする移動装置を備えていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のシート供給装置。
  11. 前記移動装置は、複数の位置に段階的に固定可能とする固定部材を有することを特徴とする請求項10に記載のシート供給装置。
  12. 前記固定部材は、着脱可能な凹部と凸部の組み合わせからなることを特徴とする請求項11に記載のシート供給装置。
  13. 前記トレイの底面に切り欠き部を設け、該切り欠き部に前記ストッパを配置したことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載のシート供給装置。
  14. 前記トルクリミッタは、シート1枚がフィードローラ及びセパレートローラにより圧接されて搬送されているときは、駆動力をセパレートローラに伝達せず、複数のシートが重なってフィードローラ及びセパレートローラにより圧接されて搬送されているときは、駆動力をセパレートローラに伝達することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載のシート供給装置。
  15. 運転開始時には、所定時間ピックアップローラ及びフィードローラは駆動されず、セパレートローラが駆動装置により転送シートの返送方向に駆動されることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載のシート供給装置。
  16. 複数のサイズのシートを積載可能なシート供給用のトレイからピックアップローラによりシートを送り出す工程と、送り出されたシートをフィードローラ及び該フィードローラと共に圧接挟持するセパレートローラにより搬送する工程と、
    前記ピックアップローラによりシートを送り出す際に、過剰に送り出されたシートを、トルクリミッタを介して搬送方向とは逆方向に駆動力を付与されたセパレートローラによりトレイ上に返送する工程と、
    トレイ上に供給用のシートを積載する際にはトレイ上のシート積載部から退避可能なストッパによりトレイ上に返送されたシートの過剰な後退を防止する工程と
    を含むことを特徴とするシートの供給方法。
  17. 前記トルクリミッタは、シート1枚のみがフィードローラ及びセパレートローラにより圧接挟持されて搬送されているときは、駆動力をセパレートローラに伝達せず、複数のシートが重なってフィードローラ及びセパレートローラにより圧接挟持されて搬送されているときは、駆動力をセパレートローラに伝達することを特徴とする請求項16に記載のシートの供給方法。
  18. 運転開始時において、シート供給用のトレイからピックアップローラによりシートを送り出す前に、フィードローラ及びセパレートローラにより圧接挟持されているシートをセパレートローラによりトレイ上に返送する工程を有することを特徴とする請求項16又は17に記載のシートの供給方法。
  19. 請求項1〜15のいずれか一項に記載のシート供給装置を具備したことを特徴とする画像形成装置。
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