JP2008208751A - エンジン構成部品の劣化度診断システム - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジン構成部品の経時的な劣化度を精度良く検知することにより、劣化度の検知精度を上昇して、エンジンプラントのメインテナンス性及び稼動効率を向上可能としたエンジン構成部品の劣化度診断システムを提供する。
【解決手段】劣化度合いの大きいエンジン構成部品の劣化度を診断し検知するエンジン構成部品の劣化度診断システムであって、エンジンの筒内圧力を検出する筒内圧力検出器と、該筒内圧力検出器からの筒内圧力の検出値に基づき圧縮圧力及び該圧縮圧力の時間変化率を算出し、該圧縮圧力時間変化率の算出値が予め設定された許容圧縮圧力時間変化率以下となったときピストンリングあるいは排気弁及び吸気弁を含むバルブのいずれかまたは双方に異常発生の判定を行う劣化度診断装置をそなえたことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】劣化度合いの大きいエンジン構成部品の劣化度を診断し検知するエンジン構成部品の劣化度診断システムであって、エンジンの筒内圧力を検出する筒内圧力検出器と、該筒内圧力検出器からの筒内圧力の検出値に基づき圧縮圧力及び該圧縮圧力の時間変化率を算出し、該圧縮圧力時間変化率の算出値が予め設定された許容圧縮圧力時間変化率以下となったときピストンリングあるいは排気弁及び吸気弁を含むバルブのいずれかまたは双方に異常発生の判定を行う劣化度診断装置をそなえたことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、ピストンリング、排気弁及び吸気弁を含むバルブ等の劣化度合いの大きいエンジン構成部品の劣化度を診断し検知するエンジン構成部品の劣化度診断システムに関する。
発電用エンジンプラント等のエンジンプラントにおいては、長期間に亘る稼動時間毎に実施される定期点検時に、ピストンリング、排気弁、吸気弁等のバルブ類、シール類、燃料噴射装置等の機能の劣化度の大きい部品を中心に、劣化状態の点検及び修理あるいは交換を行っている。そして、かかるエンジンプラントにおいて、定期点検をはさんだプラント稼動中の故障等によるエンジン停止を回避するため、プラント稼動中におけるピストンリング、排気弁及び吸気弁を含むバルブ等の劣化度合いの大きいエンジン構成部品の劣化度を監視して、これらのエンジン構成部品の不具合の発生を早期に発見して対処をすることが要求される。
このような、エンジン構成部品のエンジン運転中における劣化度については、エンジン運転中に直接に監視することができないため、筒内圧力の検出、排気弁、吸気弁等の開閉タイミングの検出等の間接的手段によって監視しており、かかるエンジン構成部品の劣化度の監視技術として、特許文献1(特開2002−97995号公報)、特許文献2(特開2006−307852号公報)、特許文献3(特開平8−68306号公報)等が提供されている。
特許文献1においては、排気ガスの空燃比または酸素濃度の検出値に基づき、吸気弁の開閉タイミングでの空燃比の変化で、吸気弁の異常を検知している。特許文献2においては、燃料の供給、遮断の制御、及び排気ガス状態の検出によって排気弁、吸気弁の機能劣化を判定している。特許文献3においては、排気弁の開閉時期をスイッチ手段で検出して、該スイッチからの開閉時期信号とクランク角信号によって排気弁の異常を検知している。
前述のように、エンジン構成部品のエンジン運転中における劣化度については、筒内圧力の検出、排気弁、吸気弁等の開閉タイミングの検出等の間接的手段によって監視しており、特許文献1においては吸気弁の開閉タイミングでの空燃比の変化で吸気弁の異常を検知し、特許文献2においては燃料の供給、遮断の制御及び排気ガス状態の検出によって排気弁、吸気弁の機能劣化を判定し、特許文献3においては排気弁の開閉時期検出スイッチからの開閉時期信号とクランク角信号によって排気弁の異常を検知している。
かかる間接的手段によるエンジン構成部品の劣化度監視は、いずれもエンジン運転中におけるクランク角毎等の瞬時的な検出信号に基づき、吸気弁の開閉タイミングでの空燃比の変化(特許文献1)、燃料の供給、遮断の制御及び排気ガス状態の検出(特許文献2)、排気弁の開閉時期検出スイッチからの開閉時期信号とクランク角信号(特許文献3)のように、エンジン構成部品の劣化度を瞬時的な検出データに基づき判定している。
しかしながら、このような瞬時的な検出データに基づくエンジン構成部品の劣化度判定では、エンジンの定期点検のピッチ期間という長期的観点では問題のない事項であっても、瞬時的な検出データに基づく判定では、瞬時的に劣化度が許容値を超えて不具合の判定結果が出たことにより、不要な点検あるいはエンジン停止を強いられることがあり、このような事態が発生すると、エンジンプラントのメインテナンス性及び稼動効率が大きく低下する。
しかしながら、このような瞬時的な検出データに基づくエンジン構成部品の劣化度判定では、エンジンの定期点検のピッチ期間という長期的観点では問題のない事項であっても、瞬時的な検出データに基づく判定では、瞬時的に劣化度が許容値を超えて不具合の判定結果が出たことにより、不要な点検あるいはエンジン停止を強いられることがあり、このような事態が発生すると、エンジンプラントのメインテナンス性及び稼動効率が大きく低下する。
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、エンジン構成部品の経時的な劣化度を精度良く検知することにより劣化度の検知精度を上昇して、エンジンプラントのメインテナンス性及び稼動効率を向上可能としたエンジン構成部品の劣化度診断システムを提供することを目的とする。
本発明はかかる課題を解決するもので、具体的には次のように構成する。
(1)劣化度合いの大きいエンジン構成部品の劣化度を診断し検知するエンジン構成部品の劣化度診断システムであって、前記エンジンの筒内圧力を検出する筒内圧力検出器と、該筒内圧力検出器から入力される筒内圧力の検出値に基づき圧縮圧力及び該圧縮圧力の時間変化率を算出し、該圧縮圧力時間変化率の算出値が予め設定された許容圧縮圧力時間変化率以下となったときピストンリングあるいは排気弁及び吸気弁を含むバルブのいずれかまたは双方に異常発生の判定を行う劣化度診断装置をそなえたことを特徴とする。
好ましくは前記構成に加えて次のように構成する。
即ち、前記エンジンの排気温度を検出する排気温度検出器をそなえ、前記劣化度診断装置は、該排気温度検出器から入力される排気温度の検出値に基づき排気温度の時間変化率を算出し、前記圧縮圧力時間変化率の算出値が予め設定された許容圧縮圧力時間変化率以下であるとき、前記排気温度時間変化率の算出値が予め設定された許容排気温度時間変化率以下となったときには前記バルブに異常発生の判定を行い、前記排気温度時間変化率の算出値が前記許容排気温度時間変化率を超えたときには前記ピストンリングに異常発生の判定を行うように構成される。
(1)劣化度合いの大きいエンジン構成部品の劣化度を診断し検知するエンジン構成部品の劣化度診断システムであって、前記エンジンの筒内圧力を検出する筒内圧力検出器と、該筒内圧力検出器から入力される筒内圧力の検出値に基づき圧縮圧力及び該圧縮圧力の時間変化率を算出し、該圧縮圧力時間変化率の算出値が予め設定された許容圧縮圧力時間変化率以下となったときピストンリングあるいは排気弁及び吸気弁を含むバルブのいずれかまたは双方に異常発生の判定を行う劣化度診断装置をそなえたことを特徴とする。
好ましくは前記構成に加えて次のように構成する。
即ち、前記エンジンの排気温度を検出する排気温度検出器をそなえ、前記劣化度診断装置は、該排気温度検出器から入力される排気温度の検出値に基づき排気温度の時間変化率を算出し、前記圧縮圧力時間変化率の算出値が予め設定された許容圧縮圧力時間変化率以下であるとき、前記排気温度時間変化率の算出値が予め設定された許容排気温度時間変化率以下となったときには前記バルブに異常発生の判定を行い、前記排気温度時間変化率の算出値が前記許容排気温度時間変化率を超えたときには前記ピストンリングに異常発生の判定を行うように構成される。
(2)前記劣化度診断装置は、前記圧縮圧力時間変化率及び排気温度時間変化率をエンジンの全シリンダの平均値で算出するように構成される。
(3)前記エンジンのクランク室圧力を検出するクランク室圧力検出器をそなえ、前記劣化度診断装置は、該クランク室圧力検出器から入力されるクランク室圧力の検出値に基づきクランク室圧力の時間変化率を算出し、前記圧縮圧力時間変化率の算出値が予め設定された許容圧縮圧力時間変化率以下であるとき、前記クランク室圧力時間変化率の算出値が予め設定された許容クランク室圧力時間変化率以下となったときには前記ピストンリングに異常発生の判定を行い、前記クランク室圧力時間変化率の算出値が前記許容クランク室圧力時間時間変化率を超えているときには前記バルブに異常発生の判定を行うように構成される。
(4)前記劣化度診断システムにおいて、前記エンジンの筒内圧力を検出する筒内圧力検出器と、該筒内圧力検出器から入力される筒内圧力の検出値に基づき圧縮圧力及び該圧縮圧力の時間積分値を算出し、該圧縮圧力時間積分値の算出値が予め設定された許容圧縮圧力時間積分値以下となったときピストンリングあるいは排気弁及び吸気弁を含むバルブのいずれかまたは双方に異常発生の判定を行う劣化度診断装置をそなえたことを特徴とする。
好ましくは前記構成に加えて次のように構成する。
即ち、前記エンジンの排気温度を検出する排気温度検出器をそなえ、前記劣化度診断装置は、該排気温度検出器から入力される排気温度の検出値に基づき排気温度の時間積分値を算出し、前記圧縮圧力の時間積分値の算出値が予め設定された許容圧縮圧力時間積分値以下であるとき、前記排気温度時間積分値の算出値が予め設定された許容排気温度時間積分値以下となったときには前記バルブに異常発生の判定を行い、前記排気温度時間積分値の算出値が前記許容排気温度時間積分値を超えたときには前記ピストンリングに異常発生の判定を行うように構成される。
好ましくは前記構成に加えて次のように構成する。
即ち、前記エンジンの排気温度を検出する排気温度検出器をそなえ、前記劣化度診断装置は、該排気温度検出器から入力される排気温度の検出値に基づき排気温度の時間積分値を算出し、前記圧縮圧力の時間積分値の算出値が予め設定された許容圧縮圧力時間積分値以下であるとき、前記排気温度時間積分値の算出値が予め設定された許容排気温度時間積分値以下となったときには前記バルブに異常発生の判定を行い、前記排気温度時間積分値の算出値が前記許容排気温度時間積分値を超えたときには前記ピストンリングに異常発生の判定を行うように構成される。
(5)前記劣化度診断システムにおいて、前記エンジンの筒内圧力をシリンダ毎に検出するシリンダ数と同数の筒内圧力検出器と、各筒内圧力検出器から入力される筒内圧力の検出値に基づきシリンダ毎の圧縮圧力及び該圧縮圧力の時間変化率を算出し、各シリンダの圧縮圧力時間変化率算出値とシリンダ間の平均値との圧縮圧力気筒間偏差を算出し、該圧縮圧力気筒間偏差の算出値が予め設定された気筒間偏差のしきい値以下となったときピストンリングあるいは排気弁及び吸気弁を含むバルブのいずれかまたは双方に異常発生の判定(識別)を行う劣化度診断装置をそなえたことを特徴とする。
好ましくは前記構成に加えて次のように構成する。
即ち、前記エンジンの排気温度をシリンダ毎に検出する排気温度検出器をそなえ、前記劣化度診断装置は、各排気温度検出器から入力される排気温度の検出値に基づき各シリンダの排気温度の時間変化率とシリンダ間の平均値との排気温度気筒間偏差を算出し、該排気温度気筒間偏差の算出値が予め設定された気筒間偏差のしきい値以下であるとき、前記バルブに異常発生の判定を行い、前記気筒間偏差の算出値が予め設定された気筒間偏差のしきい値を超えているときには前記ピストンリングに異常発生の判定を行うように構成される。
好ましくは前記構成に加えて次のように構成する。
即ち、前記エンジンの排気温度をシリンダ毎に検出する排気温度検出器をそなえ、前記劣化度診断装置は、各排気温度検出器から入力される排気温度の検出値に基づき各シリンダの排気温度の時間変化率とシリンダ間の平均値との排気温度気筒間偏差を算出し、該排気温度気筒間偏差の算出値が予め設定された気筒間偏差のしきい値以下であるとき、前記バルブに異常発生の判定を行い、前記気筒間偏差の算出値が予め設定された気筒間偏差のしきい値を超えているときには前記ピストンリングに異常発生の判定を行うように構成される。
本発明は、ピストンリングの磨耗、焼き付き等の不具合、及び排気弁及び吸気弁を含むバルブの磨耗や焼き付きによる燃焼室内ガスの漏洩(吹き抜け)等の不具合を、エンジンの燃焼の影響を受けない圧縮圧力、あるいはエンジンの燃焼の影響を受ける排気温度、あるいは燃焼室内からのガス漏れの影響を大きく受けるクランク室内圧力を検出して劣化度診断装置に入力し、該劣化度診断装置において、前記圧縮圧力の検出値、排気温度の検出値、及びクランク室内圧力の検出値と、これらの許容値と対比することによりピストンリングの磨耗、焼き付き等の不具合、及び排気弁及び吸気弁を含むバルブの磨耗や焼き付きを識別検知するようにしたことを特徴とするものである。
即ち、本発明においては、エンジンの燃焼の影響を受けない圧縮圧力の時間変化率の検出値と許容圧縮圧力時間変化率との圧縮圧力偏差がしきい値以下に低下したときには、ピストンリングあるいはバルブのいずれかまたは双方に異常の発生があるものと判定し、さらに、前記圧縮圧力による判定に異常の発生ありの判定となったときに、エンジンの燃焼の影響を受ける排気温度について判定し、排気温度時間変化率の検出値と許容排気温度時間変化率との排気温度偏差がしきい値以下に低下したときには、燃焼ガスのガス漏れの影響を多く受けるバルブに異常の発生ありの判定をし、前記排気温度偏差がしきい値を超えているときにはピストンリングのみに異常の発生ありの判定を行うことによって、圧縮圧力の時間変化率と排気温度の時間変化率とを段階的にそれぞれのしきい値と対比することが可能となって、ピストンリングあるいはバルブの不具合の発生を、個別に容易に識別検知することができる。
また、本発明においては、前記圧縮圧力による判定に異常の発生ありの判定となったときに、クランク室圧力の時間変化率について判定し、クランク室圧力の時間変化率の検出値と許容クランク室圧力時間変化率とのクランク室圧力偏差がしきい値以下に低下したときには、クランク室へのガス漏れの原因となるピストンリングに異常の発生ありの判定を行い、前記クランク室圧力偏差がしきい値を超えたときにはピストンリングに異常の発生が無く、バルブに異常の発生があるものと判定することによって、クランク室圧力の時間変化率を検出するのみで、ピストンリングの不具合を容易に識別検知できる。
また、本発明において、圧縮圧力時間積分値及び排気温度の時間積分値を検出して、数十回、数百回のピッチで圧縮圧力の変化及び排気温度の変化を許容値と対比してピストンリングあるいはバルブの異常の有無を判定するようにすれば、圧縮圧力変化及び排気温度変化の瞬時値を判定する場合よりも簡単な装置で以って、ピストンリングあるいはバルブの異常の有無を判定できる。
また、本発明において、圧縮圧力の時間変化率及び排気温度の時間変化率の気筒間偏差を算出し、該気筒間偏差がしきい値以下に低下したときに、ピストンリングあるいはバルブの異常を判定(識別)することによって、前記時間変化率の気筒間の平均値をとることにより外気温度の変化などの煩雑な補正を行うことが不要となり、ピストンリングあるいはバルブの異常判定作業が簡単となる。
従って、本発明によれば、エンジンを停止し分解することなく、エンジン運転中にピストンリング及び排気弁及び吸気弁を含むバルブの摩耗や破損等の不具合を、簡便に且つ精度良く識別検知することが可能となり、定期的なメインテナンス期間中におけるピストンリング及びバルブの摩耗や破損等の不具合をエンジン停止を余儀なくされるような事故に至る前に検知することができて、エンジンのメインテナンス性及びエンジンプラントの稼動効率を向上できる。
また、本発明によれば、前記圧縮圧力、排気温度、及びクランク室内圧力を、前記特許文献1、特許文献2、特許文献3等の従来技術のようにエンジンサイクル中の瞬時値で判定するのではなく、圧縮圧力、排気温度、及びクランク室内圧力の経時的な変化(時間変化)を検出し、該時間変化の許容値と対比してピストンリング及びバルブの摩耗や破損等の不具合の有無を判定するので、前記従来技術のようにエンジンの稼動上問題のない事項であっても瞬時的な検出データに基づく判定によって瞬時的に前記部品の劣化度が許容値を超えて摩耗や破損等の不具合の判定が出される可能性が皆無となって、ピストンリング及びバルブの経時的な劣化の実態に即した不具合の有無の判定が可能となり、この面からもエンジンのメインテナンス性及びエンジンプラントの稼動効率の向上が可能となる。
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図6は本発明の実施例に係る4サイクルディーゼルエンジンにおけるエンジン構成部品の劣化度診断システムの全体構成図である。
図6において、100はエンジン(4サイクルエンジン)、1aはエンジン100のシリンダ1内に形成された燃焼室、2はピストン、3はクランク軸である。
4は各シリンダヘッドに形成された吸気ポート、5は各吸気ポート4を開閉する吸気弁、12は前記各吸気ポート6への吸気が集合する吸気マニホールド、6は各シリンダヘッドに形成された排気ポート、7は前記各排気ポート6を開閉する排気弁、11は前記各排気ポート6からの排気ガスが集合する排気マニホールドである。
図6において、100はエンジン(4サイクルエンジン)、1aはエンジン100のシリンダ1内に形成された燃焼室、2はピストン、3はクランク軸である。
4は各シリンダヘッドに形成された吸気ポート、5は各吸気ポート4を開閉する吸気弁、12は前記各吸気ポート6への吸気が集合する吸気マニホールド、6は各シリンダヘッドに形成された排気ポート、7は前記各排気ポート6を開閉する排気弁、11は前記各排気ポート6からの排気ガスが集合する排気マニホールドである。
10は過給機で、前記排気マニホールド11及び排気管30を通った排気ガスにより駆動されるタービン10a、及び該タービン10aにより直結駆動されて前記吸気マニホールド12側に吸気を圧送するコンプレッサ10bをそなえている。
前記過給機10のコンプレッサ10bによって圧送された給気は、吸気管31に入り、給気冷却器22で冷却された後、吸気マニホールド12及び吸気ポート6を経て、吸気弁5の開弁により燃焼室1a内に供給され、燃焼に供される。
そして、前記各燃焼室1aでの着火燃焼後の排気ガスは、排気弁7の開弁により排気ポート6を通って排気マニホールド11に溜められてから、排気管30を通って過給機10に送り込まれ、該過給機10のタービン10aを駆動する。
前記過給機10のコンプレッサ10bによって圧送された給気は、吸気管31に入り、給気冷却器22で冷却された後、吸気マニホールド12及び吸気ポート6を経て、吸気弁5の開弁により燃焼室1a内に供給され、燃焼に供される。
そして、前記各燃焼室1aでの着火燃焼後の排気ガスは、排気弁7の開弁により排気ポート6を通って排気マニホールド11に溜められてから、排気管30を通って過給機10に送り込まれ、該過給機10のタービン10aを駆動する。
前記ピストン2に嵌挿されたピストンリング2a及び吸気弁5、排気弁7等のバルブの劣化度を診断する劣化度診断装置は符号25で示され、該劣化度診断装置25には、前記エンジン100の負荷を検出する負荷検出器24からエンジン負荷の検出値、前記エンジン100のエンジン回転数を検出するエンジン回転数検出器18からエンジン回転数の検出値、前記エンジン100の燃焼室1a内の圧力即ち筒内圧力を検出する筒内圧力センサ19から筒内圧力の検出値、エンジン100の排気マニホールド11における排気温度を検出する排気温度センサ17から排気温度の検出値、エンジン100のクランク室23内におけるクランク室内圧力を検出するクランク室内圧力センサ20からクランク室内圧力の検出値が、それぞれ入力される。尚、前記排気温度センサ17は、各シリンダ出口の排気通路に取り付けても良い。
そして、前記劣化度診断装置25において、前記各検出値に基づき判定された前記バルブ及びピストンリング2aの劣化度の診断結果は、該劣化度診断装置25に接続された表示装置26及び警報装置27に出力されるようになっている。
そして、前記劣化度診断装置25において、前記各検出値に基づき判定された前記バルブ及びピストンリング2aの劣化度の診断結果は、該劣化度診断装置25に接続された表示装置26及び警報装置27に出力されるようになっている。
次に図1〜図4に示される劣化度診断装置のフローチャートに基づき、ピストンリング2a及びバルブ(吸気弁5、排気弁7)の劣化度診断要領について説明する。
図1は、前記劣化度診断装置5による劣化度診断の第1実施例を示すフローチャートである。図1において、当該エンジン100の健全状態での筒内圧力を筒内圧力センサ19で検出し、この健全状態での筒内圧力検出値に基づき筒内圧力の圧縮圧力(圧縮行程終了時の圧力)の経時的変化度合い即ち圧縮圧力の時間変化率を実験結果あるいはシミュレーション計算結果で算出して許容圧縮圧力時間変化率Pc0として記録(記憶)しておく(ステップ(1))。
また、当該エンジン100の健全状態での排気温度を排気温度センサ17で検出し、この健全状態での排気温度検出値に基づき、排気温度の経時的変化度合い即ち排気温度の時間変化率を実験結果あるいはシミュレーション計算結果で算出して、図5に示す許容排気温度時間変化率T0として記録(記憶)しておく(ステップ(2))。
また、当該エンジン100の健全状態での排気温度を排気温度センサ17で検出し、この健全状態での排気温度検出値に基づき、排気温度の経時的変化度合い即ち排気温度の時間変化率を実験結果あるいはシミュレーション計算結果で算出して、図5に示す許容排気温度時間変化率T0として記録(記憶)しておく(ステップ(2))。
当該エンジン100の筒内圧力を運転開始時より若しくはメイテナンス期間中、筒内圧力センサ19で経時的に検出し、この検出値に基づき、図5に示す圧縮圧力及び該圧縮圧力の時間変化率Pcを算出する(ステップ(3))。
前記圧縮圧力の時間変化率Pcと前記許容圧縮圧力時間変化率Pc0との圧縮圧力時間変化率偏差ΔPcを算出する(ステップ(5))。
次いで、前記圧縮圧力時間変化率偏差ΔPcをこれの摩耗や破損等の不具合判定のしきい値ΔPc0と比較し、前記圧縮圧力時間変化率偏差の検出値ΔPcが前記しきい値ΔPc0よりも低下している、つまり圧縮圧力時間変化率偏差ΔPcが前記しきい値ΔPc0よりも下方に拡大して圧縮圧力時間変化率Pcの低下度合いが許容値よりも大きくなっているときには、ピストンリング2aあるいは排気弁7及び吸気弁5を含むバルブのいずれかまたは双方に摩耗や破損等の不具合(異常)が発生しているものと判定する。摩耗や破損等の不具合(異常)の発生なし、の判定の場合は筒内圧力計測に戻る(ステップ(6))。
前記圧縮圧力の時間変化率Pcと前記許容圧縮圧力時間変化率Pc0との圧縮圧力時間変化率偏差ΔPcを算出する(ステップ(5))。
次いで、前記圧縮圧力時間変化率偏差ΔPcをこれの摩耗や破損等の不具合判定のしきい値ΔPc0と比較し、前記圧縮圧力時間変化率偏差の検出値ΔPcが前記しきい値ΔPc0よりも低下している、つまり圧縮圧力時間変化率偏差ΔPcが前記しきい値ΔPc0よりも下方に拡大して圧縮圧力時間変化率Pcの低下度合いが許容値よりも大きくなっているときには、ピストンリング2aあるいは排気弁7及び吸気弁5を含むバルブのいずれかまたは双方に摩耗や破損等の不具合(異常)が発生しているものと判定する。摩耗や破損等の不具合(異常)の発生なし、の判定の場合は筒内圧力計測に戻る(ステップ(6))。
次いで、当該エンジン100の排気温度を排気温度センサ17で経時的に検出し、この検出値に基づき、図5に示す排気温度及び該排気温度の時間変化率Tを算出する(ステップ(4))。
前記排気温度の時間変化率Tと前記許容圧縮圧力時間変化率T0との排気温度時間変化率偏差ΔTを算出する(ステップ(7))。
次いで、前記排気温度時間変化率偏差ΔTをこれの摩耗や破損等の不具合判定のしきい値ΔT0と比較し(ステップ(8))、前記排気温度時間変化率偏差の検出値ΔTが前記しきい値ΔT0よりも低下している、つまり排気温度時間変化率偏差ΔTが前記しきい値ΔT0よりも下方に拡大して排気温度時間変化率Tの低下度合いが許容値よりも大きくなっているときには、排気弁7及び吸気弁5を含むバルブに摩耗や破損等の不具合(異常)が発生しているものと判定する(ステップ(10))。
前記排気温度時間変化率偏差の検出値ΔTが前記しきい値ΔT0を超えている、つまり排気温度時間変化率偏差ΔTが前記しきい値ΔT0に達していないときには、前記バルブに摩耗や破損等の不具合(異常)の発生はなく、従ってピストンリング2aに摩耗や破損等の不具合(異常)が発生しているものと判定する(ステップ(9))。
前記排気温度の時間変化率Tと前記許容圧縮圧力時間変化率T0との排気温度時間変化率偏差ΔTを算出する(ステップ(7))。
次いで、前記排気温度時間変化率偏差ΔTをこれの摩耗や破損等の不具合判定のしきい値ΔT0と比較し(ステップ(8))、前記排気温度時間変化率偏差の検出値ΔTが前記しきい値ΔT0よりも低下している、つまり排気温度時間変化率偏差ΔTが前記しきい値ΔT0よりも下方に拡大して排気温度時間変化率Tの低下度合いが許容値よりも大きくなっているときには、排気弁7及び吸気弁5を含むバルブに摩耗や破損等の不具合(異常)が発生しているものと判定する(ステップ(10))。
前記排気温度時間変化率偏差の検出値ΔTが前記しきい値ΔT0を超えている、つまり排気温度時間変化率偏差ΔTが前記しきい値ΔT0に達していないときには、前記バルブに摩耗や破損等の不具合(異常)の発生はなく、従ってピストンリング2aに摩耗や破損等の不具合(異常)が発生しているものと判定する(ステップ(9))。
かかる第1実施例によれば、エンジン100の燃焼の影響を受けない圧縮圧力の時間変化率の検出値Pcと許容圧縮圧力時間変化率Pc0との圧縮圧力偏差ΔPcがしきい値ΔPc0以下に低下したときには、ピストンリング2aあるいはバルブ5,7のいずれかまたは双方に異常の発生があるものと判定し、さらに、前記圧縮圧力による判定に異常の発生ありの判定となったときに、エンジン100の燃焼の影響を受ける排気温度について判定し、排気温度時間変化率の検出値Tと許容排気温度時間変化率T0との排気温度偏差ΔTがしきい値ΔT0以下に低下したときには、燃焼ガスのガス漏れの影響を多く受けるバルブ5,7に異常の発生ありの判定をし、前記排気温度偏差ΔTがしきい値ΔT0を超えているときにはピストンリング2aのみに異常の発生ありの判定を行うことによって、圧縮圧力の時間変化率Pcと排気温度の時間変化率Tとを段階的にそれぞれのしきい値ΔPc0あるいはΔT0と対比することが可能となって、ピストンリング2aあるいはバルブ5,7の摩耗や破損等の不具合の発生を、個別に容易に検知することができる。
図2は、前記劣化度診断装置5による劣化度診断の第2実施例を示すフローチャートである。図2において、前記第1実施例と同様にして、当該エンジン100の健全状態での許容圧縮圧力を記録(記憶)しておく(ステップ(1))。そしてこの許容圧縮圧力の一定時間毎の時間積分値を算出しておく(ステップ(1a))。
また、前記第1実施例と同様にして、当該エンジン100の健全状態での排気温度を許容排気温度として記録(記憶)しておく(ステップ(2))。そしてこの許容排気温度の一定時間毎の時間積分値を算出しておく(ステップ(2a))。
また、前記第1実施例と同様にして、当該エンジン100の筒内圧力を筒内圧力センサ19で経時的に検出する(ステップ(3))。そしてこの筒内圧力検出値から圧縮圧力の一定時間毎の時間積分値を算出する(ステップ(3a))。
また、前記第1実施例と同様にして、当該エンジン100の健全状態での排気温度を許容排気温度として記録(記憶)しておく(ステップ(2))。そしてこの許容排気温度の一定時間毎の時間積分値を算出しておく(ステップ(2a))。
また、前記第1実施例と同様にして、当該エンジン100の筒内圧力を筒内圧力センサ19で経時的に検出する(ステップ(3))。そしてこの筒内圧力検出値から圧縮圧力の一定時間毎の時間積分値を算出する(ステップ(3a))。
次いで、前記圧縮圧力の時間積分値SPcと前記許容時間積分値SPc0との圧縮圧力時間積分値偏差ΔSPcを算出する(ステップ(5))。
次いで、前記圧縮圧力時間積分値偏差ΔSPcをこれの不具合判定のしきい値ΔSPc0と比較し、前記圧縮圧力時間積分値偏差の検出値ΔSPcが前記しきい値ΔSPc0よりも低下しているときには、ピストンリング2aあるいは排気弁7及び吸気弁5を含むバルブのいずれかに不具合(異常)が発生しているものと判定する。不具合(異常)の発生なし、の判定の場合は筒内圧力計測に戻る(ステップ(6))。
次いで、前記圧縮圧力時間積分値偏差ΔSPcをこれの不具合判定のしきい値ΔSPc0と比較し、前記圧縮圧力時間積分値偏差の検出値ΔSPcが前記しきい値ΔSPc0よりも低下しているときには、ピストンリング2aあるいは排気弁7及び吸気弁5を含むバルブのいずれかに不具合(異常)が発生しているものと判定する。不具合(異常)の発生なし、の判定の場合は筒内圧力計測に戻る(ステップ(6))。
次いで、当該エンジン100の排気温度を排気温度センサ17で経時的に検出し(ステップ(4))、この検出値に基づき、排気温度の一定時間毎の時間積分値を算出する(ステップ(4a))。
そして、前記排気温度の時間積分値STと前記許容排気温度時間積分値ST0との排気温度時間積分値偏差ΔSTを算出する(ステップ(7))。
次いで、前記排気温度時間積分値偏差ΔSTをこれの不具合判定のしきい値ΔST0と比較し(ステップ(8))、前記排気温度時間積分値偏差の検出値ΔSTが前記しきい値ΔST0よりも低下している、つまり排気温度時間積分値偏差ΔSTが前記しきい値ΔST0よりも下方に拡大して排気温度時間積分値の低下度合いが許容値よりも大きくなっているときには、排気弁7及び吸気弁5を含むバルブに不具合(異常)が発生しているものと判定する(ステップ(10))。
前記排気温度時間積分値差の検出値ΔSTが前記しきい値ΔST0を超えている、つまり排気温度時間積分値偏差ΔSTが前記しきい値ΔST0に達していないときには、前記バルブに不具合(異常)の発生はなく、従ってピストンリング2aに不具合(異常)が発生しているものと判定する(ステップ(9))。
そして、前記排気温度の時間積分値STと前記許容排気温度時間積分値ST0との排気温度時間積分値偏差ΔSTを算出する(ステップ(7))。
次いで、前記排気温度時間積分値偏差ΔSTをこれの不具合判定のしきい値ΔST0と比較し(ステップ(8))、前記排気温度時間積分値偏差の検出値ΔSTが前記しきい値ΔST0よりも低下している、つまり排気温度時間積分値偏差ΔSTが前記しきい値ΔST0よりも下方に拡大して排気温度時間積分値の低下度合いが許容値よりも大きくなっているときには、排気弁7及び吸気弁5を含むバルブに不具合(異常)が発生しているものと判定する(ステップ(10))。
前記排気温度時間積分値差の検出値ΔSTが前記しきい値ΔST0を超えている、つまり排気温度時間積分値偏差ΔSTが前記しきい値ΔST0に達していないときには、前記バルブに不具合(異常)の発生はなく、従ってピストンリング2aに不具合(異常)が発生しているものと判定する(ステップ(9))。
かかる第2実施例によれば、圧縮圧力時間積分値SPc及び排気温度の時間積分値STを検出して、数十回、数百回のピッチで圧縮圧力の変化及び排気温度の変化を許容値と対比してピストンリング2aあるいはバルブ5,7の異常の有無を判定するので、圧縮圧力変化及び排気温度変化の瞬時値を判定する場合よりも簡単な装置、手順で以って、ピストンリング2aあるいはバルブ5,7の異常の有無を判定できる。
図3は、前記劣化度診断装置5による劣化度診断の第3実施例を示すフローチャートである。
この第3実施例においては、筒内圧力センサ19からの筒内圧力の検出値に基づき各シリンダの圧縮圧力時間変化率算出値とシリンダ間の平均値との圧縮圧力気筒間偏差を算出し(ステップ(1b)、ステップ(3b))、また、前記排気温度センサ17をシリンダ毎に設置して各シリンダの排気温度の時間変化率とシリンダ間の平均値との排気温度気筒間偏差を算出して(ステップ(4b)、これら圧縮圧力気筒間偏差及び排気温度気筒間偏差を用いて、前記第1実施例と同様な劣化度診断を行っている。
図3において、図1と同一の要素は同一の符号で示す。
この第3実施例においては、筒内圧力センサ19からの筒内圧力の検出値に基づき各シリンダの圧縮圧力時間変化率算出値とシリンダ間の平均値との圧縮圧力気筒間偏差を算出し(ステップ(1b)、ステップ(3b))、また、前記排気温度センサ17をシリンダ毎に設置して各シリンダの排気温度の時間変化率とシリンダ間の平均値との排気温度気筒間偏差を算出して(ステップ(4b)、これら圧縮圧力気筒間偏差及び排気温度気筒間偏差を用いて、前記第1実施例と同様な劣化度診断を行っている。
図3において、図1と同一の要素は同一の符号で示す。
かかる第3実施例によれば、圧縮圧力Pcの時間変化率及び排気温度Tの時間変化率の気筒間偏差を算出し、該気筒間偏差がしきい値以下に低下したときに、ピストンリング2aあるいはバルブ5,7の異常を判定(識別)することによって、前記時間変化率の気筒間の平均値をとることにより、外気温度の変化などの煩雑な補正を行うことが不要となり、ピストンリング2aあるいはバルブ5,7の異常判定(識別)作業が簡単となる。
図4は、前記劣化度診断装置5による劣化度診断の第4実施例を示すフローチャートである。
先ず前記第1実施例と同一ステップで、圧縮圧力時間変化率偏差ΔPcをこれの不具合判定のしきい値ΔPc0と比較し、前記圧縮圧力時間変化率偏差の検出値ΔPcが前記しきい値ΔPc0よりも低下している、つまり圧縮圧力時間変化率偏差ΔPcが前記しきい値ΔPc0よりも下方に拡大して圧縮圧力時間変化率Pcの低下度合いが許容値よりも大きくなっているときには、ピストンリング2aあるいは排気弁7及び吸気弁5を含むバルブのいずれかまたは双方に不具合(異常)が発生しているものと判定する。不具合(異常)の発生なし、の判定の場合は筒内圧力計測に戻る(ステップ(6))。
先ず前記第1実施例と同一ステップで、圧縮圧力時間変化率偏差ΔPcをこれの不具合判定のしきい値ΔPc0と比較し、前記圧縮圧力時間変化率偏差の検出値ΔPcが前記しきい値ΔPc0よりも低下している、つまり圧縮圧力時間変化率偏差ΔPcが前記しきい値ΔPc0よりも下方に拡大して圧縮圧力時間変化率Pcの低下度合いが許容値よりも大きくなっているときには、ピストンリング2aあるいは排気弁7及び吸気弁5を含むバルブのいずれかまたは双方に不具合(異常)が発生しているものと判定する。不具合(異常)の発生なし、の判定の場合は筒内圧力計測に戻る(ステップ(6))。
次いで、当該エンジン100のクランク室23内のクランク室圧力をクランク室圧力センサ20で、健全状態でのクランク室圧力を検出し、この健全状態でのクランク室圧力検出値に基づきクランク室圧力の経時的変化度合い即ちクランク室圧力の時間変化率を実験結果あるいはシミュレーション計算結果で算出して、許容クランク室圧力排気温度時間変化率として記録(記憶)しておく(ステップ(11))。
次いで、当該エンジン100のクランク室圧力をクランク室圧力センサ20で経時的に検出し、この検出値に基づき、クランク室圧力の時間変化率を算出する(ステップ(12))。
前記クランク室圧力の時間変化率と前記許容クランク室圧力時間変化率とのクランク室圧力時間変化率偏差を算出する(ステップ(7))。
次いで、当該エンジン100のクランク室圧力をクランク室圧力センサ20で経時的に検出し、この検出値に基づき、クランク室圧力の時間変化率を算出する(ステップ(12))。
前記クランク室圧力の時間変化率と前記許容クランク室圧力時間変化率とのクランク室圧力時間変化率偏差を算出する(ステップ(7))。
次いで、前記クランク室圧力時間変化率偏差をこれの不具合判定のしきい値と比較し(ステップ(8))、前記クランク室圧力変化率偏差の検出値が前記しきい値よりも低下している、つまりクランク室圧力時間変化率偏差が前記しきい値よりも下方に拡大してクランク室圧力時間変化率の低下度合いが許容値よりも大きくなっているときには、ピストンリング2aに不具合(異常)が発生しているものと判定する(ステップ(9))。
また、前記クランク室圧力時間変化率偏差の検出値が前記しきい値を超えているときには、前記ピストンリング2aに不具合(異常)の発生はなく、従ってバルブに不具合(異常)が発生しているものと判定する(ステップ(10))。
また、前記クランク室圧力時間変化率偏差の検出値が前記しきい値を超えているときには、前記ピストンリング2aに不具合(異常)の発生はなく、従ってバルブに不具合(異常)が発生しているものと判定する(ステップ(10))。
かかる第4実施例によれば、前記圧縮圧力による判定に異常の発生ありの判定となったときに、クランク室圧力の時間変化率について判定し、該クランク室圧力の時間変化率の検出値と許容クランク室圧力時間変化率とのクランク室圧力偏差がしきい値以下に低下したときには、クランク室23へのガス漏れの原因となるピストンリング2aに異常の発生ありの判定を行い、前記クランク室圧力偏差がしきい値を超えたときにはピストンリング2aに異常の発生が無く、バルブ5,7に異常の発生があるものと判定することによって、クランク室圧力の時間変化率を検出するのみで、ピストンリング2aか、バルブ5,7いずれかの不具合なのかを容易に検知できる。
本発明によれば、エンジン構成部品の経時的な劣化度を精度良く検知することにより劣化度の検知精度を上昇して、エンジンプラントのメインテナンス性及び稼動効率を向上可能としたエンジン構成部品の劣化度診断システムを提供できる。
尚、本発明によればピストンリング2aか、バルブ5,7いずれかの不具合検知のみならず、連接棒のホワイトメタルの摩耗かの判定も可能である。
尚、本発明によればピストンリング2aか、バルブ5,7いずれかの不具合検知のみならず、連接棒のホワイトメタルの摩耗かの判定も可能である。
1 シリンダ
1a 燃焼室
2 ピストン
2a ピストンリング
3 クランク軸
4 吸気ポート
5 吸気弁
6 排気ポート
7 排気弁
10 過給機
17 排気温度センサ
18 エンジン回転数検出器
19 筒内圧力センサ
20 クランク室圧力センサ
23 クランク室
24 負荷検出器
25 劣化度診断装置
26 表示装置
27 警報装置
100 エンジン
1a 燃焼室
2 ピストン
2a ピストンリング
3 クランク軸
4 吸気ポート
5 吸気弁
6 排気ポート
7 排気弁
10 過給機
17 排気温度センサ
18 エンジン回転数検出器
19 筒内圧力センサ
20 クランク室圧力センサ
23 クランク室
24 負荷検出器
25 劣化度診断装置
26 表示装置
27 警報装置
100 エンジン
Claims (8)
- 劣化度合いの大きいエンジン構成部品の劣化度を診断し検知するエンジン構成部品の劣化度診断システムであって、前記エンジンの筒内圧力を検出する筒内圧力検出器と、該筒内圧力検出器から入力される筒内圧力の検出値に基づき圧縮圧力及び該圧縮圧力の時間変化率を算出し、該圧縮圧力時間変化率の算出値が予め設定された許容圧縮圧力時間変化率以下となったときピストンリングあるいは排気弁及び吸気弁を含むバルブのいずれかまたは双方に異常発生の判定を行う劣化度診断装置をそなえたことを特徴とするエンジン構成部品の劣化度診断システム。
- 前記エンジンの排気温度を検出する排気温度検出器をそなえ、前記劣化度診断装置は、該排気温度検出器から入力される排気温度の検出値に基づき排気温度の時間変化率を算出し、前記圧縮圧力時間変化率の算出値が予め設定された許容圧縮圧力時間変化率以下であるとき、前記排気温度時間変化率の算出値が予め設定された許容排気温度時間変化率以下となったときには前記バルブに異常発生の判定を行い、前記排気温度時間変化率の算出値が前記許容排気温度時間変化率を超えたときには前記ピストンリングに異常発生の判定を行うように構成されたことを特徴とする請求項1記載のエンジン構成部品の劣化度診断システム。
- 前記劣化度診断装置は、前記圧縮圧力時間変化率及び排気温度時間変化率をエンジンの全シリンダの平均値で算出するように構成されたことを特徴とする請求項1または2記載のエンジン構成部品の劣化度診断システム。
- 前記エンジンのクランク室圧力を検出するクランク室圧力検出器をそなえ、前記劣化度診断装置は、該クランク室圧力検出器から入力されるクランク室圧力の検出値に基づきクランク室圧力の時間変化率を算出し、前記圧縮圧力時間変化率の算出値が予め設定された許容圧縮圧力時間変化率以下であるとき、前記クランク室圧力時間変化率の算出値が予め設定された許容クランク室圧力時間変化率以下となったときには前記ピストンリングに異常発生の判定を行い、前記クランク室圧力時間変化率の算出値が前記許容クランク室圧力時間変化率を超えているときには前記バルブに異常発生の判定を行うように構成されたことを特徴とする請求項1記載のエンジン構成部品の劣化度診断システム。
- 劣化度合いの大きいエンジン構成部品の劣化度を診断し検知するエンジン構成部品の劣化度診断システムであって、前記エンジンの筒内圧力を検出する筒内圧力検出器と、該筒内圧力検出器から入力される筒内圧力の検出値に基づき圧縮圧力及び該圧縮圧力の時間積分値を算出し、該圧縮圧力時間積分値の算出値が予め設定された許容圧縮圧力時間積分値以下となったときピストンリングあるいは排気弁及び吸気弁を含むバルブのいずれかまたは双方に異常発生の判定を行う劣化度診断装置をそなえたことを特徴とするエンジン構成部品の劣化度診断システム。
- 前記エンジンの排気温度を検出する排気温度検出器をそなえ、前記劣化度診断装置は、該排気温度検出器から入力される排気温度の検出値に基づき排気温度の時間積分値を算出し、前記圧縮圧力の時間積分値の算出値が予め設定された許容圧縮圧力時間積分値以下であるとき、前記排気温度時間積分値の算出値が予め設定された許容排気温度時間積分値以下となったときには前記バルブに異常発生の判定を行い、前記排気温度時間積分値の算出値が前記許容排気温度時間積分値を超えたときには前記ピストンリングに異常発生の判定を行うように構成されたことを特徴とする請求項5記載のエンジン構成部品の劣化度診断システム。
- 劣化度合いの大きいエンジン構成部品の劣化度を診断し検知するエンジン構成部品の劣化度診断システムであって、前記エンジンの筒内圧力をシリンダ毎に検出するシリンダ数と同数の筒内圧力検出器と、各筒内圧力検出器から入力される筒内圧力の検出値に基づきシリンダ毎の圧縮圧力及び該圧縮圧力の時間変化率を算出し、各シリンダの圧縮圧力時間変化率算出値とシリンダ間の平均値との圧縮圧力気筒間偏差を算出し、該圧縮圧力気筒間偏差の算出値が予め設定された気筒間偏差のしきい値以下となったときピストンリングあるいは排気弁及び吸気弁を含むバルブのいずれかまたは双方に異常発生の判定を行う劣化度診断装置をそなえたことを特徴とするエンジン構成部品の劣化度診断システム。
- 前記エンジンの排気温度をシリンダ毎に検出する排気温度検出器をそなえ、前記劣化度診断装置は、各排気温度検出器から入力される排気温度の検出値に基づき各シリンダの排気温度の時間変化率とシリンダ間の平均値との排気温度気筒間偏差を算出し、該排気温度気筒間偏差の算出値が予め設定された気筒間偏差のしきい値以下であるとき、前記バルブに異常発生の判定を行い、前記気筒間偏差の算出値が予め設定された気筒間偏差のしきい値を超えているときには前記ピストンリングに異常発生の判定を行うように構成されたことを特徴とする請求項7記載のエンジン構成部品の劣化度診断システム。
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- 2007-02-23 JP JP2007044752A patent/JP2008208751A/ja not_active Withdrawn
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