JP2008207664A - ブレーキ制御装置及びブレーキ制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】リザーバの大型化を伴うことなく、作動流体の貯留量の減少の原因を推定して適切な制御を実施する。
【解決手段】ブレーキ制御装置20において、ブレーキECU70はリザーバ34内に配置されたレベルスイッチがMIN値を下回ったことを検出した場合、アキュムレータ35の蓄圧機能を損なわない範囲でブレーキフルードをリザーバ34に環流させる。この環流により貯留量が増加してレベルスイッチがMIN値を下回ることを回避できれば、貯留量の低下がブレーキフルードの流路系の失陥が起因するものではないと判定を行う。一方、環流させても貯留量が増加せずレベルスイッチがMIN値を下回ることが継続した場合、貯留量の低下がブレーキフルードの流路系の失陥が起因するものであると判定を行う。また、ブレーキフルードの環流により貯留量の減少原因を推定するので、余分なブレーキフルードを使うことなくリザーバ34の小型化ができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ブレーキ制御装置及びブレーキ制御方法、特に、ブレーキ制御に用いる作動流体を貯留するリザーバにおける作動流体の貯留量の管理に関する。
従来から、車両に設けられた車輪に制動力を付与するための液圧制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この装置は、複数の車輪それぞれに設けられたホイールシリンダの増圧用あるいは減圧用に用いられる複数対の電磁制御弁を含むアクチュエータと、このアクチュエータを制御する電子制御ユニットとを備えている。この装置によれば、運転者によるブレーキペダルの操作量は、センサ等により測定され電気信号に変換されて電子制御ユニットに供される。そして電子制御ユニットにより増圧用または減圧用の電磁制御弁が制御され、アキュムレータに所定圧力状態で蓄えられた作動流体が車両の4輪のホイールシリンダに独立かつ最適に提供され制動力が制御される。このように運転者による操作入力を電気信号に置き換えて、蓄圧源から作動流体を提供することにより制動力を制御することは、一般にブレーキバイワイヤと称されている。
上述のアキュムレータは、リザーバに貯留された作動流体を電動ポンプなどで適宜汲み上げて、アキュムレータ内に押し込むことにより所定範囲の圧力エネルギを蓄圧する。そして、制動要求に応じて高圧状態の作動流体を送出してホイールシリンダを駆動している。一方、ブレーキバイワイヤに不具合が生じて所定圧力の作動流体をホイールシリンダに提供できない場合、リザーバからマスタシリンダへ供給されている作動流体を運転者のブレーキペダルの操作力により送出してホイールシリンダを駆動している。なお、ホイールシリンダに供給された作動流体は、制動動作終了後リザーバに戻され貯留され、次の利用に備えられる。
このように、アキュムレータを利用する場合もマスタシリンダを利用する場合もリザーバから十分な量の作動流体が供給される必要がある。特にアキュムレータの場合、実際の制動操作より多い複数回の制動動作を可能にするような作動流体を蓄圧するため実際に使用する量より多い作動流体をリザーバに貯留しておく必要がある。
特開2005−35471号公報
通常、リザーバは、アキュムレータにより常に十分な圧力の作動流体を提供できるようにするために、貯留量のミニマム(MIN)値が設定されている。ところで、作動流体の流路に失陥が生じ作動流体が流路系外に出てしまうとリザーバの貯留量がMIN値を下回ってしまう。この場合、ブレーキ制動装置は、アキュムレータを所定の圧力範囲に維持できない虞があると判断して、アキュムレータを利用する制御を中止してマスタシリンダを利用する制御に切り替える。これは、フェイルセーフの考え方に基づく制御である。
ところが、作動流体は、周囲温度が低下すると体積が収縮する。たとえば、アキュムレータが正常な動作時に作動流体を最大量吸い込んだときに、作動流体の体積収縮が生じると、上述したような作動流体の漏れなどの失陥が生じていないにも拘わらず、リザーバの貯留量がMIN値を下回り失陥が生じたと判断されてしまう場合がある。この場合、制御モードはマスターシリンダを用いる制御に変わってしまう。また、制動装置としてディスクブレーキを用いている場合、一対のブレーキパッドでディスクロータを挟持することにより制動力を発生するが、制動操作を繰り返すことによりブレーキパッドが摩耗する。ブレーキパッドが摩耗した場合、ホイールシリンダのストロークが伸びることにより制御力が維持されるが、その反面、ストロークが延びるためホイールシリンダ内に滞留する作動流体の量が増加する。つまり、リザーバへ戻る作動流体量が低下してリザーバの貯留量が減少する。その結果、作動流体の漏れなどの失陥が生じていないにも拘わらず、失陥が生じたと判断され制御モードがマスターシリンダを用いる制御に変わってしまう。
マスターシリンダを用いた制動は、制動力確保を優先させた制御であり、アキュムレータを用いた場合に可能なABS制御などの詳細な制動力制御は行えない。したがって、作動流体の漏れなどの失陥が発生していない場合には、マスターシリンダを用いた制御に移行することは好ましくない。
従来、リザーバの貯留量がMIN値を下回ったことを検出センサのON/OFFによって検出している。そのため、前述した温度低下による作動流体の体積収縮やブレーキパッドの摩耗による滞留作動流体の増加によって貯留量が減少したのか、失陥が生じて貯留量が減少したのかを正確に検出することができなかった。また、従来は、前述したような不必要な制御の移行を防止するために、温度低下による作動流体の体積収縮やブレーキパッドの摩耗による滞留作動流体の増加を考慮して余分な作動流体をリザーバに入れていた。しかしこの場合、リザーバが大型化してしまうという二次的な問題も生じていた。
そこで、本発明は、リザーバの大型化を伴うことなく、リザーバにおける作動流体の貯留量の減少の原因を推定して適切な制御を実施できるブレーキ制御装置及びブレーキ制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のブレーキ制御装置は、運転者によるブレーキ操作部材への操作量に応じて作動流体を加圧して送出するマスタシリンダと、作動流体をポンプにより圧送して所定範囲の圧力にして蓄える蓄圧器と、前記作動流体の供給を受けて車輪に制動力を発生させるホイールシリンダと、前記マスタシリンダ及び前記蓄圧器に作動流体を供給すると共に、前記ホイールシリンダから環流される作動流体を回収して貯留するリザーバと、前記ホイールシリンダに対して前記蓄圧器により作動流体を提供する第1モードから前記マスタシリンダにより作動流体を提供する第2モードにモード状態を切り替えるモード切替手段と、前記第1モードから前記第2モードへモード状態を切り替えるべきか否かを判定する切替判定手段と、を含むブレーキ制御装置であって、前記切替判定手段は、前記リザーバ内に貯留された作動流体の貯留量が所定量以下になったことを検出する流体量検出手段と、前記流体量検出手段により前記作動流体の貯留量が所定量以下になったことが検出されたときに、前記第1モードが実行できる量の作動流体を前記蓄圧器に残し、それ以外の作動流体を前記リザーバに環流させる環流制御手段と、前記環流制御手段により作動流体を環流させた後、前記流体量検出手段の検出結果が前記所定量以下を示す状態から変化しない場合、前記リザーバの作動流体が異常減少して前記第1モードが維持できないと推定する異常推定手段と、を含むことを特徴とする。
この態様によれば、リザーバ内の作動流体の貯留量が所定量以下になったことが検出された場合、第1モードの実行を可能にする作動流体を蓄圧器に残し、その他の作動流体をリザーバに戻す。作動流体の流路系外への漏れがない場合、つまり流路系の失陥がない場合、環流した作動流体によりリザーバの貯留量を流体量検出手段が検出する所定値より多くすることができる。つまり、失陥がない場合、リザーバの貯留量の変化は、たとえば、作動流体の体積変化や流路系における滞留などが原因であると推定できる。この場合、切替判定手段は第1モードから第2モードへモード状態を切り替えるべきではないと判定することができる。つまり、蓄圧器から作動流体を供給する第1モードを継続できることになる。一方、作動流体が流路系外に漏れている場合、つまり、リザーバ内の作動流体が継続的または間欠的に減少する流路系の失陥がある場合、作動流体を環流させてもリザーバの貯留量を所定値より多くすることができない。この場合、切替判定手段は第1モードから第2モードへモード状態を切り替えるべきであると判定することができ、マスタシリンダから作動流体を供給する第2モードにモード状態を切り替えることになる。このように、第1モードが動作可能な状態を維持しつつ蓄圧器から作動流体をリザーバに環流させることにより、作動流体の減少が失陥を伴うものか失陥を伴わないものかを判定することが可能となる。この場合、貯留量の変動を考慮して多めに作動流体を確保しておく必要がなくなり、リザーバの容積を小さくして小型化することができる。
また、上記態様において、前記環流制御手段は、前記作動流体の温度による体積変動量を取得して、前記リザーバに環流させる作動流体の量を決定してもよい。作動流体は温度が低下すると体積が収縮する。したがって、作動流体の温度による体積変動量を考慮してリザーバへ環流する量を決定することにより、蓄圧器内に第1モードが実行できる量の作動流体を正確に残すことができる。その結果、第1モードの動作信頼性を向上することができる。
また、上記態様において、前記環流制御手段は、前記蓄圧器の蓄圧値を取得して、前記リザーバに環流させる作動流体の量を決定するようにしてもよい。蓄圧器には作動流体をポンプで圧送して所定の圧力範囲、たとえば、14〜22MPaになるように制御する。そのため、実際に環流できる作動流体の量は、蓄圧器の圧力状態によって異なる。そこで、蓄圧器の蓄圧値を取得して、リザーバに環流させる作動流体の量を決定することにより、蓄圧器内に第1モードが実行できる量の作動流体を正確に残すことができる。その結果、第1モードの動作信頼性を向上することができる。
また、上記態様において、前記環流制御手段は、前記蓄圧器から前記作動流体を流出させる第1開閉弁を開弁すると共に、前記ホイールシリンダへ前記作動流体を流入させる第2開閉弁を閉弁し、前記第2開閉弁と前記リザーバとの間の第3開閉弁を開弁することにより前記蓄圧器の作動流体を前記リザーバへ環流させてもよい。第1開閉弁、第2開閉弁、第3開閉弁は、第1モードにおいて、作動流体を蓄圧器からホイールシリンダへ供給すると共に、ホイールシリンダからリザーバへ作動流体を戻す場合に使う。この態様においては、蓄圧器からリザーバへの環流流路や開閉弁を新たに設けることなく、既存の開閉弁を利用して蓄圧器からリザーバへの環流制御を行うことが可能になり、ブレーキ制御装置が煩雑になることを防止できる。
また、上記課題を解決するために、本発明のある態様のブレーキ制御方法は、ホイールシリンダに対して蓄圧器により作動流体を提供する第1モードからマスターシリンダにより作動流体を提供する第2モードにモード状態を切り替えるべきか否かを検出するステップと、前記マスターシリンダ及び前記蓄圧器に前記作動流体を提供するリザーバに貯留された作動流体の貯留量が所定量以下になったか否かを検出するステップと、前記リザーバの作動流体の貯留量が所定量以下になったことが検出されたときに、前記第1モードが実行できる量の作動流体を前記蓄圧器に残し、それ以外の作動流体を前記リザーバに環流させるステップと、前記作動流体を前記リザーバに環流させた後、前記リザーバの貯留量の検出結果が前記所定量以下を示す状態から変化しない場合、前記リザーバの作動流体が異常減少して前記第1モードが維持できないと推定するステップと、前記リザーバの作動流体が異常減少したと推定した場合に、モード状態を第1モードから第2モードに切り替えるステップと、を含むことを特徴とする。
この態様によれば、第1モードが動作可能な状態を維持しつつ蓄圧器から作動流体をリザーバに環流させることにより、作動流体の減少が失陥を伴うものか失陥を伴わないものかを判定することが可能となる。この場合、貯留量の変動を考慮して多めに作動流体を確保しておく必要がなくなり、リザーバの容積を小さくして小型化することができる。
本発明によれば、第1モードが動作可能な状態を維持しつつ蓄圧器から作動流体をリザーバに環流させることにより、作動流体の減少が失陥を伴うものか失陥を伴わないものかを判定することが可能となる。また、貯留量の変動を考慮して多めに作動流体を確保しておく必要がなくなり、リザーバの容積を小さくして小型化することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という)について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るブレーキ制御装置20を示す系統図である。同図に示されるブレーキ制御装置20は、車両用の電子制御式ブレーキシステム(ECB)を構成しており、車両に設けられた4つの車輪に付与される制動力を制御する。本実施形態に係るブレーキ制御装置20は、例えば、走行駆動源として内燃機関を備える車両に搭載される。また、走行駆動源として電動モータと内燃機関とを備えるハイブリッド車両に搭載することもできる。
ブレーキ制御装置20は、図1に示されるように、各車輪に対応して設けられたディスクブレーキユニット21FR,21FL、21RRおよび21RLと、マスタシリンダユニット27と、動力液圧源30と、液圧アクチュエータ40とを含む。
ディスクブレーキユニット21FR,21FL、21RRおよび21RLは、車両の右前輪、左前輪、右後輪、および左後輪のそれぞれに制動力を付与する。なお、ディスクブレーキユニット21FR,21FL、21RRおよび21RLを特に区別しない場合には、総称してディスクブレーキユニット21という場合もある。マニュアル液圧源としてのマスタシリンダユニット27は、ブレーキ操作部材としてのブレーキペダル24の運転者による操作量に応じて加圧された作動流体(ブレーキフルード)をディスクブレーキユニット21FR〜21RLに対して送出する。動力液圧源30は、動力の供給により加圧されたブレーキフルードを、運転者によるブレーキペダル24の操作から独立してディスクブレーキユニット21FR〜21RLに対して送出することが可能である。液圧アクチュエータ40は、動力液圧源30またはマスタシリンダユニット27から供給されたブレーキフルードの液圧を適宜調整してディスクブレーキユニット21FR〜21RLに送出する。これにより、液圧制動による各車輪に対する制動力が調整される。
ディスクブレーキユニット21FR〜21RL、マスタシリンダユニット27、動力液圧源30、および液圧アクチュエータ40のそれぞれについて以下で更に詳しく説明する。各ディスクブレーキユニット21FR〜21RLは、それぞれブレーキディスク22とブレーキキャリパに内蔵されたホイールシリンダ23FR〜23RLを含む。そして、各ホイールシリンダ23FR〜23RLは、それぞれ異なる流体通路を介して液圧アクチュエータ40に接続されている。なお以下では適宜、ホイールシリンダ23FR〜23RLを総称して「ホイールシリンダ23」という。
ディスクブレーキユニット21FR〜21RLにおいては、ホイールシリンダ23に液圧アクチュエータ40からブレーキフルードが供給されると、車輪と共に回転するブレーキディスク22に摩擦部材としてのブレーキパッドが押し付けられる。これにより、各車輪に制動力が付与される。なお、本実施形態においてはディスクブレーキユニット21FR〜21RLを用いているが、例えばドラムブレーキ等のホイールシリンダ23を含む他の制動力付与機構を用いてもよい。
マスタシリンダユニット27は、本実施形態では液圧ブースタ付きマスタシリンダであり、液圧ブースタ31、マスタシリンダ32、レギュレータ33、およびリザーバ34を含む。液圧ブースタ31は、ブレーキペダル24に連結されており、ブレーキペダル24に加えられたペダル踏力を増幅してマスタシリンダ32に伝達する。動力液圧源30からレギュレータ33を介して液圧ブースタ31にブレーキフルードが供給されることにより、ペダル踏力は増幅される。そして、マスタシリンダ32は、ペダル踏力に対して所定の倍力比を有するマスタシリンダ圧を発生する。
マスタシリンダ32とレギュレータ33との上部には、ブレーキフルードを貯留するリザーバ34が配置されている。リザーバ34の詳細は後述する。マスタシリンダ32は、ブレーキペダル24の踏み込みが解除されているときにリザーバ34と連通する。一方、レギュレータ33は、リザーバ34と動力液圧源30のアキュムレータ(蓄圧器)35との双方と連通しており、リザーバ34を低圧源とすると共に、アキュムレータ35を高圧源とし、マスタシリンダ圧とほぼ等しい液圧を発生する。レギュレータ33における液圧を以下では適宜、「レギュレータ圧」という。なお、マスタシリンダ圧とレギュレータ圧とは厳密に同一圧にされる必要はなく、例えばレギュレータ圧のほうが若干高圧となるようにマスタシリンダユニット27を設計することも可能である。
動力液圧源30は、アキュムレータ35およびポンプ36を含む。アキュムレータ35は、ポンプ36により昇圧されたブレーキフルードの圧力エネルギを窒素等の封入ガスの圧力エネルギ、例えば14〜22MPa程度に変換して蓄えるものである。ポンプ36は、駆動源としてモータ36aを有し、その吸込口がリザーバ34に接続される一方、その吐出口がアキュムレータ35に接続される。また、アキュムレータ35は、マスタシリンダユニット27に設けられたリリーフバルブ35aにも接続されている。アキュムレータ35におけるブレーキフルードの圧力が異常に高まって例えば25MPa程度になると、リリーフバルブ35aが開弁し、高圧のブレーキフルードはリザーバ34へと戻される。
上述のように、ブレーキ制御装置20は、ホイールシリンダ23に対するブレーキフルードの供給源として、マスタシリンダ32、レギュレータ33およびアキュムレータ35を有している。そして、マスタシリンダ32にはマスタ配管37が、レギュレータ33にはレギュレータ配管38が、アキュムレータ35にはアキュムレータ配管39が接続されている。これらのマスタ配管37、レギュレータ配管38およびアキュムレータ配管39は、それぞれ液圧アクチュエータ40に接続される。
液圧アクチュエータ40は、複数の流路が形成されるアクチュエータブロックと、複数の電磁制御弁を含む。アクチュエータブロックに形成された流路には、個別流路41、42,43および44と、主流路45とが含まれる。個別流路41〜44は、それぞれ主流路45から分岐されて、対応するディスクブレーキユニット21FR、21FL,21RR,21RLのホイールシリンダ23FR、23FL,23RR,23RLに接続されている。これにより、各ホイールシリンダ23は主流路45と連通可能となる。
また、個別流路41,42,43および44の中途には、ABS保持弁(電磁制御弁)51,52,53および54が設けられている。各ABS保持弁51〜54は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングをそれぞれ有しており、何れもソレノイドが非通電状態にある場合に開とされる常開型電磁制御弁である。開状態とされた各ABS保持弁51〜54は、ブレーキフルードを双方向に流通させることができる。つまり、主流路45からホイールシリンダ23へとブレーキフルードを流すことができるとともに、逆にホイールシリンダ23から主流路45へもブレーキフルードを流すことができる。ソレノイドに通電されて各ABS保持弁51〜54が閉弁されると、個別流路41〜44におけるブレーキフルードの流通は遮断される。
更に、ホイールシリンダ23は、個別流路41〜44にそれぞれ接続された減圧用流路46,47,48および49を介してリザーバ流路55に接続されている。減圧用流路46,47,48および49の中途には、ABS減圧弁56,57,58および59が設けられている。各ABS減圧弁56〜59は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングをそれぞれ有しており、何れもソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。各ABS減圧弁56〜59が閉状態であるときには、減圧用流路46〜49におけるブレーキフルードの流通は遮断される。ソレノイドに通電されて各ABS減圧弁56〜59が開弁されると、減圧用流路46〜49におけるブレーキフルードの流通が許容され、ブレーキフルードがホイールシリンダ23から減圧用流路46〜49およびリザーバ流路55を介してリザーバ34へと還流する。なお、リザーバ流路55は、リザーバ配管77を介してマスタシリンダユニット27のリザーバ34に接続されている。
主流路45は、中途に分離弁60を有する。この分離弁60により、主流路45は、個別流路41および42と接続される第1流路45aと、個別流路43および44と接続される第2流路45bとに区分けされている。第1流路45aは、個別流路41および42を介して前輪側のホイールシリンダ23FRおよび23FLに接続され、第2流路45bは、個別流路43および44を介して後輪側のホイールシリンダ23RRおよび23RLに接続される。
分離弁60は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、ソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。分離弁60が閉状態であるときには、主流路45におけるブレーキフルードの流通は遮断される。ソレノイドに通電されて分離弁60が開弁されると、第1流路45aと第2流路45bとの間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。
また、液圧アクチュエータ40においては、主流路45に連通するマスタ流路61およびレギュレータ流路62が形成されている。より詳細には、マスタ流路61は、主流路45の第1流路45aに接続されており、レギュレータ流路62は、主流路45の第2流路45bに接続されている。また、マスタ流路61は、マスタシリンダ32と連通するマスタ配管37に接続される。レギュレータ流路62は、レギュレータ33と連通するレギュレータ配管38に接続される。
マスタ流路61は、中途にマスタカット弁64を有する。マスタカット弁64は、マスタシリンダ32から各ホイールシリンダ23へのブレーキフルードの供給系路上に設けられている。マスタカット弁64は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、規定の制御電流の供給を受けてソレノイドが発生させる電磁力により閉弁状態が保証され、ソレノイドが非通電状態にある場合に開とされる常開型電磁制御弁である。開状態とされたマスタカット弁64は、マスタシリンダ32と主流路45の第1流路45aとの間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。ソレノイドに規定の制御電流が通電されてマスタカット弁64が閉弁されると、マスタ流路61におけるブレーキフルードの流通は遮断される。
また、マスタ流路61には、マスタカット弁64よりも上流側において、シミュレータカット弁68を介してストロークシミュレータ69が接続されている。すなわち、シミュレータカット弁68は、マスタシリンダ32とストロークシミュレータ69とを接続する流路に設けられている。シミュレータカット弁68は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、規定の制御電流の供給を受けてソレノイドが発生させる電磁力により開弁状態が保証され、ソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。シミュレータカット弁68が閉状態であるときには、マスタ流路61とストロークシミュレータ69との間のブレーキフルードの流通は遮断される。ソレノイドに通電されてシミュレータカット弁68が開弁されると、マスタシリンダ32とストロークシミュレータ69との間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。
ストロークシミュレータ69は、複数のピストンやスプリングを含むものであり、シミュレータカット弁68の開放時に運転者によるブレーキペダル24の踏力に応じた反力を創出する。ストロークシミュレータ69としては、運転者によるブレーキ操作のフィーリングを向上させるために、多段のバネ特性を有するものが採用されると好ましい。
レギュレータ流路62は、中途にレギュレータカット弁65を有する。レギュレータカット弁65は、レギュレータ33から各ホイールシリンダ23へのブレーキフルードの供給系路上に設けられている。レギュレータカット弁65も、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、規定の制御電流の供給を受けてソレノイドが発生させる電磁力により閉弁状態が保証され、ソレノイドが非通電状態にある場合に開とされる常開型電磁制御弁である。開状態とされたレギュレータカット弁65は、レギュレータ33と主流路45の第2流路45bとの間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。ソレノイドに通電されてレギュレータカット弁65が閉弁されると、レギュレータ流路62におけるブレーキフルードの流通は遮断される。
液圧アクチュエータ40には、マスタ流路61およびレギュレータ流路62に加えて、アキュムレータ流路63も形成されている。アキュムレータ流路63の一端は、主流路45の第2流路45bに接続され、他端は、アキュムレータ35と連通するアキュムレータ配管39に接続される。
アキュムレータ流路63は、中途に増圧リニア制御弁66を有する。また、アキュムレータ流路63および主流路45の第2流路45bは、減圧リニア制御弁67を介してリザーバ流路55に接続されている。増圧リニア制御弁66と減圧リニア制御弁67とは、それぞれリニアソレノイドおよびスプリングを有しており、何れもソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67は、それぞれのソレノイドに供給される電流に比例して弁の開度が調整される。
増圧リニア制御弁66は、各車輪に対応して複数設けられた各ホイールシリンダ23に対して共通の増圧用制御弁として設けられている。また、減圧リニア制御弁67も同様に、各ホイールシリンダ23に対して共通の減圧用制御弁として設けられている。つまり、本実施形態においては、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67は、動力液圧源30から送出される作動流体を各ホイールシリンダ23へ給排制御する1対の共通の制御弁として設けられている。このように増圧リニア制御弁66等を各ホイールシリンダ23に対して共通化すれば、ホイールシリンダ23ごとにリニア制御弁を設けるのと比べて、コストの観点からは好ましい。
なお、ここで、増圧リニア制御弁66の出入口間の差圧は、アキュムレータ35におけるブレーキフルードの圧力と主流路45におけるブレーキフルードの圧力との差圧に対応し、減圧リニア制御弁67の出入口間の差圧は、主流路45におけるブレーキフルードの圧力とリザーバ34におけるブレーキフルードの圧力との差圧に対応する。また、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67のリニアソレノイドへの供給電力に応じた電磁駆動力をF1とし、スプリングの付勢力をF2とし、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67の出入口間の差圧に応じた差圧作用力をF3とすると、F1+F3=F2という関係が成立する。従って、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67のリニアソレノイドへの供給電力を連続的に制御することにより、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67の出入口間の差圧を制御することができる。なお、後述するが本実施形態における増圧リニア制御弁66が環流制御手段により制御される第1開閉弁として機能する。また、減圧リニア制御弁67が環流制御手段により制御される第3開閉弁として機能し、電磁制御弁51,52,53及び54が環流制御手段により制御される第2開閉弁として機能する。
ブレーキ制御装置20において、動力液圧源30および液圧アクチュエータ40は、本実施形態における制御部として機能するブレーキECU70により制御される。ブレーキECU70は、CPUを含むマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に各種プログラムを記憶するROM、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポートおよび通信ポート等を備える。そして、ブレーキECU70は、エンジンECU(図示せず)などと通信可能であり、エンジンECUからの制御信号や、各種センサからの信号に基づいて動力液圧源30のポンプ36や、液圧アクチュエータ40を構成する電磁制御弁51〜54,56〜59,60,64〜68を制御する。
また、ブレーキECU70には、レギュレータ圧センサ71、アキュムレータ圧センサ72、および制御圧センサ73が接続される。レギュレータ圧センサ71は、レギュレータカット弁65の上流側でレギュレータ流路62内のブレーキフルードの圧力、すなわちレギュレータ圧を検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU70に与える。アキュムレータ圧センサ72は、増圧リニア制御弁66の上流側でアキュムレータ流路63内のブレーキフルードの圧力、すなわちアキュムレータ圧を検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU70に与える。制御圧センサ73は、主流路45の第1流路45a内のブレーキフルードの圧力を検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU70に与える。各圧力センサ71〜73の検出値は、所定時間おきにブレーキECU70に順次与えられ、ブレーキECU70の所定の記憶領域に所定量ずつ格納保持される。
分離弁60が開状態とされて主流路45の第1流路45aと第2流路45bとが互いに連通している場合、制御圧センサ73の出力値は、増圧リニア制御弁66の低圧側の液圧を示すと共に減圧リニア制御弁67の高圧側の液圧を示すので、この出力値を増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67の制御に利用することができる。また、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67が閉鎖されていると共に、マスタカット弁64が開状態とされている場合、制御圧センサ73の出力値は、マスタシリンダ圧を示す。更に、分離弁60が開放されて主流路45の第1流路45aと第2流路45bとが互いに連通しており、各ABS保持弁51〜54が開放される一方、各ABS減圧弁56〜59が閉鎖されている場合、制御圧センサの73の出力値は、各ホイールシリンダ23に作用する作動流体圧、すなわちホイールシリンダ圧を示す。
さらに、ブレーキECU70に接続されるセンサには、ブレーキペダル24に設けられたストロークセンサ25も含まれる。ストロークセンサ25は、ブレーキペダル24の操作量としてのペダルストロークを検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU70に与える。ストロークセンサ25の出力値も、所定時間おきにブレーキECU70に順次与えられ、ブレーキECU70の所定の記憶領域に所定量ずつ格納保持される。なお、ストロークセンサ25以外のブレーキ操作状態検出手段をストロークセンサ25に加えて、あるいは、ストロークセンサ25に代えて設け、ブレーキECU70に接続してもよい。ブレーキ操作状態検出手段としては、例えば、ブレーキペダル24の操作力を検出するペダル踏力センサや、ブレーキペダル24が踏み込まれたことを検出するブレーキスイッチなどがある。
上述のように構成されたブレーキ制御装置20は制動要求を受けて制動を開始する。制動要求は、例えば運転者がブレーキペダル24を操作した場合など、車両に制動力を付与すべきときに生起される。制動要求を受けてブレーキECU70は要求制動力を演算し、ブレーキ制御装置20により発生させるべき制動力である要求液圧制動力を算出する。算出した要求液圧制動力に基づいて各ホイールシリンダ23FR〜23RLの目標液圧を算出する。ブレーキECU70は、ホイールシリンダ圧が目標液圧となるように、フィードバック制御則により増圧リニア制御弁66や減圧リニア制御弁67に供給する制御電流の値を決定する。
その結果、ブレーキ制御装置20においては、ブレーキフルードが動力液圧源30から増圧リニア制御弁66を介して各ホイールシリンダ23に供給され、車輪に制動力が付与される。また、各ホイールシリンダ23からブレーキフルードが減圧リニア制御弁67を介して必要に応じて排出され、車輪に付与される制動力が調整される。本実施形態においては、動力液圧源30、増圧リニア制御弁66及び減圧リニア制御弁67等を含んでホイールシリンダ圧制御系統が構成されている。ホイールシリンダ圧制御系統によりいわゆるブレーキバイワイヤによる制動力制御が行われる。ホイールシリンダ圧制御系統は、マスタシリンダユニット27からホイールシリンダ23へのブレーキフルードの供給経路に並列に設けられている。
このとき、ブレーキECU70は、レギュレータカット弁65を閉状態とし、レギュレータ33から送出されるブレーキフルードがホイールシリンダ23へ供給されないようにする。更にブレーキECU70は、マスタカット弁64を閉状態とするとともにシミュレータカット弁68を開状態とする。これは、運転者によるブレーキペダル24の操作に伴ってマスタシリンダ32から送出されるブレーキフルードがホイールシリンダ23ではなくストロークシミュレータ69へと供給されるようにするためである。
なお、上述のように構成されたブレーキ制御装置20が、ハイブリッド車両に適用されている場合、ブレーキ回生協調制御を実行することができる。ブレーキ制御装置20は制動要求を受けて制動を開始する。制動要求は、例えば運転者がブレーキペダル24を操作した場合など、車両に制動力を付与すべきときに生起される。制動要求を受けてブレーキECU70は要求制動力を演算し、要求制動力から回生による制動力を減じることによりブレーキ制御装置20により発生させるべき制動力である要求液圧制動力を算出する。ここで、回生による制動力は、走行駆動源となる電動モータの制御を行うハイブリッドECUからブレーキ制御装置20に供給される。そして、ブレーキECU70は、算出した要求液圧制動力に基づいて各ホイールシリンダ23FR〜23RLの目標液圧を算出する。ブレーキECU70は、ホイールシリンダ圧が目標液圧となるように、フィードバック制御則により増圧リニア制御弁66や減圧リニア制御弁67に供給する制御電流の値を決定する。
その結果、ブレーキ制御装置20においては、ブレーキフルードが動力液圧源30から増圧リニア制御弁66を介して各ホイールシリンダ23に供給され、車輪に制動力が付与される。また、各ホイールシリンダ23からブレーキフルードが減圧リニア制御弁67を介して必要に応じて排出され、車輪に付与される制動力が調整される。
本実施形態において、ブレーキ回生協調制御を実行しているか否かにかかわらず、ホイールシリンダ圧制御系統により制動力を制御する制御モード、すなわち、ホイールシリンダ23に対してアキュムレータ35からブレーキフルードを提供して制御する制御モードを以下では適宜「第1モード」または「リニア制御モード」と称する。あるいは、ブレーキバイワイヤによる制御と呼ぶ場合もある。
第1モードでの制御中に、例えば漏れなどに起因するブレーキフルードの異常減少の発生によりホイールシリンダ圧が低下したりして、ホイールシリンダ圧が目標液圧から乖離してしまう場合がある。ブレーキECU70は、例えば制御圧センサ73の測定値に基づいてホイールシリンダ圧の応答異常の有無を周期的に判定している。ホイールシリンダ圧の制御応答(ブレーキフルードの異常減少を含む)に異常があると判定された場合には、ブレーキECU70は、第1モードを中止して、マスタシリンダユニット27からブレーキフルードを提供する第2モードにモード状態を切り替える。なお、第2モードは、適宜「マニュアルブレーキモード」と称する場合もある。第2モードにおいては、運転者のブレーキペダル24への入力が液圧に変換されて機械的にホイールシリンダ23に伝達され、車輪に制動力が付与される。第2モード(マニュアルブレーキモード)は、フェイルセーフの観点から第1モード(リニア制御モード)のバックアップ用の制御モードとしての役割を有する。
ブレーキECU70は、第2モードを実行する場合、一つの方法として、すべての電磁制御弁への制御電流の供給を停止する。つまり、常開型のマスタカット弁64及びレギュレータカット弁65は開弁され、常閉型の分離弁60及びシミュレータカット弁68は閉弁される。増圧リニア制御弁66及び減圧リニア制御弁67は、制御が停止され閉弁される。
その結果、ブレーキフルードの供給経路はマスタシリンダ側とレギュレータ側との2系統に分離される。マスタシリンダ圧が前輪側のホイールシリンダ23FR及び23FLへと伝達され、レギュレータ圧が後輪側のホイールシリンダ23RR及び23RLへと伝達される。マスタシリンダ32からのブレーキフルードの送出先は、ストロークシミュレータ69から前輪側のホイールシリンダ23FR及び23FLに切り替えられる。第2モードによれば、制御系の異常により電磁制御弁への通電がない場合であっても制動力を発生させることができるので、フェイルセーフの観点から好ましい。
前述したように、第1モードにおいて、アキュムレータ35が所定の圧力状態でブレーキフルードを送出可能な状態で蓄圧するためには、リザーバ34からブレーキフルードの供給を受ける必要がある。また、第2モードにおいて、マスタシリンダ32がブレーキペダル24の踏力に応じた圧力のブレーキフルードを送出するためにもリザーバ34からブレーキフルードの供給を受ける必要がある。特に、第1モードの場合、アキュムレータ35は、運転者の制動要求の他にABS制御や横滑り防止制御など車両を安定して走行させるために運転者の意志に拘わらず制動制御のためにブレーキフルードの送出を行うので、複数回の制動を可能とする圧力を蓄圧しておく必要がある。つまり、第2モード時より多くのブレーキフルードを使用している。そのために、リザーバ34は、常に必要十分な量のブレーキフルードを貯留しておく必要がある。
図2は、本実施形態のブレーキ制御装置20のマスタシリンダユニット27に配置されるリザーバ34の内部構成を説明する説明図である。リザーバ34はたとえば金属や樹脂でできた本体容器34aと、ブレーキフルードの補充を行う際に開閉する蓋34bで構成されている。本体容器34aの上部にはリザーバ配管77が接続され、ブレーキフルードがリザーバ34に戻される。本体容器34aの内底面には、当該本体容器34a内部をマスタフルード室78とレギュレータフルード室79に分離する隔壁80が形成されている。この隔壁80は、本体容器34aのたとえば1/3程度の高さまで形成されている。そして、マスタフルード室78の底面には、マスタシリンダ32と連通するマスタ接続管81が形成されている。ブレーキペダル24が踏み込まれていない場合に、マスタフルード室78のブレーキフルードがマスタ接続管81を通りマスタシリンダ32に供給されるようになっている。また、レギュレータフルード室79にはレギュレータ接続管82が接続されている。レギュレータカット弁65が閉弁しているときにブレーキペダル24が踏み込まれた場合、レギュレータ接続管82を通ってブレーキフルードがリザーバ34に戻される。また、レギュレータフルード室79の底面には、ポンプ36にブレーキフルードを供給するフルード供給配管83が接続されている。ブレーキECU70はアキュムレータ圧センサ72の検出結果に応じてモータ36aを駆動してアキュムレータ35の蓄圧値が所定の範囲になるようにしている。なお、アキュムレータ35の圧力が所定値を超えて高くなりリリーフバルブ35aが開弁したときには、リザーバ配管77を介して高圧のブレーキフルードがリザーバ34に戻される。
また、リザーバ34の隔壁80の上端面80aから所定高さhの位置には、リザーバ34内に貯留されたブレーキフルードの貯留量が所定量以下になったことを検出するレベルスイッチ84のフロート84aが配置されている。レベルスイッチ84はブレーキフルードの液面高さを検出できるセンサであれば任意であり、たとえば、図2に示すようなメカ式のフロートセンサの他、光学式のセンサや磁気式センサでもよい。通常、リザーバ34には、フロート84aが下限値を検出するMIN値を超えてMAX値までブレーキフルードが充填され、アキュムレータ35が所定圧力(たとえば、14〜22MPa)を蓄圧する際には、ブレーキフルードがMAX値とMIN値の間で推移するように設計されている。
ところで、ブレーキフルードの流路系に失陥が生じた場合、ブレーキフルードが流路系外に漏れ出るためリザーバ34の貯留量が低下する。たとえばマスタ配管37に失陥が生じた場合、アキュムレータ35を用いる第1モードを実行し続けるとブレーキフルードが減少してMIN値を下回り、レベルスイッチ84がブレーキフルードの貯留量低下を検出する。一方、流路系などに失陥がない場合でもディスクブレーキユニット21において、ブレーキディスク22を挟持するブレーキパッドが摩耗して薄くなった場合、摩耗分を補うためにホイールシリンダ23の挟持ストロークが延びる。つまり、摩耗がない状態に比べてホイールシリンダ23に滞留するブレーキフルードが多くなる。この滞留増加分だけリザーバ34の貯留量が減少する。この他、失陥以外でブレーキフルードの貯留量がMIN値を下回ることがある。たとえば、ブレーキフルードの温度が低下した場合、液体であるブレーキフルードは体積収縮する。この場合、摩耗により貯留量減少状態にある場合やアキュムレータ35におけるブレーキフルードの吸い込みが最大状態の場合、貯留量がMIN値を下回る可能性が増大する。
ブレーキフルードが適正量であるMIN値を下回った場合、アキュムレータ35が所定の圧力を蓄圧できなくなる可能性が生じるので、前述したようにフェイルセーフの考え方に基づき、従来ブレーキECU70は直ちに、制御モードをアキュムレータ35を用いた第1モードから、マスタシリンダユニット27を用いた第2モードに切り替える。前述したように、第2モードは制動力確保を優先させた制御であり、アキュムレータ35を用いた第1モードのときに可能なABS制御や横滑り防止制御などの詳細の制動力制御は行えない。したがって、ブレーキフルードの漏れなどの失陥が発生していない場合、つまり、ブレーキフルードの低温収縮やブレーキパッドの摩耗、アキュムレータ35の過剰動作などが原因でMIN値を下回っただけで、アキュムレータ35が通常通り蓄圧可能な状態にある場合、第2モードに移行することは好ましくない。
そこで、本実施形態のブレーキ制御装置20においては、レベルスイッチ84がMIN値を下回ったことを検出した場合、その結果が失陥に起因するものか、そうでないかをアキュムレータ35内のブレーキフルードをリザーバ34に環流させて、リザーバ34の貯留量の変化に基づき判断する。
図3は、ブレーキフルードの温度低下に起因してレベルスイッチ84が反応したか否かを検証すると共に、失陥と判断された場合に制御モードを第2モードへ切り替える手順を説明するフローチャートである。
このフローは、たとえば、イグニッションスイッチがONされエンジンが始動し始めたら定期的に実行されるようにすることができる。ブレーキECU70は、エンジンが始動されると、ブレーキ制御装置20のモード状態を第1モードから第2モードに切り替えるべきか否かを判定するために、まず、レベルスイッチ84がONになっているか、つまり、リザーバ34におけるブレーキフルードの貯留量がMIN値を下回っているか確認する(S100のYまたはN)。レベルスイッチ84がONされていない場合、つまり、ブレーキフルードの貯留量がMIN値を下回っていない場合(S100のN)、このフローを終了し、次のタイミングにおけるレベルスイッチ84の検出に備える。一方、レベルスイッチ84がONされている場合、つまり、ブレーキフルードの貯留量がMIN値を下回った場合(S100のY)、ブレーキECU70はブレーキフルードの温度を取得する(S102)。ブレーキフルードの温度は、たとえば、図2に示すように、本体容器34a内部に配置した温度センサ86によって実温度を測定して取得してもよい。本実施形態の場合、リザーバ34内のブレーキフルードの貯留量に基づき失陥の有無を確認するため、温度センサは、前述したように直接リザーバ34内のブレーキフルードの温度を測定することが好ましいが、たとえば、本体容器34aの外壁に配置した温度センサによって実温度を推定して取得してもよい。また、リザーバ34以外のブレーキフルードの流路系において、ブレーキフルードの温度を測定または推定してもよい。
続いて、ブレーキECU70は、アキュムレータ35が吸い込んでいるブレーキフルードのうちリザーバ34に環流できる量を推定する(S104)。アキュムレータ35は、容器内に窒素ガスなどが充填されたガス袋を有していて、このガス袋を圧縮するようにブレーキフルードを容器内に押し込むことにより蓄圧する。このようにガスを圧縮する場合、実際には熱の一部を外気や周囲の構造物に取られて圧力と温度との関係は等温変化と断熱変化との中間的変化で行われる。これをポリトロープ変化という。理解を容易にするため、図4にポリトロープ変化を示すポリトロープ線図の一例を示す。図4は、横軸がガス容積、縦軸がガス圧であり、3種類の温度(a:高温、b:常温、c:低温)における変化を示している。実際は車両が利用される環境を考慮し、ブレーキフルードがとりうる温度範囲に対応するポリトロープ変化のデータ群が準備される。したがって、S102で取得したブレーキフルードに対応したポリトロープ線が一義に決まる。この場合、ポリトロープ線におけるガス圧がアキュムレータ35の蓄圧量に対応する。したがって、アキュムレータ35を用いた第1モードにおいて、車両を安全に停止することのできる蓄圧量を予め車両毎に定めておくことにより、ブレーキフルードの温度に応じて、アキュムレータ35のガス容積をどの程度残せばよいか推定することができる。つまり、ブレーキフルードをどの程度残せばよいかが推定できる。なお、アキュムレータ35には、複数回の制動を操作を実現できるように十分に蓄圧されている。一方、車両が安全に停止するために必要な蓄圧量は、車両重量や路面の状態、走行状態などに応じて変化するが、通常蓄圧されている量より少なくてよい。したがって、アキュムレータ35に残す蓄圧量を前述した蓄圧量の変化要因を考慮して所定値として定めてもよい。また、車両重量、積載量、路面の状態、走行状態などを検出して、現状でアキュムレータ35に残すべき最良の蓄圧量を演算するようにしてもよい。
ブレーキECU70は、アキュムレータ35に残すべき蓄圧量を取得すると、ブレーキフルードの温度に基づき選択したポリトロープ線によりガス容積を取得する。アキュムレータ35の容積は既知なのでガス容積を減算することにより、アキュムレータ35から吐き出すブレーキフルードの量を推定することができる。本実施形態において、アキュムレータ35から吐き出されるブレーキフルードをレベルスイッチ84がON状態になっているリザーバ34に環流させる。このブレーキフルードの環流は、電磁制御弁51〜54を閉弁した状態で、増圧リニア制御弁66と減圧リニア制御弁67を開弁することにより実現できる(S106)。ブレーキECU70は、増圧リニア制御弁66及び減圧リニア制御弁67を通過するブレーキフルードの量を正確に制御できるので、ブレーキフルードの環流を迅速かつ正確に実施することができる。本実施形態においては、増圧リニア制御弁(第1開閉弁)66、減圧リニア制御弁67(第3開閉弁)及び電磁制御弁51〜54(第2開閉弁)を利用する例を示したが、たとえば、アキュムレータ35とリザーバ34をバイパスする環流路を設け、その環流路を開閉弁で制御するようにしてもよい。
ブレーキECU70はブレーキフルードの環流を実行したら、リザーバ34のレベルスイッチ84のON状態が継続するか否か確認する(S108のYまたはN)。もし、レベルスイッチ84のON状態が継続されない場合(S108のN)このフローを終了する。つまり、ブレーキECU70はブレーキフルードの環流により、リザーバ34内の蓄圧量が増加して、MIN値を上回ってレベルスイッチ84がOFFした場合、ブレーキフルードが流路系外に漏れる失陥は生じていないと判断して、この処理を終了する。一方、ブレーキECU70は、ブレーキフルードの環流を実行しても、レベルスイッチ84のON状態が継続される場合(S108のY)、ブレーキECU70はブレーキフルードが流路系外に漏れる失陥が生じていると判断する。つまり、アキュムレータ35からブレーキフルードを環流させた程度では、MIN値を上回ることができないほどリザーバ34の貯留量が減少していると判断できる。
前述したように、ブレーキフルードの低温化による体積収縮やブレーキパッドの摩耗によるブレーキフルードの滞留による蓄圧量の低下は、ブレーキフルードの全体量に比べて僅かである。したがって、アキュムレータ35の蓄圧機能を損なわない範囲でブレーキフルードを環流させるのみでも、ブレーキフルードの低温化による体積収縮やブレーキパッドの摩耗に起因する減少を上回るブレーキフルードをリザーバ34に戻すことができる。
このように、第1モードが動作可能な状態を維持しつつ蓄圧器から作動流体をリザーバに環流させることにより、第1モードの動作信頼性を向上することができると共に、作動流体の減少が失陥を伴うものか失陥を伴わないものかを正確に判定することが可能となる。また、従来、ブレーキフルードの低温化による体積収縮やブレーキパッドの摩耗に起因する貯留量の減少を考慮して、リザーバ34内に余分に入れていた失陥検出用のブレーキフルードを削減することができる。図2に示すようにリザーバ34内に所定の空気層85を確保する必要がある場合、失陥検出用のブレーキフルードを削減できるようになることで、リザーバ34の容積を従来のものより小さくすることができる。その結果、リザーバ34の重量増加、コスト増加、搭載性の悪化を回避することができる。
ブレーキECU70は、S108において、レベルスイッチ84のON状態が継続した場合、リザーバ34内のブレーキフルードの異常減少が発生していることを運転者に通知する(S110)。また、ブレーキECU70は、ブレーキ制御装置20の制御状態をアキュムレータ35を用いた第1モードからマスタシリンダユニット27(マスタシリンダ32)を用いた第2モードに切り替えて(S112)、このフローを終了する。この場合、ブレーキECU70がモード切替手段として機能する。ブレーキECU70は、S110のブレーキフルードの異常減少の表示と共に、速やかに点検及びメンテナンスを実施することを促すメッセージを運転者に提供するようにしてもよい。また、S108において、レベルスイッチ84がOFFになった場合、リザーバ34内のブレーキフルードの貯留量は正常値であることを示す表示を行ってもよい。なお、本実施形態の場合、ブレーキECU70は、ブレーキ制御装置20のモード状態を第1モードから第2モードに切り替えるべきか否かを判定する切替判定手段として機能する。また、本実施形態の場合、ブレーキECU70はレベルスイッチ84からの情報に基づき貯留量の検出を行う流体量検出手段としても機能する。また、ブレーキECU70は、増圧リニア制御弁66、減圧リニア制御弁67、電磁制御弁51〜54を制御しアキュムレータ35からリザーバ34へブレーキフルードを環流させる環流制御手段として機能する。なお、各機能は、ブレーキECU70から独立して構成してもよく、専用に流体量検出手段や環流制御手段、異常推定手段を設けてもよい。また、他のECUや制御部に前述した機能を持たせてもよい。
ところで、リザーバ34の蓄圧量の減少が、アキュムレータ35のブレーキフルードの吸い込みに起因して発生する場合もある。たとえば、ブレーキパッドが摩耗してホイールシリンダ23におけるブレーキフルードの滞留量が増加している状態でアキュムレータ35が規定の最大値まで蓄圧した場合、リザーバ34の貯留量がMIN値を下回り、レベルスイッチ84がONしてしまう場合がある。図5は、このようなアキュムレータ35の吸い込みに起因してレベルスイッチ84が反応したか否かを検証すると共に、失陥と判断された場合に制御モードを第2モードへ切り替える手順を説明するフローチャートである。
このフローは、図3のフローと同様に、たとえば、イグニッションスイッチがONされエンジンが始動し始めたら定期的に実行されるようにすることができる。ブレーキECU70は、エンジンが始動されると、レベルスイッチ84がONになっているか、つまり、リザーバ34におけるブレーキフルードの貯留量がMIN値を下回っているか確認する(S200のYまたはN)。レベルスイッチ84がONされていない場合、つまり、ブレーキフルードの貯留量がMIN値を下回っていない場合(S200のN)、このフローを終了し、次のタイミングにおけるレベルスイッチ84の検出に備える。一方、レベルスイッチ84がONされている場合、つまり、ブレーキフルードの貯留量がMIN値を下回った場合(S200のY)、ブレーキECU70はアキュムレータ圧センサ72を用いて現在のアキュムレータ35の蓄圧量を取得する(S202)。
続いて、ブレーキECU70は、アキュムレータ35における減圧可能値を取得する(S204)。前述したように、アキュムレータ35を用いた第1モードにおいて、車両を安全に停止することのできる蓄圧量を予め車両毎に定めておくことにより、現在のアキュムレータ35の蓄圧量に対して何処まで減圧できるかを算出することができる。アキュムレータ35には、複数回の制動を操作を実現できるように十分に蓄圧されている。一方、車両が安全に停止するために必要な蓄圧量は、車両重量や路面の状態、走行状態などに応じて変化するが、通常蓄圧されている量より少なくてよい。したがって、アキュムレータ35に残す蓄圧量を前述した蓄圧量の変化要因を考慮して所定値として定めてもよいし、車両重量、積載量、路面の状態、走行状態などを検出して、現状でアキュムレータ35に残すべき最良の蓄圧力を演算するようにしてもよい。
アキュムレータ35の減圧は、ブレーキフルードをリザーバ34に環流させることにより実現できる。このブレーキフルードの環流は、図3のフローチャートで説明したものと同様に、電磁制御弁51〜54を閉弁した状態で、増圧リニア制御弁66と減圧リニア制御弁67を開弁することにより実現できる(S206)。ブレーキECU70は、増圧リニア制御弁66及び減圧リニア制御弁67を通過するブレーキフルードの量を正確に制御できるので、ブレーキフルードの環流を迅速かつ正確に実施することができる。本実施形態においては、増圧リニア制御弁(第1開閉弁)66、減圧リニア制御弁(第3開閉弁)67及び電磁制御弁(第2開閉弁)51〜54を利用する例を示したが、たとえば、アキュムレータ35とリザーバ34をバイパスする環流路を設け、その環流路を開閉弁で制御するようにしてもよい。
ブレーキECU70はブレーキフルードの環流を実行したら、リザーバ34のレベルスイッチ84のON状態が継続するか否か確認する(S208のYまたはN)。もし、レベルスイッチ84のON状態が継続されない場合(S208のN)このフローを終了する。つまり、ブレーキECU70はブレーキフルードの環流により、リザーバ34内の蓄圧量が増加して、MIN値を上回ってレベルスイッチ84がOFFした場合、ブレーキフルードが流路系外に漏れる失陥は生じていないと判断して、この処理を終了する。一方、ブレーキECU70は、ブレーキフルードの環流を実行しても、レベルスイッチ84のON状態が継続される場合(S208のY)、ブレーキECU70はブレーキフルードが流路系外に漏れる失陥が生じていると判断する。つまり、アキュムレータ35からブレーキフルードを環流させた程度では、MIN値を上回ることができないほどリザーバ34の貯留量が減少していると判断できる。
前述したように、ブレーキパッドの摩耗によるブレーキフルードの滞留による蓄圧量の低下は、ブレーキフルードの全体量に比べて僅かである。したがって、アキュムレータ35の蓄圧機能を損なわない範囲でブレーキフルードを環流させるのみでも、ブレーキフルードがホイールシリンダ23に滞留することによる蓄圧量の低下をキャンセルし、アキュムレータ35の吸い込みに起因する減少を上回るブレーキフルードをリザーバ34に戻すことができる。
このように、第1モードが動作可能な状態を維持しつつ蓄圧器から作動流体をリザーバに環流させることにより、第1モードの動作信頼性を向上することができると共に、作動流体の減少が失陥を伴うものか失陥を伴わないものかを正確に判定することが可能となる。また、従来、ブレーキパッドの摩耗やアキュムレータ35の吸い込みに起因する貯留量の減少を考慮して、リザーバ34内に余分に入れていた失陥検出用のブレーキフルードを削減することができる。図2に示すようにリザーバ34内に所定の空気層85を確保する必要がある場合、失陥検出用のブレーキフルードを削減できるようになることで、リザーバ34の容積を従来のものより小さくすることができる。その結果、リザーバ34の重量増加、コスト増加、搭載性の悪化を回避することができる。
ブレーキECU70は、S208において、レベルスイッチ84のON状態が継続した場合、リザーバ34内のブレーキフルードの異常減少が発生していることを運転者に通知すると共に(S210)、ブレーキ制御装置20の制御状態をアキュムレータ35を用いた第1モードからマスタシリンダユニット27(マスタシリンダ32)を用いた第2モードに切り替えて(S212)、このフローを終了する。なお、ブレーキECU70は、S210のブレーキフルードの異常減少の表示と共に、速やかに点検及びメンテナンスを実施することを促すメッセージを運転者に提供するようにしてもよい。また、S208において、レベルスイッチ84がOFFになった場合、リザーバ34内のブレーキフルードの貯留量は正常値であることを示す表示を行ってもよい。
本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能である。各図に示す構成は、一例を説明するためのもので、同様な機能を達成できる構成であれば、適宜変更可能であり、同様な効果を得ることができる。
本発明の一実施形態に係るブレーキ制御装置の構成を説明する系統図である。 本実施形態に係るブレーキ制御装置に含まれるリザーバの構造を説明する説明図である。 本実施形態に係るブレーキ制御装置において、ブレーキフルードの温度低下に起因してレベルスイッチが反応したか否かを検証すると共に、制御モードの切り替えを説明するフローチャートである。 アキュムレータから環流させるブレーキフルードの量を推定するときに用いるポリトロープ線図の一例である。 本実施形態に係るブレーキ制御装置において、アキュムレータのブレーキフルードの吸い込みに起因してレベルスイッチが反応したか否かを検証すると共に、制御モードの切り替えを説明するフローチャートである。
符号の説明
20 ブレーキ制御装置、 21 ディスクブレーキユニット、 22 ブレーキディスク、 23 ホイールシリンダ、 24 ブレーキペダル、 27 マスタシリンダユニット、 30 動力液圧源、 32 マスタシリンダ、 33 レギュレータ、 34 リザーバ、 35 アキュムレータ、 40 液圧アクチュエータ、 51〜54 ABS保持弁、 66 増圧リニア制御弁、 67 減圧リニア制御弁、 70 ブレーキECU、 72 アキュムレータ圧センサ、 84 レベルスイッチ、 84a フロート。

Claims (5)

  1. 運転者によるブレーキ操作部材への操作量に応じて作動流体を加圧して送出するマスタシリンダと、
    作動流体をポンプにより圧送して所定範囲の圧力にして蓄える蓄圧器と、
    前記作動流体の供給を受けて車輪に制動力を発生させるホイールシリンダと、
    前記マスタシリンダ及び前記蓄圧器に作動流体を供給すると共に、前記ホイールシリンダから環流される作動流体を回収して貯留するリザーバと、
    前記ホイールシリンダに対して前記蓄圧器により作動流体を提供する第1モードから前記マスタシリンダにより作動流体を提供する第2モードにモード状態を切り替えるモード切替手段と、
    前記第1モードから前記第2モードへモード状態を切り替えるべきか否かを判定する切替判定手段と、
    を含むブレーキ制御装置であって、
    前記切替判定手段は、
    前記リザーバ内に貯留された作動流体の貯留量が所定量以下になったことを検出する流体量検出手段と、
    前記流体量検出手段により前記作動流体の貯留量が所定量以下になったことが検出されたときに、前記第1モードが実行できる量の作動流体を前記蓄圧器に残し、それ以外の作動流体を前記リザーバに環流させる環流制御手段と、
    前記環流制御手段により作動流体を環流させた後、前記流体量検出手段の検出結果が前記所定量以下を示す状態から変化しない場合、前記リザーバの作動流体が異常減少して前記第1モードが維持できないと推定する異常推定手段と、
    を含むことを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 前記環流制御手段は、前記作動流体の温度による体積変動量を取得して、前記リザーバに環流させる作動流体の量を決定することを特徴とする請求項1記載のブレーキ制御装置。
  3. 前記環流制御手段は、前記蓄圧器の蓄圧値を取得して、前記リザーバに環流させる作動流体の量を決定することを特徴とする請求項1記載のブレーキ制御装置。
  4. 前記環流制御手段は、前記蓄圧器から前記作動流体を流出させる第1開閉弁を開弁すると共に、前記ホイールシリンダへ前記作動流体を流入させる第2開閉弁を閉弁し、前記第2開閉弁と前記リザーバとの間の第3開閉弁を開弁することにより前記蓄圧器の作動流体を前記リザーバへ環流させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のブレーキ制御装置。
  5. ホイールシリンダに対して蓄圧器により作動流体を提供する第1モードからマスターシリンダにより作動流体を提供する第2モードにモード状態を切り替えるべきか否かを検出するステップと、
    前記マスターシリンダ及び前記蓄圧器に前記作動流体を提供するリザーバに貯留された作動流体の貯留量が所定量以下になったか否かを検出するステップと、
    前記リザーバの作動流体の貯留量が所定量以下になったことが検出されたときに、前記第1モードが実行できる量の作動流体を前記蓄圧器に残し、それ以外の作動流体を前記リザーバに環流させるステップと、
    前記作動流体を前記リザーバに環流させた後、前記リザーバの貯留量の検出結果が前記所定量以下を示す状態から変化しない場合、前記リザーバの作動流体が異常減少して前記第1モードが維持できないと推定するステップと、
    前記リザーバの作動流体が異常減少したと推定した場合に、モード状態を第1モードから第2モードに切り替えるステップと、
    を含むことを特徴とするブレーキ制御方法。
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