JP2008202682A - 転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】余分な加工や部品を必要とせずに、内輪の温度が外輪よりも高くなる転がり軸受のラジアル隙間の変化を抑制できるようにすることである。
【解決手段】工作機械の主軸を支持するアンギュラ玉軸受の内輪1を形成する材料の線膨張係数を、外輪2を形成する材料の線膨張係数よりも小さくし、軸受内部を外輪間座5に設けたノズル5aから噴射される潤滑油でジェット潤滑することにより、外輪2よりも温度上昇量の大きい内輪1の熱膨張を抑制するとともに、ジェット潤滑の冷却効果によって軸受全体の温度上昇を抑制し、余分な加工や部品を必要とせずに、転がり軸受のラジアル隙間の変化を抑制できるようにした。
【選択図】図1
【解決手段】工作機械の主軸を支持するアンギュラ玉軸受の内輪1を形成する材料の線膨張係数を、外輪2を形成する材料の線膨張係数よりも小さくし、軸受内部を外輪間座5に設けたノズル5aから噴射される潤滑油でジェット潤滑することにより、外輪2よりも温度上昇量の大きい内輪1の熱膨張を抑制するとともに、ジェット潤滑の冷却効果によって軸受全体の温度上昇を抑制し、余分な加工や部品を必要とせずに、転がり軸受のラジアル隙間の変化を抑制できるようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、転がり軸受に関し、特に、内輪と外輪に温度差の生じるものに好適な転がり軸受に関する。
転がり軸受には、使用環境や使用条件によって、内輪と外輪に大きな温度差の生じるものがある。例えば、工作機械の主軸やジェットエンジンのタービン軸等のdn値(軸受内径mm×回転数rpm)が106以上の高速回転で使用される転がり軸受は、全体の温度上昇に伴って、放熱され難く熱容量の小さい内輪が、外輪よりもかなり温度が高くなる。このため、この温度差に伴う内輪と外輪の熱膨張量の差によって、軸受のラジアル隙間が大きく変化する。このようにラジアル隙間が変化して過大になると、転動体と軌道面間ですべりが生じ易くなって、スミアリング等の表面損傷が発生し、ラジアル隙間が過小になると、転動体と軌道面間の接触面圧が高くなって、転動疲労寿命が短くなる問題がある。
このような内輪と外輪の熱膨張量の差によるラジアル隙間の変化を抑制する手段としては、回転軸に設けた軸方向の有底中空穴に潤滑油を供給して、温度上昇量の大きい内輪を間接的に冷却する方法(例えば、特許文献1参照)、内輪に設けた軸方向の貫通孔に潤滑油を噴射して、内輪を直接冷却する方法(例えば、特許文献2参照)、および、内輪と回転軸の間に、冷却油の流路を設けた冷却用スリーブを嵌合する方法(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
特許文献1および2に記載されたものは、外輪よりも温度上昇量の大きい内輪を冷却するために、回転軸や内輪に潤滑油を供給する軸方向の有底中空穴や貫通孔を形成する必要があるので、これらの余分な加工に手間がかかる問題がある。これらの加工によって、後の熱処理で回転軸や内輪に熱ひずみが生じやすくなる問題もある。特許文献3に記載されたものは、余分な冷却用スリーブを内輪と回転軸の間に嵌合する必要があるので、部品点数が増加するとともに、軸受の組み込みに余分な手間がかかる問題がある。
そこで、本発明の課題は、余分な加工や部品を必要とせずに、内輪の温度が外輪よりも高くなる転がり軸受のラジアル隙間の変化を抑制できるようにすることである。
上記の課題を解決するために、本発明は、内輪と外輪の軌道面間に複数の転動体が配列された転がり軸受において、前記内輪を形成する材料の線膨張係数を、前記外輪を形成する材料の線膨張係数よりも小さくし、前記転動体が配列された軸受内部を、ノズルから噴射される潤滑油でジェット潤滑する構成を採用した。
すなわち、内輪を形成する材料の線膨張係数を、外輪を形成する材料の線膨張係数よりも小さくすることにより、外輪よりも温度上昇量の大きい内輪の熱膨張を抑制するとともに、転動体が配列された軸受内部を、ノズルから噴射される潤滑油でジェット潤滑することにより、ジェット潤滑の冷却効果によって軸受全体の温度上昇を抑制して、余分な加工や部品を必要とせずに、転がり軸受のラジアル隙間の変化を抑制できるようにした。
前記内輪を形成する材料はセラミック、前記外輪を形成する材料は鉄系材料とすることができる。
前記転がり軸受は、dn値106以上の高速回転で使用されるものに好適である。
本発明の転がり軸受は、内輪を形成する材料の線膨張係数を、外輪を形成する材料の線膨張係数よりも小さくし、転動体が配列された軸受内部を、ノズルから噴射される潤滑油でジェット潤滑するようにしたので、外輪よりも温度上昇量の大きい内輪の熱膨張を抑制できるとともに、ジェット潤滑の冷却効果によって軸受全体の温度上昇を抑制することができ、余分な加工や部品を必要とせずに、転がり軸受のラジアル隙間の変化を抑制することができる。
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。この転がり軸受は、工作機械の主軸を支持し、dn値106以上の高速回転で使用されるアンギュラ玉軸受であり、図1に示すように、主軸21に外嵌された内輪1の軌道面1aと、ハウジング22に内嵌された外輪2の軌道面2aの間に、複数の転動体としてのボール3が保持器4で保持され、一方の外輪間座5に設けられたノズル5aから潤滑油が噴射され、ボール3が配列された軸受内部がジェット潤滑されるようになっている。
前記内輪1は、線膨張係数α1(=10.2×10−6/℃)のマルテンサイト系ステンレス鋼SUS440Cで形成され、外輪2は、線膨張係数α2(=12.5×10−6/℃)の高炭素クロム軸受鋼SUJ2で形成されており、内輪1の線膨張係数α1は外輪2の線膨張係数α2よりも約20%小さくなっている。
前記内輪1をSUS440Cで形成し、外輪2をSUJ2で形成したアンギュラ玉軸受(実施例)と、内輪1と外輪2をいずれもSUJ2で形成したアンギュラ玉軸受(比較例)について、内輪1の温度θ1と外輪2の温度θ2の温度差Δθ(=θ1−θ2)に対するラジアル隙間δの変化を計算で求めた。
図2に、この計算結果を示す。ラジアル隙間δは、温度差Δθがないときを100%とした。比較例のものは、温度差Δθが30℃でラジアル隙間δが0%となっているのに対して、実施例のものはラジアル隙間δが20%近く残っており、ラジアル隙間δの変化をかなり抑制できることが分かる。
表1は、前記内輪1と外輪2を形成する材料の組み合わせの変形例を示す。変形例1は、内輪1の材料を析出硬化型のマルテンサイト系ステンレス鋼SUS630(α1=10.8×10−6/℃)に変更したもの、変形例2は、さらに外輪2の材料もオーステナイト系ステンレス鋼SUS304(α2=17.3×10−6/℃)に変更したもの、変形例3は、内輪1の材料を窒化珪素系セラミックSi3N4(α1=3.0×10−6/℃)、外輪2の材料をSUS440C(α2=10.2×10−6/℃)としたものである。
上述した実施形態では、工作機械の主軸を支持するアンギュラ玉軸受としたが、本発明に係る転がり軸受は、工作機械の主軸を支持するアンギュラ玉軸受に限定されることはなく、他の部材を支持する他のタイプの転がり軸受にも適用することができる。
1 内輪
2 外輪
1a、2a 軌道面
3 ボール
4 保持器
5 外輪間座
5a ノズル
2 外輪
1a、2a 軌道面
3 ボール
4 保持器
5 外輪間座
5a ノズル
Claims (3)
- 内輪と外輪の軌道面間に複数の転動体が配列された転がり軸受において、前記内輪を形成する材料の線膨張係数を、前記外輪を形成する材料の線膨張係数よりも小さくし、前記転動体が配列された軸受内部を、ノズルから噴射される潤滑油でジェット潤滑するようにしたことを特徴とする転がり軸受。
- 前記内輪を形成する材料がセラミック、前記外輪を形成する材料が鉄系材料である請求項1に記載の転がり軸受。
- 前記転がり軸受が、dn値106以上の高速回転で使用されるものである請求項1または2に記載の転がり軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007039307A JP2008202682A (ja) | 2007-02-20 | 2007-02-20 | 転がり軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007039307A JP2008202682A (ja) | 2007-02-20 | 2007-02-20 | 転がり軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008202682A true JP2008202682A (ja) | 2008-09-04 |
Family
ID=39780410
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007039307A Pending JP2008202682A (ja) | 2007-02-20 | 2007-02-20 | 転がり軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008202682A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010067852A1 (ja) * | 2008-12-10 | 2010-06-17 | 日本精工株式会社 | 玉軸受及びハイブリッド車用変速機 |
CN112682421A (zh) * | 2020-12-03 | 2021-04-20 | 宁波美亚特精密传动部件有限公司 | 一种抗形变防尘深沟球轴承 |
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2007
- 2007-02-20 JP JP2007039307A patent/JP2008202682A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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