JP2012026496A - アンギュラ玉軸受および軸受設置構造 - Google Patents

アンギュラ玉軸受および軸受設置構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 回転速度と予圧設定のタイムラグがなく、且つ軸受外部の発熱制御装置、冷却液供給装置等の付帯設備等を必要とせず安価に運転中の軸受予圧の増大を緩和することができるアンギュラ玉軸受および軸受設置構造を提供する。
【解決手段】 外輪外周面2bにおける、外輪正面側の周面部分2bsを、ハウジングHsに対して嵌合させる円筒面状の嵌合面としている。外輪外周面2bにおける、外輪背面側の周面部分2bhを、外輪正面側の周面部分2bsに対して軸受空間側へ凹むように径が変化してハウジングHsに対して非接触となるように形成している。この非接触となる周面部分2bhは、周面部分2bhを有する外輪2が熱膨張しても、前記外輪正面側の周面部分2bsを延長した円筒面6に達しない深さに形成している。
【選択図】 図1

Description

この発明は、アンギュラ玉軸受および軸受設置構造に関し、例えば、工作機械主軸等の高速で使用されるアンギュラ玉軸受の予圧調整に適用される技術に関する。
従来、工作機械主軸に使用される軸受は、加工精度と加工能率を向上させるため、剛性を重視して、定位置予圧で負のすきま、すなわち予圧を付加した状態で使用されることが多い。しかし、予圧を付加した軸受を高速で運転すると、主に内輪の温度上昇と遠心力とによる軌道径の膨張のため、負のラジアルすきまが増大してしまう。その結果、過大予圧となって、温度上昇さらには軸受寿命を低下させる等の不具合を発生させる場合がある。
加工精度と加工能率に影響する軸受剛性と高速性とは相反する要因であり、両立が難しいのが現状である。軸受を高速運転したときに生じる過大予圧を緩和させるための方法として、背面組合せされたアンギュラ玉軸受において、軸受間に配置された外輪間座に、発熱体を設け、この外輪間座の温度制御により同外輪間座の軸方向寸法を変化させることで、軸受予圧を調整する技術が提案されている(特許文献1)。この技術では、低速重切削時においては、予圧を大として軸受剛性を高くする必要がある。この低速重切削時には、外輪間座を加熱することでこの外輪間座を軸方向に膨張させて予圧を大きくする。高速軽切削時においては、大きな予圧は不要であることから、低速時とは逆に外輪間座を冷却することでこの外輪間座を軸方向に収縮させて予圧を減少させている。
特開2006−64127号公報
最近の高速型工作機械では、機械の温度上昇を抑制する目的から、外輪が挿入固定される軸受箱を冷却油等により強制冷却することが多い。このような場合、外輪は温度上昇しても低温度でしかも剛性のある軸受箱(ハウジング)に拘束されてしまうため、温度上昇に対応した熱膨張とならない。このことが軸受予圧の増大要因の一つとなっている。
また、運転中の予圧を調整する従来技術として、上記技術(特許文献1)があるが、この方法は、発熱体による外輪間座の温度上昇、または冷却に時間を要し、回転速度と予圧設定にタイムラグが大きくなってしまう欠点がある。したがって、一定回転速度での長時間加工には向いているが、頻繁に回転速度が変化する加工機には不向きである。
この発明の目的は、回転速度と予圧設定のタイムラグがなく、且つ軸受外部の発熱制御装置、冷却液供給装置等の付帯設備等を必要とせず安価に運転中の軸受予圧の増大を緩和することができるアンギュラ玉軸受および軸受設置構造を提供することである。
この発明のアンギュラ玉軸受は、アンギュラ玉軸受において、軌道輪である内輪および外輪のうち、いずれか一方または両方の軌道輪につき、この軌道輪の軸受空間に対する外側となる周面における、軌道輪正面側の周面部分を、軸またはハウジングに対して嵌合させる円筒面状の嵌合面とし、軌道輪背面側の周面部分を、軌道輪正面側の周面部分に対して軸受空間側へ凹むように径が変化して前記軸またはハウジングに対して非接触となるように形成したことを特徴とする。
前記「軌道輪正面側」とは、その軌道輪がアキシアル荷重を支持しない側面側(端面側ともいう)を表す。前記「軌道輪背面側」とは、その軌道輪がアキシアル荷重を支持する側面を表す。なお、軸受の正面側、背面側の区別は、外輪側で言うため、外輪では、軌道輪の正面側と軸受の正面側とが一致するが、内輪では、軸受の背面側が軌道輪の正面側となる。
この構成によると、前記非接触となる軌道輪背面側の周面部分を形成した軌道輪を外輪とした場合、軸受運転中、外輪正面側の周面部分では、外輪が温度上昇により熱膨張しても、外輪よりも低温のハウジングによって膨張を拘束してしまう。一方、外輪背面側の周面部分では、凹みによりハウジングによる拘束がないため外輪の温度上昇による熱膨張が容易にできて、外輪を径方向に変形させる。つまり、外輪の軌道溝の曲率半径が熱膨張前の曲率半径よりも拡大する方向に、外輪を変形させる。この場合、外輪の軌道溝のうち転動体接触点では、径方向および軸方向へのすきま増大と同様の効果をもたらして、予圧増大が緩和されることになる。
軌道輪背面側の周面部分を形成した軌道輪を内輪とする場合、この内輪を軸の材質よりも線膨張係数の小さな材質からなるものとする。軸受運転中、軸と内輪の温度が同等になるとすると、内輪よりも線膨張係数の大きな軸により内輪は強制的に膨張させられてしまう。この場合に、内輪背面側の周面部分が凹むように形成したことにより、膨張量を小さくする。この場合、内輪の軌道溝の曲率半径が熱膨張前の曲率半径よりも拡大する方向に、内輪を変形させる。したがって、内輪の軌道溝のうち転動体接触点では、径方向および軸方向へのすきま増大と同様の効果をもたらして、予圧増大が緩和されることになる。
このように軸受運転時における軌道輪または軸の熱膨張に応じて、軌道溝の曲率半径を拡大させて予圧増大の緩和防止を図っているため、従来技術のような回転速度と予圧設定のタイムラグがなく、且つ軸受外部の発熱制御装置、冷却液供給装置等の付帯設備等を必要とせず安価に運転中の軸受予圧の増大を緩和することができる。
前記軌道輪背面側の周面部分は、この軌道輪背面側の周面部分を形成した軌道輪が熱膨張しても、前記軌道輪正面側の周面部分を延長した円筒面に達しない深さに形成したものであっても良い。これにより、軌道輪背面側の周面部分を形成した軌道輪が熱膨張しても、この軌道輪における起動溝の転動体接触点で、径方向および軸方向へのすきま増大と同様の効果を確実にもたらし、予圧増大が緩和される。
前記軌道輪背面側の周面部分は、この軌道輪の軌道輪正面側に向かうに従って、前記軌道輪に嵌合される軸またはハウジングの嵌合面に近づく傾斜角度を有するテーパ状であっても良い。
この傾斜角度を大きくする程、温度による熱膨張分と共に、内部予圧による変形分が軌道輪に加わるため、予圧増大の緩和度は大きくなる。つまり傾斜角度により予圧を調整することが可能となる。ただし、傾斜角度を大きくする程、軸受剛性の面で不利となる。
前記軌道輪背面側の周面部分は、この軌道輪の軌道輪正面側の周面部分に対して段部を成すものとしても良い。この場合、軌道輪正面側の周面部分に対する段部の深さを深くする程、温度による熱膨張分と共に、内部予圧による変形分が軌道輪に加わるため、予圧増大の緩和度は大きくなる。つまり段部の深さにより予圧を調整することが可能となる。ただし、段部の深さを深くする程、軸受剛性の面で不利となる。段部は、凹み部分の傾斜角度を変える場合に比べて、深さを容易に変えることができ、製作上有利である。
前記軌道輪背面側の周面部分を形成した軌道輪が外輪であっても良い。
前記軌道輪背面側の周面部分を形成した軌道輪が内輪であっても良い。
この軌道輪背面側の周面部分を形成した軌道輪が内輪である場合に、前記内輪をセラミックスからなるものとしても良い。この場合、内輪の線膨張係数を、軸の線膨張係数よりも小さくし、内輪に逃げ部を形成した場合に、内輪の軌道溝の曲率半径を確実に拡大させることができる。
この発明における第1の発明のアンギュラ玉軸受設置構造は、前述のいずれかに記載の軸受を、背面組合せまたは正面組合せで複数個設置したものである。複数個のアンギュラ玉軸受を背面組合せとした場合、正面組合せとした場合のいずれの組合せであっても、運転中の軸受予圧の増大を緩和することができる。よって、さらなる高速化または軸受寿命の延長が図れる。
この発明における第2の発明のアンギュラ玉軸受設置構造は、背面組合せまたは正面組合せで複数個のアンギュラ玉軸受の外輪をハウジングに設置し、これらアンギュラ玉軸受の内輪に軸を嵌合させたアンギュラ玉軸受設置構造において、軌道輪である前記外輪の外周面とハウジングとの嵌合部、または軌道輪である前記内輪の内周面と軸との嵌合部における軌道輪背面側部分に逃げ用隙間を設けたことを特徴とする。
この構成によると、軸受運転中、嵌合部における軌道輪背面側部分に設けた逃げ用隙間により、この逃げ用隙間を構成する軌道輪が熱膨張しても接触しないようにできる。換言すれば、軸受運転中、逃げ用隙間を構成する軌道輪を熱膨張できるようにしたため、この軌道輪の軌道溝のうち転動体接触点では、径方向および軸方向へのすきま増大と同様の効果をもたらして、予圧増大が緩和されることになる。
前記逃げ用隙間の逃げ深さは、この逃げ用隙間を構成する軌道輪が熱膨張しても接触しない深さとしたものであっても良い。
この発明における第3の発明のアンギュラ玉軸受設置構造は、第2の発明のアンギュラ玉軸受設置構造において、逃げ用隙間を、内外輪の周面に凹み部分を形成することで構成したものである。すなわち、第3の発明のアンギュラ玉軸受設置構造は、アンギュラ玉軸受の外輪をハウジングの内周に設置し、内輪に軸を嵌合させたアンギュラ玉軸受設置構造において、前記ハウジングまたは軸である軸受嵌合部材が嵌合される前記内外輪のいずれか一方または両方の軌道輪の周面のうち、軌道輪正面側の周面部分を、前記軸受嵌合部材に嵌合させる円筒面状の嵌合面とし、前記軌道輪の前記周面のうち、軌道輪背面側の周面部分を、前記軸受嵌合部材に対して非接触となる凹み部分に形成したことを特徴とする。
この構成によると、軸受運転中、凹み部分を形成した軌道輪が膨張しても、この軌道輪背面側の周面部分を軸受嵌合部材に対し非接触とすることができる。したがって、軸受運転時における軌道輪の熱膨張に応じて、軌道溝の曲率半径を拡大させて予圧増大の緩和防止を図ることができる。また、ハウジングや軸に特別な加工を施す必要がないため、製作コストの低減を図ることが可能となる。
前記凹み部分を形成する凹み部分形成面の凹み深さは、この凹み部分を形成した軌道輪が熱膨張しても、前記軌道輪正面側の周面部分を延長した円筒面に達しない深さに形成したものであっても良い。
この発明における第4の発明のアンギュラ玉軸受設置構造は、第2の発明のアンギュラ玉軸受設置構造において、逃げ用隙間を、ハウジングまたは軸に凹み部分を形成することで構成したものである。すなわち、第4の発明のアンギュラ玉軸受設置構造は、前記ハウジングまたは軸である軸受嵌合部材に、この軸受嵌合部材に嵌合させる前記内輪または外輪である軌道輪の周面に対して、軌道輪正面側の周面部分を嵌合させる円筒面状の軸受嵌合面と、軌道輪背面側の周面部分が非接触となるような凹み部分形成面とを設けたことを特徴とする。
この構成によると、軸受運転中、逃げ部に対向する軌道輪が膨張しても、軌道輪背面側の周面部分を、軸受嵌合部材の凹み部分形成面に対し非接触とすることができる。したがって、軸受運転時における軌道輪の熱膨張に応じて、軌道溝の曲率半径を拡大させて予圧増大の緩和防止を図ることができる。この場合、標準のアンギュラ玉軸受を追加工等することなく使用できるため、軸受の汎用性を高めることができる。
前記凹み部分形成面の逃げ深さは、この凹み部分に対向する軌道輪が熱膨張しても、前記凹み部分形成面に接触しない深さに形成したものであっても良い。
この発明のアンギュラ玉軸受は、アンギュラ玉軸受において、軌道輪である内輪および外輪のうち、いずれか一方または両方の軌道輪につき、この軌道輪の軸受空間に対する外側となる周面における、軌道輪正面側の周面部分を、軸またはハウジングに対して嵌合させる円筒面状の嵌合面とし、軌道輪背面側の周面部分を、軌道輪正面側の周面部分に対して軸受空間側へ凹むように径が変化して前記軸またはハウジングに対して非接触となるように形成したため、回転速度と予圧設定のタイムラグがなく、且つ軸受外部の発熱制御装置、冷却液供給装置等の付帯設備等を必要とせず安価に運転中の軸受予圧の増大を緩和することができる。
この発明における第1の発明のアンギュラ玉軸受設置構造は、前述のいずれかに記載の軸受を、背面組合せまたは正面組合せで複数個設置したため、回転速度と予圧設定のタイムラグがなく、且つ軸受外部の発熱制御装置、冷却液供給装置等の付帯設備等を必要とせず安価に運転中の軸受予圧の増大を緩和することができる。
この発明における第2の発明のアンギュラ玉軸受設置構造は、背面組合せまたは正面組合せで複数個のアンギュラ玉軸受の外輪をハウジングに設置し、これらアンギュラ玉軸受の内輪に軸を嵌合させたアンギュラ玉軸受設置構造において、軌道輪である前記外輪の外周面とハウジングとの嵌合部、または軌道輪である前記内輪の内周面と軸との嵌合部における軌道輪背面側部分に逃げ用隙間を設けたため、回転速度と予圧設定のタイムラグがなく、且つ軸受外部の発熱制御装置、冷却液供給装置等の付帯設備等を必要とせず安価に運転中の軸受予圧の増大を緩和することができる。
この発明における第3の発明のアンギュラ玉軸受設置構造は、第2の発明のアンギュラ玉軸受設置構造において、逃げ用隙間を、内外輪の周面に凹み部分を形成することで構成したため、回転速度と予圧設定のタイムラグがなく、且つ軸受外部の発熱制御装置、冷却液供給装置等の付帯設備等を必要とせず安価に運転中の軸受予圧の増大を緩和することができる。また、ハウジングや軸に特別な加工を施す必要がないため、製作コストの低減を図ることが可能となる。
この発明における第4の発明のアンギュラ玉軸受設置構造は、第2の発明のアンギュラ玉軸受設置構造において、逃げ用隙間を、ハウジングまたは軸に凹み部分を形成することで構成したため、回転速度と予圧設定のタイムラグがなく、且つ軸受外部の発熱制御装置、冷却液供給装置等の付帯設備等を必要とせず安価に運転中の軸受予圧の増大を緩和することができる。この場合、標準のアンギュラ玉軸受を追加工等することなく使用できるため、軸受の汎用性を高めることができる。
(A)は、この発明の第1の実施形態に係るアンギュラ玉軸受の断面図、(B)は、同アンギュラ玉軸受の要部の拡大断面図である。 同アンギュラ玉軸受を背面組合せとした断面図である。 同アンギュラ玉軸受を正面組合せとした断面図である。 この発明の他の実施形態に係るアンギュラ玉軸受の断面図である。 同アンギュラ玉軸受を背面組合せとした断面図である。 この発明のさらに他の実施形態に係るアンギュラ玉軸受の断面図である。 同アンギュラ玉軸受を背面組合せとした断面図である。 この発明のさらに他の実施形態に係るアンギュラ玉軸受の断面図である。 同アンギュラ玉軸受を背面組合せとした断面図である。 この発明のさらに他の実施形態に係るアンギュラ玉軸受の断面図である。 この発明のさらに他の実施形態に係るアンギュラ玉軸受の断面図である。 (A)は、この発明のさらに他の実施形態に係り、ハウジングに斜面角度を有する逃げ部を設けたアンギュラ玉軸受設置構造を表す断面図、(B)は、ハウジングに段部を成す逃げ部を設けたアンギュラ玉軸受設置構造を表す断面図である。 (A)は、この発明のさらに他の実施形態に係り、軸に斜面角度を有する逃げ部を設けたアンギュラ玉軸受設置構造を表す断面図、(B)は、軸に段部を成す逃げ部を設けたアンギュラ玉軸受設置構造を表す断面図である。 (A),(B)は、この発明のさらに他の実施形態に係り、ハウジングおよび軸に逃げ部を設けたアンギュラ玉軸受設置構造を表す断面図である。 この発明のいずれかのアンギュラ玉軸受設置構造を用いたスピンドル装置の構成例を表す断面図である。
この発明の第1の実施形態に係るアンギュラ玉軸受を図1ないし図3と共に説明する。以下の説明はアンギュラ玉軸受設置構造、および予圧調整方法についての説明をも含む。この実施形態に係るアンギュラ玉軸受は、特に、外輪背面側の周面部分を、ハウジングに対して非接触となる逃げ部に形成したものである。
図1(A)に示すように、アンギュラ玉軸受BR1は、軸Shの円筒面からなる外周面に嵌合される内輪1と、ハウジングHsの円筒面からなる内周に設置される外輪2と、これら内外輪1,2の軌道溝1a,2a間に介在される複数の玉3と、これら玉3を円周方向一定間隔おきに保持する環状の保持器4とを有する。環状の保持器4の円周方向複数箇所にポケットPtが設けられ、各ポケットPtに玉3が保持されている。保持器4は、例えば、合成樹脂等からなり、この保持器4の外周面が外輪内径面に案内されるいわゆる外輪案内保持器とされている。玉3は、例えば、鋼球またはセラミックス等からなる。
内輪1および軸Shは、例えば、軸受鋼等からなる。軸Shの外周面に、円筒面状の内輪内周面1bを締嵌めにより嵌合固定している。内輪1のうち軸受空間側となる外周面に、内輪外径面1c、軌道溝1a、およびカウンタボアとなるテーパ面1dが形成されている。軌道溝1aの内輪背面側に内輪外径面1cが繋がり、軌道溝1aの内輪正面側にテーパ面1dが繋がっている。
外輪2は、例えば、軸受鋼等からなる。この例では、ハウジングHsの円筒面からなる内周に外輪外周面2bを設置し、外輪固定の内輪回転型としている。また、外輪2の軸受空間に対する外側となる周面が、「外輪外周面2b」となる。この外輪外周面2bにおける、外輪正面側の周面部分2bsを、ハウジングHsに対して嵌合させる円筒面状の嵌合面としている。外輪外周面2bにおける、外輪背面側の周面部分2bhを、外輪正面側の周面部分2bsに対して軸受空間側へ凹むように径が変化してハウジングHsに対して非接触となるように形成している。つまり外輪背面側の周面部分2bhを、ハウジングHsに対して非接触となる環状の凹み部分5に形成している。この凹み部分5は、凹み部分5を有する外輪2が熱膨張しても、前記外輪正面側の周面部分2bsを延長した円筒面6に達しない深さに形成している。
すなわち、外輪外周面2bとハウジングHsとの嵌合部における外輪背面側部分に、外輪外周面2bとハウジングHsとが非接触となる逃げ用隙間δを設けており、この逃げ用隙間δの逃げ深さは、この逃げ用隙間δを構成する外輪2が熱膨張しても接触しない深さとしている。
前記凹み部分5は、外輪正面側に向かうに従って、ハウジングHsの嵌合面に近づく傾斜角度αを有するテーパ状としている。よって、この凹み部分5は端面側が小径となる。凹み部分5の傾斜角度αを大きくする程、温度による熱膨張分と共に、内部予圧による変形分が外輪2に加わるため、予圧増大の緩和度は大きくなる。また、この例では、凹み部分5を、外輪外周面2bのうち幅方向中央部2bcから外輪背面側の端面に至る部分にわたって形成している。ただし、凹み部分5の形成箇所は、この例に限定されるものではない。例えば、凹み部分5を、軌道溝底に対応する幅方向中央部2bcよりも外輪正面側に離れた箇所から外輪背面側の端面に至る部分にわたり形成しても良い。但し、凹み部分5を正面側に大きくするほど予圧緩和には有利となるが、反面軸受剛性は低下してしまうことになる。よって凹み部分5を形成する位置は必要な剛性を考慮して決定することになる。この場合、嵌合面となる外輪正面側の周面部分2bsの長さが図1(A)のものより短くなる。逆に、凹み部分5を、幅方向中央部2bcよりも外輪背面側に離れた箇所から外輪背面側の端面に至る部分にわたり形成しても良い。
外輪2のうち軸受空間側となる内周面に、外輪内径面2c、軌道溝2a、およびカウンタボアとなるテーパ面2dが形成されている。軌道溝2aの外輪背面側に外輪内径面2cが繋がり、軌道溝2aの外輪正面側にテーパ面2dが繋がっている。
この軸受設置構造では、ハウジングHsその他の軸受外部に、前述の発熱制御装置、冷却液供給装置等の付帯設備は設けられていない。
以上説明したアンギュラ玉軸受BR1によると、軸受運転中、外輪正面側の周面部分2bsでは、外輪2が温度上昇により熱膨張しても、外輪2よりも低温のハウジングHsによって膨張を拘束してしまう。一方、外輪背面側の周面部分2bhでは、この周面部分2bhを凹み部分5に形成したことにより、ハウジングHsによる拘束がないため外輪2の温度上昇による熱膨張が容易にできて、外輪2を径方向に変形させる。つまり、図1(A)のA部の拡大図である図1(B)に示すように、外輪2の軌道溝2aの曲率半径Raが熱膨張前の曲率半径Raよりも拡大する方向に、外輪2を変形させる。図1(B)の破線が、変形後の外輪2の軌道溝2aを示す。この場合、外輪2の軌道溝2aのうち転動体(玉)接触点では、径方向および軸方向へのすきま増大と同様の効果をもたらして、予圧増大が緩和されることになる。
このように軸受運転時における外輪2の熱膨張に応じて、軌道溝2aの曲率半径Raを拡大させて予圧増大の緩和防止を図っているため、従来技術のような回転速度と予圧設定のタイムラグがなく、且つ、軸受外部の発熱制御装置、冷却液供給装置等の付帯設備等を必要とせず安価に運転中の軸受予圧の増大を緩和することができる。また、ハウジングHsや軸Shに特別な加工を施す必要がないため、製作コストの低減を図ることが可能となる。
凹み部分5のテーパ状の傾斜角度αにより予圧を調整することが可能となるため、コスト低減を図れる。傾斜角度αを大きくする程、温度による熱膨張分と共に、内部予圧による変形分が外輪に加わるため、予圧増大の緩和度は大きくなる。ただし、傾斜角度αを大きくする程、軸受剛性の面で不利となる。凹み部分5は、外輪正面側に向かうに従って、傾斜角度αが変化するものとしても良いし、円筒面とテーパ面とを繋げて組合せたものとしても良い。
図2は、図1の実施形態に係る二個の前記アンギュラ玉軸受BR1,BR1を背面組合せとした断面図である。同図に示すように、各アンギュラ玉軸受BR1,BR1における、外輪背面側の周面部分2bh,2bhをそれぞれ凹み部分5,5に形成している。よって、これら凹み部分5,5が軸方向に隣接して配置される。軸方向に隣接する二個の内輪1,1は、間座7,8等を介して、図示外の固定ナット等を締付けて位置決め固定されている。軸方向に隣接する二個の外輪2,2のうち、軸方向前側、図2では左側の外輪2における、外輪正面側の端面をハウジングHsの段部9に当接させている。軸方向後側の外輪2における、外輪正面側の端面に、蓋部材10の一部を当接させると共に、この蓋部材10をハウジングHsに固定している。各軸受の組立て後のすきまは、通常、軸剛性を確保するため、若干の負すきまにして用いられるのが一般的である。
図2の構成によると、軸受運転中、各外輪2の外輪背面側の周面部分2bhを、凹み部分5に形成したことにより、ハウジングHsによる拘束がないため、外輪2の熱膨張を容易に行わせて、各外輪2を径方向に変形させる。したがって、各外輪2の軌道溝2aのうち玉接触点では、径方向および軸方向へのすきま増大と同様の効果をもたらして、予圧増大が緩和されることになる。よって、さらなる高速化または軸受寿命の延長が図れる。また、各外輪2,2の凹み部分5,5を軸方向に隣接して配置することで、二個のアンギュラ玉軸受BR1,BR1を背面組合せに正確に且つ容易に配置して組込むことができる。したがって、各外輪2,2に組合せのマーキング等を施すことなく、軸受BR1,BR1の組込みミスを未然に防止できる。その他図1と同様の作用効果を奏する。
図3に示すように、二個の前記アンギュラ玉軸受BR1,BR1を正面組合せとしても良い。この場合、各外輪2,2の凹み部分5,5は、軸方向に離隔して配置される。この正面組合せの場合にも、凹み部分5,5により外輪2の熱膨張を容易に行わせて、各外輪5,5を径方向に変形させ、予圧増大が緩和されることになる。
この発明の他の実施形態について説明する。以下の説明においては、各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
図4は、外輪背面側の凹み部分5を、外輪正面側の周面部分2bsに対して段部を成すものとしている。この段部は、外輪正面側の周面部分2bsに対して軸受空間側へ凹むように形成され、且つ、外輪外周面のうち軌道溝底に対応する幅方向中央部2bcから外輪背面側の端面に至る部分にわたって形成されている。ただし、凹み部分5の形成箇所は、この例に限定されるものではない。例えば、凹み部分5を、幅方向中央部2bcよりも外輪正面側に離れた箇所から外輪背面側の端面に至る部分にわたり形成しても良い。但し、凹み部分5を外輪正面側に大きくするほど予圧緩和には有利となるが、反面軸受剛性は低下してしまうことになる。よって凹み部分5を形成する位置は必要な剛性を考慮して決定することになる。逆に、凹み部分5を、幅方向中央部2bcよりも外輪背面側に離れた箇所から外輪背面側の端面に至る部分にわたり形成しても良い。
この場合にも、段部を成す凹み部分5により外輪2の熱膨張を容易に行わせて、各外輪2を径方向に変形させ、予圧増大が緩和することが可能となる。また、外輪正面側の周面部分2bsに対する段部の深さh1を深くする程、温度による熱膨張分と共に、内部予圧による変形分が軌道輪に加わるため、予圧増大の緩和度は大きくなる。つまり段部の深さh1により予圧を調整することが可能となる。ただし、段部の深さh1を深くする程、軸受剛性の面で不利となる。段部は、凹み部分5の傾斜角度αを変える場合に比べて、深さh1を容易に変えることができ、製作上有利である。
図5に示すように、図4のアンギュラ玉軸受BR1を背面組合わせで二個設置することも可能である。
図6は、内輪背面側の周面部分1bhを、テーパ状の傾斜角度αを有する凹み部分5に形成したアンギュラ玉軸受BR1である。同図に示すアンギュラ玉軸受BR1の内輪1は、軸材質である軸受鋼よりも線膨張係数の低い例えばセラミックスからなる。軸受運転中、軸Shと内輪1の温度が同等になるとすると、内輪1よりも線膨張係数の大きな軸Shにより内輪1は強制的に膨張させられてしまう。この場合に、内輪背面側の周面部分1bhを凹み部分5としたことにより、膨張量を小さくする。この場合、内輪1の軌道溝1aの曲率半径が熱膨張前の曲率半径よりも拡大する方向に、内輪1を変形させる。したがって、内輪1の軌道溝1aのうち玉接触点では、径方向および軸方向のすきま増大と同様の効果をもたらして、予圧増大が緩和されることになる。
それ故、従来技術のような回転速度と予圧設定のタイムラグがなく、且つ軸受外部の発熱制御装置、冷却液供給装置等の付帯設備等を必要とせず安価に運転中の軸受予圧の増大を緩和することができる。なお、内輪1を軸受鋼からなるものとして、内輪背面側の周面部分1bhを凹み部分5とした場合、軸受内部予圧の増大に伴う変形は、凹み部無しの場合に比べ予圧増大が緩和する効果を奏する。
図7に示すように、図6のアンギュラ玉軸受BR1を背面組合わせで二個設置することも可能である。
図8は、内輪背面側の凹み部分5を、内輪正面側の周面部分1bsに対して段部を成すものとしている。この段部は、内輪正面側の周面部分1bsに対して軸受空間側へ凹むように形成され、且つ、内輪内周面1bのうち幅方向中央部1bcから内輪背面側の端面に至る部分にわたって形成されている。この場合、図6と同様に軸受運転中、内輪1の軌道溝1aの曲率半径が熱膨張前の曲率半径よりも拡大する方向に、内輪1を変形させる。したがって、内輪1の軌道溝1aのうち玉接触点では、径方向および軸方向のすきま増大と同様の効果をもたらして、予圧増大が緩和されることになる。
図9に示すように、図8のアンギュラ玉軸受BR1を背面組合わせで二個設置することも可能である。
図10に示すように、内外輪1,2にそれぞれテーパ状の傾斜角度を有する凹み部分5,5を設けたアンギュラ玉軸受BR1を、背面組合わせで二個設置しても良い。また図11に示すように、内外輪1,2にそれぞれ段部を成す凹み部分5,5を設けたアンギュラ玉軸受BR1を、背面組合わせで二個設置しても良い。
図10,図11ともに、各アンギュラ玉軸受BR1の内輪1は、軸材質である軸受鋼等よりも線膨張係数の低いセラミックスからなる。これらの場合、内外輪1,2にそれぞれ凹み部分5,5を設けたため、軸受運転中、内外輪1,2共変形させることができ、予圧増大をさらに緩和することができる。
図12(A)は、図1(A)の外輪およびハウジングに代えて、標準の外輪2と、ハウジングHsにテーパ状の斜面角度αを有する凹み部分5とを設けたアンギュラ玉軸受設置構造としたものである。同図に示すように、ハウジングHsである軸受嵌合部材に、外輪外周面2bに対して、外輪正面側の周面部分2bsを嵌合させる円筒面状の軸受嵌合面11と、外輪背面側の周面部分2bhを非接触とするテーパ状の凹み部分5に形成する凹み部分形成面12とを設けている。この凹み部分形成面12の逃げ深さは、この凹み部分5に対向する外輪2が熱膨張しても、凹み部分形成面12に接触しない深さとしている。ハウジングHsの凹み部分5は、外輪外周面の幅方向中央部2bcに対向する箇所から、少なくとも外輪背面側端面に対向する箇所にわたって形成されている。この凹み部分5のテーパ状の傾斜角度αは図1(A)の例と同様の傾斜角度となっている。
図12(A)のアンギュラ玉軸受設置構造によると、軸受運転中、凹み部分5に対向する外輪2が熱膨張しても、外輪背面側の周面部分2bhは、軸受嵌合部材の凹み部分形成面12に対し非接触となる。したがって、軸受運転時における外輪2の熱膨張に応じて、軌道溝の曲率半径を拡大させて予圧増大の緩和防止を図ることができる。この場合、標準のアンギュラ玉軸受BR1を追加工等することなく使用できるため、軸受の汎用性を高めることができる。
図12(B)に示すように、図12(A)のテーパ状の斜面角度αを有する凹み部分5に代えて、段部を成す凹み部分5をハウジングHsに設けても良い。
図12(A),(B)では、単列のアンギュラ玉軸受BR1の軸受設置構造を示しているが、アンギュラ玉軸受BR1を背面組合せまたは正面組合せで複数個設置することも可能である。
図13(A)は、図6の内輪および軸に代えて、標準の内輪1と、軸Shにテーパ状の斜面角度αを有する凹み部分5とを設けたアンギュラ玉軸受設置構造としたものである。同図に示すように、軸Shである軸受嵌合部材に、内輪内周面1bに対して、内輪正面側の周面部分1bsを嵌合させる円筒面状の軸受嵌合面13と、内輪背面側の周面部分1bhを非接触とする凹み部分5を形成する凹み部分形成面14とを設けている。この凹み部分形成面14の逃げ深さは、この凹み部分5に対向する内輪1が熱膨張しても、凹み部分形成面14に接触しない深さとしている。軸Shの凹み部分5は、内輪内周面の幅方向中央部1bcに対向する箇所から、少なくとも内輪背面側端面に対向する箇所にわたって形成されている。この凹み部分5の傾斜角度αは図6の例と同様のテーパ状の傾斜角度αとなっている。
図13(A)のアンギュラ玉軸受設置構造によると、軸受運転時における内輪1の熱膨張に応じて、軌道溝1aの曲率半径を拡大させて予圧増大の緩和防止を図ることができる。この場合、標準のアンギュラ玉軸受BR1を追加工等することなく使用できるため、軸受の汎用性を高めることができる。また、軸Shに凹み部分5を設けるため、ハウジングHsに凹み部分5を設けるよりも加工性に優れ、製作コストの低減を図れる。
図13(B)に示すように、図13(A)の斜面角度αを有する凹み部分5に代えて、段部を成す凹み部分5を軸Shに設けても良い。
図13(A),(B)では、単列のアンギュラ玉軸受BR1の軸受設置構造を示しているが、アンギュラ玉軸受BR1を背面組合せまたは正面組合せで複数個設置することも可能である。
図14(A),(B)に示すように、ハウジングHsおよび軸Shに凹み部分5を設けたアンギュラ玉軸受設置構造としても良い。
前述のいずれかのアンギュラ玉軸受BR1において、内輪1、外輪2のうち、内外輪1,2をそれぞれセラミックスからなるものとしても良いし、外輪2のみセラミックスからなるものとしても良い。また内輪1のみセラミックスからなるものとしても良い。
前述のいずれかのアンギュラ玉軸受BR1において、内輪1、外輪2、玉3のいずれかの材質である軸受鋼に代えてステンレス鋼を使用することも可能である。
図15は、前述のいずれかのアンギュラ玉軸受設置構造を工作機械主軸用のスピンドル装置に適用した構成例である。主軸前側に円筒ころ軸受BR2を設置し、主軸後側にアンギュラ玉軸受BR1,BR1を背面組合せて設置している。各軸受BR1,BR1,BR2の外輪2をハウジングHsの内周に嵌合固定し、各軸受BR1,BR1,BR2の内輪内周面に軸Shを嵌合固定している。内輪1,1,1は、間座15,7,8を介して、軸Shに螺合する固定ナット16を締付けて位置決め固定している。外輪2,2,2は、ハウジングHsの内周に挿入されて、蓋10,17を図示外のボルト等で締結することで固定している。また、各軸受BR1,BR1,BR2の組立て後のすきまは、通常、軸剛性を確保するため、若干の負すきまにして用いられるのが一般的である。
このスピンドル装置によると、軸受運転中、逃げ用隙間δを構成する軌道輪を熱膨張できるようにしたため、この軌道輪の軌道溝のうち転動体接触点では、径方向および軸方向へのすきま増大と同様の効果をもたらして、予圧増大が緩和されることになる。このため、従来技術のような回転速度と予圧設定のタイムラグがなく、且つ軸受外部の発熱制御装置、冷却液供給装置等の付帯設備等を必要とせず安価に運転中の軸受予圧の増大を緩和することができる。よって、さらなる高速化または軸受寿命の延長が図れる。
1…内輪
1b…内輪内周面
1bs…内輪正面側の周面部分
1bh…内輪背面側の周面部分
2…外輪
2b…外輪外周面
2bs…外輪正面側の周面部分
2bh…外輪背面側の周面部分
3…玉
5…凹み部分
6…円筒面
11,13…軸受嵌合面
12,14…凹み部分形成面
BR1…アンギュラ玉軸受
Hs…ハウジング
Sh…軸

Claims (14)

  1. アンギュラ玉軸受において、軌道輪である内輪および外輪のうち、いずれか一方または両方の軌道輪につき、この軌道輪の軸受空間に対する外側となる周面における、軌道輪正面側の周面部分を、軸またはハウジングに対して嵌合させる円筒面状の嵌合面とし、軌道輪背面側の周面部分を、軌道輪正面側の周面部分に対して軸受空間側へ凹むように径が変化して前記軸またはハウジングに対して非接触となるように形成したことを特徴とするアンギュラ玉軸受。
  2. 請求項1において、前記軌道輪背面側の周面部分は、この軌道輪背面側の周面部分を形成した軌道輪が熱膨張しても、前記軌道輪正面側の周面部分を延長した円筒面に達しない深さに形成したものであるアンギュラ玉軸受。
  3. 請求項1または請求項2において、前記軌道輪背面側の周面部分は、この軌道輪の軌道輪正面側に向かうに従って、前記軌道輪に嵌合される軸またはハウジングの嵌合面に近づく傾斜角度を有するテーパ状であるアンギュラ玉軸受。
  4. 請求項1または請求項2において、前記軌道輪背面側の周面部分は、この軌道輪の軌道輪正面側の周面部分に対して段部を成すアンギュラ玉軸受。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記軌道輪背面側の周面部分を形成した軌道輪が外輪であるアンギュラ玉軸受。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記軌道輪背面側の周面部分を形成した軌道輪が内輪であるアンギュラ玉軸受。
  7. 請求項6において、前記内輪をセラミックスからなるものとしたアンギュラ玉軸受。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の軸受を、背面組合せまたは正面組合せで複数個設置したアンギュラ玉軸受設置構造。
  9. 背面組合せまたは正面組合せで複数個のアンギュラ玉軸受の外輪をハウジングに設置し、これらアンギュラ玉軸受の内輪に軸を嵌合させたアンギュラ玉軸受設置構造において、
    軌道輪である前記外輪の外周面とハウジングとの嵌合部、または軌道輪である前記内輪の内周面と軸との嵌合部における軌道輪背面側部分に逃げ用隙間を設けたことを特徴とするアンギュラ玉軸受設置構造。
  10. 請求項9において、前記逃げ用隙間の逃げ深さは、この逃げ用隙間を構成する軌道輪が熱膨張しても接触しない深さとしたものであるアンギュラ玉軸受設置構造。
  11. アンギュラ玉軸受の外輪をハウジングの内周に設置し、内輪に軸を嵌合させたアンギュラ玉軸受設置構造において、
    前記ハウジングまたは軸である軸受嵌合部材が嵌合される前記内外輪のいずれか一方または両方の軌道輪の周面のうち、軌道輪正面側の周面部分を、前記軸受嵌合部材に嵌合させる円筒面状の嵌合面とし、
    前記軌道輪の前記周面のうち、軌道輪背面側の周面部分を、前記軸受嵌合部材に対して非接触となる凹み部分に形成したことを特徴とするアンギュラ玉軸受設置構造。
  12. 請求項11において、前記凹み部分を形成する凹み部分形成面の凹み深さは、この凹み部分を形成した軌道輪が熱膨張しても、前記軌道輪正面側の周面部分を延長した円筒面に達しない深さに形成したものであるアンギュラ玉軸受設置構造。
  13. アンギュラ玉軸受の外輪をハウジングの内周に設置し、内輪に軸を嵌合させたアンギュラ玉軸受設置構造において、
    前記ハウジングまたは軸である軸受嵌合部材に、この軸受嵌合部材に嵌合させる前記内輪または外輪である軌道輪の周面に対して、軌道輪正面側の周面部分を嵌合させる円筒面状の軸受嵌合面と、軌道輪背面側の周面部分が非接触となるような凹み部分形成面とを設けたことを特徴とするアンギュラ玉軸受設置構造。
  14. 請求項13において、前記凹み部分形成面の逃げ深さは、この凹み部分に対向する軌道輪が熱膨張しても、前記凹み部分形成面に接触しない深さに形成したものであるアンギュラ玉軸受設置構造。
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