JP2008202349A - 建物用制震装置、建物ユニット、建物用制震装置の設置方法、及び建物ユニットの設置方法 - Google Patents

建物用制震装置、建物ユニット、建物用制震装置の設置方法、及び建物ユニットの設置方法 Download PDF

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Abstract

【課題】建物の揺れを効率的に制震でき、部材数や工数を最小限に抑えることのできる建物用制震装置を得る。
【解決手段】床大梁52の上面に、制震装置10を構成するフレーム12が設置されている。床大梁52の内部には、ブラケット26が挿入されている。フレーム12の下端に溶接されたフランジ板20、床大梁52、及びブラケット26には、基礎36に固定されるアンカーボルト34が貫通して固定されているので、基礎36からダンパ74までの間の力の伝達ロスが抑えられ、ダンパ74への荷重(力)伝達の効率化が図られる。また、制震装置10は、工場において建物ユニット60に対して仮設置冶具で仮設置し、施工現場にてアンカーボルト34を用いて制震装置10を建物ユニット60、及び基礎36に本設置するので、従来対比で工程が少なくできる。
【選択図】図2

Description

本発明は、建築物の揺れを低減させる建物用制震装置、建物ユニット、建物用制震装置の設置方法、及び建物ユニットの設置方法に関する。
建築物の地震等による揺れを抑えるために、制震装置を備えた建物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
従来、工場で製造される建物ユニットの場合では、制震装置が建物ユニットに本設置されている。ここで、本設置とは、制震装置本来の機能が発揮できるように、制震装置が建物ユニットに対して取り付けられていることを意味している。
特開2006―2367号公報
従来の建物ユニットでは、制震装置の本設置として工場において延材を下大梁(例えば、床大梁)の上面に対して溶接等で固着し、施工現場において下大梁と基礎とをアンカーボルトで連結している。
また、従来の建物ユニットでは、減衰手段からの反力が、延材、及び下大梁を順に介して基礎に伝達されるようになっている。
建物ユニットでは、梁としてチャンネル等の閉断面でない部材を用いる場合があり、このような場合には、延材からの力によって下大梁の延材取り付け部分が変形し、減衰手段への荷重(力)伝達の効率が低下する問題がある。
このため、梁の変形を抑えるために補強を設ける必要があり、部材費が高くなる。
さらに、制震装置と下大梁との接続、下大梁と補強との接続、補強と基礎との接続を各々行うため、部材数、及び工数が多くなる。
本発明は上記事実を考慮し、建物の揺れを効率的に制震でき、しかも部材数や工数を最小限に抑えることのできる建物用制震装置、建物ユニット、建物用制震装置の設置方法、及び建物ユニットの設置方法の提供を目的とする。
請求項1に記載の建物用制震装置は、第1の大梁側に連結可能とされる第1の大梁側連結部と、基礎側に連結可能とされると共に、前記第1の大梁とは離間して配置される第2の大梁に対して連結可能とされる第2の大梁側連結部と、前記第2の大梁側連結部を前記基礎に連結して力を伝達する基礎連結部と、前記第1の大梁と前記第2の大梁との相対変位を抑制する減衰手段と、を有することを特徴としている。
次に、請求項1に記載の建物用制震装置の作用を説明する。
請求項1に記載の建物用制震装置は、第1の大梁側連結部が建築物の第1の大梁側に連結され、第2の大梁側連結部が第2の大梁と共に基礎に連結される。ここで、第2の大梁側連結部は、基礎連結部によって基礎に連結される。基礎連結部は、第2の大梁を介さずとも、第2の大梁側連結部と基礎との間で力の伝達を行うことができる。
地震、強風等により建物に揺れが生じ、第1の大梁と第2の大梁との間に相対変位が生じると、減衰手段が該相対変位を抑制し、その結果、建物の揺れが低減される。
請求項1に記載の建物用制震装置では、第2の大梁側連結部が基礎連結部によって基礎に連結されると共に、第2の大梁に連結されるので、基礎から減衰手段までの間の力の伝達ロスが抑えられる、即ち、減衰手段への荷重(力)伝達の効率化が図られる。
また、第2の大梁側連結部が従来のように第2の大梁を介して基礎に連結されるのでは無く、第2の大梁側連結部が基礎に連結されると共に第2の大梁に連結されるので、第2の大梁の変形を抑えるための補強を軽減することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の建物用制震装置において、前記第2の大梁側連結部は前記第2の大梁を補強する補強部材を有し、前記基礎連結部は前記基礎に連結されるアンカーボルトを連結するための連結部を有する、ことを特徴としている。
次に、請求項2に記載の建物用制震装置の作用を説明する。
請求項2に記載の建物用制震装置では、基礎に連結されるアンカーボルトが、連結部に連結される。
建物用制震装置と基礎とがアンカーボルトを介して連結され、また、補強部材が第2の大梁を補強して第2の大梁の変形を抑えるので、減衰手段への荷重(力)伝達の効率化を高めることができる。
なお、アンカーボルトを基礎のアンカーホールに差し込んで固定することで、建物用制震装置の固定と、建物の基礎への固定が同時になされる。
また、アンカーボルトのネジ部にナットを取り付け、このナットを用いて第2の大梁側連結部、第2の大梁、及び補強部材の固定を行うことができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の建物用制震装置において、前記第1の大梁、及び前記第2の大梁を有する建物ユニットに対して、第1の大梁側連結部、及び第2の大梁側連結部の少なくとも一方を仮止めする仮設置冶具を有する、ことを特徴としている。
次に、請求項3に記載の建物用制震装置の作用を説明する。
仮設置冶具は、建物ユニットに対して、第1の大梁側連結部、及び第2の大梁側連結部の少なくとも一方を仮止めすることができる。
例えば、工場出荷時に第1の大梁側連結部、及び第2の大梁側連結部の少なくとも一方を、仮設置冶具で建物ユニットに仮止めして出荷し、施工現場において仮設置冶具を取り外し、建物用制震装置の本設置を行うことができる。
なお、本設置とは、建物用制震装置の本来の性能を発揮できる状態に設置されることを意味する。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の建物用制震装置において、前記仮設置冶具は、前記第2の大梁に対して前記第2の大梁側連結部、及び前記補強部材を仮連結する第1の状態、前記第2の大梁、前記第2の大梁側連結部、及び前記補強部材から離間可能とする第2の状態との何れか一方に選択できる、ことを特徴としている。
次に、請求項4に記載の建物用制震装置の作用を説明する。
仮設置冶具は、例えば、工場出荷時において第1の状態とし、第2の大梁に対して第2の大梁側連結部、及び補強部材を仮に連結する。
また、仮設置冶具は、施工現場において第2の状態とすることで、第2の大梁、第2の大梁側連結部、及び補強部材をから離間させることができ、その後、建物用制震装置の本設置が可能となる。
請求項5に記載の建物ユニットは、請求項4に記載の建物用制震装置を備え、前記第2の大梁に対して、前記第2の大梁を補強する補強部材、及び第2の大梁側連結部が、仮設置冶具で仮止めされている、ことを特徴としている。
次に、請求項5に記載の建物ユニットの作用を説明する。
請求項5に記載の建物ユニットでは、第2の大梁に対して、補強部材、及び第2の大梁側連結部が仮設置冶具で仮止めされているので、施工現場にて仮設置冶具を取り外し、建物用制震装置の本設置を行うことができる。
請求項6に記載の建物用制震装置の設置方法は、第1の大梁と前記第1の大梁とは離間して配置される第2の大梁との相対変位を抑制する建物用制震装置にアンカーボルトを連結すると共に、前記第2の大梁、及び前記第2の大梁を補強する補強部材を前記アンカーボルトに連結する工程と、前記建物用制震装置、前記第2の大梁、及び前記補強部材を連結した前記アンカーボルトを、基礎のアンカーホールに差込み固定する工程と、を有する、ことを特徴としている。
次に、請求項6に記載の建物用制震装置の設置方法の作用を説明する。
先ず、最初の工程では、建物用制震装置にアンカーボルトが連結されると共に、第2の大梁、及び第2の大梁を補強する補強部材がアンカーボルトに連結される。
次の工程では、建物用制震装置、第2の大梁、及び補強部材を連結したアンカーボルトが、基礎のアンカーホールに差し込まれて固定される。これにより、建物用制震装置と基礎とがアンカーボルトで連結されると共に、第2の大梁、及び補強部材がアンカーボルトに連結される。
請求項7に記載の建物ユニットの設置方法は、施工現場で建物ユニットを施工する前に、第1の大梁と第2の大梁の相対変位を抑制する建物用制震装置を建物ユニットに仮設置冶具で仮固定する仮設置工程と、施工現場にて、前記建物用制震装置にアンカーボルトを連結すると共に、前記第2の大梁、及び前記第2の大梁を補強する補強部材を前記アンカーボルトに連結する連結工程と、前記建物用制震装置、前記第2の大梁、及び前記補強部材を連結した前記アンカーボルトを、基礎のアンカーホールに差込み固定する本設置工程と、を有することを特徴としている。
請求項7に記載の建物ユニットの設置方法では、先ず、最初の仮設置工程で、施工現場で建物ユニットを施工する前に、第1の大梁と第2の大梁の相対変位を抑制する建物用制震装置が建物ユニットに仮設置冶具で仮固定される。
次の連結工程では、施工現場にて、建物用制震装置にアンカーボルトが連結されると共に、第2の大梁、及び第2の大梁を補強する補強部材がアンカーボルトに連結される。
次の本設置工程では、建物用制震装置、第2の大梁、及び補強部材を連結したアンカーボルトが、基礎のアンカーホールに差込み固定される。これにより、建物用制震装置を設けた建物ユニットが完成する。
以上説明したように本発明の建物用制震装置、建物ユニット、建物用制震装置の設置方法、及び建物ユニットの設置方法によれば、建物の揺れを効率的に制震でき、しかも部材数や工数を最小限に抑えることができる。
以下、図1〜図7を用いて、本発明に係るユニット建物の制震装置設置構造の実施形態について説明する。
(本実施形態に係るユニット建物の全体構成)
図1には、ユニット建物を構成する鋼製の部材からなる建物ユニット60が示されている。なお、ユニット建物は、建物ユニット60を1乃至複数用いることによって構成することができる。
なお、説明の便宜上、建物ユニット60の各部材に名称付けをしておく。建物ユニット60は、4本の柱32と、互いに平行に配置された長短二組の天井大梁42、44と、これらの天井大梁42、44に対して上下に平行に配置された長短二組の床大梁52、54とを備えており、梁の端部を天井と床の仕口に溶接することによりラーメン構造として構成されている。但し、ユニット構成は上記に限られることなく、他の箱形の架構構造としてもよい。
本実施形態では、天井大梁42、44、及び床大梁52、54に、断面コ字形状のチャンネル鋼(溝形鋼)が用いられている。
建物ユニット60は、矩形枠状に組まれた天井フレーム62と床フレーム64とを備えており、これらの間に4本の柱32が立設される構成となっている。天井フレーム62は四隅に天井仕口部(柱)66を備えており、この天井仕口部66に長さが異なる天井大梁42、44の長手方向の端部が溶接されている。
同様に、床フレーム64は四隅に床仕口部(柱)68を備えており、この床仕口部68に長さが異なる床大梁52、54の長手方向の端部が溶接されている。
そして、上下に対向して配置された天井仕口部66と床仕口部68との間に、柱32の上下端部が溶接により剛接合されて及びボルトにより仮固定されて建物ユニット60が構成される。
(制震装置設置構造)
次に、本実施形態の制震装置設置構造の要部について詳細に説明する。
図1、及び図2に示すように、本実施形態の建物ユニット60には、床大梁52と天井大梁42との間、及び天井大梁44と床大梁54との間に制震装置10が取り付けられている。
なお、以下に、代表して床大梁52と天井大梁42との間に設置される制震装置10を説明する。本実施形態の制震装置10は、以下に説明する、フレーム12、ダンパ74、第2のダンパ取付板72から構成されている。
図2に示すように、床大梁52の上面には、制震装置10を構成するフレーム12が設置されている。
フレーム12は、鉛直方向に延びる鋼製の第1の柱部材14、及び第1の柱部材14に対して傾斜する第2の柱部材16、及び第1の柱部材14と第2の柱部材16の中間部同士を連結する連結部材18を備え、正面視でアルファベットのA字形状とされている。なお、フレーム12の形状は他の形状であっても良い。
図3に示すように、第1の柱部材14の下端には、床大梁52に取り付けるためのフランジ板20が溶接されている。このフランジ板20には、後述するアンカーボルト34を挿通する丸孔(符号省略。本発明の連結部)が一対形成されており、この丸孔の上側にウエルドナット22が溶接されている。なお、第2の柱部材16の下端にも同様のフランジ板20が溶接されている。
図2に示すように、第2の柱部材16の上端は、第1の柱部材14の側面上側に溶接されている。また、連結部材18は、一端が第1の柱部材14の側面に、他端が第2の柱部材16の側面に溶接されている。
床大梁52には、第1の柱部材14の丸孔と対向する位置に、後述するアンカーボルト34を挿通する丸孔(符号省略)が形成されている。
床大梁52の内部には、鋼板で形成された枠形のブラケット26が挿入されており、ブラケット26の上面は床大梁52の上側板部分52A、ブラケット26の下面は床大梁52の下側板部分52Bに密着している。なお、ブラケット26は本発明の補強部材に相当する。
このブラケット26の上面、及び下面には、床大梁52の丸孔と対向する位置に、後述するアンカーボルト34を挿通する丸孔(符号省略)が形成されている。
第1の柱部材14の丸孔、床大梁52の丸孔、及びブラケット26の丸孔には、鉛直方向に基礎連結部としてのアンカーボルト34が挿通され、アンカーボルト34の上端付近は第1の柱部材14のウエルドナット22に螺合している。
また、アンカーボルト34の中間部分には、ナット30が2個螺合されており、上側のナット30とウエルドナット22とで、第1の柱部材14のフランジ板20と床大梁52の上側板部分52Aとを挟み込んでいる。一方、アンカーボルト34の中間部分に螺合された下方のナット30は、ブラケット26の下側板部分26Aに密着している。
アンカーボルト34は、下側が床大梁52の下面よりも突出しており、突出した部分が基礎36のアンカーホール38に挿入されている。アンカーホール38にはグラウド材40が充填されており、アンカーボルト34を基礎36に固定している。
図2、及び図4に示すように、第1の柱部材14の上端付近の側面には、第1のダンパ取付板70が溶接されている。
天井大梁42の下面には、第2のダンパ取付板72が溶接されている。
第1のダンパ取付板70と第2のダンパ取付板72との間にはダンパ74が水平に配置されており、ダンパ74は、一端がピン48を介して第1のダンパ取付板70に連結され、他端がピン48を介して第2のダンパ取付板72に連結されている。
ダンパ74は、第1のダンパ取付板70と第2のダンパ取付板72との相対変位時に減衰力を発生するものであれば、オイルダンパ、粘弾性ダンパ等の周知のダンパを用いることができる。
第1の柱部材14の上端には、スライド板76が垂直に取り付けられている。
一方、天井大梁42の下面には、第1の柱部材14の上方に、ガイド部材78が取り付けられている。
ガイド部材78は、スライド板76を挟み込む格好のコ字形状を呈しており、スライド板76は、ガイド部材内に梁長手方向に沿ってスライド自在に挿入されており、フレーム12が面外方向へ倒れることを防止している。なお、面外方向の「面」とは、天井大梁42と床大梁52とを結ぶ仮想の面を意味する。
(制震装置設置方法)
本実施形態の建物ユニット60は工場で製造され、施工現場に搬送されて設置されるものである。
工場出荷時の建物ユニット60は、図5(B)に示すように、床大梁52に対し、制震装置10、及びブラケット26が仮設置冶具45によって仮固定されている。
図5(A)に示すように、仮設置冶具45は、L字形状に曲げ加工された一対の屈曲板45A、44Bを互い逆向きに配置し、これら屈曲板45A、44Bは軸46を介して互いに連結されており、軸46を中心にして蝶番のように揺動可能となっている。
屈曲板45A、44Bには、各々第1の柱部材14の丸孔、床大梁52の丸孔、及びブラケット26の丸孔に挿入可能なピン48が一対固着されている。
仮設置冶具45を構成する一方の屈曲板45Aには、軸46の近傍に回転軸50が回転自在に支持されており、回転軸50の両側には、矩形のロックプレート56が固着している。
図5(A),(B)に示すように、ロックプレート56が軸46と交差する方向に配置されると、一対のロックプレート56によって一対の屈曲板45A、44Bが両面側から挟まれて、一対の屈曲板45A、44Bは揺動不可能となる(本発明の第1の状態)。
一方、図5(C)に示すように、ロックプレート56が軸46と平行に配置されると、ロックプレート56は一方の屈曲板45Aのみに対向することになって、一対の屈曲板45A、44Bは揺動可能となる(本発明の第2の状態)。
工場出荷時においては、仮設置冶具45の下側のピン48をブラケット26の下側の丸孔28、及び床大梁52の下側の丸孔24に挿入し、仮設置冶具45の上側のピン48をブラケット26の上側の丸孔28、床大梁52の上側の丸孔24、及び第1の柱部材14の丸孔20Aに挿入し、一対の屈曲板45A、44Bを一対のロックプレート56で挟んで揺動不可能な状態とすることで、床大梁52に対して制震装置10、及びブラケット26を仮設置する。なお、第1の柱部材14のみならず、第2の柱部材16も仮設置冶具45で仮設置する。
次に、施工現場での工程を説明する。
施工現場では、先ず、仮設置冶具45のロックプレート56を軸46と平行にしてから仮設置冶具45を折り曲げ、ブラケット26の内部から取り除く(図5(C)参照))。
次に、建物ユニット60をクレーン等で浮かし、図6(A)に示すように、床大梁52の丸孔24、及びブラケット26の丸孔28に対してアンカーボルト34を下方から挿入し、アンカーボルト34の上部を第1の柱部材14のウエルドナット22に螺合する。
なお、アンカーボルト34をウエルドナット22に螺合する前に、ブラケット26の内部にナット30を2個(アンカーボルト1本に対し)配置してアンカーボルト34の中間部分にナット30を螺合させる。
アンカーボルト34の上部をウエルドナット22に螺合した後、上側のナット30を回転し、上側のナット30と第1の柱部材14のウエルドナット22とで第1の柱部材14のフランジ板20、床大梁52の上側板部分52A、及びブラケット26の上側板部分26Bとを挟み、下方のナット30を回転してブラケット26の底板26Aに密着させる(図6(B)参照。)。これにより、アンカーボルト34が、制震装置10、床大梁52、及びブラケット26に固定される。
次に、建物ユニット60をクレーン等で吊り下げて、基礎36のアンカーホール38にアンカーボルト34を挿入し、グラウド材40でアンカーボルト34を基礎36に固定する(図3参照。))。
次に、制震装置10の作用を説明する。
地震、強風等により建物ユニット60に揺れが生じ、天井大梁42と床大梁52との間に相対変位が生じると、天井大梁42と床大梁52との間に配置された制震装置10が該相対変位を抑制し、建物ユニット60の揺れを低減する。なお、天井大梁44と床大梁54との間に相対変位が生じた場合には、天井大梁44と床大梁54との間に配置された制震装置10が該相対変位を抑制し、建物ユニット60の揺れを低減する。
本実施形態の制震装置10は、上述したように、アンカーボルト34を介して基礎36に対して連結され、さらに、ブラケット26で補強された床大梁52に対して連結されるので、基礎36からダンパ74までの間の力の伝達ロスが抑えられ、ダンパ74への荷重(力)伝達の効率化が図られる。
本実施形態の制震装置10は、アンカーボルト34を介して基礎36に連結されているので、床大梁52を補助的に補強しているブラケット26の強度(剛性)は最小限ですむ。例えば、制震装置10と基礎36とがアンカーボルト34で連結されない場合には、床大梁52の変形を抑えるためにブラケット26は高い強度(剛性)を必要とし、部材費が高くなる。
また、従来では、工場にて制震装置と床大梁とを溶接固定(本設置)していたが、本実施形態では、工場において制震装置10を建物ユニット60に対して仮設置冶具45で仮設置し、施工現場にてアンカーボルト34を用いて制震装置10を建物ユニット60、及び基礎36に本設置するので、従来対比で工程が少なくできる。
削減できる工数の具体例としては、例えば、第1の柱部材14と床大梁52との溶接、第2の柱部材16と床大梁52との溶接、ブラケット26と床大梁52との溶接を上げることができる。
取り外した仮設置冶具45は、工場で製造する新たな建物ユニット60に再使用することができるため、部材費を低減できる。
[その他の実施形態]
図7には、前述した仮設置冶具45とは異なる構造の仮設置冶具80が示されている。
この仮設置冶具80は、L字形状に曲げ加工された屈曲板80Aと屈曲板80Bとが互い逆向きに配置されている。
屈曲板80Aと屈曲板80Bとは一部分が重ねられており、屈曲板80Aには一対のネジ82が取り付けられており、屈曲板80Bにはネジ82を挿通する長孔84が形成されている。
また、屈曲板80A、80Bには、各々第1の柱部材14の丸孔20A、床大梁52の丸孔24、及びブラケット26の丸孔28に挿入可能なピン48が一対固着されている。
一対のネジ82を緩めることで、屈曲板80Aと屈曲板80Bとを長孔84の長手方向に沿って相対的にスライドさせることができ、仮設置冶具80の全長を変更できる。また、一対のネジ82を締め込むことで、屈曲板80Aと屈曲板80Bとを固定することができる。
工場出荷時においては、仮設置冶具80の下側のピン48をブラケット26の下側の丸孔28、及び床大梁52の下側の丸孔24に挿入し、仮設置冶具80の上側のピン48をブラケット26の上側の丸孔28、床大梁52の上側の丸孔24、及び第1の柱部材14の丸孔20Aに挿入し、ネジ82を締め込んで屈曲板80Aと屈曲板80Bとを固定することで、床大梁52に対して制震装置10、及びブラケット26を仮設置する。なお、第1の柱部材14のみならず、第2の柱部材16も仮設置冶具80で仮設置する。
一方、施工現場では、ネジ82を緩めて仮設置冶具80の全長を短くして、仮設置冶具80をブラケット26の内部から取り除けば良い。
なお、上記実施形態では、制震装置10を床大梁と天井大梁とに連結した例を説明したが、本発明はこれに限らず、相対変位する梁であれば、制震装置10の連結対象は、床大梁や天井大梁以外であっても良い。
上記実施形態の制震装置10では、建物ユニット60と基礎36との連結前の状態で、制震装置10側にアンカーボルト34が固定されていたが、これに限らず、建物ユニット60と基礎36との連結前の状態でアンカーボルト34が基礎36側に固定されていても良い。
上記実施形態では、アンカーボルト34を用いて第1の柱部材14と基礎36とを連結したが、本発明はこれに限らず、アンカーボルト34以外の部材で第1の柱部材14と基礎36とを連結しても良い。
上記実施形態では、補強としてブラケット26を用いたが、ブラケット26は必要に応じて用いれば良く、床大梁52の強度が十分な場合等では、ブラケット26を用いなくても良い。
(A)は建物ユニットの分解斜視図であり、(B)は制震装置を取り付けた建物ユニットの斜視図である。 制震装置の正面図である。 制震装置の基礎への取付部分を示す正面図である。 制震装置の上端付近を示す側面図である。 (A)は仮設置冶具の斜視図であり、(B)は制震装置を仮設置冶具で仮設置した際の仮設置冶具の側面図であり、(C)は折り曲げた上体の仮設置冶具を示す仮設置冶具の側面図である。 (A)はアンカーボルトを取り付ける前の制震装置、ブラケット、及び下大梁を示す正面図であり、(B)はアンカーボルトを取り付けた状態を示す制震装置、ブラケット、及び下大梁の正面図である。 他の実施形態に係る仮設置冶具の斜視図である。
符号の説明
10 制震装置
20 フランジ板(第2の大梁側連結部)
26 ブラケット(補強部材)
34 アンカーボルト(基礎連結部)
45 仮設置冶具
60 建物ユニット
72 第2のダンパ取付板(第1の大梁側連結部)
74 ダンパ(減衰手段)
80 仮設置冶具

Claims (7)

  1. 第1の大梁側に連結可能とされる第1の大梁側連結部と、
    基礎側に連結可能とされると共に、前記第1の大梁とは離間して配置される第2の大梁に対して連結可能とされる第2の大梁側連結部と、
    前記第2の大梁側連結部を前記基礎に連結して力を伝達する基礎連結部と、
    前記第1の大梁と前記第2の大梁との相対変位を抑制する減衰手段と、
    を有することを特徴とする建物用制震装置。
  2. 前記第2の大梁側連結部は前記第2の大梁を補強する補強部材を有し、前記基礎連結部は前記基礎に連結されるアンカーボルトを連結するための連結部を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の建物用制震装置。
  3. 前記第1の大梁、及び前記第2の大梁を有する建物ユニットに対して、第1の大梁側連結部、及び第2の大梁側連結部の少なくとも一方を仮止めする仮設置冶具を有する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の建物用制震装置。
  4. 前記仮設置冶具は、前記第2の大梁に対して前記第2の大梁側連結部、及び前記補強部材を仮連結する第1の状態、前記第2の大梁、前記第2の大梁側連結部、及び前記補強部材から離間可能とする第2の状態との何れか一方に選択できる、ことを特徴とする請求項3に記載の建物用制震装置。
  5. 請求項4に記載の建物用制震装置を備え、前記第2の大梁に対して、前記第2の大梁を補強する補強部材、及び第2の大梁側連結部が、仮設置冶具で仮止めされている、ことを特徴とする建物ユニット。
  6. 第1の大梁と前記第1の大梁とは離間して配置される第2の大梁との相対変位を抑制する建物用制震装置にアンカーボルトを連結すると共に、前記第2の大梁、及び前記第2の大梁を補強する補強部材を前記アンカーボルトに連結する工程と、
    前記建物用制震装置、前記第2の大梁、及び前記補強部材を連結した前記アンカーボルトを、基礎のアンカーホールに差込み固定する工程と、
    を有する、ことを特徴とする建物用制震装置の設置方法。
  7. 施工現場で建物ユニットを施工する前に、第1の大梁と第2の大梁の相対変位を抑制する建物用制震装置を建物ユニットに仮設置冶具で仮固定する仮設置工程と、
    施工現場にて、前記建物用制震装置にアンカーボルトを連結すると共に、前記第2の大梁、及び前記第2の大梁を補強する補強部材を前記アンカーボルトに連結する連結工程と、
    前記建物用制震装置、前記第2の大梁、及び前記補強部材を連結した前記アンカーボルトを、基礎のアンカーホールに差込み固定する本設置工程と、
    を有することを特徴とする建物ユニットの設置方法。
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