JP2008199511A - Ofdm信号等化装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低速移動時及び高速移動時の双方において良好な伝送路特性の推定を行う。
【解決手段】データ信号と時間方向及び周波数方向に分散配置された既知のパイロット信号とを含むOFDM信号を等化するOFDM信号等化装置において、推定した前記パイロット信号の伝送路特性を前記時間方向及び前記周波数方向に補間することによって前記データ信号の伝送路特性を推定し、推定した前記データ信号の伝送路特性に基づいて前記データ信号を等化する。推定した前記パイロット信号の伝送路特性の、時間方向における変化の曲線度を評価する。高速移動時など、曲線度が高い場合は時間方向の補間に曲線補間を用い、低速移動時など、曲線度が低い場合は時間方向の補間に線形補間を用いるようにする。
【選択図】図3

Description

本発明は、受信したOFDM信号を等化するためのOFDM信号等化装置及びOFDM信号等化方法に関する。また、本発明は、それらを利用したデジタル放送受信装置に関する。
日本や欧州のデジタル放送システムでは、放送方式にOFDM(直交周波数多重分割;Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を採用している。OFDM方式は、1チャンネルの帯域内に互いに直交する多数のサブキャリアを多重して伝送する方式である。
送信局では、サブキャリアごとに、伝送すべきベースバンド信号をQAM、QPSK、DQPSKなどの変調方式で変調し、その変調によって得られる信号に対して逆フーリエ変換(IFFT)を施すことでOFDM信号を生成する。一方、受信装置では、受信したOFDM信号に対してフーリエ変換(FFT)を行い、フーリエ変換後の信号を復調する。
受信装置でOFDM信号を受信する際、所謂マルチパスにより歪み(マルチパス歪み)の影響を受けて受信する場合が多い。送信局から送信された信号は、空中を伝播してから受信装置で受信されるが、電波の伝送路中に山や建築物等の障害物が存在すると、電波はその障害物で反射する。このとき、受信装置は、送信局から直接到来した直接波と共に障害物で反射した反射波を同時に受信することになる。直接波と反射波は位相が異なるため、これらの合成波は直接波と比べて歪みを受けた信号になる。この歪みがマルチパス歪みである。歪みを受けた信号から歪みを除去する等化処理を行うことなく、復調処理を行うと、正常なベースバンド信号を復元できず、受信装置側で出力される映像等に乱れが生じる。
このような歪みを除去する技術(等化技術)として、下記特許文献1及び2並びに下記非特許文献1に記載された技術がある。これらの技術では、OFDM信号に埋め込まれた既知のパイロット信号を利用している。
図17に、日本のISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)方式における、パイロット信号の配置を示す。このパイロット信号は、スキャッタードパイロット信号と呼ばれ、これをSP信号と表記する。SP信号は、時間方向及び周波数方向に所定間隔をおいて分散配置される。フーリエ変換後のOFDM信号は、分散配置されたSP信号と、映像等を表すデータ信号と、から形成される。
データ信号の歪みを除去するためには、その歪みを表す伝送路特性を推定する必要がある。そこで、一般的には、受信したSP信号の伝送路特性を推定した後、そのSP信号の伝送路特性を時間方向に線形補間し、更に周波数方向に内挿補間することで、全データ信号に対する伝送路特性を推定するようにしている(下記特許文献1及び非特許文献1参照)。
しかしながら、車などの移動体に受信装置を搭載し、高速で移動しながらデジタル放送信号を受信する場合、時間方向において伝送路特性の変動が激しくなるため、時間方向の線形性が崩れて、線形補間によって推定した伝送路特性と実際の伝送路特性との間に誤差が生じる。つまり、伝送路特性を正確に推定することができなくなり、結果、映像等に乱れが生じることになる。
これに対し、下記特許文献2では、時間方向の補間にFIR型フィルタによる内挿を用いている。FIR型フィルタを用いると、SP信号間の伝送路特性が曲線的に補間される。このため、高速移動時など、時間方向の線形性が崩れるような状況に対応可能である。しかしながら、低速移動時などにおいては、雑音の影響を受けやすいという問題がある。
この問題を、図18を参照して説明する。図18において、横軸は時間である。低速移動時などにおいては、時間方向に伝送路特性はあまり変化せず、変化したとしても、それは直線的な変化であることが多い。しかし、受信SP信号には雑音が付加されるため、受信SP信号は微小に変動している。図18において、符号900〜903が付された白丸は雑音を含まない理想的な受信SP信号の伝送路特性の振幅を表し、符号910〜913が付された黒丸は雑音が付加された実際の受信SP信号の伝送路特性の振幅を表す。
時間方向補間に線形補間を用いた場合、補間は、図18の実線折れ線920に従って行われることになる。一方、FIR型フィルタを用いた場合、雑音が付加されたSP信号間が曲線的に繋がれることになるため、補間は、例えば破線曲線930に従って行われることになる。つまり、場合によっては、雑音を増強するような補間を行ってしまうことがある。そうすると、伝送路特性を正確に推定することができなくなり、結果、映像等に乱れが生じることになる。
特許第3084368号公報 特開2006−203613号公報 伊丹誠,「わかりやすいOFDM技術」,オーム社,2005年11月,p.66−82
そこで本発明は、状況に応じた良好な伝送路推定を可能とするOFDM信号等化装置及びOFDM信号等化方法を提供することを目的とする。また、本発明は、そのOFDM信号等化装置を利用したデジタル放送受信装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係るOFDM信号等化装置は、データ信号と時間方向及び周波数方向に間隔をおいて配置された既知のパイロット信号とを含むOFDM信号を等化するOFDM信号等化装置において、前記パイロット信号に基づいて前記パイロット信号の伝送路特性を推定する推定手段と、推定された前記パイロット信号の伝送路特性を前記時間方向及び前記周波数方向に補間することによって前記データ信号の伝送路特性を推定する補間手段と、推定された前記データ信号の伝送路特性に基づいて前記データ信号を等化するデータ信号等化手段と、を備え、前記補間手段は、推定された前記パイロット信号の伝送路特性に基づいて、前記パイロット信号の伝送路特性の、前記時間方向における変化の曲線度を評価する曲線度評価手段を備え、前記曲線度に応じて、前記時間方向における、前記パイロット信号の伝送路特性の補間方式を変更することを特徴とする。
これにより、時間方向の補間方式を状況に応じて適切に変更可能となる。この結果、伝送路特性の推定精度の向上が見込める。
具体的には例えば、前記補間手段は、推定された前記パイロット信号の伝送路特性を前記時間方向に曲線補間または線形補間する時間方向補間手段を更に備え、前記補間手段は、前記曲線度に応じて、前記補間方式を前記曲線補間及び前記線形補間の何れかに決定する。
また例えば、前記補間手段は、前記推定手段の推定によって得られた前記パイロット信号の伝送路特性と前記時間方向補間手段の補間によって得られた前記データ信号の伝送路特性を前記周波数方向に補間する周波数方向補間手段を更に備えている。
また具体的には例えば、前記曲線度評価手段は、推定された前記パイロット信号の伝送路特性の、前記時間方向における振幅変化に基づいて、前記曲線度を評価する。
また具体的には例えば、前記曲線度評価手段は、前記時間方向に互いに隣接した3つの時刻における前記パイロット信号の伝送路特性を参照し、前記3つの時刻間における前記パイロット信号の伝送路特性の振幅変化に基づいて、前記3つの時刻の中間時刻に対する前記曲線度を評価し、前記補間手段は、前記中間時刻に対する前記曲線度に基づいて、前記中間時刻に対する前記補間方式を前記曲線補間及び前記線形補間の何れかに決定する。
また具体的には例えば、前記時間方向補間手段は、前記曲線補間として多項式補間を用いる。
これにより、FIR型フィルタを用いる場合と比べて、必要メモリ容量の増加を抑制することが可能となる。
上記目的を達成するために本発明に係るデジタル放送受信装置は、OFDM信号を用いたデジタル放送を受信するデジタル放送受信装置において 上記のOFDM信号等化装置を備えたことを特徴とする。
上記目的を達成するために本発明に係るOFDM信号等化方法は、データ信号と時間方向及び周波数方向に間隔をおいて配置された既知のパイロット信号とを含むOFDM信号を等化するOFDM信号等化方法において、前記パイロット信号に基づいて前記パイロット信号の伝送路特性を推定する推定ステップと、推定された前記パイロット信号の伝送路特性を前記時間方向及び前記周波数方向に補間することによって前記データ信号の伝送路特性を推定する補間ステップと、推定された前記データ信号の伝送路特性に基づいて前記データ信号を等化するデータ信号等化ステップと、を備え、前記補間ステップでは、推定された前記パイロット信号の伝送路特性に基づいて、前記パイロット信号の伝送路特性の、前記時間方向における変化の曲線度を評価し、前記曲線度に応じて、前記時間方向における、前記パイロット信号の伝送路特性の補間方式を変更することを特徴とする。
本発明によれば、状況に応じた良好な伝送路推定を可能とするOFDM信号等化装置及びOFDM信号等化方法を提供することができる。
本発明の意義ないし効果は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも本発明の一つの実施形態であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以下の実施の形態に記載されたものに制限されるものではない。
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。
図1に、本発明の実施形態に係るデジタル放送受信装置100(以下、受信装置100と略記する)の概略ブロック図を示す。
受信装置100と図示されない送信局(デジタル放送送信装置)は、デジタル放送システムを構成し、このデジタル放送システムでは、放送方式にOFDM(直交周波数多重分割;Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を採用している。OFDM方式は、1チャンネルの帯域内に互いに直交する多数のサブキャリア(以下、単にキャリアとも言う)を多重して伝送する方式である。
送信局では、サブキャリアごとに、伝送すべきベースバンド信号をQAM(Quadrature Amplitude Modulation)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、DQPSK(Differential Quadrature Phase Shift Keying)などの変調方式で変調し、その変調によって得られる信号に対して逆高速フーリエ変換(IFFT;Inverse Fast Fourier Transform)を施すことでOFDM信号を生成する。ベースバンド信号は、伝送されるべき映像信号や音声信号を含む。生成されたOFDM信号は、デジタル放送(例えば、いわゆる地上デジタル放送)により受信装置100に対して送信されるべき信号として、送信局から送信される。
受信装置100は、このデジタル放送によって送信されてきたデジタル放送信号を受信する。デジタル放送信号は、複数チャンネル分のOFDM信号を含む。受信装置100は、受信アンテナ1と、チューナ部2と、FFT処理部3と、等化処理部4と、復調処理部5と、RAM(Random Access Memory)6と、を備える。
チューナ部2は、受信アンテナ1を介して上記のデジタル放送信号を受信し、受信したデジタル放送信号の中から、選局されたチャンネルに対応するOFDM信号(OFDM変調信号)を抽出して出力する。チューナ部2から出力されたOFDM信号は、FFT処理部3に送られる。
FFT処理部3は、受信したOFDM信号を、高速フーリエ変換(FFT;Fast Fourier Transform)を用いて時間軸上の信号から周波数軸上の信号に変換する。この変換によって得られた周波数軸上のOFDM信号は、等化処理部4に送られる。
等化処理部4は、受信した周波数軸上のOFDM信号から歪みを除去する等化処理を行う。この歪みは、主として、マルチパスによって生じる。等化処理によって歪みが除去された信号(後述の等化信号)は、復調処理部5に送られる。
復調処理部5は、歪みが除去された信号(後述の等化信号)をベースバンド信号としてのMPEG(Moving Picture Experts Group)符号化信号に変換するための復調処理を行う。MPEG符号化信号は、デジタル放送によって伝達されるべき映像信号や音声信号を符号化した信号である。この復調処理によって得られたMPEG符号化信号は、MPEGデコーダ(不図示)に送られてデコードされた後、表示装置やスピーカ(双方不図示)に送られ、映像として表示又は音声として出力される。受信装置100は、MPEGデコーダ、表示装置及びスピーカをも含みうる。
RAM6は、等化処理部4による等化処理に必要な情報を記憶する。尚、受信装置100を形成する他の部位も、RAM6を利用しうる。
デジタル放送の放送方式として、日本のISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)方式や欧州のDVB−T(Digital Video Broadcasting-Terrestrial)方式などがあるが、何れもサブキャリアの中に、振幅及び位相が既知のパイロット信号が挿入されている。例えば、日本のISDB−T方式では、図2に示すようにパイロット信号が配置される。以下、説明の具体化のため、日本のISDB−T方式に従ったデジタル放送信号(OFDM信号)を受信する場合を説明する。
FFT処理部3から出力されるOFDM信号は、図2に示す如く、周波数方向及び時間方向に配列されたデータ信号とパイロット信号とから成り、これを総称してOFDMシンボル列と呼ぶ。このパイロット信号は、一般にスキャッタードパイロット信号と呼ばれ、以下、これをSP信号という。尚、一般的に、データ信号及びパイロット信号は夫々データシンボル及びパイロットシンボルとも呼ばれる。このため、本明細書におけるデータ信号及びパイロット信号(SP信号)を、夫々データシンボル及びパイロットシンボル(スキャッタードパイロットシンボル)と読み替えることもできる。また、周波数方向及び時間方向は夫々キャリア方向及びシンボル方向とも呼ばれる。
時間方向に対応する時間番号(シンボル番号)をtで表し、周波数方向に対応するキャリア番号をlで表す。ここで、tは0以上の整数をとり、lは0以上且つ(L−1)以下の整数をとる。Lは、OFDM信号を形成するサブキャリアの総本数である。tは、OFDM信号のシンボル長を単位として考えた時刻を表す。tとlを一意に定めることによって一意に定まる、OFDMシンボル列内の位置をキャリア位置と呼び、それを(t,l)にて表す。
SP信号は、l=3×(t mod 4)+12p、を満たすキャリア位置に配置される。ここで、modは剰余演算を表し、pは整数である。即ち、図2に示す如く、或る時刻tにおけるOFDM信号においてSP信号は周波数軸上にキャリア12個おきに配置され、時刻tが1だけ進むごとにSP信号はキャリア3個分、周波数方向にシフトされる。例えば、時刻t=0では、キャリア位置(0,0)、(0,12)、(0,24)、(0,36)、・・・にSP信号が配置され、時刻t=1では、キャリア位置(1,3)、(1,15)、(1,27)、(1,39)、・・・にSP信号が配置される。
OFDMシンボル列において、SP信号が配置されていない部分にはデータ信号が配置される。データ信号は、送信局から受信装置100に伝達されるべき本来の情報を含み、このデータ信号からMPEG符号化信号が生成される。
図3に、図1の等化処理部4の内部ブロック図を示す。等化処理部4は、SP抽出部11と、SP生成部12と、SP複素除算部13と、補間部14と、複素除算部15と、を備える。補間部14は、時間方向曲線度推定部20(以下、曲線度推定部20と略記する)、時間方向補間部21及び周波数方向補間部22から成る。曲線度推定部20が等化処理部4の内部であって且つ補間部14の外部に存在する、と考えるようにしても構わない。
FFT処理部3から送られてくる周波数軸上のOFDM信号はSP抽出部11に与えられる。この周波数軸上のOFDM信号は、図2に示すようなOFDMシンボル列で表すことができる。SP抽出部11は、周波数軸上のOFDM信号(即ち、OFDMシンボル列)の中からSP信号を抽出する。SP抽出部11によって抽出されたSP信号を、以下、受信SP信号とも呼ぶ。
SP生成部12は、SP抽出部11によるSP信号の抽出とは別に、既知の振幅及び位相を有するSP信号を生成する。SP生成部12によって生成されたSP信号を、正解SP信号とも呼ぶ。受信SP信号は、空間伝播時の伝送路特性にて定まる歪みを含んでいるが、正解SP信号は、そのような歪みを含んでいない。このため、受信SP信号と正解SP信号は、通常、異なる。
SP複素除算部13は、下記式(1)に従い、歪みを含む受信SP信号を正解SP信号にて複素除算することにより、空間伝播時にSP信号に作用した伝送路特性を推定する。
Figure 2008199511
ここで、XSP(t,l)は、SP抽出部11によって抽出された、キャリア位置(t,l)の受信SP信号を表す。dSP(t,l)は、SP生成部12によって生成された、キャリア位置(t,l)の正解SP信号を表す。HSP(t,l)は、SP複素除算部13にて推定される、キャリア位置(t,l)の受信SP信号に対する伝送路特性を表す。XSP(t,l)、dSP(t,l)及びHSP(t,l)は、夫々、複素平面上で定義される複素信号であるため、振幅を表す振幅成分及び位相を表す位相成分から成る。尚、dSP(t,l)は、日本のデジタル放送システムの仕様書(日本のISDB−T方式)にて定められている。
SP複素除算部13によって推定された伝送路特性HSP(t,l)は、補間部14に与えられる。SP複素除算部13では、SP信号に対してのみ伝送路特性が推定され、データ信号に対する伝送路特性は推定されない。そこで、補間部14では、データ信号に対する伝送路特性を補間によって算出する。
具体的には、まず、SP複素除算部13によって推定された伝送路特性HSP(t,l)が時間方向補間部21に与えられる。時間方向補間部21は、SP信号の伝送路特性HSP(t,l)を時間方向に補間する。より具体的に言えば、SP信号の伝送路特性HSP(t,l)に基づいて時間方向の補間を行い、これによって、SP信号が挿入されているキャリアに対応するデータ信号の伝送路特性を推定する。時間方向補間部21は、図4に示す如く、時間方向に曲線補間を行うための時間方向曲線補間部31と時間方向に線形補間を行うための時間方向線形補間部32とを備え、時間方向の補間方式として曲線補間及び線形補間の何れかを用いる。尚、線形補間は、直線補間とも言い換えることができる。
時間方向の補間方式として曲線補間及び線形補間の何れを用いるかは、図3の曲線度推定部20から出力される補間方式選択信号に従う。
曲線度推定部20の機能について説明する。曲線度推定部20には、SP複素除算部13によって推定された伝送路特性HSP(t,l)が与えられる。図2に示す如く、SP信号は時間方向に等間隔(4シンボル間隔)で配置されているが、曲線度推定部20は、時間方向に等間隔で配置されたSP信号間の伝送路特性を曲線的に補間する方が良いか或いは直線的に補間する方が良いかを判断する。
具体的には、まず、SP信号の伝送路特性の、時間方向における変化の曲線性(又は線形性)を表す指標として、曲線度Dを算出する。曲線度Dの算出手法を、図5を参照して説明する。例として、時刻t=0〜時刻t=15までのOFDMシンボル列が得られ、そのOFDMシンボル列に含まれる各SP信号の伝送路特性が推定された段階を考える。この例を、以下、便宜上「例α」と呼ぶ。
曲線度Dの算出に当たり、曲線度推定部20は、SP信号が挿入されている各キャリアにおいて時間方向に互いに隣接する直近の3つのSP信号の伝送路特性HSP(t,l)を参照する。但し、最新時刻(例αの場合、t=15)のSP信号が挿入されているキャリアのみを着目する。従って、時刻t=15までのOFDMシンボル列を考えた場合、時刻t=15にSP信号を含むキャリア(l=9、21、33、・・・)のみを着目し、時刻t=7、11及び15における各SP信号の伝送路特性HSP(t,l)を参照する。曲線度Dの算出に当たり、伝送路特性HSP(t,l)が参照されるSP信号を、特に、参照SP信号と呼ぶ。0≦l≦33では、キャリア位置(7,9)、(11,9)、(15,9)、(7,21)、(11,21)、(15,21)、(7,33)、(11,33)及び(15,33)におけるSP信号201、202、203、211、212、213、221、222及び223が、参照SP信号となる。尚、図5に示される符号230については後述する。
曲線度推定部20は、参照SP信号が配置されている各キャリアについて、キャリアごとに、参照SP信号の伝送路特性HSP(t,l)の時間方向における振幅変化曲線量を算出し、キャリアごとに算出した振幅変化曲線量の平均値を曲線度Dとする。各キャリアにおいて、3つの参照SP信号の伝送路特性HSP(t,l)の振幅を古い時刻から順にP1、P2及びP3とした場合、振幅変化曲線量は|(P2−P1)−(P3−P2)|で表される。図6(a)に示す如く、P1、P2、P3の順に振幅が線形的に増大(或いは減少した)場合、振幅変化曲線量はゼロとなる一方、図6(b)又は(c)に示す如く、振幅が曲線的に変化した場合、振幅変化曲線量は比較的大きな値をとる。尚、当然ではあるが、振幅は0又は正の値をとる。
そして、参照SP信号が配置されているキャリアの総数をNとすると、曲線度Dは下記式(2)によって算出される。Nは、同一シンボル中の参照SP信号の総数(例αの場合、時刻t=15のOFDMシンボル列に含まれるSP信号の総数)に等しい。
Figure 2008199511
式(2)において、ΣSPは、キャリアごとに算出された振幅変化曲線量|(P2−P1)−(P3−P2)|を足し合わせることを意味する。例αの場合、0≦l≦33の範囲内で限定して考えると(即ち、キャリアの総本数が34本であると仮定すると)、
SP信号201、202及び203の伝送路特性HSP(t,l)の振幅を夫々P1、P2及びP3とした場合における振幅変動量|(P2−P1)−(P3−P2)|と、
SP信号211、212及び213の伝送路特性HSP(t,l)の振幅を夫々P1、P2及びP3とした場合における振幅変動量|(P2−P1)−(P3−P2)|と、
SP信号221、222及び223の伝送路特性HSP(t,l)の振幅を夫々P1、P2及びP3とした場合における振幅変動量|(P2−P1)−(P3−P2)|とを足し合わせた値を3で割った値が、曲線度Dとなる。
上記式(2)を参照しても分かるように、伝送路特性の時間方向の変化が曲線的な変化である時、曲線度Dは比較的大きな値をとり、伝送路特性の時間方向の変化が直線的な変化である時或いは該変化が殆どない時、曲線度Dは比較的小さな値(例えば0又は殆ど0)をとる。
曲線度Dを算出した後、図3の曲線度推定部20は、曲線度Dと予め定められた閾値DTHとを比較する。そして、D≧DTHの時、曲線度推定部20は、時間方向の補間方式として曲線補間を選択し、曲線補間の選択を指示する補間方式選択信号を時間方向補間部21に出力する。一方、D<DTHの時、曲線度推定部20は、時間方向の補間方式として線形補間を選択し、線形補間の選択を指示する補間方式選択信号を時間方向補間部21に出力する。
曲線度推定部20から曲線補間の選択を指示する補間方式選択信号を受けた時、時間方向補間部21は、図4の時間方向曲線補間部31を用いて、SP信号の伝送路特性HSP(t,l)を時間方向に曲線補間する。一方、曲線度推定部20から線形補間の選択を指示する補間方式選択信号を受けた時、時間方向補間部21は、図4の時間方向線形補間部32を用いて、SP信号の伝送路特性HSP(t,l)を時間方向に線形補間する。
まず、時間方向曲線補間部31による曲線補間手法について説明する。時間方向曲線補間部31は、曲線補間として多項式補間を用いる。
多項式補間に4タップのスプライン補間を用いる場合を例にとり、時間方向の曲線補間方法について説明する。説明の具体化のため、或る1つのキャリア(キャリア番号)に着目して、図7を参照する。OFDMシンボル列内の着目したキャリアにおいて、時刻t、(t+4)、(t+8)及び(t+12)にSP信号300、304、308及び312が配列され、時刻(t+9)、(t+10)及び(t+11)にデータ信号309、310及び311が配列されているものとする。例えば、SP信号300、304、308及び312は、キャリア位置(0,0),(4,0),(8,0)及び(12,0)のSP信号であり、データ信号309、310及び311は、キャリア位置(9,0),(10,0)及び(11,0)のデータ信号である(図2又は図5をも参照)。
時間方向曲線補間部31は、4つのSP信号300、304、308及び312の伝送路特性を用いて、直近の2つのSP信号(308及び312)間に位置する3つのデータ信号309〜311の伝送路特性を補間(推定)することができる。
4つのSP信号300、304、308及び312に対して推定された伝送路特性HSP(t,l)を、夫々、HSP(0)、HSP(4)、HSP(8)及びHSP(12)で表し、この補間によって得られるデータ信号309、310及び311に対する伝送路特性を、夫々、H(9)、H(10)及びH(11)で表す。そうすると、H(9)〜H(11)は、下記式(3a)、(3b)及び(3c)の如く、4つのSP信号の伝送路特性と所定の係数との積和演算から求めることができる。
Figure 2008199511
ここで、aで表記される係数として、例えば図8に示されるような固定値を用いる。即ち例えば、a(9,1)、a(9,2)、a(9,3)、a(9,4)、a(10,1)、a(10,2)、a(10,3)、a(10,4)、a(11,1)、a(11,2)、a(11,3)及びa(11,4)として、夫々、7/320、−42/320、303/320、52/320、1/40、−6/40、29/40、16/40、1/64、−6/64、25/64及び44/64を用いる。
時間方向曲線補間部31は、上記のような時間方向の曲線補間をSP信号が挿入されている各キャリアに対して行う。
次に、時間方向線形補間部32による線形補間手法について説明する。説明の具体化のため、或る1つのキャリア(キャリア番号)に着目して、図9を参照する。OFDMシンボル列内の着目したキャリアにおいて、時刻t及び(t+4)にSP信号350及び354が配列され、時刻(t+1)、(t+2)及び(t+3)にデータ信号351、352及び353が配列されているものとする。例えば、SP信号350及び354は、キャリア位置(8,0)及び(12,0)のSP信号であり、データ信号351、352及び353は、キャリア位置(9,0),(10,0)及び(11,0)のデータ信号である(図2又は図5をも参照)。
時間方向線形補間部32は、2つのSP信号350及び354の伝送路特性を用いて、その2つのSP信号間に位置する3つのデータ信号351〜353の伝送路特性を補間(推定)することができる。
SP信号350及び354に対して推定された伝送路特性HSP(t,l)を、夫々、HSP2(0)及びHSP2(4)で表し、この補間によって得られるデータ信号351、352及び353に対する伝送路特性を、夫々、H(1)、H(2)及びH(3)で表す。そうすると、H(1)〜H(3)は、下記式(4a)、(4b)及び(4c)の如く、2つのSP信号の伝送路特性と所定の係数との積和演算から求めることができる。
Figure 2008199511
bで表記される係数として、図10に示されるような固定値を用いる。即ち、b(1,1)、b(1,2)、b(2,1)、b(2,2)、b(3,1)及びb(3,2)は、夫々、3/4、1/4、1/2、1/2、1/4及び3/4である。
時間方向線形補間部32は、上記のような時間方向の線形補間をSP信号が挿入されている各キャリアに対して行う。
上記例αにおいては、図5の斜線で満たされた丸(例えば、符号230が付された丸)で表されるデータ信号に対して、選択された補間方式が適用される。即ち、曲線度Dを算出する際、第1、第2及び第3時刻における参照SP信号の伝送路特性が参照されるが、第1と第3時刻の中間時刻に相当する第2時刻におけるデータ信号(以下、適用データ信号と呼ぶ)に対して、選択された補間方式が適用される。換言すれば、図3の曲線度推定部20は、この中間時刻に対する曲線度Dを算出して中間時刻に対する補間方式を選択することになる。
上記例αにおいては、第1、第2及び第3時刻はそれぞれt=7、11及び15の時刻に対応し、キャリア位置(11,0)、(11,3)、(11,6)、(11,12)、(11,15)、(11,18)、(11,24)、(11,27)及び(11,30)・・・に位置するデータ信号が、適用データ信号となる。
従って、参照SP信号201〜203、211〜213及び221〜223の伝送路特性に基づく曲線度Dに対してD≧DTHが成立する時、時刻t=11における適用データ信号の伝送路特性が曲線補間される。即ち、より具体的には、
キャリア位置(11,0)の適用データ信号の伝送路特性が、キャリア位置(0,0),(4,0),(8,0)及び(12,0)のSP信号の伝送路特性HSP(t,l)に基づき、上記式(3c)に従って算出され、
キャリア位置(11,3)の適用データ信号の伝送路特性が、キャリア位置(1,3),(5,3),(9,3)及び(13,3)のSP信号の伝送路特性HSP(t,l)に基づき、上記式(3b)に従って算出され、
キャリア位置(11,6)の適用データ信号の伝送路特性が、キャリア位置(2,6),(6,6),(10,6)及び(14,6)のSP信号の伝送路特性HSP(t,l)に基づき、上記式(3a)に従って算出される。
他の適用データ信号の伝送路特性についても同様に算出される。
また、参照SP信号201〜203、211〜213及び221〜223の伝送路特性に基づく曲線度Dに対してD<DTHが成立する時、時刻t=11における適用データ信号の伝送路特性が線形補間される。即ち、より具体的には、
キャリア位置(11,0)の適用データ信号の伝送路特性が、キャリア位置(8,0)及び(12,0)のSP信号の伝送路特性HSP(t,l)に基づき、上記式(4c)に従って算出され、
キャリア位置(11,3)の適用データ信号の伝送路特性が、キャリア位置(9,3)及び(13,3)のSP信号の伝送路特性HSP(t,l)に基づき、上記式(4b)に従って算出され、
キャリア位置(11,6)の適用データ信号の伝送路特性が、キャリア位置(10,6)及び(14,6)のSP信号の伝送路特性HSP(t,l)に基づき、上記式(4a)に従って算出される。
他の適用データ信号の伝送路特性についても同様に算出される。
時刻の進行に従ってSP信号の伝送路特性が推定される度に、時間方向補間部21による、上述の時間方向の曲線補間または線形補間を順次実行する。これにより、図11のような補間結果(推定結果)が得られる。即ち、時間方向の補間によって(換言すれば、時間方向の伝送路特性の推定によって)、SP信号が挿入されているキャリアにおける伝送路特性が全て推定される。
SP複素除算部13によって推定されたSP信号の伝送路特性及び時間方向補間部21の補間によって推定されたデータ信号の伝送路特性が、周波数方向補間部22に入力される。周波数方向補間部22に入力される伝送路特性は、図11に示す如く、周波数方向に3キャリア間隔で配置されている。周波数方向補間部22は、入力された伝送路特性を周波数方向に補間(3倍内挿補間)することにより、SP信号が挿入されていないキャリア(l=1、2など)に対する伝送路特性、即ち、まだ伝送路特性が推定されていないデータ信号に対する伝送路特性を推定する。
図12は、或る時刻t(例えばt=0)におけるOFDMシンボル列に対して、周波数方向の補間を行った結果を表している。周波数方向の補間(3倍内挿補間)の手法として、上記特許文献1及び2並びに非特許文献1に記載された手法を含む、公知の任意の手法を用いることができる。例えば、FIR(Finite Impulse Response)型ローパスフィルタを用いて、周波数方向の補間を行えばよい。この場合、既に推定された3キャリア間隔の伝送路特性を周波数方向に並べて入力系列を形成し、この入力系列をFIR型ローパスフィルタに対して入力することで、FIR型ローパスフィルタから、SP信号が挿入されていないキャリアに対する伝送路特性を得ることができる。但し、入力系列を形成する際、既に推定された3キャリア間隔の伝送路特性の間にゼロを2つずつ挿入するようにするとよい(図13参照)。
周波数方向の補間は、各時刻tにおけるOFDMシンボル列に対し、時刻tごとに行う。これにより、図14のような補間結果(推定結果)が得られ、全てのデータ信号に対する伝送路特性の推定が完了する。
再度、図3を参照する。キャリア位置(t、l)のデータ信号をX(t、l)で表し、データ信号X(t、l)に対して推定された伝送路特性をHm(t、l)にて表す。補間部14によって推定された、全データ信号に対する伝送路特性Hm(t、l)は、複素除算部15に与えられる。全データ信号に対する伝送路特性Hm(t、l)は、例えば、周波数方向補間部22から複素除算部15に与えられる。また、FFT処理部3からの、全データ信号X(t、l)を含む周波数軸上のOFDM信号も複素除算部15に与えられる。
複素除算部15は、下記式(5)に従い、歪みを含むデータ信号X(t、l)を伝送路特性Hm(t、l)にて複素除算することにより、伝送路特性で表される歪みを除去した(或いは低減した)データ信号d'(t,l)を生成する。即ち、複素除算部15によってデータ信号が等化される。尚、X(t,l)、Hm(t、l)及びd'(t,l)は、夫々、複素平面上で定義される複素信号であるため、振幅を表す振幅成分及び位相を表す位相成分から成る。
Figure 2008199511
複素除算部15によって等化されたデータ信号d'(t,l)は等化信号を形成し、この等化信号は図1の復調処理部5に送られて、MPEG符号化信号へと復調される。
図15を参照して、上述の、等化処理部4による等化処理の手順の流れを説明する。図15は、この手順の流れを表すフローチャートである。図3をも参照する。まず、SP抽出部11が、図1のFFT処理部3からの周波数軸上のOFDM信号より、SP信号を抽出する(ステップS1)。次に、SP複素除算部13が、抽出されたSP信号を複素除算することによってSP信号の伝送路特性を推定する(ステップS2)。次に、補間部14(曲線度推定部20)が、曲線度Dを算出する(ステップS3)。そして、曲線度Dと閾値DTHとを比較し(ステップS4)、D≧DTHの場合は時間方向に曲線補間を行い(ステップS5)、D<DTHの場合は時間方向に線形補間を行う(ステップS6)。次に、周波数方向補間部22が、既に推定された伝送路特性を周波数方向に内挿補間する(ステップS7)。次に、複素除算部15が、補間によって得られた全データ信号に対する伝送路特性を用いて全データ信号の複素除算を行い、等化信号を得る(ステップS8)。
上述の如く、本実施形態では、推定されたSP信号の伝送路特性HSP(t、l)の時間変化(より具体的には、時間方向における振幅の変化)に応じて、時間方向の補間方式が曲線補間と線形補間との間で切り替えられる。例えば、時間方向における伝送路特性の変化の曲線性が高いとき(例えば高速移動をしながら受信するとき)には自動的に時間方向補間として曲線補間が用いられる。このため、一律に時間方向に線形補間を行うような従来技術と比べて、上記曲線性が高い場合における伝送路特性の推定精度が優れる。一方、時間方向における伝送路特性の変化の直線性が高いとき(例えば低速移動をしながら受信するとき)には自動的に時間方向補間として線形補間が用いられる。このため、一律に時間方向に曲線補間(FIR型フィルタを用いた補間)を行うような従来技術と比べて、雑音の影響を受けにくい。
また、図1のRAM6は、上記式(5)の複素除算を行うために必要となる情報を逐次更新しながら記憶する。図7に示した例の場合、データ信号309、310及び311に対する伝送路特性を上述のスプライン補間によって推定するためには、SP信号312の伝送路特性が推定されるまで、SP信号300、304及び308の伝送路特性を保持しておく必要がある。RAM6は、この保持を行うため、必要な情報を記憶する。また、SP信号312の受信を経てデータ信号309〜311に対応する時刻の全データ信号の伝送路特性が推定されるまで、データ信号309〜311に対応する時刻の全データ信号を保持しておく必要ある。RAM6は、この保持を行うため、必要な情報を記憶する。
上述の如く、本実施形態では、時間方向の曲線補間として多項式補間の一種であるスプライン補間を用いている。このスプライン補間を実現するために、キャリアごとにSP信号の伝送路特性を必要数分保持しておく必要があるが、RAM6に保持しておくべきデータ量は、線形補間による時間方向補間と同様、概ね3シンボル分(図16の破線四角枠401に対応)で足る。
仮に、時間方向補間にFIR型フィルタによる補間を用いる場合は、メモリ(本実施形態ではRAM6)に保持しておくべきデータ量は大きくなる。例えば、15次のFIR型フィルタを用いる場合、7シンボル分のデータを少なくともメモリに保持しておく必要がある。例えば、或るタイミングにおいて、図16の破線四角枠402に対応する7シンボル分のデータをメモリに保持しておく必要がある。SP信号403を用いて、データ信号404の伝送路特性が15次のFIR型フィルタより得られるからである。デジタル放送のOFDM信号を形成するサブキャリアの本数は数千にも及ぶ。このため、時間方向の補間にFIR型フィルタを用いると必要メモリ容量が大きくなる。本実施形態の如く、時間方向の曲線補間として多項式補間を用いるようにすることで必要メモリ容量の増大を抑制することができる、というメリットもある。
<<変形等>>
上述した説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。また、或る値に関する「平均」を、矛盾なき限り、「積算」又は「合計」に読み替えて考えることが可能である。上述の実施形態の変形例または注釈事項として、以下に、注釈1〜注釈5を記す。各注釈に記載した内容は、矛盾なき限り、任意に組み合わせることが可能である。
[注釈1]
図3の時間方向補間部21による多項式補間の例としてスプライン補間を示したが、他の種類の多項式補間を用いるようにしてもよい。例えば、多項式補間として、キュービック補間を用いるようにしてもよい。キュービック補間を用いた場合でも、上記式(3a)〜(3c)と同様の式にて伝送路特性H(9)〜H(11)を算出可能である。但し、式(3a)〜(3c)に用いる係数(a(9,1)等)は、スプライン補間の場合と異なりうる。
また、多項式補間として、ラグランジュ補間を用いるようにしてもよい。ラグランジュ補間を用いる場合、例えば図7のSP信号300、304及び308及び312の伝送路特性を4つの点と捉えて、この4点を通る3次多項式を求める。そして、この3次多項式を用いてデータ信号309〜311に対する伝送路特性を推定算出すればよい。何れの種類の多項式補間を用いても、スプライン補間を用いた場合と同様、FIR型フィルタを用いる場合と比べて必要メモリ容量の増大が大幅に抑えられる。
[注釈2]
また、上述の実施形態では、時間方向の曲線補間の際、直近の4つのSP信号(図7では、300、304、308及び312)の伝送路特性を用いて、直近の3つのデータ信号(図7では、309〜311)に対する伝送路特性を補間(推定)するようにしている。しかしながら、この際に用いるSP信号は4以外であってもよい。5以上でもよく、或いは3とすることも可能である。例えば、用いるSP信号を3にする場合、直近の3つのSP信号304、308及び312に対する伝送路特性を用いて、直近の3つのデータ信号309〜311に対する伝送路特性が補間(推定)される。但し、伝送路特性の推定精度を考慮すれば、4以上のSP信号を用いることが望ましい。
[注釈3]
受信装置100は、任意の場所に設置することが可能であるが、従来技術の説明からも理解されるように、車両などの移動体(不図示)に搭載された時に特に有益である。受信装置100を車両に設置する場合、受信装置100は、車両に搭載されたカーナビゲーションシステムの一部となりうる。
また、日本のデジタル放送信号は、13セグメントによって構成されるが、受信装置100は、例えば、13セグメントの内の所定の1セグメントのみを受信する。勿論、13セグメント全て或いは2〜12セグメント分のデジタル放送信号を受信するようにしても構わない。
[注釈4]
図1の受信装置100は、ハードウェア、或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現可能である。特に、図3の等化処理部4の機能は、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現可能である。
ソフトウェアを用いて受信装置100を構成する場合、ソフトウェアにて実現される部位についてのブロック図は、その部位の機能ブロック図を表すことになる。また、等化処理部4にて実現される機能の全部または一部を、プログラムとして記述し、該プログラムをプログラム実行装置(例えばコンピュータ)上で実行することによって、その機能の全部または一部を実現するようにしてもよい。
[注釈5]
上述の実施形態において、図1の等化処理部4は、OFDM信号等化装置として機能する。このOFDM信号等化装置に図1のFFT処理部3も含まれている、と考えることもできる。等化処理部4、或いは、FFT処理部3と等化処理部4とを併せた部位は、例えば、集積回路上に形成される。
上述の実施形態において、図3のSP複素除算部13は、SP信号の伝送路特性を推定する推定手段として機能する。この推定手段にSP抽出部11及び/又はSP生成部12も含まれている、と考えることもできる。上述の実施形態において、図3の複素除算部15は、データ信号の等化を行うデータ信号等化手段として機能する。上述の実施形態において、図3の時間方向曲線度推定部20は、曲線度評価手段として機能する。
本発明の実施形態に係るデジタル放送受信装置の概略ブロック図である。 本発明の実施形態に係るOFDMシンボル列を表す図であり、日本のISDB−T方式におけるパイロット信号の配置を示す図である。 図1の等化処理部の内部ブロック図である。 図3の時間方向補間部の内部ブロック図である。 図3の時間方向曲線度推定部による曲線度算出手法を説明するための図である。 図3の時間方向曲線度推定部によって算出される曲線度の概念を説明するための図である。 図4の時間方向曲線補間部による、時間方向のスプライン補間を表す図である。 図4の時間方向曲線補間部のスプライン補間で用いられる係数の数値を表す図である。 図4の時間方向線形補間部による、時間方向の線形補間を表す図である。 図4の時間方向線形補間部の線形補間で用いられる係数の数値を表す図である。 図3の時間方向補間部による時間方向補間処理の結果を示す図である。 図3の周波数方向補間部による周波数方向補間処理を表す図である。 図3の周波数方向補間部による、FIR型ローパスフィルタを用いた周波数方向補間処理を表す図である。 図3の周波数方向補間部による周波数方向補間処理の結果を示す図である。 図3の等化処理部の全体的な処理手順を表すフローチャートである。 図1のRAMに保持しておくべきデータ量を説明するための図である。 従来技術に係り、日本のISDB−T方式におけるパイロット信号の配置を示す図である。 パイロット信号間の伝送路特性を時間方向に補間する従来手法を表す図である。
符号の説明
1 受信アンテナ
2 チューナ部
3 FFT処理部
4 等化処理部
5 復調処理部
6 RAM
11 SP抽出部
12 SP生成部
13 SP複素除算部
14 補間部
15 複素除算部
20 時間方向曲線度推定部
21 時間方向補間部
22 周波数方向補間部
31 時間方向曲線補間部
32 時間方向線形補間部
100 デジタル放送受信装置

Claims (8)

  1. データ信号と時間方向及び周波数方向に間隔をおいて配置された既知のパイロット信号とを含むOFDM信号を等化するOFDM信号等化装置において、
    前記パイロット信号に基づいて前記パイロット信号の伝送路特性を推定する推定手段と、
    推定された前記パイロット信号の伝送路特性を前記時間方向及び前記周波数方向に補間することによって前記データ信号の伝送路特性を推定する補間手段と、
    推定された前記データ信号の伝送路特性に基づいて前記データ信号を等化するデータ信号等化手段と、を備え、
    前記補間手段は、推定された前記パイロット信号の伝送路特性に基づいて、前記パイロット信号の伝送路特性の、前記時間方向における変化の曲線度を評価する曲線度評価手段を備え、前記曲線度に応じて、前記時間方向における、前記パイロット信号の伝送路特性の補間方式を変更する
    ことを特徴とするOFDM信号等化装置。
  2. 前記補間手段は、推定された前記パイロット信号の伝送路特性を前記時間方向に曲線補間または線形補間する時間方向補間手段を更に備え、
    前記補間手段は、前記曲線度に応じて、前記補間方式を前記曲線補間及び前記線形補間の何れかに決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のOFDM信号等化装置。
  3. 前記補間手段は、前記推定手段の推定によって得られた前記パイロット信号の伝送路特性と前記時間方向補間手段の補間によって得られた前記データ信号の伝送路特性を前記周波数方向に補間する周波数方向補間手段を更に備えた
    ことを特徴とする請求項2に記載のOFDM信号等化装置。
  4. 前記曲線度評価手段は、推定された前記パイロット信号の伝送路特性の、前記時間方向における振幅変化に基づいて、前記曲線度を評価する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のOFDM信号等化装置。
  5. 前記曲線度評価手段は、
    前記時間方向に互いに隣接した3つの時刻における前記パイロット信号の伝送路特性を参照し、
    前記3つの時刻間における前記パイロット信号の伝送路特性の振幅変化に基づいて、前記3つの時刻の中間時刻に対する前記曲線度を評価し、
    前記補間手段は、前記中間時刻に対する前記曲線度に基づいて、前記中間時刻に対する前記補間方式を前記曲線補間及び前記線形補間の何れかに決定する
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のOFDM信号等化装置。
  6. 前記時間方向補間手段は、前記曲線補間として多項式補間を用いる
    ことを特徴とする請求項2、請求項3または請求項5に記載のOFDM信号等化装置。
  7. OFDM信号を用いたデジタル放送を受信するデジタル放送受信装置において、
    請求項1〜請求項6の何れかに記載のOFDM信号等化装置を備えた
    ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
  8. データ信号と時間方向及び周波数方向に間隔をおいて配置された既知のパイロット信号とを含むOFDM信号を等化するOFDM信号等化方法において、
    前記パイロット信号に基づいて前記パイロット信号の伝送路特性を推定する推定ステップと、
    推定された前記パイロット信号の伝送路特性を前記時間方向及び前記周波数方向に補間することによって前記データ信号の伝送路特性を推定する補間ステップと、
    推定された前記データ信号の伝送路特性に基づいて前記データ信号を等化するデータ信号等化ステップと、を備え、
    前記補間ステップでは、推定された前記パイロット信号の伝送路特性に基づいて、前記パイロット信号の伝送路特性の、前記時間方向における変化の曲線度を評価し、前記曲線度に応じて、前記時間方向における、前記パイロット信号の伝送路特性の補間方式を変更する
    ことを特徴とするOFDM信号等化方法。
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