JP2008198951A - 光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物の製法 - Google Patents

光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物の製法 Download PDF

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Abstract

【課題】所望の安定した白色LEDを得るための、蛍光体粉末を均一に分散されることが可能となる光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物の製法を提供する。
【解決手段】1次粒子平均径1〜10μmの蛍光体粉末を、25℃での粘度が8〜12Pa・sの液状エポキシ樹脂に混合分散させて平均粒径1〜10μmの蛍光体粉末が分散された液状エポキシ樹脂を調整する。ついで、上記蛍光体粉末が分散された液状エポキシ樹脂とともに、少なくとも透明エポキシ樹脂(A成分)および硬化剤(B成分)を配合して溶融混合することにより光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、LEDディスプレイ,バックライト光源,表示器,各種インジケータ等に利用される白色の発光ダイオード(LED)の樹脂封止に用いられる光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物の製法に関するものである。
白色LEDの製造において、LED素子を封止する際に用いられる封止用樹脂組成物としては、蛍光体粉末と、エポキシ樹脂および硬化剤等からなる光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物粉末とを混合したものや、光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物の製造工程中に蛍光体粉末を配合し混合釜等で溶融混合して得られたものが使用されている。
しかしながら、上記のような封止用樹脂組成物を用いると、配合された蛍光体粉末の分散が不均一であることから種々の問題が発生し好ましいものではなかった。特に、蛍光体粉末と光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物粉末とをブレンドした場合、トランスファー成形中に流れムラが生じたり、混合釜にて直接蛍光体粉末を投入し光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物と混合した場合においても、比重の大きい蛍光体が釜底に堆積して全体の蛍光体濃度が不均一となることが多い。このため、発光色のムラが観察される。
例えば、白色LEDがLEDの集合体であるディスプレイに使用される場合、一つ一つの発光色のばらつきが問題となる。このため、発光色のばらつきの少ないLEDを選別してディスプレイを構成しているが、結果、生産歩留りが低下するという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、所望の安定した白色LEDを得るための、蛍光体粉末を均一に分散されることが可能となる光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物の製法の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物の製法は、1次粒子平均径1〜10μmの蛍光体粉末を、25℃での粘度が8〜12Pa・sの液状エポキシ樹脂に混合分散させて平均粒径1〜10μmの蛍光体粉末が分散された液状エポキシ樹脂を調整する工程と、上記蛍光体粉末が分散された液状エポキシ樹脂とともに、少なくとも下記の(A)および(B)成分を配合して溶融混合する工程とを備えたという構成をとる。
(A)透明エポキシ樹脂。
(B)硬化剤。
すなわち、この発明者は、所望する安定した白色LEDを得るため、蛍光体粉末が均一に分散された光半導体素子の封止材料を得るべく鋭意検討を重ねた。そして、蛍光体粉末の凝集を生じさせることなく封止材料中に混合分散させることを中心に研究を重ねた結果、1次粒子平均径1〜10μmの蛍光体粉末を、特定粘度の液状エポキシ樹脂に混合分散させて蛍光体粉末が分散された液状エポキシ樹脂を予め調整する。ついで、この予め調製した蛍光体粉末分散液状エポキシ樹脂とともに、少なくとも透明エポキシ樹脂〔(A)成分〕および硬化剤〔(B)成分〕を配合して溶融混合すると、蛍光体粉末が凝集することなく均一に分散されることを見出し本発明に到達した。
このように、本発明は、特定の蛍光体粉末を、25℃での粘度が8〜12Pa・sの液状エポキシ樹脂に混合分散させて蛍光体粉末が分散された液状エポキシ樹脂を調整した後、上記蛍光体粉末が分散された液状エポキシ樹脂とともに、少なくとも透明エポキシ樹脂〔(A)成分〕および硬化剤〔(B)成分〕を配合して溶融混合することにより光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物を製造する方法である。このため、上記蛍光体粉末が凝集することなく1次粒子の状態まで均一に分散されたエポキシ樹脂組成物が得られる。したがって、上記エポキシ樹脂組成物によってLED素子を封止すると、安定した白色光が得られ、その機能を充分に発揮することができる。
そして、上記蛍光体粉末が分散された液状エポキシ樹脂の粘度が、60℃において1〜5Pa・sであると、低温での沈降防止効果が得られるとともに、配合する際に取り扱い易い粘度であるために作業性にも優れるようになる。
また、上記蛍光体粉末が分散された液状エポキシ樹脂を調製する工程において、ビッカース硬度19GPa以上のセラミック製の3本ロールを用いて、さらには、上記セラミック3本ロールの各クリヤランスがエプロン側ロール/真中ロール=50〜60μm、真中ロール/送りロール=150〜160μmであり、かつ剪断速度0.5〜50×103 /secの条件にて、蛍光体粉末を液状エポキシ樹脂に混合分散させると、蛍光体が一次粒子まで解砕されて均一な分散液が得られ、金属ロールを用いる場合に生じる金属摩耗物の混入を防止することができる。
本発明にかかる光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物は、予め液状エポキシ樹脂に蛍光体粉末を混合分散させ蛍光体粉末が分散された液状エポキシ樹脂を調製する。ついで、上記蛍光体粉末分散液状エポキシ樹脂とともに、少なくとも透明エポキシ樹脂(A成分)と、硬化剤(B成分)を配合して得られるものである。そして、得られる光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物は、通常、粉末状、もしくはその粉末を打錠したタブレット状として用いられる。
上記蛍光体粉末を予め分散させる液状エポキシ樹脂としては、常温で液状を示すとともに下記に示す特定の粘度を有するものであれば特に限定するものではなく、各種エポキシ樹脂が用いられる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等を用いることができ、脂環式エポキシ樹脂等の低粘度のエポキシ樹脂を併用する場合には、フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等を含有する高粘度または固形のエポキシ樹脂を用いることもできる。そして、上記液状エポキシ樹脂としては、25℃において粘度8〜12Pa・sのものを用いる必要がある。すなわち、上記粘度範囲を外れ、例えば、8Pa・s未満のような低粘度では、蛍光体分散液に充分な剪断力が加わらず、一次粒子への解砕が不充分となり、分散液の均一性に劣るようになり、蛍光体粒子が沈降しやすくなる傾向がみられる。12Pa・sを超えると、蛍光体の混合性が低下し、樹脂中に練り込まれ難くなるとともに、ロールで混合する際の摩擦熱によって、エポキシ樹脂が変色しやすくなる恐れがあるからである。したがって、後述の透明エポキシ樹脂(A成分)において、25℃において粘度8〜12Pa・sの特性を有し、かつ常温で液状を示するものであれば同じエポキシ樹脂を用いてもよい。なお、本発明において、常温とは、25±5℃を意味する。
上記液状エポキシ樹脂に分散させる蛍光体粉末は、発光素子から発光された可視光や紫外線で励起され、励起した光と異なる波長を有する光を発光することができるものである。具体的には、Y、Lu、Sc、La、GdおよびSmから選択された少なくとも1つの元素を含み、Ceで付活されたガーネット系蛍光体やZnSiCu等の蛍光体があげられる。そして、本発明では、YとAlを含みCe付活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系蛍光体を用いることが好ましい。これによって、長期間に渡って発光装置の輝度を高くでき、信頼性の高い発光ダイオードを形成することができる。
また、一般式(Re1-r Smr 3 (Al1-s Gas 5 12:Ce(但し、0≦r<1、0≦s≦1、Reは、Y、Gd、Laから選択される少なくとも一種)で表される蛍光体を用いることもでき、発光素子に窒化ガリウム系化合物半導体を用いた場合、耐光性や効率などの観点から特に好ましい。
上記Ceで付活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系の蛍光体は、ガーネット構造のため、熱、光および水分に強く、励起スペクトルのピークが450nm付近にさせることができる。また、発光ピークも530nm付近にあり700nmまで裾を引くブロードな発光スペクトルを持つ。しかも、組成のAlの一部をGaで置換することで発光波長が短波長にシフトし、また組成のYの一部をGdで置換することで、発光波長が長波長へシフトする。このように組成を変化することで発光色を連続的に調節することが可能である。即ち、長波長側の強度がGdの組成比で連続的に変えられる等の窒化物半導体の青色系発光を白色系発光に変換するための理想条件を備えている。同様に、Lu、Lc、ScやSmなどを加えて所望の特性を得るようにしても良い。
このような蛍光体は、Y、Gd、Ce、Sm、La、AlおよびGaの原料として酸化物、または高温で容易に酸化物になる化合物を使用し、それらを化学量論比で充分に混合して原料を得る。または、Y、Gd、Ce、Sm、Laの希土類元素を化学量論比で酸に溶解した溶液を蓚酸で共沈したものを焼成して得られる共沈酸化物と、酸化アルミニウム、酸化ガリウムとを混合して混合原料を得る。これにフラックスとしてフッ化アンモニウム等のフッ化物を適量混合して坩堝に詰め、空気中1350〜1450℃の温度範囲で2〜5時間焼成して焼成品を得、つぎに焼成品を水中でボールミルして、洗浄、分離、乾燥、最後に篩を通すことで得ることができる。
本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物を用いて得られる発光ダイオードにおいて、このような蛍光物質は2種類以上の蛍光物質を混合させても良い。具体的には、Al、Ga、YおよびGd、LaやSmの含有量が異なる2種類以上のイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系蛍光体を混合させてRGB(赤色、緑色、青色)の波長成分を増やすこと等ができる。
他にも青色、青緑色や緑色を吸収して赤色が発光可能な蛍光体である、EuおよびCrの少なくとも一方で付活されたサファイヤ(酸化アルミニウム)蛍光体や、EuおよびCrの少なくとも一方で付活された窒素含有CaO−Al2 3 −SiO3 蛍光体(オキシナイトライド蛍光硝子)等があげられる。これらの蛍光体を利用して発光素子からの光と蛍光体からの光の混色により白色光を得ることもできる。
上記EuおよびCrの少なくとも一方で付活された窒素含有CaO−Al2 3 −SiO2 蛍光体は、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化珪素及び酸化カルシウムなどの原料に希土類原料を所定に混合した粉末を窒素雰囲気下において1300〜1900℃(より好ましくは1500〜1750℃)において溶融し成形させる。ついで、成形品をボールミルして洗浄、分離、乾燥、最後に篩を通して蛍光体を形成させることができる。これにより450nmにピークをもった励起スペクトルと約650nmにピークがある青色光により赤色発光が発光可能なEuおよびCrの少なくとも一方で付活されたCa−Al−Si−O−N系オキシナイトライド蛍光硝子とすることができる。
なお、上記EuおよびCrの少なくとも一方で付活されたCa−Al−Si−O−N系オキシナイトライド蛍光硝子の窒素含有量を増減することによって発光スペクトルのピークを575nmから690nmに連続的にシフトすることができる。同様に、励起スペクトルも連続的にシフトさせることができる。そのため、Mg、Znなどの不純物がドープされたGaNやInGaNを発光層に含む窒化ガリウム系化合物半導体からの光と、約580nmの蛍光体の光の合成光により白色系を発光させることができる。特に、約490nmの光が高輝度に発光可能なInGaNを発光層に含む窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光素子との組合せにおいて理想的に発光を得ることもできる。
また、上述のCeで付活されたYAG系蛍光体とEuおよびCrの少なくとも一方で付活された窒素含有Ca−Al−Si−O−N系オキシナイトライド蛍光硝子とを組み合わせることにより青色系が発光可能な発光素子を利用してRGB(赤色、緑色、青色)成分を高輝度に含む極めて演色性の高い発光ダイオードを形成させることもできる。このため、所望の顔料を添加するだけで任意の中間色も極めて簡単に形成させることができる。本発明においてはいずれの蛍光体も無機蛍光体であり、有機系の光散乱剤やSiO2 などを利用して高コントラストと優れた量産性が両立した発光ダイオードを形成させることができる。
上記蛍光体粉末は、1次粒子平均径が1〜10μmのものを用いる必要がある。すなわち、10μmを超えると、発光ダイオードからの光の反射,屈折が少なくなり、蛍光体による色変換が不充分となって、多量の蛍光体を混合する必要が生じたり、光路長が変わって色ムラが発生しやすくなるからである。また、上記蛍光体粉末の比重は、通常、約5と重く、さらに最大粒径200μmの凝集粒となっており、より沈降しやすい状態にある。上記蛍光体粉末を先に述べたエポキシ樹脂組成物の製造工程中に直接添加し混合すると、上記蛍光体粉末が沈降してしまい、蛍光体濃度のばらついた蛍光体粉末含有エポキシ樹脂組成物となる。また、上記のように蛍光体粉末を直接添加した場合、この蛍光体粉末の凝集粒を1次粒子の大きさまで全て分散させることは困難であり、結果、蛍光体粉末の分散が不均一な蛍光体含有エポキシ樹脂組成物になる。したがって、このような蛍光体粉末含有エポキシ樹脂組成物でLED素子を樹脂封止しても、安定した所望の色調が得られ難いという問題がある。上記最大粒径および1次粒子平均径は、例えば、つぎのようにして測定される。すなわち、測定対象となる蛍光体粉末を水に投入し、超音波をかけ凝集粒をほぐしてレーザー粒度分布計にて測定する。
そこで、本発明では、予め蛍光体粉末を特定の液状エポキシ樹脂に1次粒子の状態となるまで分散させ、均一性を向上させることにより沈降を防ぎ、白色LEDとしての歩留りの向上を図ったものである。
上記蛍光体粉末と液状エポキシ樹脂の混合重量比は、蛍光体粉末:液状エポキシ樹脂=20:80〜80:20の範囲に設定することが好ましい。また、上記蛍光体粉末を液状エポキシ樹脂に分散した後の組成物(蛍光体マスターバッチ)全体の粘度が60℃において1〜5Pa・sの範囲となるように適宜に設定することが好ましい。なお、上記蛍光体マスターバッチの粘度は、例えば、温度制御可能なプレート部を有するコーンプレート型回転粘度計を用いて測定される。
そして、光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物全体における蛍光体粉末の含有量は1〜20重量%となるように設定することが好ましく、特に好ましくは5〜15重量%である。すなわち、光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物全体の1重量%未満では、発光ダイオード等からの光を充分に波長変換できず、色の変化がみられないか、蛍光体部分のみが色が変化して、まだら模様の発光になる傾向がみられる。一方、20重量%を超えると、蛍光体によって光が遮られ、外部への光の放出量が減少し、光半導体素子の輝度が低下する傾向がみられるからである。
上記予め調製された蛍光体マスターバッチとともに配合される透明エポキシ樹脂(A成分)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、ヒダントインエポキシ樹脂等の含窒素環エポキシ樹脂、水添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、低吸水率硬化体タイプの主流であるビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロ環型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。これらエポキシ樹脂の中でも、透明性および耐変色性に優れるという点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートを用いることが好ましい。
そして、上記透明エポキシ樹脂(A成分)としては、常温で固形でも液状でもよいが、一般に、使用するエポキシ樹脂の平均エポキシ当量が90〜1000のものが好ましく、また固形の場合には、軟化点が160℃以下のものが好ましい。すなわち、エポキシ当量が90より小さい場合には、光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物の硬化体が脆くなる場合がある。また、エポキシ当量が1000を超える場合には、その硬化体のガラス転移温度(Tg)が低くなる場合があるからである。
上記硬化剤(B成分)としては、例えば、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤があげられる。上記酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。これら酸無水物系硬化剤の中でも、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸を用いることが好ましい。上記酸無水物系硬化剤としては、その分子量が140〜200程度のものが好ましく、また無色ないし淡黄色の酸無水物が好ましい。
一方、上記フェノール系硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック樹脂系硬化剤等があげられる。
また、上記硬化剤(B成分)としては、その目的および用途によっては、上記酸無水物系硬化剤およびフェノール系硬化剤以外に、従来から公知のエポキシ樹脂の硬化剤、例えば、アミン系硬化剤、上記酸無水物系硬化剤をアルコールで部分エステル化したもの、またはヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等のカルボン酸の硬化剤を単独で、もしくは酸無水物系硬化剤およびフェノール系硬化剤と併用してもよい。例えば、カルボン酸の硬化剤を併用した場合には、硬化速度を速めることができ、生産性を向上させることができる。なお、これらの硬化剤を用いる場合においても、その配合割合は、酸無水物系硬化剤およびフェノール系硬化剤を用いた場合の配合割合(当量比)に準じればよい。
上記透明エポキシ樹脂(A成分)と前述の液状エポキシ樹脂と硬化剤(B成分)との配合割合は、上記透明エポキシ樹脂(A成分)と前述の液状エポキシ樹脂の合計量中のエポキシ基1当量に対して、硬化剤(B成分)におけるエポキシ基と反応可能な活性基(酸無水基または水酸基)が0.5〜1.5当量となるような割合に設定することが好ましく、より好ましくは0.7〜1.2当量である。すなわち、活性基が0.5当量未満の場合には、光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物の硬化速度が遅くなるとともに、その硬化体のガラス転移温度が低くなる傾向がみられ、1.5当量を超えると、耐湿性が低下する傾向がみられるからである。
さらに、本発明における光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物には、前記A成分およびB成分以外に、必要に応じて、従来から用いられている、例えば、硬化促進剤、劣化防止剤、変性剤、シランカップリング剤、脱泡剤、レベリング剤、離型剤、染料、顔料等の公知の各種の添加剤を適宜配合してもよい。
上記硬化促進剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、トリ−2,4,6−ジメチルアミノメチルフェノール等の3級アミン類、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエート等のリン化合物、4級アンモニウム塩、有機金属塩類、およびこれらの誘導体等があげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上併せて用いてもよい。これら硬化促進剤の中でも、3級アミン類、イミダゾール類、リン化合物を用いることが好ましい。
上記硬化促進剤の含有量は、上記透明エポキシ樹脂(A成分)100重量部(以下「部」と略す)に対して0.01〜8.0部に設定することが好ましく、より好ましくは0.1〜3.0部である。すなわち、0.01部未満では、充分な硬化促進効果が得られ難く、また8.0部を超えると、得られる硬化体に変色がみられる場合があるからである。
上記劣化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物、アミン系化合物、有機硫黄系化合物、ホスフィン系化合物等の従来から公知の劣化防止剤があげられる。上記変性剤としては、例えば、グリコール類、シリコーン類、アルコール類等の従来から公知の変性剤があげられる。上記シランカップリング剤としては、例えば、シラン系、チタネート系等の従来から公知のシランカップリング剤があげられる。また、上記脱泡剤としては、例えば、シリコーン系等の従来公知の脱泡剤があげられる。
そして、本発明において、光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物は、例えば、次のようにして製造することによって、液状、粉末状、もしくは、その粉末を打錠したタブレット状として得ることができる。すなわち、まず、蛍光体粉末を前記特定の粘度を有する液状エポキシ樹脂に混合し分散させて、平均粒径1〜10μmの蛍光体粉末が均一に分散された蛍光体粉末含有液状エポキシ樹脂(蛍光体マスターバッチ)を調製する。つぎに、上記蛍光体粉末が分散された液状エポキシ樹脂(蛍光体マスターバッチ)とともに、前記A成分およびB成分、および、必要により配合される添加剤を適宜配合する。また、粉末状、もしくは、その粉末を打錠したタブレット状として得るには、例えば、上記した各成分を適宜配合し、予備混合した後、混練機を用いて混練して溶融混合し、次いで、これを室温まで冷却した後、公知の手段によって、粉砕し、必要に応じて打錠することにより製造することができる。
上記蛍光体粉末を液状エポキシ樹脂に混合して分散させ蛍光体マスターバッチを調製する処理工程としては、例えば、ビッカース硬度19GPa以上のセラミック製3本ロールを用いて、蛍光体粉末を液状エポキシ樹脂に混合分散させて蛍光体粉末含有液状エポキシ樹脂(蛍光体マスターバッチ)を調製する処理工程が好ましい。すなわち、通常、金属製の分散機を使用して蛍光体粉末を分散させると、金属汚染により蛍光体粉末が黒く変色してしまうため、上記のようにビッカース硬度19GPa以上の材質を備えた金属以外のもの、例えば、黒色アルミナや炭化ケイ素等のセラミック製の3本ロールが好適に用いられる。なお、上記ビッカース硬度は、JIS R1610 2003におけるファインセラミックスの硬さ試験方法に準じて測定される値である。
さらに、分散機としては、上記3本ロール以外各種分散機があるが、蛍光体粉末含有液状エポキシ樹脂(蛍光体マスターバッチ)の仕上がり粘度(調製後の粘度)が、60℃において1Pa・s未満となると、例えば、蛍光体粉末含有液状エポキシ樹脂(蛍光体マスターバッチ)を室温近傍(例えば、30℃前後)に保管した場合、沈降が生じてしまうため、1Pa・s以上の粘度を有することが効率良く製造できる装置として、上記ビッカース硬度19GPa以上のセラミック製3本ロールが好適に用いられる。また、仕上がり粘度(蛍光体マスターバッチ調製後の粘度)が、60℃において5Pa・sを超えると、歩留まりが悪くなるため、前述のように、60℃において1〜5Pa・sの範囲となるように、各成分の配合割合を設定することが好ましい。
なお、上記蛍光体粉末の沈降の確認はつぎのようにして行われる。すなわち、直径12cm×高さ16cmの円柱形状のプラスチック容器に、蛍光体粉末濃度70重量%で、60℃における粘度1Pa・sの蛍光体マスターバッチ(蛍光体粉末含有液状エポキシ樹脂)を入れ、30℃×6ヶ月保存した後、最上層部と下層部をサンプリングして、700℃×3時間焼き、残渣(灰分)を調べる。その結果、最上層部、下層部ともに初期値の69.7重量%から69.7重量%と変化しておらず、60℃において1Pa・s以上であれば沈降していないこととする。
そして、上記蛍光体粉末を液状エポキシ樹脂に混合して分散させ蛍光体マスターバッチを調製する処理工程において、使用する液状エポキシ樹脂は、25℃において粘度8〜12Pa・sで、蛍光体粉末と所定量混合して、プラネタリミキサー等の混合釜で、例えば、常温にて、10〜20rpm×20〜30分間の予備混合を行う。このように予備混合したものを、例えば、上記のようにビッカース硬度19GPa以上のセラミック製3本ロールに常温で通す。上記セラミック製3本ロールの条件は、エプロン側ロール/真中ロール/送りロールの回転数が9/3/1で構成され、送りロール側の回転数が1〜30rpm、クリヤランスがエプロン側ロール/真中ロール:50〜60μm、真中ロール/送りロール:150〜160μmで行うことが好ましい。さらに、剪断速度0.5〜50×103 /secの条件で予備混合処理を行うことが好ましい。この剪断速度は、ロール直径と、エプロン側ロールと真中ロール間のロールクリヤランスと、ロール回転速度差から算出される値である。
このように上記セラミック製3本ロールでロール練りしたものを、0〜100μmグラインドゲージ(JIS K5600−2−5 1999 塗料一般試験方法 第2部塗料の性状安定性 第5節:分散性)で測定し、最大粒径10μm(場所3点×繰り返し3点の合計9点測定)以下になるまで、ロール練りを繰り返し、仕上がり粘度(調製後)が60℃において1〜5Pa・sの充分に解砕された蛍光体マスターバッチを得ることができる。そして、これを、残りのエポキシ樹脂組成物配合成分とともに混合し、光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物を製造することができる。なお、本発明により得られる光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物が、粉末状もしくはタブレット状である場合には、上記した各成分を溶融混合する時に、Bステージ(半硬化状態)としておき、これを使用時に加熱溶融すればよい。
このようにして得られた光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物は、例えば、白色LED製造のためのLED素子の封止用として用いられる。すなわち、上記光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、光半導体素子を封止するには、特に制限されることはなく、通常のトランスファー成形や注型等の公知のモールド方法により行うことができる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
実施例に先立って下記に示す各成分を準備した。
〔エポキシ樹脂a〕
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量650)
〔エポキシ樹脂b〕
トリグリシジルイソシアヌレート(エポキシ当量100)
〔酸無水物系硬化剤〕
テトラヒドロ無水フタル酸(酸無水当量152)
〔蛍光体粉末a〕
YAG蛍光体粉末(1次粒子平均径3μm)
〔蛍光体粉末b〕
YAG蛍光体粉末(1次粒子平均径10μm)
〔蛍光体粉末c〕
YAG蛍光体粉末(1次粒子平均径15μm)
〔カップリング剤〕
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
〔硬化促進剤〕
2−エチル−4−メチルイミダゾール
〔劣化防止剤〕
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンタレン−10−オキシド
粘度10Pa・s(at25℃)の液状エポキシ樹脂(エポキシ当量185のビスフェノールA型エポキシ樹脂)と蛍光体粉末a(1次粒子平均径3μm)とを重量比3:7(蛍光体粉末濃度70重量%)となるように、混合機(プラネタリミキサー)で予備混合を行った(25℃、10〜20rpm、20〜30分間)。このようにして予備混合したものを、下記の条件のセラミック製3本ロール(ビッカース硬度20GPa)で1パス分散させて蛍光体マスターバッチa(60℃における粘度3.0Pa・s)を調製した。なお、上記蛍光体マスターバッチaの60℃における粘度は、前述の方法と同様、コーンプレート型回転粘度計にて測定した。
〔セラミック製3本ロールの条件〕
(1)常温(25℃)、送りロール側の回転数10rpm、中央ロールの回転数30rpm、エプロン側ロールの回転数90rpm
(2)クリヤランスがエプロン側ロール/真中ロール:50〜60μm、真中ロール/送りロール:150〜160μm
(3)剪断速度:ロール直径125mm、ロールクリヤランス(min)0.05mmとして、〔(30〜90rpm×125mm×3.14)/min〕/0.05mm=4.7×10-5 /min=7.85×103 /sec
つぎに、上記調製した蛍光体マスターバッチaとともに後記の表1に示す各成分を同表に示す割合で加熱配合し、冷却,固形化した樹脂組成物を粉砕して、得られた粉砕物をタブレット状に金型を用いて加圧成形することにより目的とするエポキシ樹脂組成物を作製した。
蛍光体マスターバッチの調製において、セラミック製3本ロールで2パスに変えた。それ以外は実施例1と同様にして蛍光体マスターバッチb(60℃における粘度2.9Pa・s)を調製した。そして、上記調製した蛍光体マスターバッチbとともに後記の表1に示す各成分を同表に示す割合で配合し、上記実施例1と同様の操作を行うことにより目的とするエポキシ樹脂組成物を作製した。
蛍光体マスターバッチの調製において、セラミック製3本ロールで3パスに変えた。それ以外は実施例1と同様にして蛍光体マスターバッチc(60℃における粘度2.5Pa・s)を調製した。そして、上記調製した蛍光体マスターバッチcとともに後記の表1に示す各成分を同表に示す割合で配合し、上記実施例1と同様の操作を行うことにより目的とするエポキシ樹脂組成物を作製した。
蛍光体マスターバッチの調製において、粘度10Pa・s(at25℃)の液状エポキシ樹脂(エポキシ当量185のビスフェノールA型エポキシ樹脂)と蛍光体粉末a(1次粒子平均径3μm)との重量比を5:5(蛍光体粉末濃度50重量%)に変えた。それ以外は実施例1と同様にして蛍光体マスターバッチd(60℃における粘度1Pa・s)を調製した。そして、上記調製した蛍光体マスターバッチdとともに後記の表1に示す各成分を同表に示す割合で配合し、上記実施例1と同様の操作を行うことにより目的とするエポキシ樹脂組成物を作製した。
蛍光体マスターバッチの調製において、粘度10Pa・s(at25℃)の液状エポキシ樹脂(エポキシ当量185のビスフェノールA型エポキシ樹脂)と蛍光体粉末a(1次粒子平均径3μm)との重量比を2:8(蛍光体粉末濃度80重量%)に変えた。それ以外は実施例1と同様にして蛍光体マスターバッチe(60℃における粘度5Pa・s)を調製した。そして、上記調製した蛍光体マスターバッチeとともに後記の表1に示す各成分を同表に示す割合で配合し、上記実施例1と同様の操作を行うことにより目的とするエポキシ樹脂組成物を作製した。
蛍光体マスターバッチの調製において、粘度12Pa・s(at25℃)の液状エポキシ樹脂(エポキシ当量189のビスフェノールA型エポキシ樹脂)を用いた。それ以外は実施例1と同様にして蛍光体マスターバッチf(60℃における粘度4.1Pa・s)を調製した。そして、上記調製した蛍光体マスターバッチfとともに後記の表1に示す各成分を同表に示す割合で配合し、上記実施例1と同様の操作を行うことにより目的とするエポキシ樹脂組成物を作製した。
蛍光体マスターバッチの調製において、蛍光体粉末b(1次粒子平均径10μm)を用いた。それ以外は実施例1と同様にして蛍光体マスターバッチg(60℃における粘度1.8Pa・s)を調製した。そして、上記調製した蛍光体マスターバッチgとともに後記の表1に示す各成分を同表に示す割合で配合し、上記実施例1と同様の操作を行うことにより目的とするエポキシ樹脂組成物を作製した。
〔比較例1〕
後記の表2に示す各成分、ビスフェノールA型エポキシ樹脂80部、トリグリシジルイソシアヌレート20部、酸無水物系硬化剤50部、カップリング剤1部、硬化促進剤1部および劣化防止剤2部を配合して加熱混合し、冷却,粉砕することにより粉末状透明エポキシ樹脂組成物(16メッシュオン10重量%、36メッシュパス50重量%)を作製した。つぎに、上記粉末状透明エポキシ樹脂組成物154部とYAG蛍光体粉末(1次粒子平均径3μm)18.5部とをドライブレンドして蛍光体粉末含有エポキシ樹脂組成物を作製した。
〔比較例2〕
後記の表2に示す各成分を同表に示す割合で配合し混合することにより、蛍光体粉末含有エポキシ樹脂組成物を作製した。すなわち、エポキシ樹脂組成物の混練工程中に、蛍光体粉末を直接添加して混合することにより蛍光体粉末含有エポキシ樹脂組成物を作製した。
〔比較例3〕
蛍光体マスターバッチの調製において、粘度15Pa・s(at25℃)の液状エポキシ樹脂(エポキシ当量195のビスフェノールA型エポキシ樹脂)を用いた。それ以外は実施例1と同様にして蛍光体マスターバッチh(60℃における粘度5.5Pa・s)を調製した。そして、上記調製した蛍光体マスターバッチhとともに後記の表2に示す各成分を同表に示す割合で配合し、上記実施例1と同様の操作を行うことによりエポキシ樹脂組成物を作製した。
〔比較例4〕
蛍光体マスターバッチの調製において、蛍光体粉末c(1次粒子平均径15μm)を用いた。それ以外は実施例1と同様にして蛍光体マスターバッチi(60℃における粘度0.9Pa・s)を調製した。そして、上記調製した蛍光体マスターバッチiとともに後記の表2に示す各成分を同表に示す割合で配合し、上記実施例1と同様の操作を行うことによりエポキシ樹脂組成物を作製した。
Figure 2008198951
Figure 2008198951
このようにして得られた実施例および比較例の蛍光体粉末含有エポキシ樹脂組成物を用いて、150℃×4分間のトランスファー成形を行い、色度評価用サンプル(直径50mm×厚み0.3mm)を作製した。
〔色度評価〕
上記色度評価用サンプルを用い、図1に示す測定システムからなる大塚電子社製のMCPD7000を使用して色度評価した。すなわち、キセノン光源4から分光された470nmの光を投光用ファイバー5を介して色度評価用サンプル6に透過させた。ついで、積分球3で集光し、受光用ファイバー2を介してMCPD検出器1に導き色演算を行い、色度(x)を算出して色度のばらつきを評価した。その結果を後記の表3〜表4に示す。
〔成形体中の蛍光体粒子観察〕
上記色度評価用サンプル中に含有された蛍光体粒子の最大粒子径を、SEM観察により測定した。その結果を後記の表3〜表4に示す。
〔蛍光体マスターバッチ中の蛍光体粒子〕
実施例1〜7、比較的3,4において調製した各蛍光体マスターバッチ中の蛍光体粒子の最大粒径を0〜100μmグラインドゲージ(JIS K5600−2−5 1999)にて前述の方法に従い測定した。その結果を後記の表3〜表4に示す。
Figure 2008198951
Figure 2008198951
上記結果から、実施例品は、成形体中の蛍光体粒子の平均粒径は小さく、色度のばらつきも非常に小さいものであった。
一方、比較例1は、予め調製した粉末状エポキシ樹脂組成物と蛍光体粉末とを単に混練したものであり、成形体中の蛍光体粒子の平均粒径は二次凝集により200μmと大きく、色度のばらつきも大きかった。また、比較例2は、蛍光体粉末を他の配合成分とともに配合し混練することにより蛍光体粉末含有エポキシ樹脂組成物を作製したものであり、比較例1と同様、成形体中の蛍光体粒子の平均粒径は二次凝集により200μmと大きく、また色度のばらつきも大きかった。さらに、比較例3は、粘度15Pa・s(at25℃)の液状エポキシ樹脂を用い蛍光体マスターバッチを調製して使用したものであり、粘度が高いために他の樹脂成分との混合性が悪く、色度のばらつきが大きかった。また、比較例4は、1次粒子平均径15μmの蛍光体粉末を用いて蛍光体マスターバッチを調製し使用したものであり、蛍光体が沈降しやすく、色度にばらつきを生じた。
蛍光体含有エポキシ樹脂組成物成形体の色度評価を測定するための測定システムを模式的に示す説明図である。

Claims (4)

  1. 1次粒子平均径1〜10μmの蛍光体粉末を、25℃での粘度が8〜12Pa・sの液状エポキシ樹脂に混合分散させて平均粒径1〜10μmの蛍光体粉末が分散された液状エポキシ樹脂を調整する工程と、上記蛍光体粉末が分散された液状エポキシ樹脂とともに、少なくとも下記の(A)および(B)成分を配合して溶融混合する工程とを備えたことを特徴とする光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物の製法。
    (A)透明エポキシ樹脂。
    (B)硬化剤。
  2. 上記蛍光体粉末が分散された液状エポキシ樹脂の粘度が、60℃において1〜5Pa・sである請求項1記載の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物の製法。
  3. ビッカース硬度19GPa以上のセラミック製の3本ロールを用いて、蛍光体粉末を液状エポキシ樹脂に混合分散させて平均粒径1〜10μmの蛍光体粉末が分散された液状エポキシ樹脂を調整する請求項1または2記載の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物の製法。
  4. 上記セラミック製3本ロールの各クリヤランスがエプロン側ロール/真中ロール=50〜60μm、真中ロール/送りロール=150〜160μmであり、かつ剪断速度0.5〜50×103 /secの条件で混合分散を行う請求項1〜3のいずれか一項に記載の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物の製法。
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