JP2008196332A - ターボチャージャ付内燃機関の制御装置 - Google Patents

ターボチャージャ付内燃機関の制御装置 Download PDF

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Naoki Tosa
直己 戸佐
Hiroshi Uchida
博 内田
Yuji Iwakiri
雄二 岩切
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Abstract

【課題】ターボチャージャ付内燃機関における制御装置において、タービン入口排気圧が過度に上昇することに起因して内燃機関の掃気効率が過度に悪化することを抑制する。
【解決手段】バルブ制御領域Iにおいては流量調節バルブ開度SPA及びウェストゲートバルブ開度WGAを「全閉」に維持する。バルブ制御領域IIにおいてはウェストゲートバルブ開度WGAを全閉に維持し、タービン入口排気圧PEがマニホールド吸気圧PI以下になるように流量調節バルブ開度SPAを調節する。バルブ制御領域IIIにおいては流量調節バルブ開度SPAを全開に維持し、タービン入口排気圧PEがマニホールド吸気圧PI以下になるようにウェストゲートバルブ開度WGAを調節する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ターボチャージャ付内燃機関の制御装置に関する。
ターボチャージャ付内燃機関において、内燃機関の機関負荷に応じて過給圧を制御することが要求される。これに対し、タービンホイールに導かれる排気の流量を変更可能な所謂ツインスクロール型のターボチャージャが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
機関負荷の増大に伴ってタービンに流入する排気の流量(以下、単に「タービン流入排気流量」ともいう。)がタービンの容量に比べて多くなると、排気通路におけるタービンよりも上流側の排気圧(以下、単に「タービン入口排気圧」ともいう。)が増加する。そのような状態で吸気の過給を行うと、過給圧よりもタービン入口排気圧が高くなる場合がある。その結果、内燃機関の掃気効率が悪化するため内燃機関の機関効率が悪化する場合があった。また、吸気温度が過度に上昇してコンプレッサに熱劣化が生じる虞があった。
特開2003−328763号公報 特開昭61−169626号公報 特開昭61−43219号公報 特開2006−37818号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ターボチャージャ付内燃機関における制御装置において、タービン入口排気圧が過度に上昇することに起因して内燃機関の掃気効率が過度に悪化することを抑制し、以って機関効率が悪化することを抑制できる技術を提供することである。
上記課題を達成するために本発明におけるターボチャージャ付内燃機関の制御装置は、以下の手段を採用した。即ち、
内燃機関の排気通路に設けられるタービン及び該内燃機関の吸気通路に設けられるコンプレッサを有するターボチャージャと、
前記タービンに流入する排気にタービンホイールを迂回させるウェストゲート通路と、
前記ウェストゲート通路を通過する排気の流量を変更可能なウェストゲートバルブと、
前記排気通路の前記タービンよりも上流側における排気圧であるタービン入口排気圧を所定値以下に制御する排気圧制御手段と、
を備え、
前記排気圧制御手段は、前記タービンホイールに流入する排気の流路面積を制御する流路面積制御手段と前記ウェストゲートバルブの開度を制御するウェストゲート開度制御手段とを有し、
前記流路面積制御手段は前記流路面積を増加させることによって前記タービン入口排気圧を低下させ、前記流路面積を最大面積に変更しても前記タービン入口排気圧が前記所定値よりも高くなる場合に、前記ウェストゲート開度制御手段は前記ウェストゲートバルブの開度を増加させることを特徴とする。
内燃機関から排出される排気の流量が増大して流入排気流量が増大すると、タービン流入排気流量がタービンの容量に対して大きくなる場合がある。そうすると、タービン入口
排気圧が急激に上昇して内燃機関の掃気効率が過度に悪化する虞がある。その結果、燃費が悪化するなど機関効率が悪化する場合があった。
これに対し、本発明における排気圧制御手段は、タービン入口排気圧が所定値以下になるように該タービン入口排気圧を制御する。ここで、「所定値」とは、タービン入口排気圧が過度に上昇してしまい掃気効率が過度に悪化することを抑制する観点によって定められるタービン入口排気圧の許容値である。
本発明では、排気圧制御手段がタービン入口排気圧を低下させるべく、前記流路面積制御手段はタービンホイールに流入する排気の流路面積を増加させる。これにより、タービン入口排気圧を所定値以下になるように好適に低減することができる。なお、本発明における「タービンホイールに流入する排気の流路面積」にはウェストゲート通路を通過する排気の流路面積は含まれない。
また、内燃機関から排出される排気の流量が多いとき(例えば、中負荷・中回転〜高負荷・高回転)には、タービンホイールに流入する排気の流路面積を最大面積にしてもタービン入口排気圧が上記の所定値以下にすることが困難となる場合がある。「最大面積」とは内燃機関の備えるタービンの容量が最大容量になることを意味する。
そこで本発明では、タービンホイールに流入する排気の流路面積を最大面積に変更してもタービン入口排気圧が所定値よりも高くなる場合に、ウェストゲート開度制御手段はウェストゲートバルブの開度を増加させる。これにより、上記流路面積が最大面積のときにおいてもタービン入口排気圧が過度に上昇することを抑制できる。
なお、本発明におけるウェストゲートバルブの開度を増加させる時点においては、必ずしも上記流路面積が最大面積になっている必要はない。つまり、流路面積制御手段が上記流路面積を最大面積まで増加させると同時にウェストゲート開度制御手段がウェストゲートバルブの開度を増加させても良い。
以上のように、本発明によればタービン入口排気圧が過度に上昇して内燃機関の掃気効率が悪化することを抑制できる。その結果、機関効率が過度に悪化することを好適に抑制できる。また、掃気効率が悪化しないので、その運転状態に見合った吸入空気量を精度良く内燃機関に吸入させることが可能となる。これにより、要求される機関出力を精度良く得ることができる。
更に、本発明では過度にタービン入口排気圧が高くなることが抑制されるため、内燃機関の筒内圧や筒内温度が過度に上昇してしまうことを抑制できる。従って、例えば気筒内に残留した既燃ガスに含まれる未燃燃料等が着火源として混合気が異常燃焼(ノッキング)することを抑制することもできる。
また、本発明においては、前記タービンのスクロール部は通過する排気を前記タービンホイールに導くスクロール流路を複数有しており且つ少なくとも1のスクロール流路には該スクロール流路を通過する排気の流路面積を変更可能な流路面積制御バルブが備えられており、前記流路面積制御手段は、前記流路面積制御バルブの開度を変更することによって前記タービンホイールに流入する排気の流路面積を制御するようにしても良い。尚、流路面積制御バルブは複数のスクロール流路の全てに設けられていても良い。
また、タービン入口排気圧が吸気通路における過給圧よりも高いときに、上述した掃気効率が急激に悪化すると考えられる。そこで、本発明における前記所定値は前記吸気通路における過給圧であっても良い。これにより、内燃機関の掃気効率が悪化することをより
好適に抑制することができる。また、上記所定値は、過給圧に所定のマージンを見込んだ値であって、該過給圧よりも低い値としても良い。
また、本発明においては、前記タービン入口排気圧が前記所定値よりも高いか否か判定する判定手段を更に備えていても良い。そして、前記タービン入口排気圧が前記所定値よりも高いと判定されるときであって且つ前記流路面積制御バルブの開度が全開ではないときに、前記ウェストゲート開度制御手段は前記ウェストゲートバルブの開度を全閉にするとともに前記流路面積制御手段は前記流路面積制御バルブの開度を増加させても良い。これにより、タービンに流入した排気のエネルギを無駄にすることなくタービン入口排気圧を好適に低減できる。
また、前記タービン入口排気圧が前記所定値よりも高いと判定されるときであって且つ前記流路面積制御バルブの開度が全開であるときに、前記ウェストゲート開度制御手段は前記ウェストゲートバルブの開度を増加させても良い。これにより、流路面積制御バルブの開度が全開となった後においてもタービン入口排気圧を更に低減することができる。
ここで、上記判定手段による判定頻度を密にするとタービン入口排気圧が所定値よりも高いか否かをより精度良く判定することができる。また、内燃機関の機関負荷が増加すると、タービン流入排気流量が増加してタービン入口排気圧が所定値よりも高くなる可能性が高まる。そこで、本発明における判定手段は、内燃機関の機関負荷が増加する毎にタービン入口排気圧が所定値よりも高いか否か判定しても良い。また、内燃機関がスロットルバルブを備え、前記内燃機関の機関負荷に応じてスロットルバルブの開度を変更する場合には、スロットル開度を増加する毎にタービン入口排気圧が所定値よりも高いか否か判定しても良い。これにより、適切な時期に上記判定が実行されるので、タービン入口排気圧が所定値よりも過度に高くなることを精度良く抑制できる。
また、本発明における排気圧制御手段は、タービン入口排気圧と所定値(例えば、過給圧)との差に応じてウェストゲートバルブの開度の増加量又はウェストゲートバルブの開度の増加量を決定しても良い。例えば、タービン入口排気圧と所定値との差が大きいほど上記増加量を大きくしても良い。或いは、タービン入口排気圧と所定値とに基づいて、流路面積制御バルブの開度又はウェストゲートバルブの開度をフィードバック制御しても良い。
また、本発明においては、前記吸気通路に設けられるスロットルバルブと、前記内燃機関の運転状態に応じて前記スロットルバルブの開度を制御するスロットル開度制御手段と、前記スロットルバルブの開度に応じて前記タービン入口排気圧が前記所定値(例えば、過給圧)以下になるように前記流路面積制御バルブの目標開度と前記ウェストゲートバルブの目標開度とを決定する目標開度決定手段と、を更に備えていても良い。
上記構成によれば、内燃機関の運転状態(例えば、機関負荷・機関回転数)が検出され、運転状態に最適なスロットル開度が決定される。目標開度決定手段は、スロットル開度に応じてタービン入口排気圧が所定値以下になるように、それぞれの目標開度を決定する。これにより、タービン入口排気圧が所定値よりも高くなることが抑制され、好適に内燃機関の掃気効率が悪化することを抑制できる。
例えば、内燃機関が低負荷・低回転領域のときは、上記スロットル開度が比較的小さな開度に制御されるため、流路面積制御バルブの目標開度及びウェストゲートバルブの目標開度を共に全閉としても良い。
内燃機関が例えば中負荷・中回転領域に移行した場合に流路面積制御バルブの開度とウ
ェストゲートバルブの開度とが共に全閉に維持されると、タービン入口排気圧が所定値よりも高くなる場合がある。その場合、ウェストゲートバルブの目標開度を全閉とすると共に流路面積制御バルブの目標開度を全閉から全開までの範囲で調節しても良い。
また、内燃機関が例えば高負荷・高回転領域のときは、流路面積制御バルブの開度を全開としてもタービン入口排気圧が所定値よりも高くなる場合がある。その場合、流路面積制御バルブの目標開度を全開とすると共にウェストゲートバルブの目標開度を全閉から全開までの範囲で調節しても良い。
以上のように、上記構成によれば、全ての運転状態に亘りタービン入口排気圧を所定値以下に維持させるために最適な流路面積制御バルブの目標開度及びウェストゲートバルブの目標開度を好適に決定することができる。
本発明によれば、何れの運転領域においてもタービン入口排気圧が所定値よりも高くなることを抑制し、掃気効率が悪化することを抑制できる。また、例えばタービン入口排気圧を所定値以下に維持させるためにスロットル開度を更に増加させることが困難となる等、スロットル開度の制御が制限されることも抑制できる。その結果、内燃機関の吸気損失を可及的に低減し機関効率を向上することができる。また、吸気温度が過度に上昇する虞がないのでコンプレッサに熱劣化が生じることも抑制できる。
ところで、内燃機関の全負荷時には機関出力を更に増大させることが運転者から要求される場合がある。本発明においては、前記内燃機関の運転状態が全負荷であって且つ機関出力を増加させる要求が出される場合に、前記ウェストゲートバルブの開度を減少させるウェストゲート開度減少手段を更に備えていても良い。
上記のように機関出力を更に増大させることを最優先させる場合には、ウェストゲート開度減少手段がウェストゲートバルブの開度を減少させて、例外的にタービン入口排気圧が所定値よりも高くなることを許可しても良い。その結果、過給圧が増大して内燃機関の吸入空気量が増大する。つまり、吸入空気量に応じて燃料噴射量を増量することができるため、機関出力を更に増大させることができる。
ここで、タービン入口排気圧が所定値よりも高くなることが許可される場合においても、タービン入口排気圧が高くなりすぎると、内燃機関にノッキングが発生して機関出力が低下する虞がある。そこで、本発明における前記ウェストゲート開度減少手段は、前記内燃機関にノッキングを発生させない範囲内において前記ウェストゲートバルブの開度を減少させても良い。このときのウェストゲートバルブの開度の減少量は予め実験的に求めておいても良い。これにより、ノッキングが発生することを抑制しつつ機関出力を可及的に増大させることができる。
本発明にあっては、タービン入口排気圧が過度に上昇することに起因して内燃機関の掃気効率が過度に悪化することを抑制し、以って機関効率を向上させることができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。尚、本実施の形態に記載されている構成要素の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本実施例におけるターボチャージャ付内燃機関の制御装置を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、燃焼室を形成する気筒2を4つ有する4ストロークサイクル・ガソリンエンジンである。
内燃機関1には、吸気マニホールド8が接続されており、吸気マニホールド8の各枝管は吸気ポート(図示省略)を介して各気筒2の燃焼室と連通されている。また、各吸気ポートには該吸気ポート内に燃料を噴射する燃料噴射弁(図示省略)が設けられている。吸気マニホールド8と吸気通路9との接続部近傍には、吸気通路9内を流通する吸気の流量を調節可能なスロットルバルブ10が設けられている。吸気通路9におけるスロットルバルブ10よりも上流側には、吸気通路9内の吸気圧を検出する吸気圧センサ11が設けられている。この吸気圧センサ11によって、ターボチャージャ20によって過給された過給圧が検出される。吸気通路9におけるスロットルバルブ10よりも上流側には、吸気通路9を流れるガスを冷却するインタークーラ13が設けられている。
さらに、吸気通路9におけるインタークーラ13よりも上流側には、排気のエネルギを駆動源として作動するターボチャージャ20のコンプレッサハウジング21が設けられている。また、コンプレッサハウジング21よりも上流側には吸気通路9内を流通する吸気量に対応した電気信号を出力するエアフローメータ14が配置されており、該エアフローメータ14よりも上流側にはエアクリーナ(図示省略)が設けられている。
このように構成された内燃機関1の吸気系では、エアクリーナによって吸気中の塵や埃が除去された後、吸気通路9を介してコンプレッサハウジング21に流入する。コンプレッサハウジング21に流入した吸気は、該コンプレッサハウジング21に介装されたインペラー(図示省略)の回転によって圧縮される。そして、圧縮されて高温となった吸気は、インタークーラ13にて冷却された後、スロットルバルブ10によって流量を調節されて吸気マニホールド8に流入する。そして、吸気マニホールド8に流入した吸気は、各枝管を介して各気筒2に分配される。
一方、内燃機関1には、排気マニホールド18が接続されており、排気マニホールド18の各枝管は排気ポートを介して各気筒2の燃焼室と接続されている。排気マニホールド18は排気通路19と接続されている。排気通路19の途中にはターボチャージャ20のタービンハウジング22が設けられており、排気通路19は下流にて排気浄化装置(例えば、触媒)及びマフラー(図示省略)に接続されている。排気通路19におけるタービンハウジング22よりも上流側には該排気通路19内の排気圧(背圧)を検出する排気圧センサ12が設けられている。
図2は、本実施例におけるタービンハウジング内部の概略構成を示す図である。図2はタービンハウジング内の一部の構成を省略している。図中の一点鎖線は図示しないロータシャフトの軸を表す。タービンハウジング22内には、タービンホイール23が回転自在に支持されている。このタービンホイール23の外周には渦巻状のタービンスクロール24が形成されている。排気通路19からタービンハウジング22に流入した排気はこのタービンスクロール24を通過してタービンホイール23に導かれる。本実施例においてはタービンスクロール24が本発明におけるタービンのスクロール部に相当する。
本実施例のタービンスクロール24は、図示のように仕切り壁25によって第1スクロール流路24a、第2スクロール流路24bに分岐している。そして、タービンスクロール24が第1スクロール流路24aと第2スクロール流路24bに分岐する分岐部24cには、第2スクロール流路24bを通過する排気の流量を調節可能な流量調節バルブ26が設けられている。流量調節バルブ26が本発明における流路面積制御バルブに相当する。
更に、第2スクロール流路24bには、一端がタービンハウジング22よりも下流側の排気通路19に接続され、第2スクロール流路24bを通過する排気にタービンホイール23を迂回させて排気通路19に導くウェストゲート通路27の他端が接続されている。また、第2スクロール流路24bとウェストゲート通路27との接続部には、該ウェストゲート通路27を通過する排気の流量を調節可能なウェストゲートバルブ28が設けられている。本実施例においては、第1スクロール流路24aと第2スクロール流路24bとが本発明における複数のスクロール流路に相当する。第1スクロール流路24aと第2スクロール流路24bとの和が本発明におけるタービンを通過する排気の流路面積に相当する。つまり、本発明において「流路面積が最大面積になる」とは、流量調節バルブ26の開度が全開に制御された状態を意味している。
このように構成された排気系では、内燃機関1の各気筒2で燃焼された混合気(既燃ガス)が排気マニホールド18を介して排気通路19へ排出され、次いでターボチャージャ20のタービンハウジング22へ流入する。タービンスクロール24の分岐部24cに到達した排気は、第1スクロール流路24a又は第2スクロール流路24bに流入する。そして流量調節バルブ26が閉弁されているときには、排気が第2スクロール流路24bを通過することが禁止され、第1スクロール流路24aのみを通過して排気がタービンホイール23に導かれる。一方、流量調節バルブ26が開弁されているときには、第1スクロール流路24a及び第2スクロール流路24bを通過して排気がタービンホイール23に導かれる。
このようにタービンホイール23に導かれた排気は該タービンホイール23を回転させる。その際、タービンホイール23の回転トルクは、コンプレッサハウジング21内に介装されたインペラー(図示省略)に伝達される。そして、タービンハウジング23から流出した排気は、排気通路19及びその下流のマフラーを介して大気中に放出される。
また、ウェストゲートバルブ28が開弁されているときには、第2スクロール流路24bを通過する排気の一部がタービンホイール23を迂回して排気通路19に流出し、下流側のマフラーを介して大気中に放出される。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるECU30が併設されている。このECU30は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御するユニットである。
ECU30には、エアフローメータ14、吸気圧センサ11、排気圧センサ12、運転者がアクセルペダル15を踏み込んだ量に応じた電気信号を出力し機関負荷を検出可能なアクセル開度センサ16、及び機関回転数を検出するクランクポジションセンサ17が電気配線を介して接続され、これら各種センサの出力信号がECU30に入力される。一方、ECU30には、スロットルバルブ10、流量調節バルブ26、ウェストゲートバルブ28が電気配線を介して接続されており、該ECU30により制御される。本実施例においてはスロットルバルブ10、流量調節バルブ26、ウェストゲートバルブ28を制御するECU30が本発明におけるスロットル開度制御手段、排気圧制御手段(流路面積制御手段、ウェストゲート開度制御手段)に相当する。
<バルブ制御>
ECU30は、内燃機関1に要求される機関負荷と機関回転数とに基づいてスロットルバルブ10の開度(以下、「スロットル開度」)TAを制御する。本実施例では、機関負荷を代表するパラメータとしてアクセル開度センサ16の出力値が用いられる。また、機関回転数はクランクポジションセンサ17との出力値として読み込まれる。
ECU30がスロットル開度TAを増加させると、内燃機関1から排出される排気の流量が増大するため、タービンホイールを回転させる排気エネルギが増大する。その結果、過給圧が増大して吸入空気量が増加することに伴い燃料噴射量が増加して機関出力が上昇する。
ここで、タービンハウジング22の容量が該タービンハウジング22に流入する排気の流量(以下、「流入排気流量」)に対して余裕があるときには、排気通路19におけるタービンハウジング22よりも上流側の排気圧(以下、「タービン入口排気圧」という。)PEが過度に高くなることはない。しかし、流入排気流量がタービンハウジング22の容量に対して大きくなると、タービン入口排気圧PE(つまり、エンジン背圧)が急激に上昇する場合がある。吸気マニホールド8内の過給圧(以下、「マニホールド吸気圧」という。)PIよりもタービン入口排気圧PEが高くなると、内燃機関1の掃気効率が過度に悪化するため、機関効率が過度に悪化する虞がある。
そこで、本実施例に係るターボチャージャ付内燃機関の制御装置ではタービン入口排気圧PEがマニホールド吸気圧PIよりも高いか否か判定し、肯定判定がなされるときにはタービン入口排気圧PEをマニホールド吸気圧PI以下まで低減する。具体的には、流量調節バルブ26の開度(以下、「流量調節バルブ開度」)SPA、ウェストゲートバルブ28の開度(以下、「ウェストゲートバルブ開度」)WGAがECU30によって制御される。本実施例においてはマニホールド吸気圧PIが本発明における所定値(過給圧)に相当する。
<基本バルブ制御ルーチン>
以下、本実施例における流量調節バルブ開度SPA及びウェストゲートバルブ開度WGAの制御について、図3のフローチャートを参照しながら説明する。図3は、本実施例における基本バルブ制御ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンはECU30内のROMに記憶されたプログラムであり、所定期間毎に実行される。
本ルーチンが実行されると、ステップS101では、吸気圧センサ11及び排気圧センサ12の出力値に基づいてマニホールド吸気圧PI及びタービン入口排気圧PEが検出される。そして、ECU30によってタービン入口排気圧PEがマニホールド吸気圧PIよりも高いか否か判定される。つまり、本ステップではタービン入口排気圧PEを低減させる必要があるか判断される。タービン入口排気圧PEがマニホールド吸気圧PIよりも高いか否か判定するECU30が本発明における判定手段に相当する。本ステップで肯定判定された場合には、ステップS102に進む。一方、否定判定された場合には本ルーチンを一旦終了する。
ステップS102では、現在の流量調節バルブ開度SPAが全開ではないか否か判定される。つまり、本ステップでは流量調節バルブ開度SPAを更に開き側に変更できるかどうかが判断される。現在の流量調節バルブ開度SPAは、ECU30が流量調節バルブ26に出されている指令値を読み込むことにより求められる。そして、本ステップにおいて肯定判定された場合には、ステップS103に進む。
ステップ103では、ECU30が流量調節バルブ26に指令を出し、流量調節バルブ開度SPAを基準開度ΔSPAだけ増加させる。ここで、基準開度ΔSPAは、予め実験的に求められる開度である。なお、基準開度ΔSPAの大きさは一定値としても良いし、タービン入口排気圧PEとマニホールド吸気圧PIとの差に応じて決定しても良い。例えば、タービン入口排気圧PEとマニホールド吸気圧PIとの差が大きいほど基準開度ΔSPAを大きくしても良い。本実施例においては流量調節バルブ26に指令を出して流量調
節バルブ開度SPAを変更させるECU30が本発明における流路面積制御手段に相当する。
上記のように、流量調節バルブ開度SPAが増大すると、第2スクロール流路24bを通過する排気の流量が増大する。その結果、タービンハウジング22の容量が増大するため、タービン入口排気圧PEを低減させることができる。ステップS103の処理が終わるとステップS104に進む。
ステップS104では、再びタービン入口排気圧PEとタービン入口排気圧PEが検出される。そして、タービン入口排気圧PEがマニホールド吸気圧PI以下であるか否か判定される。つまり、本ステップでは、タービン入口排気圧PEが充分に低下したかどうかが判断される。そして、本ステップで肯定判定された場合には、本ステップを一旦終了する。一方、否定判定された場合には、更に流量調節バルブ開度SPAを増加させる必要があると判断され、ステップS102に戻る。つまり、タービン入口排気圧PEがマニホールド吸気圧PI以下になるまで流量調節バルブ開度SPAを増加させる。
ステップS102で否定判定された場合には、ステップS105に進む。ステップS105では、ECU30が現在のウェストゲートバルブ開度WGAを読み込む。そして、ステップS105の処理が終わるとステップS106に進む。
ステップS106では、ECU30がウェストゲートバルブ28に指令を出し、ウェストゲートバルブ開度WGAを基準開度ΔWGAだけ増加させる。その結果、第2スクロール流路24bを通過する排気の一部がタービンホイール23を迂回して排気通路19に流出するため、好適にタービン入口排気圧PEを低減することができる。なお、基準開度ΔWGAの大きさは一定値としても良いし、タービン入口排気圧PEとマニホールド吸気圧PIとの差に応じて決定しても良い。例えば、タービン入口排気圧PEとマニホールド吸気圧PIとの差が大きいほど基準開度ΔWGAを大きくしても良い。
続くステップS107では、再びタービン入口排気圧PEとタービン入口排気圧PEが検出される。そして、タービン入口排気圧PEがマニホールド吸気圧PI以下であるか否か判定される。本ステップで肯定判定された場合には、本ステップを一旦終了する。一方、否定判定された場合には、更にウェストゲートバルブ開度WGAを増加させる必要があると判断され、ステップS105に戻る。つまり、タービン入口排気圧PEがマニホールド吸気圧PI以下になるまでウェストゲートバルブ開度WGAを増加させる。
以上のように、本ルーチンによれば、内燃機関1の何れの運転状態において、タービン入口排気圧PEがマニホールド吸気圧PIよりも高いと判定されたときに、好適にタービン入口排気圧PEをマニホールド吸気圧PI以下に低減することができる。その結果、内燃機関1の掃気効率が悪化することが抑制される。特に、図示しない吸気弁と排気弁におけるバルブオーバーラップ時において掃気効率が過度に悪化することを抑制できる。従って、機関効率を向上させることができる。また、タービン入口排気圧PEが過度に上昇することが抑制されるため、所謂ノッキングが生じることを抑制することができる。
なお、本ルーチンにおいては、タービン入口排気圧PEがマニホールド吸気圧PIよりも高いと判定されたときに、タービン入口排気圧PEを低減させる制御について説明したが、タービン入口排気圧PEが「所定値」よりも高くなったときに本制御を実施するようにしても良い。例えば、「所定値」はマニホールド吸気圧PIに予め定められる一定のマージンを見込んだ値であって、該マニホールド吸気圧PIよりも低い値としても良い。
次に、内燃機関1における零負荷(負荷がかかっていない運転状態)から全負荷までの
運転領域において、上記基本バルブ制御ルーチンを実行する場合の流量調節バルブ開度SPA及びウェストゲートバルブ開度WGAについて説明する。図4は本実施例におけるスロットル開度TAと流量調節バルブ開度SPAとウェストゲートバルブ開度WGAの関係を例示した図である。タービン入口排気圧PEをマニホールド吸気圧PI以下に維持するために好適な流量調節バルブ開度SPA及びウェストゲートバルブ開度WGAを例示する。横軸にはスロットル開度TAを、縦軸には流量調節バルブ開度SPAとウェストゲートバルブ開度WGAとを示す。
内燃機関1の機関負荷に応じて制御されるスロットル開度TAが比較的小さいときは流入排気流量が少ない。従って、タービン入口排気圧PEが急激に上昇する虞がないので、ECU30は流量調節バルブ開度SPA及びウェストゲートバルブ開度WGAを全閉に維持する。
流量調節バルブ開度SPA及びウェストゲートバルブ開度WGAが全閉に維持されたままスロットル開度TAが増大してゆくと、タービン入口排気圧PEが急増する。横軸の「TA1」は、流量調節バルブ開度SPA及びウェストゲートバルブ開度WGAを全閉として、タービン入口排気圧PEをマニホールド吸気圧PI以下に維持できるスロットル開度TAの最大値である。
スロットル開度TAが「TA1」よりも大きくなると、スロットル開度TAの大きさに応じて、タービン入口排気圧PEをマニホールド吸気圧PI以下に維持するための流量調節バルブ開度SPAが大きくなる。従って、ECU30はウェストゲートバルブ開度WGAを全閉に維持し、流量調節バルブ開度SPAを増加させる。
横軸の「TA2」とは、流量調節バルブ開度SPAが全開となるときのスロットル開度TAを意味する。スロットル開度TAが「TA2」よりも大きくなると、スロットル開度TAの大きさに応じて、タービン入口排気圧PEをマニホールド吸気圧PI以下に維持するためのウェストゲートバルブ開度WGAが大きくなる。従って、ECU30は流量調節バルブ開度SPAを全開に維持し、ウェストゲートバルブ開度WGAを増加させる。
以上のように、スロットル開度TAが「全閉」から「TA1」の範囲で制御されるときは、流量調節バルブ開度SPA及びウェストゲートバルブ開度WGAが全閉に維持される。以下、この領域を制御バルブ領域Iと称す。また、スロットル開度TAが「TA1」から「TA2」までの範囲で制御されるときは、ウェストゲートバルブ開度WGAが全閉に維持され、流量調節バルブ開度SPAがスロットル開度TAに応じて変更される。以下、この領域を制御バルブ領域IIと称す。また、スロットル開度TAが「TA2」から「全開」までの範囲で制御されるときは、流量調節バルブ開度SPAが全開に維持され、ウェストゲートバルブ開度WGAがスロットル開度TAに応じて変更される。以下、この領域を制御バルブ領域IIIと称す。
<バルブ制御の変形例>
次に、本実施例におけるバルブ制御の変形例について説明する。本バルブ制御では、内燃機関1の運転状態に応じて目標スロットル開度TAtが演算される。そして、目標スロットル開度TAtに基づいて図4に示したバルブ制御領域が判定され、運転状態に応じてスロットル開度TAが制御される。
以下、本バルブ制御について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。図5は、本実施例における変形バルブ制御ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンはECU30内のROMに記憶されたプログラムであり、所定期間毎に実行される。本ルーチンにおいては、運転状態に応じてスロットル開度TAを制御するECU30が本発明に
おけるスロットル開度制御手段に相当する。
目標スロットル開度TAtに基づいて目標流量調節バルブ開度SPAtと目標ウェストゲートバルブ開度WGAtとを演算するECU30が本発明における目標開度決定手段に相当する。
本ルーチンが実行されると、ステップS201では、内燃機関1の運転状態が検出される。具体的には、クランクポジションセンサ17によるクランク角度の出力値から内燃機関1の機関回転数を検出し、アクセル開度センサ16によるアクセル開度の出力値から内燃機関1の機関負荷を検出する。
ステップS202では、ECU30によってステップS201で検出された機関負荷と機関回転数とに基づいて目標スロットル開度TAtが演算される。目標スロットル開度TAtとはスロットル開度TAの目標値である。また、目標スロットル開度TAtは内燃機関1の運転状態に最適なスロットル開度TAであり、予め実験的に求めておく。ステップS202の処理が終わるとステップS203に進む。
ステップS203では、ECU30が図4に示すマップを参照し、目標スロットル開度TAtに応じたバルブ制御領域が導出される。ステップS203の処理が終わるとステップS204に進む。
ステップS204ではバルブ制御領域が領域Iであるか否か判定される。本ステップで肯定判定された場合には、流量調節バルブ開度SPA及びウェストゲートバルブ開度WGAを全閉に維持した状態でタービン入口排気圧PEをマニホールド吸気圧PI以下に維持できると判断され、ステップS205に進む。
ステップS205においては、ECU30が流量調節バルブ26、ウェストゲートバルブ28に指令を出し、流量調節バルブ開度SPAとウェストゲートバルブ開度WGAとを共に全閉に変更させる。ステップS205の処理が終わるとステップS206に進む。
ステップS206では、ECU30がスロットルバルブ10に指令を出し、スロットル開度TAを目標スロットル開度TAtに変更させる。本ステップの処理が終わると、本ルーチンを一旦終了する。スロットルバルブ10に指令を出してスロットル開度TAを目標スロットル開度TAtに変更させるECU30が本発明におけるスロットル開度制御手段に相当する。
また、ステップS204において否定判定された場合、つまりバルブ制御領域が領域II又はIIIであると判定された場合には、ステップS207に進む。ステップS207では、バルブ制御領域が領域IIであるか否か判定される。そして、本ステップにおいて肯定判定された場合には、流量調節バルブ26のみを開弁することによってタービン入口排気圧PEをマニホールド吸気圧PI以下に維持できると判断され、ステップS208に進む。
ステップS208では、ステップS201で検出された運転状態、ステップS202で演算された目標スロットル開度TAtに基づいて目標流量調節バルブ開度SPAtが演算される。ステップS208の処理が終わるとステップS209に進む。
ステップS209では、ECU30が流量調節バルブ26に指令を出し、流量調節バルブ開度SPAを目標流量調節バルブ開度SPAtに変更させる。また、ウェストゲートバルブ28に指令を出し、ウェストゲートバルブ開度WGAを全閉に変更させる。ステップS209の処理が終わるとステップS206に進む。つまり、上述したようにECU30
がスロットルバルブ10に指令を出し、スロットル開度TAを目標スロットル開度TAtに変更させる。本ステップの処理が終わると、本ルーチンを一旦終了する。
また、上記のステップS207において否定判定された場合、つまりバルブ制御領域が領域IIIであると判定された場合には、ウェストゲートバルブ28を開弁しないとタービン入口排気圧PEをマニホールド吸気圧PI以下に維持できないと判断され、ステップS210に進む。
ステップS210では、ステップS201で検出された運転状態、ステップS202で演算された目標スロットル開度TAtに基づいて目標ウェストゲートバルブ開度WGAtが演算される。ステップS210の処理が終わるとステップS211に進む。
ステップS211では、ECU30が流量調節バルブ26に指令を出し、流量調節バルブ開度SPAを全開に変更させる。また、ウェストゲートバルブ28に指令を出し、ウェストゲートバルブ開度WGAを目標ウェストゲートバルブ開度WGAtに変更させる。ステップS211の処理が終わるとステップS206に進む。つまり、上述したようにECU30がスロットルバルブ10に指令を出し、スロットル開度TAを目標スロットル開度TAtに変更させる。本ステップの処理が終わると、本ルーチンを一旦終了する。
以上のように、本ルーチンによれば、目標スロットル開度TAtに応じたバルブ制御領域を判定できる。そして、タービン入口排気圧PEをマニホールド吸気圧PI以下に維持させるべく、流量調節バルブ開度SPA及びウェストゲートバルブ開度WGAを好適に制御することができる。
これにより、タービン入口排気圧PEがマニホールド吸気圧PIよりも高くなることが抑制され、内燃機関1の掃気効率の悪化を抑制できる。スロットル開度TAに応じた吸入空気量が精度良く内燃機関1に吸入されるので、内燃機関1に要求される機関出力を好適に発生させることができる。
また、上記ルーチンのステップS202において演算される目標スロットル開度TAtが全開であるときには、内燃機関1の運転状態が全負荷状態に変更される。そして、内燃機関1の全負荷時において更に機関出力を増大させる要求(以下、「全負荷高出力要求」)が出される場合がある。例えばアクセル開度センサ16の出力値を検出し、アクセルペダル15が全開までに踏み込まれている状態が一定期間継続していると判定される場合に全負荷高出力要求が出されていると判断しても良い。
その場合には、ECU30がウェストゲートバルブ28に指令を出し、ウェストゲートバルブ開度WGAを現在よりも閉じ側の目標開度である全負荷高出力要求時目標開度に変更させても良い。その結果、マニホールド吸気圧PIが更に増大し、吸入空気量を増やすことができる。吸入空気量に応じて燃料噴射量を増量することによって、内燃機関1の機関出力を更に増大させることができる。
なお、上記の全負荷高出力要求時目標開度は「全閉」であっても良い。本実施例においては、全負荷高出力要求が出されるときにウェストゲートバルブ開度WGAを現在よりも閉じ側の目標開度に変更させるECU30が本発明におけるウェストゲートバルブ開度減少手段に相当する。
上記制御においては、全負荷高出力要求時に機関出力の増大を優先させる場合、例外的にタービン入口排気圧PEがマニホールド吸気圧PIよりも高くなることを許可される。その場合においても、内燃機関1にノッキングを発生させない範囲内において目標ウェス
トゲートバルブ開度WGAtを決定することとした。タービン入口排気圧PEが高くなりすぎてノッキングが発生してしまうと、機関出力が急激に低下する虞があるからである。
従って、全負荷高出力要求時目標開度は、マニホールド吸気圧PIを上昇させることが可能であって、且つ内燃機関1にノッキングを生じさせる虞のないように決定される。また、全負荷高出力要求時目標開度は内燃機関の運転状態に基づいて予め実験的に求めておいても良い。これにより、全負荷高出力要求時において内燃機関1にノッキングが発生することを抑制しつつ機関出力を可及的に増大させることができる。
また、本実施例においては、所謂ツインスクロール型ターボチャージャを備えた内燃機関に本発明を適用する例を説明したが、様々な可変容量型ターボチャージャを備える内燃機関に適用することができる。例えば、タービンホイール23に複数取り付けられるノズルベーンの開度を変更可能な所謂可変ノズルターボチャージャを備える内燃機関に本発明を適用しても良い。その場合には、流量調節バルブ26の開度を変更する代わりに該ノズルベーンの開度を変更することによってタービン入口排気圧PEを制御しても良い。
また、本実施例におけるウェストゲート通路27は、一端がタービンハウジング22よりも下流側の排気通路19に接続され、他端が第2スクロール流路24bに接続されているが、本構成に限定される趣旨ではない。例えば、ウェストゲート通路27の一端がタービンハウジング22よりも上流側の排気通路19に接続され、他端がタービンハウジング22よりも下流側の排気通路19に接続されていても良く、本発明の本旨を逸脱しない範囲内において上記の実施形態には種々の変更を加え得る。
実施例1におけるターボチャージャ付内燃機関の制御装置を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。 実施例1におけるタービンハウジング内部の概略構成を示す図である。 実施例1における基本バルブ制御ルーチンを示すフローチャートである。 実施例1におけるスロットル開度TAと流量調節バルブ開度SPAとウェストゲートバルブ開度WGAの関係を例示した図である。 実施例1における変形バルブ制御ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1・・・内燃機関
2・・・気筒
8・・・吸気マニホールド
9・・・吸気通路
10・・スロットルバルブ
11・・吸気圧センサ
12・・排気圧センサ
13・・インタークーラ
14・・エアフローメータ
15・・アクセルペダル
16・・アクセル開度センサ
17・・クランクポジションセンサ
18・・排気マニホールド
19・・排気通路
20・・ターボチャージャ
21・・コンプレッサハウジング
22・・タービンハウジング
23・・タービンホイール
24・・タービンスクロール
24a・第1スクロール流路
24b・第2スクロール流路
24c・分岐部
25・・仕切り壁
26・・流量調節バルブ
27・・ウェストゲート通路
28・・ウェストゲートバルブ
30・・ECU

Claims (6)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられるタービン及び該内燃機関の吸気通路に設けられるコンプレッサを有するターボチャージャと、
    前記タービンに流入する排気にタービンホイールを迂回させるウェストゲート通路と、
    前記ウェストゲート通路を通過する排気の流量を変更可能なウェストゲートバルブと、
    前記排気通路の前記タービンよりも上流側における排気圧であるタービン入口排気圧を所定値以下に制御する排気圧制御手段と、
    を備え、
    前記排気圧制御手段は、前記タービンホイールに流入する排気の流路面積を制御する流路面積制御手段と前記ウェストゲートバルブの開度を制御するウェストゲート開度制御手段とを有し、
    前記流路面積制御手段は前記流路面積を増加させることによって前記タービン入口排気圧を低下させ、前記流路面積を最大面積に変更しても前記タービン入口排気圧が前記所定値よりも高くなる場合に、前記ウェストゲート開度制御手段は前記ウェストゲートバルブの開度を増加させることを特徴とするターボチャージャ付内燃機関の制御装置。
  2. 前記タービンのスクロール部は通過する排気を前記タービンホイールに導くスクロール流路を複数有しており且つ少なくとも1のスクロール流路には該スクロール流路を通過する排気の流路面積を変更可能な流路面積制御バルブが備えられており、
    前記流路面積制御手段は、前記流路面積制御バルブの開度を変更することによって前記タービンホイールに流入する排気の流路面積を制御することを特徴とする請求項1に記載のターボチャージャ付内燃機関の制御装置。
  3. 前記タービン入口排気圧が前記所定値よりも高いか否か判定する判定手段を更に備え、
    前記タービン入口排気圧が前記所定値よりも高いと判定されるときであって且つ前記流路面積制御バルブの開度が全開ではないときに、前記ウェストゲート開度制御手段は前記ウェストゲートバルブの開度を全閉にするとともに前記流路面積制御手段は前記流路面積制御バルブの開度を増加させ、
    前記タービン入口排気圧が前記所定値よりも高いと判定されるときであって且つ前記流路面積制御バルブの開度が全開であるときに、前記ウェストゲート開度制御手段は前記ウェストゲートバルブの開度を増加させることを特徴とする請求項2に記載のターボチャージャ付内燃機関の制御装置。
  4. 前記吸気通路に設けられるスロットルバルブと、
    前記内燃機関の運転状態に応じて前記スロットルバルブの開度を制御するスロットル開度制御手段と、
    前記スロットルバルブの開度に応じて前記タービン入口排気圧が前記所定値以下になるように前記流路面積制御バルブの目標開度と前記ウェストゲートバルブの目標開度とを決定する目標開度決定手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項2に記載のターボチャージャ付内燃機関の制御装置。
  5. 前記所定値は前記吸気通路における過給圧であることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のターボチャージャ付内燃機関の制御装置。
  6. 前記内燃機関の運転状態が全負荷であって且つ機関出力を増加させる要求が出される場合に、前記ウェストゲートバルブの開度を減少させるウェストゲートバルブ開度減少手段を、更に備えることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のターボチャージャ付内燃機関の制御装置。
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