JP2017180194A - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ターボ過給機を備えたエンジンの制御装置において、掃気効率を確保する。【解決手段】PCM50は、タービン4bよりも上流側における排気総流量Qexを算出する排気総流量算出部51と、ターボ過給機4の目標過給圧に基づき設定されたバルブ開度WGとなるように、ウェイストゲートバルブ36の開度を制御するバルブ制御部54とを備え、バルブ制御部54は、排気総流量算出部51が取得した排気総流量Qexに基づいてガード開度WGpsを設定しかつ、該ガード開度WGpsを下回らないようにバルブ開度WGを制限し、バルブ制御部54はまた、排気総流量Qexが大きくなるにつれて、ガード開度WGpsをより大きな値に設定する。【選択図】図5

Description

ここに開示する技術は、ターボ過給機を備えたエンジンの制御装置に関する。
従来より、ターボ過給機を備えたエンジンとして、タービンをバイパスするバイパス通路が排気通路に設けられ、このバイパス通路にウェイストゲートバルブが設けられたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなエンジンでは、ウェイストゲートバルブの開度によりバイパス通路を流れる排気流量が調整され、それにより、タービンを通過する排気流量が調整され、ひいてはコンプレッサの過給圧が調整される。
特開平08−061074号公報
ところで、前記のようなエンジンでは、ターボ過給機の目標過給圧に基づいてウェイストゲートバルブの開度を設定すると共に、その開度を実現するような制御により目標過給圧を達成することが考えられる。
しかしながら、例えば高負荷高回転時のように、エンジンから排出される排気の流量(排気流量)が比較的大きい場合、前記のような目標過給圧に基づいた制御を行ったのでは、例えば過給圧を高めるべくウェイストゲートバルブを閉じ側に制御した結果、タービン上流側における排気圧力が過度に上昇し、ひいては既燃ガスの掃気効率が悪化してしまう虞がある。エンジンの失火をより確実に防止するためには、掃気効率を確保することが求められる。
特に、点火時期を遅角させる所謂、点火リタード制御を行う場合には、該制御を行わない場合よりもエンジンの出力が低下する分、排気圧力が上昇し易くなる。このことは、前記のようなウェイストゲートバルブの制御と併用する際に、掃気効率を確保するには不都合である。
ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ターボ過給機を備えたエンジンの制御装置において、掃気効率を確保することにある。
ここに開示する技術は、排気通路に設けられたタービン及び吸気通路に設けられたコンプレッサを有するターボ過給機と、前記排気通路において前記タービンをバイパスするバイパス通路に設けられたウェイストゲートバルブとを備えたエンジンの制御装置に関する。この制御装置は、前記タービンよりも上流側における排気流量を取得する排気流量取得部と、前記ターボ過給機の目標過給圧に基づき設定されたバルブ開度となるように、前記ウェイストゲートバルブの開度を制御するバルブ制御部とを備える。
そして、前記バルブ制御部は、前記排気流量取得部が取得した排気流量に基づいて前記バルブ開度の下限値を設定しかつ、該下限値を下回らないように前記バルブ開度を制限し、前記バルブ制御部はまた、前記排気流量が大きくなるにつれて、前記下限値をより大きな値に設定する。
ここで、「排気流量取得部」は、排気通路に配置されたセンサからの検出信号に基づいて、排気流量を直接的に取得してもよいし、後述するように、そうしたセンサを用いずに、種々のパラメータから算出することによって、排気流量を間接的に取得してもよい。
この構成によると、バルブ制御部が目標過給圧に基づいてバルブ開度を制御する。その際に、バルブ制御部は、排気流量取得部が取得した排気流量に基づいて、バルブ開度の下限値を設定すると共に、その下限値を下回らないようにバルブ開度を制限する。バルブ開度を制限することで、バイパス通路を介してタービンをバイパスする排気の流量は、少なくとも、その下限値に対応する分だけ確保されることになる。そのことで、排気圧力の過度の上昇を抑制し、ひいては掃気効率を確保することが可能になる。
タービンよりも上流側における排気流量が大きくなるにつれて、その部分では排気圧力が上昇し易くなる。
前記の構成によると、バルブ制御部は、タービンよりも上流側における排気流量が大きくなるにつれて、下限値をより大きな値に設定する。下限値を大きくした分だけ、タービン上流側からバイパス通路を通過する排気の流量は、より多く確保されることになる。そのことで、排気圧力の上昇を確実に抑制し、ひいては掃気効率を十分に確保することが可能になる。
また、前記バルブ制御部は、前記排気流量が所定の閾値以上のときに、前記下限値を設ける、としてもよい。
例えば低負荷低回転時のように、排気流量が比較的小さい場合には、ウェイストゲートバルブを閉じ側に制御したとしても、排気圧力は上昇し難くなる。一方で、そうした場合に過給圧を十分に高めるためには、バイパス通路を通過させずにタービンへ送る排気の割合を増やすべく、ウェイストゲートバルブの閉じ側の制御代を可能な限り確保することが望まれる。
前記の構成によると、排気流量が所定の閾値以上のときに、バルブ開度に下限値を設けるようにすることで、排気流量が比較的小さい場合において、過給圧を十分に高めることが可能になる。
このように、前記の構成によれば、排気流量が比較的大きい場合における掃気効率と、排気流量が比較的小さい場合における過給性能とを両立することが可能になる。それにより、エンジンの失火をより確実に防止しつつ、過給性能を確保することができる。
また、気筒内の混合気への点火時期を所定のリタード量だけ遅角させるように構成された点火リタード部を備え、前記バルブ制御部は、前記点火リタード部が前記点火時期を遅角させる場合、前記リタード量が大きくなるにつれて、前記下限値をより大きな値に設定する、としてもよい。
点火時期を遅角させる場合、そのリタード量が大きくなるにつれて、エンジンの出力はより大きく低下する。エンジンの出力が低下した分だけ、排気圧力が上昇し易くなる。
前記の構成によると、リタード量に応じた下限値の設定を行うことで、前記のようなウェイストゲートバルブの制御と併用する場合であっても、排気圧力の上昇を抑制し、ひいては掃気効率を確保する上で有利になる。
また、前記点火リタード部は、変速機が変速動作を行うときに、前記点火時期を遅角させる、としてもよい。
変速機が変速動作を行うときには、エンジンの出力を一時的に低下させる必要がある。これを可能な限り早期に且つスムースに行う手段として、点火時期の遅角が考えられる。点火時期を遅角させることで、エンジンの出力を、サイクル単位で細やかに低下させることが可能になる。しかしながら、エンジンの出力を低下させてしまうと、前述の如く、排気圧力が上昇し易くなる。バルブ開度を制限する構成は、そうした変速時において特に有効である。
以上説明したように、前記エンジンの制御装置によれば、ウェイストゲートバルブのバル開度に下限値を設けることで、排気圧力の過度の上昇を抑制し、ひいては掃気効率を確保することが可能になる。
図1は、エンジンの概略構成図である。 図2は、PCMの機能構成図である。 図3は、ウェイストゲートバルブのバルブ開度の算出方法を示すブロック図である。 図4は、バルブ開度の制御に関する処理を示すフローチャートである。 図5は、ガード開度マップのイメージ図である。 図6は、ウェイストゲートバルブ付近の構成を示す説明図である。
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〈エンジンの構成〉
図1は、実施形態によるエンジンの制御装置が適用されたエンジンの概略構成図である。本実施形態では、エンジン100は、車両に搭載されるガソリンエンジンである。エンジン100が搭載される車両は、自動変速機81を備えたAT車であって、エンジン100の駆動に伴う出力トルクは、クランクシャフト28に対して連結された自動変速機82を通じて駆動輪83に伝達されることになる。
図1に示すように、エンジン100は、主に、外部から導入された吸気(空気)が通過する吸気通路(吸気系)10と、この吸気通路10から供給された吸気と後述の燃料噴射弁23から供給された燃料との混合気を燃焼させてエンジン100を駆動するエンジン本体20と、このエンジン本体20内の燃焼により発生した排気が排出される排気通路(排気系)30と、エンジン100全体を制御するPCM(Powertrain Control Module)50とを有する。
吸気通路10には、上流側から順に、外部から導入された吸気を浄化するエアクリーナ2と、通過する吸気を昇圧させる、ターボ過給機4のコンプレッサ4aと、通過する吸気を冷却するインタークーラ9と、通過する吸気の流量を調整するスロットルバルブ11と、エンジン本体20に供給する吸気を一時的に蓄えるサージタンク13aを有する吸気マニホールド13とが設けられている。吸気マニホールド13は、エンジン本体20の吸気ポート14に接続されている。
また、吸気通路10には、コンプレッサ4aによって過給された吸気の一部を、コンプレッサ4aの上流側に還流するためのエアバイパス通路6が設けられている。具体的には、エアバイパス通路6は、一端がコンプレッサ4aの下流側で且つスロットルバルブ11の上流側の吸気通路10に接続され、他端がコンプレッサ4aの上流側の吸気通路10に接続されている。また、このエアバイパス通路6には、エアバイパス通路6を流れる吸気の流量を制御するエアバイパスバルブ7が設けられている。
エンジン本体20は、主に、吸気ポート14を開閉する吸気バルブ22と、気筒21内に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁23と、気筒21内に供給された吸気と燃料との混合気に点火する点火プラグ24と、気筒21内での混合気の燃焼により往復復動するピストン27と、ピストン27の往復運動により回転されるクランクシャフト28と、排気ポート31を開閉する排気バルブ29とを有する。
クランクシャフト28は、自動変速機82を介して駆動輪83と連結されている。自動変速機82は、詳細な図示は省略するが、トルクコンバータと複数のギア段を有する多段変速機構とが直列に連結された構成を有し、トルクコンバータのポンプ軸がロックアップクラッチを介してクランクシャフト28に接続される一方、多段変速機構の出力がデファレンシャルを介して車軸へ伝達されるように構成されている。多段変速機構は、油圧によって作動される複数の摩擦要素(クラッチ及びブレーキ)を備え、それらが選択的に締結、開放されて動力の伝達経路が切り替わることにより、エンジン本体20から出力された回転を段階的(例えば4〜6段階)に変速するものである。
排気通路30には、上流側から順に、通過する排気によって回転させられ、その回転によってコンプレッサ4aを回転駆動する、ターボ過給機4のタービン4bと、排気の浄化機能を有する排気浄化触媒37、38とが設けられている。排気浄化触媒37、38は、例えばNOx触媒や三元触媒や酸化触媒などである。
また、排気通路30には、排気を吸気通路10に還流するEGR(Exhaust Gas Recirculation)通路32が接続されている。このEGR通路32は、一端がタービン4bの上流側の排気通路30に接続され、他端がスロットルバルブ11の下流側の吸気通路10に接続されている。加えて、EGR通路32には、還流させる排気を冷却するEGRクーラ33と、EGR通路32を流れる排気の流量を制御するEGRバルブ34とが設けられている。
さらに、排気通路30には、排気にターボ過給機4のタービン4bを迂回させるタービンバイパス通路35が設けられている。このタービンバイパス通路35には、タービンバイパス通路35が流れる排気の流量を制御するウェイストゲートバルブ(WGバルブ)36が設けられている。タービンバイパス通路35は、バイパス通路の一例である。
また、図1に示すエンジン100には、各種のセンサが設けられている。具体的には、エンジン100の吸気系において、エアクリーナ2の下流側の吸気通路10(詳しくは、エアクリーナ2とコンプレッサ4aとの間の吸気通路10)に、吸入空気流量を検出するエアフロメータ61と吸気温度を検出する温度センサ62とが設けられ、コンプレッサ4aとスロットルバルブ11との間の吸気通路10に、過給圧を検出する第1圧力センサ63が設けられ、スロットルバルブ11の下流側の吸気通路10(詳しくは、サージタンク13a内)に、インマニ圧を検出する第2圧力センサ64が設けられている。この第2圧力センサ64には、サージタンク13a内の温度であるインマニ温度を検出する温度センサが内蔵されている。
また、エンジン100の排気系においては、EGRバルブ34の開度であるEGR開度を検出するEGR開度センサ65が設けられ、ウェイストゲートバルブ36の開度を検出するW/G開度センサ66が設けられ、タービン4bの下流側の排気通路30(詳しくは、タービン4bと排気浄化触媒37との間の排気通路30)に、排気中の酸素濃度を検出するOセンサ67と排気温度を検出する温度センサ68とが設けられている。
その他、エンジン本体20には、クランクシャフト28のクランク角を検出するクランク角センサ69が設けられている一方、自動変速機82には、該変速機82において現在設定されているギア段の位置(シフトポジション)を検出するギア段センサ71が設けられている。
エアフロメータ61は、検出した吸入空気流量に対応する検出信号S61をPCM50に供給し、温度センサ62は、検出した吸気温度に対応する検出信号S62をPCM50に供給し、第1圧力センサ63は、検出した過給圧に対応する検出信号S63をPCM50に供給し、第2圧力センサ64は、検出したインマニ圧力とインマニ温度に対応するする検出信号S64をPCM50に供給し、EGR開度センサ65は、検出したEGR開度に対応する検出信号S65をPCM50に供給し、W/G開度センサ66は、検出した開度に対応する検出信号S66をPCM50に供給し、Oセンサ67は、検出した酸素濃度に対応する検出信号S67をPCM50に供給する。クランク角センサ69は、検出したクランク角に対応する検出信号S69をPCM50に供給する。ギア段センサ71は、検出したギア段に対応する検出信号S71をPCM50に供給する。また、エンジン100には、大気圧を検出する大気圧センサ60が設けられており、この大気圧センサ60は、検出した大気圧に対応する検出信号S60をPCM50に供給する。
PCM50は、CPUと、CPU上で実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)や各種のデータを格納するためのROMやRAMの如き内部メモリとを備えるコンピュータにより構成される。PCM50は、前述の各種センサから供給された検出信号に基づいて、種々の制御や処理を行う。尚、PCM50は、制御装置の一例である。
例えば、PCM50は、運転者の要求に応じてスロットルバルブ11の開度及び燃料噴射弁23の燃料噴射量等を設定すると共に、所定のシフトスケジュールに従って自動変速機82に変速動作を行わせる。
本実施形態に係るPCM50は、エンジン100の運転状態に基づいて出力トルクの要求値(以下、「目標トルク」と称する)を求め、その目標トルクに応じて、スロットルバルブ11の開度、WGバルブ36の開度、点火プラグ24の点火時期、吸気バルブ22の開閉時期、排気バルブ29の開閉時期、及び、燃料噴射弁23の噴射量などの目標値を設定する。PCM50は、各アクチュエータに対し、設定された目標値に対応する制御信号を出力する。各アクチュエータを駆動することにより、PCM50は、エンジン100を運転する。
具体的に、PCM50は、エンジン本体20の回転速度、アクセル開度、及びギア段等の運転状態を読み込んで、読み込んだ運転状態に応じた目標加速度を算出すると共に、その目標加速度を実現するために必要な目標トルクを求める。回転速度は、クランク角センサ69により検出されたクランク角に基づいて求められる。アクセル開度は、不図示のアクセル開度センサにより検出される。
PCM50は、目標トルクに基づき図示平均有効圧の目標値(目標図示平均有効圧)を算出し、目標図示平均有効圧と空燃比とエンジン本体20の熱効率とに基づいて、充填効率の目標値(目標充填効率)を求める。熱効率は、回転速度及び充填効率に基づいて求められる。詳しくは、PCM50の内部メモリには、回転速度及び充填効率に応じた熱効率が規定された熱効率マップがメモリに予め記憶されており、回転速度及び充填効率を熱効率マップに照らし合わせることによって熱効率が求められる。充填効率は、実吸入空気流量と温度センサ62により検出された吸気温度とに基づいて求められる。
PCM50は、求められた目標充填効率を実現するように、スロットルバルブ11の開度、WGバルブ36の開度、点火プラグ24の点火時期、吸気バルブ22の開閉時期、排気バルブ29の開閉時期、及び、燃料噴射弁23の噴射量などの目標値を設定する。
例えばPCM50は、目標充填効率、エンジン本体20の回転速度、及び、目標インマニ圧に基づいて、過給圧の目標値(目標過給圧)を求める。目標インマニ圧は、目標充填効率とインマニ内温度と、予め定めたインマニ容積とに基づいて求められる。
そして、詳しくは後述するが、PCM50は、求められた目標過給圧に基づいて、WGバルブ36の目標開度(バルブ開度)WGを設定する。PCM50は、設定されたバルブ開度WGとなるように、WGバルブ36の開度を制御(以下、「バルブ開度制御」と称する)する。そのバルブ開度制御において、PCM50は、バルブ開度WGの下限値を設定しかつ、その下限値を下回らないようにバルブ開度WGを制限する。
尚、各アクチュエータに関する目標値は、エンジン100の運転状態等に応じて様々に調整される。例示すると、自動変速機82が変速動作を行うとき、例えば加速過渡時(特に全開加速時)にシフトアップするときのように、エンジン100のトルクダウンが要求される場合、PCM50(具体的には点火リタード部91)は、点火プラグ24による点火時期を、最もトルクの出るタイミング(通常は、圧縮上死点付近)であるMBT(Minimum advance for Best Torgue)から所定のリタード量ΔTiだけ遅角させる。点火時期を遅角させることで、エンジン100の出力トルクが低下する。出力トルクの低下量は、リタード量ΔTiが大きくなるにつれて、大きくなる。
〈バルブ開度制御〉
図2は、バルブ開度制御に関わる部分を中心とした、PCM50の機能構成図を示す。図2に示すように、PCM50は、機能的には、前記点火リタード部91と、エンジンから排出される排気の総流量(排気総流量)を算出する排気総流量算出部51と、タービン4bを通過する排気の流量の目標値である目標タービン流量を、ターボ過給機4の目標過給圧に基づいて算出する目標タービン流量算出部52と、コンプレッサ4aの実過給圧に基づいて目標タービン流量を補正するタービン流量補正部53と、目標タービン流量に基づいてWGバルブ36の開度を制御するバルブ制御部54とを有する。尚、排気総流量算出部51は、排気流量取得部の一例である。
具体的に、バルブ制御部54は、バイパス流量を算出するバイパス流量算出部55と、バイパス流量に応じたWGバルブの基本開度を算出する基本開度算出部56と、基本開度を補正するための補正開度を算出する補正開度算出部57と、排気総流量算出部51が算出した排気総流量に基づきガード開度を算出するガード設定部59と、基本開度、補正開度、及びガード開度に基づいて、WGバルブ36のバルブ開度を決定するバルブ開度算出部58とを有する。バルブ制御部54は、算出したバルブ開度に基づいてWGバルブ36のアクチュエータを動作させる。
図3は、WGバルブ36のバルブ開度の算出方法を示すブロック図である。また、図6は、WGバルブ36付近の構成を示す説明図である。
(点火リタード部)
点火リタード部91は、エンジン100のトルクダウンが要求されたときに、目標トルク、ギア段及びアクセル開度等に基づいて、リタード量ΔTiを求める。
(排気総流量算出部)
排気総流量算出部51は、実吸入空気流量及び実空燃比に基づいて、エンジン本体20から排出された排気総流量Qexを求める。排気総流量Qexは、タービン4bよりも上流側における排気流量を示している。ここで、実吸入空気流量は、エアフロメータ61によって検出され、実空燃比は、Oセンサ67によって検出された酸素濃度に基づいて求められる。
(目標タービン流量算出部)
目標タービン流量算出部52は、排気の予測温度(以下、「予測排温」と称する)T3、コンプレッサ4aの目標駆動力Pct、タービン4bの上流側の排気の圧力(以下、「タービン上流圧力」と称する)P3、タービン4bの下流側の排気の圧力(以下、「タービン下流圧力」と称する)P4、及びタービン4bの断熱効率ηtを用いて、式(1)に基づいて目標タービン流量Qttを算出する。
ここで、κex:排気の比熱比、Rex:排気のガス定数である。
目標駆動力Pctは、目標過給圧と目標吸入空気流量とに基づいて求められる。
前述の如く、目標過給圧は、エンジン100の運転状態に基づき求めた目標トルク、ひいては目標トルクに基づき算出した目標充填効率等に基づいて求められる。同様に、目標吸入空気流量は、目標充填効率等に基づいて求められる。
タービン上流圧力P3は、実駆動力Pcに基づいて求められる。実駆動力Pcに応じたタービン圧力比P3/P4(タービン上流圧力P3とタービン下流圧力P4との比)が規定された圧力比マップがメモリに予め記憶されており、実駆動力Pcを圧力比マップに照らし合わせることによってタービン圧力比P3/P4が求められる。タービン下流圧力P4は、テールパイプの圧力(大気圧センサ60の検出値)とタービン下流通過流量とタービン下流からテールパイプまでの管摩擦係数とから求められる。
予測排温T3は、エンジン本体20の回転速度と充填効率とに基づいて求められる。回転速度及び充填効率に応じた予測排温が規定された排温マップがメモリに予め記憶されており、回転速度及び充填効率を排温マップに照らし合わせることによって予測排温T3が求められる。
タービン4bの断熱効率ηtは、タービン回転速度Ntとタービン圧力比P3/P4とに基づいて求められる。タービン回転速度Nt及びタービン圧力比P3/P4に応じた断熱効率ηtが規定された断熱効率マップがメモリに予め記憶されており、タービン回転速度Nt及びタービン圧力比P3/P4を断熱効率マップに照らし合わせることによって断熱効率ηtが求められる。
目標タービン流量算出部52は、式(1)に基づいて算出された目標タービン流量Qtt(以下、「算出値」と称する)が0よりも小さい場合には、目標タービン流量Qttを0として出力する。つまり、出力される目標タービン流量Qttは、0以上の値となる。
(タービン流量補正部)
タービン流量補正部53は、コンプレッサ4aの過給圧に相当する値として、コンプレッサ4aの実駆動力Pcを用いて補正流量Qtfbを算出する。詳しくは、タービン流量補正部53は、目標駆動力Pctと実駆動力Pcとの偏差に基づいて、目標タービン流量Qttをフィードバック制御するための補正流量Qtfbを算出する。実駆動力Pcが目標駆動力Pctよりも小さい場合には、タービン流量を増加させるために補正流量Qtfbが正の値となる一方、実駆動力Pcが目標駆動力Pctよりも大きい場合には、タービン流量を減少させるために補正流量Qtfbは負の値となる。ここで、実駆動力Pcは、実過給圧と実吸入空気流量とに基づいて算出される。実過給圧は、圧力センサ63によって検出される。実吸入空気流量は、エアフロメータ61により検出される実吸入空気流量、又は、圧力センサ64により検出される実インマニ圧に基づいて算出される。
(バルブ制御部)
バイパス流量算出部55は、排気総流量算出部51から出力される排気総流量Qexと目標タービン流量算出部52から出力される目標タービン流量Qttとタービン流量補正部53から出力される補正流量Qtfbとに基づいて、タービンバイパス通路35を流れる排気の流量(目標量)であるバイパス流量Qwgtを算出する。詳しくは、バイパス流量算出部55は、バイパス流量Qwgtを以下の式(2)に基づいて算出する。
Qwgt=Qex−(Qtt+Qtfb) ・・・(2)
バイパス流量算出部55は、算出されたバイパス流量Qwgtが0よりも小さい場合には、バイパス流量Qwgtを0とする。つまり、バイパス流量Qwgtは、0以上の値となる。バイパス流量Qwgtが負の値であることは、タービンバイパス通路35を排気が逆流することを意味する。そのような状況にはなり得ないので、バイパス流量Qwgtの算出値が0よりも小さい場合には、バイパス流量算出部55はバイパス流量Qwgtを0とする。
続いて、基本開度算出部56は、バイパス流量Qwgt、タービン上流圧力P3、タービン下流圧力P4及び予測排温T3に基づいてWGバルブ36の目標開口面積Swgtを算出し、目標開口面積Swgtに基づいてWGバルブ36のバルブ開度の基本開度WGbを算出する。目標開口面積Swgtに応じて基本開度WGbが規定された開度マップがメモリに予め記憶されており、目標開口面積Swgtを開度マップに照らし合わせることによって基本開度WGbが求められる。
補正開度算出部57は、目標駆動力Pctと実駆動力Pcとの偏差に基づいてWGバルブ36のバルブ開度をフィードバック制御するための補正開度WGfbを算出する。実駆動力Pcが目標駆動力Pctよりも小さい場合には、バイパス流量Qwgtを低減させるために補正開度WGfbは負の値となる(即ち、バルブ開度を低減する)一方、実駆動力Pcが目標駆動力Pctよりも大きい場合には、バイパス流量Qwgtを増加させるために補正開度WGfbは正の値となる(即ち、バルブ開度を増加する)。補正開度WGfbは、比例項FB(P)、積分項FB(I)及び微分項FB(D)を含んでいる。
それに加えて、補正開度算出部57は、補正開度WGfbの積分項FB(I)が所定の閾値を超えた量を、ターボ過給機4の個体差、経年変化などによるばらつきに対する影響を低減するための学習量として算出する。
尚、目標駆動力Pctは、目標過給圧に基づいて算出され、実駆動力Pcは、実過給圧に基づいて算出される。そのため、目標駆動力Pctと実駆動力Pcとの偏差に基づくフィードバック制御は、目標過給圧と実過給圧との偏差に基づくフィードバック制御に実質的に等しい。
バルブ開度算出部58は、基本開度WGb、補正開度WGfb及び学習量に基づいて以下の式(3)に示すバルブ開度WGを出力する。尚、WGバルブ36のバルブ開度は負の値になり得ないので、式(3)に基づいて算出されたバルブ開度WGが0よりも小さい場合には、バルブ開度WGは0とされる。
WG=WGb+WGfb+学習量 ・・・(3)
ここで、バルブ開度算出部58は、ガード設定部59が算出したガード開度WGps(≧0)に基づいて、バルブ開度WGがガード開度WGpsを下回らないように制限している。詳しくは、ガード設定部59は、排気総流量算出部51から出力される排気総流量Qexと、点火リタード部91から出力されるリタード量ΔTiとに基づいて、バルブ開度WGの下限値として設定されるガード開度WGpsを算出する。PCM50の内部メモリには、排気総流量Qex及びリタード量ΔTiに応じたガード開度WGpsを規定しているガード開度マップが予め記憶されている。
図5に、ガード開度マップのイメージ図を示す。ガード開度マップにおいては、排気総流量Qexに対するガード開度WGpsの特性がリタード量ΔTiごとに規定されている。ガード開度WGpsは、リタード量ΔTiが同じであれば、排気総流量Qexが所定の閾値Q0未満のときには0になる一方、該閾値Q0以上のときには排気総流量Qexが大きくなるほど大きくなる。閾値Q0は、リタード量ΔTiが大きくなるほど小さくなるように規定されている。また、ガード開度WGpsは、排気総流量Qexが同じであれば、リタード量ΔTiが大きくなるほど大きくなる。詳しくは、ガード開度WGpsは、排気総流量Qexが閾値Q0以上で同じであれば、図5に実線で示す点火リタードを行わないとき(リタード量ΔTi=0)よりも、同図に破線、及び、一点鎖線で示すときのように、リタード量ΔTiが大きくなるほど大きくなる。また、同図において排気総流量Qexが比較的大きくかつ、WGバルブ36の開度が比較的小さい領域は、失火発生領域を示している。失火発生領域は、エンジン100の失火が起こり得る領域を示しており、排気総流量Qexが大きくなるほど、当該領域に含まれるガード開度WGpsが大きくなる。
バルブ開度算出部58は、ガード設定部59により算出されたガード開度WGpsを読み込んで、そのガード開度WGpsをバルブ開度WGの下限値に設定する。そして、バルブ開度算出部58は、式(3)に基づいて算出されたバルブ開度WGと下限値とを比較し、バルブ開度WGの算出値が下限値よりも小さい場合には、その下限値つまり、ガード開度WGpsをバルブ開度WGとして出力する。したがって、バルブ開度算出部58から出力されるバルブ開度WGの大きさは、ガード開度WGps以上となる。
バルブ制御部54は、バルブ開度WGに応じた信号をWGバルブ36のアクチュエータに出力し、WGバルブ36を作動させる。
続いて、WGバルブ36のバルブ開度制御に関する処理を図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、ステップS1において、排気総流量算出部51が排気総流量Qexを求める。
次に、ステップS2において、目標タービン流量算出部52が式(1)に基づいて目標タービン流量Qttを算出する。
さらに、目標タービン流量算出部52は、ステップS3において、目標タービン流量Qttの算出値が0以上か否かを判定する。算出値が0より小さい場合には、目標タービン流量算出部52は、ステップS4において、目標タービン流量Qtt=0とする。算出値が0以上の場合には、目標タービン流量算出部52は、目標タービン流量Qtt=算出値として、ステップS5へ進む。こうして、算出値が0より小さい場合には目標タービン流量Qtt=0となり、算出値が0以上である場合には目標タービン流量Qtt=算出値となる。
続いて、ステップS5において、タービン流量補正部53が目標駆動力Pct及び実駆動力Pcに基づいて補正流量Qtfbを算出する。
ステップS6において、バイパス流量算出部55が排気総流量Qexと目標タービン流量Qttと補正流量Qtfbとに基づいてバイパス流量Qwgtを算出する。
さらに、バイパス流量算出部55は、ステップS7においてバイパス流量Qwgtの算出値が0以上か否かを判定する。算出値が0より小さい場合には、バイパス流量算出部55は、ステップS8において、バイパス流量Qwgt=0とする。算出値が0以上の場合には、バイパス流量算出部55は、バイパス流量Qwgt=算出値として、ステップS9へ進む。
また、ステップS9において、基本開度算出部56は、バイパス流量Qwgtに基づいてWGバルブ36の基本開度WGbを算出する。さらに、ステップS10において、補正開度算出部57は、目標駆動力Pct及び実駆動力Pcに基づいて補正開度WGfbを算出する。そして、バルブ開度算出部58は、ステップS11において、基本開度WGb及び補正開度WGfbに基づいてバルブ開度WGを算出する。このとき、学習量が設定されている場合には、バルブ開度算出部58は、学習量も考慮してバルブ開度WGを算出する。
ステップS12において、ガード設定部59が排気総流量Qexとリタード量ΔTiとに基づいてガード開度WGpsを算出すると共に、バルブ開度算出部58がガード開度WGpsをバルブ開度WGの下限値に設定する。
そして、バルブ開度算出部58は、ステップS13において、バルブ開度WGの算出値がガード開度WGps以上か否かを判定する。算出値がガード開度WGpsを下回る場合には、バルブ開度算出部58は、ステップS14においてバルブ開度WG=ガード開度WGpsとしてステップS15へ進む。算出値がガード開度WGps以上の場合には、バルブ開度算出部58は、バルブ開度WG=算出値としてステップS15へ進む。
その後、ステップS15において、バルブ制御部54がバルブ開度WGに応じてWGバルブ36を作動させる。つまり、WGバルブ36の開度がバルブ開度WGに調整される。前述の如く、バルブ開度WGは、ガード開度WGpsを下回らないように制限される(図6も参照)。
尚、これらのステップの順番は一例であり、ステップの順番を可能な範囲で適宜入れ替えたり、複数のステップを並行して処理したりしてもよい。例えば、ステップS2からステップS11まで続くステップと、ステップS12とを順番に処理せずに、並行に処理してもよい。
〈まとめ〉
以上説明したように、前記の構成によると、バルブ制御部54は、目標過給圧に応じて算出される目標駆動力Pctに基づいて、バルブ開度WGのフィードバック制御を行う。その際に、ガード設定部59は、排気総流量算出部51が算出した排気総流量Qexに基づいて、ガード開度WGpsを算出する。バルブ開度算出部58は、ガード設定部59が算出したガード開度WGpsを、バルブ開度WGの下限値として設定することにより、バルブ開度WGがガード開度WGpsを下回らないように制限する。バルブ開度WGを制限することで、実際にタービン4bをバイパスする排気の流量は、少なくとも、そのガード開度WGpsに対応する分だけ確保されることになる。そのことで、タービン上流圧力P3の過度の上昇を抑制し、ひいては掃気効率を確保することが可能になる。
排気総流量Qexが大きくなるにつれて、排気通路30のうちタービン4bよりも上流側の部分では、タービン上流圧力P3が上昇し易くなる。
そこで、前記の構成によると、バルブ制御部54は、排気総流量Qexが大きくなるにつれて、ガード開度WGpsがより大きくなるように構成されている。ガード開度WGpsが大きくなった分だけ、タービン4b上流側からタービンバイパス通路35を通過する排気の流量は、より多く確保されることになる。そのことで、タービン上流圧力P3の上昇を確実に抑制し、ひいては掃気効率を十分に確保することが可能になる。
例えば低負荷低回転時のように、排気総流量Qexが比較的小さい場合には、WGバルブ36を閉じ側に制御したとしても、タービン上流圧力P3は上昇し難くなる。一方で、そうした場合に過給圧を十分に高めるためには、タービンバイパス通路35を通過させずにタービン4bへ送る排気の割合を増やすべく、WGバルブ36の閉じ側の制御代を可能な限り確保することが望まれる。
前記の構成によると、排気総流量Qexが所定の閾値Q0未満のときには、バルブ開度WGに下限値を設けないようにすることで、排気総流量Qexが比較的小さい場合において、過給圧を十分に高めることが可能になる。
このように、前記の構成によれば、排気総流量Qexが比較的大きい場合における掃気効率と、比較的小さい場合における過給性能とを両立することが可能になる。それにより、エンジン100の失火をより確実に防止しつつ、過給性能を確保することができる。
また、点火時期をMBTから遅角させる場合、そのリタード量ΔTiが大きくなるにつれて、エンジン100の出力はより大きく低下する。エンジン100の出力が低下した分だけ、排気圧力が上昇し易くなる。
前記の構成によると、リタード量ΔTiに応じた下限値の設定を行うことで、前記のようなWGバルブ36の制御と併用する場合であっても、タービン上流圧力P3の上昇を抑制し、ひいては掃気効率を確保する上で有利になる。
自動変速機82が変速動作を行うとき、例えば加速過渡時(特に全開加速時)にシフトアップするときには、エンジン100の一時的なトルクダウンが要求される。トルクダウンを可能な限り早期に且つスムースに行う手段として、点火時期の遅角が考えられる。点火時期を遅角させることで、エンジン100の出力トルクは、サイクル単位で細やかに低下するようになる。しかしながら、トルクダウンを実行してしまうと、エンジン100の出力が低下した分だけ、排気圧力が上昇し易くなる。したがって、バルブ開度WGに下限値を設ける構成は、変速に際して点火時期を遅角させるときに、特に有効となる。
《その他の実施形態》
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。
しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、前記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
エンジン100の構成は、一例であり、この構成に限られるものではない。
例えば、予測排温T3、タービン上流圧力P3、タービン下流圧力P4のように、前記の説明において算出した値は、センサにより実際に検出してもよい。
特に、前記の構成では、排気総流量算出部51が排気総流量Qexを算出すると共に、その算出された排気総流量Qexに基づいて、ガード設定部59がガード開度WGpsを算出しているが、これに限らず、例えばタービン4bよりも上流側に排気流量センサを配置して、そのセンサの検出結果に基づいて、ガード設定部59がガード開度WGpsを取得するようにしてもよい。その場合、例えば図5に示すマップの横軸を、排気流量センサの検出値に置き換えてもよい。
また、前記の説明における各種状態量の算出方法も、一例に過ぎない。例えば、目標タービン流量を算出できる限り、目標タービン流量の算出方法は、前記の方法に限られない。
バルブ開度WGは、目標駆動力Pct及び実駆動力Pcに基づいてフィードバック制御されているが、これに限られるものではない。例えば、補正開度算出部57は、目標過給圧及び実過給圧、目標タービン流量及び実タービン流量、又は、目標バイパス流量及び実バイパス流量に基づいて補正開度WGfbを求めてもよい。
同様に、タービン流量は、目標駆動力Pct及び実駆動力Pcに基づいてフィードバック制御されているが、これに限られるものではない。例えば、タービン流量補正部53は、目標過給圧及び実過給圧、目標タービン流量及び実タービン流量、又は、目標バイパス流量及び実バイパス流量に基づいて補正流量Qtfbを求めてもよい。尚、目標タービン流量Qttのフィードバック制御は、省略してもよい。
また、前記実施形態では、自動変速機82が変速動作を行うときに、点火リタード制御と併用する制御について説明したが、バルブ開度WGに制限を設ける構成は、排気流量が比較的大きくなるシーン一般において有効である。
100 エンジン
10 吸気通路
20 エンジン本体
30 排気通路
35 タービンバイパス通路(バイパス通路)
36 WGバルブ(ウェイストゲートバルブ)
4 ターボ過給機
4a コンプレッサ
4b タービン
50 ECU(制御装置)
51 排気総流量算出部(排気流量取得部)
54 バルブ制御部
Q0 閾値
WG バルブ開度
WGps ガード開度
ΔTi リタード量

Claims (4)

  1. 排気通路に設けられたタービン及び吸気通路に設けられたコンプレッサを有するターボ過給機と、前記排気通路において前記タービンをバイパスするバイパス通路に設けられたウェイストゲートバルブとを備えたエンジンの制御装置であって、
    前記タービンよりも上流側における排気流量を取得する排気流量取得部と、
    前記ターボ過給機の目標過給圧に基づき設定されたバルブ開度となるように、前記ウェイストゲートバルブの開度を制御するバルブ制御部とを備え、
    前記バルブ制御部は、前記排気流量取得部が取得した排気流量に基づいて前記バルブ開度の下限値を設定しかつ、該下限値を下回らないように前記バルブ開度を制限し、
    前記バルブ制御部はまた、前記排気流量が大きくなるにつれて、前記下限値をより大きな値に設定するエンジンの制御装置。
  2. 請求項1に記載のエンジンの制御装置において、
    前記バルブ制御部は、前記排気流量が所定の閾値以上のときに、前記下限値を設けるエンジンの制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のエンジンの制御装置において、
    気筒内の混合気への点火時期を所定のリタード量だけ遅角させるように構成された点火リタード部を備え、
    前記バルブ制御部は、前記点火リタード部が前記点火時期を遅角させる場合、前記リタード量が大きくなるにつれて、前記下限値をより大きな値に設定するエンジンの制御装置。
  4. 請求項3に記載のエンジンの制御装置において、
    前記点火リタード部は、変速機が変速動作を行うときに、前記点火時期を遅角させるエンジンの制御装置。
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