JP2008195220A - 車線変更支援装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】運転者が違和感を覚えづらく、また、運転者にとって使いやすい車線変更支援装置を提供する。
【解決手段】右方向指示器を点滅させる際に手が触れたことを検知できるように第一タッチセンサ13を操作部65に設け、左方向指示器を点滅させる際に手が触れたことを検知できるように第二タッチセンサ14を操作部65に設ける。そして、第一タッチセンサ13又は第二タッチセンサ14が手の接触を検知すると、それぞれのセンサに対応させた後方映像を表示装置に表示するよう構成する。これにより、運転者は、車線変更支援装置が車両に搭載されていない場合と同様の手順(又は限りなく近い手順)で、車線変更支援装置を利用して車線変更を行うことができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、車線変更時の運転を支援する車線変更支援装置に関する。
車線変更時の運転を支援する技術として、車両の後方を撮影するカメラを車両に設置し、車内のモニタで映像を確認できるようにした車線変更支援装置が知られている。例えば、特許文献1(特開平7−215130号公報)に記載された発明は、ウインカースイッチを作動させた場合に、後方のカメラ映像を画像表示手段に表示させるものである(特許文献1の段落「0016」等参照)。また、ウインカースイッチとは別に設けた、指示入力手段(十字に配されたスイッチや、キーボード等)を操作することによって、後方のカメラ映像を画像表示手段に表示させることもできる。
特開平7−215130号公報
しかしながら、多くの運転者は、まず、車線変更が可能かどうかの判断を、ウインカースイッチを操作する前にミラー等を用いて行う。そして、車線変更が可能であると判断した場合に、ウインカースイッチを操作してウインカーを点滅させるという手順をとる場合が多い。したがって、上述した特許文献1に記載された発明の装置を用いる場合には、運転者は車線変更が可能であるかどうかを判断する前にウインカースイッチを操作して後方のカメラ映像を画像表示手段に表示させることになるため、車線変更支援装置を用いない場合の車線変更の流れと異なる手順となる。このため、運転者が違和感を覚えるおそれがある。
また、上述した特許文献1に記載された発明の装置では、ウインカースイッチとは別のスイッチを運転者が操作することによって、ウインカースイッチを操作する前に後方のカメラ画像をモニタに表示させることが可能である。しかし、運転者は、車線変更支援装置を用いずに車線変更を行う場合の手順にはない追加操作(ウインカースイッチとは別のスイッチの操作)を行わなければならないため、運転者にとって手間である。
本願の発明はこのような問題にかんがみなされたものであり、運転者が違和感を覚えづらく、また、運転者にとって使いやすい車線変更支援装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の車線変更支援装置は、車両の後方が撮影された映像を取得する映像取得手段と、方向指示器の操作部に設けられた接触検知手段と、映像取得手段が取得した映像を表示するための表示手段と、検知手段が運転者による操作部への接触を検知すると、映像取得手段が取得した映像を表示手段に表示させる制御手段と、を備える。
なお、映像取得手段が取得する映像は、一台のカメラの映像であってもよいし、複数台のカメラの映像であってもよい。映像取得手段が取得する映像が、複数台のカメラ映像である場合には、取得した複数の映像のうち、いずれか一つだけを制御手段が選択するようになっていてもよいし、取得した複数の映像を制御手段が合成するようになっていてもよい。また、方向指示器の操作部というのは、運転者が方向指示器を操作する際に触れる部分である。
このような車線変更支援装置であれば、運転者は、車線変更を行う前に方向指示器の操作部に触れるだけで(方向指示器を動作させなくても)、車両後方の状況を確認することができる。そして、車両後方の安全が確認できれば、操作部に触れた手によって続けて方向指示器を動作させることができる。つまり、運転者は、車線変更支援装置を用いない場合と同様の手順(又は限りなく近い手順)で、車線変更支援装置を利用して車線変更を行うことができる。
また、このように運転者が操作部に触れることによって表示された映像は、運転者がスイッチ等を押すことによって明示的に消去されるようになっていてもよいが、運転者が操作部から手を離したタイミングで消去されるようになっているとよい。つまり、制御手段は、映像を表示手段に表示させた後、接触検知手段が運転者による操作部への非接触を検知すると、表示手段に表示させている映像を即座又は所定時間後に消去させるようになっているとよい(請求項2)。ここで言う「所定時間」というのは、運転者に車線変更意思がなくなったと推定できる程度の時間が適当であり、例えば、5秒程度の時間が考えられる。
このようになっていれば、車線変更時の手順にはない特別な操作を運転者が行うことなく、表示手段に表示された映像を消去させることができ、運転者にとって使い勝手がよい。
また、運転者が方向指示器を動作させた場合に、上述した映像が消去されるようになっていてもよい。つまり、方向指示器の動作状態を表す動作状態情報を取得するための動作状態情報取得手段を備えるように車線変更支援装置を構成する。そして、制御手段は、映像を表示手段に表示させた後、方向指示器が動作状態になったか否かを動作状態情報取得手段が取得した動作状態情報に基づいて判定し、方向指示器が動作状態になったと判定した場合は、表示手段に表示させている映像を即座又は所定時間後に消去させるようになっていてもよい(請求項3)。ここで言う「所定時間」というのは、車線変更が完了したと推定できる程度の時間が適当であり、例えば、5秒〜15秒程度の時間が考えられる。
このようになっていれば、車線変更時の手順にはない特別な操作を運転者が行うことなく、表示手段に表示された映像を消去させることができ、運転者にとって使い勝手がよい。
ところで、接触検知手段は、操作部全体を覆うように設けられていてもよいし、操作部の中で運転者がよく触れる部分に設けられていてもよいが、特に、方向指示器を動作させようとしている方向(指示方向)を検知結果から得られる部分に接触検知手段が設けられているとよい。例えば、接触検知手段を、第一の接触検知部と第二の接触検知部とを有するように構成し、第一の接触検知部を、右方向の方向指示器を動作させる際に運転者が触れる操作部の部分に設け、第二の接触検知部を、左方向の方向指示器を動作させる際に運転者が触れる操作部の部分に設けるとよい。そして、制御手段は、第一の接触検知部が接触を検知した場合と、第二の接触検知部が接触を検知した場合とで、表示手段に表示させる映像を変更するようになっているとよい(請求項4)。ここで言う「表示させる映像を変更する」というのは、例えば、第一の接触検知部が接触を検知した場合には、運転者は右方向への車線変更を試みようとしていると推定できるため、右後方の映像を表示手段に表示させたり、右後方の映像を拡大して表示させたりすることである。また、第二の接触検知部が接触を検知した場合には、運転者は左方向への車線変更を試みようとしていると推定できるため、左後方の映像を表示手段に表示させたり、左後方の映像を拡大して表示させたりすることである。このようになっていれば、運転者は、より車線変更をしやすくなる。
また、第一の接触検知部及び第二の接触検知部が、各検知領域における検知位置をも検知することができるようになっているのであれば、制御手段は、第一の接触検知部及び第二の接触検知部によって検知された検知位置の変化に基づいて、表示手段に表示させている映像を変化させるようになっているとよい(請求項5)。ここで言う「映像を変化させる」というのは、検知位置に応じて映像を左右方向にシフト(パン)させたり、検知位置に応じて映像を拡大・縮小させたりすることが考えられる。
このようになっていれば、映像に含まれる注目すべき点を運転者は自らの意思で選択して確認することができるため、運転者は、より車線変更をしやすくなる。
ところで、運転者が車線変更操作以外の操作の際に接触検知手段に触れてしまう場合も考えられる。そのような場合にも、表示手段に車両後方の映像が表示されてしまうと、運転者がわずらわしく感じると考えられる。したがって、例えば、車両の車速情報を取得するための車速情報取得手段を備えるように車線変更支援装置を構成し、制御手段は、車速情報取得手段により取得された車速情報に基づいて、車両の走行速度が所定値未満であるか否かを判定し、所定値未満であると判定した場合は、映像を表示手段へ表示させないようになっているとよい(請求項6)。ここでいう「所定値」というのは、車線変更が実施されることはないと考えられる程度の車速値を意味し、例えば、10km/h程度が考えられる。
このようになっていれば、運転者が希望しないときに車両後方の映像が表示手段に表示されることが減り、運転者がわずらわしさを感じることを減少させることができる。
また、ハンドル角を取得するためのハンドル角取得手段を備えるように車線変更支援装置を構成し、制御手段は、ハンドル角取得手段により取得されたハンドル角が所定値以上あるか否かを判定し、所定値以上であると判定した場合、映像を表示手段へ表示させないようになっていてもよい(請求項7)。ここで言う「所定値」というのは、車線変更が実施されることはない(右左折が行われている状態)と考えられる程度のハンドルの回転角を意味し、例えば、40度程度が考えられる。
このようになっていれば、運転者が希望しないときに(右左折中に)、車両後方の映像が表示手段に表示されることが減り、運転者がわずらわしさを感じることを減少させることができる。
また、運転者によるハンドルの把握状態を示すハンドル把握情報を取得するためのハンドル把握情報取得手段をさらに備えるように車線変更支援装置を構成し、制御手段は、ハンドル把握情報取得手段により取得されたハンドル把握情報に基づいて、運転者によってハンドルが両手で握られているか否かを判定し、両手で握られていないと判定した場合は、映像を表示手段へ表示させないようになっていてもよい(請求項8)。
このようになっていれば、運転者が希望しないときに(例えば、操作部付近に設けられたヘッドライトスイッチ等を操作した際に)、車両後方の映像が表示手段に表示されることが減り、運転者がわずらわしさを感じることを減少させることができる。
ところで、上述した制御手段としての機能をプログラムによって実現してもよい(請求項7)。このようなプログラムを車線変更支援装置が内蔵するコンピュータに実行させれば、その車線変更支援装置は、上述した本発明の車線変更支援装置と同様の作用及び効果を奏する。また、プログラムはネットワーク等を用いて流通させることも可能である上、車線変更支援装置におけるプログラムの入れ替えは、部品の入れ替えに比較して容易である。したがって、車線変更支援装置の機能向上を容易に行うこともできる。
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[構成の説明]
図1は、車線変更支援装置10の構成を説明するためのブロック図である。
車線変更支援装置10は車両に搭載され、車線変更支援装置10には、第一カメラ20、第二カメラ21、第三カメラ22、表示装置30、車内LAN40を介して車速センサ50、車内LAN40を介してハンドル角センサ51、車内LAN40を介してハンドルタッチセンサ52、及び、車内LAN40を介して方向指示器センサ53が接続されている。
第一カメラ20,第二カメラ21,第三カメラ22は、車両後方を撮影するカメラであり、それぞれ、車両後部右側(進行方向を基準にした場合の後部右側。以下同様。)、後部中央、後部左側に設置されており、それぞれ、右側後方、後方中央、左側後方を撮影するようになっている。
表示装置30は、液晶パネルや有機ELパネル等から構成され、映像を表示することができる装置である。表示装置30は、運転者が運転状態で視認可能な場所、例えば、インスツルメントパネル内や、ルームミラー付近(又はルームミラーと一体)に設置されている。
車速センサ50は、車線変更支援装置10が搭載された車両の速度を検知するセンサである。
ハンドル角センサ51は、ハンドル角(運転者がハンドルに対面した場合の回転角)を検知するセンサである。
ハンドルタッチセンサ52は、ハンドルにおいて運転者が運転時に手を触れる部分に設けられたタッチセンサである。タッチセンサの種類としては、静電容量式、電界検知式、光学式、感熱式、感圧式等いずれであってもよい。
方向指示器センサ53は、方向指示器の動作状態(右方向指示器が点滅している状態,左方向指示器が点滅している状態,いずれも動作していない状態)を検知するためのセンサである。
車線変更支援装置10は、映像入力部11、映像出力部12、第一タッチセンサ13、第二タッチセンサ14、車内LAN通信部15、及び、制御部16を備える。
映像入力部11は、第一カメラ20、第二カメラ21及び第三カメラ22から送られてきた映像を入力するためのインターフェースである。映像入力部11が入力した映像は、制御部16へ出力される。
映像出力部12は、制御部16から出力された映像を、表示装置30へ送るためのインターフェースである。
第一タッチセンサ13,第二タッチセンサ14は、図示しない方向指示器の操作部に設けられたタッチセンサである。当該操作部に設けられた第一タッチセンサ13,第二タッチセンサ14の様子については後述する。なお、タッチセンサの種類としては、静電容量式、電界検知式、光学式、感熱式、感圧式等いずれであってもよい。
車内LAN通信部15は、車内LAN40を介して車速センサ50,ハンドル角センサ51,ハンドルタッチセンサ52等と通信機能を担う部位である。
制御部16は、周知のマイコン類(CPU、ROM、RAM、フラッシュメモリ、I/O等)から構成され、プログラムに基づいて上述した各部を制御する処理を実行する部位である。
次に、第一タッチセンサ13及び第二タッチセンサ14が設置された様子を説明する。図2は、運転席からハンドル60を見た場合の模式図である。
ハンドル部61は、運転者が操舵を行う際に握る部分であり、リング形状を有している。そして、ハンドル部61は、その一部から中心点方向に延びるスポーク部62によって、操舵軸63に固定されており、ハンドル部61の回転がスポーク部62を介して操舵軸63に伝達されるようになっている。また、ハンドル部61には、図示するようにハンドルタッチセンサ52(第一ハンドルタッチセンサ52a,第二ハンドルタッチセンサ52b)が設けられており、運転者がハンドルを握っているか否かを検知することができるようになっている。
また、操舵軸63は、軸方向の一致する円筒状の操舵軸カバー64によって囲まれており、操舵軸カバー64からは軸方向に対して外側方向に延びた略棒状の操作部65が設けられている。
操作部65は、操舵軸カバー64との接続箇所を支点として、揺動端65aが矢印A方向と矢印B方向に所定量だけ揺動可能になっており、矢印A方向に動かされた場合には、左方向指示器が動作し、矢印B方向に動かされた場合には、右方向指示器が動作するようになっている。
また、操作部65には、図示するように、矢印B方向に動かされた場合に運転者の手が触れたことを検知できるように第一タッチセンサ13が設けられ、矢印A方向に動かされた場合に運転者の手が触れたことを検知できるように第二タッチセンサ14が設けられている。つまり、運転者が右方向指示器を動作させるための準備状態(操作部65に手をかけたこと)を第一タッチセンサ13によって検知できるように構成されており、運転者が左方向指示器を動作させるための準備状態(操作部65に手をかけたこと)を第二タッチセンサ14によって検知できるように構成されている。
[動作の説明]
(1)車線変更支援処理
次に、制御部16が実行する車線変更支援処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。なお、車線変更支援処理は、第一タッチセンサ13又は第二タッチセンサ14の少なくともいずれか一方が運転者の接触を検知した際に実行が開始される。
制御部16は、車線変更支援処理の実行を開始すると、まず支援実行判定処理を実行する(S105)。支援実行判定処理の詳細については後述するが、現在の状況が車線変更支援を実行すべき状態か否かを判定する処理である。
S105に続くS110では、支援実行判定処理の結果によって処理を分岐する。具体的には、支援実行判定処理の結果が「支援実行」であった場合には(S110:Yes)、S115へ処理を移行し、支援実行判定処理の実行結果が「支援不実行」であった場合には(S110:No)、S120へ処理を移行する。
支援実行判定処理の結果が「支援実行」であった場合に進むS115では、所定の画像処理を行った映像の出力を開始する。そして、S105へ処理を戻す。なお、ここで言う「所定の画像処理」の詳細については後述する。また、「映像の出力」というのは、映像出力部12を介して表示装置30へ映像を出力することである。
一方、支援実行判定処理の結果が「支援不実行」であった場合に進むS120では、既に映像の出力を開始しているならば画像の出力を停止する。そして、本処理(車線変更支援処理)を終了する。
(2)支援実行判定処理
次に、制御部16が実行する支援実行判定処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。なお、支援実行判定処理は、上述した車線変更支援処理のS105で呼び出された際に実行が開始される。
制御部16は、支援実行判定処理の実行を開始すると、まずユーザが操作部65に触れているか否かを判定する(S205)。具体的には、第一タッチセンサ13又は第二タッチセンサ14の少なくともいずれか一方が検知状態にあるか否かを判定することによって行う。ユーザが操作部65に触れていると判定した場合には(S205:Yes)、S210に処理を移行し、ユーザが操作部65に触れていないと判定した場合には(S205:No)、S235へ処理を移行する。
ユーザが操作部65に触れていると判定した場合に進むS210では、方向指示器は動作中であるか否かを判定する。これは、方向指示器センサ53の検知結果に基づいて判定する。方向指示器は動作中であると判定した場合は(S210:Yes)、S235へ処理を移行し、方向指示器は動作中でないと判定した場合は(S210:No)、S215へ処理を移行する。
方向指示器は動作中であると判定した場合に進むS215では、車速は所定値以下であるか否かを判定する。ここで言う「所定値」というのは、車線変更が実施されることはないと考えられる程度の車速値を意味し、例えば、10km/h程度が考えられる。車速は所定値以下であると判定した場合は(S215:Yes)、S235へ処理を移行し、車速は所定値以下でないと判定した場合は(S215:No)、S220へ処理を移行する。
車速は所定値以下でないと判定した場合に進むS220では、ハンドル角は所定値以下であるか否かを判定する。ここで言う「所定値」というのは、車線変更が実施されることはない(右左折が行われている状態)と考えられる程度のハンドルの回転角を意味し、例えば、40度程度が考えられる。ハンドル角は所定値以下であると判定した場合は(S220:Yes)、S225へ処理を移行し、ハンドル角は所定値以下でないと判定した場合は(S220:No)、S235へ処理を移行する。
ハンドル角は所定値以下であると判定した場合に進むS225では、ハンドルを両手で操作している状態であるか否かを判定する。これは、ハンドルタッチセンサ52の検知状態に基づいて判定する。つまり、第一ハンドルタッチセンサ52a及び第二ハンドルタッチセンサ52bの両方が検知状態である場合、「ハンドルを両手で操作している状態である」と判定することである。ハンドルを両手で操作している状態であると判定した場合は(S225:Yes)、S230へ処理を移行し、ハンドルを両手で操作している状態でないと判定した場合は(S225:No)、S235へ処理を移行する。
S230では、制御部16は、「支援実行」と決定し、本処理(支援実行判定処理)を終了して呼び出し元である車線変更支援処理S105に続く処理を実行する。
S235では、制御部16は、「支援不実行」と決定し、本処理(支援実行判定処理)を終了して呼び出し元である車線変更支援処理S105に続く処理を実行する。
(3)車線変更支援処理における「所定の画像処理」について
次に、上述した車線変更支援処理における「所定の画像処理」について、説明する。
まず、制御部16は、3つのカメラ(第一カメラ20,第二カメラ21,第三カメラ22)から送られてきた映像(後方映像)を、映像入力部11を介して入力する。そして、この3つの映像を合成する。具体的には、各映像を所定サイズの区画(メッシュ)に分割し、各画像間で同一の対象物を表す区画同士が重なるように各映像を合成すると共に、合成後の画像が自然に見えるように各区画の画像を変形する(主に周辺部分の区画画像を変形する)。この結果、1つの後方映像ができあがる。なお、この一連の処理を、映像のフレームレートに合わせてリアルタイムに実行する。
次に、できあがった後方映像を左右反転(鏡像反転)させる。なぜこのような処理を行うかというと、左右反転(鏡像反転)させない映像は、運転者が後ろを振り返って直視した場合に見える景色と同じものとなる。しかし、従前、運転者は、ルームミラーやドアミラーを用いて後方を確認しているため、表示装置30に表示される映像についても、ルームミラーやドアミラーと同様に見えると自然であると考えられる。したがって、後方映像を左右反転(鏡像反転)させる。
次に、左右反転させた後方映像をトリミングする。このトリミングは、第一タッチセンサ13及び第二タッチセンサ14の検知結果に応じて実行する。具体的には、第一タッチセンサ13のみが検知状態にある場合には、映像の右側を中心に映像を切り出す(切り出し後の映像例は図5(a))。また、第二タッチセンサ14のみが検知状態にある場合には、映像の左側を中心に映像を切り出す(切り出し後の映像例は図5(b))。また、第一タッチセンサ13及び第二タッチセンサ14の両方が検知状態にある場合(つまり、運転者が操作部65を指で挟んでいる場合や、操作部65を握っている場合等)には、映像の中央部を中心に切り出す(切り出し後の映像例は図5(c))。なお、各映像例の下方の黒い部分は、カメラの死角部分であり、映像化できなかった部分である。
このような画像処理を行うようになっているため、例えば、運転者が右方向指示器を点滅させるために操作部65に触れると(第一タッチセンサ13のみが検知状態になると)、車両進行方向を基準にした場合の右後方が中心位置になった映像が、表示装置30に表示される。また、運転者が左方向指示器を点滅させるために操作部65に触れると(第二タッチセンサ14のみが検知状態になると)、車両進行方向を基準にした場合の左後方が中心位置になった映像が、表示装置30に表示される。また、運転者が操作部65を指で挟むと(第一タッチセンサ13及び第二タッチセンサ14の両方が検知状態になると)、車両進行方向を基準にした場合の真後ろの映像が、表示装置30に表示される。
[実施形態の効果]
本実施形態の車線変更支援装置10によれば、運転者は、車線変更を行う前に方向指示器の操作部65(厳密には第一タッチセンサ13又は第二タッチセンサ14)に触れるだけで(方向指示器を動作させなくても)、車両後方の状況を確認することができる。そして、車両後方の安全が確認できれば、操作部65に触れた手によって続けて方向指示器を動作させることができる。つまり、運転者は、車線変更支援装置10が車両に搭載されていない場合と同様の手順(又は限りなく近い手順)で、車線変更支援装置10を利用して車線変更を行うことができる。
また、このように運転者が操作部65に触れることによって表示された映像は、運転者が操作部65から手を離したタイミングで消去されるようになっている(S205:No)。
このため、車線変更時の手順にはない特別な操作を運転者が行うことなく、表示装置30に表示された映像を消去させることができ、運転者にとって使い勝手がよい。
また、運転者が方向指示器を動作させた場合にも、映像が消去されるようになっている(S210:Yes)。
このため、車線変更時の手順にはない特別な操作を運転者が行うことなく、表示装置30に表示された映像を消去させることができ、運転者にとって使い勝手がよい。
また、運転者が点灯させようとしている方向指示器の方向を、操作部65に触れた状況から判定できるように構成されている(図2参照)。そして、その判定した結果に基づいて、画像処理を行った後、運転者に提示するように構成されている(上記「(3)車線変更支援処理における「所定の画像処理」について」を参照)。
したがって、より運転者に適した映像が表示装置30に表示されるため、運転者は車線変更をしやすい。
また、車速が所定値以下の場合(S215:Yes)、ハンドル角が所定値以下でない場合(S220:No)、及び、ハンドルを両手で操作していない場合(S225:No)には、表示装置30に映像を表示させないようになっている。
したがって、運転者が誤って操作部65に触れた場合や、右折中をしている場合等に、車両後方の映像が表示装置30に表示されることを減らしき、運転者がわずらわしさを感じることを減らすことができる。
[他の実施形態]
(1)上述した車線変更支援装置10は、支援実行判定処理の実行結果が「支援不実行」であった場合には(S110:No)、すぐに画像出力を停止するようになっていたが(S120)、画像出力を停止するのは所定時間後でもよい。ここで言う「所定時間」というのは、運転者に車線変更意思がなくなったと推定できる程度の時間が適当であり、例えば、5秒〜15程度の時間が考えられる。
このようになっていれば、例えば、運転者が一時的に操作部65から手を離しただけで表示装置30から映像が消えてしまうということがなく、運転者にとって車線変更支援装置10の使い勝手が向上する。
(2)S205〜S225において、5つの判定を実行するようになっていたが、このうちの一部の判定だけを実行するようになっていてもよい。例えば、S225の判定をなくせば、ハンドルを片手で操作する場合にも、後方映像が表示装置30に表示される。
(3)第一タッチセンサ13及び第二タッチセンサ14の機能を高め、接触位置についても検知できるように構成するとよい。つまり、操作部65の軸方向(操作部65の支点位置(操舵軸カバー64との接続箇所)と揺動端65aとを結ぶ方向)において、どの位置を運転者が触れているのか検知できるように構成するとよい。そして、制御部16は、その検知位置を考慮して、上述した「所定の画像処理」を実行するようになっているとよい。
具体的には、例えば、表示装置30に映像が表示されている状態において、運転者が第一タッチセンサ13上を操舵軸63の方向から揺動端65aの方向へ指を接触状態で移動させたとする。その場合に、後方右側の映像をより外側(後方右側)にシフト(パン)させたり、表示装置30に表示されている映像を拡大させたりすることが考えられる。また、運転者が第二タッチセンサ14上を揺動端65aから操舵軸63の方向へ指を接触状態で移動させたとする。その場合に、後方左側の映像をより外側(後方左側)にシフト(パン)させたり、表示装置30に表示されている映像を縮小させたりすることが考えられる。
このようになっていれば、映像に含まれる注目すべき点を運転者は自らの意思で選択して確認することができるため、運転者は、より車線変更をしやすくなる。
(4)支援実行判定処理の結果が「支援実行」であった場合(S110:Yes)、上述したS115の処理に加え、後方の車両の有無等をセンシングし、このまま車線変更をすると危険であるかどうかを判定して、その判定結果を運転者に報知するようになっている処理をさらに加えるとよい。
具体的には、第一タッチセンサ13及び第二タッチセンサ14の検知状態によって、運転者が右車線に車線変更しようとしているのか、左車線に車線変更しようとしているのかを判定する。そして、例えば、左車線に変更しようとしているのであれば、左後方(進行方向を基準とした場合の左後方)に車両が存在するか否かを第三カメラ22等の映像から判定する。そして、車両が存在するのであれば、その車両と自車両との相対速度を考慮してその車両との接触の可能性を判定する。
この判定により、このまま左車線に車線変更をすると、他車両と接触する可能性があると判断される場合には、運転者にその旨をスピーカ等によって報知する。なお、操作部65に振動装置に内蔵させておき、その振動装置を動作させてもよい。
このようにすることにより、安全性が高まる。
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲に記載した用語との対応を示す。
映像入力部11が映像取得手段に相当し、第一タッチセンサ13及び第二タッチセンサ14が接触検知手段に相当し、制御部16が制御手段に相当する。上記実施形態では、車線変更支援装置10と別体になっているが表示装置30が表示手段に相当する。なお、車線変更支援装置10と表示装置30とを一体に構成してもなんら問題ない。
車内LAN通信部15が、動作状態情報取得手段,車速情報取得手段,ハンドル角取得手段,ハンドル把握情報取得手段に相当する。
車線変更支援装置の構成を説明するためのブロック図である。 第一タッチセンサ及び第二タッチセンサが設置された様子を説明するための説明図である。 車線変更支援処理を説明するためのフローチャートである。 支援実行判定処理を説明するためのフローチャートである。 車線変更支援装置によって出力される映像を説明するための参考映像である。
符号の説明
10…車線変更支援装置、11…映像入力部、12…映像出力部、13…第一タッチセンサ、14…第二タッチセンサ、15…車内LAN通信部、16…制御部、20…第一カメラ、21…第二カメラ、22…第三カメラ、30…表示装置、40…車内LAN、50…車速センサ、51…ハンドル角センサ、52…ハンドルタッチセンサ、52a…第一ハンドルタッチセンサ、52b…第二ハンドルタッチセンサ、53…方向指示器センサ、60…ハンドル、61…ハンドル部、62…スポーク部、63…操舵軸、64…操舵軸カバー、65…操作部、65a…揺動端。

Claims (9)

  1. 車両に搭載されて用いられる車線変更支援装置であって、
    車両の後方を撮影した映像を取得する映像取得手段と、
    方向指示器の操作部に設けられた接触検知手段と、
    前記映像取得手段によって取得された映像を表示するための表示手段と、
    前記接触検知手段が運転者による前記操作部への接触を検知すると、前記映像取得手段が取得した前記映像を前記表示手段に表示させる制御手段と、
    を備えることを特徴とする車線変更支援装置。
  2. 請求項1に記載の車線変更支援装置において、
    前記制御手段は、前記映像を前記表示手段に表示させた後、前記接触検知手段が運転者による前記操作部への非接触を検知すると、前記表示手段に表示させている前記映像を即座又は所定時間後に消去させること、
    を特徴とする車線変更支援装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車線変更支援装置において、
    さらに、前記方向指示器の動作状態を表す動作状態情報を取得するための動作状態情報取得手段を備え、
    前記制御手段は、前記映像を前記表示手段に表示させた後、前記方向指示器が動作状態になったか否かを前記動作状態情報取得手段が取得した前記動作状態情報に基づいて判定し、前記方向指示器が動作状態になったと判定した場合は、前記表示手段に表示させている前記映像を即座又は所定時間後に消去させること、
    を特徴とする車線変更支援装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の車線変更支援装置において、
    前記方向指示器の前記操作部は、ハンドルの回転軸に対して外側方向に延びた略棒状の形態をしており、
    前記接触検知手段は、第一の接触検知部と第二の接触検知部とを有し、
    前記第一の接触検知部は、右方向の方向指示器を動作させる際に運転者が触れる前記操作部の部分に設けられ、
    前記第二の接触検知部は、左方向の方向指示器を動作させる際に運転者が触れる前記操作部の部分に設けられ、
    前記制御手段は、前記第一の接触検知部が接触を検知した場合と、前記第二の接触検知部が接触を検知した場合とで、前記表示手段に表示させる映像を変更すること、
    を特徴とする車線変更支援装置。
  5. 請求項4に記載の車線変更支援装置において、
    前記第一の接触検知部及び前記第二の接触検知部は、各検知領域における検知位置をも検知することができ、
    前記制御手段は、前記第一の接触検知部及び前記第二の接触検知部によって検知された検知位置の変化に基づいて、前記表示手段に表示させている前記映像を変化させること、
    を特徴とする車線変更支援装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の車線変更支援装置において、
    さらに、前記車両の車速情報を取得するための車速情報取得手段を備え、
    前記制御手段は、前記車速情報取得手段により取得された前記車速情報に基づいて前記車両の走行速度が所定値未満であるか否かを判定し、所定値未満であると判定した場合は、前記映像を前記表示手段へ表示させないこと、
    を特徴とする車線変更支援装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の車線変更支援装置において、
    さらに、ハンドル角を取得するためのハンドル角取得手段を備え、
    前記制御手段は、前記ハンドル角取得手段により取得された前記ハンドル角が所定値以上あるか否かを判定し、所定値以上あると判定した場合は、前記映像を前記表示手段へ表示させないこと、
    を特徴とする車線変更支援装置。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の車線変更支援装置において、
    さらに、運転者によるハンドルの把握状態を示すハンドル把握情報を取得するためのハンドル把握情報取得手段を備え、
    前記制御手段は、前記ハンドル把握情報取得手段により取得された前記ハンドル把握情報に基づいて運転者によってハンドルが両手で握られているか否かを判定し、ハンドルが両手で握られていないと判定した場合は、前記映像を前記表示手段へ表示させないこと、
    を特徴とする車線変更支援装置。
  9. コンピュータを、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の車線変更支援装置における前記制御手段として機能させるためのプログラム。
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