JP2008194546A - ごみ焼却飛灰処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ごみ焼却飛灰に含まれる有害物質である6価クロムやダイオキシン等の含有量を低減させ、また、崩壊しにくいペレットを形成させることができるごみ焼却飛灰の処理方法を提供することを課題とする。
【解決手段】6価クロムを含有するごみ焼却飛灰に粉末アルミニウムを配合し、造粒することによりごみ焼却飛灰ペレットを得るペレット造粒工程と、前記ごみ焼却飛灰ペレットを800℃以上1500℃以下の温度で熱処理することにより、前記6価クロムを3価クロムに還元する還元処理工程とを備えることを特徴とするごみ焼却飛灰処理方法による。
【選択図】図1

Description

本発明は、ごみ焼却飛灰の処理方法に関し、更に詳しくは、ごみ焼却飛灰中の有害物質である6価クロムやダイオキシン等の含有量を低減させるためのごみ焼却飛灰の処理方法に関する。
周知のように、産業廃棄物や都市ごみを焼却処理する際に発生する飛灰(フライアッシュ)は焼却炉等に配設されたバグフィルター等の集塵装置により回収される。
前記回収された飛灰中には、ダイオキシンや重金属等の有害物質が含まれる。これらの飛灰の外部環境への拡散は環境汚染の原因となる。このような飛灰の外部環境への拡散を抑制する技術として、飛灰をセメントやベントナイト等の結合剤によりペレット化し、飛灰の外部環境への拡散を防止する技術(セメント固化法)が知られている。
例えば、特許文献1には、都市ごみ焼却飛灰に、カーボンとセメント等の結合剤と水とを添加及び混練して生ペレットを成形した後、この生ペレットを900〜1300℃の高温で1分間以上焼結処理することによって生ペレット中のダイオキシンを熱分解することを特徴とする都市ごみ焼却飛灰焼結方法が記載されている。
特開平6−39363号公報
ところで、都市ごみ焼却飛灰中には有害な6価クロムが含有されている。前記セメント固化法により飛灰をペレット化した場合、通常、そのペレット中には6価クロムは依然として残っている。このようなペレットは、通常、土壌中に埋め立て処理されるか、あるいは、コンクリート用骨材、路盤材、埋め戻し材や花壇の水捌け促進剤等の用途に再利用される。いずれにしても、ペレット中に6価クロムが残存する場合には、ペレットが崩壊することにより6価クロムが土壌中に拡散するおそれがある。6価クロムの拡散は環境に悪影響を及ぼすという問題がある。
本発明は、前記問題を解決し、ごみ焼却飛灰に含まれる有害物質である6価クロムやダイオキシン等の含有量を低減させ、また、崩壊しにくいペレットを形成させることができる、ごみ焼却飛灰の処理方法を提供することを課題とする。
本発明のごみ焼却飛灰処理方法は、6価クロムを含有するごみ焼却飛灰に粉末アルミニウムを配合し、造粒することによりごみ焼却飛灰ペレットを得るペレット造粒工程と、前記ごみ焼却飛灰ペレットを800℃以上1500℃以下の温度で熱処理することにより、前記6価クロムを3価クロムに還元する還元処理工程とを備えることを特徴とするものである。このように、6価クロムを含有するごみ焼却飛灰にアルミニウム粉末を配合してペレット化し、前記のような熱処理を施すことにより、ごみ焼却飛灰ペレット中に含有される6価クロムがアルミニウムの還元作用により無害な3価クロムに還元される。また、前記温度でごみ焼却飛灰ペレットを熱処理することにより、ごみ焼却飛灰中に含有される有害なダイオキシンも熱分解される。さらに、焼成の際にアルミニウムがバインダーとなって得られるペレットの圧縮強度が高くなるために、ペレットの崩壊による粉塵の発生を抑制することができ、そのために、ペレットに含有される成分による土壌汚染の可能性を低減させる。
また、前記処理方法においては、前記還元処理工程で発生するガス成分を捕集し、前記捕集したガス成分を水に溶解させる水溶工程を備えることが好ましい。このような工程により、前記還元処理工程で発生する有害な重金属である鉛を含有する塩化鉛等を水溶液として捕集できるため、塩化鉛等を容易に分離することができる。
また、前記処理方法においては、前記ペレット造粒工程と前記還元処理工程との間に、さらに、前記ごみ焼却飛灰ペレットを350℃以上800℃未満の温度で熱処理することにより水銀を蒸発させる水銀分離工程を備えることが好ましい。このような工程により、水銀を容易に分離することができる。
また、前記処理方法においては、前記水銀分離工程において発生した水銀蒸気を捕集し、前記捕集した水銀蒸気を冷却することにより液化させて水銀を回収する水銀回収工程を備えることが好ましい。このような工程により、水銀を容易に回収することができる。
本発明のごみ焼却飛灰処理方法によれば、ごみ焼却飛灰中に含有される有害な6価クロムを無害な3価クロムに還元しうる。また、同時に、有害なダイオキシンも熱分解される。さらに、焼成の際にアルミニウムがバインダーとして機能するために、得られるペレットの圧縮強度が高くなり、ペレットの崩壊による粉塵の発生が抑制される。従って、ごみ焼却飛灰中に含有される有害物質である6価クロムやダイオキシン等の含有量を容易に低減させ、また、土壌汚染の可能性を低減させることができる。
以下に本発明のごみ焼却飛灰処理方法の好ましい実施形態について、図1の模式説明図を用いて具体的に説明する。
図1には、上流側から下流側に向かって、混練手段1、造粒機2及びごみ焼却飛灰処理装置3が配設された、本発明のごみ焼却飛灰処理方法を実施するためのプロセスの構成の一例が示されている。
本発明におけるペレット造粒工程は、ごみ焼却設備から排出されるごみ焼却飛灰に粉末アルミニウムを配合し、混練機で混練した後、造粒機で所定の大きさに造粒することによりごみ焼却飛灰ペレットを得る工程であり、具体的には、以下のようにして行われる。
図1中、混練手段1は、ごみ焼却飛灰ペレットを製造するために用いられる手段であり、混練機1aと、混練機1aにごみ焼却飛灰を供給するためのごみ焼却飛灰サイロ1b、粉末アルミニウム粉末を供給するための粉末アルミニウムサイロ1c、水を供給するための水供給タンク1dから構成されている。
サイロ1b及び1cには、それぞれその底部に、供給量を制御するための図略の定量フィーダーが設けられており、前記定量フィーダーによりそれぞれの成分の供給量が制御される。また、水供給タンク1dにも、水を定量供給するための図略の制御弁が設けられている。
そして、サイロ1b及び1c及び水供給タンク1dからごみ焼却飛灰、粉末アルミニウム及び水の各成分が混練機1aに供給され、混練機1aにより各種成分は混練され、混練機1aの吐出口から混練物Mが吐出され、前記吐出された混練物Mは、混練手段1の下流側に配設された造粒機2に供される。そして、造粒機2で所望の形状にペレット化され、ごみ焼却飛灰ペレットPが得られる。なお、混練機1aとしては単軸押出機や二軸押出機等が、造粒機2としては、各種ペレタイザーや振動造粒機等の公知の造粒機が用いられる。
本発明に用いられる6価クロムを含有するごみ焼却飛灰とは、都市ごみ焼却設備等から排出されるごみ焼却飛灰であり、通常、6価クロム、水銀、鉛等の重金属類やダイオキシン等の有害物質を含有する。
また、本発明に用いられる粉末アルミニウムは、ごみ焼却飛灰ペレットを熱処理する際、ごみ焼却飛灰中に含有される6価クロムを3価クロムに還元することを目的とする成分である。また、ごみ焼却飛灰ペレットが焼成される際には、ペレットの形状を維持するためのバインダーとしての機能も有する。
粉末アルミニウムは、金属酸化物の高温還元法として知られている、いわゆるテルミット反応により6価クロムを3価クロムに還元すると考えられる。従って、粉末アルミニウムとごみ焼却飛灰とを造粒して得られるペレットを、テルミット反応が活性化する800℃以上の温度で一定時間保持することにより、ごみ焼却飛灰中の6価クロムは3価クロムに還元されると考えられる。また、このときの還元反応は発熱反応であるために、後述する熱処理工程の際に電気式発熱体等により与える必要な熱量を、この発熱量の分だけ低減しうる。
粉末アルミニウムとしては、粒度分布計により測定したメジアン粒子径が0.2〜100μm程度の、粉末アルミニウムとして市販されているものであればとくに限定なく用いることができる。また、好ましくはアルミニウムインゴット等を切削加工する際に産出される切削屑(ダライ粉)を粉砕して用いた場合には、アルミニウム廃材の有効利用の点から好ましい。
粉末アルミニウムの配合量は、ごみ焼却飛灰中に含有される6価クロムを3価クロムに還元しうる範囲であればとくに限定されない。具体的には、ごみ焼却飛灰中に含有される6価クロムの含有割合によるので一概に規定することはできないが、通常、ごみ焼却飛灰100質量部に対して、0.5質量部以上であることが好ましい。前記配合量の場合にはごみ焼却飛灰中に含有される6価クロムは充分に還元されると考えられる。また、粉末アルミニウムの配合量の上限は、特に限定されないが、経済性の観点から10質量部以下、さらには、5質量部以下であることが好ましい。
さらに、ごみ焼却飛灰ペレット中にはペレットの結着性を高めるために水を配合することが好ましい。配合される水の量は、通常、ごみ焼却飛灰100質量部に対して、10〜30質量部であることがペレットの結着性の点から好ましい。
ごみ焼却飛灰ペレットの形状としては、ペレタイザーを用いて造粒する場合には直径10〜20mm程度の球形や、直径20mm程度で長さが20〜30mm程度の円筒形、また、振動造粒機を用いて造粒する場合には直径5〜50mm程度の塊状の形状が挙げられる。
このようにして得られるごみ焼却飛灰ペレットに、後述する熱処理を施すことにより、ペレット中に含有される6価クロムの量が低減され、さらに、ダイオキシンも熱分解される。
図1に基づいて、本発明における各熱処理工程について説明する。
ごみ焼却飛灰ペレットPは造粒機2の下流側に配設されたごみ焼却飛灰処理装置3に供給される。
ごみ焼却飛灰処理装置3には、独立して温度制御されるペレット整流室3a、低温熱処理室3b、高温熱処理室3cが上流側から下流側に向かって設けられ、さらに、前記各室内をコンベア等で水平方向に循環駆動する火格子3eが基本構成として設けられている。そして、ペレット整流室3aには、ペレット受入口3iが、低温熱処理室3bには低温熱処理室3bで発生したガスを回収するための第1のダクト4aが、高温熱処理室3cには高温熱処理室3cで発生したガスを回収するための第2のダクト4bが設けられている。なお、ごみ焼却飛灰処理装置には、低温熱処理室3bよりもさらに上流側に、ペレット中の水分を予め除去することを目的とする350℃未満の温度で制御される予熱処理室等、その他の構成を付加してもよい。
火格子3eは左右一対のスプロケット3f,3hに掛装され、図略の駆動手段の回転駆動によりスプロケット3f,3hを介して循環駆動する。そして、ペレット受入口3iから供給されるごみ焼却飛灰ペレットPを積載し、ごみ焼却飛灰ペレットPをペレット整流室3a、低温熱処理室3b、高温熱処理室3cの順に移送するように構成されている。
ペレット整流室3a、低温熱処理室3b、高温熱処理室3cはそれぞれ室内内面が耐火物施工され、また、各室内には図略の電気式発熱体等の熱源が配設され、それぞれ独立して温度制御される。また、必要に応じて粉末アルミニウムの酸化を抑制するために各室内に不活性ガスを吹き込んで還元雰囲気にしてもよい。
ペレット整流室3aは火格子3eに積載されたペレットの層厚を調整するための室であり、低温熱処理室3bは350℃以上800℃未満の温度で制御される室であり、高温熱処理室は800℃以上1400℃以下の温度で制御される室である。
ペレット整流室3aにおいて調整されるペレットPの層厚は、処理効率の点から適宜調整されるが、通常5〜100mm程度の厚みに調整されることが好ましい。
なお、ペレット整流室は、100℃以下の温度、とくには80℃以下の温度で、さらには常温付近の温度で制御されることが好ましい。
ペレット整流室3aで厚みが整えられたペレットPは、ごみ焼却飛灰中に含有される水銀のみを予め分離するために、以下に説明する水銀分離工程で処理することが好ましい。
水銀分離工程は、ペレットP中に含有される水銀を蒸発させて水銀を分離回収することを目的として必要に応じて設けられる処理工程であり、水銀の気化が激しくなる水銀の沸点(356℃)よりやや低い350℃以上、好ましくは400℃以上で800℃未満の温度で熱処理する工程である。
水銀分離工程の処理時間としては、10〜120分間程度であることが好ましく、10〜60分間程度であることがさらに好ましい。前記処理時間で前記条件で熱処理することにより、水銀蒸気を充分に、且つ高い処理効率で回収することができる。
図1においては、水銀分離工程は低温熱処理室3bで行われる。低温処理室3bにおける温度制御は、例えば、低温熱処理室3b内に温度センサを設け、この温度センサにより測定された温度に基づいて予め設定された温度に制御する。温度制御は、測定された温度が予め設定された温度よりも低い場合には電気式発熱体等の熱源から設定温度にするために必要な熱量を低温熱処理室3bに供給し、高い場合には、電気式発熱体等の熱源からの熱の供給量を低下させたり、低温熱処理室3bに吸排気ダクトを設け、外部から空気等を吸引することにより温度を下げて設定温度に近づける等の手段により制御できる。
低温熱処理室3bには低温熱処理室3bで発生した水銀蒸気を含むガスを捕集するための第1のダクト4aが配設されており、第1のダクト4aは冷却コンデンサ6を介して誘引送風機7に連通している。そして誘引送風機7により第1のダクト4aで吸引捕集されたガスは、その経路の途中に設けられた冷却コンデンサ6で液化され、液体水銀が回収される。なお、冷却コンデンサ6には通常、水銀とともに捕集された水を除去するためのドレンタンク8等のドレン設備が接続されている。
この水銀分離工程においては、水銀の蒸発する温度範囲で熱処理するために、水銀を容易に分離回収することができる。
そして、低温熱処理室3bにおける水銀分離工程で水銀が分離されたごみ焼却飛灰ペレットは、高温熱処理室3cに移送され、還元処理工程で処理される。
還元処理工程は、ごみ焼却飛灰ペレットP中に含有される粉末アルミニウムの還元作用により6価クロムを3価クロムに還元すること、及びダイオキシンを熱分解することを目的とする処理工程であり、また、本工程においては、アルミニウムがバインダーとして機能することにより、ペレットの圧縮強度が高められる。
還元処理工程は、800℃以上1500℃以下の温度、好ましくは1000℃以上1400℃以下の温度で制御される工程である。また、この工程においては、前記ごみ焼却飛灰中に含有される塩化鉛等は蒸発する。
ここで、ペレット中の粉末アルミニウムはペレット中に閉じ込められているために、ごみ焼却飛灰ペレット中の粉末アルミニウムは酸素と接触しにくい状態で存在している。従って、ごみ焼却飛灰ペレットに含有される粉末アルミニウムは、酸化されず大部分が単体として存在する。そして、前記ペレットを800℃以上に加熱することにより、ごみ焼却飛灰ペレット中の6価クロムは粉末アルミニウムの還元作用により3価クロムに還元される。また、このように800℃以上で熱処理することにより、飛灰中に含有されるダイオキシンも熱分解される。
還元処理工程における処理時間としては、5〜30分間程度、さらには、5〜20分間程度であることが6価クロムの3価クロムへの還元反応の効率性から好ましい。
なお、還元処理工程における温度制御も上述した低温処理工程における温度制御と同様に行われる。
本工程においては、ペレット中に含有される塩化鉛等の重金属化合物のガスは、高温熱処理室3cに設けられた第2のダクト4bで捕集することが好ましい。
第2のダクト4bは湿式処理手段9を介して誘引送風機7に連通している。そして誘引送風機7により第2のダクト4bで吸引捕集された塩化鉛等のガスはその経路の途中に設けられた湿式処理手段9で水に溶解される。そして、例えば、溶解された塩化鉛を水溶液中で電気分解することにより塩化鉛は鉛に還元され、金属鉛として回収することができる。なお、湿式処理手段9としては水中にガス成分をバブリングすることにより水溶液にする手段や、水を噴霧することによりガス成分を水溶液にする手段等である各種湿式処理装置が挙げられる。なお、吸引捕集されたガスは高温であるために、高温のガスの冷却を目的として、空気の吸気口を設けても良い。
次に、還元処理工程により処理されたペレットP2は、還元反応に寄与しなかった残存する粉末アルミニウムの燃焼反応を抑制し、燃焼反応による発熱を抑制するために、高温熱処理工程の後工程として、30〜200℃程度になるまで冷却されることが好ましい。冷却は、例えば、高温熱処理室3cの下流側に設けられた、冷却ゾーン3dで行われる。冷却は、通風や水冷により強制冷却する手段を用いることが好ましい。また、3価クロムが再び酸化されて6価クロムに戻ることを抑制するためには、還元雰囲気下で冷却することが好ましい。
そして、冷却されたペレットP2は、貯留サイロ10に送出される。
このような工程により得られる、熱処理されたペレットP2は処理前のペレットPよりも、ダイオキシンや6価クロム等の有害物質が大幅に低減されたものである。また、アルミニウムが焼成の際にバインダーとして機能するために、熱処理されたペレットP2は処理前のペレットPよりも、高い圧縮強度を有し、崩壊しにくい粉塵発生が抑制されたペレットである。従って、埋め立て処理する場合には環境への負荷が低く、また、有害物質が大幅に低減されているためにコンクリート用骨材、路盤材、埋め戻し材や花壇の水捌け促進剤等としても安全に用いることもできる。
以下に、本発明を実施例により、さらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1〜12)
図2に示されたプロセスに基づいて、ごみ焼却飛灰ペレットを製造し、熱処理した。具体的には、都市ごみ焼却設備のバグフィルターから回収されたごみ焼却飛灰100部(質量部、以下同様)、表1に記載のメジアン粒子径18〜41μmの粉末アルミニウム0〜5部、水10〜30部を添加して、単軸混練機1aにより混練して混練物Mを得た後、振動造粒機2により直径30mm程度の球状ペレットに造粒し、ごみ焼却飛灰ペレットPを得た。
そして、焼却飛灰ペレット処理装置3のペレット受入口3iにごみ焼却飛灰ペレットPを連続的に供給した。
供給されたごみ焼却飛灰ペレットPは、火格子3e上に積載されて、ペレット整流室3aから高温熱処理室3cに移送された。ペレット整流室3aにおいては、積載されたごみ焼却飛灰ペレットPの層厚みを5〜100mm程度になるように厚み調整した。なお、ペレット整流室3aは温度制御されておらず常温付近の温度である。
そして、ペレット整流室3aを通過した火格子3e上に積載されたごみ焼却飛灰ペレットPを、還元処理工程で処理するために隣接する高温熱処理室3cに移送した。そして、1200℃に制御された高温熱処理室3cにペレットを2分間または5分間通過させた。
高温熱処理室3cを通過した、火格子3e上に積載された熱処理されたごみ焼却飛灰ペレットP2は冷却ゾーン3dで冷却された後、貯留サイロ10に送られ、貯留された。
貯留サイロ10に貯留されたペレットP2を以下の方法により評価した。
[6価クロム及び全クロム含有量の測定]
環境庁水質保全局水質管理課通達「環水管第127号「底質調査方法の改正について」に記載の方法のT−Cr:12.1.0に準じて全クロム含有量を、Cr(VI):12.3.1に準じて6価クロム含有量を測定した。
[圧縮強度]
ペレット圧縮強度測定器である、ペレテスター(昭和測器製)を用いて、圧縮速度10mm/minの条件でペレットを圧縮し、ペレットが崩壊したときの応力を測定した。なお、表1中のKg/pの単位は、ペレット1粒当たりの圧縮強度を示す。
(比較例1)
アルミニウム粉末を含有しないごみ焼却飛灰ペレットを用いた以外は、実施例1と同様にして熱処理し、上記評価を行った。
(比較例2)
上記熱処理をしていないごみ焼却飛灰ペレットPについて、上記評価を行った。
評価結果を表1に示す。
Figure 2008194546
表1の結果より、比較例2の熱処理をしていないごみ焼却飛灰ペレットPからはごみ焼却飛灰中の量に換算した6価クロムの含有量が11.6ppm検出された。一方、実施例1〜12のアルミニウム粉末を含有させて熱処理したごみ焼却飛灰ペレット中の6価クロムの含有量は、いずれも検出限界2ppm以下であった。
また、実施例1の圧縮強度が、72.3kg/pであるのに対して、アルミニウム粉末を含有しないこと以外は同一の条件で熱処理した比較例1においては、1.3kg/pであり、アルミニウム粉末を含有させることによりペレットの圧縮強度が大幅に高くなり、崩壊しにくくなっていることが分かる。
上記結果から、本発明の処理方法により得られるごみ焼却飛灰ペレットは、6価クロムの含有量が大幅に低減されたものであり、また、ペレットの圧縮強度も高いために崩壊しにくく、粉塵発生も抑制できるものである。従って、コンクリート用骨材、路盤材、埋め戻し材や花壇の水捌け促進剤等の用途に安全に用いることができるものであることがわかる。
本発明のごみ焼却飛灰ペレット処理方法のプロセスを例示する模式的説明図である。 実施例で用いた、ごみ焼却飛灰ペレット処理方法のプロセスを例示する模式的説明図である。
符号の説明
M 混練物
P ごみ焼却飛灰ペレット
P2 熱処理されたごみ焼却飛灰ペレット
Hg 水銀
W1,W2 水
D1,D2 ダンパ
1 混練手段
1a 混練機
1b 焼却飛灰サイロ
1c 粉末アルミニウムサイロ
1d 水供給タンク
2 造粒機
3 焼却飛灰処理装置
3a ペレット整流室
3b 低温熱処理室
3c 高温熱処理室
3e 火格子
3f,3h スプロケット
3i ペレット受入口
4a 第1のダクト
4b 第2のダクト
6 冷却コンデンサ
7 誘引送風機
8 ドレンタンク
9 湿式処理手段
10 貯留サイロ

Claims (4)

  1. ごみ焼却飛灰の処理方法であって、6価クロムを含有するごみ焼却飛灰に粉末アルミニウムを配合し、造粒することによりごみ焼却飛灰ペレットを得るペレット造粒工程と、
    前記ごみ焼却飛灰ペレットを800℃以上1500℃以下の温度で熱処理することにより、前記6価クロムを3価クロムに還元する還元処理工程とを備えることを特徴とするごみ焼却飛灰処理方法。
  2. 請求項1に記載のごみ焼却飛灰処理方法において、前記還元処理工程で発生するガス成分を捕集し、前記捕集したガス成分を水に溶解させる水溶工程を備えることを特徴とするごみ焼却飛灰処理方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のごみ焼却飛灰処理方法において、前記ペレット造粒工程と前記還元処理工程との間に、さらに、前記ごみ焼却飛灰ペレットを350℃以上800℃未満の温度で熱処理することにより水銀を蒸発させる水銀分離工程を備えることを特徴とするごみ焼却飛灰処理方法。
  4. 請求項3に記載のごみ焼却飛灰処理方法において、前記水銀分離工程において発生した水銀蒸気を捕集し、前記捕集した水銀蒸気を冷却することにより液化させて水銀を回収する水銀回収工程を備えることを特徴とするごみ焼却飛灰処理方法。
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