JP2003245642A - 重金属含有物質の無害化方法及び加熱炉 - Google Patents

重金属含有物質の無害化方法及び加熱炉

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JP2003245642A
JP2003245642A JP2002019974A JP2002019974A JP2003245642A JP 2003245642 A JP2003245642 A JP 2003245642A JP 2002019974 A JP2002019974 A JP 2002019974A JP 2002019974 A JP2002019974 A JP 2002019974A JP 2003245642 A JP2003245642 A JP 2003245642A
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chlorine
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detoxifying
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Toshio Imai
敏夫 今井
Takamiki Tamae
宇幹 玉重
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Taiheiyo Cement Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重金属含有物質中の重金属を効率よく揮発分
離することができ、かつ塩素成分が残留しない重金属含
有物質の再資源化方法等を提供する。 【解決手段】 一種以上の重金属を含有する第1物質
と、塩素成分を含有する第2物質とを700℃乃至13
00℃程度で間接加熱し、第1物質から揮発した重金属
を除去する。第1物質から揮発した重金属の塩化物を含
有するガスを急冷し、重金属の塩化物をダスト状とした
後、ダストを集塵すること、間接加熱中の第1物質及び
第2物質にアルカリ金属元素を含有する物質を添加し、
第1物質中の塩素成分をアルカリ塩化物として除去する
ことが好ましい。第1物質と第2物質とを移動させなが
ら間接加熱してもよく、第2物質としての塩素系ガスの
存在下で第1物質を間接加熱してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重金属含有物質の
無害化方法及び加熱炉に関し、特に、重金属で汚染され
た土壌、とりわけ焼却処理施設周辺の土壌及び工場跡地
等の土壌から有害重金属を効果的に除去するための重金
属含有物質の無害化方法及び該無害化方法を実施する際
に用いる加熱炉に関する。
【0002】
【従来の技術】都市ごみ等の一般廃棄物焼却施設から排
出される焼却主灰、飛灰、産業廃棄物中間焼却処理施設
から排出される焼却主灰、飛灰、上記焼却灰を含有する
焼却処理施設周辺の土壌等は、高濃度のダイオキシン類
を含んでいるため、その処理については今日大きな社会
問題となっている。これら焼却灰は、ダイオキシン類だ
けではなく、様々な重金属も含んでいることもその特徴
である。また、かつて工場であったような市街地の土壌
の重金属類による汚染についても、しばしば問題となっ
ている。
【0003】従来、重金属に汚染された土壌の浄化処理
方法としては、原位置での処理法として、固化・不溶
化、遮断工等が行われ、土壌を搬出しての処理方法とし
て、洗浄・分級法等が行われてきた。原位置での処理方
法の多くは、重金属を恒久的に除去するものではないた
め、将来的に溶出等が起こる可能性を否定できないとい
う問題がある。
【0004】一方、重金属で汚染された土壌の処分は、
溶融処理、薬剤処理、セメント固化処理、酸抽出処理の
いずれかの処理を施した後に行なわれている。これら四
つの処理法のうち、溶融処理と、薬剤処理の二つが主と
して行われ、最終的に埋め立て処分されているが、この
うち、溶融処理は、1,400℃以上という高温で処理
を行い、メタル成分、スラグ成分、溶融飛灰成分の三つ
に分離する技術である。該成分のうち、メタル成分はウ
ェイト等に、スラグ成分は埋め戻し材やアスファルト資
材等に利用することにより、大きく減容化することがで
きる。また、鉛、亜鉛等の重金属が濃縮された都市ごみ
溶融飛灰等は、酸、アルカリ抽出操作を行うことで山元
還元が可能であることが確認されてきている。しかし、
スラグ成分については、社会システムの確立が不十分で
あること等の問題がある。薬剤処理は、薬剤を配合する
ことにより、重金属を含有する土壌中の重金属溶出を防
止する技術であり、重金属を分離するわけではなく、含
有したまま処分するものである。
【0005】これら従来の技術では、その最終の処分の
多くを埋め立て廃棄に頼っており、処理された土壌の再
利用を行わない限りにおいては、なんら廃棄物問題の解
決にはならない。
【0006】本発明者らは、重金属を含有する土壌と塩
素成分を含有する物質とを加熱処理することにより、重
金属含有土壌から塩化物として重金属類を十分除去でき
ることをすでに見出しているが、十分な除去を達成する
ためには、塩素成分を含有する物質を過剰に添加する必
要があった。これにより重金属含有土壌から重金属は除
去できるものの、処理後の土壌中に塩素成分が過剰に残
留してしまうという問題が生じた。塩素成分の過剰な残
留は、処理後の土壌を窯業製品の原料として再資源化す
るにあたり、製品の品質の低下を招くので好ましくな
い。また、集塵ダスト中には塩化揮発により除去された
複数の重金属が共存するため、後の山元還元の際の工程
が煩雑となり、廃棄物処理効率が悪い等の問題があっ
た。
【0007】一方、特開平11−92192号公報に
は、重金属等を含有する汚染土壌を熔融してスラグ化す
ることにより、重金属が固定され溶出量の少ない人工骨
材を得る技術が開示されている。しかしながら、土壌等
を熔融するには、1600℃以上の超高温に加熱する必
要があり、エネルギー費が膨大なものとなるとともに、
超高温に耐える炉材の採用等、設備費やメンテナンス費
が増大する。また、重金属が固定化され、かつ幾分かは
飛散してその量を減じているとはいえ、完全に重金属除
去する手段ではないこと等、多くの問題がある。
【0008】また、特開平10−216670号公報に
は、焼却灰または飛灰から重金属類を除去して無害化す
るため、焼却炉の排ガスまたは塩化物の熱分解により生
じた塩素系のガスの存在下で600℃未満にて重金属類
を塩化物とした後、昇温して重金属類の塩化物を揮発さ
せて回収する技術が開示されている。しかしながら、こ
の方法では、銅、亜鉛、砒素及びアンチモンとを効果的
に除去することができないという問題があった。これら
の重金属類を効果的に除去することができれば、土壌環
境を修復する上で極めて意義がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであ
って、重金属類を含有する土壌、焼却処理設備から排出
された焼却灰等の重金属含有物質中の重金属を揮発分離
することができ、かつ塩素成分が残留しない重金属含有
物質の再資源化方法、及び本発明にかかる無害化方法を
実施する際に用いる加熱炉を提供することを課題とす
る。また、上記従来技術の重金属の揮発除去方法は、雰
囲気の水分により効率が低下するので、これを防止する
ことのできる無害化方法を提供することも課題とする。
【0010】さらに、銅、亜鉛、砒素及びアンチモン等
についても環境に悪影響をもたらさない程度まで効果的
に除去することができるとともに、エネルギー費及び設
備費が大幅に増加する超高温での加熱処理等を必要とし
ない重金属含有物質の無害化方法及び加熱炉を提供する
ことを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、重金属含有物質の無害化
方法であって、一種以上の重金属を含有する第1物質
と、塩素成分を含有する第2物質とを間接加熱し、前記
第1物質から揮発した重金属を除去することを特徴とす
る。
【0012】重油や石炭等の燃料を使用して直接加熱す
ると、燃焼ガス中の水分によって重金属の塩化揮発が阻
害されるが、請求項1に記載の発明によれば、第1物質
と第2物質とを間接加熱するため、水分により重金属の
塩化揮発が阻害されることなく、効率よく前記第1物質
から重金属を揮発除去することができる。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の重金属含有物質の無害化方法において、前記第1物質
及び第2物質を700℃乃至1300℃で間接加熱する
ことを特徴とする。これによって、塩化鉛、塩化砒素、
塩化アンチモン、塩化亜鉛等の重金属を第1物質から除
去することができる。また、加熱温度の上限が1300
℃であるため、エネルギー費及び設備費が大幅に増加す
ることもない。
【0014】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の重金属含有物質の無害化方法において、前記
第1物質と前記第2物質とを移動させながら間接加熱す
ることを特徴とする。これによって、連続して第1物質
から重金属を除去することができる。
【0015】請求項4に記載の発明は、請求項1、2ま
たは3に記載の重金属含有物質の無害化方法において、
前記第2物質は塩素系ガスであって、該塩素系ガスの存
在下で前記第1物質を間接加熱することを特徴とする。
塩素系ガスの存在下で、第1物質を連続して供給しても
よく、バッチ処理してもよい。
【0016】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の重金属含有物質の無害化方法において、前記第2物質
としての塩素系ガスのガス源が、焼却炉、部分燃焼ガス
化炉、熱分解ガス化炉、乾留ガス化炉、ガス化溶融炉か
ら選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする。こ
れらの炉からの塩素系ガス中の塩素濃度が高いことが好
ましい。
【0017】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5
のいずれかに記載の重金属含有物質の無害化方法におい
て、前記第1物質が、一般廃棄物焼却施設から排出され
る焼却主灰、飛灰、産業廃棄物中間焼却処理施設から排
出される焼却主灰、飛灰、上記焼却灰を含有する焼却処
理施設周辺の土壌、重金属を含有する稼動中または休止
中の工場の敷地土壌、工場跡地の土壌、人為的に調製さ
れた重金属を含有する土壌と天然の土壌との混合物から
選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする。これ
によって、上記重金属で汚染された土壌等を埋め立て処
分することなく処分することができる。
【0018】請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6
のいずれかに記載の重金属含有物質の無害化方法におい
て、前記第2物質が、塩素を含有するプラスチック、塩
素を含有するプラスチックを加熱する際に発生する塩素
系ガス、アルカリ土類の塩化物から選ばれる少なくとも
一種であることを特徴とする。これによって、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩素を含有するプラス
チック等を加熱処理する際に発生し、ダイオキシン類の
生成のためその処理方法が問題となっていた塩素を重金
属含有物質と反応させることにより、同時に無害化する
ことができる。
【0019】請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7
のいずれかに記載の重金属含有物質の無害化方法におい
て、前記第1物質から揮発した重金属の塩化物を含有す
るガスを急冷し、該重金属の塩化物をダスト状とした
後、該ダストを集塵することを特徴とする。これによっ
て、重金属塩化物が周囲環境へ漏洩することを防止する
とともに、捕集された重金属含有ダストから純度の高い
人工鉱石等を得て、山元還元することができる。
【0020】請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8
のいずれかに記載の重金属含有物質の無害化方法におい
て、前記間接加熱中の第1物質及び第2物質にアルカリ
金属元素を含有する物質を添加し、前記第1物質と第2
物質の混合物中の塩素成分をアルカリ塩化物として除去
することを特徴とする。これによって、窯業原料として
再資源化する上において好ましくない過剰の塩素成分を
アルカリ塩化物として除去することができる。
【0021】請求項10に記載の発明は、請求項1乃至
9のいずれかに記載の重金属含有物質の無害化方法にお
いて、前記第1物質及び第2物質を間接加熱する前に、
前記第1物質及び前記第2物質から水分を除去するとと
もに、前記間接加熱にあたって気体を導入する場合に
は、該気体から予め水分を除去することを特徴とする。
これによって、重金属の塩化揮発をさらに促進すること
ができる。
【0022】請求項11に記載の発明は、請求項1乃至
10のいずれかに記載の重金属含有物質の無害化方法に
よって処理される重金属は、鉛、カドミウム、水銀、砒
素、セレン、アンチモン、亜鉛、銅の少なくとも一種で
あることを特徴とする。
【0023】請求項12に記載の発明は、請求項1乃至
11のいずれかに記載の重金属含有物質の無害化方法に
おいて、前記第1物質及び第2物質を間接加熱する前
に、前記第1物質または第2物質に、SiO2、Al2
3、CaO、Fe23から選ばれる少なくとも一種の化
学成分を調整するための成分調整材を添加することを特
徴とする。これによって、重金属を除去して無害化した
後の物質をセメント等の窯業製品の原料として効率よく
利用することができる。
【0024】請求項13に記載の発明は、加熱炉であっ
て、一種以上の重金属を含有する第1物質を供給する第
1供給手段と、塩素成分を含有する第2物質を供給する
第2供給手段と、前記第1供給手段及び第2供給手段に
よって供給された前記第1物質及び第2物質を間接加熱
する炉体と、前記第1物質から揮発した重金属を前記炉
体から排出する第1排出手段と、前記第1物質及び第2
物質の加熱物を前記炉体から排出する第2排出手段とを
備えることを特徴とする。
【0025】請求項13に記載の発明によれば、第1供
給手段及び第2供給手段によって供給された第1物質及
び第2物質を、炉体内で水分を遮断した状態で加熱する
ことができるため、水分による重金属の塩化揮発が阻害
されることなく、効率よく前記第1物質から重金属を揮
発除去することができる。揮発除去した重金属は、第1
排出手段によって炉体から排出され、第1物質及び第2
物質の加熱物は第2排出手段によって炉体から排出され
る。
【0026】請求項14に記載の発明は、請求項13に
記載の加熱炉であって、前記第2供給手段は、ガス発生
装置において発生した前記第2物質を供給することを特
徴とする。
【0027】請求項15に記載の発明は、請求項13ま
たは14に記載の加熱炉であって、前記第1物質及び第
2物質を前記炉体内で移動させる移動手段を備えること
を特徴とする。これによって、連続して第1物質から重
金属を除去することができる。
【0028】請求項16に記載の発明は、請求項15に
記載の加熱炉において、前記炉体は、外筒と内筒とから
なる二重構造を有し、前記移動手段は、前記第1物質及
び第2物質を前記内筒内で移動させる移動機構を有し、
前記第1排出手段は、前記内筒に接続された複数の導管
を有することを特徴とする。これによって、簡単な構成
を有する加熱炉を提供することができる。
【0029】請求項17に記載の発明は、請求項16に
記載の加熱炉において、前記内筒に接続される複数の導
管を、間接加熱中の前記内筒内の温度分布データに基づ
き、前記第1物質に含まれる複数種の重金属の塩化物の
揮発温度に対応する位置に設けたことを特徴とする。こ
れによって、重金属の種類毎に異なる重金属の塩化物の
揮発温度に応じて目的とする重金属を最も効率的に除去
することができ、後の山元還元のための処理工程の効率
化が達成される。
【0030】請求項18に記載の発明は、請求項16ま
たは17に記載の加熱炉において、前記内筒に接続され
る複数の導管の少なくとも1つに、前記第1物質から揮
発した重金属の塩化物を含有するガスを急冷する冷却手
段と、急冷によりダスト状となった重金属塩化物を集塵
する集塵手段とを備えたことを特徴とする。冷却手段に
よってダスト化した重金属塩化物を集塵手段によって集
塵することにより、重金属塩化物が周囲環境へ漏洩する
ことを防止するとともに、捕集された重金属含有ダスト
から純度の高い人工鉱石等を得て山元還元することがで
きる。
【0031】請求項19に記載の発明は、請求項16、
17または18に記載の加熱炉において、前記炉体にア
ルカリ金属元素を含有する物質を供給する第3供給手段
と、該第3供給手段から供給されたアルカリ金属元素を
含有する物質のアルカリ金属と、前記第1物質と第2物
質の混合物中の塩素成分とが反応して揮発したアルカリ
塩化物を前記炉体から排出する第3排出手段とを備えた
ことを特徴とする。アルカリ金属元素を含有する物質を
供給することにより、窯業原料として再資源化する上に
おいて好ましくない過剰の塩素成分をアルカリ塩化物と
して除去することができる。
【0032】請求項20に記載の発明は、13乃至19
のいずれかに記載の加熱炉において、前記第1物質及び
第2物質を間接加熱する前に、前記第1物質もしくは前
記第2物質またはこれらの両方から水分を除去する水分
除去手段を備えたことを特徴とする。これによって、重
金属の塩化揮発をさらに促進することができる。
【0033】請求項21に記載の発明は、請求項13乃
至20のいずれかに記載の加熱炉において、前記炉体内
の水分量を制御する制御手段を備えたことを特徴とす
る。制御手段によって、炉体内の水分量を第1物質の乾
燥重量の2.0重量%未満程度に維持することによって
重金属の除去率を高めることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかる重金属含有
物質の無害化方法及び加熱炉の実施の形態の具体例を図
面を参照しながら説明する。
【0035】図1は、本発明にかかる重金属含有物質の
無害化方法を実施するにあたって使用する加熱炉及び付
帯設備の一実施例を示し、この加熱炉1は、外筒2と内
筒3とからなる間接加熱方式の二重構造の炉体4と、被
加熱物を炉体4内で移動させる移動機構5と、移動機構
5を駆動する駆動機6と、被加熱物を加熱するための熱
発生装置7と、内筒3に接続された複数の導管8(8A
〜8F)等で構成される。
【0036】炉体4の内筒3には、供給シュート9及び
排出シュート10が設けられ、図示しない供給装置(第
1及び第2供給手段)を介して被加熱物を内筒3内に供
給するとともに、これらの加熱物が排出シュート10か
ら図示しない排出装置(第2排出手段)を介して加熱炉
1外に排出される。
【0037】炉体4の外筒2の端部には、熱発生装置7
が配置され、外筒2内を熱発生装置7の燃焼ガスが通過
して内筒3内の被加熱物を間接加熱する。燃焼ガスは、
排ガスダクト2aから加熱炉1外へ排出される。
【0038】移動機構5は、スクリューフィーダーであ
ってもよく、あるいは、特許第3115633号にかか
る横型回転炉装置に用いられるような、中心に回転軸を
有する平板の両面に複数の傾斜板が一定の間隔で付され
たような移動機構であってもよい。この移動機構5によ
り、被加熱物は、内筒3内の低温部から高温部へ向かっ
て加熱されながら移動する。
【0039】複数の導管8(8A〜8D、第1排出手
段)は、間接加熱中の内筒3内の温度分布データに基づ
き、重金属含有土壌等に含まれる複数種の重金属の塩化
物の揮発温度に対応する位置に設けられる。これは、内
筒3内で塩化物となった重金属の揮発温度が、重金属の
種類毎で異なるため、重金属の塩化物の揮発温度に応じ
て目的とする重金属を最も効率的に除去するためであ
る。例えば、導管8Aについては、揮発温度が700〜
800℃の塩化鉛を、導管8Bは揮発温度が約800℃
の塩化砒素を、導管8Cは揮発温度が約900℃の塩化
アンチモンを、導管8Dは揮発温度が約1200℃の塩
化亜鉛を抽気するように配置される。
【0040】上記複数の導管8の1つの導管8Eには、
アルカリ金属元素を含有する物質を供給するための供給
部(第3供給手段)11が設けられる。また、導管8E
から供給されたアルカリ金属元素を含有する物質のアル
カリ金属と、被加熱物中に過剰に残留していた塩素成分
とが反応して揮発したアルカリ塩化物を排出するため、
第3排出手段としての導管8Fが設けられる。
【0041】導管8(8A〜8D、8F)の下流側に
は、揮発した重金属の塩化物等を含有するガスを急冷す
るための冷却装置12(12A〜12D、12F)と、
急冷によりダスト状となった重金属塩化物を集塵するバ
ッグフィルター等の集塵装置13(13A〜13D、1
3F)とが設けられる。冷却装置12には、冷風または
冷水を利用するものや、散水設備を有するもの等を用い
ることができる。尚、導管8A〜8Dの各々に冷却装置
12と集塵装置13とを設置したのは、回収した重金属
塩化物を山元還元する上で有利だからである。
【0042】次に、上記構成を有する加熱炉1を利用し
た本発明にかかる重金属含有物質の無害化方法の実施の
形態について、図1及び図2を参照しながら説明する。
【0043】本発明にかかる重金属含有物質の無害化方
法で処理される重金属含有物質(以下、「第1物質」と
いう)は、都市ごみ等の一般廃棄物焼却施設から排出さ
れる焼却主灰、飛灰、産業廃棄物中間焼却処理施設から
排出される焼却主灰、飛灰、上記焼却灰を含有する焼却
処理施設周辺の土壌、重金属を含有する稼動中の工場の
敷地土壌、工場跡地の土壌、重金属を含有する土壌ある
いは一種以上の重金属を含有する焼却灰と天然の土壌と
の混合物から選ばれる少なくとも一種により構成され
る。上記工場には、金属製品製造業、化学工業、電気機
械器具製造業等の重金属を扱う工場等が典型的な例であ
る。
【0044】この第1物質を上述の加熱炉1を用いて無
害化するが、第1物質そのものを加熱炉1に供給するの
ではなく、無害化後の再利用の便宜を図るため、加熱処
理に先立ち、SiO2、Al23、CaO及びFe23
等の化学成分を調整するための成分調整材を第1物質に
添加混合することが好ましい(図2ステップS1)。
【0045】上記第1物質から重金属類を塩化揮発させ
るため、第1物質に添加される塩素を含有する物質(以
下、「第2物質」という)には、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン等の塩素を含有するプラスチック類、塩
化カルシウム等のアルカリ土類金属の塩化物等を用いる
ことができる。
【0046】上記成分調整材を添加混合した第1物質に
第2物質を添加して乾燥した(ステップS2)後、供給
シュート9から加熱炉1へ供給する。そして、加熱炉中
で700℃〜1300℃の温度で間接加熱し(ステップ
S3)、前記第1物質中の重金属を揮発分離する。ま
た、内筒3内を流通する気体は、効率よく第1物質から
重金属を揮発除去するため、加熱炉1に入る前に含まれ
る水分を十分に除去されたものであることが望ましい。
【0047】ところで、従来、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン等の塩素を含有するプラスチック類を加熱
処理する際の最大の問題は、熱分解して塩化水素を脱離
したりダイオキシン類を生成したりする点である。本発
明は、この熱分解において発生する塩化水素を、重金属
含有物質と反応させることにより重金属含有物質、特に
重金属含有土壌中に含まれるナトリウム、カリウム、重
金属類、特に鉛を塩化物として揮発分離し、重金属含有
土壌を無害化するものである。ここで、重金属含有土壌
中の重金属類は、塩化物、酸化物等様々な形態で含まれ
ていると考えられ、その存在割合は様々な要因に影響さ
れる。例えば、都市ごみ及び産業廃棄物等焼却炉から排
出された焼却灰を含む土壌の場合には、原料であるごみ
及び廃棄物の質、炉型式、運転条件、排ガス処理方法等
で、その土壌に含まれる重金属の種類及び濃度は変化す
る。一方、工場跡地の場合にはその工場の使途等で、そ
の土壌に含まれる重金属の種類及び濃度は変化する。従
って、上記第1物質に添加する第2物質の量は、第1物
質の化学組成、含まれる重金属の種類及び量、目標とす
る除去率に応じて決定される。
【0048】第1物質に添加される第2物質の量は、第
1物質の化学組成、含まれる重金属の種類及び量、目標
とする除去率に応じて決定されるが、第1物質中に存在
するアルカリ金属及び重金属類が、加熱条件下で塩化物
として揮発するのに十分な量であることが望ましい。
【0049】また、第1物質に添加混合する第2物質が
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩素成分を含
有するプラスチック類の場合には、塊状、シート状であ
っても差し支えないが、重金属の揮発を効果的に行うた
めには、予め粉砕処理を行い粉状とした後に添加混合す
ることが望ましい。第2物質がアルカリ土類金属の塩化
物である場合には、潮解性が著しいので、十分に乾燥し
たものを粒子状のまま添加することができる。水溶液と
して重金属含有土壌に添加混合する場合には、土壌中に
塩素成分が均一に分散し塩化揮発の反応を促進する利点
があるものの、加熱炉内に水分を持ち込みやすくなるの
で、予め十分に乾燥させることが望ましい。
【0050】上記加熱処理により、第1物質に含まれて
いた重金属類は、順次、塩化鉛、塩化砒素、塩化アンチ
モン、塩化亜鉛等の塩化物を形成し、各々の重金属塩化
物の揮発温度で揮発する。そして、重金属塩化物を含有
する加熱炉1内のガスは、導管8A〜8Dから抽気さ
れ、冷却装置12で急冷された後ダスト状として集塵装
置13によって集塵除去し(ステップS4)、周囲環境
へ漏洩を防止する。捕集された重金属含有ダストから
は、本発明とは別の処理工程でさらに純度の高い人工鉱
石として山元還元することが可能である(ステップS
5)。
【0051】ところで、上記方法によって重金属の除去
率を向上させるためには、過剰の塩素成分を添加する必
要があるため、重金属が揮発した後の土壌中には塩素成
分がかなり過剰に残留している。過剰の塩素成分の残留
は、後の窯業原料として再資源化する上において好まし
くない。そこで、この過剰塩素成分を除去するため、ア
ルカリ金属を含有する物質、例えばアルカリ金属の炭酸
塩、有害重金属成分を含有しない廃ガラス等を、供給部
11から導管8Eを介して加熱炉1内を移動する被加熱
物に添加する。重金属の揮発が終了した物質とアルカリ
金属を含有する物質との混合物は、移動機構5の回転に
伴い、加熱炉1の高温帯へ移動する。すると、第1物質
と第2物質の混合物中に過剰に残留していた塩素成分
は、アルカリ金属を含有する物質のアルカリ金属、例え
ばNaやKと高温で反応し、NaCl及びKClとして
揮発する。これら揮発したアルカリ塩化物は、一次処理
で揮発した重金属塩化物と同様、導管8Fから抽気され
後段の冷却装置12Fで急冷されて固体のダスト状物と
なり、集塵装置13Fでアルカリ塩化物及び重金属塩化
物含有ダストとして捕集される。捕集されたアルカリ金
属含有ダストは、本発明とは別の水洗処理工程で塩水と
して排水されるか、またはその塩水からNaCl及びK
Clを除去した後に排水される。
【0052】このようにして、第1物質から重金属類が
除去され、かつまた塩素成分を含有しない物質は、セメ
ント製造用の原料の一部、コンクリート製造用の人工骨
材、タイル及びレンガ等の窯業製品の原料として再生利
用できる(ステップS6)。
【0053】次に、本発明にかかる重金属含有物質の無
害化方法及び加熱炉を実施例に基づいてさらに具体的に
説明する。
【0054】本実施例では、重金属を含有した工場跡地
より採集した土壌を使用した。この重金属含有土壌には
塊状のコンクリート片が含まれていたので、まず、ふる
い目40mmのふるいを用いて異物の除去を行った。該
前処理土壌に塩化カルシウムを重金属含有土壌に対して
外割で約9重量%の割合で添加し、続いてドラム型の乾
燥装置及びボールミルを用いて乾燥、粉砕及び混合を行
った。乾燥状態の重金属含有土壌中のPbO及びCdO
の濃度は、各々460ppm及び1ppmであった。
【0055】乾燥後の重金属含有土壌を、外筒のレンガ
内径600mm、内筒の内径200mm、長さ6mで、
内筒に4本の導管を有する加熱炉へ1時間300kgの
割合で供給した。処理土壌中に残留する塩素成分を揮発
させるためのアルカリ金属を含有する物質にはNa2
3を用い、重金属含有土壌に対して外割で約1.5重
量%の割合で内筒に接続された第3の導管(低温域から
数えて3番目の導管)から添加した。
【0056】その結果、第1の導管からはPbCl
2が、第2の導管からはCdCl2が、第4の導管からは
NaClが排出された。処理後に回収した土壌中のPb
O及びCdOの濃度を測定した。各々の濃度は13pp
m及び0.12ppmであり、除去率は97%及び88
%であった。さらに、処理後の土壌中のCl濃度は約1
00ppm程度にまで低減することができた。
【0057】次に、本発明にかかる重金属含有物質の無
害化方法及び加熱炉のもう一つの実施の形態について説
明する。
【0058】図3は、本発明にかかる重金属含有物質の
無害化方法を実施するにあたって使用する加熱炉及び付
帯設備の他の実施例を示し、この加熱炉21は、外筒2
2と内筒23とからなる間接加熱方式の二重構造の炉体
24と、被加熱物を加熱するための図示しない熱発生装
置を備える。
【0059】炉体24の内筒23には、本発明にかかる
重金属含有物質の無害化方法で処理される重金属含有物
質(以下、「第1物質」という)を供給するための供給
シュート(第1供給手段)29が設けられる。また、内
筒23には、第1物質から重金属類を塩化揮発させるた
めの塩素系ガス(第2物質)を供給する供給管(第2供
給手段)27が接続される。内筒23には、さらに、第
1物質から揮発した重金属を炉体24から排出する導管
(第1排出手段)32と、加熱物を図示しない排出装置
(第2排出手段)を介して加熱炉21外に排出するため
の排出シュート33が接続される。
【0060】内筒23内には、供給シュート29から供
給された第1物質を排出シュート24まで移動させるた
めの図示しない輸送手段が設けられる。この輸送手段
は、内筒23内で第1物質を塩素系ガスと効率よく接触
させながら排出シュート24まで移動させるものであれ
ばよい。また、第2物質と第1物質をできるだけ均一に
接触させるため、内筒23の内壁に第2物質の滞留時間
を長くすることができるようなガイド板等を設けるのが
好ましい。
【0061】尚、図3では、1本の導管32のみを描い
ているが、図1に示した実施例のように 複数の導管
を、間接加熱中の内筒23内の温度分布データに基づい
て重金属含有土壌等に含まれる複数種の重金属の塩化物
の揮発温度に対応する位置に設けてもよい。
【0062】導管32の下流側には、揮発した重金属の
塩化物等を含有するガスを急冷するための冷却装置30
と、急冷によりダスト状となった重金属塩化物を集塵す
るバッグフィルター等の集塵装置31とが設けられる。
これら冷却装置30及び集塵装置31は、上記実施例と
同様のものを設置することができ、複数の導管を設けた
場合には、各々の導管毎に独立して冷却装置30及び集
塵装置31を配置することが好適である。
【0063】加熱炉21には、第1物質に含まれる水分
を除去するための水分除去装置28が付設される。水分
除去装置28は、種々の型式の乾燥装置等を使用するこ
とができる。また、加熱炉21には、第2物質としての
塩素系ガスを発生させるガス発生装置25と、ガス発生
装置25で発生したガスに含まれる水分を除去するため
の水分除去装置26が設けられる。
【0064】ガス発生装置25は、焼却炉、部分燃焼ガ
ス化炉、熱分解ガス化炉、乾留ガス化炉、ガス化溶融炉
等から選択されるが、できるだけ塩素成分を含有するガ
ス中の塩素濃度が高いことが望ましく、塩化ビニル、塩
化ビニリデン等の塩素を含有するプラスチック等を熱分
解ガス化炉、乾留ガス化炉等で加熱処理することが好ま
しい。
【0065】次に、上記構成を有する加熱炉21を利用
した本発明にかかる重金属含有物質の無害化方法の実施
の形態について、図3を参照しながら説明する。
【0066】第1物質は、上記実施例と同様に、都市ご
み等の一般廃棄物焼却施設から排出される焼却主灰等で
ある。この第1物質には、無害化後の再利用の便宜を図
るため、加熱処理前に、SiO2、Al23、CaO及
びFe23等の成分調整材を添加混合することが好まし
い。また、第2物質には、上述のように、塩化ビニル、
塩化ビニリデン等の塩素を含有するプラスチック等を加
熱処理した際の発生する塩素系ガスが使用される。
【0067】上記塩素系ガスをガス発生装置25から加
熱炉21へ供給するが、供給前に水分除去装置26にお
いて塩素系ガスから水分を除去する。一方、上記成分調
整材を添加混合した第1物質を供給シュート29から加
熱炉21へ供給する。そして、塩素系ガスの存在下で第
1物質を加熱炉中で700℃〜1300℃の温度で間接
加熱し、第1物質中の重金属を揮発分離する。加熱炉2
1の内部の水分含有率は、第1物質の乾燥重量のおおむ
ね2.0重量%未満であることが必要で、2.0重量%
以上となると重金属の除去率が大きく低下する。
【0068】上記加熱処理により、第1物質に含まれて
いた重金属類は、順次、塩化鉛、塩化砒素、塩化アンチ
モン、塩化亜鉛等の塩化物を形成し、各々の重金属塩化
物の揮発温度で揮発する。そして、重金属塩化物を含有
する加熱炉21内のガスは、導管32から抽気され、冷
却装置30で急冷された後ダスト状として集塵装置31
によって集塵除去し、周囲環境へ漏洩を防止する。捕集
された重金属含有ダストからは、本発明とは別の処理工
程でさらに純度の高い人工鉱石として山元還元すること
ができる。
【0069】第1物質と第2物質(塩素系ガス)との混
合比は、第1物質中に存在するアルカリ金属及び重金属
類が塩化物を形成するに十分な量の塩素となるように混
合する必要がある。具体的には、第1物質の化学組成に
より異なり、変動するので、これらの条件に応じて混合
比を選定する必要がある。
【0070】次に、上記重金属含有物質の無害化方法及
び加熱炉を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。
【0071】本実施例では、浄化処理対象の土壌とし
て、重金属を含有した工場跡地より採集した土壌を使用
した。この重金属含有土壌には塊状のコンクリート片が
含まれていたので、まず、ふるい目40mmのふるいを
用いて異物の除去を行った。続いて、ドラム型の乾燥装
置及びボールミルを用いて乾燥及び粉砕を行った。この
土壌中の亜鉛濃度が1000ppmとなるように、工業
試薬のZnOを添加混同した。そして、このZnO含有
土壌を水を添加しながらパン型ペレタイザに供給し、平
均粒径15mmの球状のペレットを造粒した。
【0072】この造粒体を乾燥した後、図4に示すよう
に、間接加熱式の管状電気炉43の炉心管の均熱帯に充
填し、除湿器42によって除湿した塩素ガスボンベ41
からの塩素ガスを流通しながら室温から1300℃まで
昇温して加熱処理した。加熱時に流通した塩素ガス中の
含水率は、0.6体積%未満であった。冷却後、電気炉
から取り出した亜鉛の除去率は85%以上であった。
【0073】以上、本発明にかかる重金属含有物質の無
害化方法及び加熱炉、並びに加熱処理後に窯業製品とす
る方法について述べたが、本発明によれば、今日大きな
社会問題となっている重金属汚染土壌や焼却灰等を無害
なものとするのみならず、資源として再生させることが
可能となる。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
重金属類を含有する土壌、焼却処理設備から排出された
焼却灰及び焼却灰を含有する重金属含有物質中の重金属
をほとんど揮発分離することができ、重金属類を含まな
い加熱処理後の物質は、窯業製品の原料として再生利用
できるとともに、揮発分離した重金属類は山元還元する
ことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる加熱炉の一実施例を示す概略断
面図及び付帯設備を示す図である。
【図2】本発明にかかる重金属含有物質の無害化方法の
処理フローを示すフローチャートである。
【図3】本発明にかかる加熱炉の他の実施例を示す概略
断面図及び付帯設備を示す図である。
【図4】図3の加熱炉を使用した重金属含有物質の無害
化方法の実施例を説明するための概略図である。
【符号の説明】
1 加熱炉 2 外筒 2a 排ガスダクト 3 内筒 4 炉体 5 移動機構 6 駆動機 7 熱発生装置 8(8A〜8F) 導管 9 供給シュート 10 排出シュート 11 供給部 12(12A〜12D、12F) 冷却装置 13(13A〜13D、13F) 集塵装置 21 加熱炉 22 外筒 23 内筒 24 炉体 25 ガス発生装置 26 水分除去装置 27 供給管 28 水分除去装置 29 供給シュート 30 冷却装置 31 集塵装置 32 導管 33 排出シュート 41 塩素ガスボンベ 42 除湿器 43 管状電気炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F23G 7/14 F23J 15/00 K F23J 15/06 Fターム(参考) 3K070 DA05 DA27 DA35 DA45 4D004 AA36 AA37 AA41 AB03 AC04 BA05 CA22 CA27 CA32 CA34 CB05 CB08 CB31 CC01 CC11 DA03 DA06

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一種以上の重金属を含有する第1物質
    と、塩素成分を含有する第2物質とを間接加熱し、前記
    第1物質から揮発した重金属を除去することを特徴とす
    る重金属含有物質の無害化方法。
  2. 【請求項2】 前記第1物質及び第2物質を700℃乃
    至1300℃で間接加熱することを特徴とする請求項1
    に記載の重金属含有物質の無害化方法。
  3. 【請求項3】 前記第1物質と前記第2物質とを移動さ
    せながら間接加熱することを特徴とする請求項1または
    2に記載の重金属含有物質の無害化方法。
  4. 【請求項4】 前記第2物質は塩素系ガスであって、該
    塩素系ガスの存在下で前記第1物質を間接加熱すること
    を特徴とする請求項1、2または3に記載の重金属含有
    物質の無害化方法。
  5. 【請求項5】 前記第2物質としての塩素系ガスのガス
    源が、焼却炉、部分燃焼ガス化炉、熱分解ガス化炉、乾
    留ガス化炉、ガス化溶融炉から選ばれる少なくとも一種
    であることを特徴とする請求項4に記載の重金属含有物
    質の無害化方法。
  6. 【請求項6】 前記第1物質が、一般廃棄物焼却施設か
    ら排出される焼却主灰、飛灰、産業廃棄物中間焼却処理
    施設から排出される焼却主灰、飛灰、上記焼却灰を含有
    する焼却処理施設周辺の土壌、重金属を含有する稼動中
    または休止中の工場の敷地土壌、工場跡地の土壌、人為
    的に調製された重金属を含有する土壌と天然の土壌との
    混合物から選ばれる少なくとも一種であることを特徴と
    する請求項1乃至5のいずれかに記載の重金属含有物質
    の無害化方法。
  7. 【請求項7】 前記第2物質が、塩素を含有するプラス
    チック、塩素を含有するプラスチックを加熱する際に発
    生する塩素系ガス、アルカリ土類の塩化物から選ばれる
    少なくとも一種であることを特徴とする請求項1乃至6
    のいずれかに記載の重金属含有物質の無害化方法。
  8. 【請求項8】 前記第1物質から揮発した重金属の塩化
    物を含有するガスを急冷し、該重金属の塩化物をダスト
    状とした後、該ダストを集塵することを特徴とする請求
    項1乃至7のいずれかに記載の重金属含有物質の無害化
    方法。
  9. 【請求項9】 前記間接加熱中の第1物質及び第2物質
    にアルカリ金属元素を含有する物質を添加し、前記第1
    物質と第2物質の混合物中の塩素成分をアルカリ塩化物
    として除去することを特徴とする請求項1乃至8のいず
    れかに記載の重金属含有物質の無害化方法。
  10. 【請求項10】 前記第1物質及び第2物質を間接加熱
    する前に、前記第1物質及び前記第2物質から水分を除
    去するとともに、前記間接加熱にあたって気体を導入す
    る場合には、該気体から予め水分を除去することを特徴
    とする請求項1乃至9のいずれかに記載の重金属含有物
    質の無害化方法。
  11. 【請求項11】 前記重金属は、鉛、カドミウム、水
    銀、砒素、セレン、アンチモン、亜鉛、銅から選ばれる
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の
    重金属含有物質の無害化方法。
  12. 【請求項12】 前記第1物質及び第2物質を間接加熱
    する前に、前記第1物質または第2物質に、SiO2
    Al23、CaO、Fe23から選ばれる少なくとも一
    種の化学成分を調整するための成分調整材を添加するこ
    とを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の重
    金属含有物質の無害化方法。
  13. 【請求項13】 一種以上の重金属を含有する第1物質
    を供給する第1供給手段と、 塩素成分を含有する第2物質を供給する第2供給手段
    と、 前記第1供給手段及び第2供給手段によって供給された
    前記第1物質及び第2物質を間接加熱する炉体と、 前記第1物質から揮発した重金属を前記炉体から排出す
    る第1排出手段と、 前記第1物質及び第2物質の加熱物を前記炉体から排出
    する第2排出手段とを備えることを特徴とする加熱炉。
  14. 【請求項14】 前記第2供給手段は、ガス発生装置に
    おいて発生した前記第2物質を供給することを特徴とす
    る請求項13に記載の加熱炉。
  15. 【請求項15】 前記第1物質及び第2物質を前記炉体
    内で移動させる移動手段を備えることを特徴とする請求
    項13または14に記載の加熱炉。
  16. 【請求項16】 前記炉体は、外筒と内筒とからなる二
    重構造を有し、前記移動手段は、前記第1物質及び第2
    物質を前記内筒内で移動させる移動機構を有し、前記第
    1排出手段は、前記内筒に接続された複数の導管を有す
    ることを特徴とする請求項15に記載の加熱炉。
  17. 【請求項17】 前記内筒に接続される複数の導管を、
    間接加熱中の前記内筒内の温度分布データに基づき、前
    記第1物質に含まれる複数種の重金属の塩化物の揮発温
    度に対応する位置に設けたことを特徴とする請求項16
    に記載の加熱炉。
  18. 【請求項18】 前記内筒に接続される複数の導管の少
    なくとも1つに、前記第1物質から揮発した重金属の塩
    化物を含有するガスを急冷する冷却手段と、急冷により
    ダスト状となった重金属塩化物を集塵する集塵手段とを
    備えたことを特徴とする請求項16または17に記載の
    加熱炉。
  19. 【請求項19】 前記炉体にアルカリ金属元素を含有す
    る物質を供給する第3供給手段と、 該第3供給手段から供給されたアルカリ金属元素を含有
    する物質のアルカリ金属と、前記第1物質と第2物質の
    混合物中の塩素成分とが反応して揮発したアルカリ塩化
    物を前記炉体から排出する第3排出手段とを備えたこと
    を特徴とする請求項16、17または18に記載の加熱
    炉。
  20. 【請求項20】 前記第1物質及び第2物質を間接加熱
    する前に、前記第1物質もしくは前記第2物質またはこ
    れらの両方から水分を除去する水分除去手段を備えたこ
    とを特徴とする請求項13乃至19のいずれかに記載の
    加熱炉。
  21. 【請求項21】 前記炉体内の水分量を制御する制御手
    段を備えたことを特徴とする請求項13乃至20のいず
    れかに記載の加熱炉。
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