JPH10202221A - 焼却灰または飛灰の無害化処理方法 - Google Patents

焼却灰または飛灰の無害化処理方法

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JPH10202221A
JPH10202221A JP9007804A JP780497A JPH10202221A JP H10202221 A JPH10202221 A JP H10202221A JP 9007804 A JP9007804 A JP 9007804A JP 780497 A JP780497 A JP 780497A JP H10202221 A JPH10202221 A JP H10202221A
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達男 後藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼却灰または飛灰から重金属類を除去して無
害化するための処理方法を提供する。 【解決手段】 焼却灰または飛灰を水分とともに混合機
3で混練する。この混練物を400℃以下の温度で分解
する塩化物4の存在下で該塩化物4の分解温度以上40
0℃以下の温度に加熱炉5で加熱して焼却灰または飛灰
中に含まれる重金属類を金属塩化物とする。その後、前
記加熱温度から1100℃まで徐々に昇温して前記金属
塩化物を揮発させてバグフィルター8で捕集する。残っ
た焼却灰または飛灰を高温炉9に供給してさらに高温で
溶融してスラグ化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物を再資源化
するために焼却灰または飛灰から重金属類を除去して無
害化するための処理方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】産業廃棄物および都市
生活からの廃棄物等の内、可燃物は回収後、焼却炉で焼
却されて焼却灰の形態として投棄及び埋設処分などに付
されている。その一方、このような廃棄物を燃焼する
と、各種成分中の低沸点物質が揮散し、いわゆる飛灰と
なるが、この飛灰は、前記焼却灰に比べて鉛(Pb)、
カドミウム(Cd)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、
砒素(As)、水銀(Hg)などの重金属類などを多く
含むので、一般廃棄物として埋め立てることができない
ばかりか、外部環境に拡散させないために消石灰などを
担持させたバグフィルターなどによりこれを捕集してい
る。このような飛灰は、環境衛生上厳重な管理が必要と
され、そのままでは投棄したり埋め立て資材として利用
することはできず、重金属類を水に不溶化してセメント
などとともにコンクリート成形体として投棄するなどさ
れている。
【0003】しかしながら、近年、産業廃棄物や一般家
庭からの廃棄物の量は増加の一途であり、既存の処分場
の飽和化と環境汚染の問題等から、処分場用地の確保が
困難となっており、焼却灰、飛灰などをコンクリート成
形体として基礎などとして再利用することが検討されて
いるが、コンクリート成形体中の重金属類は、酸性雨な
どの影響も考慮すると必ずしも安定化されておらず、重
金属類が溶出することによる環境汚染が懸念されるた
め、これらを十分に除去する必要が生じた。
【0004】一方、焼却炉からの焼却灰や飛灰を溶融処
理することにより減容化やダイオキシン類の熱分解を図
ることが行われているが、上記溶融処理においては蒸気
圧の大きい鉛やカドミウム等の重金属は、炉内で揮発し
て排ガス中に入り、排ガスに入った重金属は排ガス処理
設備内で凝縮し、再び飛灰となってしまうという問題点
があった。
【0005】このような焼却灰又は飛灰から塩化物とし
て重金属類を除去する処理方法として、特開平7−16
3965号公報には、重金属を含む廃棄物を焼却し、燃
焼排ガスをバグフィルターで処理する方法において、焼
却前の廃棄物に塩化物を混入させて焼却し、廃棄物中の
重金属を金属塩化物にして燃焼排ガス中に飛散させた
上、燃焼排ガス中に重金属の捕集剤を噴霧してバグフィ
ルターで前記重金属の金属塩化物を除去する廃棄物の処
理方法が開示されている。
【0006】しかしながら、この廃棄物の処理方法で
は、焼却前の廃棄物に塩化物を混入するものであるた
め、廃棄物の容積が大きく十分な効果を得るには塩化物
を多量に混入しなければならないという問題点があっ
た。また、重金属類を金属塩化物とする焼却工程を80
0〜900℃で行っているが、このような高温では重金
属類は塩化物と反応するだけでなく、例えば鉛は二酸化
ケイ素と反応してケイ酸鉛となるなどケイ素酸化物等と
も反応してケイ酸化合物も生成する。このケイ酸鉛など
のケイ酸化合物は沸点が例えば約1700℃と高いの
で、その除去が困難となり、このため重金属類を完全に
除去することはできないという問題点がある。
【0007】また、特開平7−214029号公報に
は、重金属を含有する焼却灰または飛灰を、塩素換算量
で少なくとも2wt%の塩化物の存在下で加熱処理して重
金属分を塩化物として揮発させることにより重金属を飛
灰中に濃縮する第1工程、および得られた飛灰を水性液
中に溶解し、さらに中和処理することによって重金属分
を固形沈殿物中に捕集した後、固液分離し、固形沈殿物
中の重金属分を回収する第2工程、からなる焼却灰また
は飛灰の無害化処理による重金属のリサイクル方法が開
示されている。
【0008】しかしながら、この重金属のリサイクル方
法では、重金属類を塩化物の存在下で加熱処理して金属
塩化物としているため、重金属類と塩化物とを反応させ
るには、やはり電気炉、アーク炉、バーナー炉、プラズ
マ炉、低周波炉あるいは高周波炉などで800〜900
℃に加熱する必要があるため、重金属類が塩化物と反応
するだけでなく、二酸化ケイ素などのケイ素酸化物とも
反応し、その結果生成されるケイ酸化合物の除去が困難
になるという問題点がある。
【0009】さらに、特開平8−35018号公報に
は、廃棄物の燃焼により発生する塩素をCaCl2 とし
て固定化して含有する飛灰からの金属の回収方法であっ
て、a)該飛灰を酸化雰囲気下で剪断力を加えながら加
熱し、CaCl2 の分解により発生する塩素及び塩化水
素と飛灰中に含有される金属成分とを反応させ、b)こ
れにより生成し揮発する金属塩化物を、吸収液と接触さ
せて溶解回収し、c)得られた回収液から溶存金属を分
別的に回収する、飛灰からの金属の回収方法が開示され
ている。
【0010】この飛灰からの金属の回収方法は、飛灰中
に含まれるCaCl2 を利用し、このCaCl2 を分解
して得られる塩素及び塩化水素などの塩素系ガスと、金
属成分とを反応させるものであるが、CaCl2 は安定
な塩化物であるので、普通は600〜1000℃では分
解せず、塩素や塩化水素を発生しないため、重金属類の
除去効果があまり得られないという問題点がある。これ
は、この方法はいわゆる塩化焙焼と呼ばれるものであ
り、硫黄酸化物などの存在する雰囲気下で塩化物ととも
に焙焼するものであるので、600〜1000℃の温度
では硫黄酸化物とCaCl2 とが反応して塩素や塩化水
素などが発生するが、それ以外の条件ではさらに高温に
まで加熱しなければCaCl2 が分解しないためであ
る。したがって、この方法は硫黄酸化物などを含む雰囲
気下でなければ十分な効果が期待できないものである。
また、重金属類の硫酸化物は塩素や塩化水素などのガス
と塩素系のガスとは反応しないため、この方法は重金属
類の硫酸化物を除去するのには適しないという問題点が
ある。
【0011】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、焼却灰または飛灰から重金属類を除去して無害化
するための処理方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の焼却
灰または飛灰の無害化処理方法は、水酸化カルシウムを
含有する焼却灰または飛灰から重金属類を除去する無害
化処理方法であって、焼却灰または飛灰を水分とともに
混練する第1工程と、この混練物を400℃以下の温度
で分解する塩化物の存在下で該塩化物の分解温度以上4
00℃以下の温度に加熱して焼却灰または飛灰中に含ま
れる重金属類を金属塩化物とする第2工程と、1100
℃まで昇温して前記金属塩化物を揮発させて回収する第
3工程とからなるものである。
【0013】このような構成を採用することにより、ま
ず第1工程において、焼却灰または飛灰を水分とともに
混練すると、焼却灰または飛灰中の水酸化カルシウムと
重金属類とが反応して、重金属類の水酸化物あるいは塩
基性炭酸塩が形成される。そして、第2工程において、
塩化物の分解温度以上400℃以下の温度に加熱するこ
とにより塩素ガスあるいは塩化水素ガスなどの塩素系ガ
スを発生させると、前述した重金属類の水酸化物とこの
塩素系ガスとが効率よく反応して重金属類を金属塩化物
とすることができる。この際の重金属類の塩化物化を4
00℃以下の温度としているので、400℃以下の温度
では重金属類と塩素系ガスとは固体と気体であるので迅
速に反応するが、ケイ素酸化物等の固体とは反応しない
ため、高沸点の重金属のケイ酸化合物を生成することが
ない。そして、その後の第3工程において1100℃ま
で昇温することにより、沸点の低い重金属類の金属塩化
物を揮発させてこれを回収するができる。これにより、
焼却灰又は飛灰中の重金属類を効率よく除去することが
できる。
【0014】また、本発明の請求項2の焼却灰または飛
灰の無害化処理方法は、前記第3工程の後に、残った焼
却灰または飛灰をさらに高温で溶融してスラグ化する第
4工程を有するものである。このため、残った焼却灰ま
たは飛灰を重金属の含有量の少ないスラグとして減容化
することができる。
【0015】
【発明の実施形態】以下、本発明の焼却灰または飛灰の
無害化処理方法について詳細に説明する。本発明におい
て処理対象となる焼却灰とは、焼却炉の底部に残存する
底灰といわれるものであり、重金属類などの有害物質の
含有量が比較的低いものである。この焼却灰としては、
都市ゴミ焼却場で発生するものに限らず、地下水処理場
や産業廃棄物処理場から発生するものなど重金属類を含
有する全てのものが含まれる。また、本発明において飛
灰とは、ごみは焼却されるとごみの各種成分中の低沸点
物質が揮散するが、これをフィルターなどで捕集したも
のであり、前記焼却灰に比べて鉛(Pb)、亜鉛(Z
n)、砒素(As)、水銀(Hg)などの重金属類など
を多く含むものである。なお、この飛灰は消石灰(水酸
化カルシウム)を担持したバグフィルターなどにより捕
集されるため、その成分中に消石灰あるいはその中和剤
である塩化カルシウムなどを多く含有する。本発明は、
焼却灰または飛灰中に含まれる水酸化カルシウムを利用
し、重金属類を除去して無害化処理するものである。
【0016】本発明においては、まず、第1工程として
焼却灰又は飛灰に水分を加えてそのままあるいは焼却灰
のようにそこに含有される水酸化カルシウムの量が不足
している場合には必要に応じて水酸化カルシウムを適宜
添加した後混練する。この水分としては純水に限らず、
焼却灰又は飛灰に水分を供給できれば汚水であってもよ
いし、あるいは水蒸気であってもよい。このように焼却
灰又は飛灰を水酸化カルシウムの存在下で水分とともに
混練すると、該焼却灰又は飛灰中の重金属類、その酸化
物及び硫酸化物などの化合物は、水酸化カルシウムと迅
速に反応して、重金属類の水酸化物や塩基性炭酸塩を形
成する。例えば、硫酸鉛と水酸化カルシウムとの間では
下記の反応が生じる。
【0017】PbSO4 +Ca(OH)2 →CaSO4
+Pb(OH)2 他の重金属類もこれと同じような反応により水酸化カル
シウムと反応して水酸化物となる。なお、重金属類は水
酸化カルシウムと反応して水酸化物となりやすく、この
ため、従来のようにバグフィルターなどにより捕集した
飛灰をコンクリート成形体とすると、重金属類が容易に
水酸化物となって水溶化し溶出する原因となっていた。
本発明においてはこの鉛などの重金属類と水酸化カルシ
ウムとの易反応性を利用する。
【0018】この焼却灰又は飛灰と水分との配合割合
は、混練可能であれば特に制限はないが、焼却灰又は飛
灰100重量部に対して水分3〜100重量部とすれば
よい。水分が3重量部未満では十分な混練性及び重金属
類の水酸化の効果が得られない一方、100重量部を超
えると水分が多くなり過ぎて後述する加熱工程の効率が
低下する。なお、湿灰(湿り気をおびた灰)のときに
は、焼却灰又は飛灰に対する水分の割合が上記範囲内で
あればそのまま用いることができる。
【0019】この際、塩化物を添加する。この塩化物
は、所定の温度で分解して塩素ガス、塩化水素ガスある
いはその他の塩素系のガスを発生する化合物であるが、
例えば塩化カルシウムなど高温で分解するものを用いる
と、該分解温度条件下においては、重金属類の水酸化物
が分解により発生する塩素系ガスと反応するだけでな
く、二酸化ケイ素などのケイ素酸化物などとも反応す
る。そして、この結果生じる重金属類のケイ酸化合物は
沸点が高く揮発による除去が困難となる。これが従来、
重金属類を十分に除去することの障害となっていた。こ
のため、本発明においては、このような重金属類と二酸
化ケイ素などのケイ素酸化物との反応が生じない400
℃以下の温度で分解する塩化物を用いることとした。上
述したような400℃以下の温度で分解する塩化物とし
ては、例えば、塩化アンモニウム、塩化アルミニウム、
塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル、
塩化ビニリデンなどを用いることができる。なお、塩素
化ポリエチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどの高
分子系の塩化物の場合には、未使用のものを用いる必要
はなく、廃棄処理物でよい。この塩化物は、前述した焼
却灰または飛灰を水分とともに混練した後添加すればよ
いが、高分子系の塩化物の場合には、水分とともに混練
する前あるいは混練中に添加してもよい。
【0020】上述したような塩化物の配合割合は、焼却
灰又は飛灰100重量部に対して、塩素換算で1〜5重
量部程度である。塩化物が1重量部未満では後述するよ
うに重金属類の水酸化物を余す事なく反応するのが困難
である一方、5重量部を超えてもそれ以上の効果が得ら
れないばかりか,後述する第2工程において未反応の塩
素ガスの量が増加するため好ましくない。
【0021】次に、第2工程としてこの混練物を前記塩
化物の分解温度以上400℃以下の温度に加熱する。こ
の工程において前記塩化物が分解し塩素系のガスが発生
し、この塩素系のガスと重金属類の水酸化物とが反応し
て、重金属類の塩化物を生じる。例えば塩化水素や塩素
ガスと重金属類との間では以下の反応が起こる。
【0022】 M(OH)2 +2HCl→MCl2 +2H2 O 2M(OH)2 +2Cl2 →2MCl2 +2H2 O+O2 (式中、Mは、Pb,Cd,Cuなどの重金属) この400℃以下での重金属の水酸化物の塩化物化の過
程においては、重金属と他の固体状態の化合物との間で
はほとんど反応が生じないが、気体である塩素系ガスと
の間では迅速に反応する。このため、前述した第1工程
で生成した重金属類の水酸化物は、ケイ素酸化物などと
反応することなく、高効率で塩化物化されることにな
る。
【0023】そして、第3工程において1100℃ま
で、好ましくは前記第2工程の加熱温度から1100℃
まで徐々に昇温する。このように徐々に昇温することに
より、仮に第2工程で未反応の重金属の水酸化物が残存
したとしても、この第3工程の初期段階で完全に塩化物
化することができる。そして、生成した重金属の塩化物
を揮発させる。この結果、焼却灰、飛灰中に残存する重
金属類は大幅に減少し、焼却灰または飛灰を無害化する
ことができる。また、このように徐々に加熱することに
より塩素も除去されるため、ダイオキシンの生成を抑制
することができるばかりか、次第に高温になるにつれて
生成したダイオキシンを分解することができるという効
果も奏する。上述したような第3工程は、前記塩化物を
1100℃まで連続的に昇温させてもよいし、複数の段
階で段階的に昇温させてもよい。この場合、重金属の塩
化物は1100℃まで加熱すれば完全に除去することが
可能であるが、850℃程度の温度でも十分に揮発する
ので、はじめに850℃までの温度で重金属類を塩化物
として十分に揮発除去し、その後850℃〜1100℃
に加熱してその他の無機塩類を主に揮発除去することに
より、重金属類とその他の塩類とを分別回収することが
できる。なお、この工程で揮発させた重金属類や塩類
は、例えば、この揮発成分を冷却することにより捕集し
て回収することができる。
【0024】このようにして重金属類を除去した後は、
第4工程として、残った焼却灰または飛灰をさらに高
温、具体的には1200〜1600℃程度に加熱するこ
とにより重金属の含有量の少ないスラグとすることがで
きる。
【0025】このようにして重金属類を除去した焼却灰
または飛灰、あるいはそのスラグは、ポルトランドセメ
ント、砂、砂利などに配合してコンクリートブロック化
するのに好適である。このようにして得られるコンクリ
ートブロックにおいては、焼却灰または飛灰中の重金属
類がに除去されているので、これら重金属類の溶出のお
それがなく、しかも塩類も除去されているので、塩害に
よりコンクリート成形体の強度が低下したり脆化したり
することがないので、土木工事あるいは建築工事の基礎
道路の基礎、具体的には道路、建築物、グランド、競技
場などの基礎として有効利用を図ることができる。ま
た、コンクリートブロックに油性ペイントにより適当な
色彩や模様などを描写し、このコンクリートを配列する
ことにより所望の色彩や模様とすることにより、景観材
としても再利用も可能である。
【0026】上述したような本発明の焼却灰または飛灰
の無害化処理方法は、例えば、図1に示すように焼却灰
又は飛灰のタンク1から焼却灰又は飛灰を、水槽2から
水を混合機3に供給して十分に混練して重金属類を水酸
化する。次に、この混練物をこの混合機3から加熱手段
及び制御機構を備えた加熱炉5に塩化アルミニウムなど
の塩化物4とともに供給し、所定の温度で所定時間加熱
して重金属類の水酸化物を塩化物化した後、徐々に昇温
することにより排ガスダクト6から揮発成分Gを排出し
て冷却装置7で冷却してバグフィルター8で凝集した揮
発成分Gを捕集する。一方、固形残存物Sはアーク炉、
プラズマ炉などの高温炉9に供給してさらに高温に加熱
してスラグ化すればよい。
【0027】この際、前記加熱炉5には、高温炉9の余
熱を配分することにより、熱効率の向上を図ることがで
きる。特に、前記加熱炉5を円筒状として一端側を混合
機3からの供給部として塩化物の分解温度以上400℃
以下の温度とするとともに、他端側を高温炉9への吐出
部として1100℃となるように温度勾配をもって制御
することにより、第2工程及び第3工程を加熱炉5にお
いて連続して行うことができる。
【0028】以上、本発明の焼却灰または飛灰の無害化
処理方法について説明してきたが、本発明はこれに限定
されず、本発明の思想を逸脱しない範囲で種々の変更が
可能である。上述したような本発明の方法は、特に飛灰
の無害化処理方法として好適である。
【0029】
【実施例】以下の具体的実施例により本発明をさらに詳
細に説明する。例1 鉛化合物を鉛換算で2632mg/kgの割合で含有する試
験用焼却灰100gに対して水30ccを配合し混練し
た後、塩化アルミニウム5gを添加し、これを加熱炉に
導入して400℃に加熱し、続いて400℃から110
0℃まで60分間かけて徐々に昇温しながら加熱した。
この間の排ガスを随時採取してこの排ガス中からの鉛の
採集量(鉛換算)を測定した。この結果から温度と鉛の
残存率との関係を調べたところ、図2に示すように約5
50℃から鉛が減少し始め、650℃程度で急激に減少
し、1000℃程度ではその残存率が大幅に低下してい
るのが確認された。
【0030】
【発明の効果】本発明の請求項1の焼却灰または飛灰の
無害化処理方法は、水酸化カルシウムを含有する焼却灰
または飛灰から重金属類を除去する無害化処理方法であ
って、焼却灰または飛灰を水分とともに混練する第1工
程と、この混練物を400℃以下の温度で分解する塩化
物の存在下で該塩化物の分解温度以上400℃以下の温
度に加熱して焼却灰または飛灰中に含まれる重金属類を
金属塩化物とする第2工程と、1100℃まで昇温して
前記金属塩化物を揮発させて回収する第3工程とからな
るものであるので、焼却灰又は飛灰中の重金属類を効率
よく除去することができる。
【0031】また、本発明の請求項2の焼却灰または飛
灰の無害化処理方法は、前記第3工程の後に、残った焼
却灰または飛灰をさらに高温で溶融してスラグ化する第
4工程を有するものであるので、残った焼却灰または飛
灰を重金属の含有量の少ないスラグとして減容化するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の系統図である。
【図2】塩化物による鉛の除去状況を示すグラフであ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化カルシウムを含有する焼却灰また
    は飛灰から重金属類を除去する無害化処理方法であっ
    て、焼却灰または飛灰を水分とともに混練する第1工程
    と、この混練物を400℃以下の温度で分解する塩化物
    の存在下で該塩化物の分解温度以上400℃以下の温度
    に加熱して焼却灰または飛灰中に含まれる重金属類を金
    属塩化物とする第2工程と、1100℃まで昇温して前
    記金属塩化物を揮発させて回収する第3工程とからなる
    ことを特徴とする焼却灰または飛灰の無害化処理方法。
  2. 【請求項2】 前記第3工程の後に、残った焼却灰また
    は飛灰をさらに高温で溶融してスラグ化する第4工程を
    有することを特徴とする焼却灰または飛灰の無害化処理
    方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1669467A1 (de) * 2004-12-09 2006-06-14 BAM Bundesanstalt für Materialforschung und -prüfung Verfahren zur Abtrennung von Schwermetallen aus Klärschlammasche
WO2014073399A1 (ja) * 2012-11-12 2014-05-15 鳥取県 ガラスからの重金属の分離方法
JP2015178060A (ja) * 2014-03-19 2015-10-08 住友大阪セメント株式会社 排ガス処理方法及び処理装置

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