JP3893266B2 - 廃棄物の焼却プロセスにおける焼却残渣の無害化・再資源化方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物の焼却プロセスにおける焼却残渣の無害化・再資源化方法、及びその装置に関するものであり、更に詳しくは、燃焼排ガス中のダイオキシン類及びその前駆体を酸化触媒で分解し、回収・濃縮したHClを利用して、当該HClを焼却炉等に吹き込んで、排ガス中の重金属類を塩素化して揮散させ、これを回収することにより、焼却残渣の無害化と再資源化を可能とする、新しい廃棄物の焼却プロセスにおける焼却残渣の無害化・再資源化方法、及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般廃棄物の処理の現状について説明すると、国内における都市ごみの排出量は、経済成長と共に増加し、年間約5,000万トン(国民1人あたり約1,100g/日・人)に達し、現在も、ほぼ同じ水準で推移している。この中間処理方法についてみると、焼却法が圧倒的に多く、全体の72〜74%に及び、破砕・選別による資源化・高速堆肥などのその他の処理が、11%、残りの約700万トン(14%前後)が直接埋立て処分により処理されている。一方、都市ごみの再資源化率は、自治体・住民・団体等の度量により8〜10%と年々上昇する傾向にある。
【0003】
この中で、焼却処理に着目すると、国内の焼却施設は1,854施設あり、都市ごみは、これらの施設で約3,700万トン焼却されていることとなる。しかしながら、その処理後には、600〜650万トンの焼却残渣(焼却灰、飛灰)が発生し、現在は、そのほとんどが埋立て処分されている。そして、この量は、ごみの総埋立て量である約1,650万トンの36〜39%に相当する。しかも、首都圏におけるごみの総埋立て量に対する焼却残渣の埋立て処理の比率は46%と更に高くなり、今後、焼却等の中間処理の促進により一層この傾向が高まることが予想される。これに対して、新しい技術として、焼却残渣を溶融炉で溶融処理することにより焼却残渣の発生を低減しようとする試みも始まっているが、現状では、その割合は、発生した焼却残渣の量の約2〜3%程度である。
【0004】
一方、減量化・中間処理後の埋立て最終処分場は、全国に2,321ヶ所あるが、その残余容量は1億5,000m3 で、全国平均8年分と逼迫している。これに対して、首都圏では、人口過密地域を多く抱えることや埋立て用地の確保が他の地域よりも難しいことから、残余容量は5年分であり、より一層の都市ごみの減量化、及び焼却残渣の再資源化が要求される。そのため、不法投棄や不適正処理が後を絶たないどころか、第二、第三の「豊島」のような問題が発生する恐れがあり、悪循環に陥っている。また、埋立て処分場の残余容量・年数ばかりではなく、人工有害化学物質が持ち込まれる可能性や、処分場からの浸出水が周辺に及ぼす影響、環境ホルモンやダイオキシン問題など、今後の地球環境や生態系への影響との関連からも埋立て処分による問題は余りにも多い。
これらの社会的背景から、資源の有効利用を図ることで廃棄物の減量化を図る、いわゆる再資源化技術の開発が強く切望されている。
【0005】
次に、焼却残渣(焼却灰・飛灰)の法規制の背景を説明すると、まず、重金属類の処理については、焼却残渣の中の飛灰は、集塵装置から採取され、焼却灰に比較して有害重金属類、及びダイオキシン類が多く含まれる。このために、平成3年10月に廃棄物処理法の全面改正が行われ、上記飛灰は、重金属類を対象にした特別管理廃棄物に指定された。
全国のごみ焼却施設約1,900施設のうち、集塵施設で集められた飛灰は、厚生労働大臣の指定する溶融固化法、セメント固化法、薬剤処理法、また、溶媒抽出法のいずれかの方法で中間処理を行い、環境庁告示第13号「ごみ焼却施設ばいじん溶出基準」に従って最終埋立て処分をするか、又は再生利用をする場合は環境庁告示第46号「土壌環境基準」を目標とすることが、平成10年3月に定められている。
【0006】
また、ダイオキシン類の処理については、旧厚生省は、平成9年1月に排ガス中のダイオキシン類の削減を図るための対策として、新設のごみ焼却施設に対し、「焼却灰・飛灰の最終処分に係わる対策」の新ガイドラインを次のように通達した。
(1) 焼却灰・飛灰を対象とした溶融固化処理
(2) 飛灰を対象とした加熱脱塩素処理
以上の如く、焼却残渣は、ダイオキシン類の除去と重金属類の固定化を行うことが、法で規制されている。
【0007】
ところで、従来、焼却灰又は飛灰を無害化処理する方法として、例えば、焼却灰又は飛灰中に含まれる重金属類を、塩素系ガスの存在下で600℃未満にて塩化物とした後、昇温して重金属類の塩化物を揮発させて回収することを特徴とする焼却灰又は飛灰の無害化処理方法が提案されており、その具体的方法として、例えば、焼却灰又は飛灰を反応炉に供給し、この反応炉に焼却炉の排ガスを導入することにより、重金属類を塩素化し、その後、昇温することにより、その揮発成分を排出し、冷却、補集することが報告されている(特開平10−216670号公報)。
【0008】
しかしながら、上記文献には、燃焼排ガス中のダイオキシン類及びその前駆体を酸化触媒で分解し、回収・濃縮したHCl(10〜15%)を利用して排ガス中の重金属類を塩素化し、回収、除去する方法や、ダイオキシン類と重金属類の分解・除去を同時的に行う方法については開示されていない。
しかるに、当該技術分野においては、前述のように、焼却残渣については、前記の法的規制を踏まえ、ダイオキシン類の除去と重金属類の固定化を、有害物質の排出を伴うことなく、効率よく、しかも、低コストで同時的に実現できる、新しい廃棄物の焼却プロセスにおける焼却残渣の無害化・再資源化方法を開発することが強く要請されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、燃焼排ガス中のダイオキシン類と重金属類の除去と、焼却残渣の無害化及び再資源化のための新しい技術を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、燃焼排ガス中のダイオキシン類及びその前駆体を酸化触媒で分解し、回収・濃縮したHClを利用することにより、所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、燃焼排ガス中のダイオキシン類と重金属類の分解、除去を同時的に行い、焼却残渣の無害化と再資源化を効率よく行うことを可能とする新しい焼却残渣の無害化・再資源化方法、及びその装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)廃棄物の焼却プロセスにおける焼却残渣を無害化・再資源化する方法であって、
1)焼却炉から発生する燃焼排ガス中のダイオキシン類及びその前駆物質を酸化触媒でHClに分解し、HClを回収・濃縮するステップ、
2)上記HClを、焼却炉内、焼却炉から発生する燃焼排ガスの排ガス煙道内又は排ガス中の重金属類を塩素化する反応炉内に吹き込み、排ガス中の重金属類を塩素化し、300〜1300℃で揮散させるステップ、
3)上記重金属類を集塵機で回収するステップ、からなる工程、あるいは、
上記1)〜3)の各ステップ、及び4)有害物質除去後の焼却残渣を焼成し、回収するステップ、からなる工程、
からなることを特徴とする、廃棄物の焼却プロセスにおける焼却残渣の無害化・再資源化方法。
(2)酸化触媒が、貴金属系からなる触媒である、前記(1)に記載の方法。
(3)燃焼排ガス中のダイオキシン類及びその前駆物質を300℃以下で酸化触媒でHClに分解し、HClを回収・濃縮するステップ、
上記HClを焼却炉内、排ガス煙道内又は反応炉内に吹き込み、排ガス中の重金属類を塩素化し、300〜1300℃で揮散させるステップ、
上記重金属類を回収するステップ、
上記方法で有害物質を除去した焼却残渣を焼成して、残留している重金属のCrを無害化するステップ、
からなる、前記(1)に記載の方法。
(4)焼却炉から発生する燃焼排ガス中のダイオキシン類を酸化触媒でHClに分解する触媒塔、HClを回収・濃縮するHCl回収装置、上記HClを焼却炉内、焼却炉から発生する燃焼排ガスの排ガス煙道内又は排ガス中の重金属類を塩素化する反応炉内に吹き込む手段、上記HClにより排ガス中の重金属類を塩素化し、揮散した重金属類を集塵・回収する集塵機、あるいは、
上記各装置、及び有害物質除去後の焼却残渣を焼成する焼結炉、
を含むことを特徴とする、廃棄物の焼却プロセスにおける焼却残渣の無害化・再資源化装置。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明の廃棄物の焼却プロセスにおける焼却残渣の無害化・再資源化方法、及びその装置は、一般都市ごみ焼却施設、産業廃棄物焼却施設、及び焼却灰処理施設等の焼却炉から発生する燃焼排ガス及び焼却残渣に含まれる有害物質のダイオキシン類、重金属類の分解、除去に有用であり、これらの施設における処理方法、及びその装置として用いられるものである。本発明では、上記ダイオキシン類及び重金属類のうち、ダイオキシン類については、酸化触媒で燃焼排ガス中のダイオキシン類及びその前駆体を燃焼分解し、HClとして回収し、重金属類については、上記HClを利用して、有価資源である重金属類を塩素化して回収し、これにより、焼却残渣を無害化し、回収し、例えば、人工骨材等として再資源化することを特徴としている。
【0012】
本発明は、一般都市ごみ焼却施設、産業廃棄物焼却施設、及び焼却灰処理施設等の焼却炉から発生する燃焼排ガス及び焼却残渣に含まれるダイオキシン類と重金属類の分解、除去を対象としている。本発明では、燃焼排ガス中のダイオキシン類及びその前駆体、未燃カーボン等をCO2 、H2 O、HClに分解する機能を有する酸化触媒により、燃焼分解し、その分解生成物のHClを回収・濃縮する。この場合、酸化触媒としては、好適には、上記機能を有する貴金属系からなる触媒が例示されるが、同効の機能をもつものであれば、同様に使用することができる。
【0013】
次に、このHClを、焼却炉内、排ガス煙道内又は反応炉内に吹き込み、排ガス中の重金属類を塩素化し、300〜1300℃で揮散させ、これを集塵機で回収する。この場合、300℃を下回ると効率が低下し、1300℃を上回ると、焼却灰、飛灰が溶融し、炉壁・ダクトに付着し、それらを閉塞させる。
上記方法により、ダイオキシン類や重金属類を分解・除去した排ガスは、集塵機を通して排出される。
本発明で好適に使用される触媒としては、燃焼排ガス中のダイオキシン類及びその前駆体であるベンゼン、クロロベンゼン、クロロフェノールの酸化分解作用を有する貴金属系の酸化触媒が例示される。
【0014】
本発明では、排ガス中のダイオキシン類及びその前駆物質を酸化分解する触媒を使用するが、これにより、これらの排ガス中の成分を分解・除去して、ダイオキシンなどの有害物質の生成を抑制することができる。上記酸化触媒で処理した生成ガスからHClが回収され、上記ガス成分や有害物質などが除去されているので、生成ガスによる環境汚染などの問題を解消することができる。
【0015】
次に、上記方法により有害物質を除去した焼却残渣は、適宜、成形、焼成して、残留している重金属のCrを固定化した後、再利用される。
本発明では、好適には、焼却灰及び/又は飛灰を1300℃以下で焼成するが、これは、溶融温度以下であること、及び1300℃を上回ると装置の建設費、維持管理費が大幅に増加すること等から、1300℃以下で焼成するものである。本発明では、また、焼成温度1200℃以下で、還元剤として、炭化物、酸化鉄等を使用し、これを0.5wt%以上に調整し、Crの還元の促進とCrの酸化の抑制により、CrをCr化合物に固定化することが好ましい。また、この場合、融剤としてホウ酸化合物を0.5〜10wt%添加し、700℃以上で焼成することにより、CrをCr化合物として固定化することが好ましい。
【0016】
また、本発明では、焼却灰及び/又は飛灰に、粘土類、廃棄物の汚泥焼却灰、建築・土木廃材などを配合材として添加し、塩基度1.13以下にその化学組成比を調整し、100〜200℃の特定温度で水熱処理を施すか、焼成温度1200℃以下で還元剤を0.5wt%以上に調整して焼成するか、あるいは、1300℃以下で焼成することにより、焼却灰及び/又は飛灰に含まれるCrをCr化合物として固定化する。
更に、本発明では、上記焼却灰及び/又は飛灰を適宜の方法及び手段で成形し、焼成し、焼結体を製造し、これを人工骨材等として利用することが可能となる。
【0017】
次に、本発明を図面に基づいて説明する。
図1に、本発明の廃棄物焼却及び焼却残渣の無害化・再資源化システムを示す。また、図2に、本発明の廃棄物焼却プロセスにおける焼却残渣の無害化システム(廃棄物焼却システム)を示す。
一般都市ごみ焼却施設、産業廃棄物焼却施設、及び焼却灰処理施設等の焼却炉から発生する燃焼排ガスに含有される有害物質のダイオキシン類、重金属類のうち、ダイオキシン類及びその前駆体については、300℃以下で酸化触媒で燃焼分解して、HClを回収し、次いで、焼却炉内、排ガス煙道ダクト内又は反応塔(反応炉)内にHCl(10〜15%)を吹き込み、排ガス中の重金属類を塩素化し、300〜1300℃で揮散し、反応塔、減温塔、触媒塔、及び集塵機を通し、塩化物あるいは酸化物として回収する。燃焼排ガス中のダイオキシン類及びその前駆体については、触媒塔でダイオキシン類、前駆体及び未燃カーボン等をCO2 、H2 O、HClに分解・除去する。排ガス中の有害物質のダイオキシン類、重金属類を分解・除去した排ガスは、スクラバーを通り、誘引送風機により煙突より排出される。更に、排ガス中のHClについては、スクラバーでHClを回収・濃縮(10〜15%)し、焼却炉内、排ガス煙道ダクト内又は反応塔内に吹き込む。有害物質除去後の焼却残渣は、混合・混練・造粒し、焼結炉で焼成し、無害化して、回収し、人工骨材等として再資源化する。
【0018】
【作用】
本発明において、燃焼排ガス中のダイオキシン類及びその前駆体は、例えば、貴金属系の酸化触媒でCO2 、H2 O、HClに燃焼分解され、HClは、HCl回収装置で回収・濃縮される。次に、上記HCl(10〜15%)を、焼却炉内、排ガス煙道内又は反応炉内に吹き込むことで、排ガス中の重金属類は塩素化され、300〜1300℃で揮散し、飛灰の形で塩化物あるいは酸化物として回収される。次に、上記ステップで、ダイオキシン類を除去し、重金属類を固定化し、除去した後の燃焼残渣は、焼成によりCrをCr化合物として固定化し、無害化した後、回収し、人工骨材等として再資源化される。
【0019】
上記方法により、燃焼排ガス中のダイオキシン類は分解、除去され、その分解生成物のHClは、可能な限り回収され、しかも、上記反応系内で利用されるので、HClが外部に排出されることがない。また、排ガス中の重金属類は、上記HClを利用して、塩素化され、揮散し、飛灰として確実に回収される。また、ダイオキシン類や重金属類が分解、除去された焼却残渣は、更に、焼成され、無害化されるので、これを回収して、再資源化することが可能となる。
本発明は、排ガス中のダイオキシン類の分解産物であるHClと焼却灰中の重金属類を同時的に除去し、有効利用することで、焼却残渣の無害化と再資源化を可能とする新しい廃棄物焼却及び焼却残渣の無害化・再資源化の新しいシステムを実現化したものとして有用である。
【0020】
【実施例】
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は当該実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例
図1に示す廃棄物焼却及び焼却残渣の無害化・再資源化システムにより、燃焼排ガス中のダイオキシン類と重金属類を分解、除去して、焼却残渣の無害化と再資源化を試みた。燃焼排ガス中のダイオキシン類及びその前駆体及び未燃カーボン等を触媒塔でCO2 、H2 O、HClに300℃以下で酸化分解し、排ガス中のHClを回収装置(スクラバー)で回収・濃縮(10〜15%)した。このHClを反応炉に吹き込み、排ガス中の重金属類を塩素化し、これを300〜1300℃で揮散させ、飛灰として、反応塔、減温塔、集塵機を通し、塩化物あるいは酸化物として回収した。有害物質除去後の焼却残渣は、混合・混練し、造粒し、乾燥した後、焼結炉で焼成してCrをCr化合物として固定化し、無害化して、人工骨材として再資源化した。
【0021】
図3に、燃焼排ガス中のダイオキシン類及びその前駆体であるベンゼン、クロロベンゼン、クロロフェノールの酸化分解効果のある貴金属系からなる触媒によるベンゼン分解曲線を示す。
また、燃焼排ガス温度300〜1300℃の燃焼温度のうち、0%HClと0.3〜0.5%HClの高温での重金属類の揮散率を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
排ガス中の有害物質であるダイオキシン類、重金属類を分解・揮散した、有害物質分解・除去後の焼却残渣は、混合・混練し、造粒し、焼成炉で焼結し、人工骨材に再資源化した。
表2に、人工骨材の重金属類溶出試験の結果を、表3に、人工骨材の材料評価試験の結果を示す。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明は、燃焼排ガス中のダイオキシン類及びその前駆物質を酸化触媒で分解し、回収・濃縮したHClを、焼却炉内、排ガス煙道内又は反応炉内に吹き込み、排ガス中の重金属類を塩素化し、300〜1300℃で揮散させるステップ、上記重金属類を集塵機で回収するステップ、あるいは上記各ステップ、及び有害物質除去後の焼却残渣を焼成し、回収するステップ、からなる、廃棄物の焼却プロセスにおける焼却残渣の無害化・再資源化方法、及びその装置に係るものであり、本発明によれば、以下のような効果が奏される。
(1)高温燃焼排ガス中のダイオキシン類及びその前駆体を300℃以下で酸化触媒で燃焼分解し、そのHClを回収し、利用することで、ダイオキシン類及びHClの系外への排出を防ぐことができる。
(2)回収・濃縮したHClを利用して、排ガス中の重金属類を塩素化し、回収することができる。
(3)排ガス中のHClを回収・濃縮(10〜15%)することで、系外へのHClの排出の抑制と排ガス中の重金属類の塩素化・回収を両立させることが可能となる。
(4)有害物質除去後の焼却残渣を無害化し、人工骨材等として再資源化することが可能となる。
(5)廃棄物焼却から焼却残渣の無害化、再資源化までのトータル処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の廃棄物焼却及び焼却残渣の無害化・再資源化システムの一例の模式図を示す。
【図2】本発明の廃棄物焼却プロセスにおける焼却残渣の無害化システムの一例の模式図を示す。
【図3】酸化触媒によるベンゼン分解曲線を示す。
Claims (4)
- 廃棄物の焼却プロセスにおける焼却残渣を無害化・再資源化する方法であって、
1)焼却炉から発生する燃焼排ガス中のダイオキシン類及びその前駆物質を酸化触媒でHClに分解し、HClを回収・濃縮するステップ、
2)上記HClを、焼却炉内、焼却炉から発生する燃焼排ガスの排ガス煙道内又は排ガス中の重金属類を塩素化する反応炉内に吹き込み、排ガス中の重金属類を塩素化し、300〜1300℃で揮散させるステップ、
3)上記重金属類を集塵機で回収するステップ、からなる工程、あるいは、
上記1)〜3)の各ステップ、及び4)有害物質除去後の焼却残渣を焼成し、回収するステップ、からなる工程、
からなることを特徴とする、廃棄物の焼却プロセスにおける焼却残渣の無害化・再資源化方法。 - 酸化触媒が、貴金属系からなる触媒である、請求項1に記載の方法。
- 燃焼排ガス中のダイオキシン類及びその前駆物質を300℃以下で酸化触媒でHClに分解し、HClを回収・濃縮するステップ、
上記HClを焼却炉内、排ガス煙道内又は反応炉内に吹き込み、排ガス中の重金属類を塩素化し、300〜1300℃で揮散させるステップ、
上記重金属類を回収するステップ、
上記方法で有害物質を除去した焼却残渣を焼成して、残留している重金属のCrを無害化するステップ、
からなる、請求項1に記載の方法。 - 焼却炉から発生する燃焼排ガス中のダイオキシン類を酸化触媒でHClに分解する触媒塔、HClを回収・濃縮するHCl回収装置、上記HClを焼却炉内、焼却炉から発生する燃焼排ガスの排ガス煙道内又は排ガス中の重金属類を塩素化する反応炉内に吹き込む手段、上記HClにより排ガス中の重金属類を塩素化し、揮散した重金属類を集塵・回収する集塵機、あるいは、
上記各装置、及び有害物質除去後の焼却残渣を焼成する焼結炉、
を含むことを特徴とする、廃棄物の焼却プロセスにおける焼却残渣の無害化・再資源化装置。
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