JPH09122617A - 大型産業廃棄物のシュレッダーダストの処理方法 - Google Patents
大型産業廃棄物のシュレッダーダストの処理方法Info
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- JPH09122617A JPH09122617A JP28895895A JP28895895A JPH09122617A JP H09122617 A JPH09122617 A JP H09122617A JP 28895895 A JP28895895 A JP 28895895A JP 28895895 A JP28895895 A JP 28895895A JP H09122617 A JPH09122617 A JP H09122617A
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- raw material
- industrial waste
- cement clinker
- cement
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- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W30/00—Technologies for solid waste management
- Y02W30/50—Reuse, recycling or recovery technologies
- Y02W30/62—Plastics recycling; Rubber recycling
Abstract
(57)【要約】
【課題】 重金属等を含有する廃自動車等の大型産業廃
棄物を解体後、発生するシュレッダーダストの焼却残渣
をセメントクリンカー原料に利用することにより、再資
源化が計れて、環境面や経済面からシュレッダーダスト
の埋立処理時の負担軽減に効果があるシュレッダーダス
トの処理方法を提供すること。 【解決手段】 大型産業廃棄物の解体処理により発生す
るシュレッダーダストを焼却して得られる焼却残渣を、
セメントクリンカー原料の一部として混合焼成すること
を特徴とする大型産業廃棄物のシュレッダーダストの処
理方法を構成とする。
棄物を解体後、発生するシュレッダーダストの焼却残渣
をセメントクリンカー原料に利用することにより、再資
源化が計れて、環境面や経済面からシュレッダーダスト
の埋立処理時の負担軽減に効果があるシュレッダーダス
トの処理方法を提供すること。 【解決手段】 大型産業廃棄物の解体処理により発生す
るシュレッダーダストを焼却して得られる焼却残渣を、
セメントクリンカー原料の一部として混合焼成すること
を特徴とする大型産業廃棄物のシュレッダーダストの処
理方法を構成とする。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、大型産業廃棄物の
シュレッダーダストの処理方法、それにより得られたセ
メントクリンカー原料、それを用いたセメントの製造方
法に関する。なお、本願発明でいうセメントとはポルト
ランドセメントをいう。
シュレッダーダストの処理方法、それにより得られたセ
メントクリンカー原料、それを用いたセメントの製造方
法に関する。なお、本願発明でいうセメントとはポルト
ランドセメントをいう。
【０００２】
【従来の技術とその課題】現在、文化が発達するのに伴
い、廃自動車、廃家電製品、及び廃ＯＡ製品等の大型産
業廃棄物が大量に発生し、その処理が課題となってい
る。
い、廃自動車、廃家電製品、及び廃ＯＡ製品等の大型産
業廃棄物が大量に発生し、その処理が課題となってい
る。
【０００３】従来、このような大型産業廃棄物は、必要
部品は取り外し、その後は解体処理して、分離可能な鉄
や非鉄金属を分離して、製鉄や冶金工業などの二次原料
として再利用されていた。しかしながら、これら分離可
能な鉄や非鉄金属以外は、通常、シュレッダーダストと
呼ばれ、その成分構成が複雑なために再利用が難しく廃
棄されているのが現状である。
部品は取り外し、その後は解体処理して、分離可能な鉄
や非鉄金属を分離して、製鉄や冶金工業などの二次原料
として再利用されていた。しかしながら、これら分離可
能な鉄や非鉄金属以外は、通常、シュレッダーダストと
呼ばれ、その成分構成が複雑なために再利用が難しく廃
棄されているのが現状である。
【０００４】シュレッダーダストを廃棄する場合は、
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」により、埋立した
ときに生物分解を受けたり、化学的な反応を起こすこと
のない安定した物性をもつ物質、いいかえれば、埋立地
においてガスが発生したり、発熱したり、あるいは環境
汚染物質を多く含む浸出液を生成したりすることのない
廃棄物、即ち、安定型廃棄物として埋立処理されてい
た。しかしながら、最近、シュレッダーダスト中の重金
属の浸出が大きな社会問題になり、法改正により平成８
年４月から、安定型廃棄物としてではなく、重金属類の
管理を厳しくした管理型廃棄物としての処理が必要にな
り、そのために、埋立費用が安定型廃棄物の場合よりさ
らに高額なものとなり、今後増加するシュレッダーダス
トの埋立処理の負担が多大になるという課題があった。
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」により、埋立した
ときに生物分解を受けたり、化学的な反応を起こすこと
のない安定した物性をもつ物質、いいかえれば、埋立地
においてガスが発生したり、発熱したり、あるいは環境
汚染物質を多く含む浸出液を生成したりすることのない
廃棄物、即ち、安定型廃棄物として埋立処理されてい
た。しかしながら、最近、シュレッダーダスト中の重金
属の浸出が大きな社会問題になり、法改正により平成８
年４月から、安定型廃棄物としてではなく、重金属類の
管理を厳しくした管理型廃棄物としての処理が必要にな
り、そのために、埋立費用が安定型廃棄物の場合よりさ
らに高額なものとなり、今後増加するシュレッダーダス
トの埋立処理の負担が多大になるという課題があった。
【０００５】一方、セメントクリンカー原料は、通常、
酸化カルシウムを含有する石灰石や、二酸化ケイ素、酸
化アルミニウム、及び酸化第二鉄等を含有する粘土を主
体として、二酸化ケイ素の補充のためにケイ石を、ま
た、酸化第二鉄の補充のために酸化鉄を配合しており、
産業廃棄物をセメントクリンカー原料にすることはほと
んど行われておらず、わずかに、都市ゴミをセメントク
リンカー原料に使用した例があるのみである(特開平 7
−165446号公報等)。
酸化カルシウムを含有する石灰石や、二酸化ケイ素、酸
化アルミニウム、及び酸化第二鉄等を含有する粘土を主
体として、二酸化ケイ素の補充のためにケイ石を、ま
た、酸化第二鉄の補充のために酸化鉄を配合しており、
産業廃棄物をセメントクリンカー原料にすることはほと
んど行われておらず、わずかに、都市ゴミをセメントク
リンカー原料に使用した例があるのみである(特開平 7
−165446号公報等)。
【０００６】本発明者は、前記課題を解決すべく、種々
検討を重ねた結果、特定の方法を採用することによって
大型産業廃棄物の解体処理により発生するシュレッダー
ダストをセメントクリンカー原料の一部として再利用で
きる知見を得て本発明を完成するに至った。
検討を重ねた結果、特定の方法を採用することによって
大型産業廃棄物の解体処理により発生するシュレッダー
ダストをセメントクリンカー原料の一部として再利用で
きる知見を得て本発明を完成するに至った。
【０００７】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、大型産
業廃棄物の解体処理により発生するシュレッダーダスト
を焼却して得られる焼却残渣をセメントクリンカー原料
の一部として混合焼成することを特徴とする大型産業廃
棄物のシュレッダーダストの処理方法であり、該シュレ
ッダーダストの焼却残渣を含有してなるセメントクリン
カー原料であり、それを用いたセメントクリンカーの製
造方法である。
業廃棄物の解体処理により発生するシュレッダーダスト
を焼却して得られる焼却残渣をセメントクリンカー原料
の一部として混合焼成することを特徴とする大型産業廃
棄物のシュレッダーダストの処理方法であり、該シュレ
ッダーダストの焼却残渣を含有してなるセメントクリン
カー原料であり、それを用いたセメントクリンカーの製
造方法である。
【０００８】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【０００９】本発明でいう大型産業廃棄物とは、廃自動
車、廃家電製品、廃ＯＡ製品等の産業廃棄物で、そのま
までは廃棄することが困難なものである。これら、大型
産業廃棄物を、通常は、粉砕・裁断など解体処理して再
利用を図っており、再利用できない解体処理物がシュレ
ッダーダストとして処理されている。
車、廃家電製品、廃ＯＡ製品等の産業廃棄物で、そのま
までは廃棄することが困難なものである。これら、大型
産業廃棄物を、通常は、粉砕・裁断など解体処理して再
利用を図っており、再利用できない解体処理物がシュレ
ッダーダストとして処理されている。
【００１０】大型産業廃棄物の解体処理は、特に限定さ
れるものではないが、通常、大型産業廃棄物をプレスし
た後、プレシュレッダーで切断して長さ数十cm程度に
し、さらに、シュレッダーで約10cm程度に切断すること
が行われている。切断した大型産業廃棄物のシュレッダ
ー品を磁選機等により、鉄成分とそれ以外の成分に分離
し、鉄成分以外のものをさらに水選別機等にかけて、圧
縮押し出ししてシュレッダーダストとする。
れるものではないが、通常、大型産業廃棄物をプレスし
た後、プレシュレッダーで切断して長さ数十cm程度に
し、さらに、シュレッダーで約10cm程度に切断すること
が行われている。切断した大型産業廃棄物のシュレッダ
ー品を磁選機等により、鉄成分とそれ以外の成分に分離
し、鉄成分以外のものをさらに水選別機等にかけて、圧
縮押し出ししてシュレッダーダストとする。
【００１１】このようにして得られたシュレッダーダス
トは、主にポリウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレン、及びスチレン等の合成樹脂、銅、亜
鉛、鉛、カドミウム、クロム、及び水銀等の重金属、並
びに、水等を含有するものである。
トは、主にポリウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレン、及びスチレン等の合成樹脂、銅、亜
鉛、鉛、カドミウム、クロム、及び水銀等の重金属、並
びに、水等を含有するものである。
【００１２】シュレッダーダストの処理方法により、シ
ュレッダーダストは大きく乾式シュレッダーダストと湿
式シュレッダーダストとに分けられ、その成分は、例え
ば、表１に示される程度である。
ュレッダーダストは大きく乾式シュレッダーダストと湿
式シュレッダーダストとに分けられ、その成分は、例え
ば、表１に示される程度である。
【００１３】
【表１】
【００１４】本発明では、このシュレッダーダストを焼
却し、発生する焼却不燃物と焼却灰を処理して焼却残渣
とする。
却し、発生する焼却不燃物と焼却灰を処理して焼却残渣
とする。
【００１５】シュレッダーダストを焼却する炉として
は、砂や空気を流動させることによる流動床方式、ロー
タリーキルン方式、及びストーカ方式等の炉が挙げられ
る。発生した焼却残渣には人体に有害なダイオキシンが
含まれる可能性がある。そこで、ダイオキシンの、焼却
残渣への混入を避けるために、焼却温度を800℃以上と
し、炉内での滞留時間を１〜２秒以上とすることが厚生
省ガイドライン(ガイドライン設定日平成２年12月26
日）の「焼却炉のダイオキシン対策」で規定され、通常、
800〜900℃で焼却される。
は、砂や空気を流動させることによる流動床方式、ロー
タリーキルン方式、及びストーカ方式等の炉が挙げられ
る。発生した焼却残渣には人体に有害なダイオキシンが
含まれる可能性がある。そこで、ダイオキシンの、焼却
残渣への混入を避けるために、焼却温度を800℃以上と
し、炉内での滞留時間を１〜２秒以上とすることが厚生
省ガイドライン(ガイドライン設定日平成２年12月26
日）の「焼却炉のダイオキシン対策」で規定され、通常、
800〜900℃で焼却される。
【００１６】焼却方法は特に限定されるものではない
が、前記厚生省ガイドラインを考慮すると、焼却したも
のを再度焼却する２段燃焼方法が好ましい。シュレッダ
ーダストの焼却残渣の発生量は、シュレッダーダストの
素性や焼却条件により変化し、特に限定されるものでは
ないが、例えば、100t/dのシュレッダーダストを投入し
た場合、13t/dの重金属含有不燃物、24.5t/dの重金属含
有焼却灰が得られる。また、シュレッダーダストの焼却
炉から約700℃で排出される燃焼ガスは、ガス冷却塔で
水の散布により、約300〜400℃まで冷却され、サイクロ
ンで重金属含有焼却灰が補集され、さらに、冷却水で冷
却して、バグフィルターで残留する重金属含有焼却灰を
補集する。
が、前記厚生省ガイドラインを考慮すると、焼却したも
のを再度焼却する２段燃焼方法が好ましい。シュレッダ
ーダストの焼却残渣の発生量は、シュレッダーダストの
素性や焼却条件により変化し、特に限定されるものでは
ないが、例えば、100t/dのシュレッダーダストを投入し
た場合、13t/dの重金属含有不燃物、24.5t/dの重金属含
有焼却灰が得られる。また、シュレッダーダストの焼却
炉から約700℃で排出される燃焼ガスは、ガス冷却塔で
水の散布により、約300〜400℃まで冷却され、サイクロ
ンで重金属含有焼却灰が補集され、さらに、冷却水で冷
却して、バグフィルターで残留する重金属含有焼却灰を
補集する。
【００１７】焼却後の焼却不燃物は、通常、銅、鉛、亜
鉛、及びマグネシウム等の重金属を含有し、また、焼却
灰の重金属含有率は0.1重量％以下である。
鉛、及びマグネシウム等の重金属を含有し、また、焼却
灰の重金属含有率は0.1重量％以下である。
【００１８】シュレッダーダストを焼却する際発生する
排ガスは、シュレッダーダストを乾燥することや排熱発
電に利用することなどが可能である。
排ガスは、シュレッダーダストを乾燥することや排熱発
電に利用することなどが可能である。
【００１９】シュレッダーダストを焼却した後、必要に
応じ、焼却不燃物や焼却灰から、銅、鉛、亜鉛、及びマ
グネシウム等の重金属を分離する。重金属の分離方法と
しては、重金属が分離できれば特に限定されるものでは
ないが、例えば、ふるいで粗大物を取り除き、次に、磁
選機で磁性の金属を回収し、その後、風力比重選別機な
どによって、非磁性の金属を分別する方法等が挙げられ
る。
応じ、焼却不燃物や焼却灰から、銅、鉛、亜鉛、及びマ
グネシウム等の重金属を分離する。重金属の分離方法と
しては、重金属が分離できれば特に限定されるものでは
ないが、例えば、ふるいで粗大物を取り除き、次に、磁
選機で磁性の金属を回収し、その後、風力比重選別機な
どによって、非磁性の金属を分別する方法等が挙げられ
る。
【００２０】こうして得られたシュレッダーダストの焼
却残渣の成分は、例えば、表２に示される程度である。
却残渣の成分は、例えば、表２に示される程度である。
【００２１】
【表２】
【００２２】重金属の分離除去した焼却残渣をセメント
クリンカー原料の一部として配合し、焼成してセメント
を製造する。クリンカー原料の一部として使用する際の
焼却残渣の使用量は、クリンカー原料100重量部中、0.5
重量部以下が好ましく、0.3重量部以下がより好まし
い。0.5重量部を越えると、塩素含有量が200ppmを越
え、JIS R 5210の規定におさまらず、セメントの圧縮強
度が低下する場合がある。
クリンカー原料の一部として配合し、焼成してセメント
を製造する。クリンカー原料の一部として使用する際の
焼却残渣の使用量は、クリンカー原料100重量部中、0.5
重量部以下が好ましく、0.3重量部以下がより好まし
い。0.5重量部を越えると、塩素含有量が200ppmを越
え、JIS R 5210の規定におさまらず、セメントの圧縮強
度が低下する場合がある。
【００２３】産業廃棄物の焼却残渣には、塩素を多量に
含有している場合もあるため、セメント製造時、脱塩素
処理を行うことは好ましい。脱塩素処理方法は特に限定
されるものではないが、排ガスを冷却・脱塩素して使用
する方法が通常行われている。このように製造されたセ
メントの塩素含有率は200ppm以下であり、重金属含有率
は0.1重量％以下である。
含有している場合もあるため、セメント製造時、脱塩素
処理を行うことは好ましい。脱塩素処理方法は特に限定
されるものではないが、排ガスを冷却・脱塩素して使用
する方法が通常行われている。このように製造されたセ
メントの塩素含有率は200ppm以下であり、重金属含有率
は0.1重量％以下である。
【００２４】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに説明
する。
する。
【００２５】実施例１ 廃棄車両のシュレッダーダストを焼却炉へ投入し、焼却
炉の下部と２段燃焼部へ合計2,504m3N/hの燃焼空気を供
給して、約800℃で焼却し、重金属を多量に含んだ焼却
不燃物を排出した。排出した不燃物を、重金属分離装置
にかけ、焼却残渣と重金属に分離した。分離された重金
属はコンクリートで固化し管理型廃棄物として処理し
た。焼却炉から排出した排ガスを排ガス回収設備に導入
し、そこで熱エネルギーを回収し、既設のセメントの排
熱発電設備の熱源に利用し、排熱発電設備で運転に必要
な電気の一部をまかなうことができた。また、排ガス回
収設備を出た排ガスを排ガス処理設備に導入し、焼却灰
を捕集した。重金属分離装置から排出した焼却残渣と排
ガス処理設備で捕集した焼却灰を、通常のセメントクリ
ンカー原料100重量部中、0.1重量部混合してセメントク
リンカー原料とし、普通ポルトランドセメントを製造し
た。製造した普通ポルトランドセメントの主成分を分析
した結果、CaO63重量％、SiO221重量％、Al2O3５重量
％、Fe2O3３重量％、及びSO3２重量％で、JIS 規格の範
囲内であった。
炉の下部と２段燃焼部へ合計2,504m3N/hの燃焼空気を供
給して、約800℃で焼却し、重金属を多量に含んだ焼却
不燃物を排出した。排出した不燃物を、重金属分離装置
にかけ、焼却残渣と重金属に分離した。分離された重金
属はコンクリートで固化し管理型廃棄物として処理し
た。焼却炉から排出した排ガスを排ガス回収設備に導入
し、そこで熱エネルギーを回収し、既設のセメントの排
熱発電設備の熱源に利用し、排熱発電設備で運転に必要
な電気の一部をまかなうことができた。また、排ガス回
収設備を出た排ガスを排ガス処理設備に導入し、焼却灰
を捕集した。重金属分離装置から排出した焼却残渣と排
ガス処理設備で捕集した焼却灰を、通常のセメントクリ
ンカー原料100重量部中、0.1重量部混合してセメントク
リンカー原料とし、普通ポルトランドセメントを製造し
た。製造した普通ポルトランドセメントの主成分を分析
した結果、CaO63重量％、SiO221重量％、Al2O3５重量
％、Fe2O3３重量％、及びSO3２重量％で、JIS 規格の範
囲内であった。
【００２６】実施例２ 焼成炉の燃焼ガスの５％を系外へ排出し、塩素成分分離
装置に導入し、400℃前後に冷却した。燃焼ガス中に揮
発していた塩素成分は冷却により凝縮するため、これを
分離して系外へ排出した。塩素成分を分離除去した燃焼
ガスを、原料予熱装置から排出された燃焼ガスに混合し
て使用した。このように脱塩素処理をしたこと以外は実
施例１と同様に行った。その結果、得られた普通ポルト
ランドセメント製造時の塩素除去率は82％であった。
装置に導入し、400℃前後に冷却した。燃焼ガス中に揮
発していた塩素成分は冷却により凝縮するため、これを
分離して系外へ排出した。塩素成分を分離除去した燃焼
ガスを、原料予熱装置から排出された燃焼ガスに混合し
て使用した。このように脱塩素処理をしたこと以外は実
施例１と同様に行った。その結果、得られた普通ポルト
ランドセメント製造時の塩素除去率は82％であった。
【００２７】実施例３ 焼却残渣中に残留する微量重金属成分が、セメントの水
和反応に影響すると考えられるため、焼却残渣中の重金
属のうち含有量が最も多い銅の量が500、1,000、及び2,
000ppmと異なる焼却残渣を用いたこと以外は実施例１と
同様に普通ポルトランドセメントを製造し、そのJIS R
5201に基づく物性試験を行った。その結果、銅の含有量
を1,000ppm以下に調整すれば問題なく使用することがで
きることがわかった。
和反応に影響すると考えられるため、焼却残渣中の重金
属のうち含有量が最も多い銅の量が500、1,000、及び2,
000ppmと異なる焼却残渣を用いたこと以外は実施例１と
同様に普通ポルトランドセメントを製造し、そのJIS R
5201に基づく物性試験を行った。その結果、銅の含有量
を1,000ppm以下に調整すれば問題なく使用することがで
きることがわかった。
【００２８】
【発明の効果】本発明によれば、重金属及び／又は重金
属化合物を含有する、廃自動車、廃家電製品、及び廃Ｏ
Ａ製品等の大型産業廃棄物を解体後、発生するシュレッ
ダーダストの焼却不燃物や焼却灰から、重金属及び／又
は重金属化合物を除去低減した焼却残渣をセメントクリ
ンカー原料に使用することにより、再資源化が計れ、環
境面や経済面からシュレッダーダストの埋立処理時の負
担軽減に効果がある。
属化合物を含有する、廃自動車、廃家電製品、及び廃Ｏ
Ａ製品等の大型産業廃棄物を解体後、発生するシュレッ
ダーダストの焼却不燃物や焼却灰から、重金属及び／又
は重金属化合物を除去低減した焼却残渣をセメントクリ
ンカー原料に使用することにより、再資源化が計れ、環
境面や経済面からシュレッダーダストの埋立処理時の負
担軽減に効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 住田 守 新潟県西頸城郡青海町大字青海2209番地 電気化学工業株式会社青海工場内
Claims (6)
- 【請求項１】 大型産業廃棄物の解体処理により発生す
るシュレッダーダストを焼却して得られる焼却残渣を、
セメントクリンカー原料の一部として混合焼成すること
を特徴とする大型産業廃棄物のシュレッダーダストの処
理方法。 - 【請求項２】 大型産業廃棄物の解体処理により発生す
るシュレッダーダストを焼却して得られる、焼却残渣を
含有してなるセメントクリンカー原料。 - 【請求項３】 重金属含有率が0.1重量％以下である請
求項２記載のセメントクリンカー原料。 - 【請求項４】 請求項２又は３記載のセメントクリンカ
ー原料をセメントクリンカー原料の一部として混合、焼
成することを特徴とするセメントクリンカーの製造方
法。 - 【請求項５】 セメントクリンカー原料を焼成する際
に、脱塩素処理を行うことを特徴とする請求項４記載の
セメントクリンカーの製造方法。 - 【請求項６】 塩素含有率が200ppm以下、重金属含有率
が0.1重量％以下であることを特徴とするセメント。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28895895A JPH09122617A (ja) | 1995-11-07 | 1995-11-07 | 大型産業廃棄物のシュレッダーダストの処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28895895A JPH09122617A (ja) | 1995-11-07 | 1995-11-07 | 大型産業廃棄物のシュレッダーダストの処理方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09122617A true JPH09122617A (ja) | 1997-05-13 |
Family
ID=17737009
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP28895895A Withdrawn JPH09122617A (ja) | 1995-11-07 | 1995-11-07 | 大型産業廃棄物のシュレッダーダストの処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09122617A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100320570B1 (ko) * | 1999-06-25 | 2002-01-12 | 김여수 | 시멘트 제조공정에서 폐 자동차 슈레더 더스트의 처리방법 |
| JP2004075487A (ja) * | 2002-08-21 | 2004-03-11 | Tokuyama Corp | セメント製造設備における廃棄物の処理方法 |
| JP2010131551A (ja) * | 2008-12-05 | 2010-06-17 | Mitsubishi Materials Corp | セメント製造工程を用いたシュレッダーダストの処理方法 |
| JP2012201519A (ja) * | 2011-03-23 | 2012-10-22 | Taiheiyo Cement Corp | セメント組成物 |
| CN105130225A (zh) * | 2015-07-30 | 2015-12-09 | 铜陵海源超微粉体有限公司 | 一种抗裂低碱环保型凝胶材料 |
-
1995
- 1995-11-07 JP JP28895895A patent/JPH09122617A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
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