JP2002119820A - 廃棄物焼却排ガスとダストの処理方法 - Google Patents

廃棄物焼却排ガスとダストの処理方法

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JP2002119820A
JP2002119820A JP2000312357A JP2000312357A JP2002119820A JP 2002119820 A JP2002119820 A JP 2002119820A JP 2000312357 A JP2000312357 A JP 2000312357A JP 2000312357 A JP2000312357 A JP 2000312357A JP 2002119820 A JP2002119820 A JP 2002119820A
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exhaust gas
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waste
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Keisuke Nakahara
啓介 中原
Hiroshi Yamamoto
浩 山本
Takuya Shinagawa
拓也 品川
Hiroshi Yamaguchi
宏 山口
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Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄物焼却炉から発生したダストを効率よく
処理することができ、かつ埋め立て処分しなければなら
ないダストの量を減少させることができる、廃棄物焼却
排ガスとダストの処理方法を提供すること。 【解決手段】 ごみ焼却炉10から発生した排ガスを、
最初にサイクロン12で集塵し、次いでバグフィルタ1
5で集塵することにより、排ガス中のダストを重金属の
含有量が少ない粗粒分と重金属の含有量が多い微粒分に
分別して捕集し、粗粒分をごみ焼却炉10へ装入して新
たに生成した焼却残渣と共に排出する。微粒分は安定化
処理装置20へ送って重金属の安定化処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物焼却炉から
発生した排ガスとダストの処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多くの都市ごみ焼却施設においては、ご
み焼却炉で発生した排ガスをボイラなどで熱回収した
後、排ガス中へ消石灰粉などを吹き込んで、塩化水素な
どの酸性ガスを除去する処理を行い、そのガスをバグフ
ィルタなどの集塵機へ導入して集塵処理している。この
集塵処理によって捕集されたダストはその殆どが埋め立
て処分されている。
【0003】上記ダストの埋立て処分に際しては、ダス
ト中に鉛やカドミウムなどの有害な重金属が含まれてい
るので、法令により定められた方法によって、ダスト中
の有害な重金属を安定化させる処理(以下、ダストの安
定化処理と記す)をしなければならない。このダストの
安定化処理においては、多くの場合、液体キレートなど
の薬剤を添加する薬剤混練法が採用されているが、一部
のダストについては、溶融固化法などにより処理されて
いる。
【0004】しかし、近年、埋め立て処分後における環
境負荷の低減や、資源のリサイクルが叫ばれるようにな
り、ダストの処分方法が埋め立て処分から重金属を回収
する方法に指向されつつある。このため、ダス中の重金
属を回収する方法が種々提案されている。重金属回収処
理においては、ダストに酸を加えて亜鉛や鉛などの重金
属を溶出させた後、この抽出液にアルカリや水溶性硫化
物などの沈殿剤を加えて重金属を沈殿させ、この沈殿物
を濾別して分離する処理が行われる。この処理により、
非鉄製錬に供する重金属の濃縮物が得られる。
【0005】一方、焼却炉から排出される焼却灰(主
灰)は、セメント原料、路盤材、埋め戻し材などとして
使用可能なものであるが、現状においては、安全性が十
分に認知されていないのため、その多くが埋め立て処分
されている。しかし、年々、埋め立て処分場の確保が困
難になるにしたがって、埋め立て処分する廃棄物焼却残
渣の減量化が要求されるようになってきたため、有効利
用が可能な焼却灰については、その用途の開拓が進めら
れ、セメントなどの原料として使用され始めている。こ
のため、将来的には、焼却灰の多くが有効利用されるも
のと期待されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】廃棄物焼却残渣の処理
・処分が上記のように行われている状況において、従来
から行われている、集塵機で捕集されたダストの処理・
処分には、それぞれ次のような問題点がある。
【0007】まず、ダストを安定化処理して埋め立て処
分する場合には、ダストが減容化されないので、埋め立
て処分量は減少しない。
【0008】又、ダストを溶融処理する場合には、ダス
トが減容化されると共に、排出されるスラグが土木用資
材である砕石や砂などの代替品として使用することがで
きるが、溶融固化法を採用する場合には、千数百℃もの
高温に保持可能な溶融炉を備えなければならない。この
ため、多額の設備投資が必要になり、又、多量のエネル
ギーを必要とするため、ダストの処理コストが高くな
る。このため、コストの面からみると、この溶融固化法
によるダストの処理が効率的であるとは言えない。
【0009】又、ダスト中の重金属を酸抽出して回収し
ようとする場合には、次のようなことが問題になる。ご
み焼却炉から排出されたダストは重金属の含有量が少な
く、亜鉛が0.5〜2mass%、鉛が0.2〜1ma
ss%程度しか含まれていない。このような重金属含有
量が少ない多量のダストを処理しなければならず、重金
属の回収処理が効率的に行われない。
【0010】本発明は、上記の問題を解決し、廃棄物焼
却炉から発生したダストを効率よく処理することがで
き、かつ埋め立て処分しなければならないダストの量を
減少させることができる、廃棄物焼却排ガスとダストの
処理方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するための調査の一環として、廃棄物焼却炉か
ら発生するダストの性状を調べたところ、粒度によって
成分組成が異なることを見出した。
【0012】この知見は、ある自治体の都市ごみ焼却設
備のバグフィルタで捕集されたダストについて、各種成
分の含有量を粒度別に調べた結果に基づくものである。
この調査は、排ガス中の塩化水素を除去するための消石
灰粉の吹き込みを行わない場合に採取したダストを調べ
たものであって、その結果は図4〜図6及び表1に示す
通りであった。図4〜図6は、レーザ回折式粒度分布測
定器を使用し、イソプロピルアルコールを媒体として、
粒径分布を測定した結果を示す図である。図4はバグフ
ィルタで捕集されたダストの粒径分布を測定した結果を
示す図である。図5、図6は目標分別粒径を10μmに
して分級した際に得られた粗粒分と微粒分の粒径分布を
示す図であって、図5は粒径10μmを超えるものを主
とする粗粒分の粒径分布を示し、図6は粒径10μm以
下のものを主とする微粒分の粒径分布を示す。又、表1
は上記ダストの成分分析値を示す。なお、上記各図にお
ける粒径分布は体積比で示す。
【0013】
【表1】
【0014】図4〜図6及び表1によれば、10μm以
下のものを主とする微粒分には、重金属や塩素分(塩化
物)の成分が多く含まれており、重金属の含有量は粗粒
分の値に対し3〜4倍であった。一方、Si、Ca、A
lなどの灰分成分は10μmを超える粒度の粗粒分に多
く含まれており、10μm以下の粒度のものには少なく
なっていた。この結果、廃棄物焼却炉から発生するダス
トにおいては、主として重金属や塩類が微細な粒子とし
て存在し、主として灰分成分からなるものが相対的に粗
い粒子として存在していることが判った。
【0015】このことから、相対的に粗い粒子はSi、
Ca、Alなどの灰分成分を多く含む飛散灰やこれらが
焼却炉の高温部で溶融してガラス化したものであり、微
細な粒子の多くは塩類や重金属化合物が焼却炉の高温部
で気化した後、凝縮して固化したものであるものと考え
られる。そして、塩類や重金属化合物の粒子は気化して
生成したものであって、極めて微細な粒子であるので、
廃棄物焼却炉から発生するダストにおいては、或る粒径
を境に成分の偏りが生じているものと考えられる。
【0016】又、上記のバグフィルタで捕集されたダス
トのサンプルを多数採取して分級し、粗粒分と微粒分に
分別される比率を調べた結果によれば、粗粒分と微粒分
の比率(分別比率)の平均値は、粗粒分:微粒分≒7
0:30であり、表1に記載されている分別比率が平均
的な値であった。このことから、焼却炉から飛散してき
たダストを或る粒径で分級すれば、大部分が重金属の含
有量が少ない粗粒分に分別され、重金属の含有量が多い
微粒分に分別される量は少量であることが判った。
【0017】本発明は、このような知見に基づいてなさ
れたものであり、次のような特徴を有する。
【0018】請求項1の発明に係る廃棄物焼却排ガスと
ダストの処理方法は、廃棄物焼却炉から発生した排ガス
を、最初に粗粒分捕集用の集塵機で集塵し、次いで微粒
分捕集用の集塵機で集塵することにより、排ガス中のダ
ストを重金属の含有量が少ない粗粒分と重金属の含有量
が多い微粒分に分別して捕集し、粗粒分を廃棄物焼却炉
へ装入して新たに生成した焼却残渣と共に排出すること
を特徴としている。
【0019】請求項2の発明に係る廃棄物焼却排ガスと
ダストの処理方法は、請求項1の発明において、粗粒分
捕集用の集塵機による集塵を、排ガス中の有害ガス処理
を行う段階の前に行うことを特徴としている。
【0020】請求項3の発明に係る廃棄物焼却排ガスと
ダストの処理方法は、請求項1又は請求項の発明におい
て、粗粒分捕集用の集塵機がサイクロンであり、微粒分
捕集用の集塵機がバグフィルタであることを特徴として
いる。
【0021】請求項4の発明に係る廃棄物焼却排ガスと
ダストの処理方法は、請求項1〜請求項3の何れかの発
明において、微粒分を安定化処理装置へ送って重金属の
安定化処理を行うことを特徴としている。
【0022】請求項5の発明に係る廃棄物焼却排ガスと
ダストの処理方法は、請求項1〜請求項3の何れかの発
明において、粗粒分を廃棄物焼却残渣の溶融炉へ装入し
て溶融処理することを特徴としている。
【0023】請求項6の発明に係る廃棄物焼却排ガスと
ダストの処理方法は、請求項1〜請求項3の何れかの発
明において、微粒分を重金属回収装置へ送って処理する
ことを特徴としている。
【0024】前述のように、ダスト中の重金属の分布が
微粒分に偏析しているので、廃棄物焼却炉から発生した
ダストを或る粒径で分級して粗粒分と微粒分の2種類の
ダストに分ければ、重金属を多く含むダストと重金属の
含有量が少ないダストに分別することができる。
【0025】そこで、本発明においては、廃棄物焼却炉
から発生した排ガスを、粗粒分捕集用の集塵機と微粒分
捕集用の集塵機よりなる2種類の集塵機を用いて2段階
で集塵処理し、排ガス中のダストを捕集する。この2段
階の集塵により、排ガス中のダストが重金属の含有量が
少ない粗粒分と重金属の含有量が多い微粒分に分けて捕
集される。上記2種類の集塵機は、通常、粗粒分捕集用
の集塵機にサイクロンが使用され、微粒分捕集用の集塵
機にバグフィルタが使用される。
【0026】そして、上記2種類のダストのうち、重金
属の含有量が少ない粗粒分のダストを高温の廃棄物焼却
炉へ投入すれば、ダストが高温に加熱され、ダスト中の
重金属化合物が気化する。気化した重金属化合物は焼却
炉から飛散した後、凝縮して微細な粒子になって微粒分
捕集用の集塵機で捕集され、微粒分のダストとして排出
される。この際、投入したダストに含まれていたダイオ
キシン類も高温の炉内で分解して消失する。重金属やダ
イオキシン類が除去されたダストは新たに生成した焼却
残渣に混じって排出される。
【0027】加熱されたダストが混じった焼却灰は、重
金属やダイオキシン類が除去されているので、通常の焼
却灰と同じ処理法によって処分或いは利用することがで
きる。このため、ダストの処理が簡素化されると共に、
ダストが焼却灰として扱われるので、ダストが有効利用
可能のものになり、将来的には、埋め立て処分量の減少
が可能となる。
【0028】又、粗粒分捕集用の集塵機による集塵処理
を、排ガス中の有害ガス処理を行う前の段階で行った場
合には、排ガス中に消石灰粉が吹き込まれていないの
で、消石灰と塩化水素の反応生成物である塩化カルシウ
ムや未反応の消石灰を含まない粗粒分のダストが捕集さ
れる。このため、集塵機で捕集されたダストを焼却炉へ
返送しても、塩化物による装置の腐食が起こったり、焼
却灰がアルカリ性になったりする問題は発生しない。
【0029】一方、微粒分捕集用の集塵機で捕集された
微粒分のダストについては、その廃棄物焼却施設で実施
するのに適した処理方法を適宜選定して処理することが
できる。微粒分のダストは2基の集塵機による全捕集量
の1/3程度であり、少量であるので、何れの処理方法
を選定した場合においても、その処理・処分が効率よ
く、効果的に行われる。
【0030】例えば、微粒分のダストを液体キレート剤
などの添加による薬剤混練法により安定化処理した後、
埋め立て処分する場合には、安定化処理する微粒分のダ
ストの量が少ないので、処理後の埋め立て処分量が大幅
に減少する。
【0031】又、微粒分のダストを廃棄物焼却残渣の溶
融炉へ装入して溶融処理する場合には、処理量が少量で
あるので、溶融炉の設備を小型化することができる。こ
のため、設備投資額を少なくすることができ、電力など
のエネルギー消費を減少させることができる。
【0032】又、微粒分のダストを重金属回収装置へ送
って重金属を回収する処理を行う場合には、処理量が少
量であり、かつ重金属が濃縮されているので、処理が効
率よく行われ、重金属回収コストが低減される。
【0033】上記のような目的で行う2段階の集塵処理
においては、重金属の多くが粒径10μm以下の微粒分
に含まれているので、排ガス中のダストを粗粒分と微粒
分に分別する粒径の設定を10μm〜30μm程度の範
囲にし、この粒径の範囲内で適宜選択した粒径を捕集粒
径として設計された集塵機を粗粒分捕集用として使用す
るのがよい。
【0034】上記分別粒径の設定値の範囲は次のように
して定められた。分別粒径を10μmを下回る値に設定
すると、重金属含有量が多い微粒子の一部が粗粒分捕集
用の集塵機で捕集され、粗粒分として捕集されるダスト
中の重金属が多くなるので、好ましくない。
【0035】又、分別粒径を30μmを超える値に設定
すると、捕集性能の低い集塵機を粗粒分捕集用として使
用することができるが、重金属の含有量が少ない粒径の
粒子が微粒分に含まれるので、微粒分として捕集される
ダストの量が多くなり、かつ微粒分の重金属含有率が低
くなって微粒分の処理効率が低下する。又、分別粒径を
30μmを超える値に設定すると、微粒分として捕集さ
れるダストの比率が50%を上回ってしまうので、好ま
しくない。
【0036】なお、上記の説明においては、本発明にお
ける好ましい条件を粗粒分捕集用集塵機の捕集粒径に基
づいて定めたが、粗粒分捕集用集塵機で捕集されるダス
ト量の比率により定めてもよい。図4に示すように、排
ガス中のダストは30μm以下の粒子が約50%であ
り、10μm以下の粒子が約20%であるので、粗粒分
ダストの捕集比率が50%〜80%の範囲になる捕集性
能を有する粗粒分捕集用集塵機を使用すれば、粗粒分の
ダストと微粒分のダストの何れについても、効率よく処
理することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】次に、図1〜図3により本発明を
具体的に説明する。図1は本発明の実施の形態に係る一
例を示す図である。図1において、10はごみ焼却炉、
11は廃熱ボイラ、12は粗粒分捕集用の集塵機である
サイクロンある。サイクロン12は、排ガス流量、ダス
トの密度、排ガス中のダスト濃度などの操業条件の予想
値に基づいて、主として所定の分別粒径より大きい粒子
が捕集されるように設計されたものが配置されている。
なお、通常のごみ焼却炉から排出される排ガスの第1段
階の集塵処理においては、分別粒径が10μm〜30μ
m程度の範囲内で適宜選択した粒径を捕集粒径として設
計されたサイクロンが使用される。
【0038】13は減温塔、14は排ガス中の塩化水素
などの酸性ガスを除去するための石灰吹き込み装置、1
5は微粒分捕集用の集塵機であるバグフィルタである。
そして、20はバグフィルタ15で捕集された微粒分の
ダストを安定化するための安定化処理装置である。又、
サイクロン12で捕集された粗粒分のダストはごみ焼却
炉10の廃棄物ホッパーへ送られるようになっている。
16は誘引送風機、17は煙突である。
【0039】上記のように構成されたごみ焼却設備にお
いて、ごみ焼却炉10で発生した排ガスは廃熱ボイラ1
1で熱回収された後、サイクロン12へ導入され、第1
段階の集塵処理が行われる。サイクロン12において
は、焼却炉10から飛散してきたダストのうち、主とし
て所定粒径(10μm〜30μmの範囲で適宜選択され
る粒径)以上の粒子、すなわち粗粒分のダストが捕集さ
れる。粗粒分のダストが除かれた排ガスは減温塔13へ
導入されて水が噴霧され、後工程の排ガス処理に適する
温度まで急冷される。
【0040】次いで、石灰吹き込み装置14から、排ガ
スが流れている煙道内へ消石灰粉が吹き込まれ、排ガス
に含まれている塩化水素などの酸性ガスを除去する処理
が行われる。消石灰粉が吹き込まれた排ガスはバグフィ
ルタ15へ導入され、第2段階の集塵処理が行われる。
バグフィルタ15では、サイクロン12で捕集されなか
った微細なダストと、石灰吹き込み装置14から吹き込
まれた消石灰と塩化水素などとの反応生成物や未反応の
消石灰が捕集される。集塵処理された排ガスは、必要に
応じて、さらに有害ガスを除去する処理がなされた後、
放散される。
【0041】上記の排ガス処理工程において、サイクロ
ン12とバグフィルタ15の2箇所から集塵ダストが排
出される。サイクロン12においては、主として所定粒
径を超える大きさの粒子よりなる粗粒分だけが捕集され
るので、サイクロン12から排出されるダスト中の重金
属含有率は非常に少ない。しかし、逆に、バグフィルタ
15から排出されるダスト中の重金属含有率は多くなっ
ている。
【0042】サイクロン12から排出された粗粒分のダ
ストはごみ焼却炉10のホッパーへ送られ、廃棄物と一
緒に高温の炉内へ投入される。高温の炉内においては、
投入された粗粒分中の重金属化合物がその形態によって
それぞれ次のような挙動をするので、粗粒分のダストは
安定化される。粗粒分には、塩化物などの粒子で粗粒分
に分別された重金属や、その塩化物などの微粒子が粗粒
に付着した状態で存在する重金属、或いはケイ酸塩など
の形態で存在する重金属などが含まれているが、これら
のうち、気化しやすい塩化物などの形態の重金属は再び
気化して排ガス中へ飛散し、粗粒分のダストから除去さ
れる。又、ケイ酸塩などの形態の重金属はそのまま粗粒
分中に残留するが、ケイ酸塩などは難溶性化合物である
ので、その後の焼却残渣の処理に支障が生ずることはな
い。この際、投入したダストに含まれていたダイオキシ
ン類も高温の炉内で分解して消失する。重金属やダイオ
キシン類が除去されたダストは新たに生成した焼却残渣
に混じって排出され、焼却灰として取り扱われる。
【0043】炉内で気化した重金属化合物は凝縮して微
細な粒子になり、他の微細なダストと共にバグフィルタ
15で捕集される。このため、焼却炉10から飛散して
きた重金属の殆どが微粒分に含まれて排出される。従っ
て、焼却炉10から飛散してきた重金属が濃縮された状
態で微粒分のダストに集められる。
【0044】なお、粗粒分のダストをごみ焼却炉10へ
装入する際には、ダストを粒状にして装入することが好
ましいか、少なくとも、ダストを泥状又はスラリー状に
し、炉外及び炉内における発塵を防止する処置をしてお
いた方がよい。
【0045】バグフィルタ15で捕集された微粒分のダ
ストは安定化処理装置20へ送られて安定化処理された
後、埋め立て処分される。安定化処理装置20において
は、ダストに液体キレート剤を加えて混練し、ダスト中
の重金属と液体キレート剤を反応させて水に不溶性のキ
レート錯体を形成させる処理が行われる。
【0046】この実施の形態によれば、前述のように、
焼却炉から飛散してきたダストの大部分がサイクロン1
2で捕集されて別途に処理されているので、安定化処理
されて埋め立て処分されるダストの量は非常に少なくな
る。
【0047】図2は本発明の実施の形態に係る他の例を
示す図である。図2において、図1と同じ構成に係る部
分については、同一の符号を付し説明を省略する。この
実施の形態においては、溶融炉21が設けられており、
バグフィルタ15から排出された微粒分のダストが溶融
処理されるようになっている。溶融炉21は廃棄物焼却
残渣を溶融処理するための炉であって、電気抵抗式灰溶
融炉、回転表面溶融炉など、装入したダストの飛散が少
ない型式の溶融炉を使用することが望ましい。
【0048】溶融炉21へ装入された微粒分のダストは
溶融状態で排出された後、冷却・固化され、重金属が安
定化されたスラグとなる。このスラグは土木用資材であ
る砕石や砂などの代替品として使用することができる。
微粒分のダストに含まれていた重金属はその一部が気化
して集塵機で捕集される。
【0049】この実施の形態によれば、溶融炉21へ装
入されるダストがバグフィルタ15から排出された微粒
分のダストであり、焼却炉から飛散してきたダストの一
部だけであるので、溶融炉22を小型化することができ
ると共に、溶融エネルギーが低減される。
【0050】図3は本発明の実施の形態に係るさらに他
の例を示す図である。図3において、図1と同じ構成に
係る部分については、同一の符号を付し説明を省略す
る。この実施の形態においては、重金属回収装置22が
設けられている。
【0051】バグフィルタ15から排出された微粒分の
ダストは重金属回収装置22へ送られる。重金属回収装
置22では、ダストに酸を加えて重金属を抽出し、この
抽出液に沈殿剤を加えて重金属を沈殿させ、この沈殿物
を分離して鉛や亜鉛などの濃縮物を得る処理が行われ
る。その濃縮物は鉛や亜鉛などの製錬に供される。
【0052】この実施の形態によれば、排ガス中の重金
属の粒子が微粒分のダストに濃縮された状態で集められ
ており、かつ全捕集ダストに占める微粒分のダストの割
合は小さい。このため、重金属回収処理をするダストの
量が少なく、その処理が効率的に行われる。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、廃棄物焼却炉から発生
した排ガスを、粗粒分捕集用の集塵機と微粒分捕集用の
集塵機を用いて2段階で集塵処理することにより、排ガ
ス中のダストを重金属の含有量が少ない粗粒分と重金属
の含有量が多い微粒分に分別して捕集することができ
る。
【0054】上記2種類のダストのうち、重金属の含有
量が少ない粗粒分のダストを高温の廃棄物焼却炉へ投入
して新たに生成する焼却灰と共に排出することにより、
ダスト中の重金属が気化して除去され、又ダイオキシン
類も分解して消失する。このため、全捕集ダストの大半
を占める粗粒分のダストが簡単な操作により安定化され
ると共に、粗粒分のダストが通常の焼却灰と同様に有効
利用が可能ものになる。
【0055】一方、重金属の含有量が多い微粒分のダス
トについては、その廃棄物焼却施設で実施するのに適し
た処理方法を適宜選定して処理することができるが、排
ガス中のダストの大半が粗粒分として捕集されるので、
何れの処理方法を選定した場合においても、処理量少な
く、ダストの処理・処分が効率よく、効果的に行われ
る。又、埋め立て処分しなければならないダストの量を
減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る一例を示す図であ
る。
【図2】本発明の実施の形態に係る他の例を示す図であ
る。
【図3】本発明の実施の形態に係るさらに他の例を示す
図である。
【図4】都市ごみ焼却設備のバグフィルタで捕集された
ダストの粒径分布の例を示す図である。
【図5】粒径10μmを超えるものを主とする粗粒分の
粒径分布を示す図である。
【図6】粒径10μm以下のものを主とする微粒分の粒
径分布を示す。
【符号の説明】
10 ごみ焼却炉 11 廃熱ボイラ 12 サイクロン 13 減温塔 14 石灰吹き込み装置 15 バグフィルタ 20 安定化処理装置 21 溶融炉 22 重金属回収装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B09B 5/00 ZABN (72)発明者 品川 拓也 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 山口 宏 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA36 AB03 AC05 BA02 BA05 BB03 CA08 CA29 CA34 CB05 CB44 CC06 CC12 4D058 JA04 QA08 RA19 TA01 UA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物焼却炉から発生した排ガスを、最
    初に粗粒分捕集用の集塵機で集塵し、次いで微粒分捕集
    用の集塵機で集塵することにより、排ガス中のダストを
    重金属の含有量が少ない粗粒分と重金属の含有量が多い
    微粒分に分別して捕集し、粗粒分を廃棄物焼却炉へ装入
    して新たに生成した焼却残渣と共に排出することを特徴
    とする廃棄物焼却排ガスとダストの処理方法。
  2. 【請求項2】 粗粒分捕集用の集塵機による集塵を、排
    ガス中の有害ガス処理を行う段階の前に行うことを特徴
    とする請求項1に記載の廃棄物焼却排ガスとダストの処
    理方法。
  3. 【請求項3】 粗粒分捕集用の集塵機がサイクロンであ
    り、微粒分捕集用の集塵機がバグフィルタであることを
    特徴とする請求項1又は請求項2に記載の廃棄物焼却排
    ガスとダストの処理方法。
  4. 【請求項4】 微粒分を安定化処理装置へ送って重金属
    の安定化処理を行うことを特徴とする請求項1〜請求項
    3の何れかに記載の廃棄物焼却排ガスとダストの処理方
    法。
  5. 【請求項5】 微粒分を溶融炉へ装入して溶融処理する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の
    廃棄物焼却排ガスとダストの処理方法。
  6. 【請求項6】 微粒分を重金属回収装置へ送って処理す
    ることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載
    の廃棄物焼却排ガスとダストの処理方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005125234A (ja) * 2003-10-23 2005-05-19 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd セメント製造設備の集塵装置及び集塵方法
CN104368226A (zh) * 2014-11-14 2015-02-25 合肥环坤污泥干化设备有限公司 焚烧炉烟气净化系统
JP2016221472A (ja) * 2015-06-01 2016-12-28 一般財団法人電力中央研究所 石炭灰の選別方法
CN110947267A (zh) * 2018-09-27 2020-04-03 新特能源股份有限公司 气固混合物除尘系统及除尘方法

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