JP4374402B2 - 焼却残渣に含まれる重金属類の安定化処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼却残渣に含まれる重金属類の安定化処理方法に関し、例えば都市ごみ焼却プラント、産業廃棄物処理プラントなどから排出される焼却残渣に含まれる鉛等の重金属類の安定化処理に適用されるものである。ここで、焼却残渣とは、焼却主灰及び/又は焼却飛灰を意味する。
【0002】
また、本発明は、ガス化溶融炉・灰溶融炉プラントなどから排出される焼却残渣、あるいはまた、下水処理・し尿処理などから排出される汚泥の焼却残渣の重金属類の安定化処理にも適用されるものである。
【0003】
【従来の技術】
産業廃棄物および都市生活からの廃棄物等のうち、可燃物は回収後、焼却炉で焼却されて焼却灰(焼却主灰、以下、単に焼却灰ともいう)の形態として投棄されたり埋設処分に付されたりしている。
【0004】
しかしながら、これら焼却灰(焼却主灰)は、鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、クロム(Cr)、水銀(Hg)、ひ素(As)などの有害な重金属類を含んでいるため、最近では規制が厳しくなり、各種溶出試験などにおいて一定のレベル以下でないと土壌中に投棄したりすることはできず、埋立て地の溶出基準値をクリアする必要があった。また、道路の路盤材として再利用する場合には、土壌環境基準値をクリアする必要があった。
【0005】
その一方で、このような廃棄物を燃焼すると、各種成分中の低沸点物質が揮散し、いわゆる焼却飛灰(以下、単に飛灰ともいう)となるが、この飛灰は、上記焼却灰に比べて有害な重金属類などを非常に多く含むので、一般廃棄物のように埋め立てることができないばかりか、外部環境に拡散させないために消石灰を担持させたバグフィルターなどにこれを捕集している。このような飛灰は、環境衛生上厳重な管理が必要とされ、そのままでは投棄したり埋め立て資材として利用することはできない。
【0006】
しかしながら、近年、産業廃棄物や一般家庭からの廃棄物の量は増加の一途であり、既存の処分場の飽和化と環境汚染の問題等から処分場用地の確保が困難となっており、焼却灰、飛灰などをコンクリート成形体として各種土木工事や建築工事の基礎としたり路盤材として再利用することが検討されている。
【0007】
さらに、焼却炉からの焼却灰や飛灰を溶融処理することにより減容化やダイオキシン類の熱分解を図ることが行われているが、上記溶融処理においては蒸気圧の大きい鉛やカドミウム等の重金属は、炉内で揮発して排ガス中に入り、排ガスに入った重金属は排ガス処理設備内で凝縮し、再び飛灰となってしまうという問題があった。
【0008】
従来、このような焼却残渣に含まれる鉛等の重金属類の安定化処理方法としては、つぎの5つの処理が実用化されている。
【0009】
(1) 溶融固化処理:溶融固化は、燃料の燃焼熱や電気から得られた熱エネルギーまたはその他のエネルギーにより、媒塵や焼却灰等を加熱し、1200〜1400℃の高温下で有機物を燃焼、ガス化させ、無機物を溶融して、ガラス質のスラグとして回収する処理方法である。
【0010】
(2) セメント固化:セメント固化は、セメント中のケイ酸カルシウム等の組織鉱物が水と結合し、水和物結晶を生じて硬化する過程において、焼却残渣中の有害物質の吸着や固溶化を伴い、またセメントの強いアルカリ性によって有害物質の難溶性化合物を生成して、固化体中に沈着、固定する処理方法である。
【0011】
ここで、このセメント固化による焼却残渣の安定化処理方法には、つぎのような先行特許文献がある。
【0012】
【特許文献1】
「特開2002−86100号公報
この特許文献1記載の発明は、pHの管理を行わず最適pH値の範囲に収まり、飛灰の重金属、特に鉛の溶出を簡便に安定して防止できる重金属溶出防止方法を提供することを目的としており、特許文献1記載の発明では、溶融飛灰及び/又は焼成飛灰に、該飛灰当たりセメントを1〜100%添加して混合後、鉄塩を前記飛灰当たりFe換算で0.1%以上添加し、水を加えて混練し湿潤状態、又は、造粒することとするか、又は、前記飛灰を含有する排ガスを、前段のバグフィルタに通して該飛灰を捕集し、捕集後の排ガスに消石灰を噴霧して後段のバグフィルタを通して排ガスを処理するに際し、前記前段のバグフィルタで捕集した飛灰に、該飛灰当たりセメントを1〜100%と後段のバグフィルタによる捕集灰を添加して混合後、鉄塩を前記飛灰当たりFe換算で0.1%以上添加し、水を加えて混練し湿潤状態、又は、造粒することとしている。
【0013】
(3) 薬剤処理:薬剤処理は、焼却残渣をキレート剤等の薬剤で処理し、薬剤との反応により安定化を図る処理方法である。
【0014】
ここで、この薬剤処理による焼却残渣の安定化処理方法には、つぎのような先行特許文献がある。
【0015】
【特許文献2】
「特開2001−137823号公報」
この特許文献2記載の発明は、都市ごみ焼却飛灰、特に流動床炉飛灰処理物の体積膨張を抑制し、固化状態を良好にし、鉛の溶出を基準値以下に抑えて処理を行うことを目的としており、都市ごみ焼却飛灰に対し、液体キレート剤と、ポルトランドセメントと、ケイ酸アルカリ金属塩と、炭酸アルカリ金属塩とを併用配合し、水と共に混練するものである。
【0016】
(4) 酸・その他の溶媒による安定化処理:酸抽出・水酸化物法/酸抽出・硫化物法/酸抽出・重金属固定剤法/排ガス中和法による安定化処理。
【0017】
ここで、この酸・その他の溶媒による安定化処理方法には、つぎのような先行特許文献がある。
【0018】
【特許文献3】
「特開2001−49360号公報」
この特許文献3記載の発明は、低コストで飛灰中に含まれる鉛を除去することにより飛灰を安定化するとともに、除去した鉛を回収する飛灰中の鉛回収処理法を提供することを目的としており、焼却炉又は溶融炉から排出される鉛などの重金属類を含有する飛灰に、硫酸を加えて、鉛以外の重金属類を抽出したのち固液分離し、次いで、固液分離して得られた鉛を含む残渣にチオ硫酸アルカリ塩を加えて鉛を抽出したのち固液分離し、さらに固液分離して得られた濾液に硫化薬剤を加えて鉛を不溶化物としたのち固液分離するものである。
【0019】
(5) 焼成固化:焼却残渣単独またはこれに粘土等を添加し、粒状、レンガ状に成形した後、概ね1000℃以上の高温で焼成することにより、固体粒子が加熱によって互いに融解固着し、さらに付随して起こる収縮、緻密化、再結晶等により固化安定させる処理方法である。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の焼却残渣に含まれる鉛等の重金属類の安定化処理方法のうち、(1)溶融固化処理方法では、燃料の燃焼熱や電気によるエネルギー費用が非常に高くつくという問題があった。また、上記(2)セメント固化処理方法では、セメント費用を必要とするし、セメントの添加によって処理物量が増大するという問題があった。さらに、上記(3)薬剤処理方法では、液体キレート剤等の薬剤の費用が非常に高くつくという問題があった。また、上記(4)酸・その他の溶媒による安定化処理方法では、薬品(酸)と水処理設備が必要であるという問題があった。また、上記(5)焼成固化処理方法では、焼成固化での成形、高温処理のための設備を必要とし、設備費が高くつくという問題があった。
【0021】
本発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、焼却主灰及び/又は焼却飛灰よりなる焼却残渣に含まれる鉛等の重金属類を、簡易な方法で、しかも高効率で容易に不溶化して安定化することができて、従来のキレート剤等の薬剤、電気代等が不要で、ランニングコストを大幅に低減することができる、焼却残渣に含まれる重金属類の安定化処理方法を提供しようとするにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記の点に鑑み、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、鉛等の重金属類を含む焼却残渣(焼却主灰及び/又は焼却飛灰)を湿潤状態で放置するより湿潤処理と乾燥処理を繰り返す方が、鉛等の不溶化が促進されることがわかった。一方、鉛等の重金属類を含む焼却残渣を高温・高圧で処理することにより、鉛等の不溶化が促進されることがわかった。さらに、本発明者らは、上記第1の方法と第2の方法とを組み合わせて、鉛等の重金属類を含む焼却残渣(焼却主灰及び/又は焼却飛灰)の湿潤処理と乾燥処理とを繰り返した後、焼却残渣を、高温・高圧で処理することにより、さらに鉛等の重金属類の不溶化が促進されることを見出し、本発明を完成した。
【0023】
本発明の請求項1に記載の焼却残渣に含まれる重金属類の安定化処理方法は、鉛等の重金属類を含む焼却残渣(焼却主灰及び/又は焼却飛灰)を、含水率5〜35%に湿潤する湿潤処理と、湿潤状態の焼却残渣を50℃以上115℃以下の温度で乾燥させる乾燥処理とを繰り返すことを特徴としている。
【0024】
本発明の請求項2に記載の焼却残渣に含まれる重金属類の安定化処理方法は、鉛等の重金属類を含む焼却残渣(焼却主灰及び/又は焼却飛灰)を、含水率5〜35%に湿潤する湿潤処理と、湿潤状態の焼却残渣を50℃以上115℃以下の温度で乾燥させる乾燥処理とを繰り返した後、焼却残渣を、温度115℃以上150℃以下、及び圧力200kPa以上500kPa以下の条件で高温・高圧で処理することを特徴としている。
【0025】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を説明する。
【0026】
一般廃棄物の焼却残渣(焼却主灰及び/又は焼却飛灰)を有効利用するためには、重金属等有害物質の溶出に対処することが不可欠である。その方法の一つとして、エージング(aging)による重金属の不溶化現象を利用することが挙げられる。
【0027】
例えば、日本の表層土の約4割が火山灰に由来することに注目すると、「人工の火山」とも言える廃棄物焼却炉からの焼却残渣(人工の火山灰)もまた、土壌生成因子が作用することによって土壌化していくことが、充分に期待される。
【0028】
本発明者らは、焼却残渣に上記の土壌生成因子として、水分(湿潤・乾燥の繰り返し)、温度、圧力(高温・高圧状態への暴露)を作用させ、それらに伴って、焼却残渣中の鉛等の重金属類の不溶化現象が大きく生じることを見出した。
【0029】
本発明による焼却残渣に含まれる重金属類の安定化処理方法の第1は、鉛等の重金属類を含む焼却残渣(焼却主灰及び/又は焼却飛灰)を湿潤する処理と、乾燥する処理とを繰り返すものである。
【0030】
ここで、焼却残渣の湿潤処理が、焼却残渣を含水率5〜35%に湿潤する処理であり、焼却残渣の乾燥処理が、湿潤状態の焼却残渣を50℃以上115℃以下の温度で乾燥させる処理であるのが、好ましい。
【0031】
この焼却残渣の湿潤処理において、焼却残渣の含水率が5%未満であれば、鉛等重金属類の不溶化に寄与しないので、好ましくない。また焼却残渣の含水率が35%を超えると、湿潤処理後の乾燥処理に時間がかゝるとともに、乾燥のためのエネルギーコストが高くつくので、好ましくない。また、焼却残渣の乾燥処理において、焼却残渣の乾燥温度が50℃未満であれば、鉛等重金属類の不溶化が生じにくいので、好ましくない。また焼却残渣の乾燥温度が115℃を超えると、鉛等重金属類の不溶化は充分に生じるが、加熱乾燥のためのエネルギーコストが高くつくので、好ましくない。
【0032】
なお、焼却残渣を湿潤する処理と、乾燥する処理とを繰り返す回数は、特に制限はないが、2〜10回程度が好ましい。
【0033】
また、本発明による焼却残渣に含まれる重金属類の安定化処理方法の第2は、鉛等の重金属類を含む焼却残渣(焼却主灰及び/又は焼却飛灰)を、高温・高圧で処理するものである。
【0034】
ここで、焼却残渣の高温・高圧処理を、温度115℃以上150℃以下、及び圧力200kPa以上500kPa以下の条件で行なうのが、好ましい。
【0035】
この焼却残渣の高温・高圧処理において、温度が115℃未満、及び圧力が200kPa未満であれば、鉛等重金属類の不溶化が充分に生じないので、好ましくない。また温度が150℃を超え、及び圧力が500kPaを超えると、鉛等重金属類の不溶化は充分に生じるが、加熱・加圧のためのエネルギーコストが高くつくので、好ましくない。
【0036】
本発明の上記第1の方法と第2の方法によれば、いずれの場合にも、焼却主灰及び/又は焼却飛灰よりなる焼却残渣に含まれる鉛等の重金属類を、簡易な方法で、しかも高効率で容易に不溶化して安定化することができて、従来のキレート剤等の薬剤が不要であるとともに、電気代等が少なくてすみ、ランニングコストを大幅に低減することができる。
【0037】
つぎに、本発明による焼却残渣に含まれる重金属類の安定化処理方法の第3は、上記第1の方法と第2の方法とを組み合わせたものであり、鉛等の重金属類を含む焼却残渣(焼却主灰及び/又は焼却飛灰)の湿潤処理と乾燥処理とを繰り返した後、焼却残渣を、高温・高圧で処理するものである。
【0038】
ここで、焼却残渣の湿潤処理が、焼却残渣を含水率5〜35%に湿潤する処理であり、焼却残渣の乾燥処理が、湿潤状態の焼却残渣を50℃以上115℃以下の温度で乾燥させる処理であり、焼却残渣の高温・高圧処理が、温度115℃以上150℃以下、及び圧力200kPa以上500kPa以下の条件で行なう処理であるのが、好ましい。
【0039】
この場合、焼却残渣の湿潤処理において、焼却残渣の含水率が5%未満であれば、鉛等重金属類の不溶化に寄与しないので、好ましくない。また焼却残渣の含水率が35%を超えると、湿潤処理後の乾燥処理に時間がかゝるとともに、乾燥のためのエネルギーコストが高くつくので、好ましくない。また、焼却残渣の乾燥処理において、焼却残渣の乾燥温度が50℃未満であれば、鉛等重金属類の不溶化が生じにくいので、好ましくない。また焼却残渣の乾燥温度が115℃を超えると、鉛等重金属類の不溶化は充分に生じるが、加熱乾燥のためのエネルギーコストが高くつくので、好ましくない。また、焼却残渣の高温・高圧処理において、温度が115℃未満、及び圧力が200kPa未満であれば、鉛等重金属類の不溶化が充分に生じないので、好ましくない。また温度が150℃を超え、及び圧力が500kPaを超えると、鉛等重金属類の不溶化は充分に生じるが、加熱・加圧のためのエネルギーコストが高くつくので、好ましくない。
【0040】
本発明の上記第3の方法によれば、焼却主灰及び/又は焼却飛灰よりなる焼却残渣に含まれる鉛等の重金属類を、簡易な方法で、しかもより一層、高効率で容易に不溶化して安定化することができて、従来のキレート剤等の薬剤が不要であるとともに、電気代等が少なくてすみ、ランニングコストを大幅に低減することができる。
【0041】
【実施例】
つぎに、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0042】
実施例1
この実施例では、都市の乾式排ガス処理を行なっている清掃工場の電気集塵機で集められた飛灰、及び都市廃棄物の焼却灰を試料とした。各試料の成分分析と環境庁告示第46号法に基づくに溶出試験(JLT46)の結果を、下記の表1に示す。
【0043】
【表1】
最初に、鉛の含有量が多く、不溶化現象の等の把握が比較的容易である飛灰を用いて実験を行ない、つぎに、焼却灰を用いて同様の現象が生じるかを検討した。
【0044】
本発明において、湿潤・乾燥工程の繰り返しが鉛の溶出に与える影響を調べるために、以下の実験を行なった。まず、各温度における乾燥時間を決定するために、含水率30%に調整した試料をシャーレに所定の量を計り取り、110℃(条件A1)または60℃(条件A2)で乾燥させた。1時間ごとに試料の含水率を測定し、同時に溶出試験に供した。この実験の結果より絶乾状態となる最小の時間を決定した。
【0045】
この実施例では、試料をバットに取り、純水を加えて、含水率30%に調整した後、各温度に設定した乾燥器で乾燥させ、再び含水率が30%となるように純水を加えるという操作を1工程とし、この工程を繰り返す実験を行なった。
【0046】
また、この実施例では、実験を同じにするために、試料の厚さは1.5センチとした。1工程終了後の試料から50gを採取し、溶出試験(JLT46)、pH依存性試験を行なった。pH依存性試験は、初期の液固化比を10とし、1Nの硝酸で滴定し、pHをそれぞれ4,6,8,10,12に設定しながら、6時間スターラーで攪拌し、0.45μmの濾紙で濾過した。また、対照試験として、含水率30%に調整した試料を室温17℃の室内に放置する実験(条件B1)も行なった。濾液は、pHと鉛の濃度を測定した。
【0047】
さらに、上記の飛灰、及び焼却灰を試料とし、これらの焼却残渣を高温・高圧下に暴露した際の鉛溶出量を調べるため、以下の実験を行なった。
【0048】
純水を用いて含水率30%に調整した焼却残渣を500mlの三角フラスコに入れ、120℃、(223kPa)に設定した滅菌用オートクレーブに配置した(条件C1,C2)。実験中、含水率をほゞ一定に保つため、100mmビーカーで三角フラスコに蓋をした。含水率の増加は、実験前後で1〜2%以下に抑えられた。
【0049】
加熱・加圧後、焼却残渣の試料は、湿潤・乾燥実験と同様に溶出試験(JLT46)、pH依存性試験に供し、濾液のpHと、鉛の濃度を測定した。
【0050】
以上の実験条件を、下記の表2にまとめて示した。
【0051】
【表2】
実験結果と考察
<異なる乾燥温度における含水率の変化と鉛の不溶化>
図1に、飛灰の含水率と乾燥時間の関係を、図2に、鉛の溶出濃度と乾燥時間の関係を示す。
【0052】
これらの図から明らかなように、60℃で乾燥させた場合は、110℃の場合と比較して乾燥速度は遅くなり、8時間経過後に、ほゞ含水率0%となった。鉛の溶出濃度は、初めの1時間で急激に低下した後、緩慢に低下し続け、乾燥開始から8時間目で値は落ち着いた。110℃で乾燥させた場合、含水率は2時間目でほゞ0%となり、Pbの溶出濃度は、3時間経過後に最小値を示した。これより、鉛の不溶化が進行するのに充分かつ最短の時間として、60℃では8時間を、110℃の乾燥では、3時間を乾燥工程1回とした。
【0053】
本実験の結果から、60℃で乾燥させた場合と、110℃で乾燥させた場合の溶出濃度を同じ乾燥時間で比較すると、60℃で乾燥させた場合の方が鉛の不溶化が進行していることが判る。
【0054】
以上のことから、鉛の不溶化と含水率や乾燥速度は密接に関係しており、鉛の不溶化現象には、水分の存在が必須であることが判明した。
【0055】
<湿潤・乾燥工程における鉛の不溶化現象>
飛灰を用いた実験(条件A1,A2,B1)における鉛の溶出濃度の経時変化を図3に示す。湿潤・乾燥工程を繰り返すことよって、著しく鉛の不溶化が進行していることが判る。湿潤状態では、室内に放置したものは48時間後、60℃では、40時間後、110℃では、15時間後に、鉛の土壌環境基準値(0.01mg/l)以下となった。先にのべた実験では、鉛の不溶化現象には、水分の存在が大きく関与していると推測されたが、含水率を一定に保ったものと比較して、110℃で乾燥させたものの方が鉛の不溶化が進行していたため、温度が与える影響も示唆された。
【0056】
つぎに、焼却灰を用いた実験(条件A3,A4)の結果を図4に示す。焼却灰の鉛の溶出濃度は、比較的低い濃度ではあったが、湿潤・乾燥工程を繰り返すことよって、飛灰と同様に鉛の不溶化現象が見られ、土壌環境基準を満たした。
【0057】
<高温・高圧下における鉛の不溶化現象>
高温・高圧下に放置した際の鉛の溶出濃度の経時変化を図5に示す。飛灰(条件C1)、及び焼却灰(条件C2)ともに加熱・加圧時間の経過とともに、鉛の溶出濃度が減少した。焼却灰は、2時間後に鉛の土壌環境基準値(0.01mg/l)以下となった。しかし、飛灰は、鉛の土壌環境基準値(0.01mg/l)を下回ることはなかった。高温・高圧状態で2時間加熱した飛灰の鉛溶出濃度は、0.29mg/lであり、110℃での湿潤・乾燥工程を3回(計9時間)繰り返した時の鉛溶出濃度1.5mg/lよりは小さかった。この結果から、湿潤状態に保持したまま圧力を加えながら加熱する方が、湿潤・乾燥を繰り返すことよりも、鉛の不溶化を促進させることが示された。
【0058】
<濾液のpHと鉛の不溶化率の関係>
湿潤・乾燥実験、高温・高圧実験では、環境条件を急激に変化させることよって鉛の不溶化現象が認められたが、同時に濾液のpHも変化していた。各種の環境条件を与えたときの鉛の不溶化率と、そのときの濾液のpHの関係を図6に示す。鉛の不溶化率とは、初期の鉛の溶出濃度に対する減少濃度の割合を百分率で表わしたものである。湿潤・乾燥条件下では、鉛の不溶化率が上昇するにつれ、pHが低下した。一方、高温・高圧条件下では、pHがあまり変化しないにもかゝわらず、鉛の不溶化率が上昇していた。このことから、焼却残渣を高温・高圧下に放置した際の鉛の不溶化現象は、pHの要因よりも、他の要因、例えば鉛の化合形態の変化の可能性があることが判る。
【0059】
<pHの依存性試験による鉛の溶出特性>
鉛の不溶化現象が認められた試料について、pHの依存性試験を行なうことよって、酸性領域、強アルカリ領域での鉛の溶出量を調べた。試験には、不溶化の初期段階と最終段階として、湿潤・乾燥実験(条件A1,A2)の2回目と5回目、高温・高圧実験(条件C1)の0.5時間と2時間後の試料を用いた。ここで、飛灰(条件A1,A2)についてのpH依存性試験の結果を図7に示す。
【0060】
pH12の強アルカリ領域では、原灰と比較して処理を加えた試料は、鉛の溶出濃度が減少していることが判る。減少の程度は、各試料の溶出試験(JLT46)の結果と類似しており、強アルカリ領域では鉛の不溶化の進行によりpHの影響を受けにくい形態の鉛に変化していることが考えられる。しかし、pH4の酸性領域では、処理を加えた試料について飛灰原灰と比較すると、鉛の溶出量が増加する傾向が見られる。特に、不溶化の進んでいない試料での溶出量が大きくなる傾向が見られ、低pHで再溶解する形態の鉛も多く含まれていることが判る。
【0061】
X線回析により、飛灰原灰とオートクレーブで1時間加熱した試料の化学形態について分析したところ、原灰中の鉛は不溶性の形態として、金属鉛、PbS、PbSO4 の形で存在していたが、加熱・加圧後にはPbSO4 がPbCO3 に変化していることが確認された。しかし、この2つの結晶物の酸性領域出の溶解特性を考えると、鉛の不溶化現象は、鉛の化合形態の変化だけなく、共存物質の影響など、より複雑なメカニズムによって生じていることが考えられる。
【0062】
上記の本発明の実施例によれば、焼却残渣に土壌生成因子として、水分(湿潤・乾燥の繰り返し)、温度、圧力(高温・高圧状態への暴露)を作用させることにより、以下のような結果が得られた。
【0063】
(1) 鉛の不溶化現象には、水分の存在が必須である。
【0064】
(2) 一定の湿潤状態で放置する場合に比較して、湿潤・乾燥を繰り返すと、鉛の不溶化が促進される。
【0065】
(3) 鉛の不溶化現象は、pHの影響のみではなく、結晶物の変化など、鉱物学的な変化にも起因することが判明した。
【0066】
(4) 湿潤・乾燥、高温・高圧条件を作用させた場合、酸性領域では、鉛が溶出しやすくなることが認められた。
【0067】
なお、将来的には、酸性領域での鉛の不溶化を生じさせるためにも、上記実施例で得られた鉛の不溶化現象のメカニズムを、機器分析、熱力学平衡計算等の手法を用いて解明するのが、望ましい。
【0068】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載の焼却残渣に含まれる重金属類の安定化処理方法は、上述のように、鉛等の重金属類を含む焼却残渣(焼却主灰及び/又は焼却飛灰)を、含水率5〜35%に湿潤する湿潤処理と、湿潤状態の焼却残渣を50℃以上115℃以下の温度で乾燥させる乾燥処理とを繰り返すことを特徴とするもので、本発明によれば、焼却主灰及び/又は焼却飛灰よりなる焼却残渣に含まれる鉛等の重金属類を、簡易な方法で、しかも高効率で容易に不溶化して安定化することができて、従来のキレート剤等の薬剤、電気代等が不要で、ランニングコストを大幅に低減することができるという効果を奏する。
【0069】
また、本発明の請求項2に記載の焼却残渣に含まれる重金属類の安定化処理方法は、鉛等の重金属類を含む焼却残渣(焼却主灰及び/又は焼却飛灰)を、含水率5〜35%に湿潤する湿潤処理と、湿潤状態の焼却残渣を50℃以上115℃以下の温度で乾燥させる乾燥処理とを繰り返した後、焼却残渣を、温度115℃以上150℃以下、及び圧力200kPa以上500kPa以下の条件で高温・高圧で処理することを特徴とするもので、本発明によれば、焼却主灰及び/又は焼却飛灰よりなる焼却残渣に含まれる鉛等の重金属類を、簡易な方法で、しかもより一層、高効率で容易に不溶化して安定化することができて、従来のキレート剤等の薬剤が不要であるとともに、電気代等が少なくてすみ、ランニングコストを大幅に低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態において、飛灰の含水率と乾燥時間の関係を示すグラフである。
【図2】 本発明の実施形態において、鉛の溶出濃度と乾燥時間の関係を示すグラフである。
【図3】 本発明の実施形態において、飛灰を用いた実験における鉛の溶出濃度の経時変化を示すグラフである。
【図4】 本発明の実施形態において、焼却灰を用いた実験における鉛の溶出濃度の経時変化を示すグラフである。
【図5】 本発明の実施形態において、高温・高圧下に放置した際の鉛の溶出濃度の経時変化を示すグラフである。
【図6】 本発明の実施形態において、鉛の不溶化率と、そのときの濾液のpHとの関係を示すグラフである。
【図7】 本発明の実施形態において、飛灰についてのpH依存性試験の結果を示すグラフである。
Claims (2)
- 鉛等の重金属類を含む焼却残渣(焼却主灰及び/又は焼却飛灰)を、含水率5〜35%に湿潤する湿潤処理と、湿潤状態の焼却残渣を50℃以上115℃以下の温度で乾燥させる乾燥処理とを繰り返すことを特徴とする、焼却残渣に含まれる重金属類の安定化処理方法。
- 鉛等の重金属類を含む焼却残渣(焼却主灰及び/又は焼却飛灰)を、含水率5〜35%に湿潤する湿潤処理と、湿潤状態の焼却残渣を50℃以上115℃以下の温度で乾燥させる乾燥処理とを繰り返した後、焼却残渣を、温度115℃以上150℃以下、及び圧力200kPa以上500kPa以下の条件で高温・高圧で処理することを特徴とする、焼却残渣に含まれる重金属類の安定化処理方法。
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