JP2008189296A - 車体側部構造 - Google Patents

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Atsushi Takamatsu
敦 高松
Hideji Saeki
秀司 佐伯
Takashi Morimoto
尚 森本
Tomoichi Maeda
朝一 前田
Sei Gennai
聖 源内
Daisuke Oiki
大介 笈木
Kenji Suzuki
健司 鈴木
Masanao Tanaka
真尚 田中
Yoshinori Ebina
義則 蝦名
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Abstract

【課題】車両重量の増加を抑えつつ、乗員に対する車両の移動速度を充分に低減する。
【解決手段】センタピラー5のピラーインナ21の下部に、下部傾斜部21bや上部傾斜部21cからなる屈曲部を設けてその下端部21aを、サイドシル9のシルインナ25の上部25aおよびクロスメンバ17のフランジ17aに連結する。車両が側面衝突するなどして側方から衝撃を受けた際に、ピラーアウタ19が脆弱部となる貫通孔19dを起点として上下に破断した後、ピラーインナ21の屈曲部が伸張して張力を発生させ、センタピラー5の車室27内の乗員Mに対する移動速度を低減する。
【選択図】図4

Description

本発明は、車体側部のドア開口部に車体前後方向に沿って並ぶ2つのドアを有する自動車の車体側部構造に関する。
従来、例えば下記特許文献1には、インナパネルとアウタパネルとを結合してサイドボディを構成し、サイドボディのピラー部およびサイドシル部に、補強のためのリーンフォースメントをそれぞれ内装し、加えてサイドボディのピラー部およびサイドシル部にわたって補強する補強部材を内装し、この補強部材の下端部をサイドシル補強用のリーンフォースメントに結合し、同上端部をインナパネルに結合するとともに、同途中部位をピラー補強用のリーンフォースメントに結合している。
特開2000−247258号公報
ところで、上記したような従来の車体側部構造にあっては、年々強化される側面衝突試験に対応するために、各部材の板厚を増すなどして大幅な質量投資を実施する必要があるため、車両総重量が増加して燃費や運動性能を悪化させている。
また、上記従来の車体側部構造にあっては、側面衝突試験に対応すべく側面衝突時における衝突初期から高反力を発生させる構成となっているため、衝突時での車両の変形速度(例えばセンタピラーが車室内に向けて移動する速度)は抑制できる一方で、乗員に対する車両の移動速度(上記車両の変形速度と車両全体の移動速度との和で表され、例えば、センタピラーが乗員に接触している間のセンタピラーの平均移動速度)を充分に低減できないおそれがある。
そこで、本発明は、車両重量の増加を抑えつつ、乗員に対する車両の移動速度を充分に低減することを目的としている。
本発明は、車体側部のドア開口部に車体前後方向に沿って並ぶ少なくとも2つのドアと、2つのドアの上方に位置するルーフレールと、2つのドアの下方に位置するサイドシルとを有し、ルーフレールとサイドシルとの間で、2つのドアが隣接する位置の車体構成部に、車体が側方から車体内側に向けて衝撃を受けた際に、上下方向に伸張する伸張部を設けたことを最も主要な特徴とする。
本発明によれば、車体構成部が車体側方から車体内側に向けて衝撃を受けると、伸張部が上下方向に伸張して車体構成部が変形し、伸張部によって突っ張った状態となって、車体構成部を乗員に対して速やかに接近させる。その後車体構成部は、上記突っ張った状態で車室内方向への変形がほぼ完了し、この変形がほぼ完了した状態の車体構成部が乗員にほぼ接触しつつ車両が衝突方向へ移動するので、このほぼ接触状態での車両の移動速度は、車体構成部の変形がほぼ完了している分低減させることができる。この際、側面衝突試験に対応するために、各部材の板厚を増すなどして大幅な質量投資を実施する必要がなく、車両総重量の増加を防止して燃費や運動性能の悪化を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の基本的な車体側部構造を示すもので、該車体側部構造を備えた自動車の車室内側から見た、右側のボディサイド1およびフロア3を示す斜視図である。なお、図1中の矢印Fで示す方向が車体前方である。
ボディサイド1は、車体前後方向の中間部位に上下方向に延びる車体構成部としてのセンタピラー5を備え、このセンタピラー5は、上端が車体上部にて車体前後方向に延びるルーフレール7に、下端が車体下部にて車体前後方向に延びるサイドシル9に、それぞれ接続している。また、センタピラー5の車体前後のドア開口部1a,1bには、フロントドア11およびリアドア13がそれぞれ設けられている。
すなわち、本自動車のボディサイド1は、車体側部のドア開口部1a,1bに車体前後方向に沿って並ぶ少なくとも2つのドア11,13を有し、この2つのドア11,13の上方に前記したルーフレール7が、2つのドア11,13の下方に前記したサイドシル9がそれぞれ位置している。
一方、フロア3は、図中の矢印Xで示す車幅方向の中央に上方の車室内に突出するトンネル部15が車体前後方向に延長して設けてあり、このフロア3の車幅方向両端部を、前記したサイドシル9の下部側面に接続している。
また、フロア3上の前記したセンタピラー5に対応する位置には、車幅方向に延びるクロスメンバ17を設けており、このクロスメンバ17の車幅方向両端部は、サイドシル9における前記したフロア3の接続端部より上部の側面に連結している。
ここで、センタピラー5は、車体外側に位置するピラーアウタ19と車体内側に位置するピラーインナ21とを備え、これらが互いに接合されて上下方向に長い閉断面部を形成している。また、サイドシル9についても同様に、後述する図3に示すように車体外側に位置するシルアウタ23と車体内側に位置するシルインナ25とを備え、これらが互いに接合されて車体前後方向に長い閉断面部を形成している。
そして、ピラーアウタ19とシルアウタ23とは、車体外側から見た斜視図である図2(a)に示すように、ピラーアウタ19の下縁がサイドシル9の下縁と同一位置まで延長し、ピラーアウタ19の車体前後方向両端部を前後のシルアウタ23に接合し、これら相互を一体化してボディサイド1のアウタパネルを構成している。なお、図2ではフロンドドア11およびリアドア13を省略している。
一方、ピラーインナ21は、図1のA−A断面図である図3に示すように、下端部21aが、シルインナ25の上部25aとクロスメンバ17の上部に向けて屈曲しているフランジ17aとに挟持された状態で接合されている。
そして、このピラーインナ21は、上記したシルインナ25との接合部から上方に向けて延びているが、下端部21aの上部に対し、車室27側の斜め上方に向けて屈曲する下部傾斜部21bと、下部傾斜部21bの上端から車室27と反対側の斜め上方に向けて屈曲する上部傾斜部21cと、上部傾斜部21cの上端から車室27側の斜め上方に向けて屈曲する、上記の下部傾斜部21bよりも短い端部傾斜部21dとを、それぞれ備えている。
ピラーインナ21の端部傾斜部21dより上部は、ピラーアウタ19とほぼ平行に上方に向けて延び、その車体前後方向縁部から車室27と反対側に屈曲する側壁21fを備え、側壁21fから屈曲してピラーアウタ19のフランジ19aに接合するフランジ21gを備えている。
なお、上記した下部傾斜部21b,上部傾斜部21cおよび端部傾斜部21dにより伸張部としての屈曲部を構成している。
また、図2(a)に示すように、ピラーアウタ19は、車幅方向に対向する側面19bと、車体前後方向に対向する前後面19cを備え、ピラーアウタ19の下部におけるこれら側面19bおよび前後面19cには、脆弱部として貫通孔19dを設けている。なお、側面19bには複数の貫通孔19dを車体前後方向に沿って設けている。そして、これらの各貫通孔19dは、前記したピラーインナ21の屈曲部、つまり下部傾斜部21bや上部傾斜部21cを設けた部位付近に対応して設けている。
このような車体側部構造において、車両が側面衝突などによって側方から車体内側に向けて衝撃を受けたときの状態を図4,図5に基づき説明する。なお、図4は車体の右側部について車体前方から同後方を見た断面図であり、図5は図4の要部の拡大図である。
図4(a),図5(a)は衝突前の状態であり、この状態で側面衝突してセンタピラー5が車体内側に向けて衝撃を受けると、まず、図2(b)のように、ピラーアウタ19が貫通孔19dを起点として上下に破断する。
ピラーアウタ19の破断後は、図4(b),図5(b)のように、センタピラー5が車体内側に向けて変形移動し、このときピラーインナ21の屈曲部(下部傾斜部21b,上部傾斜部21cおよび端部傾斜部21d)は、徐々に引き延ばされるようにしてその屈曲角度が大きくなり(広がり)、さらに衝撃を受けることで図4(c),図5(c)のように、下部傾斜部21b,上部傾斜部21cおよび端部傾斜部21dがさらに引き延ばされ、最終的には、図4(d),図5(d)のように突っ張った状態(伸び切った状態)となる。
ピラーインナ21は、屈曲部が上記図4(d),図5(d)での突っ張った状態では、車室27内へ変形移動しているが、車室27内でシートに着座している乗員Mに対しては接触する直前であり、その後、車両全体が衝突方向へ移動することで車室27内の乗員Mに接触する虞がある。
センタピラー5が乗員Mにほぼ接触した後は、伸張しているピラーインナ21の屈曲部が張力を維持したままクロスメンバ17に衝突荷重が効率的に伝達され、これにより車体側面の反力を高い状態で維持して車両変形を最小限に抑制する。
このように、側面衝突時に、ピラーインナ21が車室27側に変形する際には、屈曲部が速やかに伸張して張力を発生させることにより、車両(センタピラー5)が車室27内の乗員Mへ接触する前に、ピラーインナ21の変形速度を速やかに減速させて、車室27内の乗員Mへのセンタピラー5の移動速度を低減する。
また、側面衝突初期には、図2(a)のようにピラーアウタ19の下端部に脆弱部として貫通孔19dを設けることで、ピラーアウタ19が図2(b)のように破断する構造としている。この際貫通孔19dは、側面19bおよび前後面19cに設けてあってこれら各面19b,19c相互間の境界部分であるピラーアウタ19の稜線Rを避けているので、通常走行時は車体剛性を確保しつつ、側面衝突初期には速やかに破断して車体変形を許容することにより、初期の車体反力を低減することができる。
このように、衝突初期においてピラーアウタ19が破断することで、その内側にあるピラーインナ21に速やかに衝撃が作用し、屈曲部の伸長動作によって車両変形速度の極大化を図り、センタピラー5と車室27内の乗員Mとのクリアランスを速やかに狭めることが可能となる。この結果、衝突による車両全体の移動速度が低い比較的早期の段階で、車両(センタピラー5)を車室27内の乗員Mの直前まで移動させることができる。
この際、本実施形態においては、各部材の板厚を増すなどして大幅な質量投資を実施する必要がなく、したがって車両総重量が増加して燃費や運動性能が悪化することを回避することができる。
また、ピラーインナ21における伸張構造となる屈曲部は、図3に示すように、その車体内側には空間Sが存在するだけであって、他の部材を設ける必要がないので、車両総重量が増加して燃費や運動性能が悪化することを回避することができる。
また、屈曲部を内側部材であるピラーインナ21に設けているので、屈曲形状が外部に露出せず、外観品質を維持することができる。
図6は、車体側面の反力特性図であり、横軸が衝突によるセンタピラー5の移動位置を、縦軸が車体反力をそれぞれ示す。ここで破線Aが現状構造に対応するものであり、一点鎖線Bが破線Aの現状構造に対して各部材の板厚を増すなどして対応したものであり、実線Cが上記した本発明の車体側部構造によるものである。
これによれば、本発明の車体側部構造では、衝突位置Pからピラーアウタ19の破断位置P1までの間に、従来のA,Bに比較して車体反力が小さく、破断位置P1の後にピラーインナ21の屈曲部が徐々に伸張し、さらに伸び切った(屈曲部伸張)位置P2までの間の車体反力が極めて低い状態を維持している。
そして、上記伸び切った(屈曲部伸張)位置P2の後、センタピラー5(ピラーインナ21)が車室27内の乗員Mの直前で乗員Mにほぼ接触しつつ車両全体が移動し、この間車体反力が徐々に高まり、本車体側部構造を備える自車両が衝突相手車両と離反する位置P3に至る。
このように図6からは、車体反力が従来に比較して弱い状態でピラーアウタ19が破断し、その後この弱い状態を維持しながらピラーインナ21が、伸び切った状態の後、車室27内の乗員Mの直前に位置して乗員Mにほぼ接触していることになり、乗員Mに対するセンタピラー5の上記ほぼ接触している状態での移動速度が低減し、車室27内の乗員Mに対する衝突時の衝撃を和らげることができる。
図7は、車室27内の乗員Mに対する車両(センタピラー)の移動速度を、上記図6のA,B,Cについてそれぞれ示している。ここで、破線部分はセンタピラー5の変形移動速度で、実線部分は車両全体の移動速度であり、これら両者の加算値が衝突時における衝突方向への車両変形移動速度となる。
これによれば、車両変形移動速度は本車体側部構造Cが他のA,Bに比較して低くなっており、この際本車体側部構造Cでの移動速度の内訳は、破線部分で示す衝突初期におけるピラーインナ21の屈曲部の伸張動作による変形移動速度分が、実線部分で示すその後車両全体の移動速度分より多くを占めている。
ピラーインナ21の屈曲部の伸張動作による変形移動時には、センタピラー5が車室27内の乗員Mに接触する前であり、その後の移動速度が低い実線部分の車両全体が移動する領域でセンタピラー5が車室27内の乗員Mに接触する虞があるので、車室27内の乗員Mへの衝撃が和らげられる。
一方、現状構造Aに対して各部材の板厚を増すなどして大幅な質量投資を実施させたBは、前述したように、板厚増大により衝突初期から高反力を発生させる構成としているので、破線部分で示す衝突初期におけるセンタピラーの変形移動速度分が、本車体側部構造Cよりも低減しているものの、その後の車両全体の移動速度分については最も高くなっており、車室内乗員Mに対する衝撃は本車体側部構造Cよりも大きくなる。
図8(a)は、本車体側部構造における車両側面衝突時でのセンタピラー5の速度線図(実線で示す)である。図中で破線は車両全体の移動速度、一点鎖線は車室27内の乗員Mの移動速度である。これに対して図8(b)は従来構造による、上記図8(a)と同様の図である。
本車体側部構造では、衝突時Tからピラーインナ21の屈曲部の伸張動作によりピラー速度が急激に上昇し、T1にて車両変形速度の極大化が図られる。その後ピラー速度の減少途中T2にてセンタピラー5(ピラーインナ21)が車室27内の乗員Mに接近してほぼ接触し、さらにピラー速度が低下してから時間T3にて車体全体の移動に伴って上昇するに至り、時間T4で本車体側部構造を備えた自車両が衝突相手車両と離反する。
ここで、センタピラー(ピラーインナ21)が車室27内の乗員Mにほぼ接触する時間T2から、衝突車両と離反する時間T4までの間のピラーインナ21の平均速度をAvとして示している。
一方図8(b)の従来構造では、ピラー速度の上昇度合いが本車体側部構造に比較して遅く(傾斜が緩やかに)なっており、最大ピラー速度は本車体側部構造よりも僅かに低いものの、その後は車体全体の移動速度が高い状態で車両全体とともにセンタピラーが移動している。
上記図8(b)でのセンタピラーが車室内の乗員Mにほぼ接触する時間T2から、衝突車両と離反する時間T4までの間のセンタピラーの平均速度Avは、前記図8(a)の本実施形態に比較して高くなっている。
このように、本車体側部構造では、センタピラーが車室27内の乗員Mにほぼ接触している時間帯での平均移動速度が従来構造に比較して低いので、車室内の乗員Mに対する衝突時の衝撃を和らげることが可能となる。
次に、本発明のより具体化した第1の実施形態について説明する。第1の実施形態は、前記図3に対応する図9に示すように、センタピラー5の下端部をサイドシル9に接続しており、センタピラー5はピラーアウタ29とピラーインナ31とを備えるとともに、サイドシル9はシルアウタ33とシルインナ34とを備えている。
ここで、ピラーアウタ29は、下端部29aから上部内側に向けて鋭角的に屈曲する屈曲部29bを設けている。一方、ピラーインナ31の下端31aは、ピラーアウタ29の下端部29aよりも上方に位置しており、この下端部31aの車体外側に、屈曲部29bの上方に延びる先端部29cが位置している。これにより屈曲部29bは、下端部29aが先端部29cよりも車室27と反対側(車体外側)に位置するよう傾斜している。
サイドシル9のシルアウタ33は、センタピラー5が接続する部位が上方に開口しており、この開口部位におけるシルアウタ33の内側にピラーアウタ29の下端部29aを入り込ませ、下端部29aの外面とシルアウタ33の内面とを接合固定する。
また、上記屈曲部29bの車体内側には、屈曲部29bの車室27側にほぼ接触した状態となる補強部材35を設けている。図10は車体外側からピラーアウタ29を通して見た補強部材35の斜視図である。
補強部材35は、前記した屈曲部29bの傾斜に沿った側面傾斜部35aと、車体前後方向両側の前後傾斜部35b,35cとを備え、これらによって全体として上部が細くなるような山形状となっている。
そして、補強部材35は、これら各傾斜部35a,35b,35cの上端部相互を連結する上面部35dを備え、上面部35dの車室27側の端部を上方に向けて屈曲させて形成した接合フランジ35eを、前記したピラーインナ31の下端31aと、屈曲部29bの先端部29cとの間に位置させ、屈曲部29bの先端部29cに接合固定する。なお、このとき接合フランジ35eはピラーインナ31の下端31aには接合せずに接触させたままである。
また、補強部材35の車室27側は開口しており、その車体内側の下部をシルインナ34の上部外側(車室27と反対側)に接合固定する。
さらに、図11(a)に示すように、シルアウタ33のピラーアウタ29との接続部より下方位置には、前記図2に設けた貫通孔19dに相当する花柄模様の貫通孔33aを複数設けている。この貫通孔33aは、図11(b)に拡大して示すように、四つの長孔33a1,33a2,33a3,33a4を一組として円周方向に沿って配置しかつ前記円周方向の配置領域の中心部Pから放射方向に沿って配置して全体で花柄模様とし、図11(b)中での花柄模様全体の上下、左右長さHを30mm程度、花柄模様相互の間隔Yを平均10mm程度、貫通孔31aを構成する長孔33a1,33a2,33a3,33a4の長さZ1,幅Z2をそれぞれ15mm,6mm程度とする。
また、これらの花柄模様は、シルアウタ33の側面33bおよび前後面33cに設けてあってこれら各面33b,33c相互の境界部分であるシルアウタ33の稜線Rを避けており、また花柄模様の中心部を一般的な車両のフロントバンパの上下高さに合わせている。
また、図12に示すように、センタピラー5の車体前後方向に位置するフロントドア11およびリアドア13(図12では省略)の内側にて車体前後方向に延長してドアガードバー37,39を設け、これら各ドアガードバー37,39のセンタピラー5側の端部を、前記した花柄模様の貫通孔33a付近に位置させる。
図13は、上記した第1の実施形態による車体側部構造において、車両が側面衝突などによって側方から車体内側に向けて衝撃を受けたときの変化を示している。図13(a)は衝突前の状態であり、このときセンタピラー5と乗員Mとの間にはクリアランスLを有している。
図13(a)で側方から衝撃を受けると、まず図13(b),図14(a)に示すように、シルアウタ33が貫通孔33aを起点として上下に破断する。この破断時には、センタピラー5は車室27側に移動するので,図13(b)に示すようにセンタピラー5と乗員Mとの間のリアランスL1となって図13(a)でのクリアランスLより狭くなる。
この際貫通孔33aは図11(b)に示したように四つの長孔33a1,33a2,33a3,33a4を傾斜させて花柄模様としているので、四つの長孔33a1,33a2,33a3,33a4の中心側の端部相互が連続するようにして容易に破断する。また、花柄模様の中央部を一般的な車両のフロントバンパの上下高さに合わせているので、該車両が本車両の側面に衝突したときに、花柄模様を起点とするシルアウタ33の破断がより確実となる。
さらに、上記の貫通孔33aの近傍にドアガードバー37,39の端部が位置しているので、側方からの衝撃荷重がこのドアガードバー37,39から効率よく伝達されてシルアウタ33の破断を促進させる。
シルアウタ33の破断後は、その上部に位置するピラーアウタ29の屈曲部29bが、図13(c),図14(b)に示すように、補強部材35から離れるようにして速やかに上部に移動する。この際、図13(c)に示すように、センタピラー5は車室27側に移動し、その後図13(d)のように屈曲部29bは伸び切った状態となって乗員Mに接近する。
上記した屈曲部29bの伸張量(伸び代)は、図9に示すように、補強部材35における側面傾斜部35aの傾斜方向の長さAと、上面部35dの車幅方向の長さBとを合わせた長さ分にほぼ相当する。この伸張量は、センタピラー5と車室27内の乗員Mとの初期クリアランスLに応じて最適な長さを事前に数値計算や実験によって求めておく。
なお、ピラーアウタ29の屈曲部29bが伸張しセンタピラー5が車室27側に変形移動する際には、ピラーアウタ29の先端部29cが補強部材35の接合フランジ35eに接合され、かつ接合フランジ35eがピラーインナ31の下端31aに接合されていないので、ピラーインナ31もピラーアウタ29とともに車室27側に移動する。
上記図13(d)の状態では、センタピラー5は車室27内の乗員Mに対してはほぼ接触する直前であり、その後、車両全体が衝突方向へ移動することで車室27内の乗員Mに接触する虞がある。
センタピラー5が乗員Mにほぼ接触した後は、伸張しているピラーアウタ29が張力を維持したままクロスメンバ17に衝突荷重が効率的に伝達され、車体側面の反力を高い状態で維持して車両変形を最小限に抑制する。
このように、側面衝突時に、センタピラー5が車室27側に変形する際には、屈曲部29bが速やかに伸張して張力を発生させることにより、車両(センタピラー5)が車室27内の乗員Mへ接触する前に、センタピラー5の変形速度を速やかに減速させて、車室27内の乗員Mへの移動速度を低減する。
また、側面衝突初期には、図11のようにシルアウタ33に脆弱部として貫通孔33aを設けることで、シルアウタ33が図14のように破断する構造としている。この際上記した貫通孔33aは、側面33bおよび前後面33cに設けてあってシルアウタ33の稜線Rを避けているので、通常走行時は車体剛性を確保しつつ、側面衝突初期には速やかに破断して車体変形を許容することにより、初期の車体反力を低減することができる。
さらに、補強部材35を屈曲部29bの車体内側に設けることで、通常走行時での車体剛性が向上する。
このように、衝突初期においてシルアウタ33が破断することで、ピラーアウタ29に速やかに衝撃が作用して車両変形速度の極大化を図り、センタピラー5と車室27内の乗員Mとのクリアランスを速やかに狭めることが可能となる。この結果、衝突による車両全体の移動速度が低い比較的早期の段階で、センタピラー5を車室27内の乗員Mの直前まで移動させることができる。
この際、本実施形態においては、各部材の板厚を増すなどして大幅な質量投資を実施する必要がなく、したがって車両総重量が増加して燃費や運動性能を悪化することを回避することができる。
また、ピラーアウタ29における伸張構造となる屈曲部29bの内側の補強部材35は図9に示すように中空構造であって、その車体内側には空間Sが存在するだけであって、他の部材を設ける必要がないので、車両総重量が増加して燃費や運動性能を悪化することを回避することができる。
また本実施形態では、補強部材35は、ピラーインナ31と、ピラーインナ31よりも車幅方向外側へ突出するサイドシル9の外側部分すなわちシルアウタ33とを互いに接続して傾斜させ、この補強部材35の傾斜に沿って屈曲部29bを上方に向けて屈曲させているので、屈曲部29bが補強部材35から離反して容易に伸長する。
次に、本発明のより具体化した第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、前記図3に対応する図15に示すように、センタピラー5の下端部をサイドシル9に接続しており、センタピラー5はピラーアウタ41とピラーインナ43とを備えるとともに、サイドシル9はシルアウタ45とシルインナ47とを備えている。
上記したピラーアウタ41の下端部41aはシルアウタ45の上端部45aに接続し、ピラーインナ43の下端部43aはシルインナ47の上端部47aに対し離間して上方に位置しており、これら下端部43aと上端部47aとの間に、連結部材49を設けている。
連結部材49は、上部49dをピラーインナ43の下端部43aに接合固定し、下部49eを、シルインナ47の上端部47aとクロスメンバ17のフランジ17aとの接合部に重ねて合わせてこれら両者に接合固定している。
また、この連結部材49は、上部49dの下縁から車幅方向外側のピラーアウタ41に向けて延びる上壁49aと、下部49eの上縁から車幅方向外側のシルアウタ45に向けて延びる下壁49bと、これら各上壁49aおよび下壁49b相互を上下方向に連結する縦壁49cとを備える。これら上壁49a,下壁49bおよび縦壁49cで屈曲部を構成している。
図16は、ピラーアウタ41の内側に位置する連結部材49を車体外側から見た斜視図である。これによれば、連結部材49は、上壁49a,下壁49bおよび縦壁49cを備える部分に対して車体前後方向両側部分において、上部49dに連続して下方に延びる上側部49f,49gと、下部49eに連続して上方に延びる下側部49h,49iとを備え、これら上側部49f,49gの下端と下側部49h,49iの上端との互いの対向部位は、接合されず別体となっている。
すなわち、上記した連結部材49は、上部49dと下部49eとが屈曲部(49a,49b,49c)によって連続している。
図17は、前記した第1の実施形態における図12に対応する斜視図である。ここでは、第1の実施形態の花柄模様の貫通孔33aと同様の花柄模様の貫通孔45bを、シルアウタ45に設けている。この貫通孔45bは、前記した連結部材49の縦壁49cに対向する位置にあり、屈曲部に対応する部位に設けていることになる。なお、この貫通孔45bは、屈曲部に対応する部位であればピラーアウタ41に設けてもよい。
また、第1の実施形態と同様に、センタピラー5の車体前後方向に位置するフロントドア11およびリアドア13(図17では省略)の内側にて車体前後方向に延長してドアガードバー37,39を設け、これら各ドアガードバー37,39のセンタピラー5側の端部を、前記した花柄模様の貫通孔45b付近に位置させる。
第2の実施形態においても、車両が側方から衝撃を受けると、図18のように、ドアガードバー37,39からの荷重入力によって、ピラーアウタ41が花柄模様の貫通孔45bを設けた部位を起点として上下に破断する。
ピラーアウタ41の破断後は、ピラーアウタ41の破断周辺を二点鎖線で示している図19および車体前後方向から見た断面図である図20に示すように、その内部に位置する断面コ字型となっている連結部材49の屈曲部が速やかに伸張する。
連結部材49の屈曲部が伸張する際には、第1の実施形態と同様に、センタピラー5は車室27側に移動し、その後伸び切った状態となって乗員Mに接近する。
上記した連結部材49の屈曲部の伸張量は、図15中の上壁49a,下壁49bの車幅方向長さCと、縦壁49cの上下方向長さDとを合わせた長さ分となる。この伸張量は、センタピラー5と車室27内の乗員Mとの初期クリアランスLに応じて最適な長さを事前に数値計算や実験によって求めておく。
このようにして、センタピラー5は、車室27内の乗員Mに対して接近後、さらに車両全体が衝突方向へ移動することで車室27内の乗員Mにほぼ接触する。
センタピラー5が乗員Mに接触した後は、伸張している連結部材49の屈曲部が張力を維持したままクロスメンバ17に衝突荷重が効率的に伝達され、車体側面の反力を高い状態で維持して車両変形を最小限に抑制する。
このように、側面衝突時に、センタピラー5が車室27側に変形する際には、連結部材49の屈曲部が速やかに伸張して張力を発生させることにより、車両(センタピラー5)が車室27内の乗員Mへ接触する前に、センタピラー5の変形速度を速やかに減速させて、車室27内の乗員Mへの移動速度を低減する。
また、側面衝突初期には、図17のようにピラーアウタ41に脆弱部として貫通孔45bを設けることで、ピラーアウタ41が図18のように破断する構造としている。この際上記した貫通孔45bは、側面41cおよび前後面41dに設けてあってピラーアウタ41の稜線Rを避けているので、通常走行時は車体剛性を確保しつつ、側面衝突初期には速やかに破断して車体変形を許容することにより、初期の車体反力を低減することができる。
このように、衝突初期においてピラーアウタ41が破断することで、連結部材49に速やかに衝撃が作用して車両変形速度の極大化を図り、センタピラー5と車室27内の乗員Mとのクリアランスを速やかに狭めることが可能となる。この結果、衝突による車両全体の移動速度が低い比較的早期の段階で、センタピラー5を車室27内の乗員Mの直前まで移動させることができる。
この際、本実施形態においては、各部材の板厚を増すなどして大幅な質量投資を実施する必要がなく、したがって車両総重量が増加して燃費や運動性能を悪化することを回避することができる。
また、本実施形態では、伸張構造を備える連結部材49は、図15に示すように、ピラーアウタ41と反対の内側は中空構造であって、その車体内側には空間Sが存在するだけであって、他の部材を設ける必要がないので、車両総重量が増加して燃費や運動性能を悪化することを回避することができる。
また、連結部材49は、ピラーインナ43の下部から車幅方向外側に延びる上壁49aと、サイドシル9のシルインナ47から車幅方向外側に延びる下壁49bと、これら各上壁49aおよび下壁49b相互を上下方向に連結する縦壁49cとを備えているので、これら各壁49a,49b,49cの屈曲方向の長さ分(図15中で2C+D)だけ伸張させることができ、各長さを適宜調整することで、センタピラー5と車室27内の乗員Mとの初期クリアランスLに応じて最適な長さに設定することができる。
また、上壁49aおよび下壁49bの長さを変更することで、伸び代の長さが変化し、側面衝突時における車体側面反力の立ち上がりタイミング(図6の位置P2)を変更することができる。すなわち、連結部材49の小規模な形状変更のみで、車幅(センタピラー5と乗員Mとのクリアランス)に応じた最適な車体側面反力コントロールが可能となり、車両毎の部材設計に関する新規検討の工数が削減され、コスト低減効果を見込める。
このような連結部材49は、単に屈曲形成した板材を、ピラーインナ43の下部とシルインナ47の上部とを接続するという簡単な構成で、伸長部を構成でき、上記した効果を達成することができる。
図21は、本発明の第3の実施形態を示す、前記図4に対応する動作説明図であり、図22はその要部を拡大した動作説明図である。この実施形態は、前記図1〜図5における伸張部として屈曲部を設ける代わりに、屈曲部を設けた部位に対応する領域Lにおけるピラーアウタ19およびピラーインナ21を、他の部位に比較して伸びやすい部材19T,21Tで構成している。
図23は、ひずみεと引張応力σとの関係を、上記領域Lにおける伸びやすい部材19T,21T(実線D)と、他の部位(一般部)のピラーアウタ19およびピラーインナ21(破線E)とを比較して示している。なお、使用する材料としては、他の部位のピラーアウタ19およびピラーインナ21をSP785とした場合、伸びやすい部材19T,21Tとしては、SP785に対して約10%の伸びが期待できる例えばSP783とし、これら各部材19T,21Tの上下両端部を他の部位の端部に対して突き合わせた状態でレーザ溶接により接合する。
したがって、本実施形態においては、車両が側面衝突などによって側方から車体内側に向けて衝撃を受けたときには、伸びやすい部材19T,21Tが伸張することによって、センタピラー5(ピラーアウタ19およびピラーインナ21)が、前記図4,図5における屈曲部が引き延ばされる図4(b),図5(b)以降と同様の挙動をする。
このため、側面衝突時に、ピラーインナ21が車室27側に変形する際には、伸びやすい部材19T,21Tが速やかに伸張して張力を発生させることにより、上記した各実施形態と同様に、車両(センタピラー5)が車室27内の乗員Mへ接触する前に、ピラーインナ21の変形速度を速やかに減速させて、車室27内の乗員Mへのセンタピラー5の移動速度を低減させることができる。
また、本実施形態では、伸長部として、他の部位に対して単に伸びやすい部材19T,21Tを利用しているので、車体構造として屈曲部を設けるような形状の変化はなく、したがって車種を問わず適用できる範囲を拡大できる。
本発明の第4の実施形態として、上記第3の実施形態における伸びやすい部材19T,21Tに対応する部位に対し、熱処理によって成形ひずみを除去し、元の伸びやすい部材とする。
実際のセンタピラー5の周辺は難成形な部分が多いため、成形ひずみにより図24に示す破線F(図23の実線Dに相当)に示す材料特性から、成形加工後は、実線Gのように永久ひずみεbが発生してひずみεが大きくなる特性となる。
そこで、成形加工後に熱処理することで、上記した永久ひずみεbを除去して鋼板の組織を安定させ、図23に示した伸びやすい部材19T,21Tと同様な、成形前の元の伸びやすい部材とする。
このため、本実施形態においても、伸長部として、他の部位に対して単に伸びやすい部位を設けるようにしているので、車体構造として屈曲部を設けるような形状の変化はなく、したがって車種を問わず適用できる範囲を拡大できる。また、部分的に熱処理を施して伸びやすい部位としているので、伸びやすい部位を別部材とする必要がなく、センタピラーの製造が容易となる。
なお、具体的な熱処理の方法としては、当該熱処理する部位に電磁コイルを巻いた状態で通電し、800℃〜1200℃程度に加熱する。すなわち、本実施形態では、ピラーアウタ19およびピラーインナ21の全体を、前記第3の実施形態における伸びやすい部材19T,21Tと同様の材質とし、図22における伸びやすい部材19T,21Tに対応する部位に対して部分的に熱処理を施すことで、熱処理した部位を伸張部とする。
図25は、本発明の第5の実施形態に係わるもので、(a)はピラーアウタ19とシルアウタ23との接続部周辺を車体外側から見た斜視図、(b)は(a)のB−B断面図である。この実施形態は、前記図1〜図5における伸張部として屈曲部を設ける代わりに、屈曲部を設けた部位付近に対応する領域Nにおけるピラーインナ19およびピラーアウタ21に、上下方向に沿って波型形状となる蛇腹状の波型部19W,21Wを形成する。
なお、図25では、サイドシル9内にレインフォース51を設けるとともに、シルインナ53をピラーインナ21と一体化しており、また波型部19Wの上部のピラーアウタ19の内面にもレインフォース56を設けている。
したがって、本実施形態においては、車両が側面衝突などによって側方から車体内側に向けて衝撃を受けたときには、センタピラー5に設けた波型部19W,21Wが、図25(c)のように伸張することによって、センタピラー5(ピラーアウタ19およびピラーインナ21)が、前記図4,図5における屈曲部が引き延ばされる図4(b),図5(b)以降と同様の挙動をする。
本実施形態においては、伸長部として、ピラーアウタ19およびピラーインナ21の双方に波型形状を設けているので、側方から衝撃を受けたときに伸長しやすく、また図25(c)のように伸び切った後の状態での張力維持をより確実にでき、クロスメンバ17に対しより効率的に衝突荷重を伝達することができる。
図26は、本発明の第6の実施形態を示す、前記図5に対応する動作説明図である。この実施形態は、前記図1〜図5における伸張部として屈曲部を設ける代わりに、センタピラー5の下端を一体的に接続するサイドシル9の内部にシル内補強部材としてのシル内レインフォース57を設け、該レインフォース57の上壁57aを、車体側方の外側部分が内側部分よりも上下方向で高い位置として水平面に対して傾斜させている。
すなわち、シル内レインフォース57は、側壁57bの上部に上壁57aを備えるとともに、下部に下壁57cを備え、これら上壁57aおよび下壁57cの内側端部に形成したフランジ部57d,57eをインナ部材としてのシルインンナ25に接合固定しており、この際、上壁57aと側壁57bとのなす角度を鋭角にするとともに、上壁57aとフランジ部57dとのなす角度を鋭角にすることで、上壁57aを傾斜させている。
本実施形態においては、車両が側面衝突などによって側方から車体内側に向けて衝撃を受けたときには、ピラーアウタ19が内側に押されることにより、シル内レインフォース57が、シルアウタ23によって上方に押されて図26(b),(c)のように上記傾斜している上壁57aがさらに傾斜するようにして上方に向けて倒れ込み、最終的には、図26(d)のようにほぼ潰れた状態となったときに、ピラーアウタ19がほぼ伸び切った状態となって乗員Mに接近する。
したがって、本実施形態においても、センタピラー5が乗員Mにほぼ接触した後は、伸張しているピラーアウタ19が張力を維持したままクロスメンバ17に衝突荷重を効率的に伝達し、車体側面の反力を高い状態で維持して車両変形を最小限に抑制し、車両(センタピラー5)が車室27内の乗員Mへ接触する前に、センタピラー5の変形速度を速やかに減速させて、車室27内の乗員Mへの移動速度を低減することができる。
また、本実施形態は、上記した効果を備えつつ、サイドシル9の剛性をシル内レインフォース57により高めることができる。この際、本実施形態では、コ字状に屈曲形成したシル内レインフォース57の上壁57aと側壁57bとのなす角度を鋭角にして上壁57aを傾斜させるだけであるので、脆弱部の形成が容易となる。
図27,図28は、本発明の第7の実施形態を示すもので、図27はピラーアウタ19とシルアウタ23との接続部周辺を車体外側から見た斜視図、図28は、図26に相当する動作説明図である。この実施形態は、前記図26に示した第6の実施形態に対し、シル内レインフォース57の上壁57aのセンタピラー5に対応する位置に、上壁脆弱部としての貫通孔57fを形成している。
したがって、本実施形態においては、車両が側面衝突などによって側方から車体内側に向けて衝撃を受けたときに、ピラーアウタ19が内側に押されることにより、シル内レインフォース57が、シルアウタ23によって上方に押され、このとき貫通孔57fを備える上壁57aが上方に向けて倒れ込み、最終的には、図28(d)のようにほぼ潰れた状態となったときに、ピラーアウタ19がほぼ伸び切った状態となって乗員Mに接近する。
また、本実施形態においても、シル内レインフォース57を設けているので、前記した第6の実施形態と同様にサイドシル9の剛性をシル内レインフォース57により高めることができる。この際、本実施形態では、コ字状に屈曲形成したシル内レインフォース57の上壁57aに貫通孔57fを形成することで、シル内レインフォース57を設けつつ軽量化も達成できる。
図29(a)は、前記図25に示した第5の実施形態に対し、ピラーアウタ19の内面に沿って上下方向補強部材としてのピラー内レインフォース59を設けた第8の実施形態を示している。ピラー内レインフォース59は、センタピラー5に使用する材料に比較して強度が高い高張力部材で構成しており、上端のフランジ部59aをピラーアウタ19の内面に設けてあるレインフォース56の内面に接合固定するとともに、下端のフランジ部59bをシル内レインフォース51の外側の面に接合固定し、これらフランジ部59a,59b相互間の前記した波型部19Wに対応する部位を、ピラーインナ21側に向けて突出させる弛み部としての突出部59cを形成している。
本実施形態によれば、車両が側面衝突などによって側方から車体内側に向けて衝撃を受けたときには、センタピラー5に設けた波型部19W,21Wが、図29(b)のように伸張して伸び切った状態で、ピラー内レインフォース59の突出部59cも引き延ばされて伸び切った状態となり、この状態をピラー内レインフォース59によって保持することができる。
すなわち、本実施形態では、衝突後半における車体側面の反力の高い状態を、ピラー内レインフォース59によってより確実に維持して車両変形をより最小限に抑制することができる。
図30は、図29の変形例に係わる第9の実施形態を示すもので、ピラー内レインフォース59に代えて高張力部材で構成したワイヤ61を用いている。すなわち、ワイヤ61の上端61aをレインフォース56の内面に接合固定するとともに、下端61bをシル内レインフォース51の外側の面に接合固定し、下端61b付近に弛み部としての折畳み部61cを設けている。
したがって、この例においても、センタピラー5の波型部19W,21Wが、図29(b)と同様にして伸張して伸び切った状態で、ワイヤ61は折畳み部61cが引き延ばされて伸び切った状態となり、この状態をワイヤ61によって保持することができるので、図29に示した第8の実施形態と同様の効果を得ることができる
なお、このワイヤ61は、複数本設けることが望ましい。
また、上記図29のピラー内レインフォース59や図30のワイヤ61は、前記した他の各実施形態にも適用できる。
また、前記した各実施形態において、センタピラー5における屈曲部などの伸長部を備える部位を、車室27内の乗員Mの腰部と同程度の上下高さ位置とする。これにより、伸長部が伸張したときに、センタピラー5を乗員Mに確実に接近させることができる。該伸長部が、乗員Mの腰部より下方にあるとシートの座面側部に接触してしまうので、センタピラー5を乗員Mに向けて確実に接近させることができない。
なお、上記した各実施形態では、ピラーインナ21,31,43における伸張構造となる屈曲部などからなる伸張部を、ピラーインナ21,31,43のサイドシル9近傍に設けているが、ピラーインナ21,31,43において、車体上部にて車体前後方向に延びるルーフレール7と、車体下部にて車体前後方向に延びるサイドシル9との間であればどこでもよい。図31は、その一例を示す、前記図4に対応する動作説明図であり、屈曲部(下部傾斜部21b,上部傾斜部21c,端部傾斜部21d)を、乗員Mの腰部よりも上方の腹部にほぼ対応する位置に設定している。
また、ピラーアウタ19を破断させるために脆弱部となる図3の貫通孔19dや図10,図11の花柄模様の貫通孔33aに代えて、図32に示すように、これら貫通孔を設けた領域Mに、強度の低い部材63を介装してレーザ溶接などにより接合したり、あるいは図33に示すように、上記貫通孔を設けた部位付近を上下に分割し、該分割した上下の部材端部同士を、リベットやボルトナットなどの連結具65によって連結した連結部66を設けて脆弱部としてもよい。
脆弱部として部分的に強度の低い部材63を使用することで、外観品質を維持することができ、また連結部66の構成を、連結具65としてリベットやボルトナットなど適宜選定することができる。
図34〜図37は、本発明の第10の実施形態を示している。図34は、前記図1に対応する車室内側から見た、右側のボディサイド1およびフロア3を示す斜視図であり、この自動車は、図1に示してあるセンタピラー5を設けていない、センターピラーレス車である。
すなわち、この実施形態による自動車のボディサイド1は、車体側部のドア開口部1cに車体前後方向に沿って並ぶ2つのドア11,13を備えており、これらドア11,13相互間にセンタピラーを設定していない。
この実施形態では、図35に示すフロントドア11のリアドア13に近接する位置の車体上下方向に対応する部位67(図35の斜線部)が車体構成部であり、この部位67の上下両端、すなわちフロントドア11の後端上下両端に、ロック部69,71をそれぞれ設けている。
ロック部69,71は、図36(a)に示すように、車体側のストライカ取付部73(上部のロック部69ではルーフレール7、下部のロック部71ではサイドシル9に相当)に、全体としてU字形状を呈するストライカ75の固定部75aをボルト77によって締結固定する。ストライカ75は固定部75aの両端からU字形部75bが一体形成されている。
ストライカ75のU字形部75b内のタイヤ収容孔75cには、伸張部となるワイヤ79を移動可能に収容している。ワイヤ79は、U字形部75bの両端を貫通してストライカ取付部73の貫通孔73a側に向けて貫通させて突出させ、その両先端部にストッパ用のフランジ79aを備えている。
一方、フロントドア11側には、ストライカ75のU字形部75bに対して、係合部81aが係合離脱可能なロック81を備えている。
第10の実施形態では、図36(a)のようにロック81がストライカ75に係合してロック状態にあるときに、車両が側面衝突などによって側方から車体内側に向けて衝撃を受けたときには、図36(b)のようにストライカ75のU字形部75bがロック81により引っ張られる作用を受けて破断する構成とする。
そして、この破断によってロック81が、図36(c)のようにストライカ取付部73から離れる方向に移動し、この際内部のワイヤ79がロック81によって車体側から引っ張り出され、この状態でワイヤ79はフランジ79aにより引き出し方向の移動が規制される。
この結果、前記図4(d)に対応する図37に示すように、ルーフレール7とサイドシル9との間で、上下の各ワイヤ79が車体側から引っ張り出されることになり、フロントドア11の車体構成部である車体上下方向に対応する部位67が、前記した各実施形態におけるセンタピラー5と同様にして車体内側に屈曲して伸び切った状態となって乗員Mに接近する。
したがって、本実施形態においても、フロントドア11の車体上下方向に対応する部位67が乗員Mにほぼ接触した後は、ストライカ75の破壊により伸張しているワイヤ79および部位67が張力を維持したままクロスメンバ17に衝突荷重を効率的に伝達し、これにより車体側面の反力を高い状態で維持して車両変形を最小限に抑制することができる。
このように、側面衝突時に、フロントドア11の車体上下方向に対応する部位67が車室27側に変形する際には、ワイヤ79が速やかに伸張して張力を発生させることにより、車両(フロントドア11の車体上下方向に対応する部位67)が車室27内の乗員Mへ接触する前に、フロントドア11の車体上下方向に対応する部位67の変形速度を速やかに減速させて、車室27内の乗員Mへのフロントドア11の車体上下方向に対応する部位67の移動速度が低減する。
これにより、フロントドア11が車室27内の乗員Mにほぼ接触している時間帯での平均移動速度が従来構造に比較して低くでき、車室27内の乗員Mに対する衝突時の衝撃を和らげることが可能となる。
また、ストライカ75内に伸張部となるワイヤ79を収容しているので、伸長部として特に外部に露出するような構造は回避でき、外観品質を維持でき、ワイヤ79を使用することで、ストライカ75内への収容が容易となる。
なお、このようなロック部69,71の構造は、リアドア13のフロントドア11に近接する上下両端に設けてある図示しないロック部にも適用できる。その場合には、前記したフロントドア11の部位67に隣接する位置のリアドア13の車体上下方向に対応する部位が車体構成部となる。
本発明の基本的な車体側部構造を示すもので、該車体側部構造を備えた自動車の車室内側から見た、右側のボディサイドおよびフロアを示す斜視図である。 (a)は図1の車体側部構造の車体外側から見た斜視図、(b)は(a)に対しピラーアウタが貫通孔を起点として上下に破断した状態を示す説明図である。 図1のA−A断面図である。 図1の車体側部構造において、車両が側面衝突して衝撃を受けたときの状態を示す動作説明図であり、(a)は衝突前の状態、(b)はピラーアウタが上下に破断した状態、(c)は屈曲部が伸長する途中の状態、(d)は屈曲部が伸び切った状態をそれぞれ示す。 図4の要部の拡大図である。 車体側面の反力特性図である。 車室内の乗員に対する車両(センタピラー)の移動速度を示す説明図である。 (a)は、本車体側部構造における車両側面衝突時でのセンタピラーの速度線図、(b)は従来構造による(a)と同様の速度線図である。 本発明の第1の実施形態を示す、図3に対応する断面図である。 第1の実施形態での車体外側からピラーアウタを通して見た補強部材の斜視図である。 (a)は第1の実施形態での車体側部構造の車体外側から見た斜視図、(b)は(a)におけるシルアウタに設けた貫通孔の拡大図である。 図11(a)に対しドアガードバーを設けた場合の斜視図である。 第1の実施形態による車体側部構造において、車両が側面衝突などによって側方から車体内側に向けて衝撃を受けたときの変化を示す動作説明図で、(a)は衝突前の状態、(b)はシルアウタが上下に破断した状態、(c)は屈曲部が伸長する途中の状態、(d)は屈曲部が伸び切った状態をそれぞれ示す。 (a)は図12に対しシルアウタが上下に破断した状態を示す動作説明図、(b)は(a)から屈曲部が伸張した状態を示す動作説明図である。 本発明の第2の実施形態を示す、図3に対応する断面図である。 第2の実施形態における連結部材に対応する部分のピラーアウタを透視した状態の車体外側から見た斜視図である。 第2の実施形態での車体側部構造の車体外側から見た斜視図である。 図17に対しピラーアウタが破断した状態を示す動作説明図である。 図18にてピラーアウタが破断したときの連結部材が伸張した状態を示す動作説明図である。 連結部材が伸張した状態での車体前後方向から見た断面図である 本発明の第3の実施形態を示す、図4に対応する動作説明図である。 図21の要部を拡大した動作説明図である。 ひずみと引張応力との関係を、伸びやすい部材と、他の部位(一般部)のピラーインナおよびピラーアウタとで比較して示した相関図である。 熱処理によって成形ひずみを除去する状態を示す説明図である。 本発明の第5の実施形態を示すもので、(a)はピラーアウタとシルアウタとの接続部周辺を車体外側から見た斜視図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)はその動作説明図である。 本発明の第6の実施形態を示す、図5に対応する動作説明図である。 本発明の第7の実施形態を示す、ピラーアウタとシルアウタとの接続部周辺を車体外側から見た斜視図である。 第7の実施形態を示す、図26に相当する動作説明図である。 (a)は、第8の実施形態を示す、図25(b)に対応する断面図、(b)はその動作説明図である。 本発明の第9の実施形態を示す、図29の変形例に係わる断面図である。 図4に対し屈曲部を乗員の腰部よりも上方の腹部にほぼ対応する位置に設定した例を示す動作説明図である。 脆弱部として図3や図10,図11の貫通孔に代えて、強度の低い部材を介装してレーザ溶接などにより接合した例を示す動作説明図である。 脆弱部として図3や図10,図11の貫通孔に代えて、リベットやボルトナットなどで連結した例を示す斜視図である。 本発明の第10の実施形態を示す、図1に対応する車室内側から見た、右側のボディサイドおよびフロアを示す斜視図である。 図34のフロントドアの正面図である。 (a)は図34のフロントドアの上下両端に設けたロック部の構造を示す断面図で、(b)および(c)は、(a)のロック状態からストライカが破断して内部のワイヤが引き出された状態を順次示す動作説明図である。 図36(c)のようにワイヤが引き出された状態でのフロントドアの変形状態を示す、図4(d)に対応する動作説明図である。
符号の説明
5 センタピラー(車体構成部)
9 サイドシル
19,29,41 ピラーアウタ
19b 車幅方向に対向する側面(車幅方向に対向する面)
19c 車体前後方向に対向する前後面(車体前後方向に対向する面)
19d,33a,45b 貫通孔(脆弱部)
19T,21T 伸びやすい部材(伸張部)
19W,21W 波型形状となる波型部
21,31,43 ピラーインナ
21a ピラーインナの下端部(屈曲部の下端部)
21b 下部傾斜部(屈曲部,伸張部)
21c 上部傾斜部(屈曲部,伸張部)
21d 端部傾斜部(屈曲部,伸張部)
23,33,45 シルアウタ
25,34,47 シルインナ
29a ピラーアウタの下端部(屈曲部の下端部)
29b 屈曲部(伸張部)
29c 上方に延びる先端部
33b シルアウタの側面(車幅方向に対向する面)
33c シルアウタの前後面(車体前後方向に対向する面)
35 補強部材
37,39 ドアガードバー
41c ピラーアウタの側面(車幅方向に対向する面)
41d ピラーアウタの前後面(車体前後方向に対向する面)
49 連結部材
49a 連結部材の上壁(屈曲部,伸張部)
49b 連結部材の下壁(屈曲部,伸張部)
49c 連結部材の縦壁(屈曲部,伸張部)
57 シル内レインフォース(シル内補強部材)
57a シル内レインフォースの上壁
57f 上壁の貫通孔(上壁脆弱部)
59 ピラー内レインフォース(上下方向補強部材)
59c ピラー内レインフォースの突出部(弛み部)
61 ワイヤ(上下方向補強部材)
61c ワイヤの折畳み部(弛み部)
63 強度の低い部材(脆弱部)
66 連結部(脆弱部)
67 フロントドアのリアドアに近接する位置の車体上下方向に対応する部位(車体構成部)
69,71 ロック部
75 ストライカ
79 ワイヤ(伸張部)
81 ロック
M 乗員
S 屈曲部の車体内側の空間

Claims (28)

  1. 車体側部のドア開口部に車体前後方向に沿って並ぶ少なくとも2つのドアと、前記2つのドアの上方に位置し、前記ドア開口部の車体上部にて車体前後方向に延びるルーフレールと、2つのドアの下方に位置し、車体下部にて車体前後方向に延びるサイドシルとを有する車体側部構造において、前記ルーフレールと前記サイドシルとの間で、前記2つのドアが隣接する位置の車体構成部に、前記車体が側方から車体内側に向けて衝撃を受けた際に、上下方向に伸張する伸張部を設けたことを特徴とする車体側部構造。
  2. 前記車体構成部は、車体上下方向に延びるセンタピラーであることを特徴とする請求項1に記載の車体側部構造。
  3. 前記伸張部は、前記センタピラーを屈曲して形成した屈曲部であることを特徴とする請求項2に記載の車体側部構造。
  4. 前記センタピラーはピラーアウタとピラーインナとを備えるとともに、前記サイドシルはシルアウタとシルインナとを備え、前記ピラーアウタと前記シルアウタとを互いに接続し、前記屈曲部を前記ピラーインナの前記サイドシル近傍に設け、前記屈曲部の下端部を前記シルインナに接続したことを特徴とする請求項3に記載の車体側部構造。
  5. 前記センタピラーは、ピラーアウタとピラーインナとを備えるとともに、前記サイドシルはシルアウタとシルインナとを備え、前記屈曲部は、前記ピラーアウタの下部を上方に向けて屈曲させ、この屈曲して上方に延びる先端部を、前記屈曲部の車体内側に配置した補強部材の上部に接続し、前記屈曲部の下端部を前記サイドシルのシルアウタに接続するとともに、前記補強部材の車体内側の下部を前記サイドシルのシルインナに接続したことを特徴とする請求項3に記載の車体側部構造。
  6. 前記補強部材は、上部を前記ピラーインナ近傍に位置させ、車体外側の下部を前記屈曲部と前記シルアウタとの接続部近傍に位置させて下部側が上部側より車体外側となるよう傾斜させ、この補強部材の傾斜に沿って前記屈曲部を上方に向けて屈曲させたことを特徴とする請求項5に記載の車体側部構造。
  7. 前記センタピラーはピラーアウタとピラーインナとを備えとともに、前記サイドシルはシルアウタとシルインナとを備え、前記屈曲部は、前記ピラーインナの下部と前記シルインナ部とを互いに接続し、かつ、車幅方向外側に向けて突出するよう屈曲する連結部材で構成したことを特徴とする請求項3に記載の車体側部構造。
  8. 前記連結部材は、前記ピラーインナの下部から車幅方向外側に延びる上壁と、前記サイドシルから車幅方向外側に延びる下壁と、これら各上壁および下壁相互を上下方向に連結する縦壁とを備えることを特徴とする請求項7に記載の車体側部構造。
  9. 前記屈曲部に対応する部位の前記ピラーアウタと前記シルアウタとのいずれかに脆弱部を設けたことを特徴とする請求項4,7,8のいずれか1項に記載の車体側部構造。
  10. 前記屈曲部の下端部が接続する部位よりも下方位置の前記サイドシルに脆弱部を設けたことを特徴とする請求項5または6項に記載の車体側部構造。
  11. 前記脆弱部は、車体前後方向に沿って設けた複数の貫通孔で構成されていることを特徴とする請求項9または10に記載の車体側部構造。
  12. 前記複数の貫通孔は、車幅方向に対向する面と、車体前後方向に対向する面との境界部分を避けて設けたことを特徴とする請求項11に記載の車体側部構造。
  13. 前記複数の貫通孔は、円周方向に沿って環状に配置しかつ前記円周方向の配置領域の中心部から放射方向に沿って延びる長孔形状としたことを特徴とする請求項11または12に記載の車体側部構造。
  14. 前記脆弱部は、他の部位に比較して強度の低い別部材を溶接により接合して構成したことを特徴とする請求項9または10に記載の車体側部構造。
  15. 前記脆弱部は、上下方向に互いに分割した部材相互を連結具で連結して構成したことを特徴とする請求項9または10に記載の車体側部構造。
  16. 前記センタピラーの車体前後方向に位置する少なくとも一方のドアの内側に車体前後方向に延長されるドアガードバーを設け、このドアガードバーの前記センタピラー側の端部を、前記脆弱部近傍に位置させたことを特徴とする請求項9ないし15のいずれか1項に記載の車体側部構造。
  17. 前記屈曲部の車体内側に空間を設けたことを特徴とする請求項3ないし16のいずれか1項に記載の車体側部構造。
  18. 前記伸張部は、前記センタピラーにおける他の部位に比較して伸びやすい部材で構成したことを特徴とする請求項2に記載の車体側部構造。
  19. 前記伸張部は、熱処理によってひずみを除去することで前記センタピラーにおける他の部位に比較して伸びやすい部位として構成したことを特徴とする請求項2に記載の車体側部構造。
  20. 前記伸張部は、前記センタピラーを上下方向に沿って波型形状として構成したことを特徴とする請求項2に記載の車体側部構造。
  21. 前記センタピラーの下端を一体的に接続するサイドシルの内部にシル内補強部材を設け、このシル内補強部材は、上下両端を前記サイドシルの内側に設けたインナ部材に接続して該上下両端の接続部相互間に空隙を有し、前記シル内補強部材の前記インナ部材に接続した上端から車体外側に向けて延びる上壁を、車体側方の外側部分が内側部分よりも上下方向で高い位置として水平面に対して傾斜させ、前記伸張部は、前記シル内補強部材の車体側方を覆うようにして配置した前記サイドシルおよびセンタピラーと前記シル内補強部材とで構成したことを特徴とする請求項2に記載の車体側部構造。
  22. 前記センタピラーの下端を一体的に接続するサイドシルの内部にシル内補強部材を設け、このシル内補強部材は、上下両端を前記サイドシルの内部に設けたインナ部材に接続して該上下両端の接続部相互間に空隙を有し、前記シル内補強部材の前記インナ部材に接続した上端から車両外側に向けて延びる上壁に上壁脆弱部を設け、前記伸張部は、前記シル内補強部材の車体側方を覆うようにして配置した前記サイドシルおよびセンタピラーと前記シル内補強部材とで構成したことを特徴とする請求項2または21に記載の車体側部構造。
  23. 前記上壁脆弱部は貫通孔で構成されていることを特徴とする請求項22に記載の車体側部構造。
  24. 前記センタピラー内に、該センタピラーに沿って上下方向に延び、かつ上下方向の途中部位に弛み部を備える上下方向補強部材を設け、この上下方向補強部材を前記センタピラーに比較して強度の高い部材で構成したことを特徴とする請求項2ないし23のいずれか1項に記載の車体側部構造。
  25. 前記伸張部は、車室内の乗員の腰部と同程度の上下高さ位置にあることを特徴とする請求項1ないし20のいずれか1項に記載の車体側部構造。
  26. 前記ルーフレールとサイドシルとの間の前記車体構成部は、前記2つのドアの互いに近接する位置の少なくとも一方のドアの車体上下方向に対応する部位であり、前記ドアをドア開口部に対して閉じたときに車体本体に対してロックするロック部を、前記車体上下方向に対応する部位の上下方向端部に設け、前記ロック部に前記伸張部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車体側部構造。
  27. 前記ロック部は、U字形状のストライカとこのストライカに対して係合離脱可能なロックとを備え、前記ストライカに前記ロックが係合した状態で車体が側方から車体内側に向けて衝撃を受けた際に、前記ストライカが破壊されて伸長する伸長部を、前記ストライカ内に設けたことを特徴とする請求項26に記載の車体側部構造。
  28. 前記伸長部はワイヤで構成したことを特徴とする請求項27に記載の車体側部構造。
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