JP2008188904A - 積層成形体の成形方法並びに成形装置 - Google Patents

積層成形体の成形方法並びに成形装置 Download PDF

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Abstract

【課題】積層成形体の成形方法並びに成形装置であって、ソフト感を良好に維持するとともに、シャープな外観形状を確保し、表皮の成形性能を高める。
【解決手段】樹脂芯材21の表面に表皮22をモールドプレス成形工法、射出成形工法により一体化する際、成形上下型50,60内にアシストモデル70を投入して、表皮22の予備成形を行なう。アシストモデル70は、シリンダにより上下動するモデル型74が成形上型50と協働して表皮22をプレス・真空成形するが、モデル型74は、硬質樹脂からなるモデル型本体75の外表面に柔軟性を有する柔軟層76を積層するという構成を採用することで、モデル型74の圧着姿勢のバラツキや表皮22の厚みバラツキを柔軟層76の弾性作用により吸収し、成形性並びに絞転写性を高める。
【選択図】図3

Description

この発明は、ドアトリム、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、トランクトリム、ラゲージサイドトリム、ルーフトリム、リヤサイドトリム等の自動車用内装部品に好適な積層成形体の成形方法並びに成形装置に係り、特に、良好なソフト感が得られ、かつ絞転写性を向上させるとともに、シャープな外観形状を忠実に現出できる積層成形体の成形方法並びに成形装置に関する。
従来から、ドアトリム、ラゲージサイドトリム、リヤサイドトリム等の自動車用内装部品としては、車体パネルへの取付剛性並びに形状保持性を備えた樹脂芯材の表面に表面風合い、並びにソフト感が良好な表皮を貼着して構成されることが多い。例えば、図11,図12を基にドアトリム1を例示して説明する。ドアトリム1は、樹脂芯材2の表面に表皮3を一体貼着して構成されている。この樹脂芯材2としては、コスト、成形性等を考慮して、ポリプロピレン樹脂にフィラーを適宜混入した複合ポリプロピレン系樹脂材料が使用されている。また、表皮3としては、製品表面側からクロス3a、ポリウレタンフォーム3bからなる二層の積層シート材料が使用されている。この表皮3については、クロス3aにより良好な表面風合いを確保し、ポリウレタンフォーム3bのクッション性により、ソフト感を良好に維持できる機能を備えている。尚、図中符号1aはアームレストを示す。
次に、ドアトリム1の成形方法に使用する従来の成形金型4について、図13を基に説明する。成形金型4は、可動側である成形上型5と、その下方に位置する固定側の成形下型6と、成形下型6に連設されている射出機7とから大略構成されている。成形上型5は、シリンダ5aにより所定ストローク上下動可能に構成され、成形上型5の上下動作により、成形上下型5,6は、型締め、型開きが行なわれる。また、成形下型6には、射出機7から供給される溶融樹脂Mの樹脂通路として、マニホールド6a、ゲート6bが設けられている。そして、成形金型4が型開き状態にある時、表皮3の周縁をクランプ枠8により保持した状態で成形金型4内に投入する。次いで、成形上型5を所定ストローク下降操作して、図14に示すように、成形上下型5,6の型クリアランスが所定値に到達した時、射出機7から溶融樹脂Mがマニホールド6a、ゲート6bを通じて成形下型6の型面所定位置に分配供給される。
更に、成形上型5の下降動作が続行し、成形上下型5,6の型クリアランスが一定値になった時(成形上型5が下死点に到達した時)、溶融樹脂Mは、成形上下型5,6間のキャビティ形状に沿っていきわたり、所望厚みで所望形状の樹脂芯材2が成形されるとともに、この樹脂芯材2の表面に表皮3が一体貼着されて成形が完了する(図15参照)。従来の積層成形体及びその成形方法については、特許文献1に詳細に記載されている。
特開平10−100176号公報
このように、従来の成形金型4による樹脂芯材2と表皮3との同時成形においては、図14に示す溶融樹脂Mの供給時、溶融樹脂Mの熱により、表皮3におけるポリウレタンフォーム3b等のクッション層がダメージを受け、成形後、クッション性能が低下し、ソフト感に劣るという欠点が指摘されている。例えば、製品表面のショアC硬度は62程度である。
更に、表皮3の形状保持は、樹脂芯材2に依存しているため、アームレスト1a等のコーナー部はシャープな形状出しができず、外観意匠性についても良好なものとはいえなかった。例えば、アームレスト1aのコーナー部の曲率はR5(Rは2.5が理想)である。加えて、表皮3の原反自体に絞模様が設けられている場合には、アームレスト1aのように、展開率の高い部位では絞模様が伸び、変形することから、外観意匠性を低下させる要因となっている。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、表皮と樹脂芯材とを一体化してなる積層成形体の成形方法並びに成形装置であって、良好なソフト感が得られ、かつシャープな外観形状の現出が可能となり、しかも成形サイクルを短縮化でき、コストダウンを招来する積層成形体の成形方法並びに成形装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、成形上下型内に表皮をセットした後、成形上下型間で形成されるキャビティ内に溶融樹脂を供給することで樹脂芯材を所要形状に成形するとともに、この樹脂芯材の表面に表皮を一体化してなる積層成形体の成形方法において、前記成形上型に真空吸引機構が付設された成形上下型と、成形上下型内に投入され、成形上型と協働して表皮を成形するアシストモデルとからなる成形装置を使用し、成形上下型内に投入されるアシストモデルには、加熱軟化処理した表皮が直接、あるいは表皮枠を介してセットされており、このアシストモデルにおけるシリンダの伸長操作により、モデル型と表皮とを上昇させて、成形上型とモデル型との間で表皮をプレス圧着する際、成形上型に真空吸引機構を動作させることで、表皮を真空成形するとともに、硬質のモデル型本体の表面に積層された柔軟層の弾性作用により、モデル型の圧着姿勢のバラツキ及び表皮の厚みバラツキを吸収し、成形上型の型面に沿って表皮を均一厚みで、かつ薄肉状に真空・プレス成形する表皮の成形工程と、前記成形工程で成形した表皮を成形上型の真空吸引力により成形上型に保持する一方、モデル型をシリンダの伸縮操作により下降操作させ、アシストモデルを成形上下型の外部に退避させた後、表皮を保持した成形上型を所定ストローク下降操作して、成形上型が下死点に到達する直前、あるいは到達した後のいずれかのタイミングでキャビティ内に溶融樹脂を供給し、樹脂芯材を所望の曲面形状に成形するとともに、この樹脂芯材の表面に表皮を積層一体化する樹脂芯材と表皮との一体化工程とからなることを特徴とする。
ここで、積層成形体は、樹脂芯材と表皮とから構成されており、樹脂芯材の素材として、熱可塑性樹脂が使用されているが、1種類の熱可塑性樹脂、あるいは2種類以上の熱可塑性樹脂からなっても良い。好ましくは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等が使用できる。また、熱可塑性樹脂中に充填剤を混入しても良く、充填剤としては、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維、タルク、クレイ、シリカ、炭酸カルシウム等の無機粒子がある。更に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、低収縮剤等の各種添加剤が配合されても良い。
一方、表皮としては、成形金型から絞模様を転写するために、熱可塑性樹脂シートの単一シート材料か、あるいは熱可塑性樹脂シートをトップ層として、その裏面にポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム等の発泡樹脂成形体からなるクッション層を裏打ちした積層シート材料を使用することができる。尚、所望ならば、裏面にバッキングシートやメリヤス布等をラミネートしても良い。
更に、積層成形体の用途としては、ドアトリム、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、トランクトリム、ラゲージサイドトリム、ルーフトリム、リヤサイドトリム等の自動車用内装部品に適用できる他に、鉄道車両等の内装パネルや、家屋の内装パネル等に適用することもできる。
次いで、本発明方法を実施する際に使用する成形装置は、樹脂芯材の表面に表皮を一体化してなる積層成形体を所要形状に成形するために使用する積層成形体の成形装置において、前記成形装置は、所定ストローク上下動する可動側の成形上型と、成形上型の下方に位置する固定側の成形下型と、成形上下型内に投入され、成形上型と協働して表皮にプレス圧を加えるアシストモデルとから構成され、上記成形上型に表皮を成形するための真空吸引機構が配設されているとともに、上記アシストモデルは、シリンダにより昇降操作されるベース板上にキャビティ形状に合致する外形状を備えたモデル型が支持されており、このモデル型は、硬質のモデル型本体の外表面に弾力性を有する柔軟層が積層された積層構造体から構成され、表皮の成形時において、柔軟層の弾性作用により、モデル型の圧着姿勢のバラツキや表皮の厚みバラツキを吸収するようにしたことを特徴とする。
更に詳しくは、成形上型は、プレス機に連結され、所定ストローク上下動可能であるとともに、表皮を真空成形する一方、溶融樹脂の射出充填時、成形上型に表皮を保持するために真空吸引機構が備わっている。一方、成形下型には、射出機から供給される溶融樹脂の樹脂通路としてのマニホールド、ゲートが設けられている。
また、表皮を精度良く成形するために、成形上下型内にはアシストモデルが投入される。このアシストモデルは、成形上型との間で表皮を挟み付けて薄肉状に成形するために、成形下型のコア部の形状にほぼ合致するモデル型を備えており、成形上下型の型外から型内にアシストモデルを搬送するための搬送機構と、モデル型を成形上型側に押し上げ、成形上型との間で表皮をプレス圧着する昇降機構とを備えるとともに、加熱軟化処理した表皮のホルダ機能を備えている。表皮をセット保持するホルダ機能としては、アシストモデルの上部側に表皮セット枠が設けられていても良く、また、表皮を支持する表皮枠を受けるための表皮枠セット用治具がアシストモデルの上部側に設けられても良い。更に、モデル型は、硬質樹脂をコア部の形状にほぼ合致するように成形してなるモデル型本体と、モデル型本体の外表面を被覆するようにシリコーン樹脂やゴム系材料等からなる柔軟層が積層一体化されている。また、所望ならば、モデル型にブロー孔が開設され、このブロー孔を通じて表皮の冷却を早めるためのエアを吹き付けるエアブロー機構が設けられていても良い。
そして、本発明方法は、表皮の成形工程と、表皮と樹脂芯材との一体化工程に大別される。まず、表皮の成形工程としては、表皮セット枠を一体化したアシストモデルを使用した場合、加熱処理した表皮は、成形上下型内に位置するアシストモデルの表皮セット枠にセットしても、また、待機状態のアシストモデルにセットしても良い。次いで、アシストモデルの昇降機構(昇降シリンダ)が駆動して、モデル型及び表皮セット枠が上昇する。この時、成形上型の真空吸引機構も動作しており、表皮が成形上型の型面に沿って真空成形されるとともに、成形上型とモデル型との間で表皮を挟み込み、プレス圧着することで、真空・プレス圧着により表皮は加熱後、素早く成形される。この時、モデル型の圧着姿勢におけるバラツキや表皮の厚みバラツキをモデル型の柔軟層の弾性作用により吸収できる。従って、コーナー部形状等、精度の良い形状出しが可能になるとともに、絞模様も忠実に現出することができる。
一方、アシストモデルに表皮枠を受ける表皮枠セット用治具を設けた場合には、型開き状態にある成形上下型内にアシストモデルを投入した後、加熱軟化処理した表皮を支持する表皮枠をアシストモデルの表皮枠セット用治具に装着し、その後、モデル型及び表皮枠を成形上型側に向けて上昇させて、成形上型の真空吸引作用により表皮を真空成形するとともに、成形上型とモデル型との間のプレス圧で表皮を薄肉状に精度良く成形することができる。この場合においても、モデル型の柔軟層の弾性作用により、モデル型の圧着姿勢におけるバラツキや表皮の厚みバラツキを吸収できるため、コーナー部等の形状出しを精度良く行なえるとともに、絞模様等も忠実に現出することができる。尚、アシストモデルの表皮枠セット用治具に対して加熱軟化処理した表皮を支持する表皮枠を装着すれば良いため、一人作業で簡単に表皮のセット作業が行なえる。
次いで、表皮を成形した後、成形上型の真空吸引作用が継続するため、表皮は成形上型の型面に保持された状態でアシストモデルがシリンダの収縮作用によりモデル型及び表皮セット枠、あるいは表皮枠を保持した表皮枠セット用治具が下降し、その後、成形上下型の型締めに干渉しない位置にまでアシストモデルが退避する。更に、表皮を保持した状態で成形上型が所定ストローク下降し、成形上下型の型クリアランスが所定値に到達した後、射出機からマニホールド、ゲートを通じて成形下型の型面に溶融樹脂が供給される。そして、成形上型が下死点まで下降した際、溶融樹脂が成形上下型間のプレス圧により隅々にまでいきわたり、樹脂芯材が所要形状に成形されるとともに、その表面に表皮が一体化される。
そして、本発明方法によれば、加熱軟化処理した表皮を型開き状態にある成形上下型内に投入した後、プレス上型の真空吸引機構を動作させることで、表皮を真空成形するとともに、アシストモデルと成形上型間で表皮をプレス圧着することにより、表皮を均一で、かつ薄肉状に成形することができる。次いで、表皮を真空吸引力により成形上型に保持した状態でキャビティ内に溶融樹脂が供給されるため、溶融樹脂からの熱的ダメージが表皮に及ぶことがなく、クッション層のクッション性能を良好に維持できる。また、表皮を製品形状に真空成形及びプレス成形した状態で成形上型に保持し、溶融樹脂の供給を行なうため、溶融樹脂の流動性を良好に維持できるとともに、製品のハイライト線等、シャープな外観形状を忠実に現出することができる。更に、成形上型の真空吸引機構と成形上型とアシストモデルとの間のプレス圧とにより表皮を良好に成形できるため、成形上型の型面から絞模様を良好に転写することができる。従って、従来の高価な絞付きシートを使用することなく、廉価な絞なしシートを使用しても精度の良い絞模様の転写が行なえる。
更に、本発明方法によれば、アシストモデルにおけるモデル型は、硬質樹脂製のモデル型本体の外表面にシリコーン樹脂やゴム系材料等からなる柔軟層が積層一体化されているため、成形上型の型面にモデル型を圧着する際、モデル型の圧着姿勢にバラツキ、あるいは表皮の厚みにバラツキが生じた場合においても、柔軟層の弾性作用によりバラツキを吸収することができ、良好な絞模様を現出することができるとともに、シャープな外観形状をより一層精度良く成形することができる等、成形性並びに意匠性を良好に維持することができる。
以上説明した通り、本発明に係る積層成形体の成形方法は、アシストモデルに一体化した表皮セット枠に加熱軟化処理した表皮をセットするか、あるいは加熱軟化処理した表皮を支持する表皮枠をアシストモデルの表皮枠セット用治具に装着するかの方法により、アシストモデルに加熱軟化処理した表皮をセットした後、成形上型の型面に沿って表皮を真空成形するとともに、成形上型とモデル型との間で表皮をプレス圧着するため、表皮を均一厚みでかつ薄肉状に成形することができ、型締め直前、あるいは型締め後に溶融樹脂を供給する際、表皮と成形下型との間に充分なクリアランスが確保されており、表皮のクッション層に加わる熱的ダメージが少ない。更に、製品形状に賦形され、その形状を保持するため積層成形体はソフト感に優れ、かつシャープなハイライト線等、外観形状をシャープに現出することができるとともに、樹脂の流動性を向上させることにより、ショートショット等が生じることがないため、成形性を高めることができるという種々の効果を有する。
更に、本発明に係る積層成形体の成形方法は、成形上下型内に投入されて表皮の予備成形に使用するアシストモデルは、ベース板に支持されるモデル型の構成として、硬質樹脂からなるモデル型本体の外表面に弾力性を備えた柔軟層を積層一体化するという構成であるため、成形上型とモデル型とで表皮を圧着加工する際、モデル型の圧着姿勢にバラツキが生じた場合においても、柔軟層の弾力性によりこのバラツキを吸収することができるとともに、成形上型における深絞り部で表皮厚みにバラツキが生じても、柔軟層の弾力作用によりプレス圧着力にそれ程差異が生じることがないため、良好に絞模様を現出させることができる。従って、アシストモデルにおけるモデル型の構成として、表面に弾力性を備える構成を採用したことから、シャープな外観形状を現出することができるとともに、絞模様も忠実に現出できる等、成形性並びに外観性能を高めることができるという効果を有する。
以下、本発明に係る積層成形体の成形方法並びに成形装置の実施例について、ドアトリムの成形方法及びそれに使用する成形装置を例示して詳細に説明する。尚、念のため付言すれば、本発明の要旨は特許請求の範囲に記載した通りであり、以下に説明する実施例の内容は、本発明の一例を単に示すものに過ぎない。
図1乃至図10は本発明の一実施例を示すもので、図1は本発明方法により成形したツートンタイプのドアトリムを示す正面図、図2は同ドアトリムの構成を示す断面図、図3は本発明方法に使用する成形装置の全体構成を示す説明図、図4は同成形装置に使用するアシストモデルの型本体の内部を透視した斜視図、図5は同アシストモデルのモデル型の平面図、図6乃至図10は本発明方法の各工程を示す説明図である。
図1,図2において、ドアトリム10は、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30の上下二分割体から構成されており、このドアトリム10には各種付属部品が装着されている。例えば、中接部にはインサイドハンドルエスカッション11が取り付けられており、中接部の下方に位置するアームレスト12が車室内側に膨出する形状に成形され、このアームレスト12の上面にプルハンドルユニット13、パワーウインドウスイッチエスカッション14が取り付けられている。また、アームレスト12の下方には、備品を収容できるポケット用開口15が開設され、このポケット用開口15の背面側には、ポケットバックカバー(図2に示す)16が取り付けられており、このドアポケット用開口15のフロント側には、ドアトリムロア30と一体、あるいは別体にスピーカグリル17が設けられている。
更に詳しくは、ドアトリムアッパー20は、所望の曲面形状に成形され、ドアパネルへの取付剛性並びに形状保持性を有する樹脂芯材21の表面に表面外観並びに表面感触に優れた表皮22を積層一体化して構成されており、ドアトリムロア30は、合成樹脂の単体品が採用され、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30の接合構造は、ドアトリムロア30の上縁に複数の取付用ボス31が裏面側に向けて立設され、この取付用ボス31に対応するように、ドアトリムアッパー20には取付孔23が開設されている。そして、取付用ボス31を取付孔23内に挿入した後、取付用ボス31の先端に超音波溶着カシメ、熱溶着加工を施すことにより、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30とを強固に接合一体化している。
そして、上記ドアトリムアッパー20における樹脂芯材21としては、熱可塑性樹脂の材料を使用し、後述するモールドプレス成形工法の他に射出成形工法等の各種成形工法を採用することができる。使用する熱可塑性樹脂材料としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等がある。
一方、表皮22としては、本実施例ではトップ層22a、クッション層22bの二層積層体からなるシート材料が使用されており、トップ層22aとしては、TPO(サーモプラスチックオレフィン)樹脂、PVC樹脂、PP樹脂等の熱可塑性樹脂シートが使用され、クッション層22bとしては、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム等の発泡樹脂シートが使用されている。また、ドアトリムロア30の材料としては、ドアトリムアッパー20の樹脂芯材21と同様、樹脂材料が使用されている。
ところで、本発明方法により形成されたドアトリムアッパー20は、従来のモールドプレス成形工法、真空成形工法に比べ、製品のソフト感並びに製品の外観形状(シャープ形状)が改善されている。すなわち、ショアC硬度が56であり、優れたクッション性能を備えているとともに、R2.5のように、成形金型のRとほぼ等しいRを備えている。更に、ドアトリムアッパー20における表皮22の外観は、成形金型から絞模様が転写され、絞模様の現出が非常に良好であり、意匠性においても優れたものとなっている。
次いで、上記ドアトリムアッパー20を成形するための成形装置40の構成を図3を基に説明する。成形装置40は、樹脂芯材21と表皮22とを一体にモールドプレス成形することができる相互に型締め、型開き可能な成形上型50、成形下型60と、表皮22を成形上型50と協働して成形できるように、成形上下型50,60内に投入されるアシストモデル70とから大略構成されている。
更に詳しくは、成形上型50は、プレス機51と連結され、プレス機51の駆動により、所定ストローク上下動可能に構成されており、ドアトリム10の製品面を形作るドアトリム10の製品面形状に一致する型面52が形成され、この型面には、絞模様が刻設されている。また、成形上型50には、真空吸引機構Vcが設けられている。すなわち、成形上型50の型面52には、多数の真空吸引孔53が開設され、真空吸引孔53と連通する空気室54と、真空ポンプ55との間に真空吸引管56が配設され、この真空吸引管56には開閉バルブ57が設けられ、開閉バルブ57を開閉操作し、成形上型50に真空吸引力を選択的に付与することができる。また、この実施例では、上記真空吸引孔53に加えて、もっぱら表皮22を保持する機能をもつ外周真空吸引孔53aが設けられている。この外周真空吸引孔53aは図示はしないが、上記真空吸引機構Vcと別系統の真空吸引ポンプ等を採用しても良く、また、上記真空吸引機構Vcと切替弁を介して接続しても良い。一方、成形上型50の下方に位置する成形下型60は、射出機61から供給される溶融樹脂Mの樹脂通路となるマニホールド62、ゲート63が設けられており、これらマニホールド62、ゲート63を通じて溶融樹脂Mは成形下型60の型面上に分配供給される。
ところで、本発明方法に使用する成形装置40は、成形上型50と、アシストモデル70との間で表皮22を精度良くかつ短時間に成形できるようにしたことが特徴であり、そのためにアシストモデル70は、表皮22を直接セットできる表皮22のホルダ機能を備えている。すなわち、アシストモデル70は、外部の待機位置と成形上下型50,60内部の作業位置との間で往復できるように、搬送機構としての搬送テーブル71が設けられている。この搬送テーブル71は、シリンダやコンベア等の図示しない駆動機構に連結されており、この搬送テーブル71の上面には、4箇所等、複数個所にシリンダ72が取り付けられ、このシリンダ72にベース板73が上下動可能に支持されている。更に、このベース板73の上面ほぼ中央に成形下型60のコア部形状と一致するモデル型74が取り付けられており、このモデル型74と成形上型50の型面52との間で表皮22を薄肉状に成形できる機能を備えている。
ところで、本発明は、このアシストモデル70の構成に特徴があり、モデル型74は、硬質樹脂からなり厚み5〜6mm程度のモデル型本体75の外表面にシリコーン樹脂やゴム系材料等の柔軟性・耐熱性を有する厚み2mm程度の柔軟層76が積層されている。そして、特に柔軟層76の弾性作用により、モデル型74の圧着姿勢におけるバラツキを矯正し、かつ表皮22の厚みバラツキを吸収することができる。更に、モデル型本体75の内部には、補強用木枠751が図4に示すように縦横方向に配列されている。また、このモデル型74の外表面には、図5に示すように、ブロー孔752が開設されており、モデル型74と外部のエア供給機構(図示せず)と連通するエア配管77が接続されており、エア供給機構からブロー孔752を通じてモデル型74の外表面から表皮22に冷却用エアを吹き付けて強制冷却ができるような構成になっている。
また、ベース板73の上面には、モデル型74を包囲するように表皮枠セット用治具78が設けられている。この表皮枠セット用治具78は、4隅部で支持ロッド781により支持され、この支持ロッド781は、ベース板73の貫通孔731内に挿通可能で、かつ上方に付勢する付勢スプリング782が外装されているため、表皮枠セット用治具78は、常時上方にバネ付勢されている。更に、このアシストモデル70における表皮枠セット用治具78には、表皮22を保持する表皮枠80が載置固定される。表皮枠80としては、フレーム81に所定ピッチ間隔で表皮固定用ピン82が立設しており、表皮22をこの表皮固定用ピン82に突き刺して表皮22を表皮枠80で保持している。
次いで、図6乃至図10に基づいて、上記成形装置40を使用してドアトリムアッパー20を成形する工程について説明する。まず、図6に示すように、成形上下型50,60が型開き状態にある時、アシストモデル70が成形上下型50,60の型内に投入される。そして、図示するように、表皮枠80に表皮22をセットした後、所定温度に加熱した状態でアシストモデル70の表皮枠セット用治具78に表皮枠80をセットする。尚、アシストモデル70を成形上下型50,60内に投入する前段階で表皮枠80を表皮枠セット用治具78上にセットするようにしても良いが、図示するように、成形上下型50,60内に投入されたアシストモデル70に対して、表皮22を保持した表皮枠80をセットするのが成形性を考慮した上では好ましい。
次いで、図7に示すように、アシストモデル70を上昇駆動させる。具体的には、搬送テーブル71上に取り付けられているシリンダ72が伸長動作することで、ベース板73が所定ストローク上昇し、これによりモデル型74がベース板73のストロークと同一ストローク上昇するとともに、表皮22についても一体的に上昇する。そして、このアシストモデル70の上昇動作と同期して、成形上型50の真空吸引機構Vcが稼動する。
この時、表皮22の周縁部分を保持している表皮枠80が成形上型50に当接した時点で成形上型50の内面の真空吸引機構Vcが稼動して、真空吸引孔53を通じて表皮22が成形上型50の型面に沿って真空成形され、アシストモデル70が完全に上昇した時点で成形上型50の外周の真空吸引機構(図示せず)が稼動し、外周真空吸引孔53aを通じて真空吸引力が作用し、表皮22を成形上型50の型面に確実に保持することができる。
従って、図7に示すように、表皮22の周縁部分は、成形上型50とアシストモデル70の表皮枠セット用治具78により表皮22の周縁部分がシールされ、成形上型50の型面52に沿って表皮22が真空成形されるとともに、成形上型50の型面52とアシストモデル70におけるモデル型74との間で表皮22がプレス圧着されることで表皮22は薄肉状に成形される。
そして、アシストモデル70におけるモデル型74は、硬質のモデル型本体75の外表面に柔軟層76が積層一体化されているため、例えば、シリンダ72のストローク調整等によりモデル型74の成形上型50の内面に圧着する圧着姿勢にバラツキが生じた場合においても、柔軟層76の弾性作用により表皮22に加わるプレス圧着力をほぼ均等に規制することにより、バラツキを吸収することができるとともに、成形上型50の型面52で展開率の高い部位においては、表皮22が薄肉状に伸ばされ、表皮22における厚みのバラツキが生じた場合においても、モデル型74の柔軟層76の弾性作用により厚みのバラツキを吸収でき、形状出しや絞模様の現出を精度良く行なうことができる。よって、成形上型50における型面52に刻設されている絞模様が表皮22の表面に忠実に転写されるとともに、コーナー部等、シャープな形状出しが可能となる。更に、表皮22は成形上型50における真空成形と、成形上型50とアシストモデル70との間のプレス圧着成形により、ほぼ均一な厚みでかつ薄肉状に成形されるとともに、表皮22を加熱軟化処理してすぐに成形が行なわれるため、待ち時間が少なく、シャープな形状出しが可能になるとともに、絞模様をより精度良く転写することができる。
その後、成形された表皮22を真空吸引力により成形上型50に保持した状態でアシストモデル70におけるシリンダ72が収縮動作することで、図8に示すように、モデル型74とアシストモデル70に一体化された表皮枠80が下降する。この時、表皮22は真空吸引力により成形上型50に吸着保持されており、表皮枠80は、アシストモデル70における表皮枠セット用治具78に対して磁性吸引力等により接合されるため、表皮22は、表皮枠80から簡単に剥離する。その後、アシストモデル70は、搬送テーブル71が図示しない搬送機構の動作により後退し、成形上下型50,60外に退避する。
次いで、図9に示すように、プレス機51の駆動により、成形上型50は所定ストローク下降するが、成形上型50の型面52は、表皮22が薄肉で、かつ真空成形された状態で保持されており、成形上下型50,60の型クリアランスが所定位置に到達した時、射出機61からマニホールド62、ゲート63を通じて溶融樹脂Mを成形下型60の型面に供給する。この溶融樹脂Mの素材としては、上述した汎用の熱可塑性樹脂材料が使用できる。本実施例では、住友ノーブレンBUE81E6(住友化学工業製ポリプロピレン、メルトインデックス=65g/10分)が使用されており、タルクが適宜割合で混入されていても良い。
このように、本発明方法においては、上述したように、アシストモデル70に表皮22を直接セットすることで、表皮22のセット作業が簡単に行なえ、かつ表皮22の成形性を高めることができるとともに、成形上型50の型面に沿って薄肉状に成形された表皮22が保持された状態で溶融樹脂Mが供給されるため、表皮22のクッション層22bの裏面と成形下型60の型面とのクリアランスがほぼ一定に確保されており、溶融樹脂Mの流動性を良好に維持できるとともに、表皮22がテント張り状態にならないため、クッション層22bに溶融樹脂Mからの熱的ダメージが及ぶことが少なく、クッション層22bのクッション性能を良好に維持でき、製品のソフト感を強調できる。
そして、図10に示すように、プレス機51の駆動により、成形上型50を下死点まで下降操作すれば、溶融樹脂Mがキャビティの隅々にまでいきわたり、樹脂芯材21が所望の曲面形状に成形されるとともに、この樹脂芯材21の表面側に表皮22が一体化されてドアトリムアッパー20の成形が完了する。次いで、成形完了後は、プレス機51の駆動により成形上型50が上昇し、型開きが行なわれた後、所要形状に成形された積層成形体であるドアトリム10を取り出せば良い。
以上のように、本発明方法によれば、ドアトリムアッパー20における表皮22は、樹脂芯材21とプレス一体化する前に所要形状に成形されているため、表皮22の形状保持性が良好であり、アームレスト12等のコーナー部のハイライト線等、シャープな外観形状を精度良く現出することができ、外観性能に優れたドアトリム10を成形することができる。尚、本発明方法においては、溶融樹脂Mの射出のタイミングとして、成形上型50が型締めされる前に行なったが、成形上下型50,60を型締めした後に射出充填する射出成形工法を採用することもできる。
更に、本発明方法においては、アシストモデル70におけるモデル型74の構成として、硬質樹脂からなるモデル型本体75の表面に柔軟性、断熱性に富む柔軟層76を積層一体化した構成を採用することで、アシストモデル70の成形上型50の内面にプレス圧着する際、モデル型74の圧着姿勢にバラツキが生じても、柔軟層76の弾性作用により、このバラツキを吸収するとともに、高展開率部分において表皮22の厚みにバラツキが生じても、柔軟層76の弾性作用により、表皮22に加わるプレス圧着力に差異が生じることがなく、シャープな外観形状を維持できるとともに、絞模様を忠実に転写することができ、成形性、絞転写性とも良好に維持できる。
以上説明した実施例では、樹脂芯材21の表面に表皮22を同時に成形してなるドアトリムアッパー20を一部に採用した上下二分割タイプのドアトリム10の成形方法に本発明方法を適用したが、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、トランクトリム、ラゲージサイドトリム、ルーフトリム、リヤサイドトリム等の自動車用内装部品全般に本発明方法を適用することができるとともに、鉄道車両等の内装パネルや家屋の内装パネル等の成形方法において本発明を適用することもできる。また、成形上下型50,60の型締め直前に溶融樹脂Mを供給するというモールドプレス成形工法を使用したが、成形上下型50,60を型締めした後、溶融樹脂Mを射出充填する射出成形工法に流用することもできる。
本発明方法を適用して製作したツートンタイプの自動車用ドアトリムを示す正面図である。 図1中II−II線断面図である。 本発明に係る積層成形体の成形方法に使用する成形装置の一実施例の構成を示す全体図である。 図3に示す成形装置におけるアシストモデルの補強用木枠を示す斜視図である。 図3に示す成形装置におけるアシストモデルを示す平面図である。 図3に示す成形装置を使用するドアトリムアッパーの成形方法における表皮のセット工程を示す説明図である。 図3に示す成形装置を使用するドアトリムアッパーの成形方法におけるアシストモデルの上昇による表皮の成形工程を示す説明図である。 図3に示す成形装置を使用するドアトリムアッパーの成形方法におけるアシストモデルの下降操作を示す説明図である。 図3に示す成形装置を使用するドアトリムアッパーの成形方法における溶融樹脂の供給工程を示す説明図である。 図3に示す成形装置を使用するドアトリムアッパーの成形方法における樹脂芯材と表皮との一体成形工程を示す説明図である。 従来のドアトリムを示す正面図である。 図11中XII −XII 線断面図である。 従来のドアトリムの成形装置の構成を示す概要図である。 従来のドアトリムの成形方法における溶融樹脂の供給工程を示す説明図である。 従来のドアトリムの成形方法におけるモールドプレス成形工程を示す説明図である。
符号の説明
10 ドアトリム
20 ドアトリムアッパー
21 樹脂芯材
22 表皮
22a トップ層
22b クッション層
30 ドアトリムロア
40 成形装置
50 成形上型
51 プレス機
52 型面
53 真空吸引孔
53a 外周真空吸引孔
54 空気室
55 真空ポンプ
56 真空吸引管
57 開閉バルブ
60 成形下型
61 射出機
62 マニホールド
63 ゲート
70 アシストモデル
71 搬送テーブル
72 シリンダ
73 ベース板
74 モデル型
75 モデル型本体
751 補強用木枠
752 ブロー孔
76 柔軟層
77 エア配管
78 表皮枠セット用治具
80 表皮枠
81 フレーム
82 表皮固定用ピン
M 溶融樹脂
Vc 真空吸引機構

Claims (2)

  1. 成形上下型(50,60)内に表皮(22)をセットした後、成形上下型(50,60)間で形成されるキャビティ内に溶融樹脂(M)を供給することで樹脂芯材(21)を所要形状に成形するとともに、この樹脂芯材(21)の表面に表皮(22)を一体化してなる積層成形体(20)の成形方法において、
    前記成形上型(50)に真空吸引機構(Vc)が付設された成形上下型(50,60)と、成形上下型(50,60)内に投入され、成形上型(50)と協働して表皮(22)を成形するアシストモデル(70)とからなる成形装置(40)を使用し、成形上下型(50,60)内に投入されるアシストモデル(70)には、加熱軟化処理した表皮(22)が直接、あるいは表皮枠(80)を介してセットされており、このアシストモデル(70)におけるシリンダ(72)の伸長操作により、モデル型(74)と表皮(22)とを上昇させて、成形上型(50)とモデル型(74)との間で表皮(22)をプレス圧着する際、成形上型(50)に真空吸引機構(Vc)を動作させることで、表皮(22)を真空成形するとともに、硬質のモデル型本体(75)の表面に積層された柔軟層(76)の弾性作用により、モデル型(74)の圧着姿勢のバラツキ及び表皮の厚みバラツキを吸収し、成形上型(50)の型面に沿って表皮(22)を均一厚みで、かつ薄肉状に真空・プレス成形する表皮(22)の成形工程と、
    前記成形工程で成形した表皮(22)を成形上型(50)の真空吸引力により成形上型(50)に保持する一方、モデル型(74)をシリンダ(72)の伸縮操作により下降操作させ、アシストモデル(70)を成形上下型(50,60)の外部に退避させた後、表皮(22)を保持した成形上型(50)を所定ストローク下降操作して、成形上型(50)が下死点に到達する直前、あるいは到達した後のいずれかのタイミングでキャビティ内に溶融樹脂(M)を供給し、樹脂芯材(21)を所望の曲面形状に成形するとともに、この樹脂芯材(21)の表面に表皮(22)を積層一体化する樹脂芯材(21)と表皮(22)との一体化工程と、
    からなることを特徴とする積層成形体の成形方法。
  2. 樹脂芯材(21)の表面に表皮(22)を一体化してなる積層成形体(20)を所要形状に成形するために使用する積層成形体(20)の成形装置(40)において、
    前記成形装置(40)は、所定ストローク上下動する可動側の成形上型(50)と、成形上型(50)の下方に位置する固定側の成形下型(60)と、成形上下型(50,60)内に投入され、成形上型(50)と協働して表皮(22)にプレス圧を加えるアシストモデル(70)とから構成され、上記成形上型(50)に表皮(22)を成形するための真空吸引機構(Vc)が配設されているとともに、上記アシストモデル(70)は、シリンダ(72)により昇降操作されるベース板(73)上にキャビティ形状に合致する外形状を備えたモデル型(74)が支持されており、このモデル型(74)は、硬質のモデル型本体(75)の外表面に弾力性を有する柔軟層(76)が積層された積層構造体から構成され、表皮(22)の成形時において、柔軟層(76)の弾性作用により、モデル型(74)の圧着姿勢のバラツキや表皮(22)の厚みバラツキを吸収するようにしたことを特徴とする積層成形体の成形装置。
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