JP2007331329A - 積層成形体の成形方法 - Google Patents

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Fumiaki Haga
文昭 芳賀
Ikuo Kumagai
郁雄 熊谷
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Abstract

【課題】積層成形体の成形方法であって、ソフト感を良好に維持するとともに、シャープな外観形状を確保できる。
【解決手段】樹脂芯材20の表面に表皮30をモールドプレス成形工法、射出成形工法により一体化する際、表皮30は、トップ層31の裏面にクッション層32を一体化したものを加熱軟化処理した後、成形上型50により真空成形するとともに、アシストモデル80をスペーサとして成形上下型50,60間に介装し、アシストモデル80を挟んで成形上下型50,60を型締めすることにより、表皮30は薄肉で、かつ均一厚みが確保された成形が可能となり、溶融樹脂Mの供給時、熱的ダメージが表皮30に及ぶことを回避させることで製品表面の外観性能を高める。
【選択図】図3

Description

この発明は、ドアトリム、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、トランクトリム、ラゲージサイドトリム、ルーフトリム、リヤサイドトリム等の自動車用内装部品に好適な積層成形体の成形方法に係り、特に、クッション性能を良好に維持できるとともに、シャープな外観形状を忠実に現出できる積層成形体の成形方法に関する。
従来から、ドアトリム、ラゲージサイドトリム、リヤサイドトリム等の自動車用内装部品としては、車体パネルへの取付剛性並びに形状保持性を備えた樹脂芯材の表面に表面風合い、並びにソフト感が良好な表皮を貼着して構成されることが多い。例えば、図9,図10を基にドアトリム1を例示して説明する。ドアトリム1は、樹脂芯材2の表面に表皮3を一体貼着して構成されている。この樹脂芯材2としては、コスト、成形性等を考慮して、ポリプロピレン樹脂にフィラーを適宜混入した複合ポリプロピレン系樹脂材料が使用されている。また、表皮3としては、製品表面側からクロス3a、ポリウレタンフォーム3bからなる二層の積層シート材料が使用されている。この表皮3については、クロス3aにより良好な表面風合いを確保し、ポリウレタンフォーム3bのクッション性により、ソフト感を良好に維持できる機能を備えている。尚、図中符号1aはアームレストを示す。
次に、ドアトリム1の成形方法に使用する従来の成形金型4について、図11を基に説明する。成形金型4は、可動側である成形上型5と、その下方に位置する固定側の成形下型6と、成形下型6に連設されている射出機7とから大略構成されている。成形上型5は、シリンダ5aにより所定ストローク上下動可能に構成され、成形上型5の上下動作により、成形上下型5,6は、型締め、型開きが行なわれる。また、成形下型6には、射出機7から供給される溶融樹脂Mの樹脂通路として、ホットランナ6a、ゲート6bが設けられている。
そして、成形金型4が型開き状態にある時、表皮3の周縁をクランプ枠8により保持した状態で成形金型4内に投入する。次いで、成形上型5を所定ストローク下降操作して、図12に示すように、成形上下型5,6の型クリアランスが所定値に到達した時、射出機7から溶融樹脂Mがホットランナ6a、ゲート6bを通じて成形下型6の型面所定位置に分配供給される。更に、成形上型5の下降動作が続行し、成形上下型5,6の型クリアランスが一定値になった時(成形上型5が下死点に到達した時)、溶融樹脂Mは、成形上下型5,6間のキャビティ形状に沿っていきわたり、所望厚みで所望形状の樹脂芯材2が成形されるとともに、この樹脂芯材2の表面に表皮3が一体貼着されて成形が完了する(図13参照)。従来の積層成形体及びその成形方法については、特許文献1に詳細に記載されている。
特開平10−100176号公報
このように、従来の成形金型4による樹脂芯材2と表皮3との同時成形においては、図12に示す溶融樹脂Mの供給時、溶融樹脂Mの熱により、表皮3におけるポリウレタンフォーム3b等のクッション層がダメージを受け、成形後、クッション性能が低下し、ソフト感に劣るという欠点が指摘されている。例えば、製品表面のショアC硬度は62程度である。
更に、表皮3の形状保持は、樹脂芯材2に依存しているため、アームレスト1aのコーナー部等、シャープな形状出しができず、外観意匠性についても良好なものとはいえなかった。例えば、アームレスト1aのコーナー部の曲率はR5(R2.5が理想)である。加えて、表皮3の原反自体に絞模様が設けられている場合には、アームレスト1aのように、展開率の高い部位では絞模様が伸び、変形することから、外観意匠性を低下させる要因となっている。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、クッション層を裏打ちしたクッション性能に優れた表皮を樹脂芯材の成形時、一体化してなる積層成形体の成形方法であって、良好なソフト感が得られ、かつシャープな外観形状の現出が可能となる積層成形体の成形方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、成形上下型内に表皮をセットし、成形上下型間で形成されるキャビティ内に溶融樹脂を供給することで樹脂芯材を所要形状に成形するとともに、樹脂芯材の表面に表皮を一体化してなる積層成形体の成形方法において、前記成形上下型が型開き状態にある時、加熱軟化処理した表皮を型内に投入するとともに、成形下型の型面にアシストモデルを載置し、成形上型に付設された真空吸引機構を稼動させ、成形上型の型面に沿って表皮を真空成形するとともに、成形上型を下降操作して、アシストモデルを挟んで成形上下型を型締めすることにより、表皮を均一な薄肉状に成形する表皮の成形工程と、表皮を成形上型に保持した状態で成形上型を上昇操作して、アシストモデルを成形下型から型外に取り出した後、再度成形上型を下降操作して、成形上型が下死点に到達する直前、あるいは到達した後のいずれかのタイミングでキャビティ内に溶融樹脂を供給し、樹脂芯材を所望の曲面形状に成形するとともに、樹脂芯材の表面に表皮を一体化する樹脂芯材と表皮との一体化工程とからなることを特徴とする。
ここで、積層成形体は、樹脂芯材と表皮とから構成されており、樹脂芯材の素材として、熱可塑性樹脂が使用され、1種類の熱可塑性樹脂、あるいは2種類以上の熱可塑性樹脂からなっても良い。好ましくは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等が使用できる。また、熱可塑性樹脂中に充填剤を混入しても良く、充填剤としては、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維、タルク、クレイ、シリカ、炭酸カルシウム等の無機粒子がある。更に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、低収縮剤等の各種添加剤が配合されても良い。一方、表皮としては、成形金型から絞模様を転写するために、熱可塑性樹脂シートの単一シート材料か、あるいは熱可塑性樹脂シートをトップ層として、その裏面にポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム等の発泡樹脂成形体からなるクッション層を裏打ちした積層シート材料を使用することができる。尚、所望ならば、裏面にバッキングシートやメリヤス布等をラミネートしても良い。
更に、別途積層成形体の用途としては、ドアトリム、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、トランクトリム、ラゲージサイドトリム、ルーフトリム、リヤサイドトリム等の自動車用内装部品に適用できる他に、鉄道車両等の内装パネルや、家屋の内装パネル等に適用することもできる。
本発明方法に使用する成形金型は、相互に型開き、型締め可能な成形上型、成形下型と、成形下型に連設され、樹脂芯材の素材である溶融樹脂を供給する射出機とから構成される。また、成形上型は、昇降シリンダにより所定ストローク上下動可能であるとともに、真空吸引機構が付設され、加熱軟化処理された表皮を真空成形することができる。そして、成形上型の型面外周には、表皮のセット枠を保持するクランプが設けられている。更に、表皮を成形する際は、成形上型の型面に沿って真空成形するとともに、成形上下型を型締めした際、両者間に介装されスペーサとして機能するアシストモデルが使用される。このアシストモデルは、シリコーンゴムや強化プラスチック(繊維補強ポリエステル樹脂成形体(FRP))が適しており、成形下型の型面に載置セットされる。尚、アシストモデルを成形下型の表面所定位置に位置決め、かつロックする位置決めガイドやロック機構が付設されているのが好ましい。
そして、本発明方法によれば、加熱軟化処理した表皮を成形金型が型開き状態にある時、金型内に投入した後、プレス上型の真空吸引機構が稼動することにより、表皮は成形上型の型面に沿って真空成形されるとともに、表皮と共に金型内にセットされたアシストモデルを挟んで成形上下型を型締めすることにより、表皮を薄肉状に成形することができる。次いで、表皮を真空吸引力により成形上型に保持した状態で成形上型を上昇させ、アシストモデルを型外に取り外し、その後、再度成形下型を下降操作し、キャビティ内に溶融樹脂を供給して樹脂芯材を成形するという構成を採用するため、溶融樹脂からの熱的ダメージが表皮側に加わることが少なく、クッション層のクッション性能を良好に維持でき、また、表皮を真空成形した状態で成形上型に保持し、溶融樹脂の供給を行なうため、溶融樹脂の流動スペースを有効に確保できることから、流動性を良好に維持でき、製品のハイライト線等、シャープな外観形状を忠実に現出することができる。
次いで、本発明の好ましい実施の形態においては、前記表皮は、絞なし樹脂シートを使用し、表皮を加熱軟化処理した後、成形上型の型面に沿って真空成形するとともに、アシストモデルを挟んで成形上下型を型締めすることにより、成形上型の型面に刻設した絞模様を表皮の製品面に転写することを特徴とする。
そして、この実施の形態によれば、表皮として絞なし樹脂シートを使用し、成形上型で真空成形を行なうとともに、アシストモデルを挟んで成形上下型を型締めすることにより、表皮を成形する際、成形上型の型面に刻設した絞模様を良好に転写することができるため、従来の高価な絞付きシートを使用することなく、廉価な絞なし樹脂シートを使用しても精度の良い絞模様の転写が可能となる。
以上説明した通り、本発明に係る積層成形体の成形方法は、成形上型に真空吸引機構を付設するとともに、成形下型上にアシストモデルを載置し、加熱軟化処理した表皮を成形上型の型面に沿って真空成形するとともに、アシストモデルをスペーサとして機能させ、成形上下型の型締めによるプレス圧で表皮を薄肉状に成形するというものであるから、型締め直前、あるいは型締め後に溶融樹脂を供給する際、表皮と下型との間に充分なクリアランスが確保されているため、表皮のクッション層に加わる熱的ダメージが少ない。更に、製品形状に賦形され、その形状を保持するため、積層成形体はソフト感に優れ、かつシャープなハイライト線等、外観形状をシャープに現出することができる。また、樹脂の流動性を向上させることにより、成形性を高めることができるという種々の効果を有する。
更に、本発明に係る積層成形体の成形方法は、表皮を加熱軟化処理後、アシストモデルをスペーサとして成形上下型間で表皮を成形するため、廉価な絞なしシートを使用しても、真空成形時に成形上型から絞模様を精度良く転写することができる。従って、展開率の高い部位においても絞流れ等の外観不良が生じることがなく、廉価で外観見栄えの優れた積層成形体を提供できるという効果を有する。
以下、本発明に係る積層成形体の成形方法の実施例について、ドアトリムの成形方法の具体例を例示して詳細に説明する。尚、念のため付言すれば、本発明の要旨は特許請求の範囲に記載した通りであり、以下に説明する実施例の内容は、本発明の一例を単に示すものに過ぎない。
図1乃至図8は本発明の一実施例を示すもので、図1は本発明方法により成形したドアトリムを示す正面図、図2は同ドアトリムの構成を示す断面図、図3は本発明方法に使用する成形金型の全体構成を示す説明図、図4乃至図8は本発明に係るドアトリムの成形方法の各工程を示す説明図である。
まず、図1,図2において、ドアトリム10は、所望の曲面形状に成形され、図示しないドアパネルへの取付剛性並びに形状保持性を有する樹脂芯材20の表面に表面外観並びに表面感触に優れた表皮30を積層一体化して構成されている。尚、ドアトリム10には、各種付属部品が装着されている。例えば、中接部には、インサイドハンドルエスカッション11が取り付けられており、中接部の下方に位置するアームレスト12は、室内側に膨出する形状に成形され、アームレスト12の上面にプルハンドルユニット13、パワーウインドウスイッチエスカッション14が取り付けられている。また、アームレスト12の下方には、備品を収容できるドアポケット15が配備され、そのフロント側には、ドアトリム10と一体、あるいは別体にスピーカグリル16が取り付けられている。
そして、上記ドアトリム10における樹脂芯材20としては、熱可塑性樹脂の材料を使用し、後述するモールドプレス成形工法の他に射出成形工法等の各種成形工法を採用することができる。使用する熱可塑性樹脂材料としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等がある。
一方、表皮30としては、本実施例ではトップ層31、クッション層32の二層積層体からなるシート材料が使用されており、トップ層31としては、TPO(サーモプラスチックオレフィン)樹脂、PVC樹脂、PP樹脂等の熱可塑性樹脂シートが使用され、クッション層32としては、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム等の発泡樹脂シートが使用されている。
ところで、本発明方法により成形されたドアトリム10は、従来のモールドプレス成形工法、真空成形工法により成形されたドアトリムに比べ、製品のソフト感並びに外観形状が改善されている。すなわち、本発明方法により成形されたドアトリム10の製品表面のショアC硬度は56であり、従来のモールドプレス成形工法の場合にはショアC硬度が62、真空成形工法の場合にはショアC硬度が58であることを考え合わせれば、製品のソフト感が改善されているとともに、コーナー部の曲率はR3以下に形成され、精度の良い形状出しが可能となり、外観見栄えに優れている。また、表皮30には良好な絞模様が成形金型側から付設されており、このことも外観性能を高める一因となっている。
次に、上記ドアトリム10を成形するための成形金型40の構成を図3を基に説明する。成形金型40は、樹脂芯材20と表皮30とを一体にモールドプレス成形することができるように、相互に型締め、型開き可能な成形上型50、成形下型60と、成形下型60に連設され、樹脂芯材20の素材である溶融樹脂を供給する射出機70と、成形下型60上に載置され、表皮30の成形時にスペーサとして機能するアシストモデル80、並びに表皮セット枠90とから大略構成されている。
更に詳しくは、成形上型50は、プレス機51と連結され、所定ストローク上下動可能であり、それぞれ型締め、型開き状態に設定でき成形できる。この成形上型50の周縁に沿って、表皮30の周縁を保持する表皮セット枠90をクランプするクランパー52がシリンダ53により支持されている。また、成形上型50は、表皮30を成形するための真空吸引機構Vcが付設されている。すなわち、成形上型50の型面には多数の真空吸引孔54が開設され、真空吸引孔54と連通する空気室55と真空ポンプ56との間に真空吸引管57が配管され、この真空吸引管57には、開閉バルブ58が設けられている。一方成形上型50の下方に位置する成形下型60は、射出機70から供給される溶融樹脂Mの樹脂通路となるマニホールド61、ゲート62が設けられており、これらマニホールド61、ゲート62を通じて溶融樹脂Mは成形下型60の型面上に供給される。また、成形下型60上に載置セットされるアシストモデル80は、シリコーンゴムや強化プラスチック(繊維補強ポリエステル樹脂成形体(FRP))が適している。また、表皮セット枠90は、アルミ製のフレーム体91の上面に所定ピッチ間隔で表皮30を突き刺し保持する多数の保持用針92が設けられている突き刺しタイプのものや、ベースフレームに対して開閉フレームで表皮30を挟み込む挟み込みタイプのものを使用することができる。
以下、図4乃至図8に基づいて、本発明に係るドアトリム10の成形方法について説明する。まず、図4に示すように、成形上下型50,60が型開き状態にある時、表皮30とアシストモデル80とをそれぞれ型内にセットする。この時、表皮30は、表皮セット枠90により周縁が保持され、予めヒーター装置により所定温度に加熱軟化処理されており、図4で示すように、成形上型50に装備されたクランパー52に表皮セット枠90を保持させる。一方、アシストモデル80は、内面形状が成形下型60の型面形状と合致しているため、成形下型60の型面上に被せるように載置すれば良いため、簡単なセット作業で足りるが、位置決め作業を簡単かつ迅速に行なうには、ガイド部材が設けられているのが好ましい。
次いで、図5に示すように、成形上型50に配設されている真空吸引機構Vcを動作させれば、表皮30は成形上型50の型面に沿って真空吸引力により真空成形される。それと同時に、成形上型50は、プレス機51の駆動により下降して、成形上下型50,60は、アシストモデル80を挟んで型締めされる。その結果、真空吸引機構Vcによる真空吸引力と成形上下型50,60によるプレス圧が加わり、表皮30がほぼ一定の厚みで薄肉状に成形される。この表皮30の成形時に成形上型50の型面に刻設されている絞模様が転写され、表皮30の素材として、廉価な絞なし樹脂シートを使用した場合、良好に絞模様を転写することができる。そして、図6に示すように、成形上型50の真空吸引機構Vcを動作させ、成形上型50の型面に表皮30を真空吸引力で保持した状態でプレス機51の駆動により、成形上型50を上昇させ、アシストモデル80を成形下型60から型外に取り出す。この時、アシストモデル80が成形上型50側と一体に持ち上がることがないように、アシストモデル80を成形下型60にセットする際、ロック手段が設けられているのが好ましい。
その後、図7に示すように、再度プレス機51を動作させ、成形上下型50,60の型クリアランスが所定値に至るまで下降させ、成形下型60のマニホールド61、ゲート62を通じて射出機70から溶融樹脂Mを成形下型60の型面に供給する。この溶融樹脂Mの素材としては、上述した汎用の熱可塑性樹脂材料が使用できる。本実施例では、住友ノーブレンBUE81E6(住友化学工業製ポリプロピレン、メルトインデックス=65g/10分)が使用されており、タルクが適宜割合で混入されていても良い。
そして、この溶融樹脂Mの供給工程として、成形上型50の型面に沿って薄肉状に成形された表皮30が真空吸引力により保持された状態で溶融樹脂Mが供給されるため、表皮30のクッション層32の裏面と成形下型60の型面との間のクリアランスをほぼ一定に維持でき、溶融樹脂Mの流動性を良好に維持できるとともに、表皮30はテント張り状態にならないため、クッション層32に溶融樹脂Mからの熱的ダメージが及ぶことが少なく、クッション層32のクッション性を良好に維持できる。そして、溶融樹脂Mを充填した後は、図8に示すように、成形上型50が下死点まで下降し、成形上下型50,60により加圧冷却を行ない、樹脂芯材20を所要形状に成形し、その表面に表皮30を一体化する。この時、加圧直前に成形上型50における真空吸引機構Vcの駆動を停止し、真空吸引力を解除する。
そして、成形が完了すれば、プレス機51の駆動により、成形上型50を上昇させ型開きを行なった後、所要形状に成形された積層成形体であるドアトリム10を取り出せば良く、ドアトリム10の表皮30は、樹脂芯材20とプレス一体化する前に所要形状に成形されているため、形状保持性が良く、アームレスト12等のコーナー部のハイライト線等、シャープな外観形状を精度良く現出することができ、外観性能に優れたドアトリム10を提供することができる。また、本発明方法においては、溶融樹脂Mの射出のタイミングとして、成形上型50が型締めされる前に行なったが、成形上下型50,60を型締めした後に射出充填する射出成形工法を採用しても良い。
以上説明した実施例では、樹脂芯材20の表面に表皮30を同時に成形してなるドアトリム10の成形方法に本発明方法を適用したが、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、トランクトリム、ラゲージサイドトリム、ルーフトリム、リヤサイドトリム等の自動車用内装部品全般の成形方法に適用できるとともに、鉄道車両等の内装パネルや家屋の内装パネルの成形方法において適用することもできる。また、成形上下型50,60の型締め直前に溶融樹脂Mを供給するというモールドプレス成形工法を用いたが、成形上下型50,60を型締めした後、溶融樹脂Mを射出充填する射出成形工法に準用することもできる。
本発明方法を適用して製作した自動車用ドアトリムを示す正面図である。 図1中II−II線断面図である。 本発明に係る積層成形体の成形方法に使用する成形金型の一実施例の構成を示す全体図である。 図3に示す成形金型を使用するドアトリムの成形方法における表皮のセット工程を示す説明図である。 図3に示す成形金型を使用するドアトリムの成形方法における表皮の成形工程を示す説明図である。 図3に示す成形金型を使用するドアトリムの成形方法におけるアシストモデルの取り出し工程を示す説明図である。 図3に示す成形金型を使用するドアトリムの成形方法における溶融樹脂の供給工程を示す説明図である。 図3に示す成形金型を使用するドアトリムの成形方法における樹脂芯材と表皮のモールドプレス成形工程を示す説明図である。 従来の自動車用ドアトリムを示す正面図である。 図9中X −X 線断面図である。 従来のドアトリムを成形する成形金型を示す概略図である。 従来のドアトリムの成形方法における溶融樹脂の供給工程を示す説明図である。 従来のドアトリムの成形方法におけるモールドプレス成形工程を示す説明図である。
符号の説明
10 ドアトリム
20 樹脂芯材
30 表皮
31 トップ層
32 クッション層
40 成形金型
50 成形上型
51 プレス機
52 クランパー
53 シリンダ
54 真空吸引孔
55 空気室
56 真空ポンプ
57 真空吸引管
58 開閉バルブ
60 成形下型
61 マニホールド
62 ゲート
70 射出機
80 アシストモデル
90 表皮セット枠
M 溶融樹脂
Vc 真空吸引機構

Claims (2)

  1. 成形上下型(50,60)内に表皮(30)をセットし、成形上下型(50,60)間で形成されるキャビティ内に溶融樹脂(M)を供給することで樹脂芯材(20)を所要形状に成形するとともに、樹脂芯材(20)の表面に表皮(30)を一体化してなる積層成形体(10)の成形方法において、
    前記成形上下型(50,60)が型開き状態にある時、加熱軟化処理した表皮(30)を型内に投入するとともに、成形下型(60)の型面にアシストモデル(80)を載置し、成形上型(50)に付設された真空吸引機構(Vc)を稼動させ、成形上型(50)の型面に沿って表皮(30)を真空成形するとともに、成形上型(50)を下降操作して、アシストモデル(80)を挟んで成形上下型(50,60)を型締めすることにより、表皮(30)を均一な薄肉状に成形する表皮(30)の成形工程と、
    表皮(30)を成形上型(50)に保持した状態で成形上型(50)を上昇操作して、アシストモデル(80)を成形下型(60)から型外に取り出した後、再度成形上型(50)を下降操作して、成形上型(50)が下死点に到達する直前、あるいは到達した後のいずれかのタイミングでキャビティ内に溶融樹脂(M)を供給し、樹脂芯材(20)を所望の曲面形状に成形するとともに、樹脂芯材(20)の表面に表皮(30)を一体化する樹脂芯材(20)と表皮(30)との一体化工程と、
    からなることを特徴とする積層成形体の成形方法。
  2. 前記表皮(30)は、絞なし樹脂シートを使用し、表皮(30)を加熱軟化処理した後、成形上型(50)の型面に沿って真空成形するとともに、アシストモデル(80)を挟んで成形上下型(50,60)を型締めすることにより、成形上型(50)の型面に刻設した絞模様を表皮(30)の製品面に転写することを特徴とする請求項1に記載の積層成形体の成形方法。
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