JP2008188304A - 医療用カテーテル - Google Patents

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Abstract

【課題】耐キンク特性を改善した医療用カテーテルを提供する。
【解決手段】先端側チューブ30Aと手元側チューブ30Bからなる金属層と樹脂層の多層構造の医療用カテーテルである。手元側チューブを構成する金属層は金属メッシュ層34であって、物理的研磨または化学的研磨されることでその断面積が異なる。例えばエッチング処理でその部分を薄くすることで、手元側チューブにおける先端部の剛性を低下させられるので、先端側チューブと手元側チューブとの接合部31での耐キンク性が良好になる。加えて手元側チューブの先端部の柔軟性を確保できると共に、手元側チューブの基端部でのトルク伝達性、押し込み性が優れた高性能な医療用カテーテルを提供できる。
【選択図】 図3

Description

この発明は、体腔内の診断、治療を行うための医療用カテーテルに関する。詳しくは、チューブ内腔に診断、治療用デバイスなどを挿入することが可能で、優れた耐キンク特性を有する、高機能カテーテルに適用できる医療用カテーテルに関する。
血管内に高機能カテーテルを挿入し、治療、診断を行う方法が広く用いられている。この高機能カテーテルとしては、例えば、動脈硬化性狭窄病変を拡張させるための血管拡張用カテーテルや、ステント留置用血管拡張カテーテル、さらには、超音波診断用カテーテル、光干渉式診断用カテーテルなどに適用されている。
通常、この種高機能カテーテルと称される医療用カテーテルは、細径でかつ薄肉な構造であることが要求される。これに加えて、代表的な高機能カテーテルである血管拡張用カテーテルでは、細径で蛇行した分岐血管内に対する末梢血管部位への到達性が必要であるため、カテーテル先端部側は柔軟であり、カテーテル手元部側はトルク伝達性、押し込み性及び耐キンク性などに対して優れた性能が要求される。
血管内超音波診断用カテーテルでは、カテーテル内腔に診断用デバイスを挿入して画像診断を行うため、カテーテル先端部側は超音波透過性が良く、しかも柔軟な材質の材料で構成する必要があり、一方カテーテル手元部側に対してはトルク伝達性、押し込み性及び耐キンク性の優れた性能が要求される。
光干渉式診断用カテーテルにおいても同様に、光透過性がよく、しかも柔軟な樹脂材料などで構成する必要があると共に、カテーテル手元部側はトルク伝達性、押し込み性及び耐キンク性などに対して優れた性能が要求される。
これら何れの高機能カテーテルにおいても医療用カテーテルとしては、細径、薄肉であることに加えて、柔軟なカテーテル先端部と高剛性のカテーテル手元部とで構成され、カテーテル長手方向の硬度が傾斜的に変化していることが理想的である。
剛性傾斜がなく、カテーテル長手方向に硬度が大きく異なる部分があると、その部分で応力が集中する傾向が強いためキンクし易くなり、カテーテルとしての性能が低下してしまう。
これらの性能を満たす高機能カテーテルとして、カテーテル手元部側は複数本の金属ワイヤーを規則的に編組させて形成した構造物の内外面を樹脂チューブで挟むことで高剛性の細径・薄肉のチューブ構造とし、しかもカテーテル手元部にあっては、その基端部からカテーテル先端部側の接合部に向けて硬さを減少させた医療用カテーテル(医療用チューブ)が提案されている。
従来、このような構造の医療用チューブとして特許文献1が知られている。特許文献1には、ポリイミド樹脂からなるカテーテル手元部と、樹脂チューブからなるカテーテル先端部とで構成された血管拡張用カテーテルが開示されている。
カテーテル手元部は、樹脂で覆われたステンレス製のチューブ形状の編組層で構成され、さらにこのカテーテル手元部は、その基端部側からカテーテル先端部との接合部側に向けて編組層の格子密度が増加すると共に、この接合部に向かって硬度が柔軟になるような構成となされている。
また、特許文献2には、内層チューブ、編組層及び外層チューブより構成され、内層チューブと外層チューブを融着一体化したカテーテル用チューブが開示されている。このカテーテル用チューブでは複数チューブの硬度をカテーテル先端部側に向けて減少させると共に、カテーテル手元部を構成する編組層を、その格子密度をカテーテル先端部側に向けて小さくすることで、硬さを減少させるように工夫されている。
米国特許5,533,987号 特開2001-178826号公報
一般的に、高機能カテーテルにおいては、カテーテル先端部を構成する樹脂チューブには柔軟性が要求される。しかし、特許文献1にあっては、カテーテル手元部を構成する編組層入りチューブでは、少なくとも一層が硬質材料であるポリイミド樹脂材で構成されると共に、使用されているワイヤーはステンレス材料である。
そのため、編組層の格子密度を増加して柔らかくさせた場合においても、カテーテル先端部を構成する樹脂チューブと比較してかなり硬くなってしまう。その結果、編組層入りチューブ(カテーテル手元部)と樹脂チューブ(カテーテル先端部)との接合部において応力集中が発生し易く、キンクし易いという問題がある。
また、編組層構成とする場合には、この編組層として使用するワイヤーの外径が段階的に異なるものを使用して剛性傾斜を持たせることによって、編組層入りチューブの硬さを柔軟にさせる方法が考えられる。
通常、このような編組層は、内層チューブ材料が被覆成形された導線、つまり被覆導線に対してワイヤーの編組層を形成する必要がある。このチューブ状の編組層は、一般にはブレーダーと呼ばれる専用の装置で成形される。ブレーダーを使用する場合、ワイヤーサイズは細いものが多いため、ワイヤーが巻き付けられたボビンのキャリアーにはワイヤー張力調整用のスプリングが取り付けられている。良好な編組層として成形するためには、スプリングのばね定数をワイヤーのサイズに基づいて最適化させる必要がある。
例えば、ばね定数が小さすぎるスプリングを取り付けると、ワイヤーの張力が小さくなり、格子密度が不規則になったり、塊状になったりする。これとは逆に、ばね定数が大きすぎるスプリングを取り付けると、ワイヤーの張力が大きくなって、内層チューブへの食い込みが大きくなり、内層チューブを損傷させてしまう。
編組層を形成するに当たっては、ワイヤーのサイズは一定であることが好ましいが、外径が段階的に異なる上述したワイヤーを使用して編組層を形成することは、張力制御が難しい等の上述した理由によって現実的には困難であると言える。
また、超音波診断用カテーテルにおいては、カテーテル内腔に診断用デバイスを挿入して画像診断を行うため、カテーテル先端部側は超音波透過性の良い素材(樹脂材料など)を使用すると共に柔軟である必要がある。このような先端部は観察窓として機能する。
光干渉式診断用カテーテルにおいても同様に、カテーテル内腔に診断用デバイスを挿入して画像診断を行うため、カテーテル先端部側は光透過性の良い樹脂材料で、かつ柔軟な樹脂材料を使用した観察窓とする必要がある。
そして何れの場合にも、編組層入りチューブで構成されるカテーテル手元部と、柔軟な樹脂チューブで構成されるカテーテル先端部との境界部に課題が生じる。高機能カテーテルとしての性能を持たせるためには、カテーテル手元部とカテーテル先端部との接合部は、チューブの内外面の段差が小さく、キンクしにくく、しかも十分な引っ張り破断強度が要求されるが、上述した特許文献1および2では何れも不十分である。
そこで本発明はこのような課題を解決したものであって、その目的は、カテーテル手元部側を剛性が高く、剛性傾斜をもった複合材からなる樹脂チューブで構成すると共に、カテーテル手元部とカテーテル先端部との境界部における耐キンク性等を改善した、高機能カテーテルなどに適用できる医療用カテーテルを提供するものである。
上記目的を達成するため、請求項1に記載したこの発明に係る医療用カテーテルは、金属層と樹脂層からなる多層構造の医療用カテーテルであって、
該医療用カテーテルは、先端側チューブ部と手元側チューブ部からなり、
上記手元側チューブ部に含まれる金属層は、少なくとも一部が物理的研磨または化学的研磨された金属層であって、その断面積が長軸方向で異なる金属層となされたことを特徴とする。
この発明に係る医療用カテーテルは、先端側チューブ部と手元側チューブ部とで構成される。手元側チューブ部は金属層と樹脂層からなる多層構造体(複合体)である。
より具体的には手元側チューブ部は金属メッシュ入りチューブとして構成され、内層チューブと、内層チューブ上に形成された金属層(この例では金属メッシュ層)と、金属層を内層チューブに固定させるためのコーティング層およびコーティング層の上に形成された外層チューブからなる多層構造体である。
医療用カテーテルは、先端側チューブ部と手元側チューブ部とをそれぞれ別体に構成し、これらを境界部を介して一体化して形成することもできれば、先端側チューブ部と手元側チューブ部をそれぞれ構成するチューブを一体で形成してもよい。
いずれの場合であっても、金属層には剛性傾斜を持たせるためその断面積が手元側チューブ部の長手方向によって相違する。剛性傾斜を形成し易くするため、金属層は平板ワイヤーが使用される。剛性傾斜は物理的研磨か化学的研磨によって形成する。化学的研磨による場合には、傾斜を持たせる部分のみをエッチング処理する。
内層チューブ上に形成された金属層をこの内層チューブに確実に固定するためコーティング層が設けられ、またコーティング層の表面は所定の剛性を得ると共に、保護用としても機能する外層チューブで被覆される。
手元側チューブ部の基端部側より先端部に向かう程柔軟になるように、コーティング層の厚みは段階的に薄くなるように形成するのが好ましい。肉厚を調整することで手元側チューブ部に対して剛性傾斜を付けることができる。
内層チューブおよび外層チューブに対しても、その何れか一方または双方に対して剛性傾斜を持たせる。剛性傾斜は、硬度の異なる複数の材料を繋ぎ合わせることで達成できる他、厚みの異なる材料を使用して構成することもできる。
手元側チューブ部と先端側チューブ部とを接合して医療用カテーテルを構成する場合には境界部は接合部として機能する。この接合部は樹脂チューブの内面差および外面差が少なく、しかも接合部の前後における剛性差が少なくなるように構成される。例えば、手元側チューブ部と対向する先端側チューブ部の開口面側はフレアー構造とし、手元側チューブ部にあっては先端側チューブ部と対向する開口部側は所定長に亘り外層チューブが剥離されて、コーティング層が露出した接合部となされ、この接合部を介して先端側チューブ部と手元側チューブ部とが接合される。接合は、融着あるいは接着が考えられる。
先端側チューブ部と手元側チューブ部を構成するチューブを一体で形成する一体型医療用カテーテルの場合には、チューブ全体を内層チューブと外層チューブとで構成し、手元側チューブ部のみに、内層チューブと外層チューブとの間に、金属層とこの金属層を固定するコーティング層とが介在される。金属層とコーティング層の各端面側(先端側チューブ寄り)付近が境界部として機能する。
したがってチューブ全長に亘り内層チューブを形成してから手元側チューブ部のみに金属層とコーティング層を形成し、金属層とコーティング層を形成してから、チューブ全長に亘って外層チューブを被覆するような手法を用いて一体型医療用カテーテルが製造される。
上述の構成とすることで、医療用カテーテルとしての機能を十分達成できる。またこれらの機能を達成できる素材が選定される。この医療用カテーテルは、血管拡張用カテーテルや、ステント留置用血管拡張カテーテル、さらには超音波診断用カテーテル、光干渉式診断用カテーテルなどの高機能カテーテルに適用できる。
この発明では、先端側チューブ部と手元側チューブ部からなる金属層と樹脂層の多層構造の医療用カテーテルであって、手元側チューブ部を構成する金属層は、物理的研磨または化学的研磨された金属層であって、その断面積が長手方向に異なる金属層となされたものである。
このように剛性傾斜をもつ金属層からなる手元側チューブ部の場合、所定の剛性が得られる。
この構成とすることで、手元側チューブ部における先端部の剛性を低下させられるので、先端側チューブ部と手元側チューブ部との境界部位(衝合部位)での耐キンク性が良好になる。加えて手元側チューブ部の先端部の柔軟性を確保できると共に、手元側チューブ部における基端部でのトルク伝達性、押し込み性が優れた高性能な医療用カテーテルを提供できる。
この発明に係る医療用カテーテルの製造方法によれば、手元側チューブ部を構成する樹脂層のうち内層チューブに金属層を巻き付ける工程と、金属層のうち、先端側チューブ部寄りの先端部側に物理的研磨又は化学的研磨を施して上記金属層の厚みを異ならせる工程を経て医療用カテーテルを製造したものである。
これによれば、手元側チューブ部の金属層の断面積を場所によって変えることができるため、手元側チューブ部における先端部の剛性を低下させることができると共に、先端側チューブ部と手元側チューブ部との境界部位での耐キンク性が良好な医療用カテーテルを提供できる。
金属層を平板ワイヤーを用いた金属メッシュ層とした場合には、この金属メッシュ層に物理的研磨や化学的研磨を施すことが可能になり、この金属層に所期の剛性傾斜を容易に付与することができる。
金属メッシュ層を使用するときには、内面チューブに金属メッシュ層を介してコーティング処理を施すことで、剛性傾斜状態を確実に保持した医療用カテーテルを製造できる。
この発明の実施形態における医療用カテーテルは先端側チューブ部を手元側チューブ部とを別体構成とし、これらを接合部を介して衝合し、一体化して形成したいわゆる接合型医療用カテーテルとして構成したものでも、先端側チューブ部と手元側チューブ部をそれぞれ構成するチューブを一体で形成したいわゆる一体型医療用カテーテルとして構成したものでも適用できる。以下では便宜上、先端側チューブ部を先端側チューブと言い、手元側チューブ部を手元側チューブと言う。
この医療用カテーテルは高機能カテーテルに適用できる。高機能カテーテルとは上述したように、超音波診断用カテーテルを始めとして、血管拡張用カテーテル、ステント留置用血管拡張カテーテルなどを挙げることができ、その何れにもこの発明に係る医療用カテーテルを適用できる。
続いて、この発明に係る医療用カテーテルについて図面を参照して説明するが、以下の実施の形態では、まず接合型医療用カテーテル(以下単に医療用カテーテルという)について詳述する。
図1は、高機能カテーテルとしての超音波診断用カテーテル10にこの発明を適用した場合を示す。この超音波診断用カテーテル10はカテーテルシースとして機能する医療用チューブ12を有し、その先端部12a側にはガイドワイヤー用のルーメン14が取り付けられ、その基端部12b側にはコネクタ部16が連結される。
医療用チューブ12は所定径の内腔となされ、内腔内には駆動シャフト18が挿通される。駆動シャフト18の先端には超音波振動子20が取り付けられている。
コネクタ部16には、図示はしないが外部駆動源が装着されて、この外部駆動源からの駆動力で駆動シャフト18を回転駆動することで超音波振動子20が360°回転する。これによって血管部位を全周にわたりスキャンできるので、全周にわたる血管部位の診断用画像を入手できる。
コネクタ部16にはプライミング用の注入ポート22が設けられている。この注入ポート22は、周知のように医療用チューブ12内に液体を注入するための液体注入用として使用される。
上述した医療用チューブ12は、図2に示すように先端側チューブ30Aと手元側チューブ30Bとで構成される。先端側チューブ30Aと手元側チューブ30Bとは接合部31によって両者が接合されて一体化される。
先端側チューブ30Aは樹脂層(以下樹脂チューブと言う)からなる単一構造体であるのに対し、手元側チューブ30Bは金属層と樹脂層との多層構造体である。金属層としては金属メッシュ層が採用される関係で、手元側チューブ30Bを金属メッシュ入りチューブと呼称する場合がある。
医療用チューブ12は血管内の診断・治療用カテーテルとして使用されるため、医療用チューブ12の全長は、1000〜1500mm程度が好適である。医療用チューブ12の外径は、血管内に挿入されることから、1.5mm以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましい。医療用チューブ12の肉厚は、柔軟性と、ある程度の剛性を付与しなければならないことから、0.2mm以下、特に0.1mm以下であることが好ましい。先端側チューブ30Aは100〜300mm程度の長さが好ましい。
医療用チューブ12のうち、手元側チューブ30Bにあっては多層構造体であり、その詳細を図3の拡大図を使用して説明する。手元側チューブ30Bにあって、先端側チューブ30A側を先端部側、コネクタ部16側を基端部側として説明する。
図3に示すように、手元側チューブ30Bは、内層チューブ32と、内層チューブ32上に形成された金属層34と、金属層34を内層チューブ32に固定させるためのコーティング層36と、コーティング層36の上に形成された外層チューブ38とで構成される。
金属層34としては金属メッシュ層が使用され、説明の都合上先端側(先端側チューブ30A側)に位置する金属メッシュ層34aを接合部側金属メッシュ層と呼称し、基端部側の金属メッシュ層34bを基端部側金属メッシュ層と呼称する。同様に、外層チューブ38も、先端側チューブ30A側に位置する外層チューブ38aを接合部側外層チューブと呼称し、基端部側の外層チューブ38bを基端部側金属メッシュ層と呼称する。
手元側チューブ30Bにあっては、さらに図3に示すように接合部31寄りから基端部12bに向かってセグメントA,B,Cに区分したとき、接合部31とセグメントAの部位までは接合部側金属メッシュ層34aに相当する。それ以降基端部12b側が基端部側金属メッシュ層34bとなる。
ここで、先端側チューブ30A全体から手元側チューブ30B側のうち、セグメントA当たりまでは、非常に柔軟性が要求される部位である。これはこの種の高機能カテーテルを血管内に進入させたとき、大動脈の湾曲部(大動脈弓)付近の到達部位が、先端側チューブ30AおよびセグメントA当たりに相当する。これらの部位はカテーテルの曲がり具合が比較的大きくなり、カテーテル先端側をスムーズに大動脈の湾曲部(大動脈弓)に沿って進入させなければならないからである。
そのため、上述したように先端側チューブ30Aの長さを200mm程度に選定したときには、接合部31から手元側チューブ30BのセグメントAに至るまでの長さは、大凡100〜400mm程度、就中200mm程度に選定するのが好ましい。
外層チューブ38にあっても、この柔軟性等を考慮して、接合部31,セグメントAおよびセグメントBに相当する部位とそれ以降の部位とでは外層チューブ38の厚みを変えたり、剛性の異なる素材が使用される。
この例では剛性の異なる樹脂チューブが使用される。接合部31側からセグメントBに至るまでは軟質樹脂チューブを使用した接合側外層チューブ38aとなされ、セグメントC以降基端部12bまでの部位が硬質樹脂チューブを使用した基端部側外層チューブ38bとなされている。
図4は図3における各部位の縦断面図を示す。図4Aは接合部31の縦断面図であり、図4BはセグメントAの縦断面図であり、図4CはセグメントBの縦断面図であり、そして図4DはセグメントCの縦断面図を示す。
各断面部位を以下に説明する。
(1)先端側チューブ30Aについて
先端側チューブ30Aは樹脂チューブ単体で構成される。樹脂チューブは柔軟性が要求される部位であるから、柔軟な樹脂チューブが使用される。超音波診断用カテーテル10では、樹脂チューブの内腔に画像診断用デバイス、上例では超音波振動子20を挿入して画像診断を行うため、カテーテル先端側は柔軟性が要求される上、超音波透過性が良好で観察窓としても機能しなければならない。そのような樹脂が先端側チューブの素材として選定される。詳細は後述する。
因みに、光干渉式診断用カテーテルにおいても、診断用デバイスを挿入して画像診断を行うため、観察窓となるように光透過性がよく柔軟な樹脂チューブが選ばれる。
(2)接合部31について
接合部31は先端側チューブ30Aと手元側チューブ30Bとの接合部位であるので、十分な引っ張り破断強度を有すると共に、先端側チューブ30AやセグメントBとの硬度差が小さく、かつ接合部31での内径および外径の変化が小さくなければならない。
このような条件を満足するため、接合部側金属メッシュ層34aは、肉薄な金属ワイヤーが使用される。具体的には、金属ワイヤーとしては平板ワイヤーが使用される。コーティング層36の厚みも、理想的には基端部12b側に比べて肉薄であることが好ましい。また、接合を良好にするため内層チューブ32は先端側チューブ30Aと同一材質(樹脂チューブ)であるのが好ましい。
(3)セグメントAについて
セグメントAは手元側チューブ30Bの先端部を構成する。その硬さは、接合部31<セグメントA<セグメントBのような剛性傾斜となることが好ましい。
そのための条件としては、金属層34aを構成する接合部側金属メッシュ層(金属ワイヤー)34aは肉薄であり、コーティング層36の厚みも薄く、さらには接合部側外層チューブ38aは、先端側チューブ30Aと同じか、または接合部31の内層チューブ32よりも硬い樹脂材料で構成されることが好ましい。
(4)セグメントBについて
セグメントBは、手元側チューブ30Bのほぼ中間部位を構成する。したがってその硬さは、セグメントA<セグメントB<セグメントCの関係を満足する必要がある。そのための条件としては、まず接合部側金属メッシュ層34bの厚みは、セグメントAの部位よりも肉厚であるのが好ましい。コーティング層36の厚みもセグメントAよりも厚い方が好ましい。
さらに接合部側外層チューブ38aはセグメントAの樹脂チューブと同等かこれよりも硬い樹脂チューブであるのが好ましい。
(5)セグメントCについて
セグメントCは手元側チューブ(金属メッシュ入りチューブ)30Bの基端部12b側を構成する部位であることから最も硬い部位となる。そして、カテーテルを血管末梢部まで到達させるために必要な腰強度と、耐キンク性が要求される。
そのための条件としては、基端部側金属メッシュ層34bの構成材料である金属ワイヤーは接合部側金属メッシュ層34aよりも肉厚であるのが好ましい。またコーティング層36の厚みもセグメントBの部位と同等かこれよりも厚いのが好ましい。さらに、基端部側外層チューブ38bはセグメントAあるいはセグメントBを構成する樹脂チューブよりも硬い樹脂チューブで構成されることが好ましい。
続いて各部位における最適な材料などについて以下説明する。
(a)先端側チューブ30Aについて
先端側チューブ30Aを構成する樹脂チューブは、蛇行した分岐血管内の末梢部位までの到達性に優れた特性を持たせるために、第1の条件としては、柔軟であるとともに、観察窓として機能するため超音波透過性を有する樹脂チューブであることが好ましい。
また、樹脂チューブ内には治療や診断の目的に応じたデバイスを挿入させたりする必要があるため、第2の条件としては樹脂チューブの内径、外径ともにサイズ精度は高精度であることが好ましい。
このような条件を満足する高精度な樹脂チューブを形成するには、一般的には精密押出し成形機を用い、溶融された樹脂を予め専用に設計されたダイスを通じて高精度に吐出させながら、導線(銅線など)に被覆させる、導線被覆成形方法を用いて成形するのが好ましい。
押出し成形用の樹脂材料としては、熱可塑性材料であることが好ましく、かつ柔軟で観察窓として機能する軟質材料であることが好ましい。
これらの条件に合致する樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリエチレンエラストマーが好適である。
なお、これらの高分子材料は超音波透過性も光透過性も共に高いため、超音波や光を使用したいずれの医療用カテーテルにも適用できる。
またこれらの樹脂をベースとしたポリマーアロイあるいはポリマーブレンドを用いることもできる。さらに、先端側チューブ30Aとしては、上述した各種の樹脂を複数種類組み合わせた多層樹脂チューブや、ストライプ構造の多段樹脂チューブであってもよい。
高機能カテーテルとして使用される先端側チューブ30Aの長さや、径の大きさ等については既に述べた通りである。
(b)手元側チューブ30Bについて
(b1)内層チューブ32について
内層チューブ32にあっては、その外表面に金属ワイヤーのメッシュ層を形成させるため、導線(銅線など)に被覆されているのが好ましい。そのため、内層チューブ32の材料は、薄肉の導線被覆成形が可能な熱可塑性の高分子材料であって、目的に応じた硬度を有する樹脂材料(硬質材料または軟質材料)であることが好ましい。
熱可塑性の高分子材料のうち硬質樹脂材料としては、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂もしくはそれらのポリオレフィン系エラストマー、フッ素系樹脂もしくはフッ素系エラストマー、メタクリル樹脂、ポリフェニレンオキサイド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフォン、環状ポリオレフィン、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミドもしくはポリアミド系エラストマー、ポリカーボネート、ポリアセタール、スチレン系樹脂もしくはスチレン系エラストマー、熱可塑性ポリイミド等が好適である。
またこれらの樹脂材料をベースとしたポリマーアロイあるいはポリマーブレンドを用いることも可能である。
さらに、これらの樹脂材料を複数種類組み合わせて得られる多層構造の樹脂チューブや、ストライプ状をなす多段構造の樹脂チューブでも使用することができる。
熱可塑性の高分子材料のうち軟質樹脂材料としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリエチレンエラストマー、ポリプロピレンエラストマー、ポリブテンエラストマー、軟質塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂、若しくはそれらのポリオレフィン系エラストマー、フッ素系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、スチレン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーなどの樹脂材料が好適である。
またこれらの樹脂材料をベースとしたポリマーアロイあるいはポリマーブレンドを用いてもよい。さらに、これらの樹脂材料を複数種類組み合わせて得られる多層構造の樹脂チューブや、ストライプ状をなす多段構造の樹脂チューブでも使用することができる。
内層チューブ32は均一な硬度分布の樹脂チューブの他に、部位によって異なる硬度を持たせるため複数の異なる樹脂チューブで構成することもできる。この場合の硬度傾斜は基端部12b側より先端側チューブ30B側に向かって低硬度となされる。
このような硬度傾斜を持たせるには、硬度の異なる同系列の複数の樹脂チューブを導線の長手方向に並べて配置し、その状態で加熱融着して一体化すればよい。
この場合、化学構造式が同じか若しくは類似する樹脂材料で、その分子量を選定することでその硬度を設定(選定)する。ソフトセグメント(軟質樹脂材料)とハードセグメント(硬質樹脂材料)との割合を選定することでも硬度を調整できる。
具体的には、例えば硬質樹脂材料としてポリアミド12を使用し、軟質樹脂材料としてポリアミドエラストマーを使用する。あるいは、硬質樹脂材料としてポリブチレンテレフタレートを使用し、軟質樹脂材料としてポリエステルエラストマーを使用すればよい。
このような複数の硬度で構成される内層チューブ32を形成するには、例えば導線のサイズよりやや大きめの内径を有した硬度の異なる樹脂チューブを導線に被せ、その上に熱収縮チューブなどを被せた後で、その全体を加熱収縮させて成形する方法が好ましい。加熱後の工程で熱収縮チューブを抜去すれば、長手方向に向かって硬度が次第に異なる導線被覆タイプの内層チューブを得ることができる。
内層チューブ32の肉厚によって硬度を調整することも可能である。この場合には、基端部側の肉厚を厚くするような加工(異径導線被覆成形)を施せばよい。
硬度の異なる複数樹脂材料を押出し処理によって導線上に被覆成形するに当たり、チューブ長手方向において繰り返し硬質材料から軟質材料へ組成比を変化させるような成形方法によって内層チューブ32を形成してもよい。これの成形方法に加えて、基端部12b側の肉厚を厚くした異径導線被覆成形を行えば、基端部12b側をさらに硬くすることができる。
内層チューブ32としては、単一の樹脂材料で導線被覆成形したものをそのまま用いてもよい。その場合には硬度は全長に亘り同じである。
上述した内層チューブ32の成形方法では、連続して導線被覆成形した内層チューブを用いることで、ブレーダーにより金属ワイヤーのメッシュ構造を連続的に、しかも安定して形成することが可能になるため、生産性および信頼性は格段に向上する。
内層チューブ32としては、導線被覆成形したもの以外でも使用することができる。例えば、内層チューブ材料として熱硬化性樹脂を用いてこれを導線にコーティングした後に加熱硬化して内層チューブ32を得る方法である。
この場合に使用できる熱硬化性樹脂としては、熱硬化性ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
これらの熱硬化性樹脂を用いてコーティングするには、第1の方法として、これらのうちの1つの樹脂材料を溶媒で適当な粘度に溶かした状態で容器内に入れておき、導線を容器内の樹脂材料に浸漬して樹脂をコーティングした後、硬化温度以上に設定された加熱炉で一定時間加熱すればよい。
このとき、チューブ長手方向に対して、部分的にコーティング回数を増やすことで、コーティング材の厚みを変えることができるから、この厚みの違いによって硬度傾斜(剛性傾斜)が得られる。
また、第2の方法としては、ポリテトラフルオロエチレンの粉末を乳化剤に混入し、均質に分散させた状態で容器内に入れておき、導線を容器内の樹脂材料に漬けることで樹脂をコーティングする。その後、ポリテトラフルオロエチレンの結晶融点以上の温度で加熱することで、内層チューブ32を形成することができる。
第3の方法として、内層チューブ材料として光重合硬化型材料を使用する場合を挙げることができる。この場合には光重合硬化型材料を導線にコーティングした後に光を照射して硬化させることで内層チューブ32を成形できる。
光重合により硬化する材料としては、紫外線硬化性樹脂、可視光硬化性樹脂などがある。これらの樹脂を用いる場合、樹脂材料を溶媒で適当な粘度に溶かした状態で容器内に入れておき、導線を容器内の樹脂材料に浸漬して樹脂をコーティングする。コーティングされた樹脂は光重合する紫外線または可視光線を照射することで硬化する。
このように樹脂をコーティングする内層チューブの導線被覆成形による場合、コーティングする部位のコーティング回数を適宜調整することでその厚みを変えることが可能になり、それによって、目的の硬度傾斜を備えた内層チューブ32を得ることができる。
なお、高機能カテーテルとして使用される内層チューブ32では、その外径は1.5mm以下、好ましくは1mm以下がよく、その肉厚は0.1mm以下、就中0.05mm以下であることが好ましい。
(b2)金属層(金属メッシュ層)34について
上述の方法によって成形された内層チューブ32の外表面に金属層34が形成される。金属層は金属メッシュ層の場合を示す。金属メッシュ層とするためには、薄肉で、細径化し易い平板形状のワイヤー(平板ワイヤー)を金属ワイヤーとして使用するのが好ましい。金属ワイヤーとしては、ステンレス線、チタン線、タングステン線、鉄線あるいはボロン線などの何れかを使用することができる。
金属メッシュ層の形成にあたっては、ブレーダーと呼ばれる専用の編組形成装置が使用される。具体的には、平板ワイヤーが巻かれたボビンが、キャリアーと呼ばれる複数個の専用部品に取り付けられ、ブレーダーに組み込まれたこれらキャリアーを、それぞれ互い違いに規則的に動かすことで、交互に編まれたチューブ状の金属メッシュ層を形成することができる。
キャリアーには、ワイヤー張力調整用のスプリングが取り付けられている。良好な金属メッシュ層を形成するにはスプリングのばね定数をワイヤーのサイズにより最適化させる。
上述したようにばね定数が小さすぎるスプリングを取り付けると、ワイヤーの張力が小さくなることで、金属メッシュ層の格子密度が不規則になったり、塊状になったりする。これに対して、ばね定数が大きすぎるスプリングを取り付けると、ワイヤーの張力が大きくなり、内層チューブ32表面への食い込みが大きくなって、内層チューブ32を損傷するおそれがある。
金属メッシュ層34の形成においては、金属ワイヤーに対する張力を最適値に調整し易くするため、金属ワイヤーとしては肉厚が一定な平板ワイヤーであることが好ましい。編組層であるこの金属メッシュ層34を、位置ずれなく安定して形成できるからである。
金属メッシュ層34として使用する平板ワイヤーの幅は、0.05mm〜0.15mm好ましくは0.06〜0.1mmであることが好ましい。平板ワイヤーの厚みは、0.01〜0.1mm、好ましくは、0.01〜0.05mmであることが好ましい。
金属メッシュ層34の格子密度は、基端部12b側から接合部31側にかけて同一でも可変でも差し支えない。
金属メッシュ層34の硬度は、チューブ長手方向に対して変化した硬度傾斜を持っているのが好ましい。硬度を変化させる方法としては、金属メッシュの構成部材である金属ワイヤー(平板ワイヤー)の断面積を変化させる方法が確実である。特に、チューブ長手方向に対して柔軟にするためには、平板ワイヤーの厚みを接合部31側に向かって薄くさせればよい。
平板ワイヤーの断面積は、物理的研磨や化学的研磨によって変えることができる。
物理的研磨方法としては、研削加工、ブラスト研磨、バレル研磨、液体ホーニング研磨等が挙げられる。このような研磨方法は、メッシュ化された金属メッシュ層34に対して、砥石又は砥粒を直接接触させることで物理的に研磨する方法である。
ワイヤーの断面積(厚み)は、研磨加工時間を調整することで最適化できる。平板ワイヤーの特定部位における研磨加工時間を調整することで、チューブ長手方向における断面積を傾斜的に変えることができる。この研磨方法によって、チューブ長手方向での硬さを変えることが可能になる。
化学的研磨方法としては、平板ワイヤー材料を溶解する薬品(エッチング液)を使用したエッチング処理がある。例えば、SUS304製平板ワイヤーに対するエッチング液としては、硫酸、塩酸、塩化第二鉄などの水溶液が用いられる。
このエッチング処理では、エッチング液を用意する。また予め金属メッシュ層34を形成した内層チューブ32の両端縁部を接着剤などの封止材で封止して、編組された金属メッシュ層34が位置ずれしないように固定する。この金属メッシュ層34を形成した内層チューブ32をエッチング液に漬けることでエッチング処理する。一定時間経過後に金属メッシュ層34を形成した内層チューブ32を引き上げてから水で十分に洗浄する。必要に応じて後工程処理を追加してもよい。この後工程は中和処理や、不導体被膜処理などの化学処理を指す。
エッチング液によって金属メッシュ層34が化学的研磨されるため、エッチング処理部分が他部に比べて薄くなる。どの程度の薄さにエッチングするかは、エッチング処理時間に依存する。
金属メッシュ層34を形成した内層チューブ32を一定時間ごとに所定長だけ順次引き上げることで、エッチング処理時間を変化させることができるから、この場合には長手方向に沿って傾斜的に何段階かに亘って順次平板ワイヤーの断面積を変えることができる。これによって、チューブ長手方向に沿って連続的に金属メッシュ層34aの硬さ、したがって金属メッシュ層34を形成した内層チューブ32の剛性を変えることができる。
(b3)コーティング層36について
内層チューブ32上に金属メッシュ層34を形成した状態において、この金属メッシュ層34の格子密度が低い場合には、外力により金属メッシュ層34を構成する平板ワイヤーが位置ずれし易くなり、格子密度がばらつき易い。
また平板ワイヤーが内層チューブ32の外表面に固定されていない状態では、外層チューブ38を被覆しても、特に基端部12b側で外層チューブ38自体がキンクし易くなり、十分な腰強度が得られない虞がある。さらに、手元側チューブ30Bの引っ張り破断強度も、医療用カテーテルとしての実用レベル以下になる虞がある。
これは、金属メッシュ層34の隙間部分に外層チューブ38が十分に回り込めないため、内層チューブ32、金属メッシュ層34、外層チューブ38の各層の結びつきが弱く、機械的に一体化していないことがその要因と考えられる。
したがって医療用カテーテル10として使用可能な機械的物性を得るためには、内層チューブ32の外面に金属メッシュ層34を形成するだけではなく、この金属メッシュ層34を内層チューブ32に固定するのが好ましいと言える。
金属メッシュ層34を内層チューブ32に固定することによって、手元側チューブ(金属メッシュ入りチューブ)30Bは、複合材としての特性を示し、医療用チューブとして実用可能な機械的物性を充分に達成することが可能になる。
金属メッシュ層34を内層チューブ32に固定する手段(方法)としては、熱硬化性樹脂によるコーティング方法が挙げられる。金属メッシュ層34を設けた後に内層チューブ32の隙間を介して熱硬化性樹脂をコーティングすることによって、メッシュ隙間側に熱硬化性樹脂が入り込んだコーティング層36を形成することができ、これら三者が互いに密着して機械的に一体化される。その結果、複合材としての機械的特性が遺憾なく発揮される。
コーティング材としての熱硬化性樹脂としては、ポリイミド樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
これらの熱硬化性樹脂を用いて内層チューブ32にコーティングするには、例えば熱硬化性樹脂材料を溶媒で適当な粘度に溶かした状態で容器内に入れ、内層チューブ32を熱硬化性樹脂材料に浸漬することで熱硬化性樹脂をコーティングする。その後、硬化温度以上に設定された加熱炉で一定時間加熱すると、コーティング層36が内層チューブ32および金属メッシュ層34にそれぞれ密着し、三者を機械的に一体化できる。
内層チューブ32用の樹脂材料は、コーティング材の加熱温度よりもその耐熱性が高いことが必要である。内層チューブ32の樹脂材料の耐熱性が低い場合には、コーティング材の加熱硬化時に内層チューブ32が変形する虞があるためである。
コーティング工程において、チューブ長手方向に対し基端部12b側のコーティング回数を増やせば、コーティング層36の厚みを変えることができる(肉厚にできる)。この肉厚の違いによって硬度変化を付与できる。
コーティング材としては、熱硬化性樹脂以外にも、例えば光重合により硬化する紫外線硬化性樹脂や可視光硬化性樹脂などを用いることができる。
これらの光硬化性樹脂を用いる場合には、光硬化性樹脂材料を溶媒で適当な粘度に溶かした状態で容器内に入れ、内層チューブ(導線)32を光硬化性樹脂材料に浸漬して、光硬化性樹脂を内層チューブ32の外表面にコーティングする。コーティングされた光硬化性樹脂は紫外線または可視光線を照射することで硬化する。
(b4)外層チューブ38について
医療用カテーテル12は、先端側チューブ30Aと手元側チューブ30Bとを接合することで一体化されるが、このとき先端側チューブ30Aと手元側チューブ30Bとは段差なく接合されなければならない。そのため、先端側チューブ30Aの外径と手元側チューブ30Bの外径とは一致させる。手元側チューブ30Bにあって、コーティング層36の外表面に被覆される外層チューブ38は、先端側チューブ30Aと段差なく接合できるような厚みに最適化される。
外層チューブ38は、熱可塑性の高分子材料であって、目的に応じた硬度を付与できる樹脂材料が使用される。この種の熱可塑性樹脂は硬質の樹脂材料でも、軟質の樹脂材料でも共に使用できる。
硬質の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂もしくはそれらのポリオレフィン系エラストマー、フッ素系樹脂もしくはフッ素系エラストマー、メタクリル樹脂、ポリフェニレンオキサイド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフォン、環状ポリオレフィン、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミドもしくはポリアミド系エラストマー、ポリカーボネート、ポリアセタール、スチレン系樹脂もしくはスチレン系エラストマー、熱可塑性ポリイミド等を使用できる。
またこれらの樹脂をベースとしたポリマーアロイあるいはポリマーブレンドを用いることも可能である。
軟質の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンエラストマー、ポリプロピレンエラストマー、ポリブテンエラストマー、軟質塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂、もしくはそれらのポリオレフィン系エラストマー、フッ素系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、スチレン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーを使用できる。
またこれらの樹脂をベースとしたポリマーアロイあるいはポリマーブレンドを用いてもよい。
外層チューブ38としては、基端部12b側から接合部31側にかけてその硬度が次第に小さくなるのが好ましい。このように接合部31側に向かって硬度を異ならせるには、例えば硬度の異なる樹脂チューブを用いて外層チューブ38を構成すればよい。
硬度の異なる樹脂チューブを使用するに当たっては、コーティング層36の外表面に対して加熱融着などの手法によって異なる樹脂チューブ同士を一体化できることが好ましい。
加熱融着による一体化を実現するためには、使用する樹脂は同系列の樹脂であることが好ましい。このとき硬度の選定は化学構造式が同じもしくは類似する材料を使用してその分子量を選定することで行う。あるいはソフトセグメントとハードセグメントとの割合を選定することで硬度の選定を行うことができる。
例えば、硬質の熱可塑性樹脂としてポリアミド12を使用し、軟質の熱可塑性樹脂としてポリアミドエラストマーを使用する。あるいはまた、硬質の熱可塑性樹脂としてポリブチレンテレフタレートを使用し、軟質の熱可塑性樹脂としてポリエステルエラストマーを使用することができる。
硬度の異なる複数の樹脂チューブを並べて一体化する場合、内層チューブ32よりもやや大きめの内径を有した2本の樹脂チューブ(接合部側外層チューブ38aと基端部側外層チューブ38bに相当する)をコーティング層36の上に被せ、その上にさらに熱収縮チューブなどを被せた後にその全体を加熱収縮させる。この加熱収縮処理によってコーティング層36と外層チューブ38とが機械的に一体化する。加熱後の後工程で、内層チューブ32の導線と熱収縮チューブを抜去する。
この方法によっても、長手方向に対して硬度が異なる外層チューブ38を被覆した手元側チューブ(金属メッシュ入りチューブ)30Bを成形できる。
(c)手元側チューブ30Bの表面処理について
上述したように、手元側チューブ30Bは、複合材としての機械的特性を担持しているのが最も好ましい。
機械的特性を高めるには、内層チューブ32とコーティング層36、コーティング層36と金属メッシュ層34およびコーティング層36と外層チューブ38との界面接着強度がそれぞれ高ければよい。それぞれの界面における接着性は材料のぬれ性に依存する場合が多い。ぬれ性を良好にするには各材料の表面エネルギーを高くしなければならない。
各材料の表面エネルギーを高める方法としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射などの物理的あるいは化学的な表面処理方法や、テトラエッチ処理、無水クロム酸処理などの薬品反応的な表面処理方法などがあるので、目的や材料の種類などにより最適な処理方法が選択されることが好ましい。この例では、プラズマ処理などの物理的な表面処理法によって界面接着強度を高めて、複合材料としての機械的特性を担保している。
(d)先端側チューブ30Aと手元側チューブ30Bとの接合部31について
上述した医療用カテーテル12は、その先端部側が樹脂チューブからなる先端側チューブ30Aで構成され、手元側チューブ30Bとしては金属メッシュ入りの多層構造体からなる複合チューブで構成されている。
このような樹脂チューブと複合チューブで医療用カテーテル12を製造する場合には、先端側チューブ30Aと手元側チューブ30Bとを接合して一体化しなければならない。この接合部31にあっては、当然ながらその内外面の段差が小さく、キンクしにくく、しかも十分な引っ張り破断強度を有することが要求される。また、接合部31の接合しろは十分あることが望ましい。
それぞれのチューブの構造から、この例では先端側チューブ30Aの端面(後端部)側がフレアー形状となされ、これに対する手元側チューブ30Bにあっては外層チューブ38の一部を切除してコーティング層36を露出させた構造とする。この露出部分が接合部31として機能する。後端部のフレアー形状は、手元側チューブ30Bの先端部外径よりやや大きく、接合しろよりもやや長いことが好ましい。
先端側チューブ30Aの後端部をフレアー形状にする最も簡単な方法としては熱加工法がある。この熱加工法を簡単に説明すると、先端側チューブ30Aの内径よりやや大きめのステンレス製芯線の端部を特殊な形状(円錐形状)に加工したものを用意する。そしてこの芯線の円錐形状部分を樹脂チューブの熱変形温度より高い温度で加熱した状態で、先端側チューブ30Aの後端部にこの円錐形状部分を圧入する。この圧入によって先端側チューブ30Aの後端部はフレアー状に加工される。
芯線端部の形状は、円錐形状や2段テーパー形状などが考えられる。熱加工法としては、専用の金型を用いたヒーター加熱方法や高周波誘導加熱方法などもあるので、接合に適した形状に熱加工する方法であればどのような方法を採用しても良い。熱加工法以外には、センタレス研磨機や円盤研磨機などの加工機を使用してもフレアー加工が可能である。
接合部31の接合しろは、充分な引っ張り破断強度を確保できる長さに選定される。充分な長さとしては5〜20mm程度が考えられる。好ましくは10mm程度がよい。
先端側チューブ30Aと手元側チューブ30Bとを接合させるときの接合部31の外表面段差を解消するためには、接合後の手元側チューブ30Bの外径は先端側チューブ30Aの外径と同じものを使用すればよい。
そのため、手元側チューブ30Bにおける接合部31は段差を持たせてある。段差を得るには、接合部(接合しろ)31の外層チューブ38を切除してコーティング層36を露出させればよい。
両者を接合するに際しては、それぞれの接合面における界面接着強度が高くなるような処理が施される。界面接着強度については上述したように材料の表面エネルギーを高くすればよい。
材料の表面エネルギーを高めるには上述したように、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射などの物理的あるいは化学的な表面処理方法や、テトラエッチ処理、無水クロム酸処理などの薬品反応的な表面処理方法などがある。何れの方法でも使用できる。
先端側チューブ30Aと手元側チューブ30Bとの接合は、加熱融着方法や接着方法を採用できる。
加熱融着による接合の場合には、フレアー形状にしたチューブ後端開口部49(図6(c)参照)に、手元側チューブ30の接合部31を挿入し、挿入した状態で熱収縮チューブなどを被せ、その全体を加熱収縮させる。加熱後の後工程で熱収縮チューブを抜去すれば、先端側チューブ30Aと手元側チューブ30Bとを接合して機械的に一体化することできる。
一方、接着による接合の場合には、手元側チューブ30Bの接合部31の表面に接着剤を塗布した状態で、フレアー形状のチューブ後端開口部49に接合させ、その状態で硬化させることで一体化できる。
接着剤としては、エポキシ系、ウレタン系、アクリル系を主成分とし、またはこれらの混合物で構成された接着剤などであって、常温硬化型、加熱硬化型あるいは光重合型等の特性を示す接着剤を使用できる。
なお、硬化後の接合部31における引っ張り破断強度は、チューブ材料の引っ張り破断強度と比較して同等以上であることが好ましい。
(e)医療用カテーテル10の外面コーティングについて
医療用チューブ12の外表面(特に、血液との接触面)には、抗血栓性材を被覆するか、血液又は生理食塩水等に接触したときに摩擦係数が減少して潤滑性を呈する親水性(または水溶性)の高分子物質材(高分子化合物)や、シリコーンオイルなどを被覆するのが好ましい。
親水性高分子化合物としては、メチルビニルエーテル無水マレイン酸無水物共重合体、またはそのエステル化合物共重合体、ポリビニルピロリドン化合物、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
親水性高分子化合物を被覆する方法としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアルデヒド、アルコール類、ジメチルスルホキシド等の適当な溶媒に上記親水性高分子化合物を溶解させる。この溶液を浸漬、塗布、吹き付け等の方法により、樹脂チューブ外表面に含浸させる。
含浸した後、乾燥あるいは水洗処理等により溶媒を除去する。溶媒を除去しても親水性高分子化合物は、樹脂チューブを構成する基材の高分子材内に残留するから、樹脂チューブの外表面に親水性高分子化合物材(潤滑性物質材)をコーティングすることができる。
このように樹脂チューブの外表面に潤滑性物質材を被覆すると、樹脂チューブ外表面と生体管腔内面との接触面積が大幅に低減されると共に、樹脂チューブ、換言すれば医療用カテーテル10の生体管腔内での摺動性を大きく向上させることができる。
潤滑性物質材の代わりに抗血栓性材を被覆してもよい。抗血栓性材としては、ヘパリン、ポリアルキルスルホン、エチルセルロース、アクリル酸エステル系重合体、メタアクリル酸エステル系重合体(例えば、ポリHEMA[ポリヒドロキシエチルメタアクリレート])、疎水性セグメントと親水性セグメントの両者を有するブロックまたはグラフト共重合体(例えば、HEMA−スチレン−HEMAのブロッ共重合体、HEMA−MMA[メチルメタアクリレート]のブロック共重合体、HEMA−LMA[ラウリルメタアクリレート]のブロック共重合体、PVP[ポリビニルピロリドン]−MMAのブロック共重合体、HEMA−MMA/AA[アクリル酸]のブロック共重合体)、さらにこれらのブロック共重合体にアミノ基を有するポリマーを混合したブレンドポリマーや含フッ素樹脂などを利用できる。
これらの抗血栓性材のうち、特に好ましいのは、HEMA−スチレン−HEMAのブロック共重合体、HEMA−MMAのブロック共重合体、HEMA−MMA/AAのブロック共重合体などが挙げられる。
そして、上記したヘパリンを除く抗血栓性材を樹脂チューブの外表面(血液接触面)に被覆した後、さらにその上にヘパリンを固定することが好ましい。
ヘパリンを親水性樹脂材である抗血栓性材の表面に固定するためには、親水性樹脂としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基、チオシアネート基、酸クロリド基、アルデヒド基および炭素−炭素二重結合のうちのいずれかを有する樹脂か、もしくは容易にこれらの基に変換可能な基を有する樹脂が好ましい。
そのうち特に好ましくは、親水性樹脂にアミノ基を有するポリマーを混合したブレンドポリマーを用いることである。アミノ基を有するポリマーとしては、ポリアミン、特にPEI(ポリエチレンイミン)が好ましい。
ヘパリンの固定は、樹脂チューブの血液接触面に上述した親水性樹脂を被覆し、その表面にヘパリン水溶液を接触させた後、固定化剤と接触させて親水性樹脂と共有結合させればよい。
固定化剤としては、グルタールアルデヒド、テレフタルアルデヒド、ホルムアルデヒドなどのアルデヒド類、ジフェニルメタンジイソシアート、2,4−トリレンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、エピクロルヒドリン、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルなどを利用できる。
抗血栓性材の厚みは、樹脂チューブの柔軟性や外径に実質的に影響を及ぼさない程度の厚みに選定されている。
[具体的数値例]
図1以下に示したこの発明に係る医療用カテーテルの具体的な素材や数値例を以下に示す。
(1)先端側チューブ30Aとしては、曲げ弾性率が1600MPaである高密度ポリエチレンを使用した。その内径は0.87mmであり、外径は1.03mmの樹脂チューブである。
(2)内層チューブ32としては、曲げ弾性率が550MPaであるPTFE(Poly TetraFlouro Ethylene)を使用した。その内径は先端側チューブ30Aと同じく0.87mmであり、その肉厚は10μmの樹脂チューブである。導線の表面に被覆されたままの状態で使用される。
(3)金属メッシュ層34としては、平板ワイヤーが使用される。平板ワイヤーは、SUS304平板(幅80μm、厚み24μm)を使用した。
(4)コーティング層36としては、熱硬化性ポリイミド樹脂(弾性率:3100MPa)を使用した。
(5)外層チューブ38のうち接合部側外層チューブ38aは、接合部31より50cm分だけ使用した。接合部側外層チューブ38aとしては、高密度ポリエチレン(曲げ弾性率:1600MPa)を使用した。その外径は1.17mmであり、その内径は1.08mmの樹脂チューブである。
外層チューブ38のうち、基端部側外層チューブ38bとしては、硬度の異なる樹脂としてポリブチレンテレフタレート(曲げ弾性率:2600MPa)を使用した。その外径は1.17mmで、内径が1.08mmの樹脂チューブである。

[医療用カテーテルの製造方法例]
次に、この発明に係る医療用カテーテルの製造方法の一例を図5および図6を参照して説明する。図5および図6はプロセスを説明するための概念図である。
(プロセス1)
図5Aに示すように、ボビンに巻かれた内層チューブ32を用意する。内層チューブ32は導線42の外表面に被覆されたPTFE導線被覆チューブであって、その内径(導線外径)は0.87mmのものを使用した。内径は、0.6〜0,9mmの範囲内で使用できる。
この内層チューブ32の外表面に、ブレーダーを用いて金属ワイヤー(平板ワイヤー)を、ボビン数16、メッシュ密度100格子/インチの条件で互い違いに編組しながら別のボビンに巻き取る。この編組作業によって金属メッシュ層34が内層チューブ32の外表面に連続的に形成される。
(プロセス2)
プロセス1にて製作した金属メッシュ層34を有する内層チューブ32を、一定長La(130cm程度)なるようにカットする(図5A参照)。
(プロセス3)
プロセス2にてカットした内層チューブ32の両端縁部を接着材44で封止する(図5B参照)。この封止工程は、主として内層チューブ32の外表面に編組した金属メッシュ層34が内層チューブ32から剥離したり、位置ずれが起きないように金属メッシュ層34を固定するためである。もちろん、この封止材44を用いるのは、次のプロセスで使用される薬品などが導線42の表面に浸み込まないようにするためでもある。
(プロセス4)
プロセス3にて製作した樹脂チューブ部材を、図5Cに示すようにエッチング液46の入った容器48内に浸漬する。浸漬長Lbは先端側より200mm程度である。エッチング液としては塩化第二鉄水溶液を使用した。エッチング容器としてはポリプロピレン管を使用した。
樹脂チューブ部材を所定時間に浸漬させることで化学的エッチング処理を行った後、樹脂チューブ部材を引き上げて水道水で十分に洗浄処理する。エッチング処理することで、エッチング部分の厚みが薄くなり、硬度の異なった金属メッシュ層34を形成できる。
(プロセス5)
プロセス4にて製作した樹脂チューブ部材を、コーティング材としての熱硬化性ポリイミド樹脂(低温硬化型樹脂)溶液内に全長分(La)にわたり浸漬してコーティングする。コーティング用の容器としては、ポリプロピレン管を使用した。樹脂チューブ部材を引き上げてから室温放置し、その後高温オーブン内で加熱硬化する。この加熱硬化処理によって図6Aのように、コーティング層36が金属メッシュ層34を介して内層チューブ32に密着し、一体化された複合材(複合チューブ)が得られる。
(プロセス6)
プロセス5にて製作した樹脂チューブ部材に対し、接合部側外層チューブ38aと基端部側外層チューブ38bをそれぞれ被せる。接合部側外層チューブ38aと基端部側外層チューブ38bとは材質が相違する。前者は軟質樹脂材(高密度ポリエチレン)で、後者は硬質樹脂材(ポリブチレンテレフタレート)であって、基端部12b側が高硬度となる。
また、図6Bに示すように、接合部31側でのコーティング層36の外面は、接合のり分(10mm程度)だけ露出するように接合部側外層チューブ38aを位置合わせしながら被せる。
その後、剥離性のよい熱収縮性チューブ(図示はしない)を被せ、専用の装置に収容して加熱処理する。加熱することで熱収縮性チューブが収縮し、この収縮によって接合部側外層チューブ38aと基端側外層チューブ38bのそれぞれがコーティング層36が密着して機械的に一体化される。樹脂チューブ部材を十分冷却してから熱収縮性チューブを抜去する。外層チューブ38の外径は、先端側チューブ30Aと同じく1.03mmである。
(プロセス7)
プロセス6にて製作した樹脂チューブ部材より、導線42を延伸抜去する。導線42を抜去した後、予め後端部端縁の開口部49側をフレアー加工した先端側チューブ30Aの内側と、手元側チューブ30Bの接合部31に対してそれぞれ表面処理(プラズマ処理)する。この表面処理後に、図6Cに示すように接合部31の表面にエポキシ系接着剤を塗布した状態で先端側チューブ30Aに手元側チューブ30Bの接合部31を接合して接着する。この接着によって先端側チューブ30Aと手元側チューブ30Bとが一体化された医療用チューブが得られる。表面処理によって接着強度が高まる。
その後、用途に応じた部材を医療用チューブ30の先端部側及び基端部側に取り付けることで医療用カテーテルが得られる。例えば図1に示すように医療用チューブ12の先端部側12aにガイドワイヤー用ルーメン14(短いチューブ)を接合し、基端部12b側にコネクタ部16を接合することで超音波診断用カテーテル10が得られる。
上述した(プロセス4)にあっては、樹脂チューブ部材を所定長だけ、所定の時間に亘りエッチング液に浸漬してエッチング処理した。この他に樹脂チューブ部材を所定長だけ所定の時間に亘ってエッチングしてから、この樹脂チューブ部材を所定の長さだけ引き上げた状態で再びエッチングするように、段階的にエッチング処理を行うこともできる。このようなエッチング処理を行うことで厚みの異なる複数の金属メッシュ層34aをチューブ長手方向に向かって連続的に形成することができる。これで剛性傾斜が細かに調整された手元側チューブ30Bを形成できる。
上述したプロセスにあって、内層チューブ32の肉厚は一定の場合を述べた。上述したようにこの肉厚を変えることも可能である。同じく、コーティング層36や外層チューブ38の肉厚を変えることも可能である。
このような方法によって製造された医療用チューブの断面組成は図3において説明した通りである。すなわち、先端側チューブ30Aは、高密度ポリエチレンよりなる樹脂チューブであり、接合部31の断面構成では、内層チューブ32はPTFE薄肉の樹脂チューブで、エッチングされた接合部側金属メッシュ層34aである。コーティング層36はポリイミド樹脂が使用され、外層チューブ38aは高密度ポリエチレン樹脂チューブが使用されている。
セグメントAは、接合部31と同じ多層構造体であるが、最外周面に接合部側外層チューブ38aが被覆されている。セグメントBは、手元側チューブ(金属メッシュ入りチューブ)30Bの中間部であり、この中間部まで外層チューブ38aとしては高密度ポリエチレン樹脂が使用されている。セグメントCは基端部側を構成し、外層チューブ38bとしてはポリブチレンテレフタレート樹脂が使用されている。
このように構成された医療用カテーテルとしての医療用チューブ12に対して、機械的特性を計るべく3点曲げ試験を実施した。試験条件は、支点間距離20mm、圧子半径5mmで、圧子押し込み速10mm/min.で圧子を押し込んだときの、医療用チューブの弾性回復領域における荷重計測である。荷重計測はオートグラフ(AGS-1kNG:島津製作所製)を使用して行った。
この荷重計測は、先端側チューブ30Aと手元側チューブ30Bのそれぞれに対して行っている。また、手元側チューブ30Bにあっては、金属メッシュ層34として、全くエッチング処理を施していないものと、本発明のように接合部側金属メッシュ層34aに対してエッチング処理を施したものとの荷重比較を行った。荷重計測結果を図7に示す。
図7のように、計測ポイントは、先端側チューブ30Aの任意の部位と、接合部31およびセグメントA〜Cの各点(何れもそれぞれの中間点)である。
エッチング処理をしていない場合には、手元側チューブ30Bの接合部31側の剛性が高いため、先端側チューブ30Aと接合部31(セグメントAを含む)硬度差が大きいことが判る(棒グラフPoとP1)。硬度差が大きいためキンクしやすいことが確認された。
エッチング処理していないために、セグメントAとBとでは硬度差が殆どない(棒グラフP1とP2)。しかし、セグメントCは高硬度の外層チューブ38bを使用し、それ以外は低硬度の外層チューブ38aを使用しているので、セグメントA〜C間では硬度差が発生する(棒グラフP1〜P3参照)。
一方、金属メッシュ層のうち、接合部側金属メッシュ層34aに対してエッチング処理を行って、基端部側金属メッシュ層34bよりも薄く成形した場合には、接合部側金属メッシュ層34a側は、他部に比べて剛性が低い。
そのため、先端側チューブ30Aと接合部31およびセグメントAとの硬度差は、エッチング処理なしの場合よりも小さくなっている(棒グラフPo、Q1参照)。その結果、キンクしにくいことが確認された。
しかもセグメントAからセグメントCに向かって剛性が等割合で傾斜的に変化している。つまり、急激な硬度差ではなく、ほぼ等割合での硬度差を維持している。その結果、理想的な硬度傾斜を付与でき、耐キンク特性の優れた医療用チューブを実現している。
図8から図10までは、外層チューブ38、特に、接合部側外層チューブ38aとして異なる樹脂チューブを使用したときの外径の変化をエッチング時間との関係から求めたものである。エッチング時間は、0分(エッチングなし)、4分、6分および8分の4パターンを示す。
図8は、接合部側外層チューブ38aとして高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)を使用した場合の外径の変化を示すグラフである。エッチング時間が長いほど、接合部側金属メッシュ層34aが薄くなるので、それに伴って接合部側外層チューブ38aの外径が細くなる。
図9は、接合部側外層チューブ38aとしてポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)を使用した場合の外径の変化を示すグラフである。エッチング時間が長いほど、接合部側外層チューブ38aの外径が細くなるが、図8よりは緩やかである。
図10は、接合部側外層チューブ38aとしてポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)を使用した場合の外径の変化を示すグラフである。この場合においてもエッチング時間が長いほど、接合部側外層チューブ38aの外径が細くなるが、図8よりは緩やかな変化である。
なお、機械的強度は、PEEKが最も強く、PEEK>PBT>HDPEの順となる。また、エッチング時間が0分であるときの外径に多少のばらつきがあるが、これは製造上のばらつきであると考えられる。
図11〜図13は、外層チューブ38aの材質を変えたときの曲げ強度をエッチング時間を変数としてグラフ化したものである。図11では、接合部側外層チューブ38aとしてHDPEを使用した場合であり、図12ではPBTが使用され、図13ではPEEKが使用されている。エッチング時間は上述と同じく4パターンである。
曲げ強度は、接合部側外層チューブ38aの機械的強度に大きく依存することが判る。そして、接合部側外層チューブ38aの外径が細い分、元々の曲げ強度が低く、しかも外径の太さに応じて曲げ強度が低下するのが判る。例えば図8に対応する図11の場合には、元々の曲げ強度が他の2ケースに比べて最も低い。
図12は図9に対応し、図13は図10に対応する。エッチング時間に対する曲げ強度の低下率は三者間ではあまり差が生じていない。
図14は、医療用チューブの長手方向における曲げ強度を示す。ここで、接合部側金属メッシュ層34aがエッチング処理されるが、この例では接合部31を15mmとし、この接合部31を含めてセグメントA(その区間は20mmから40mmまで)がエッチング処理の対象部位となる。さらに、エッチング時間にあっては35〜40mmの区間が4分、30〜35mmの区間が6分そして20〜30mmの区間が8分のように、接合部31側のエッチング時間が順次長くなるように設定した場合である。
樹脂チューブとしては、先端側チューブ30Aと内層チューブ32がHDPE、接合部側外層チューブ38aがPBT、そして基端部側外層チューブ38bとしてPEEKを使用した場合である。
図14は、図7よりもさらに詳細に曲げ強度を計測したグラフであって、医療用チューブの長手方向における曲げ強度の変化を示す。曲げ強度は、ルーメン14側である先端部12a側が最小となり、接合部31およびセグメントAからセグメントBに向けて曲げ強度が次第に大きくなり、そしてコネクタ部16側となる基端部12b側が最大となる。したがって、この医療用チューブは、硬度傾斜特性(剛性傾斜特性)を持つので、本発明の目的に叶った樹脂チューブに成形されていることが判る。
実施例1では、接合型医療用カテーテルに適用できる医療用チューブを説明した。実施例2では、一体型医療用カテーテルに適用できる一体型の医療用チューブについて図15を参照して説明する。
この一体型の医療用チューブ50にあっても、先端側チューブ50Aと手元側チューブ50Bで構成される。先端側チューブ50Aは内層チューブ52aと外層チューブ54aとの二層構造であり、手元側チューブ50Bは内層チューブ52bと外層チューブ54bと、さらにこれら内層チューブ52bと外層チューブ54bとの間に介在された金属層56および必要に応じて設けられたコーティング層58とで構成される。したがって、金属層56の先端部付近が図1に示す接合部31に対応する部位(境界部位)になる。外層チューブ54bの前半部(先端側チューブ50A側に位置する接合部側外層チューブ)54b1と、後半部(基端部側外層チューブ)54b2とでは硬度の異なる材質のものが使用される。
内層チューブ52aと内層チューブ52bとは同一樹脂材料を使用した一体物であり、同様に外層チューブ54aと54bも同一樹脂材料を用いて成形された一体物である。
金属層56も平板ワイヤーからなる金属メッシュ層として構成され、この金属メッシュ層を内層チューブ52bに固定するためにコーティング層58が用いられる。
このように一体型の医療用チューブ50にあっては、実施例1のような接合部31が存在しない。一応金属層56の先端部から手元側チューブ50Bの一部までが接合部に相当する境界部となる。また、この実施例2におけるセグメントA,B,Cも、ほぼ実施例1におけるセグメントA,B,Cに対応する。セグメントAが境界部の長さだけ長いだけである。
そして、金属層56の先端部付近からセグメントA付近までの部位は、金属メッシュ層56a自体の厚みが手元側チューブ50Bを構成する金属メッシュ層56bよりも薄いために、硬度は、
先端側チューブ50A≦セグメントA<セグメントB<セグメントC
のような、剛性傾斜特性を付与できる。
なお、樹脂材料としては実施例1で使用した材料をそのまま使用することができると共に、チューブサイズも実施例1と殆ど同じであるので、それらの詳細な説明は割愛する。
[実施例2の製造方法例]
図16および図17は一体型医療用チューブ50の製造プロセスの一例を示す。接合型医療用チューブ30の製造プロセスと同様な条件下で製造できるため、その詳細な説明は割愛する。
(プロセス1)
図16Aに示すように、医療用チューブ50として必要な長さの内層チューブ52を用意する。つまり、先端側チューブ50Aの長さと手元側チューブ50Bの長さを合わせた長さの内層チューブ52を用意する。観察窓として機能する内層チューブ52は導線60の外表面に被覆されたHDPE(高密度ポリエチレン)導線被覆チューブ(軟質樹脂材からなるチューブ)である。
(プロセス2)
この内層チューブ52の外表面であって、手元側チューブ50Bに相当する個所に、ブレーダーを用いて金属ワイヤー(平板ワイヤー)を互い違いに編組し、金属メッシュ層56を内層チューブ52の外表面に連続的に形成する(図16B)。
(プロセス3)
続いて、図16Cに示すように、プロセス2にて編組した金属層56の端縁面(先端側チューブ50A側)の一部を被覆できるように、この端縁面から内層チューブ52aの一部の区間までの間を、接着材などの封止部材64を用いて封止する。この封止工程は、主として内層チューブ52の外表面に編組した金属メッシュ層56が内層チューブ52から剥離したり、位置ずれが起きないように金属メッシュ層56を固定するためである。
(プロセス4)
プロセス3にて製作した樹脂チューブ部材をエッチング処理するために、エッチング液の入った容器(図5C参照)内に先端側チューブ50A側より、長さLb(図16C)に亘って浸漬する。浸漬長Lbは先端側チューブ50Aの長さよりも200mm程度長い。
樹脂チューブ部材を所定時間浸漬させることで部分的に化学的エッチング処理を行った後、樹脂チューブ部材を引き上げて水道水で十分に洗浄処理する。エッチング処理することで、エッチング部分の厚みが薄くなり、図17Aに示すように、肉薄の金属メッシュ層56aと、肉厚の金属メッシュ層56bが得られる。このエッチング処理によって硬度の異なった金属メッシュ層56を形成できる。
(プロセス5)
プロセス4にて製作した樹脂チューブ部材のうち金属メッシュ層56の全長を覆うようにコーティング材を樹脂コーティングしてコーティング層58を形成する(図17B参照)。封止部材64によって被覆された樹脂チューブは先端側チューブ50Aに相当し、樹脂コーティングされた樹脂チューブは手元側チューブ50Bに相当することは明らかである。
樹脂チューブ部材を引き上げてから室温放置し、その後高温オーブン内で加熱硬化する。この加熱硬化処理によって、コーティング層58が金属メッシュ層56を介して内層チューブ52に密着し、一体化された複合材(複合チューブ)が得られる。
(プロセス6)
プロセス5にて製作した樹脂チューブ部材に対し、封止部材64を除去したのち、樹脂チューブ全体にわたり外層チューブ54を被せる(図17C)。外層チューブ54は先端側チューブ50Aと、手元側チューブ50Bのうち、セグメントBまでは同一の樹脂チューブが使用され、セグメントC側は材質の異なる樹脂チューブが使用される。
前者は内層チューブと一体となって観察窓としても機能させるため、超音波用樹脂チューブとして用いる場合は軟質で超音波透過性の高い高分子材料が使用され、光用樹脂チューブとして用いる場合は軟質で光透過性の高い高分子材料、具体的には高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリエチレンエラストマーなどが使用される。
これらの高分子材料はいずれも超音波、光双方に対する透過性が高いため、超音波や光を用いる医療用チューブ(樹脂チューブ)に適用できる。後者は硬質樹脂材である。これによって、基端部12b側がその先端部側よりも硬度が高い手元側チューブ50Bが得られる。
その後、剥離性のよい熱収縮性チューブ(図示はしない)を樹脂チューブ全長に亘るように被せ、専用の装置に収容して加熱処理する。加熱することで熱収縮性チューブが収縮し、この収縮によって先端側チューブ50Aにあっては内層チューブ52と外層チューブ54とが互いに密着して機械的に一体化される。同じく手元側チューブ50Bにあっては、外層チューブ54のうち接合部側外層チューブ54b1と基端側外層チューブ54b2のそれぞれがコーティング層58に密着して機械的に一体化される。
金属メッシュ層56の端面と、先端側チューブ50Aを構成する内層チューブ52および外層チューブ54との間も完全に密着して一体化される。樹脂チューブ部材を十分冷却してから導線60と熱収縮性チューブをそれぞれ抜去することで、図15に示す医療用チューブ50が得られる。
その後、用途に応じた部材を医療用チューブ50の先端部側及び基端部側に取り付けることで医療用カテーテルが得られる。例えば図1に示すように医療用チューブ(図1では(12))の先端部側12aにガイドワイヤー用ルーメン14(短いチューブ)で接合し、基端部12b側にコネクタ部16を接合することで超音波診断用カテーテル10が得られる。
この一体型医療用チューブ50の場合には、実施例1のように先端側チューブ50Aと手元側チューブ50Bのそれぞれの端面を表面処理する必要がないので、製造プロセスを簡略化できる。
なお、実施例1(2)においては内層チューブ32(52b)の外表面に被覆された金属層(金属メッシュ層)34(56)を内層チューブ32(52b)に一時的に固定するため、接着材等からなる封止部材44(64)を使用した。
この封止部材44(64)の代わりに、金属層34(56)を溶融しても良い。金属メッシュを構成している1本1本の金属線(金属メッシュ線)同士を溶融し固着させることによって金属線同士がバラバラになったり、ほつれたりするのを防止できる。溶融手段としては溶断機を使用できる。この場合には、例えば、ガスやレーザ、電気などを使用した小型の溶断機を用い、そのパワーを弱めながら溶融・溶着作業を行うことになる。
本発明の医療用カテーテルを超音波診断用カテーテルに適用したときの概念図である。 本発明の医療用カテーテルとして使用される医療用チューブの要部断面図である。 その拡大断面図である。 図3における各部の縦断面図である。 本発明の医療用カテーテルの製造方法の一例を示すプロセス図である(その1)。 本発明の医療用カテーテルの製造方法の一例を示すプロセス図である(その2)。 本発明の曲げ強さの計測例を示すグラフである。 外層チューブとして高密度ポリエチレン(HDPE)を使用したときのエッチング時間と外径との関係を示すグラフである。 外層チューブとしてポリブチレンテレフタレート(PBT)を使用したときのエッチング時間と外径との関係を示すグラフである。 外層チューブとしてポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を使用したときのエッチング時間と外径との関係を示すグラフである。 外層チューブとして高密度ポリエチレン(HDPE)を使用したときのエッチング時間と曲げ強度との関係を示すグラフである。 外層チューブとしてポリブチレンテレフタレート(PBT)を使用したときのエッチング時間と曲げ強度との関係を示すグラフである。 外層チューブとしてポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を使用したときのエッチング時間と曲げ強度との関係を示すグラフである。 医療用チューブの先端部から基端部までの全長のチューブ長手方向における曲げ強度の変化を示すグラフである。 この発明にかかる医療用カテーテルとして適用できる医療用チューブの他の実施例を示す要部の断面図である。 図15の医療用チューブを製造するプロセス例を示すプロセス図(その1)である。 図15の医療用チューブを製造するプロセス例を示すプロセス図(その2)である。
符号の説明
10 超音波診断用カテーテル
12 カテーテルシース(医療用チューブ)
12a 先端部
12b 基端部
14 ガイドワイヤー用ルーメン
16 コネクタ部
18 駆動シャフト
20 超音波振動子
30,50 医療用チューブ
30A,50A 先端側チューブ
30B,50B 手元側チューブ
31 接合部
32、52 内層チューブ
34、56 金属層(金属メッシュ層)
34a,56a 接合部側金属メッシュ層
34b,56b 基端部側金属メッシュ層
36、58 コーティング層
38、54 外層チューブ
38a,54b1 接合部側外層チューブ
38b,54b2 基端部側外層チューブ
10 医療用チューブ
11 金属メッシュ入りチューブ

Claims (13)

  1. 金属層と樹脂層からなる多層構造の医療用カテーテルであって、
    該医療用カテーテルは、先端側チューブ部と手元側チューブ部からなり、
    上記手元側チューブ部に含まれる金属層は、少なくとも一部が物理的研磨または化学的研磨された金属層であって、その断面積が長軸方向で異なる金属層となされた
    ことを特徴とする医療用カテーテル。
  2. 上記手元側チューブ部の金属層は、上記先端側チューブ部寄りに位置する上記手元側チューブ部の先端部における断面積が、上記手元側チューブ部の基端部よりも小さくなされた
    ことを特徴とする請求項1記載の医療用カテーテル。
  3. 上記手元側チューブ部の金属層は、平板ワイヤーからなる金属メッシュ層である
    ことを特徴とする請求項1記載の医療用カテーテル。
  4. 上記樹脂層は、上記金属層と接する内層チューブと外層チューブからなる
    ことを特徴とする請求項1記載の医療用カテーテル。
  5. 上記金属層を上記内層チューブに固定するコーティング層を有する
    ことを特徴とする請求項4記載の医療用カテーテル。
  6. 上記コーティング層の厚みは、上記手元側チューブ部の基端部から先端部に向けて薄くなされた
    ことを特徴とする請求項5記載の医療用カテーテル。
  7. 上記先端側チューブ部は、樹脂チューブで構成された
    ことを特徴とする請求項1記載の医療用カテーテル。
  8. 金属層と樹脂層からなる多層構造であり、先端側チューブ部と手元側チューブ部とで構成される医療用カテーテルの製造方法であって、
    上記手元側チューブ部を構成する樹脂層のうち内層チューブに金属層を巻き付ける工程と、
    上記金属層のうち、上記先端側チューブ部寄りの先端部側に物理的研磨又は化学的研磨を施して上記金属層の厚みを異ならせる工程と、
    を含むことを特徴とする医療用カテーテルの製造方法。
  9. 上記金属層は、金属メッシュ層である
    ことを特徴とする請求項8記載の医療用カテーテルの製造方法。
  10. 上記金属層は、平板ワイヤーが使用される
    ことを特徴とする請求項8記載の医療用カテーテルの製造方法。
  11. 上記金属層の外表面に外層チューブを形成する工程を
    含むことを特徴とする請求項8記載の医療用カテーテルの製造方法。
  12. 上記金属層を上記内層チューブに固定するためのコーティング処理工程を
    さらに含むことを特徴とする請求項8記載の医療用カテーテルの製造方法。
  13. 上記先端側チューブ部と上記手元側チューブ部との接合工程を
    さらに含むことを特徴とする請求項8記載の医療用カテーテルの製造方法。
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