JP2009247507A - 医療用カテーテル組立体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 血管の形状に合わせて湾曲した際にキンクが起こりにくく、プッシャビリティに優れ、屈曲した血管を通過しやすいガイディングカテーテル代替品を提供することを目的とする。
【解決手段】 樹脂層と編組層を備える外カテーテルと、前記外カテーテル内に挿入された内カテーテルを備えるカテーテル組立体であって、前記内カテーテルが前記外カテーテルよりも硬いことを特徴とする医療用カテーテル組立体を提供した。この医療用カテーテル組立体によれば、キンク耐性とプッシャビリティに優れ、屈曲した血管を通過させることが容易となる。
【選択図】図4

Description

本発明は、血管に挿入するカテーテル、より詳しくはバルーンカテーテルなどを目的部位に案内するためのガイディングカテーテル組立体に関する。
従来、血管などの脈管において狭窄あるいは閉塞が生じた場合や、血栓により血管が閉塞してしまった場合は、血管の狭窄部位あるいは閉塞部位を拡張して、血管末梢側の血流を改善するために行う血管形成術(PTA:Percutaneous Transluminal Angioplasty、PTCA:Perctaneous Transluminal Coronary Angioplasty)が一般的に行われている。
PTCA等は、臨床応用されて以来、血行再建術として技術的にもほぼ確立されてきているが、同時にバルーンによる施術が困難な病変や「慢性完全閉塞」「石灰化病変」「急性冠閉塞」「遠隔期再狭窄」などの難渋な症例も明らかになってきている。
これらの課題を補うべく、拡張した狭窄部の状態を保持するためのステントやその他デバイスなども、近年多く用いられるようになってきた。ガイディングカテーテルは、治療用の様々なデバイスを目的部位まで挿入する際に、ガイドするためのカテーテルである。
治療用のデバイスの目覚しい進歩により、治療の目的部位はより末梢、より遠位で操作される機会が多くなり、当然ながら、デバイスをガイドするためのカテーテルであるガイディングカテーテル自体も、より末梢、より遠位へ挿入されるようになってきた。
ガイディングカテーテルは、患者への負担を減らすために、血管との摩擦を低減するため、より小さい外径のものが求められてきた。一方、治療に用いられるデバイス(バルーンカテーテルやステントなど)は、治療部位で十分効果を発揮するためには、より大きいものが求められるため、ガイディングカテーテルの内径はより大きいものが求められてきた。より外径が小さく、より内径が大きいと薄肉になり、管壁が弱くなり、潰れや折れ(キンク)を起こしやすくなる。
カテーテルシャフト部が柔軟であれば、耐キンク性能は向上するが、血管挿入時に高いプッシャビリティ( 押込力の伝達能力)が得られないため、目的部位が遠位でなおかつ蛇行した血管であれば、更に通過させにくくなる。
逆に、カテーテルシャフト部を硬くすれば、プッシャビリティは向上するが、折れやすく耐キンク性能は向上せず、血管との反発力によりカテーテルが跳ねてしまって目的の血管から位置が外れたりする。
特許文献1で、ガイディングカテーテルの性能向上について提案されている。
特開2006−288670号公報
本発明は、血管の形状に合わせて湾曲した際にキンクが起こりにくく、プッシャビリティに優れ、屈曲した血管を通過しやすいガイディングカテーテル代替品を提供することを目的とする。
本発明は、下記の複数の特徴を有する。
(1)本発明の1つの特徴は、樹脂層と編組層を備える外カテーテルと、
前記外カテーテル内に挿入された内カテーテルを備えるカテーテル組立体であって、
前記内カテーテルが前記外カテーテルよりも硬いことを特徴とする医療用カテーテル組立体である。前記医療用カテーテル組立体により、キンクを低減しつつ、屈曲した血管への優れた通過性が達成される。
(2)本発明の別の特徴は、前記外カテーテルの少なくとも一部の曲げ弾性率が300MPa以上、600MPa以下であることを特徴とする医療用カテーテル組立体である。前記医療用カテーテル組立体により、血管の形状に合わせて湾曲した際の優れた耐キンク性が得られる。
(3)本発明の別の特徴は、前記内カテーテルの曲げ弾性率が1000MPa以上、3500MPa以下であることを特徴とする医療用カテーテル組立体である。前記医療用カテーテル組立体により、全体剛性をより高めることができる。
(4)本発明の別の特徴は、前記外カテーテルが、内層と、内層を被覆する外層と、該内層と外層との間に編組層を備えていることを特徴とする医療用カテーテル組立体である。
(5)本発明の別の特徴は、前記外カテーテル外層の材料がポリアミドエラストマーであることを特徴とする医療用カテーテル組立体である。前記医療用カテーテル組立体により、加工性をより高めることができる。またより優れた柔軟性の調整ができる。
(6)本発明の別の特徴は、前記内カテーテルの材料がポリアミドであることを特徴とする医療用カテーテル組立体である。前記医療用カテーテル組立体により、高剛性材料のポリアミドの効果により、全体剛性をより高めることができる。
(7)本発明の別の特徴は、前記内カテーテルと外カテーテルの最小隙間が1mm以下であることを特徴とする医療用カテーテル組立体である。これにより、内カテーテルが外カテーテルを中から十分に支えることを可能となり、全体剛性をより高めることができる。
(8)本発明の別の特徴は、前記内カテーテルと外カテーテルとが係合されている、更には、末端で係合されていることを特徴とする医療用カテーテル組立体である。これにより、これによれば、内カテーテルから外カテーテルへの力の伝達が確かとなり、より高いプッシャビリティを得ることが可能となる。
上記特徴を含めた本発明のその他の特徴およびそれらの効果は、以下の実施形態および図面によって明らかにされる。
本発明により、耐キンク性能が向上し、剛直性があり、蛇行した血管のプッシャビリティに優れ、高い柔軟性を有するガイディングカテーテル代替品が提供される。その結果、屈曲した血管にへの適用が容易となる。
1.カテーテル組立体
本発明のカテーテル組立体は、樹脂層と編組層を備える外カテーテルと、前記外カテーテル内に挿入された内カテーテルを備えるカテーテル組立体であって、前記内カテーテルが前記外カテーテルよりも硬いことを特徴としている(その1例の側面図を図1に示した。)。また、その外カテーテルは、内層と、内層を被覆する外層と、該内層と外層との間に編組層を備えていることが好ましい(その1例の断面図を図2に示した。)。
近年、下肢末梢の閉塞部を治療するに当たっては、閉塞部拡張後の止血における合併症リスク回避から、病変部とは反対側の大腿動脈アプローチ(クロスオーバーアプローチ)が選択される。この方法は、健常側の大腿動脈に穿刺、カテーテルを挿入し、腸骨動脈を経由して、患側大腿動脈へカテーテルを進めていく手技である。この時カテーテルは鋭角にカーブを描くような曲がった状態で血管内に留置される。
通常、カテーテルシャフト部が柔軟であれば、鋭角に曲がった状態での耐キンク性能は発揮できるが、如何せん、血管挿入時に高いプッシャビリティ(押込力の伝達能力)が得られないため、屈曲がきつい血管や蛇行した血管であれば、通過が困難となる。
逆に、カテーテルシャフト部を硬くすれば、プッシャビリティは向上するが、折れやすく耐キンク性能は向上しない(クロスオーバーアプローチにおいて、従来のカテーテルが用いられ、キンクを生じた状態を図3に示した。)。
また、下肢末梢のクロスオーバーアプローチに使用されるガイドワイヤーの中で、時には、非常に硬い品種が術者により選択される。この非常に硬いガイドワイヤーは、病変部へ通じる屈曲した血管を出来るだけ凸凹が無い様に真直ぐにし、後から用いる治療デバイスの先導の役目をする。この非常に硬いガイドワイヤーと、非常に硬いシャフトを有するカテーテルを同時に使用した場合は、病変部近くまでカテーテルが進むにつれ、血管壁との接触点が複数出来る。特にカテーテル先端部と病変部近くの血管壁の接触点では、押込力の伝達が血管壁に向かうベクトルとなり、その先端でホールド状態となる。この状態で更にカテーテル手元から押込操作をした場合、病変部より手元側に存在する腸骨動脈からその上部血管である腹部大動脈への分岐部で曲がり、手元側押込力が先端に伝わらず、結果としてカテーテルは病変部へ進まなくなる。仮に病変部近傍へ進むことが出来た場合でも、非常に硬いガイドワイヤーを体外へ抜き去った際、真直ぐに矯正され押し広げられた血管が収縮し元に戻る際の反発力に呼応して、カテーテルが跳ねてせり上がる様になり、目的位置から大きくずれたりする。
その為、先端から手元にかけて剛性を大きく変化させる様に形成したガイディングカテーテル等が使用されることがあるが、一本のカテーテルに耐キンク性とプッシャビリティを持たせる必要から、その効果は十分ではなかった。これに対し、本発明では、外カテーテルと内カテーテルを併用し、外カテーテルの柔軟な材質は変更しない一方(寧ろより更に柔軟に設定して耐キンク性を高めることも可能である)、内カテーテルを剛性の高い材料に変更することで、カテーテル全体としての剛性を高めており、このようなアプローチは本願発明者独自の知見によってもたらされたものである。言い換えるならば、耐キンク性を外カテーテルにより発現させ、プッシャビリティを内カテーテルにより発現させる構造としたことで、高度な次元で耐キンク性とプッシャビリティを両立することを可能としたものである。
本発明の医療用カテーテル組立体をクロスオーバーアプローチに使用して配置した状態を図4、更に治療用の他のカテーテル等を挿入する為に、内カテーテルを引き出した状態を図5に示した。
2.外カテーテル
2−1.製造方法
本発明の外カテーテルは(その1例の側面図を図6に示した。)、樹脂層と編組層を備えるていること、更に好ましくは内層と、内層を被覆する外層と、該内層と外層との間に編組層を備えていることを特徴としている。以下、内層と外層と編組層を有する外カテーテルの製造方法の一例について説明する。
先ず、芯材として使用する直径1.50mmの銀メッキ軟銅線上に内層となる0.020mmの厚みのテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)を被覆させたものを準備し、その上に右巻きと左巻きの両方にステンレス鋼細線(融点1400℃、直径0.030mm)5本づつを巻いて網の目状に編組し、更にその全長の上にテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)製熱収縮チューブを被せ、290℃の熱風で加熱しシュリンクさせ、冷却後熱収縮チューブを除去することで編組層を形成する。その後、別途押出成形により外層を形成する樹脂で成形されたポリアミドエラストマー(Pebax5533)中空チューブを被せ、その上から熱収縮チューブをさらに被せ、加熱炉にてシュリンクさせ後に熱収縮チューブを除去し、外層を形成し、芯材を除去して外カテーテルを得ることができる。尚、外層は、上記の様にシュリンクさせて形成しても良いが、押出成形で被覆して形成することも可能である。
次に押出成形法としては、例えば、上記シュリンク成形法と同様に中間チューブを構成した後、ポリアミドエラストマー(Pebax5533)樹脂を溶融被覆押出して、金属芯材を除去して得られる。
以下、本発明の「医療用カテーテル組立体」を構成する各要素を実施形態によって説明する。
2−2.内層
実施形態としての「医療用カテーテル組立体」を構成する「内層」の構成材料として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン− テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン− 酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン系樹脂、ポリイミド等の樹脂、またはそれらの混合物が挙げられる。完成後の製品が内層を通るガイドワイヤー等に対して優れた滑性を呈し、ガイドワイヤー追随性を伴う位置調整性を得る観点からは、ポリテトラフルオロエチレンまたはテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体で構成することが好ましい。
2−3.外層
実施形態としての「医療用カテーテル組立体」を構成する「外層」を形成する樹脂材質としては、例えば、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリスチレンエラストマー、フッ素系エラストマー、シリコーンゴム、ラテックスゴム等の各種エラストマー、等の樹脂やこれらのうちの2以上を組み合わせたものが使用可能である。
ここで、ポリアミドエラストマーとは、例えば、ナイロン6、ナイロン64、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン46、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、N−アルコキシメチル変性ナイロン、ヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸縮重合体、メタキシロイルジアミン−アジピン酸縮重合体のような各種脂肪族または芳香族ポリアミドをハードセグメントとし、ポリエステル、ポリエーテル等のポリマーをソフトセグメントとするブロック共重合体が代表的であり、その他、前記ポリアミドと柔軟性に富む樹脂とのポリマーアロイ(ポリマーブレンド、グラフト重合、ランダム重合等)や、前記ポリアミドを可塑剤等で軟質化したもの、さらには、これらの混合物をも含む概念である。
また、ポリエステルエラストマーとは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の飽和ポリエステルと、ポリエーテルまたはポリエステルとのブロック共重合体が代表的であり、その他、これらのポリマーアロイや前記飽和ポリエステルを可塑剤等で軟質化したもの、さらには、これらの混合物をも含む概念である。
外層の実施形態として好適に用いられる材料としては、その加工性、柔軟性の観点からポリアミドエラストマーが好ましく、例えばelf atochem社製のPebaxなどがその代表として挙げられる。好ましくは、PebaxのグレードでショアD硬度25〜72、特に55〜63が好ましい。
2−4.編組層
例えば、血行再建術に用いられるカテーテルは、基部で加えられた力が確実に伝達されるためのトルク伝達性、血管内を前進させるために施術者の押し込み力が基端側から先端側に確実に伝達されうる押し込み性も必要となる。そこで、内層に補強材層として線条体をコイル状などに巻きつけたり、編組を施した方法が知られている。
実施形態としての「医療用カテーテル組立体」を構成する「編組層」は、前記内層と前記外層との間に備えられる。この「編組層」を構成する線条体の構成材料としては、十分な補強効果が得られる程度の剛性を有するものであればいかなるものでもよく、例えば、ステンレス、銅、タングステン、ニッケル、チタン、ピアノ線、Ni−Ti合金、Ni−Ti−Co合金、Ni−Al合金、Cu−Zn合金、Cu−Zn−X合金(例えば、X=Be、Si、Sn 、Al、Ga)のような超弾性合金、アモルファス合金等の各種金属材料や、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリメチレンテレフタレート(PPT)のようなポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、硬質ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、熱可塑性ポリウレタン、ポリカーボネート、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール(PA)、ポリアリレート、ポリオキシメチレン(POM)、高張力ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−酢酸ビニルケン化物(EVOH)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィド、ケブラーに代表される芳香族ポリアラミドなど、これらのうちのいずれかを含むポリマーアロイ、カーボンファイバー、グラスファイバーが挙げられる。これらの材料のうち、X線不透過性マーカーのX線視認性を十分に確保するためにX線不透過性マーカーよりはX線視認性が低く、かつ加工性、経済性に優れ、毒性がないこと等の理由から、ステンレスが好ましい。
また、前記線条体は、前記線条体の構成材料等による単繊維、または繊維の集合体(例えば単繊維を縒ったもの)のいずれでもよい。また、線条体の太さは、その構成材料との関係で必要かつ十分な補強効果が得られる程度のものとされ、例えば上記金属材料による場合は、直径5〜50μm程度とするのが好ましい。なお、線条体は、単一で用いても、複数本を束ねた状態で用いてもよい。
前記編組層に被覆された前記内層は、金属芯線に対して充分な被着力を有していることが好ましい。さらに後の前記外層を被覆する工程で、被着力を高める目的で、内層の表面に機械的な方法(軸方向とは直角な方向にサンドペーパーなどで表面を擦るなどの手段)および/または化学的な方法(ナトリウムナフタリン+ ジメチルエーテル等の薬剤の使用)、および/またはプラズマなどの電気的な方法で凹凸を形成したり、表面改質したりしてもよい。
3.内カテーテル
実施形態としての「医療用カテーテル組立体」を構成する内カテーテルの樹脂は、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等の樹脂やこれらのうちの2以上を組み合わせたものが使用可能である。
内カテーテルの実施形態として好適に用いられる材料としては、その加工性、剛性の観点からポリアミドが好ましく、例えばEMS CHEMIE社製のグリルアミドなどがその代表として挙げられる。好ましくは、グリルアミドのグレードでショアD硬度25〜72、特に70〜75が好ましい。
本発明では、内カテーテルが前記外カテーテルよりも硬いことを特徴としている。これにより、外径の大きい外カテーテルは耐キンク性に優れ、これに対し内部に配置されるより硬い内カテーテルが中から支えることで、プッシャビリティをも両立することが可能となる。尚、ここで硬いとは、例えば曲げ弾性率でその値が高いことで確認することができる。特に、医療用として体内で使用する際には、上記の作用が好適に発現される為に外カテーテルの少なくとも一部の曲げ弾性率が300MPa以上、600MPa以下となる様に設定されていることが好ましいく、また、内カテーテルの曲げ弾性率がこれよりも高く、1000MPa以上、3500MPa以下に設定されていることが好ましい。
また、本発明の医療用カテーテル組立体においては、前記内カテーテルと外カテーテルの最小隙間(外カテーテルの内側直径から内カテーテルの外側直径を引いた値。但し、係合する場合は、その係合部を除く。)は、内カテーテルが外カテーテルを中から十分に支えることを可能とするために、1mm以下、更には0.5mm以下に設定されていることが好ましい。また、上記効果の発現がより必要となる先端から3分の1の範囲を上記隙間の寸法に設定しておくことが好ましい。
また、本発明の医療用カテーテル組立体においては、前記内カテーテルと外カテーテルとが係合されていること、更にその末端寄り(例えば医療用カテーテル組立体の長さの先端側3分の1の範囲)、特にその末端で係合されていることが好ましい。これによれば、内カテーテルから外カテーテルへの力の伝達が確かとなり、より高いプッシャビリティを得ることが可能となる。尚、その係合位置はその作用の発現し易さから、より末端に近いほど好ましい。但し、プッシャビリティ向上と同時に患者の血液が漏れることを防止する目的で、手元部(例えば出口ポート部)で係合すること、また医療用カテーテル組立体の各所(例えば、末端よりと出口ポート近傍)で複数の係合関係を形成することも可能である。
一方、係合方法としては、単に外カテーテルと内カテーテルの寸法を調整することで摩擦力を利用して行うことも可能であるが(特に柔軟性を損ないにくく好ましい。)、特定の位置に勘合する構造を持たせること、更には別途接続部材を設け、確かな係合関係を持たせることも可能である。また、取扱い上、取り外し可能に形成しておくことが好ましい。
(実施例1)
実施例1として、上記2−1.製造方法に例示した方法で外カテーテルを、また押し出し成形により内カテーテルを、特に以下の組成、寸法で作成した。また、この外カテーテルと内カテーテルの先端に係合関係を持たせた。
外カテーテル
内層:PFA(肉厚0.02mm)
外層:ポリアミドエラストマー(Pebax5533)
編組:ステンレス鋼細線 0.1×0.02mm
外径:2.07mm
内径:1.50mm
内カテーテル
材料:ポリアミド(Ny12)
外径:1.48mm
内径:0.90mm
後述する方法で曲げ弾性率を評価したところ、内カテーテルは3024MPaであった。
尚、実際に実施しなかったが、実施例1とは外カテーテルと内カテーテルの硬さが逆転した医療用カテーテル組立体を作成した場合、キンク耐性が発現しない。
(比較例1)
比較例1として、実施例1の外カテーテルと同一の方法で以下の組成、寸法のカテーテルを作成した。
内層:PFA(肉厚0.02mm)
外層:ポリアミドエラストマー(Pebax4033)
編組:ステンレス鋼細線 0.1×0.02mm
外径:2.07mm
内径:1.50mm
(比較例2)
比較例2として、実施例1の外カテーテルと同一の方法で以下の組成、寸法のカテーテルを作成した。
内層:PFA(肉厚0.02mm)
外層:ポリアミド(Ny12)
編組:ステンレス鋼細線 0.1×0.02mm
外径:2.07mm
内径:1.50mm
(比較例3)
比較例3として、実施例1の外カテーテルと同一の方法で以下の組成、寸法のカテーテルを作成した。
内層:PFA(肉厚0.02mm)
外層:ポリアミドエラストマー(Pebax7233)
編組:ステンレス鋼細線 0.1×0.02mm
外径:2.07mm
内径:1.50mm
(曲げ弾性の試験)
JIS K 7171に規定される試験方法によって曲げ剛性の試験を行った。上記実験例1および比較例の各外カテーテルをそれぞれ定長切断し、三点曲げにより1mm押込み荷重を測定し、以下の式から曲げ弾性を算出した。なお該試験は、試験速度が50mm/min、支持点間の距離が20mm、試験温度が23℃の条件で行った。
弾性率(σ/ε)= {4L/(3π(D1−D2))}×(F/Δl)
L:支点間距離
F:試験力
Δl:曲げたわみ
D1:外径
D2:内径
評価結果を、表1にまとめた。
(模擬評価試験)
上記の様に作成した各実施例、比較例のサンプルを37℃温水中に30分以上浸けた後、37℃温水中に配置された以下の腸骨動脈分岐部を模した評価モデルを使って、追随性、耐キンク性を評価した。
評価モデルは、内径φ5mm、外径φ8mm、長さ300mmのPFA管2本を使用し、管角度が40°、その突き合わせた先端同士の間に15mmの隙間をあける様に、略くの字状に配置したものを使用した。この評価モデルの突き合わせていない側の一端からAmplatzワイヤー(Boston Scientific社製、0.035インチ)を挿入し、突き合わせ部分を越えて反対側の末端まで通しておく。各サンプルをAmplatzワイヤーに追随させ、その先端が管の先端から40mm越えた位置にくる様に配置した。この際にAmplatzワイヤーに追随して配置できたものを、”模擬評価(追随性)”○、追随できなかったものを×とした。また、その状態からAmplatzワイヤーを抜いた際、更に実施例のサンプルでは、カテーテル組立体の内カテーテルを抜いた時のキンクの発生状態を観察した。キンクの生じなかったものを”模擬評価(耐キンク)”○、生じたものを×とした。各評価結果を表1にまとめた。
尚、比較例2は硬いために、評価モデルの40°に曲がった部分を通過させることができず(追随性×)、キンク性評価自体を行うことができなかった。また、比較例1は追随性が×でAmplatzワイヤーに沿って最後まで配置することはできなかったが、突き合わせ部に出た部分に直接力を加える等して、所定の位置に配置しキンク性評価を行った。
Figure 2009247507
本発明の実施例1は、Amplatzワイヤーに沿って評価モデルに配置することが可能であり、その後にAmplatzワイヤーと内カテーテルを抜いた時にもキンクを生じなかった。これにより治療用のカテーテル等をその内部に通過させ、容易に治療を行うことが可能と考えられる。これに対し、比較例1はAmplatzワイヤーに沿って評価モデルに配置することができなかった。また、比較例3はAmplatzワイヤーに沿って評価モデルに配置することができたが、Amplatzワイヤーを抜いた時にもキンクを生じたことから、治療用のカテーテル等をその内部に通過させることは困難であると考えられる。
本発明の医療用カテーテル組立体の1例の側面図 本発明の医療用カテーテル組立体の1例の側面図 従来のカテーテルをクロスオーバーアプローチ(左膝下動脈に挿入)に用いた際にキンクが発生した状態を示す模式図 本発明の医療用カテーテル組立体をクロスオーバーアプローチ(左膝下動脈に挿入)に用いて配置した状態を示す模式図 図4の状態から、治療用の他のカテーテル等を挿入する為に内カテーテルを引き出した状態を示す模式図 本発明における外カテーテルの1例の側面図
符号の説明
1 医療用カテーテル組立体
2 外カテーテル
3 内カテーテル
21 内層
22 編組(層)
23 外層
100 従来のカテーテル
201 大腿動脈
202 腸骨動脈
203 大動脈
204 ガイドワイヤー

Claims (9)

  1. 樹脂層と編組層を備える外カテーテルと、
    前記外カテーテル内に挿入された内カテーテルを備えるカテーテル組立体であって、
    前記内カテーテルが前記外カテーテルよりも硬いことを特徴とする医療用カテーテル組立体。
  2. 前記外カテーテルの少なくとも一部の曲げ弾性率が300MPa以上、600MPa以下であることを特徴とする請求項1に記載の医療用カテーテル組立体。
  3. 前記内カテーテルの曲げ弾性率が1000MPa以上、3500MPa以下であることを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載の医療用カテーテル組立体。
  4. 前記外カテーテルが、内層と、内層を被覆する外層と、該内層と外層との間に編組層を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の医療用カテーテル組立体。
  5. 前記外カテーテルの外層の材料がポリアミドエラストマーであることを特徴とする請求項4に記載の医療用カテーテル組立体。
  6. 前記内カテーテルの材料がポリアミドであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の医療用カテーテル組立体。
  7. 前記内カテーテルと外カテーテルの最小隙間が1mm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の医療用カテーテル組立体。
  8. 前記内カテーテルと外カテーテルとが係合されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の医療用カテーテル組立体。
  9. 前記内カテーテルと外カテーテルがその末端で係合されていることを特徴とする請求項8に記載の医療用カテーテル組立体。
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