JP2008188224A - キャビネットの隙間パッキン - Google Patents

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Takahiro Nakamura
崇広 仲村
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【課題】簡素な構造で、キャビネットと床面との隙間が小幅であっても床等に対する加工を要さず簡単に取り付け及び取り外しでき、高さ調節可能なキャビネットの底板と床との隙間を隠すことができる、キャビネットの隙間パッキンを提供する。
【解決手段】調節可能なキャビネットの底板15前端に装着され、基板部21とカバー部22とを上端において接合して成る断面逆U字形状のアウタ部材2と、基板部とカバー部との間に配設する板状のインナ部材3と、インナ部材3とアウタ部材2との間に配設しインナ部材3をアウタ部材2に着脱可能に係止する係止部材33と、を有し、アウタ部材2からのインナ部材3の引き出し量が隙間H1,H2の高さに応じて調節され得る。
【選択図】図4

Description

本発明は、キャビネットのけ込み部に引き出しを設けたシステム家具に係り、特に引き出しの下に配設した底板と床との隙間を隠す隙間パッキンに関する。
複数のキャビネットやカウンターなどの構成部品(ユニット)を設置場所で組み立てるようにしたシステム家具が知られており、このようなシステム家具の一つとして、例えば台所用品を収納する複数個のキャビネットと、加熱調理器やシンクを配設していて上記キャビネットの上部に載置固定されるカウンターとで構成したシステムキッチンが広く普及している。
これらのキャビネットは、それぞれを設置するフロアに不陸があると上面位置にズレが生ずる。この場合、キャビネットの下にスペーサとよばれる高さ調節部材を入れたり、キャビネットに高さ調節用アジャスタを設けて、各キャビネットの高さを揃えるようにしている。
そのため、キャビネットの底板と床面との間にはそれぞれの高さ調節量に応じて隙間が生じる。この隙間はキャビネットの前側から見えないことが望ましい。
そこで、このような隙間を隠すための板体が特許文献1に開示されている。この技術は、高さ調節可能な流し台本体の下面周縁部に周縁の稜線にほぼ平行に、蝶番を介して板体を回転自在に取り付け、この板体の下方に副木を取り付け、板体を下方に回転させてその先端部を副木の先端部に重ね合わせることで、板体と副木とにより流し台本体と床との隙間を塞ぐものである。
実開平6−36438号公報
しかしながら、特許文献1の板体及び副木はある程度の幅を有し、蝶番も厚みを有するため、流し台本体の底板と床面との隙間が例えば5mm程度と小幅である場合は、構造上設置することが困難である。
また、板体は、蝶番を介して流し台本体の下面に螺着されるため、流し台本体設置後には、これを取り付けることができない。さらに、副木は床面に螺着して使用に供されるが、システムキッチンの入れ替え等に対応して取り外すと床に傷が残ってしまう。
この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、簡素な構造で、キャビネットと床面との隙間が小さくても、さらに、床等に対する加工を要さず簡単に取り付け及び取り外しでき、高さ調節可能なキッチンキャビネットの底板と床との隙間を隠すことができる、キャビネットの隙間パッキンを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の隙間パッキンは、高さ調節可能なキャビネットの底板前端に装着され、基板部とカバー部とがそれぞれの上端において接合して成る断面逆U字形状のアウタ部材と、基板部とカバー部との間に配設される板状のインナ部材と、インナ部材とアウタ部材との間に配設され、インナ部材をアウタ部材に着脱可能に係止する係止部材と、を有し、アウタ部材からのインナ部材の引き出し量が隙間の高さに応じて調節されることを特徴とする。
本発明の隙間パッキンにおいて、好ましくはカバー部が弾性材料より成り、基板部とカバー部の下端との間隔は、インナ部材の厚みより小さい。また、インナ部材の下端には、弾性材料より成る凸部が設けられていればさらに好ましい。
本発明の隙間パッキンによれば、インナ部材が、アウタ部材の基板部とカバー部との間で、係止部材により着脱可能に係止されるから、インナ部材を床に固定することが不要となり、従って床に傷をつけることなく、高さ調節可能なキャビネットの底板と床との隙間を隠すことができる。
カバー部が弾性材料より成り、基板部とカバー部の下端との間隔がインナ部材の厚みより小さいことにより、基板部とカバー部との間にインナ部材を設置する際にはカバー部材が外側へ撓み、一方でその弾性力で元の状態に戻ろうとする。これにより、インナ部材がアウタ部材に挟持され、インナ部材のアウタ部材に対する固定力が高まる。
インナ部材が下端に弾性材料から成る凸部を有する場合は、インナ部材の取り付け誤差やフロアの不陸がある場合でも凸部が弾性変形してフロアに密着するので、確実に隙間全体を隠すことができる。
以下、図面に基づいて本発明の隙間パッキンの実施形態につき説明する。
図1は本発明の実施形態に係る隙間パッキン1が使用されるシステムキッチン10を示している。システムキッチン10は、キャビネット11上に配設したカウンター12と、カウンター12の上面の左端付近に設けたシンク13と、カウンター12の上面の右端付近に設けた加熱調理部14と、キャビネット10の側面に取り付けた化粧サイドパネル19と、を備えている。
キャビネット11は、図1に示すように、複数個、図示の例では三個のベースキャビネット11a,11b,11cから構成されている。キャビネット11の前下部には、け込み部20が設けられている。左端のベースキャビネット11aは、シンクキャビネットとして構成されており、シンク孔12aに対応してカウンター12の下面に取り付けたシンク13を収容している。また、各ベースキャビネット11a,11b,11cは、図2に示すように、け込み部20に引き出し30を備えている。この引き出し30は、各ベースキャビネット11a,11b,11cの側板に設置したレール(図示省略)にスライド可能に支持されている。各ベースキャビネット11a,11b,11cの底板15は上記引き出し30の下側で、ベースキャビネット11a,11b,11cの左右の側板及び背板16に固定されて、フロアFに近接して配設されている。なお、図2ではキャビネット上部を省略して表している。
カウンター12は、細長い一枚の例えば人造大理石の板状部材から構成されており、シンク13及び加熱調理部14を受容するための開口、即ちシンク孔12a及びコンロ孔が形成されている。シンク13は、上端の開口縁がほぼ長方形状に形成されていて、例えば人造大理石によって構成されている。図示例のシステムキッチン10では、所謂左勝手として、カウンター12の左端付近にシンク13が設けられている。シンク13は、カウンター12の下面に接着等によって取り付けられている。加熱調理部14は、例えばガスコンロ,IHクッキングヒーター等であって、図1のシステムキッチン10ではカウンター12の右端付近に配置されている。
各キャビネット11a,11b,11cの設置の際、設置フロアが水平面をなしておらず、即ち不陸であると、隣接する各キャビネットとの上面にズレが生ずる。そのため、下面前後左右にアジャスタ17a,17bを別途取り付けて高さを調節する。これにより、底板15と床Fとの間に、高さ調節に応じた隙間50が生ずる。
この隙間50を塞ぐため、本実施形態の隙間パッキン1は底板15の前端に配設される。なお、通常時は、隙間パッキン1の上部は引き出し前板30bの裏側に隠れ、キャビネット11a,11b,11cの前面からは見えない。
図3は本実施形態の隙間パッキン1を詳細に示す分解側面図である。隙間パッキン1はアウタ部材2及びインナ部材3と係止部材としての両面テープ33とから成る。
アウタ部材2は、基板部21とカバー部22とがそれぞれの上端において接合して成る断面逆U字形状の部材である。基板部21は厚さ(ta)1mm程度の樹脂製の平長板である。その幅(w1)は底板15の厚みと同程度であり、その裏側には両面テープ23が貼付されている。
カバー部22は厚さ(tb)0.5mm程度の平長板であって、幅(w2)は基板部21の幅(w1)より狭く、エストラマなどの弾性素材より成る。断面は皿状又はコ字状になるよう、その両端が湾曲されて形成されている。
前述の通り、カバー部22の上端は基板部21の上端に接合されている。これらは、別々に成形されて接着剤等で接合されても良いが、カバー部22及び基板部21が一体成形されても良い。
カバー部22の中間部分は基板部21より一定の間隔を保って垂下としており、その間隔(d1)は、インナ部材3の厚み(tc)より少し大きい。カバー部22の下端は基板部21に寄るようにカーブし、その端と基板部21との間隔(d2)は、インナ部材3の厚み(tc)より少し小さく設定されている。
インナ部材3は厚さ(tc)2mm程度の樹脂製の平長板である主遮蔽部31と、主遮蔽部31の下端に形成される厚さ(td)0.5mm程度の凸部でなる補助遮蔽部32とから構成されている。補助遮蔽部32はエストラマなどの弾性素材より成り、その先端は特に薄くなっている。インナ部材3の幅(w3)は基板部21の幅(w1)より広い。
両面テープ33は、インナ部材3をアウタ部材2に着脱可能に係止するための係止部材であって、主遮蔽部31の裏面に貼付されている。
次に、以上のように構成した隙間パッキン1をキャビネットの底板15に設置する方法について説明する。
図4は隙間パッキン1の使用状態を示し、図2において符号Sで囲った部分の拡大側面図である。
まず、インナ部材3をアウタ部材2の基板部21とカバー部22との間に挿入する。その際、カバー部22の下端と基板部21との間隔はインナ部材3により拡げられるが、カバー部22はその弾性力により拡がることができると同時に復元力によりその下端においてインナ部材3を押圧する。よって、インナ部材3は基板部21とカバー部22との間において挟持される。
続いて、キャビネットの底板15と床面Fとの隙間50に応じてアウタ部材2からのインナ部材3の引き出し長さを調節する。具体的には、図4(A)にH1で示すように、アジャスタ17aによる底板15の持ち上げが小さい場合は、インナ部材3をアウタ部材2の奥まで差し込み、補助遮蔽部32が床Fに触れる状態でアウタ部材2に挟持させる。
一方、図4(B)にH2で示すように、アジャスタ17aによる底板15の持ち上げが大きい場合は、インナ部材3をアウタ部材2の奥まで差し込まず、補助遮蔽部32が床Fに触れる状態でアウタ部材2に挟持させる。
インナ部材3の位置が決定したら、インナ部材3を両面テープ33により基板部21の前面に貼付する。
続いて、インナ部材3を貼付したアウタ部材2からなる隙間パッキン1をキャビネットの底板15の前端面15aに、両面テープ23により貼付して取り付ける。なお、パッキン1を取り付ける際には、作業を容易にするために、引き出し30を取り外しておくことが好ましい。
上記実施形態の隙間パッキン1によれば、アウタ部材2がインナ部材3を基板部21とカバー部22との間において保持するから、インナ部材3を床Fに固定することが不要であるため床に傷をつけることなく、高さ調節可能なキッチンキャビネットの底板15と床Fとの隙間を隠すことができる。その際、補助遮蔽部32は弾性材料で成るから、調整や床の歪みにより多少の誤差が生じても隙間を完全に隠すことができる。
また、隙間パッキン1は、アウタ部材2からのインナ部材3の引き出し量を変えることによって、高さの異なる隙間50に容易に対応できるため、製品として一種類のものを製造した場合でも異なる設置環境に対応できるので、製造コストを低減できる。
以上、本発明の隙間パッキンの一実施形態につき説明したが、上記寸法や材質は一例であり、取り付けるキャビネットやアジャスタなどに応じて適宜最適なものが選択されるべきである。
また、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施をすることができる。例えば、本発明はシステムキッチンのキャビネットに限らず、システムキッチンに隣接して配置される作業台等のキャビネットにも適用できる。或いは、厨房用に限らずその他の事務又は各種作業用など種々のシステム家具のキャビネットに適用することも勿論可能である。また、け込み部20を含む部分に下部引き出しが設けられていないキャビネットや、け込み部20のないキャビネットに対しても、本発明の隙間パッキンを使用することが可能である。
さらに、インナ部材がアウタ部材に挟持される形態に限らず、遊嵌されるよう、カバー部の中間部分と基板部との間隔及びカバー部の下端と基板部との間隔がインナ部材の厚みより大きく設定されていてもよい。
係止部材は、インナ部材の裏面に限らず、インナ部材の表面やカバー部の裏面、基板部の表面に設けられていてもよい。
インナ部材3は、補助遮蔽部32を有さず、主遮蔽部31のみが一枚板状に形成されているものであっても、隙間50を隠すことができる。
アウタ部材2の底板12への取り付け手段は両面テープに限られず、ネジ止め、接着等であってもよい。
本発明の隙間パッキンを組み立てる順序は上記説明に限られるものではなく、例えば、底板の前端にアウタ部材を固定し、このアウタ部材にインナ部材を差し込み、隙間高さに応じてインナ部材の引き出し量を決定した後に、インナ部材がアウタ部材に固定されるようにそれらの間に係止部材を取り付けるように作業を遂行しても構わない。
本発明を適用した実施形態に係るシステムキッチンを示す斜視図である。 本実施形態に係るキャビネットの部分断面図である。 本発明の実施形態に係る隙間パッキンを示す分解側面図である。 図3の隙間パッキンの使用状態を示すもので、図2のS部分を一部断面した拡大側面図である。(A)はアジャスタによる底板の持ち上げが小さい場合、(B)は持ち上げが大きい場合の使用状態を示す。
符号の説明
1 隙間パッキン
2 アウタ部材
3 インナ部材
10 システムキッチン
11 キャビネット
12 カウンター
13 シンク
14 加熱調理部
15 底板
15a 底板端面
17a,17b アジャスタ
19 化粧サイドパネル
20 け込み部
21 基板部
22 カバー部
23,33 両面テープ
30 引き出し
31 主遮蔽部
32 補助遮蔽部
F 床

Claims (3)

  1. 高さ調節可能なキャビネットの底板前端に装着され、上記キャビネットの底板と床との隙間を隠す隙間パッキンであって、
    基板部とカバー部とがそれぞれの上端において接合して成る断面逆U字形状のアウタ部材と、
    上記基板部と上記カバー部との間に配設される板状のインナ部材と、
    上記インナ部材と上記アウタ部材との間に配設され上記インナ部材を上記アウタ部材に着脱可能に係止する係止部材と、を有し、
    上記アウタ部材からの上記インナ部材の引き出し量が上記隙間の高さに応じて調節されることを特徴とする、隙間パッキン。
  2. 前記カバー部は弾性材料より成り、
    前記基板部と前記カバー部の下端との間隔は前記インナ部材の厚みより小さく設定され、
    前記インナ部材が前記アウタ部材に挟持されることを特徴とする、請求項1に記載の隙間パッキン。
  3. 前記インナ部材は、その下端に弾性材料より成る凸部を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の隙間パッキン。
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