JP2008188147A - 洗濯乾燥システム - Google Patents

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Yasuaki Kato
康明 加藤
Satoru Hirakuni
悟 平國
Naho Misumi
奈穂 美寿見
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Abstract

【課題】様々な乾燥要求や除湿要求に対応できる洗濯乾燥システムを得ることを目的とする。
【解決手段】洗濯乾燥システム1は、洗濯乾燥機本体20と別体の除湿機30と洗濯乾燥機本体20と除湿機30とを接続するダクト40とを有している。洗濯乾燥機本体20には、洗濯機排気量調整器25が設置された洗濯機排気口24cと洗濯機給気量調整器27が設置された洗濯機給気口22cが形成され、乾燥後の空気が、水冷式除湿器26jが設置された洗濯機連通路26を経由して循環自在になっている。除湿機30は、圧縮機91と凝縮器92と絞り装置93と蒸発器94とを具備するヒートポンプシステム90を備え、凝縮器92の空気の出側には空気吹出量調整手段35bが設置された空気吹出口35aが、凝縮器92の空気の入側には大気吸込量調整手段36bが設置された外気吸込口36aが形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、洗濯機、特に衣類を乾燥する機能を付加することができる洗濯機に関するものである。
一般に洗濯機は、パルセータ方式とドラム式とに大別される。パルセータ方式は、洗濯槽(洗濯脱水乾燥槽に同じ)に配置されたパルセータを回転して、その回転によって「回流する水流」を発生させ、摩擦または振動などの機械的作用と洗剤による化学作用とによって汚れを除去するものであり、洗濯された衣類の脱水には、洗濯槽(パルセータが配置されている)を回転し、遠心力を利用している。さらに、脱水後の衣類の乾燥は、洗濯槽内に温風を吹き込みながらパルセータまたは洗濯槽自体を回転している。
一方、ドラム式は、水平方向の回転軸を具備するドラム(洗濯槽に相当する)を回転させ、その回転によってドラム内で洗濯物が落下する際の機械的作用と洗剤による化学作用とを利用するものであり、洗濯された衣類の脱水には、ドラムを回転し、遠心力を利用している。さらに、脱水後の衣類の乾燥は、ドラム内に温風を吹き込みながらドラムを回転したりしている。
そして、洗濯槽またはドラム内(以下まとめて「乾燥室」と称す)に温風を吹き込むため、乾燥室への送気側風路に電気ヒータを設置し、乾燥室からの排出される湿り空気を除湿するため、排気側風路に水冷式除湿機(水道水を用いる)を設置するものが一般的である。
また、かかる電気ヒータや水冷式除湿機を備えていない洗濯機にも簡単に乾燥機能を付加することができる発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−271398号公報(第4−5頁、図1)
特許文献1に開示された洗濯機は、市販の除湿機(たとえば、布団乾燥機やドライヤー等)を、乾燥機能を具備しない洗濯機に接続して、衣類を乾燥するものであるため、洗濯機本体の小型化、コストの低減、使用者ニーズへの対応を図ることができるものである。
しかしながら、かかる洗濯機と市販の除湿機から構成されるシステム(以下「洗濯乾燥システム」と称す)は、別体の市販の除湿機や洗濯機本体の運転形態の変化が乏しく、別体の除湿機を設けるだけの価値が乏しかった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、様々な乾燥要求や除湿要求に対応できる洗濯乾燥システムを得ることを目的とする。
本発明に係る洗濯乾燥システムは、 洗濯機筐体と、該洗濯機筐体内に配置された乾燥室と、該乾燥室に連通し前記洗濯機筐体に形成された洗濯機給気口を具備する洗濯機給気路と、前記乾燥室に連通し前記洗濯機筐体に形成された洗濯機排気口を具備する洗濯機排気路と、を有する洗濯機と、
除湿機筐体と、空気の湿度を低減する除湿部と、空気を加熱する加熱部と、前記除湿部に連通し前記除湿機筐体に形成された除湿機給気口を具備する除湿機給気路と、前記加熱部に連通し前記除湿機筐体に形成された除湿機排気口を具備する除湿機排気路と、前記除湿機給気路と前記除湿機排気路とを連通する除湿機連通路と、を有する除湿機と、
洗濯機給気路、除湿機排気路または除湿機連通路の何れかに設置された空気を送る送風手段と、
前記除湿機排気口と前記洗濯機給気口とを着脱自在に連通すると共に、前記洗濯機排気口と前記除湿機給気口とを着脱自在に連通するダクトと、
からなる洗濯乾燥システムであって、
前記除湿機が、前記除湿部を通過した空気の一部または全部を大気中に放出する空気吹出手段と、前記除湿部を通過した空気に替えてまたは前記除湿部を通過した空気の一部に追加して大気を前記加熱部に供給する大気吸込手段と、を有することを特徴とする。
なお、本発明において「乾燥室」とは、洗濯および脱水に供するものであるため「洗濯兼脱水兼乾燥室」に同じである。また、「乾燥対象物」とは、「衣服」に限定するものではなく、毛布等の寝具、タオルやカーテン等の日用品を含むものであって、布製品や繊維製品さらに皮革製品や合成樹脂製品をも含むものである。
したがって、本発明に係る洗濯乾燥システムは、洗濯機に着脱自在な除湿機が、除湿部を通過した空気の一部または全部を大気中に放出する空気吹出手段と、除湿部を通過した空気に替えてまたは除湿部を通過した空気の一部に追加して大気を加熱部に供給する大気吸込手段と、を有するから、除湿機が接続された洗濯機において、乾燥対象物に対する様々な乾燥要求や除湿要求に対応することが可能になると共に、洗濯機から切り離された除湿機において、除湿機が設置された空間に対する様々な乾燥要求や除湿要求に対応することが可能になる。
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る洗濯乾燥システムを模式的に示す構成図である。なお、図中、各構成部材を模式的に示しているため、その寸法は正確でない。図1において、洗濯乾燥システム1は、洗濯乾燥機本体20と、これと別体の除湿機30と、洗濯乾燥機本体20と除湿機30とを接続するダクト40と、を有している。以下それぞれについて説明する。なお、以下の説明におけるそれぞれの図において同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
(洗濯乾燥機本体)
洗濯乾燥機本体20は、洗濯機筐体21と、衣類などを洗濯しその後乾燥させる乾燥室23(洗濯機筐体21の内部に収納されている)と、乾燥室23に連通し洗濯機筐体21に形成された洗濯機給気口22cを具備する洗濯機給気路22と、乾燥室23に連通し洗濯機筐体21に形成された洗濯機排気口24cを具備する洗濯機排気路24と、洗濯機給気路22と洗濯機排気路24とを連通させる洗濯機連通路26と、を有している。
そして、洗濯機給気路22には、乾燥室23に空気を送るための洗濯機ファン22fと、空気を加熱するための電気ヒータ22hが設置されている。また、洗濯機連通路26には水冷式除湿機26jが設置されている。
また、洗濯機排気路24から洗濯機連通路26に流れ込む空気の量を調整すると共に、洗濯機排気口24cを通過する空気の量を調整する洗濯機排気量調整器25と、洗濯機連通路26から洗濯機給気路22に流れ込む空気の量を調整すると共に、洗濯機給気口22cを通過する空気の量を調整する洗濯機給気量調整器27と、が設置されている。
なお、以下の説明において、洗濯機排気量調整器25と洗濯機給気量調整器27と、をまとめて「洗濯機風路調整器」と称する場合がある。
(除湿機)
除湿機30は、洗濯乾燥機本体20とは別体であって、除湿機筐体31と、除湿機筐体31内に配置されたヒートポンプシステム90を備えている。
ヒートポンプシステム90は、冷媒を圧縮する圧縮機91と、圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器92と、凝縮された冷媒を膨張させる絞り装置93と、膨張した冷媒を蒸発させる蒸発器94と、これらを連結して冷媒を順番に供給する配管と、から構成されている。すなわち、蒸発器94が空気の湿度を低減する除湿部として、凝縮器91が空気を加熱する加熱部として、それぞれ機能している。
そして、蒸発器94の空気の入側に連通し除湿機筐体31に形成された除湿機給気口32cを具備する除湿機給気路32と、凝縮器92の空気の出側に連通し除湿機筐体31に形成された除湿機排気口34cを具備する除湿機排気路34と、蒸発器94の空気の出側と凝縮器92の空気の入側とを連通する除湿機連通路33と、を有している。また、蒸発器94の空気の出側(正確には除湿機連通路33の上流)には、除湿機給気ファン33fが、凝縮器92の空気の出側(正確には除湿機排気路34の上流)には、除湿機排気ファン34fが、それぞれ設置されている。
さらに、除湿機連通路33の上流(蒸発器94寄り)には、除湿機筐体31を貫通して外気に連通する空気吹出口35aが形成され、除湿機連通路33の下流(凝縮器92寄り)には、除湿機筐体31を貫通して外気に連通する大気吸込口36aが形成されている。
そして、空気吹出口35aには、蒸発器94を通過した空気の内、所定の量を大気中に放出するための空気吹出量調整手段35b(空気吹出口35aの開度を調整する機能を具備)が、大気吸込口36aには、凝縮器92に供給する大気を所定の量に調整するための大気吸込量調整手段36b(大気吸込口36aの開度を調整する機能を具備)が、それぞれ設置されている。なお、以下の説明において、空気吹出量調整手段35bと大気吸込量調整手段36bと、をまとめて「除湿機風路調整器」と称する場合がある。
(ダクト)
ダクト40は、蒸発器側ダクト41および凝縮器側ダクト42から構成され、いずれも屈曲自在ないし伸縮自在である。蒸発器側ダクト41は、洗濯機排気口24cと除湿機給気口32cとに着脱自在に接続されるもので、凝縮器側ダクト42は、除湿機排気口34cと洗濯機給気口22cとに着脱自在に接続されるものである。
なお、かかる接続の形態は限定されるものではない。また、蒸発器側ダクト41および凝縮器側ダクト42の一方の端部が、洗濯乾燥機本体20または除湿機30の一方に予め固定続されている場合には、他方の端部において洗濯乾燥機本体20または除湿機30の他方に着脱自在に接続されることになる。
(動作の説明)
次に洗濯乾燥システム1の動作について説明する。このように構成された洗濯乾燥システムにおいては、衣類などの乾燥対象物を乾燥させる際に、前記洗濯機風路調整器や前記除湿機風路調整器の調整により、風路形態を様にすることができ、乾燥室23へ流入する空気の温度やヒートポンプシステム90(冷凍サイクルに同じ)の状態を変えることができる。以下、ケース分けして詳細に説明する。
(洗濯機循環式)
図2は、図1に示す洗濯乾燥システムにおける空気流れの一例であって、洗濯機循環式を模式的に説明する構成図である。図2において、洗濯機排気量調整器25が、洗濯機排気口24cを閉鎖して洗濯機排気路24を通過する空気の全量を洗濯機連通路26に流し、洗濯機給気量調整器27が洗濯機給気口22cを閉鎖して、洗濯機連通路26を通過する空気の量を洗濯機給気路22に流している。したがって、洗濯乾燥機本体20の内部において、空気が循環する循環路が形成されることになる(以下「洗濯機循環式」と称す)。
この風路形態とすることにより、一般の洗濯乾燥機本体と同様の乾燥状態となる。電気ヒータ22hの下流の空気の温度は約100℃となるから、高温気流による乾燥となる。このため、乾燥対象物には、除菌能力や殺菌能力が高い乾燥が実行される。
また、別体の除湿機30は停止したままであるため、低騒音の乾燥が可能になり、たとえば、夜間の運転に好適である。
(除湿機1パス式)
図3は、図1に示す洗濯乾燥システムにおける空気流れの一例であって、除湿機1パス式を模式的に説明する構成図である。図3において、洗濯乾燥機本体20では、洗濯機排気量調整器25が洗濯機連通路26を閉鎖して洗濯機排気路24を通過する空気の全量を洗濯機排気口24cに流し、洗濯機給気量調整器27が洗濯機給気口22cを全開している。また、除湿機30では、空気吹出量調整手段35bが空気吹出口35aを閉鎖し、大気吸込量調整手段36bが大気吸込口36aを閉鎖している。
したがって、空気は、凝縮器92、除湿機排気路34、凝縮器側ダクト42、洗濯機給気路22(電気ヒータ22hが設置され、場合により ONまたはOFF)、乾燥室23、洗濯機排気路24、蒸発器側ダクト41、蒸発器94、除湿機連通路33、を順番に経由して凝縮器92に戻る(循環する)ことになる(以下「除湿機1パス式」と称す)。
圧縮機91から吐出する冷媒の温度(吐出温度)は100℃程度が上限となるため、乾燥室23へ流入する空気の温度は、80℃程度が上限となる。すなわち、乾燥に供する空気の温度は、洗濯機循環式よりも除湿機1パス式の方が低温であるから、前者よりも後者の方が、投入しているエネルギーが小さいことを意味している。
しかも、ヒートポンプシステム90の蒸発器94を用いて除湿するため、洗濯機循環式で用いる水道水による水冷式除湿機26jよりも除湿能力がよい。
特に、水冷式除湿機26jでは通過する空気と水道水との温度差が小さくなり、除湿能力が低下するのに対し、除湿機1パス式では外気温度(水道水の温度に同じ)に左右されることなく、所定の除湿能力が維持される。このため、乾燥のためのエネルギー効率についての、除湿機1パス式の優位性は、特に、水道水の温度が高いとき(外気温度が高いときに相当する)に顕著になる。
さらに、除湿機1パス式は、80℃以下の低温乾燥が実行されるため、衣類などの乾燥対象物へのダメージ(縮み、傷み)が小さく、乾燥皺も低減できる。
(除湿機2パス式)
図4は、図1に示す洗濯乾燥システムにおける空気流れの一例であって、除湿機2パス式を模式的に説明する構成図である。図4において、洗濯乾燥機本体20では、洗濯機排気量調整器25が洗濯機連通路26を閉鎖して洗濯機排気路24を通過する空気の全量を洗濯機排気口24cに流し、洗濯機給気量調整器27が洗濯機給気口22cを全開している。また、除湿機30では、空気吹出量調整手段35bが空気吹出口35aを全開し、大気吸込量調整手段36bが大気吸込口36aを全開している。
したがって、大気吸込口36aから吸い込まれて大気は、凝縮器92、除湿機排気路34、凝縮器側ダクト42、洗濯機給気路22(電気ヒータ22hが設置され、場合によりONまたはOFF)、乾燥室23、洗濯機排気路24、蒸発器側ダクト41、蒸発器94、除湿機連通路33、を順番に経由した後、空気吹出口35aから大気中に放出されることになる(以下「除湿機2パス式」と称す)。すなわち、除湿機2パス式では空気が循環しないことになる。
したがって、外気温度が蒸発器94を通過した後の空気の温度よりも高い場合、除湿機1パス式に比較して、除湿機2パス式では凝縮器92の負担が低減するから、前者よりも後者の方が、乾燥のためのエネルギー効率が向上する。すなわち、外気が保有するエネルギー(正確にはエンタルピ)の方が蒸発器94を通過した後の空気の保有するエネルギー(正確にはエンタルピ)よりも大きい場合に、前記エネルギー効率の向上が認められることになる。反対に外気温度が蒸発器94を通過した後の空気の温度よりも低い場合、除湿機1パス式に比較して、除湿機2パス式の方が、乾燥のためのエネルギー効率が低下することになる。
一方、外気温度が低い場合には、凝縮器92の温度が低くなることにより乾燥室23へ流入する空気の温度も低くなり、乾燥に要する時間が長くなるものの、低温乾燥を実行することが可能になり、高温の空気に晒したくない素材の乾燥に好適であり、衣類へのダメージ(縮み、傷み)を小さく、また、乾燥皺も低減することができる。
さらに、外気温度が低い(蒸発器94を通過した後の空気の温度が高い)場合は、大気中にエネルギーを放出することになるから、圧縮機91の冷媒の吐出温度を下げる必要がある場合には、効果的に吐出温度を下げることができる。
以上のように、除湿機1パス式と除湿機2パス式との切り替えを段階的に行い、外気条件への適応と、ヒートポンプシステム90の保護への適応のバランスと、をとる適切な風路形態とすることができる。
(除湿機混合式)
再度、図1において、洗濯乾燥システム1は、除湿機風路調整器(空気吹出量調整手段35bと大気吸込量調整手段36bとに同じ)の開度を変えることにより、蒸発器94からの吹出し気流を凝縮器92へ流す気流と、凝縮器92へ流さずに大気中へ流す気流との比率を調整することができる(以下、「除湿機混合式」と称す)。
除湿機混合式は、除湿機1パス式と除湿機2パス式との間の特性を設定することができる。この特性により除湿機1パス式と除湿機2パス式との切り替えを段階的に行い、ヒートポンプシステム90の状態が急激に変化することを避けることもできる。
以上のように、洗濯乾燥システム1は、それぞれ特徴を持った風路形態を選択することができるので、ユーザの要求や外気条件、ヒートポンプシステム90の状態に合わせた乾燥運転を実現することができる。
例えば、除菌殺菌を行いたい時には、高温乾燥を実行することができる洗濯機循環式を選択できる。夜間など低騒音乾燥を行いたい時には、除湿機30を運転しない洗濯機循環式を選択できる。
一方、衣類などの乾燥対象物の種類により100℃近い高温乾燥が行えない場合やダメージや乾燥雛を低減したいときには、除湿機1パス式、除湿機2パス式あるいは除湿機混合式を選択できる。また、電気代を抑えたいときには、エネルギー効率の高い除湿機1パス式、除湿機2パス式あるいは除湿機混合式を選択できる。
また、外気温度に応じて乾燥の風路形態を選択することもできる。例えば外気温度が5℃程度の低い場合(水道水の温度が低い場合に同じ)、水冷除湿に用いる水の温度も低く水冷除湿の効率が高くなるために洗濯機循環式の乾燥能力が優れる。このような低い外気温度では、外気温度の影響を受け難い除湿機1パス式も効果的である。
一方、外気温度が20℃程度の場合は、除湿能力の高い除湿機1パス式、除湿機2パス式あるいは除湿機混合式の乾燥能力が優れている。
更に外気温度が高くなる場合は、外気のエネルギーをシステムに取り入れることができる除湿機2パス方式や除湿機混合式の乾燥能力が優れる。このようにその時の外気温に応じて適した乾燥風路形態を選択することができる。
以上説明した洗濯機循環式、除湿機1パス式、除湿機2パス式、および洗濯機混合式について、それぞれの特徴を表1にまとめる。
Figure 2008188147
さらに、洗濯乾燥システム1は、乾燥対象物の乾燥の程度に応じて風路形態を切り替えることもできる。乾燥初期には、乾燥対象物に水分が大量に含まれているため、洗濯機循環式として高温気流により除菌殺菌を行う。その後、除湿機1パス式や除湿機2パス式に切り替え、長時間に渡る高温付加を避けて、衣類などの乾燥対象物へのダメージや乾燥雛を低減した乾燥もできる。
また、別体の除湿機30に搭載されるヒートポンプシステム90の状態に適応させて、風路形態を切り替えることもできる。例えば除湿機1パス式は外気温度が低い状態で運転している場合においても、システムに加えるエネルギーよりもシステムから除かれるエネルギーが小さいために蒸発温度が上昇し易く、圧縮機91の保護の観点から上限とされる吐出温度に達し易い。このような場合には、外気へエネルギーを放出することができる除湿機混合式や除湿機2パス式へ切り替えることができる。この場合に、除湿機風路調整器35a、35bの開度の調整により外気へのエネルギー放出を必要最小限に抑えられる除湿機混合式が有効となる。
(除湿機の単独運転)
図5および図6は、図1に示す洗濯乾燥システムを構成する除湿機を単独運転した場合の空気流れの一例であって、図5は単独除湿機1パス式、図6は単独除湿機2パス式を模式的に説明する構成図である。
(単独除湿機1パス式)
図5において、除湿機30では、除湿機給気口32cから吸い込んだ大気は、その全量が蒸発器94と凝縮器92とを通過した後、除湿機排気口34cから排出されている(以下「単独除湿機1パス式」と称す)。すなわち、空気吹出口35aと大気吸込口36aとが閉鎖(全閉)されている。
したがって、単独除湿機1パス式では、蒸発器94を通過した外気よりも低温の空気が凝縮器92へ流入するため、ヒートポンプシステム90の高圧側圧力が低くなり圧縮機91への入力が小さい除湿運転ができる。
(単独除湿機2パス式)
図6において、除湿機30では、除湿機給気口32cから吸い込んだ大気の全量が蒸発器94を通過した後、空気吹出口35aから大気中に放出され、一方、大気吸込口36aから吸い込まれた大気の全量が凝縮器92を通過した後、除湿機排気口34cから排出されている(以下「単独除湿機2パス式」と称す)。すなわち、空気吹出口35aと大気吸込口36aとは全開し、除湿機連通路33は途中で閉鎖されている。
したがって、単独除湿機2パス式では、蒸発器94を通過した外気よりも低温の気流と、凝縮器92を通過した外気よりも高温の気流とを、それぞれ分離して機外へ放出することができる。よって部分的な冷房や暖房の用途に用いることもできる。
(単独除湿機混合式)
さらに、空気吹出口35aおよび大気吸込口36aの開度を調整することによって、蒸発器94を通過した空気の一部に大気吸込口36aから吸い込まれた大気を混合して、凝縮器92に供給することも可能である(図示しない)。すなわち、単独除湿機1パス式と単独除湿機2パス式との中間的な使用が可能になる。
このように洗濯乾燥システム1は別体の除湿機30を有し、除湿機30が風路調整機能を有するため、除湿機単独で運転する場合の仕様シーンが広まり、単独で運転できる価値を高めることができる。
[実施の形態2]
図7は本発明の実施の形態2に係る洗濯乾燥システムを模式的に示す構成図である。前記実施の形態1では、水冷式除湿機26jを有する洗濯乾燥機本体20と、別体の除湿機30とをダクト40によって接続するようにしたものであるが、実施の形態2において説明する洗濯乾燥システム2では、洗濯乾燥機本体50が水冷式除湿機を搭載しないものである。
図7において、洗濯乾燥機本体50は、洗濯乾燥機本体20から洗濯機連通路26および水冷式除湿機26jを撤去したものに同じである。そして、これにともない洗濯機風路調整器(洗濯機排気量調整器25と洗濯機給気量調整器27とに同じ)を搭載していない。
以上のように、洗濯乾燥機本体50は水冷式除湿機を搭載していないから、乾燥室23に温風を送って乾燥運転を実行しても、除湿を行うことができない。このため、乾燥対象物から取り除いた水分は水蒸気として機外へ放出される。そうすると、洗濯乾燥システム2を閉空間で運転して、大量の水分を乾燥対象物から奪う本格的な乾燥を行うと、設置空間の湿度が上昇し快適性を損なう場合もある。
そこで、別体の除湿機30を接続することにより、本格的な乾燥運転を行うことができる。この場合に除湿機30の風路形態は実施の形態1に記したように、除湿機1パス式、除湿機2パス式あるいは除湿機混合式を選択することができ、それにともなう効果を洗濯乾燥システム1(実施の形1)と同様に得ることができる。さらに除湿機単独運転においても、実施の形態1となんら変わらぬ効果を得ることができる。
また、洗濯乾燥システム1(実施の形態1)に比べて洗濯乾燥機本体50に水冷式除湿機、それにともない洗濯機風路調整器も搭載していないことにより、洗濯乾燥機本体50を軽量かつコンパクトにすることができ、安価に製造することができる。
以上、既に記載しているが、実施の形態1および実施の形態2の効果は、以下のようにまとめることができる。
(i)洗濯機に着脱自在な除湿機が空気吹出手段と大気吸込手段とを有するから、様々な乾燥要求や除湿要求に対応することが可能になる。
(ii)除湿機がヒートポンプシステムを具備するから、省エネ性に優れている。また、低温乾燥をするから、乾燥対象物の熱損傷や乾燥皺を防止することができる。
(iii)洗濯乾燥機本体に電気ヒータが設置されるから、高温乾燥が可能になり、急速乾燥ができる。また、ヒートポンプシステムを停止して電気ヒータを運転すれば、低騒音運転が可能になり、たとえば、夜間運転に好適である。
(iv)洗濯乾燥機本体に水冷式除湿手段(空冷式除湿手段でもよい)が設置されるから、洗濯乾燥機本体単独で、除湿をすることができる。
(v)加熱部を通過した空気の温度を、外気の温度、乾燥対象物の種類や乾燥程度、等に応じて変更することができるから、好適な乾燥を実行することができ、様々な乾燥要求や除湿要求にきめ細かく対応することが可能になる。
(vi)加熱部を通過した空気の温度を、機器の運転状況に応じて変更することができるから、ヒートポンプシステムの損傷や劣化が防止され、保全性が増す。
本発明は以上の構成により、様々な乾燥要求や除湿要求に対応できるから、各種家庭用および業務用の洗濯乾燥システムとして広く利用することができる。
本発明の実施の形態1に係る洗濯乾燥システムを模式的に示す構成図。 図1に示す洗濯乾燥システムにおける洗濯機循環式を説明する構成図。 図1に示す洗濯乾燥システムにおける除湿機1パス式を説明する構成図。 図1に示す洗濯乾燥システムにおける除湿機2パス式を説明する構成図。 図1に示す除湿機における単独除湿機1パス式を説明する構成図。 図1に示す除湿機における単独除湿機2パス式を説明する構成図。 本発明の実施の形態2に係る洗濯乾燥システムを模式的に示す構成図。
符号の説明
1 洗濯乾燥システム(実施の形態1)、2:洗濯乾燥システム(実施の形態2)、3:洗濯乾燥システム(実施の形態3)、20:洗濯乾燥機本体、21:洗濯機筐体、22:洗濯機給気路、22c:洗濯機給気口、22f:洗濯機ファン、22h:電気ヒータ、23:乾燥室、24:洗濯機排気路、24c:洗濯機排気口、25:洗濯機排気量調整器、26:洗濯機連通路、26j:水冷式除湿機、27:洗濯機給気量調整器、30:除湿機、31:除湿機筐体、32:除湿機給気路、32c:除湿機給気口、33:除湿機連通路、33f:除湿機給気ファン、34:除湿機排気路、34c:除湿機排気口、34f:除湿機排気ファン、35a:空気吹出口、35b:空気吹出量調整手段、36a:大気吸込口、36b:大気吸込量調整手段、40:ダクト、41:蒸発器側ダクト、42:凝縮器側ダクト、50:洗濯乾燥機本体(実施の形態2)、90:ヒートポンプシステム、91:圧縮機、92:凝縮器、93:絞り装置、94:蒸発器。

Claims (15)

  1. 筐体と、該筐体内に配置された乾燥室と、該乾燥室に連通し前記筐体に形成された洗濯機給気口を具備する洗濯機給気路と、前記乾燥室に連通し前記筐体に形成された洗濯機排気口を具備する洗濯機排気路と、を有する洗濯機と、
    空気の湿度を低減する除湿部と、空気を加熱する加熱部と、前記除湿室に連通し前記洗濯機排気口に着脱自在な除湿機給気路と、前記加熱室に連通し前記洗濯機給気口に着脱自在な除湿機排気路と、前記除湿機給気路と前記除湿機排気路とを連通する除湿機連通路と、を有する除湿機と、
    洗濯機給気路、洗濯機給気路、除湿機排気路または除湿機連通路の何れかに設置された空気を送る送風手段と、からなる洗濯乾燥システムであって、
    前記除湿機が、前記除湿部を通過した空気の一部または全部を大気中に放出する空気吹出手段と、前記除湿部を通過した空気に替えてまたは前記除湿部を通過した空気の一部に追加して大気を前記加熱部に供給する大気吸込手段と、を有することを特徴とする洗濯乾燥システム。
  2. 前記除湿機は、冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器と、凝縮された冷媒を膨張させる絞り装置と、膨張した冷媒を蒸発させる蒸発器と、を備え、
    前記除湿部が前記蒸発器によって、前記加熱部が前記凝縮器によって、それぞれ形成されることを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥システム。
  3. 前記洗濯機給気路に空気を加熱するための電気ヒータが設置されることを特徴とする請求項1または2記載の洗濯乾燥システム。
  4. 前記洗濯機給気路と前記洗濯機排気路とを連通する洗濯機連通路が形成され、洗濯機連通路に水冷式除湿手段または空冷式除湿手段が設置されることを特徴とする請求項3記載の洗濯乾燥システム。
  5. 前記除湿機は、前記空気吹出手段が大気中に吹き出す空気の量および前記大気吸込手段が吸い込む大気の量を調整することによって、前記加熱部を通過した空気の温度を変更することができることを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥システム。
  6. 前記除湿機は、前記空気吹出手段が大気中に吹き出す空気の量および前記大気吸込手段が吸い込む大気の量を調整することによって、前記加熱部を通過した空気の温度を変更することができることを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の洗濯乾燥システム。
  7. 前記加熱部を通過した空気の温度が、外気の温度に応じて、変更されることを特徴とする請求項5または6記載の洗濯乾燥システム。
  8. 前記加熱部を通過した空気の温度が、前記乾燥室に投入された乾燥対象物の種類に応じて、変更されることを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の洗濯乾燥システム。
  9. 前記送風手段が空気を送っている間に、前記加熱部を通過した空気の温度が変更されることを特徴とする請求項5乃至8の何れかに記載の洗濯乾燥システム。
  10. 前記乾燥室に投入された乾燥対象物の乾燥程度に応じて、前記加熱部を通過した空気の温度が変更されることを特徴とする請求項5乃至9の何れかに記載の洗濯乾燥システム。
  11. 前記圧縮機、前記凝縮器、前記絞り装置、または前記蒸発器の何れかの運転状況に応じて、前記加熱部を通過した空気の温度が変更されることを特徴とする請求項5乃至10の何れかに記載の洗濯乾燥システム。
  12. 外気温度と前記蒸発器からの吹出し気流の温度とを比較し、
    外気温度の方が高い場合は、前記蒸発器からの吹出し気流のうち前記凝縮器へ流す量の比率を低くし、
    外気温度の方が低い場合は、前記蒸発器からの吹出し気流のうち前記凝縮器へ流す量の比率を高くする、ことを特徴とする請求項2乃至11の何れかに記載の洗濯乾燥システム。
  13. 乾燥初期に、前記電気ヒータを用いて100℃前後に加熱した空気を用いた乾燥を行い、
    その後、前記凝縮器を用いて80℃以下の空気による乾燥を行う、ことを特徴とする請求項3乃至12の何れかに記載の洗濯乾燥システム。
  14. 前記圧縮機の吐出側に接続された配管の温度に閾値を設定し、該配管の温度が当該閾値を超えた場合は、前記蒸発器からの吹出し気流のうち前記凝縮器へ流す量の比率を高くすることを特徴とする請求項2乃至13の何れかに記載の洗濯乾燥システム。
  15. 前記除湿器が、前記洗濯機から分離され、単独運転されることを特徴とする請求項1乃至14の何れかに記載の洗濯乾燥システム。
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