JP2008187952A - 糖加熱品及び糖加熱品含有食品 - Google Patents

糖加熱品及び糖加熱品含有食品 Download PDF

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真一郎 波多
Saori Arita
さおり 有田
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Abstract

【課題】 澱粉の老化防止や蛋白変性を抑制する作用があり、食品の風味や食感等の品質向上を図ることができる糖加熱品とその糖加熱品を添加した糖加熱品含有食品とを提供する。
【解決手段】 100〜200℃の温度下で果糖を加熱して、5重量%水溶液の480nmにおける吸光度が0.1〜1.0になるようにする。
【選択図】なし

Description

本発明は、食品の品質を改良する糖加熱品とその糖加熱品を添加した食品に関する技術である。
食品の品質劣化の原因としては、澱粉の老化や蛋白質の変性などが知られている。例えば、澱粉質の食品は常温或いは低温下で保存すると、水分が遊離することによって澱粉が老化して硬くなる。また、蛋白質を含む食品は、製造時や保存時の加熱や冷・解凍により蛋白変性が起こって、弾力性が低下するとともに味にも影響し、食感や風味が悪くなる。これらを改善するために、砂糖、水飴、マルトースなどの各種甘味料が良く使用されている。
特開2001−17099号公報(1〜3頁)
しかしながら、上記各甘味料では効果が弱いため食品が硬くなりやすく、また、多量に使用しなければならないために、添加した食品の味に甘味が増し、食品の風味が損なわれてしまう。
そこで本発明は、澱粉の老化防止や蛋白変性を抑制する作用があり、食品の風味や食感等の品質向上を図ることができる糖加熱品とその糖加熱品を添加した糖加熱品含有食品とを提供することを目的としている。
請求項1の糖加熱品は、100〜200℃の温度下で果糖を加熱して、5重量%水溶液の480nmにおける吸光度が0.1〜1.0になるようにすることを特徴としている。また、請求項2の糖加熱品は、100〜200℃の温度下で果糖を含む糖を加熱して、5重量%水溶液の480nmにおける吸光度が0.1〜0.5になるようにすることを特徴としている。
これらの糖加熱品は、果糖または果糖を含む糖が上記温度下での加熱により脱水縮重合反応することによって、低分子から高分子の広い範囲の分子量分布を備えたものとなる。そして、果糖の糖加熱品を例にとれば残糖分約60%(他は加熱重合物)となっている。
そして、これらの糖加熱品を原料に添加して食品を製造すれば、澱粉の老化や蛋白質の変性を抑制し、マスキング効果によって嫌な臭いを抑えることができるので、良好な風味や食感等を備えた優れた品質のものを製造することができる。これは、果糖が重合することによって親水性が増大したり、界面活性作用が生じているからである。
例えば、前記糖加熱品を原料に添加してスポンジケーキやパンを製造すれば、パサつきにくく、しっとり感が持続する。麺に添加すれば、硬くなりにくく、ほぐれ易い状態が維持される。冷凍プリンに添加すれば、解凍後の離水がなく、冷凍による変性を抑えることができる。果汁飲料に添加すれば、後に残らないすっきりとした前甘味となり、果汁感も増すことができる。麺つゆに添加すれば、コクが出てだし感を増強することができる。茶碗蒸しに添加すれば、離水を抑えることができ、滑らかな食感で、且つ、口当たりが良いものになる。焼肉のたれに添加すればたれにつけた肉の畜肉臭を、また、豆乳に添加すれば豆乳臭をマスキングして風味を良くすることができる。
なお、請求項2に記載している果糖を含む糖とは、果糖以外にぶどう糖や砂糖、転化糖、マルトース、トレハロース、水飴、マルトオリゴ糖のようなオリゴ糖などを示している。
また、上記の果糖を含む糖には、請求項3に記載しているように異性化糖を用いることができる。即ち、高果糖液糖、果糖ぶどう糖液糖、ぶどう糖果糖液糖、砂糖混合異性化液糖である。
請求項4の糖加熱品含有食品は、原料1重量部に対して0.001〜0.5重量部の割合で糖加熱品を添加させていることを特徴としている。糖加熱品の添加量が0.001重量部以下では糖加熱品の効果が得られず、0.5重量部以上では糖加熱品の味が目立つようになり、食品本来の風味が変わってしまう。
本発明の糖加熱品及び糖加熱品含有食品によると、澱粉の老化や蛋白質の変性が抑制され、且つ、畜肉臭や豆乳臭等の嫌な臭いを抑えることができるので、食品の良好な風味や食感を維持することができる。これにより、消費されるまでに時間を要する食品、例えば、コンビニエンスストアの店頭に並べられるパンや弁当、また、冷凍食品などを、できたてに近い状態で提供することができる。
以下、本発明にかかる糖加熱品及び糖加熱品添加食品の実施形態について説明する。
本実施形態の糖加熱品は、果糖、果糖ぶどう糖液糖、高果糖液糖を所定の条件下で加熱して得たもので、各糖について5重量%水溶液の480nmにおける吸光度(固形物換算)が異なる数種類のものを製造し、これらの糖加熱品の澱粉老化防止効果について試験を行った。
吸光度0.069の果糖の糖加熱品は、果糖を130℃の温度で2時間加熱後、加水冷却して固形分75%に調整したものである。
吸光度0.147の果糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を130℃、加熱時間を3時間としたものである。
吸光度0.303の果糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を130℃、加熱時間を4時間としたものである。
吸光度0.478の果糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を130℃、加熱時間を5時間としたものである。
吸光度0.813の果糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を130℃、加熱時間を6時間としたものである。
吸光度1.288の果糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を130℃、加熱時間を8時間としたものである。
吸光度0.063の果糖ぶどう糖液糖の糖加熱品は、果糖ぶどう糖液糖(果糖55%)を約130℃の温度で2.5時間加熱後、加水冷却して固形分75%に調整したものである。
吸光度0.135の果糖ぶどう糖液糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を130℃、加熱時間を3.5時間としたものである。
吸光度0.300の果糖ぶどう糖液糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を130℃、加熱時間を4.5時間としたものである。
吸光度0.427の果糖ぶどう糖液糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を130℃、加熱時間を5.5時間としたものである。
吸光度0.896の果糖ぶどう糖液糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を130℃、加熱時間を6.5時間としたものである。
吸光度0.040の高果糖液糖の糖加熱品は、高果糖液糖(果糖95%)を約130℃の温度で2時間加熱後、加水冷却して固形分75%に調整したものである。
吸光度0.139の高果糖液糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を130℃、加熱時間を3時間としたものである。
吸光度0.305の高果糖液糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を130℃、加熱時間を4時間としたものである。
吸光度0.483の高果糖液糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を130℃、加熱時間を5時間としたものである。
吸光度0.788の高果糖液糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を130℃、加熱時間を6時間としたものである。
また、比較例として砂糖で糖加熱品を製造した。吸光度0.056の砂糖の糖加熱品は、砂糖を約130℃の温度で2.5時間加熱後、加水冷却して固形分75%に調整したものである。
吸光度0.179の砂糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を130℃、加熱時間を3.5時間としたものである。
吸光度0.288の砂糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を130℃、加熱時間を4.5時間としたものである。
吸光度0.480の砂糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を130℃、加熱時間を5.5時間としたものである。
吸光度0.756の砂糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を130℃、加熱時間を6.5時間としたものである。
澱粉老化防止効果の試験は以下の手順で行った。
(1)馬鈴薯澱粉4%水溶液を加熱し、95℃達温後2分間加熱する。・・・A
(2)各糖加熱品の20%水溶液を作る。・・・B
(3)Aの水溶液とBの各糖加熱品の水溶液とをそれぞれ1:1の割合で混合し、馬鈴薯澱粉2%・糖加熱品10%の水溶液を作る。・・・C
(4)Cの各水溶液を完全煮沸後、室温(15〜25℃)まで放冷する。・・・D
(5)Dの各水溶液について、750nm、740nm、730nm、720nm、710nmにおける吸光度の平均値(E)を測定する。
(6)澱粉が老化しやすい5℃の温度で24時間保存した後に室温まで戻し、各水溶液について、750nm、740nm、730nm、720nm、710nmにおける吸光度の平均値(F)を測定する。澱粉の老化現象は、通常、低温ほど起こりやすく、特に0〜5℃付近で最も起こりやすいとされている。
(7)次式により各水溶液の澱粉老化率を求める。澱粉老化率(%)=(F÷E−1)×100これは、澱粉が老化すると濁りがみられるからであり、その度合いを老化率としている。これらの結果を表1にまとめている。
Figure 2008187952
そして、表1の澱粉老化率に対する良否の判断を、白玉粉で作った団子の固さから判断した。団子は市販の白玉粉100g、水80g、糖加熱品18gを混ぜ合わせて生地を作り、この生地をしばらく捏ねた後に適当な量ずつちぎって丸め、それを10分間蒸し器で蒸した後に室温まで放冷したものである。こうして製造した各団子を5℃の温度で保存し、24時間後、48時間後、72時間後にそれぞれ団子の固さについて調べた。固さについての評価は、団子を指で押さえたとき感触で評価した。その結果を表2に示している。
Figure 2008187952
このように、果糖の場合、吸光度が0.1〜1.0の範囲外になると団子が固くなり、吸光度は0.1〜1.0の範囲が適していることがわかる。また、果糖ぶどう糖液糖や高果糖液糖などの果糖を含む糖では、吸光度が0.1〜0.5の範囲外になると団子が固くなり、吸光度は0.1〜0.5の範囲が適していることがわかる。
次に、加熱温度を変えて糖加熱品を製造し、澱粉老化防止効果への影響について調べた。
糖加熱品は、果糖、果糖ぶどう糖液糖、高果糖液糖を用いて、各糖について90℃から210℃まで10℃ごとに温度範囲を設定して加熱し製造したものである。そして、各糖加熱品について、上記と同様の方法で澱粉老化率を求めた。
吸光度0.008の果糖の糖加熱品は、果糖を90〜100℃の範囲で10時間加熱後、加水冷却して固形分75%に調整したものである。
吸光度0.370の果糖の糖加熱品は、上記条件において加熱温度を100〜110℃、加熱時間を6時間としたものである。
吸光度0.305の果糖の糖加熱品は、上記条件において加熱温度を120〜130℃、加熱時間を4時間としたものである。
吸光度0.322の果糖の糖加熱品は、上記条件において加熱温度を140〜150℃、加熱時間を3時間としたものである。
吸光度0.380の果糖の糖加熱品は、上記条件において加熱温度を160〜170℃、加熱時間を2時間としたものである。
吸光度0.366の果糖の糖加熱品は、上記条件において加熱温度を180〜190℃、加熱時間を0.5時間としたものである。
吸光度0.410の果糖の糖加熱品は、上記条件において加熱温度を200〜210℃、加熱時間を0.2時間としたものである。
吸光度0.001の果糖ぶどう糖液糖の糖加熱品は、果糖ぶどう糖液糖(果糖55%)を90〜100℃の温度で10時間加熱後、加水冷却して固形分75%に調整したものである。
吸光度0.291の果糖ぶどう糖液糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を100〜110℃、加熱時間を7時間としたものである。
吸光度0.333の果糖ぶどう糖液糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を120〜130℃、加熱時間を4.5時間としたものである。
吸光度0.347の果糖ぶどう糖液糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を140〜150℃、加熱時間を3.5時間としたものである。
吸光度0.271の果糖ぶどう糖液糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を160〜170℃、加熱時間を2.4時間としたものである。
吸光度0.306の果糖ぶどう糖液糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を180〜190℃、加熱時間を0.7時間としたものである。
吸光度0.325の果糖ぶどう糖液糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を200〜210℃、加熱時間を0.3時間としたものである。
吸光度0.007の高果糖液糖の糖加熱品は、高果糖液糖(果糖95%)を90〜100℃の温度で10時間加熱後、加水冷却して固形分75%に調整したものである。
吸光度0.361の高果糖液糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を100〜110℃、加熱時間を6時間としたものである。
吸光度0.339の高果糖液糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を120〜130℃、加熱時間を4時間としたものである。
吸光度0.287の高果糖液糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を140〜150℃、加熱時間を3時間としたものである。
吸光度0.296の高果糖液糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を160〜170℃、加熱時間を2時間としたものである。
吸光度0.263の高果糖液糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を180〜190℃、加熱時間を0.5時間としたものである。
吸光度0.405の高果糖液糖の糖加熱品は、上記条件において、加熱温度を200〜210℃、加熱時間を0.2時間としたものである。
表3に各糖加熱品の加熱条件と澱粉老化率とについてまとめた。
Figure 2008187952
このように、90〜100℃および200〜210℃で加熱した糖加熱品は高い澱粉老化率を示しており、加熱温度は100〜200℃の範囲が適していることがわかる。
次に、糖加熱品を原料に添加してスポンジケーキ、ゆで麺、冷凍プリン、オレンジジュース、麺つゆ、茶碗蒸し、焼肉のたれ、豆乳を製造し、食感等の物性や風味、マスキングの効果などについて試験を行った。
糖加熱品は、果糖1重量部に対し0.4重量部の割合で水を加えて粘性のある混合液を作り、この混合液を開放釜に入れて加熱し120〜130℃の範囲まで昇温した後、その温度で4時間程度加熱することによって濃縮し、5重量%水溶液の480nmにおける吸光度が0.3になるように調整したものである。果糖を水に混ぜた状態で加熱したのは、焦げつきにくくするためであり、果糖単体で加熱することも可能である。
同様にして、果糖の代わりにブリックス75の高果糖液糖を使った糖加熱品も製造し、同様の試験を行った。また、比較例として、砂糖の糖加熱品を製造して同様の試験を行った。なお、果糖の糖加熱品及び高果糖液糖の糖加熱品は、黄褐色のペースト状の性状を有しており、低分子から高分子までの広い分子量分布を備えている。
(試験1)
全卵100g、上白糖70g、薄力粉70g、牛乳20g、バター15gを原料として、果糖の糖加熱品を全原料(合計275g)の2重量%添加してスポンジケーキを製造した。作り方は、全卵と上白糖と果糖の糖加熱品とを混合して10分間泡立てた後に篩いにかけた薄力粉を加え、次に温めた牛乳とバターとを加えて混合し、18cm丸セルクルに入れて170℃で30分間焼成した後に放冷した。これを24時間冷蔵庫で保管した後に取り出して官能検査を行った。その結果、果糖の糖加熱品を添加したスポンジケーキは、しっとり感があるにもかかわらず、生地がしっかりとして保形性に優れていた。
そして、果糖の糖加熱品の代わりに高果糖液糖の糖加熱品を添加して製造したスポンジケーキもまた、しっとり感がありながら、生地がしっかりとしていて保形性に優れていた。一方、砂糖の糖加熱品を2重量%添加して製造したスポンジケーキは、柔らかさが少し残っているものの、ややパサついていて硬くなりはじめており、澱粉の老化が見られた。また、糖加熱品を添加していない無添加のスポンジケーキは、パサついていて硬くなっており、澱粉の老化が見られた。
この結果から、果糖の糖加熱品と高果糖液糖の糖加熱品とが、澱粉の老化を抑制する優れた作用効果を有していることがわかる。この結果を表4にまとめる。
Figure 2008187952
(試験2)
果糖の糖加熱品を、ゆで面150gに対して2重量%の量(25g)を水溶液にして吹き付けた後に、冷蔵庫で24時間保管してから取り出し、箸でほぐれ感を調べるとともに、食感について調べた。
果糖の糖加熱品の水溶液を吹き付けたゆで麺は、パサつき感はなく、食感は柔らかかった。同様に、高果糖液糖の糖加熱品を添加したゆで麺も、パサつき感がなく、柔らかい食感であった。一方、砂糖の糖加熱品を添加したゆで麺は、パサつきは少ないものの、柔らかさに欠けている。水を添加したゆで麺は、パサつきが若干抑えられている程度だった。また、何も吹き付けなかったゆで麺は、パサパサしており硬くなっていた。
この結果から、果糖或いは高果糖液糖の糖加熱品は、澱粉の老化を抑制する優れた作用効果を有していることがわかる。この結果を表5にまとめる。
Figure 2008187952
(試験3)
水23.21重量%、上白糖5.36重量%、ゼラチン1.79重量%、全卵17.86重量%、卵黄3.57重量%、加糖練乳12.50重量%、牛乳35.71重量%、果糖の糖加熱品2重量%を混合し、加熱後に冷却して固めた後、冷凍庫に入れて冷凍プリンを製造した。そして、冷凍庫で2週間保管した後に取り出して解凍し、冷凍変性について調べた。
果糖或いは高果糖液糖の糖加熱品を添加した冷凍プリンは離水が少なくパサつき感がなく、冷凍変性が抑えられていた。一方、砂糖の糖加熱品を添加した冷凍プリンはパサついており、冷凍変性を起こしていた。また、無添加の冷凍プリンもパサパサしていて、冷凍変性を起こしていた。
この結果から、果糖の糖加熱品及び高果糖液糖の糖加熱品は、離水を抑えて蛋白質の変性を抑制する優れた作用効果を有していることがわかる。この結果を表6にまとめる。
Figure 2008187952
(試験4)
オレンジジュースに果糖の糖加熱品を1重量%の割合で添加し、これを試飲して風味を調べた。
果糖或いは高果糖液糖の糖加熱品を添加したオレンジジュースは、前甘味で後味がすっきりとしており、果汁感が増強されていた。また、果汁のエグミ(雑味)がマスキングされていた。一方、砂糖の糖加熱品を1重量%添加したオレンジジュースは、コクが感じられるものの、スッキリ感はなく、果汁感の増強も見られなかった。砂糖の糖加熱品を1重量%添加したオレンジジュースは、コクが感じられた。一方、無添加のオレンジジュースは、果汁のエグミが感じられた。
この結果から、果糖の糖加熱品及び高果糖液糖の糖加熱品は、雑味を抑えて風味を良くする効果を備えていることがわかる。この結果を表7にまとめる。
Figure 2008187952
(試験5)
市販の麺つゆ(ストーレート用)に果糖の糖加熱品を2重量%の割合で添加し、これを味見して風味を調べた。
果糖或いは高果糖液糖の糖加熱品を添加した麺つゆは、だし感が増強されており、良好なコクが感じられた。一方、砂糖の糖加熱品を2重量%添加した麺つゆは、コクが感じられた。一方、砂糖の糖加熱品を2重量%添加した麺つゆは、コクが感じられるものの、だし感の増強は見られなかった。無添加の麺つゆは、だし感が弱くコクに欠けていた。
この結果から、果糖の糖加熱品及び高果糖液糖の糖加熱品は、だし感を強調しコクを出す効果を備えていることがわかる。この結果を表8にまとめる。
Figure 2008187952
(試験6)
だし汁300g、全卵100g、酒15g、ゼラチン6g、食塩3g、醤油2gの原料(合計426g)と、この原料に対し2重量%の果糖の糖加熱品を添加して茶碗蒸しを製造した。作り方は、分量中のだし汁20gでゼラチンをふやかす一方、だし汁、酒、食塩、醤油を混合して60℃に加熱する。加熱したものにゼラチンを入れて溶かした後に放冷する。それから、全卵をといて加え、容器に入れて蒸し器で蒸す。その後、熱を冷ましてから冷凍庫にいれて冷凍し、凍った茶碗蒸しを取り出して冷凍変性について調べた。
果糖或いは高果糖液糖の糖加熱品を添加した茶碗蒸しは離水が少なくてパサついておらず、冷凍変性が抑えられていた。一方、砂糖の糖加熱品を添加した茶碗蒸しはパサついており、冷凍変性を起こしていた。また、無添加の茶碗蒸しもパサパサしていて、冷凍変性を起こしていた。
この結果から、果糖の糖加熱品及び高果糖液糖の糖加熱品は、離水を抑えて蛋白質の変性を抑制する優れた作用効果を有していることがわかる。この結果を表9にまとめる。
Figure 2008187952
(試験7)
濃口醤油39.0%、上白糖13.0%、リンゴジュース5.0%、みりん5.0%、タマネギ5.0%、醸造酢6.0%、にんにく1.0%、ゴマ油1.0%、ごま2.0%、白コショウ0.05%、赤唐辛子粉末0.05%、水17.9%、糖加熱品5.0%を原料として焼肉のたれを製造し、肉をたれにつけて焼き、その風味や香り等について官能評価を行った。
果糖或いは高果糖液糖の糖加熱品を添加した焼肉のたれを用いて焼いた肉は、畜肉臭がマスキングされていて、良好なコクが感じられた。一方、砂糖の糖加熱品を5重量%添加した焼肉のたれを用いて焼いた肉は、コクが感じられた。一方、砂糖の糖加熱品を5重量%添加した焼肉のたれを用いて焼いた肉は、コクが感じられるものの、不快な畜肉臭が感じられた。無添加の焼肉のたれを用いて焼いた肉は、不快な畜肉臭が感じられ、コクに欠けていた。
この結果から、果糖の糖加熱品及び高果糖液糖の糖加熱品は、畜肉臭をマスキングし、コクを出す効果を備えていることがわかる。この結果を表10にまとめる。
Figure 2008187952
(試験8)
市販の豆乳(プレーン)に果糖の糖加熱品を2重量%の割合で添加し、これを試飲して風味や香りを調べた。
果糖或いは高果糖液糖の糖加熱品を添加した豆乳は、豆乳臭がマスキングされていて、良好なコクが感じられた。一方、砂糖の糖加熱品を5重量%添加した豆乳は、コクが感じられた。一方、砂糖の糖加熱品を5重量%添加した豆乳は、コクが感じられるものの、不快な豆乳臭が感じられた。無添加の豆乳は、不快な豆乳臭が感じられ、コクに欠ける。
この結果から、果糖の糖加熱品及び高果糖液糖の糖加熱品は、豆乳臭をマスキングし、コクを出す効果を備えていることがわかる。この結果を表11にまとめておく。
Figure 2008187952

Claims (4)

  1. 100〜200℃の温度下で果糖を加熱することにより得られ、5重量%水溶液の480nmにおける吸光度(固形物換算)が0.1〜1.0であることを特徴とする糖加熱品。
  2. 100〜200℃の温度下で果糖を含む糖を加熱することにより得られ、5重量%水溶液の480nmにおける吸光度が0.1〜0.5であることを特徴とする糖加熱品。
  3. 前記果糖を含む糖が、異性化糖であることを特徴とする請求項2記載の糖加熱品。
  4. 上記請求項1〜3のいずれかに記載の糖加熱品を、原料1重量部に対して0.001〜0.5重量部の割合で添加させていることを特徴とする糖加熱品添加食品。
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