JP2008187631A - 平面偏波アンテナ及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化及び実装が容易な平面円偏波アンテナを実現することである。
【解決手段】ベースフィルム1と、ベースフィルム31上に設けられる導電体部2と、を備え、導電体部2は、給電点を有する逆Fアンテナ部34と、グランド面部35と、を備え、グランド面部35は、スロットを有するスロットアンテナ部35と、逆Fアンテナ部34とスロットアンテナ部35との間の一部の領域に設けられ、グランドに短絡されたグランドショート部36と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、平面偏波アンテナ及び電子機器に関する。
従来、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)等の無線通信機能を有する携帯端末において、無線通信用のアンテナの小型化が行われている。例えば、平面フィルム上にアンテナパターンを構成し、単一の偏波を放射するフィルムアンテナが考えられている(例えば、特許文献1,2参照)。また、水平と垂直との2つの偏波を同時に放射するフィルムアンテナも考えられている(例えば、特許文献3参照)。上記フィルムアンテナは、指向特性も緩やかな逆Fアンテナをベースとしたアンテナであった。
また、ループアンテナの変形で円偏波を作るフィルムアンテナが考えられていた。
特許3656610号明細書 特許3622959号明細書 特許3830358号明細書
しかし、従来の単一の偏波を放射するフィルムアンテナでは、単一の偏波しか放射できないので、移動体通信(特にハンディターミナルなどで持ち歩く通信機器)については通信が不安定になり、通信機器の送信側のアンテナとの傾きの関係によっては通信が途切れることが発生する。このため、送信側と受信側との偏波が一致する必要があった。
また、従来の2つの偏波を放射するフィルム状の逆F平面アンテナの構成は、エレメント間に位相差を作ることができなかったので円偏波を放射することができなかった。
従来のループアンテナで円偏波を作るフィルムアンテナでは、外形が大きく、小型の携帯機器への実装が難しかった。また、ループアンテナで円偏波を作るフィルムアンテナでは、指向性が強く、その向きによっては電波が放射されない角度が多いため、通信が途切れることがあり、携帯機器での移動体通信には向かなかった。
また、ループアンテナで円偏波を作るフィルムアンテナでは、グランド面に近い位置で実装するとアンテナの共振がずれて機能できなくなるため、実装位置の制約が大きかった。
本発明の課題は、小型化及び実装が容易な平面円偏波アンテナを実現することである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明の平面円偏波アンテナは、
平板絶縁基板と、
前記平板絶縁基板上に設けられる導電体手段と、を備え、
前記導電体手段は、
給電点を有する逆Fアンテナ手段と、
グランド手段と、を備え、
前記グランド手段は、
スロットを有するスロットアンテナ手段と、
前記逆Fアンテナ手段と前記スロットアンテナ手段との間の一部の領域に設けられ、グランドに短絡された短絡手段と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の平面偏波アンテナにおいて、
前記スロットアンテナ手段は、そのスロットの少なくとも片面が誘電体により覆われていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の平面偏波アンテナにおいて、
前記グランド手段は、一辺の長さが、通信する電波の波長の1/4倍より長いことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の平面偏波アンテナにおいて、
前記短絡手段は、グランドに接続された導電性部材との接触により、グランドに短絡されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の平面偏波アンテナにおいて、
前記短絡手段は、フレームグランドを有するフレームのスペーサ又はリブとの接触により、グランドに短絡されることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の平面偏波アンテナにおいて、
前記スロットは、矩形形状であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の平面偏波アンテナにおいて、
前記スロットは、波形形状又はクランク形状であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明の電子機器は、
請求項1から7のいずれか一項に記載の平面偏波アンテナと、
前記平面偏波アンテナを介する通信を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、小型化及び実装が容易な平面円偏波アンテナを実現できる。
以下、添付図面を参照して本発明に係る好適な実施の形態及び変形例を順に詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
図1〜図9を参照して本発明に係る実施の形態を説明する。先ず、図1〜図6を参照して本実施の形態の装置構成を説明する。図1に、本実施の形態の上ケース1を外したPDA100の斜視構成を示す。図2に、上ケース1を外したPDA100の断面構成を示す。
本実施の形態の電子機器としてのPDA100は、ユーザ操作による情報の入力、記憶等の機能を有する携帯電子機器である。PDA100は、特に、無線LAN(Local Area Network)方式によりアクセスポイントを介して外部機器と無線通信を行う機能を有する。電子機器としては、PDAに限定されるものではなく、無線通信機能を有するHT(Handy Terminal)、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)等、無線通信を行う他の電子機器としてもよい。
図1及び図2に示すように、本実施の形態の電子機器としてのPDA100は、上ケース1と、下ケース2と、を備え、上ケース1と下ケース2との間に、平面円偏波アンテナ3、同軸ケーブル4、導電性部材としての導電性ガスケット5、誘電体としての支持部6、基板7、表示部14等を備える。
平面円偏波アンテナ3は、平板絶縁基板としてのベースフィルム31と、導電体手段としての導電体部32と、を備える。平面円偏波アンテナ3は、無線LAN通信の平面円偏波アンテナであり、無線電波を受信するとともに、無線電波を放射する。平面円偏波アンテナ3は、ベースフィルム31の裏に銅箔等の導電体部32がパターン形成されており、導電体部32が同軸ケーブル4を介して基板7と接続されている。ベースフィルム31は、絶縁材料により形成されている。平面円偏波アンテナ3は、導電性ガスケット5及び支持部6を挟んで下ケース2に設置されている。
導電性ガスケット5は、平面円偏波アンテナ3を支持し、導電性を有し、且つ下ケース2のフレーム21のフレームグランドに接続される。導電性ガスケット5としては、例えば、長方形のゴムスポンジ等の絶縁弾性体周囲に導電体(例えば、金網)で包囲したものが用いられる。しかし、導電性ガスケット5に代えて、金属の固まり、炭素繊維入り繊維等を用いた導電性の支持部を用いる構成としてもよい。支持部6は、平面円偏波アンテナ3を支持し、例えば、ゴム等の誘電体の材料が用いられる。
PDA100には、図示しない2次電池が搭載され、当該2次電池から各部に電力供給される。また、基板7によりアンテナ電流が生成されて同軸ケーブル4を介して導電体部32に供給されることにより導電体部32から電波が放射される。また、平面円偏波アンテナ3が電波を受信して流れる内部電流が導電体部32から同軸ケーブル4を介して基板7に入力される。
図3に、PDA100の内部構成を示す。図3に示すように、PDA100は、CPU(Central Processing Unit)11、入力部12、RAM(Random Access Memory)13、表示部14、ROM(Read Only Memory)15、平面円偏波アンテナ3と接続される無線通信部16、フラッシュメモリ17、I/F(InterFace)18等を備えて構成され、各部がバス19を介して接続されている。
CPU11は、PDA100の各部を中央制御する。CPU11は、ROM15に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM13に展開し、RAM13に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
CPU11は、各種プログラムとの協働により、入力部12を介する操作情報の入力を受け付け、ROM15から各種情報を読み出し、フラッシュメモリ17に各種情報の読み書きを行い、無線通信部16を介して外部機器と無線通信を行い、I/F18を介して外部機器と有線通信を行う。
入力部12は、指、タッチペン等で入力された操作入力情報を受け付けてCPU11に出力する。また、入力部12は、表示部14と一体的にタッチパネルが構成される。また、入力部12は、さらに、カーソルキー、数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーパッドを含む構成とし、操作者からの各キーの押下による操作入力情報をCPU11に出力する構成としてもよい。
RAM13は、揮発性のメモリであり、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納するワークエリアを有し、情報を一時的に格納する。表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)、ELD(ElectroLuminescent Display)等で構成され、CPU11からの表示信号に従って画面表示を行う。
ROM15は、各種プログラム、各種データの情報が予め読み出し専用に記憶される記憶部である。
無線通信部16は、平面円偏波アンテナ3と接続され、平面円偏波アンテナ3を介して無線LAN方式によりアクセスポイント等を介して外部機器と情報の送受信を行う。本実施の形態では、無線通信として、周波数帯域が2.45[GHz]帯の無線LAN通信を用いる場合を説明する。しかし、これに限定されるものではなく、無線通信として、周波数帯域が5.2[GHz]帯等、他の周波数帯域の無線LAN通信や、他の通信方式の無線通信としてもよい。
フラッシュメモリ17は、各種データ等の情報が読み出し及び書き込み可能な記憶部である。I/F18は、通信ケーブルを介して外部機器と情報を送受信する。I/F18は、例えば、USB(Universal Serial Bus)方式の有線通信部である。
次に、図4〜図6を参照して、平面円偏波アンテナ3の装置構成を説明する。図4に、平面円偏波アンテナ3の平面構成を示す。図5に、平面円偏波アンテナ3の斜視構成を示す。図6に、平面円偏波アンテナ3のフレーム21への取り付けの状態を示す。
図4に示すように、ベースフィルム31の裏に導電体部32が切込み等により形成されている。導電体部32は、グランド手段としての矩形のグランド面部33と、逆Fアンテナ手段の逆Fアンテナ部34と、を一平面上に有する。また、グランド面部33は、スロットアンテナ手段としてのスロットアンテナ(スリットアンテナ)部35と、短絡手段としてのグランドショート部36と、を有する。
逆Fアンテナ部34は、逆F字の形状を有するアンテナである。逆Fアンテナ部34は、L字の形状のL型部341と、突起部342と、を備えて構成される。突起部342において、同軸ケーブル4の芯線と接点部343とが半田付け等により接続されている。
グランド面部33において、同軸ケーブル4のアース線(網状の導線)と接点部331とが半田付け等により接続されている。逆Fアンテナ部34において、接点部343と、突起部342と、L型部341の一部と、接点部331と、を含むループ上に内部電流が流れ、水平偏波の電波が放射される。また、逆Fアンテナ部34において、水平偏波の電波が受信されると、接点部343と、突起部342と、L型部341の一部と、接点部331と、を含むループ上に内部電流が流れる。
L型部341の長辺、短辺の長さは、L1,L2である。逆Fアンテナ部34は、波長の1/4倍の長さが(L1+L2)となる電波と共振する。このため、無線LAN通信の放射又は受信する周波数帯域の電波の波長の1/4倍が長さ(L1+L2)となるように逆Fアンテナ部34の形状が設定されている。
グランド面部33の各辺の長さは、無線LAN通信の放射又は受信する周波数帯域の電波の波長の1/4倍より長く設定される。グランド面部33は、矩形のスロット351が空けられ、このスロット351を有するスロットアンテナ部35が構成される。スロット351の上下の長手方向に互いに逆向きの電流が流れ、スロット351周囲に内部電流が流れ、スロット351の上下間(短手方向間)に電圧が発生し、垂直偏波の電波が放射される。また、スロットアンテナ部35において、垂直偏波の電波が受信されると、スロット351周囲に内部電流が流れる。
図5及び図6に示すように、平面円偏波アンテナ3は、導電性ガスケット5及び支持部6を挟んで、フレーム21に設置される。また、スロット351の長辺の長さは、L3である。スロットアンテナ部35は、波長の1/4倍の長さがL3となる電波と共振するように設計される。
さらに、スロットアンテナ部35の裏には、スロット351の片面を全て覆うように支持部6が貼り付けられる。このため、支持部6の誘電率に応じて、スロット351の長手方向の長さがさらに短縮される。対象周波数の波長に対する支持部6の誘電率によるスロット351の長さの短縮効果は、次式(1)で表される。
1/(εeff1/2 …(1)
本実施の形態の支持部6は、材料がゴムであり、その誘電率εeff=4程度である。このため、式(1)の値が約0.5となり、スロット351の長手方向の長さL3を約0.5倍に短縮できる。支持部6の材料は、ゴムに限定されるものではない。例えば、支持部6の材料がセラミックである場合に、その誘電率εeff=90程度である。このとき、式(1)の値が0.1054となり、スロット351の長さL3を約0.1倍に短縮できる。
グランドショート部36は、逆Fアンテナ部34とスロットアンテナ部35との間の一部の領域に設けられる。また、下ケース2のフレーム21は、フレームグランドとして機能する。このため、グランドショート部36は、導電性ガスケット5を介してフレーム21のフレームグランドにショートされている。このため、グランドショート部36を内部電流が流れない。よって、逆Fアンテナ部34とスロットアンテナ部35との間に流れる内部電流は、グランドショート部36を迂回してグランド面部33上の領域を流れる。このため、逆Fアンテナ部34に流れる電流と、スロットアンテナ部35に流れる電流とに位相差が発生する。グランドショート部36の位置、長さは、逆Fアンテナ部34に流れる電流が実験的に適切になるように設定される。
次いで、図7を参照して、平面円偏波アンテナ3により放射される電波を説明する。図7(a)に、逆Fアンテナ部34及びスロットアンテナ部35により放射される電波を示す。図7(b)に、水平偏波及び垂直偏波の合成の状態を示す。
図7(a)に示すように、平面円偏波アンテナ3において、逆Fアンテナ部34の長手方向を横方向とした場合に、逆Fアンテナ部34では、水平偏波の電波が放射される。同様に、スロットアンテナ部35では、垂直偏波の電波が放射される。この水平偏波と垂直偏波とには、位相差が生じている。
図7(b)に示すように、平面円偏波アンテナ3から放射される水平偏波及び垂直偏波の電波は、合成されて円偏波となる。このため、放射の効率(アクセスポイントの受信感度)を高めるために、アクセスポイントの向きに対応して水平偏波及び垂直偏波のいずれか一方に平面円偏波アンテナ3の偏波面を合わせる必要がなく、平面円偏波アンテナ3の指向性がよい。
平面円偏波アンテナ3の電波受信においては、単一の偏波の電波を偏波方向に寄らず受信感度を安定できる。また、平面円偏波アンテナ3で円偏波の電波も受信できる。
次いで、図8を参照して、平面円偏波アンテナ3の電波放射時の内部電流の分布を説明する。図8(a)に、第1の状態での平面円偏波アンテナ3に流れる電流の分布を示す。図8(b)に、第2の状態での平面円偏波アンテナ3に流れる電流の分布を示す。図8(c)に、第3の状態での平面円偏波アンテナ3に流れる電流の分布を示す。図8(d)に、第4の状態での平面円偏波アンテナ3に流れる電流の分布を示す。
図8(a)〜(d)において、単位長さあたりの電流量が大きいほど、濃度を濃く表現した。また、図8(a)〜(d)の数値の単位は、[Amps/m]である。同軸ケーブル4を介して平面円偏波アンテナ3に給電される電流は、位相給電により周期性を有する。このため、平面円偏波アンテナ3の電波放射時の内部電流は、図8(a)の第1の状態→図8(b)の第2の状態→図8(c)の第3の状態→図8(d)の第4の状態→図8(a)の第1の状態というように、周期的に遷移する。また、グランドショート部36は、グランドショートされているため、電流が流れていない。
先ず、図8(a)の第1の状態においては、平面円偏波アンテナ3の給電点からの位相給電により、逆Fアンテナ部34に最大の電流が流れる。このため、逆Fアンテナ部34からの電波の放射が始まる。また、逆Fアンテナ部34に流れる電流は、グランドショート部36で止まり、それ以外の部分には広がらない(電流が流れていない)。このため、スロットアンテナ部35には電流が流れなく、スロットアンテナ部35からの電波の放射がほとんどない。
そして、図8(b)の第2の状態においては、位相給電の位相が進み、逆Fアンテナ部34に流れる電流の減少に伴い、誘導による逆位相の電流がスロットアンテナ部35のスロット351周辺に流れ始める。このとき、逆Fアンテナ部34及びスロットアンテナ部35は、逆位相の弱い電波を放射している。
そして、図8(c)の第3の状態においては、逆Fアンテナ部34に流れる電流が最低になり、誘導で生じているスロットアンテナ部35に流れる逆位相の電流が最大になる。このため、スロットアンテナ部35から最大の電波が放射される。逆Fアンテナ部34からの電波の放射は、ほとんどない。
そして、図8(d)の第4の状態においては、位相給電の位相が進み、スロットアンテナ部35に流れる電流の減少に伴い、逆Fアンテナ部34に流れる電流が増加していく。このとき、逆Fアンテナ部34及びスロットアンテナ部35は、逆位相の弱い電波を放射している。第1〜第4の状態の電流分布の変化により、互いに位相がずれた水平偏波及び垂直偏波が平面円偏波アンテナ3から放射され、その2つの偏波の合成は、ねじれるような変化を起こし、図7(b)に示す円偏波の放射が実現できる。
図9に、平面円偏波アンテナ3の周波数2.45[GHz]に対するSパラメータ(Scattering Parameter)[dB]の特性を示す。図9に示すように、平面円偏波アンテナ3は、無線LAN通信の周波数帯である周波数2.45[GHz]帯でSパラメータ[dB]が最も低くなり、周波数2.45[GHz]帯にマッチングがとれていることが分かる。
以上、本実施の形態によれば、平面円偏波アンテナ3の逆Fアンテナ部34及びスロットアンテナ部35間にグランドショート部36を設けた。このため、逆Fアンテナ部34に給電される電流と位相差のある電流を容易に得ることができる。この位相差のある電流がスロットアンテナ部35に流れることにより、逆Fアンテナ部34から水平偏波を放射し、スロットアンテナ部35から垂直偏波を放射し、その合成により円偏波を放射できる。
また、グランド面部33にグランドショート部36及びスロットアンテナ部35を設けた。このため、平面円偏波アンテナ3を小型化できる。
また、スロットアンテナ部35の矩形のスロット351の片面に誘電体の支持部6を貼り付けた。このため、スロット351の長さを短くでき、平面円偏波アンテナ3を小型化できる。また、スロット351がシンプルな矩形である。このため、スロット351を容易に形成できる。
また、放射又は受信する電波の波長の1/4倍に合わせて平面円偏波アンテナ3を構成し、グランド面部33の一辺の長さを当該電波の波長の1/4倍より長くした。このため、平面円偏波アンテナ3を容易に構成できるとともに小型化できる。
また、グランドショート部36を、導電性ガスケット5を介して下ケース2のフレーム21のフレームグランドにショートさせる。このため、フレーム位置に近い位置に平面円偏波平面円偏波アンテナ3を容易に実装でき、実装位置の制約を少なくすることができる。
また、平面円偏波アンテナ3を、携帯用の小型の電子機器であるPDA100に容易に実装できる。
(第1の変形例)
図10を参照して、上記実施の形態の第1の変形例を説明する。図10に、平面円偏波アンテナ3Aの平面構成を示す。
図10に示すように、本変形例の平面円偏波アンテナ3Aは、平面円偏波アンテナ3のグランドショート部36をグランドショート部37に代えた構成である。本変形例の導電性ガスケット(図示せず)は、矩形筒状であり、これに対応して、グランドショート部37も矩形枠状の構成である。
本変形例の平面円偏波アンテナ3Aによれば、上記実施の形態と同様の効果を奏するとともに、グランドショート部37を軽量化できる。
(第2の変形例)
図11を参照して、上記実施の形態の第2の変形例を説明する。図11(a)に、平面円偏波アンテナ3Bの一部平面構成を示す。図11(b)に、平面円偏波アンテナ3Cの一部平面構成を示す。図11(c)に、平面円偏波アンテナ3Dの一部平面構成を示す。
本変形例の平面円偏波アンテナ3B〜3Dは、上記実施の形態の平面円偏波アンテナ3における同軸ケーブル4の給電位置を変更した構成である。なお、図11(a)〜図11(c)では、図を見やすくするため、ベースフィルム31を省略した。
図11(a)に示すように、本変形例の平面円偏波アンテナ3Bは、上記実施の形態の平面円偏波アンテナ3の逆Fアンテナ部34を逆Fアンテナ部34Bに代えた構成である。逆Fアンテナ部34Bは、L型部341のみを備えて構成される。L型部341において、同軸ケーブル4の芯線と接点部344とが半田付け等により接続されている。また、グランド面部33において、同軸ケーブル4のアース線と接点部331とが半田付け等により接続されている。電波の放射又は受信時に、接点部344と、L型部341の一部と、接点部331と、を含むループ上に内部電流が流れる。このループ長は、平面円偏波アンテナ3の逆Fアンテナ部34のループ長と同じ長さである。
図11(b)に示すように、本変形例の平面円偏波アンテナ3Cは、上記実施の形態の平面円偏波アンテナ3の逆Fアンテナ部34を逆Fアンテナ部34Cに代えた構成である。逆Fアンテナ部34Cは、L型部341と、突起部345と、を備えて構成される。突起部345において、同軸ケーブル4の芯線と接点部346とが半田付け等により接続されている。また、グランド面部33において、同軸ケーブル4のアース線と接点部331とが半田付け等により接続されている。電波の放射又は受信時に、接点部346と、突起部345と、L型部341の一部と、接点部331と、を含むループ上に内部電流が流れる。このループ長は、平面円偏波アンテナ3の逆Fアンテナ部34のループ長と同じ長さである。
図11(c)に示すように、本変形例の平面円偏波アンテナ3Dは、上記実施の形態の平面円偏波アンテナ3の逆Fアンテナ部34を逆Fアンテナ部34Dに代えた構成である。逆Fアンテナ部34Dは、L型部341と、突起部347と、を備えて構成される。突起部347において、同軸ケーブル4の芯線と接点部348とが半田付け等により接続されている。また、L型部341において、同軸ケーブル4のアース線と接点部349とが半田付け等により接続されている。電波の放射又は受信時に、接点部348と、突起部347と、L型部341の一部と、接点部349と、を含むループ上に内部電流が流れる。このループ長は、平面円偏波アンテナ3の逆Fアンテナ部34のループ長と同じ長さである。
以上、本変形例の平面円偏波アンテナ3B〜3Dによれば、上記実施の形態と同様の効果を奏するとともに、実施態様に合わせて、給電点を適切に設定できる。
(第3の変形例)
図12を参照して、上記実施の形態の第3の変形例を説明する。図12(a)に、平面円偏波アンテナ3Eの平面概略構成を示す。図12(b)に、平面円偏波アンテナ3Fの平面概略構成を示す。図12(c)に、平面円偏波アンテナ3Gの平面概略構成を示す。
本変形例の平面円偏波アンテナ3E〜3Gは、上記実施の形態の平面円偏波アンテナ3におけるスロットアンテナ部35の形状を変更した構成である。なお、図12(a)〜図12(c)では、図を見やすくするため、ベースフィルム31を省略した。
図12(a)に示すように、本変形例の平面円偏波アンテナ3Eは、上記実施の形態の平面円偏波アンテナ3のスロットアンテナ部35をスロットアンテナ部35Eに代えた構成である。スロットアンテナ部35Eは、スロット352を備えて構成される。スロット352は、上記実施の形態のスロット351に比べて、短手方向の長さが長くなっている。なお、スロット352のアスペクト比は、実験的にアンテナ特性が適切な値に適宜変更することが好ましい。
図12(b)に示すように、本変形例の平面円偏波アンテナ3Fは、上記実施の形態の平面円偏波アンテナ3のスロットアンテナ部35をスロットアンテナ部35Fに代えた構成である。スロットアンテナ部35Fは、スロット353を備えて構成される。スロット353は、波形状であり、矩形状の構成に比べて、同じ面積でスロットの周囲の長さを長くできる。波形の波の数は、少なくとも一つとする。
図12(c)に示すように、本変形例の平面円偏波アンテナ3Gは、上記実施の形態の平面円偏波アンテナ3のスロットアンテナ部35をスロットアンテナ部35Gに代えた構成である。スロットアンテナ部35Gは、スロット354を備えて構成される。スロット354は、クランク形状であり、矩形状の構成に比べて、同じ面積でスロットの周囲の長さを長くできる。
以上、本変形例の平面円偏波アンテナ3E〜3Gによれば、上記実施の形態と同様の効果を奏するとともに、スロットの形状を適切に設定できる。また、本変形例の平面円偏波アンテナ3Eによれば、スロットを容易に形成できる。また、本変形例の平面円偏波アンテナ3F,3Gによれば、スロットの長さを容易に長くでき、更に小型化できる。
(第4の変形例)
図13を参照して、上記実施の形態の第4の変形例を説明する。図13(a)に、平面円偏波アンテナ3を取り付けたフレーム21Aの斜視構成を示す。図13(b)に、平面円偏波アンテナ3を取り付けたフレーム21Bの斜視構成を示す。
本変形例のフレーム21A,21Bは、上記実施の形態の平面円偏波アンテナ3における下ケース2のフレーム21の形状を変更した構成である。
図13(a)に示すように、本変形例の下ケースのフレーム21Aは、スペーサ22を備える構成である。スペーサ22の上に平面円偏波アンテナ3が設置される。平面円偏波アンテナ3のグランド面部33には、スペーサ22に対応するグランドショート部36Aを有する。フレーム21Aは、フレームグランドとして機能する。このため、スペーサ22自体が、フレーム21Aのフレームグランドとなる。
図13(b)に示すように、本変形例の下ケースのフレーム21Bは、リブ23を備える構成である。リブ23の上に平面円偏波アンテナ3が設置される。平面円偏波アンテナ3のグランド面部33には、リブ23に対応するグランドショート部36Bを有する。フレーム21Bは、フレームグランドとして機能する。このため、リブ23自体が、フレーム21Bのフレームグランドとなる。
以上、本変形例によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏するとともに、平面円偏波アンテナ3をフレームに近い位置に容易に実装できる。
(第5の変形例)
図14を参照して、上記実施の形態の第5の変形例を説明する。図14に、平面円偏波アンテナ3Hの平面構成を示す。
図14に示すように、本変形例の平面円偏波アンテナ3Hは、平面円偏波アンテナ3の逆Fアンテナ部34、スロットアンテナ部35を、逆Fアンテナ部34H、スロットアンテナ部35Hに代えた構成である。逆Fアンテナ部34Hは、L型部341Hと、突起部342と、を備える。L型部341Hは、印部34aを有する。印部34aは、導電体のL型部341Hにつけられた目印である。L型部341Hの長手方向の長さがL1であり、短手方向の長さがL2である。また、L型部341Hの矩形部分の交差部から印部34aまでの長さをL4とする。
また、スロットアンテナ部35Hは、スロット351H内に対抗する突起部355を有する。スロット351Hの長手方向の長さをL3とし、スロット351Hの一端から突起部355までの長さをL5とする。
無線LAN通信の周波数帯域が2.45[GHz]帯の電波の波長の1/4倍が、長さ(L1+L2)に対応する。また、図示しない支持部の貼り付けによる短縮効果を考えないとすると、2.45[GHz]帯の電波の波長の1/4倍が、スロット351Hの長さL3に対応する。
また、別の規格としての無線LAN通信の周波数帯域が5.2[GHz]帯の電波の波長の1/4倍が、長さ(L4+L2)に対応する。また、5.2[GHz]帯の電波の波長の1/4倍が、長さL5に対応する。
このため、平面円偏波アンテナ3Hを2.45[GHz]帯の電波の波長で使用する場合に、平面円偏波アンテナ3Hをそのまま使用する。平面円偏波アンテナ3Hにより、2.45[GHz]帯の電波の放射及び受信が可能となる。これに対し、平面円偏波アンテナ3Hを5.2[GHz]帯の電波の波長で使用する場合に、L型部341Hを印部34aで切断し、切断した部分を除去し、スロット351Hの突起部355を半田付けする。この加工した平面円偏波アンテナ3Hにより、5.2[GHz]帯の電波の放射及び受信が可能となる。
また、周波数帯域により、印部34aを切断し且つ突起部355を半田付けしない、又は印部34aを切断せず且つ突起部355を半田付けすることとしてもよい。
以上、本変形例によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏するとともに、無線通信の周波数帯域に対応して、平面円偏波アンテナ3を容易に適切な形状に変更できる。
なお、上記実施の形態及び変形例における記述は、本発明に係る平面円偏波アンテナ及び電子機器の一例であり、これに限定されるものではない。
上記実施の形態及び変形例において、スロットアンテナ部のスロットは、一方の片面にベースフィルム31が貼り付けられ、もう一方の片面に誘電体としての支持部6が貼り付けられる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、スロットの両面を覆うように誘電体を貼り付ける構成としてもよい。また、誘電体がスロットに対応する凸部を有し、その凸部がスロットと嵌合し、スロット内部が誘電体で満たされる構成としてもよい。
また、上記実施の形態における平面円偏波アンテナ3、PDA100の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
本発明に係る実施の形態の上ケース1を外したPDA100の構成を示す斜視図である。 上ケース1を外したPDA100の構成を示す断面図である。 PDA100の内部構成を示すブロック図である。 平面円偏波アンテナ3の構成を示す平面図である。 平面円偏波アンテナ3の構成を示す斜視図である。 平面円偏波アンテナ3のフレーム21への取り付けの状態を示す図である。 (a)は、逆Fアンテナ部34及びスロットアンテナ部35により放射される電波を示す図である。(b)は、水平偏波及び垂直偏波の合成の状態を示す図である。 (a)は、第1の状態での平面円偏波アンテナ3に流れる電流の分布を示す図である。(b)は、第2の状態での平面円偏波アンテナ3に流れる電流の分布を示す図である。(c)は、第3の状態での平面円偏波アンテナ3に流れる電流の分布を示す図である。(d)は、第4の状態での平面円偏波アンテナ3に流れる電流の分布を示す図である。 平面円偏波アンテナ3の周波数に対するSパラメータ特性を示す図である。 平面円偏波アンテナ3Aの構成を示す平面図である。 (a)は、平面円偏波アンテナ3Bの一部構成を示す平面図である。(b)は、平面円偏波アンテナ3Cの一部構成を示す平面図である。(c)は、平面円偏波アンテナ3Dの一部構成を示す平面図である。 (a)は、平面円偏波アンテナ3Eの構成を示す平面概略図である。(b)は、平面円偏波アンテナ3Fの構成を示す平面概略図である。(c)は、平面円偏波アンテナ3Gの構成を示す平面概略図である。 (a)は、平面円偏波アンテナ3を取り付けたフレーム21Aの構成を示す斜視図である。(b)は、平面円偏波アンテナ3を取り付けたフレーム21Bの構成を示す斜視図である。 平面円偏波アンテナ3Hの構成を示す平面図である。
符号の説明
100 PDA
1 上ケース
2 下ケース
21,21A,21B フレーム
22 スペーサ
23 リブ
3,3A,3B,3C,3D,3E,3F,3G,3H 平面円偏波アンテナ
31 ベースフィルム
32 導電体部
33 グランド面部
331 接点部
34,34B,34C,34D,34H 逆Fアンテナ部
341,341H L型部
342,345,347 突起部
343,344,346,348,349 接点部
34a 印部
35,35E,35F,35G,35H スロットアンテナ部
351,352,353,354,351H スロット
355 突起部
36,36A,36B,37 グランドショート部
4 同軸ケーブル
5 導電性ガスケット
6 支持部
7 基板
11 CPU
12 入力部
13 RAM
14 表示部
15 ROM
16 無線通信部
17 フラッシュメモリ
18 I/F
19 バス

Claims (8)

  1. 平板絶縁基板と、
    前記平板絶縁基板上に設けられる導電体手段と、を備え、
    前記導電体手段は、
    給電点を有する逆Fアンテナ手段と、
    グランド手段と、を備え、
    前記グランド手段は、
    スロットを有するスロットアンテナ手段と、
    前記逆Fアンテナ手段と前記スロットアンテナ手段との間の一部の領域に設けられ、グランドに短絡された短絡手段と、を備えることを特徴とする平面偏波アンテナ。
  2. 前記スロットアンテナ手段は、そのスロットの少なくとも片面が誘電体により覆われていることを特徴とする請求項1に記載の平面偏波アンテナ。
  3. 前記グランド手段は、一辺の長さが、通信する電波の波長の1/4倍より長いことを特徴とする請求項1又は2に記載の平面偏波アンテナ。
  4. 前記短絡手段は、グランドに接続された導電性部材との接触により、グランドに短絡されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の平面偏波アンテナ。
  5. 前記短絡手段は、フレームグランドを有するフレームのスペーサ又はリブとの接触により、グランドに短絡されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の平面偏波アンテナ。
  6. 前記スロットは、矩形形状であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の平面偏波アンテナ。
  7. 前記スロットは、波形形状又はクランク形状であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の平面偏波アンテナ。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の平面偏波アンテナと、
    前記平面偏波アンテナを介する通信を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする電子機器。
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