JP2008187544A - 携帯端末装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】携帯端末装置1は、アイドルハンドオフを実行するにあたり、基地局からNリストを取得し、現状のバンドクラスにおける使用周波数のエネルギー強度が弱く、かつ、Nリストに基づいたサーチ実行後、ソフトハンドオフ可能な同バンドクラスの他基地局がなかったことが確認された場合には、更にハードハンドオフを実行するために他のバンドクラスのサーチ処理を行う。このとき、Nリスト中の異バンドクラスの基地局を抽出してサーチ処理を行い、そのサーチ順につき、事前に蓄積していたバンドクラスにおけるEリストに基づき高い順にソートしてサーチ処理を試行する。そして、ハンドオフ条件に合致してハードハンドオフするとそのEリストをクリアする。
【選択図】図2
Description
なお、旧800MHz帯と新800MHz帯とでは、使用する周波数帯のうち上り、下りの割り当て等が相違している。こうした背景から、現在の周波数帯(旧800MHz帯)、新たな周波数(新800MHz帯)、及び周波数帯(2GHz帯)での通信が可能なマルチバン対応の携帯端末装置が開発されている。
通信を行う基地局(通信チャネル)を切替える機能はハンドオフ(或いはハンドオーバ)と呼ばれ、ハンドオフにはソフトハンドオフとハードハンドオフの2種類が存在する(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
すなわち、現在通信中の基地局(ハンドオフ元)と新しく通信したい基地局(ハンドオフ先)を一時的に同時通信状態にした後、基地局の切替え処理を行う。
具体的には、現在通信中の基地局は、近隣の基地局リストを出力しており、携帯端末装置がこれを受信してリスト中の各基地局とのパイロット信号の信号強度を測定し、この結果を携帯端末装置が現在通信中の基地局に送信し、当該結果を基に基地局がハンドオフ先の基地局を決定し、これにより、周波数帯の変更を伴わないハンドオフが行われる。
しかし、ソフトハンドオフは常に可能である訳ではない(2つの基地局がその携帯端末に対して同一の周波数でサービスを提供できない場合等はソフトハンドオフできない)ため、ハードハンドオフが行われる。
ハードハンドオフは、第1の基地局から第2の基地局へ通信を移行する際に、第2の基地局に通信を切替える直前まで第1の基地局との通信を維持するものの、一旦第1の基地局との周波数同期を解除して周波数帯の切替えを行う。このため、周波数帯の切替え時に通信の瞬断が生じてしまう。
このうち、MAHHOでは、携帯端末は現在通信中の第1の基地局から指定された異なる周波数帯の近隣の周辺基地局リストを受信し、第1の基地局からのサーチ命令に従って、指定されたリストの周波数に一瞬だけ切替えてリスト内の基地局のサーチを行う。
リスト内の基地局のサーチにおいて、携帯端末装置はリスト中の全ての基地局とのパイロット信号のエネルギー強度を測定する。携帯端末装置は、周波数を再度元の周波数に切替えて、測定した全ての基地局(チャネル)のエネルギー強度を第1の基地局に報告し、第1の基地局は、報告されたエネルギー強度を基にリスト中の基地局から第2の基地局を決定する。そして、第2の基地局に通信を切替えるための指示を携帯端末装置に送信して、携帯端末装置はこの指示に従ってハンドオフを実行する。
その一方で、前述したように、昨今の携帯端末装置は複数の周波数帯(新・旧800MHz帯、2GHz帯など)に対応するようになってきている。すなわち、周波数帯ごとに信号強度の強い基地局がそれぞれ存在しうる。ここで、各周波数帯を識別するために、各周波数帯にはバンドクラスと呼ばれる番号が付与されている。
このように、複数の周波数帯に対応した携帯端末装置においても、アイドルハンドオフを行なうため、基地局から受信した近隣の周辺基地局リストの中には、現在使用しているバンドクラス以外で遷移可能なバンドクラスの基地局リストが含まれている必要がある。上記した近隣の周辺基地局リストを受信したとき、その周辺基地局リストに異なるバンドクラスのパイロットが含まれていた場合、携帯端末装置は、現在待受けしているバンドクラスから近隣の周辺基地局リスト内に含まれている別のバンドクラスに切り替えてサーチを行う。したがって、自バンドクラスのみをサーチしている場合に比べて電流の消費が多くなる。
すなわち、異なるバンドクラスに対するサーチを行うことによって周波数の切替えが発生し、それによって消費電流は増える。また周波数を異なるバンドクラスに切り替えている間は、待受中のバンドクラスの基地局の監視は出来ないため、着信の捕捉ができず、あるいはハンドオフが良好に実行できずに最終的にはロストしてしまう可能性があることが考えられる。つまり、周波数を切り替える時間が短ければ短い程、回数が少なければ少ない程、消費電流は少なくなり、システム的にもリスクは少なくなることになる。
例えば、一つの基地局から携帯電話に報知される情報の中に近隣基地局リスト(Neighbor List:以降Nリスト)等において、携帯電話の周辺に存在する通信システムを携帯電話に報知する等のためにこのバンドクラスが使用される。なお、現在の周波数帯(旧800MHz帯)はバンドクラス3、新たな周波数帯(新800MHz帯)はバンドクラス0、高周波の周波数帯(2GHz帯)はバンドクラス6にそれぞれ分類されている。
これらの周波数帯には予め優先度が設定されており、バンドクラス6の優先度が最も高く、次いでバンドクラス0であり、バンドクラス3の優先度が最も低い。なお、ここで説明したバンドクラスおよび優先度はあくまで一例であって、通信事業者のインフラ配備状況に大きく左右される。
待ち受け時において、制御部12は、通信部11により、現在待ち受け中の基地局から周辺基地局情報(PN符号と、それぞれのPN符号に対応付けられて使用するバンドクラス・周波数帯を特定する情報が含まれる)であるNリストを受信する。そして、このNリストに基づいて、ハンドオフのためのサーチリストを生成し、これに基づいたハンドオフ処理を行う。
具体的には、待ち受けとして現在基地局との間で通信可能な状態において、所定周期ごとにサーチリストを参照してハンドオフの要否判定を行う。特に、サーチリストを生成する際に、Nリスト中にて通知されるPN符号群のうち、現在使用中の第1の周波数帯に一致するPN符合を上位に、残り(すなわちバンドクラスの異なるもの、プライマリ・セカンダリ周波数)の第2の周波数帯に属するPNを下位に位置させるリストとする。そして、これにより、間欠的なハンドオフ判定の際には、まず、上位のPN符号についてのパイロット信号強度の測定を行って、良好なパイロット信号強度の得られるPN符号があれば、これに対応する基地局にソフトハンドオフを行なう。そして、ソフトハンドオフ可能なPN符号が無ければ、残りの下位のPN符号、すなわち現在使用中の第1の周波数帯と異なる第2の周波数帯が指定されるPN符合についてサーチし、ハードハンドオフ可否の判定を行うこととなる。
また、ソフトハンドオフできなかった場合には、制御部12は、サーチリストの残りのPN符号のうち、Eリストに示されるエネルギー強度が良好なPN符合と一致するものを特定し、現在使用中の周波数帯とは異なり、なおかつこのPN符合に対応付けられる第2の周波数帯のサーチから優先的に行い、充分な信号強度が得られればハンドオフ処理する。詳細は後述する。
すなわち、制御部12は、ハンドオフ候補が複数ある場合や、1回のハンドオフではうまくいかなかった場合を想定してEリストの信号強度が良好な順に優先度をつけてサーチを実行する。詳細は後述する。
制御部12はまた、Eリストを、ハンドオフ判定処理を複数回は行うことのできる程度の所定時間経過すると破棄するか、ハードハンドオフあるいはソフトハンドオフの少なくともいずれかを行うと、第1周波数信号強度リストを破棄する。すなわち、時間が経過して物理的な位置が変更した場合、Nリストによる制限をEリストで行うことが逆効果にならないように配慮したものである。
一方、ソフトハンドオフ可能な強度のパイロット信号が無かった場合、これらのPN符号に対応付けた測定結果をEリストに順次追加蓄積して保持しておくこととなる。
信号強度測定の方法はパイロット信号のエネルギー強度を測定する方法があるが、ここでは信号強度測定の方法について限定しない。また、周波数設定部125は、後述するハンドオフ処理部121、122が解析したハンドオフ指示に示される新基地局の周波数割当てに応じて通信部11の周波数切替え制御を行う。
なお、上記した記憶部13は、例えば不揮発性の記憶デバイス(不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置、光ディスク装置など)やランダムアクセス可能な記憶デバイス(例えばSRAM、DRAM)などによって構成される。
すなわち、音声処理部14は、MICから入力される音声を増幅し、アナログ−デジタル変換を行い、更に符号化等の信号処理を施し、デジタルの音声データに変換して制御部12に出力する。
また、音声処理部14は、制御部12から供給される音声データに復号化、デジタル−アナログ変換、増幅等の信号処理を施し、アナログの音声信号に変換してSPに出力する。
表示部15は、例えば、発信時における発信先の電話番号、着信時における着信相手の電話番号、受信メールや送信メールの内容、日付、時刻、バッテリ残量、発信成否、待ち受け画面などの各種の情報や画像を表示する。
図3に従来例のシーケンス図を、図4に本発明の実施形態に係る携帯端末装置のシーケンス図を示しており、いずれも、携帯電話1と基地局(BS1、BS2、BS3)との間における周波数/バンドクラス間のハンドオフシーケンスが示されている。
続いて携帯電話1は、基地局から取得したNリストにしたがい指定基地局のすべてを順番にサーチし(S304)、ハンドオフの条件を満たすものがあれば(S305“YES”)、その時点で指定された周波数/バンドクラスに切替えてハンドオフを実行する(S306)。そして、ハンドオフが成功すると、携帯電話1は、切り替えた周波数/バンドクラスの先で待受けを行う(S307)。
このため、以下に説明する本発明の実施の形態に係る携帯端末装置(携帯電話1)では、周波数切替えに要する時間および回数はサーチする基地局の数に大きく依存することから、サーチの順番を入れ替えることで他の周波数でサーチをしなければならない基地局の数を減らし、このことにより消費電力を抑え、ハンドオフ判定を迅速に行うようにしたものである。以下にその詳細説明を行う。
制御部12は、ハンドオフが成功すると、切り替えた周波数/バンドクラスの先で待受を行う(S410)。
なお、先に記憶部13に保持したEリストは、時間の経過とともに情報が古くなってしまうため、制御部12(主制御部120)は、タイマ監視部126によって定期的にタイマ監視を行い、タイムアウト発生時にその内容を削除(クリア)するものとする。なお、Eリストをクリアするための条件は、ソフトハンドオフ、もしくはハードハンドオフのいずれか、あるいはその両方を実行して位置登録エリアが変わった場合等でも良く、ここでは、条件の規定は任意とする。図5に、Eリストのクリア処理の流れがフローチャートで示されている。すなわち、主制御部120は、クリア条件が一致したときに(S501“YES”)、先にサーチ結果についてエネルギー強度の高い順に作成し記憶部13に保持したEリストの内容をクリアする(S502)。条件不一致の場合は(S501“NO”)、継続して記憶部13に保持されたEリストを使用する。
基地局を識別するためには、パイロットPN(符号)を使用するが、同一基地局が複数の周波数に対応している場合、パイロットPNが示す基地局は周波数が変更されても同じである可能性が高い。このことを利用し、待受け中に行っている周辺基地局のサーチ結果(Eリスト)をもとに、エネルギー強度が高い基地局があった場合、他の周波数であってもそのパイロットPNに該当する基地局は高いと考える。そして、他のバンドクラスのサーチを実行する場合に、作成したEリストの中から該当する基地局を探し、一致する基地局がある場合には、エネルギー強度の高いパイロットPNが示す基地局を優先的に選択して周波数サーチを実行する。そして、現在使用しているバンドクラスの基地局よりエネルギー強度が高く、ハンドオフの条件を満たす基地局が存在した場合には、その基地局にアイドルハンドオフを実行することとした。このことにより、その後の余分な基地局のサーチを実行することなく、スムーズにハンドオフを実行することが可能になる。
また、本発明によれば、基地局側での変更は一切必要なく、同じパイロットで複数の周波数に対応している基地局構成であれば、携帯電話1のソフトウェアの変更で実現が可能である。また、有効なハンドオフ候補を迅速に探し出すということは、現在の基地局の電波が弱くなる前にハンドオフさせることが可能であるということを意味し、したがって、発着信成功率の向上にもつながる。
Claims (4)
- 複数の基地局を有する通信網において、前記複数の基地局との間で符号および周波数帯にて区分けされるそれぞれの通信を行う基地局を適宜切り替えて無線通信を維持することが可能な携帯端末装置であって、
前記複数の周波数帯から一の周波数帯を選択して通信可能であるとともに、当該複数の周波数帯から1つの周波数帯を選択して無線通信を行う通信部と、
情報を記憶する記憶部と、
前記通信部により使用する周波数帯を変更して無線通信を実行する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記通信部により、現在通信中の基地局にて取得した周辺基地局の情報を含む周辺基地局リストのうち、使用中の周波数帯である第1の周波数における基地局ごとの信号強度を予め測定し、当該測定した信号強度に基づいて、当該信号強度の強さを第1周波数信号強度リストとして前記記憶部に記憶し、
ハンドオフを行う際に、前記第1の周波数における他の基地局へのソフトハンドオフができない場合、現在通信中の基地局にて取得した周辺基地局の情報を含む周辺基地局リストに含まれる前記第1の周波数とは異なる周波数の基地局のうち、前記第1周波数信号強度リストに含まれる基地局と同じ符号を有する基地局から前記通信部の周波数を切り替えてサーチ処理を行うように制御するハードハンドオフ処理を実行する
ことを特徴とする携帯端末装置。 - 前記制御部は、
現在通信中の基地局にて取得した周辺基地局の情報を含む周辺基地局リストに含まれる前記第1の周波数とは異なる周波数の基地局のうち、前記第1周波数信号強度リストにて信号強度が良好な基地局と同じ符号を有する基地局から前記通信部の周波数を切り替えてサーチ処理を行うように制御する前記ハードハンドオフ処理にて、前記通信部の周波数を切り替えてサーチ処理を行う際に、前記第1周波数信号強度リストのうち、信号強度の良好な基地局の符号と一致する符号が付された基地局から順にサーチ処理するとともに、ハンドオフ条件を満たす基地局が見つかるとサーチ処理を終了してハードハンドオフを行う
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。 - 前記制御部は、
前記第1周波数信号強度リストを、所定時間経過すると破棄する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末装置。 - 前記制御部は、
ハードハンドオフあるいはソフトハンドオフの少なくともいずれかを行うと、前記第1周波数信号強度リストを破棄する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末装置。
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