JP2008186291A - 携帯型電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、プリント回路板の基板面積を確保でき、且つ、高い冷却性能を有する携帯型電子機器を得ることにある。
【解決手段】携帯型電子機器1は、排気孔4dが開口する筐体4と、筐体4に収容されるプリント回路板15と、プリント回路板15に実装される発熱体16と、筐体4に収容される第1の冷却ファン21および第2の冷却ファン22とを具備する。筐体4内の空間は、プリント回路板15より上方に広がる上方空間S1と、プリント回路板15より下方に広がる下方空間S2とを含む。第1の冷却ファン21は、上方空間S1に配置されるとともに、上方空間S1内に開口する吸気口31aと排気孔4dに向く排気口31bとを有する。第2の冷却ファン22は、下方空間S2に配置されるとともに、下方空間S2内に開口する吸気口31aと排気孔4dに向く排気口31bとを有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、複数の冷却ファンを備える携帯型電子機器に係り、特に複数の冷却ファンの配置構造に関する。
ポータブルコンピュータのような携帯型電子機器は、筐体内に冷却ファンを備えることが多い。特許文献1には、プリント回路板に実装された回路部品を冷却するファンを備えた電子機器が開示されている。この冷却ファンは、プリント回路板の両面に分かれて配置される上部ロータと底部ロータとを有する。上部ロータには表面羽部が設けられている。底部ロータには裏面羽部が設けられている。上部ロータと底部ロータとは、プリント回路板を貫通して設けられるロータシャフトを介して互いに結合されている。
このような冷却ファンによれば、冷却ファンを回転させるために必要なステータをプリント回路板に直接搭載できるため、冷却ファンの配設に必要なスペースを小さくすることができる。
特開2000−349475号公報
携帯型電子機器に冷却ファンを搭載する場合、通常、冷却ファンより一回り大きな切欠きがプリント回路板に形成される。冷却ファンは、この切欠きに対応して配置され、プリント回路板と水平方向に並べて配置される。このようなプリント回路板は、上記切欠きを形成するために基板面積が制限され、配線設計の複雑化、回路部品の実装制限、および層構造の複雑化を招く。
またこのような携帯型電子機器においてプリント回路板の上面側の通風抵抗とプリント回路板の下面側の通風抵抗とが異なる場合、上記冷却ファンは通風抵抗が小さい空間から多くの空気を吸い込み、通風抵抗が大きい空間からはあまり空気を吸い込まない。つまり通風抵抗が大きい領域の冷却が十分に促進されているとはいえない。
通風抵抗が大きい空間から所定量の吸気を行うために、冷却ファンの回転速度を上げるなどして冷却ファンの吸気量をあげることも考えられる。しかし冷却ファンの回転速度を上げると、通風抵抗が小さい空間から必要以上の吸気を行うため無駄が多く、さらに騒音が大きくなるため好ましくない。
特許文献1に記載の冷却ファンは、表面羽部と裏面羽部とがロータシャフトを介して互いに結合されている。したがって、表面羽部の回転速度と裏面羽部の回転速度は常に同じである。このような冷却ファンを用いると、プリント回路板の上面に沿う空気の流れと下面に沿う空気の流れが略同じとなる。つまりプリント回路板の上面側と下面側とで通風抵抗や必要な空気の吐出量が異なると、最適な冷却運転が実現できるとはいえない。
本発明の目的は、プリント回路板の基板面積を確保でき、且つ、高い冷却性能を有する携帯型電子機器を得ることにある。
上記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る携帯型電子機器は、排気孔が開口する筐体と、上記筐体に収容されるプリント回路板と、上記プリント回路板に実装される発熱体と、上記筐体に収容される第1の冷却ファンと、上記筐体に収容される第2の冷却ファンとを具備する。上記筐体内の空間は、上記プリント回路板より上方に広がる上方空間と、上記プリント回路板より下方に広がる下方空間とを含む。上記第1の冷却ファンは、上記上方空間に配置されるとともに、上記上方空間内に開口する吸気口と上記筐体の排気孔に向く排気口とを有する。上記第2の冷却ファンは、上記下方空間に配置されるとともに、上記下方空間内に開口する吸気口と上記筐体の排気孔に向く排気口とを有する。
この構成によれば、プリント回路板の基板面積を確保できるとともに、高い冷却性能を有する携帯型電子機器を得ることができる。
以下に本発明の実施の形態を、ポータブルコンピュータに適用した図面に基づいて説明する。
図1ないし図3は、本発明の第1の実施形態に係る携帯型電子機器としてのポータブルコンピュータ1を開示している。図1に示すように、ポータブルコンピュータ1は、本体2と表示ユニット3とを備えている。
図1に示すように、本体2は、箱状に形成された筐体4を有する。筐体4は、上壁4a、周壁4b、および下壁4cを有する。筐体4は、上壁4aを含む筐体カバー5と、下壁4cを含む筐体ベース6とに分割されている。筐体カバー5は、筐体ベース6に対して上方から組み合わされ、筐体ベース6に着脱自在に支持されている。上壁4aは、キーボード7を支持している。周壁4bには、例えば複数の排気孔4dが開口している。
表示ユニット3は、ディスプレイハウジング9と、このディスプレイハウジング9に収容された液晶表示モジュール10とを備えている。液晶表示モジュール10は、表示画面10aを有する。表示画面10aは、ディスプレイハウジング9の前面の開口部9aを通じてディスプレイハウジング9の外部に露出している。
表示ユニット3は、筐体4の後端部に一対のヒンジ部11a,11bを介して支持されている。そのため表示ユニット3は、上壁4aを上方から覆うように倒される閉じ位置と、上壁4aを露出させるように起立する開き位置との間で回動可能である。
図1に示すように、本体2の筐体4は、プリント回路板15を収容している。プリント回路板15には、発熱体16が実装されている。発熱体16の一例は、CPU、グラフィックスチップ、ノース・ブリッジ、またはメモリなどである。ただし本発明が適用可能な発熱体は、上記の例に限られず、放熱が望まれる種々の回路部品が該当する。またプリント回路板15の上面15aおよび下面15bには、使用時に熱をもつ種々の回路部品17が実装されている(図3参照)。
図3に示すように、筐体4内の空間は、プリント回路板15より上方に広がる上方空間S1と、プリント回路板15より下方に広がる下方空間S2と含む。つまり筐体4内の空間は、プリント回路板15によって上方空間S1と下方空間S2とに区画されているといえる。なお本発明でいう上方空間S1とは、筐体上壁4aとプリント回路板15との間の空間だけではなく、プリント回路板15より上方に広がる空間であればプリント回路板15を外れた領域の空間をも含む。同様に、本発明でいう下方空間S2とは、プリント回路板15より下方に広がる空間であればプリント回路板15を外れた領域の空間をも含む。
プリント回路板15の一例は、このプリント回路板15の厚さ方向(すなわち図3中の上下方向)に沿って、筐体4内の空間の中心から上方に偏心している。すなわち上方空間S1の大きさと下方空間S2の大きさとは異なる。この上方空間S1と下方空間S2との大きさの違いおよび筐体4内の種々の実装構造により、上方空間S1と下方空間S2とは互いに異なる通風抵抗を有する。例えば本実施形態では、上方空間S1の通風抵抗が下方空間S2の通風抵抗に比べて大きい。なおプリント回路板15は、必ずしも偏心している必要はない。
図3に示すように、筐体4は、第1および第2の冷却ファン21,22を収容している。第1の冷却ファン21は、上方空間S1に配置されている。第1の冷却ファン21は、プリント回路板15の厚さ方向に沿ってプリント回路板15に重なり、プリント回路板15に上方から対向している。図2および図3に示すように、第1の冷却ファン21は、その全体がプリント回路板15に重なっている。
第1の冷却ファン21は、ファンケース31と、このファンケース31内で回転駆動されるインペラ32とを有する。第1の冷却ファン21は、薄型の遠心ファンである。ファンケース31には、吸気口31aと排気口31bとが設けられている。吸気口31aは、ファンケース31の上面に形成され、上方空間S1内に開口している。排気口31bは、ファンケース31の側面に形成され、筐体4の排気孔4dに向いている。
第1の冷却ファン21は、吸気口31aから上方空間S1内の空気を吸い込むとともに、筐体4の排気孔4dを向いてその吸い込んだ空気を排気口31bから吐出する。第1の冷却ファン21の一例は、上方空間S1の空気を筐体4の外部に排気し、上方空間S1の冷却を促進するのに十分な性能のものが選定される。
図3に示すように、第2の冷却ファン22は、下方空間S2に配置されている。第2の冷却ファン22は、プリント回路板15の厚さ方向に沿ってプリント回路板15に重なり、プリント回路板15に下方(すなわち第1の冷却ファン21とは反対方向)から対向している。第2の冷却ファン22は、その全体がプリント回路板15に重なっている。
第2の冷却ファン22は、ファンケース31と、このファンケース31内で回転駆動されるインペラ32とを有する。第2の冷却ファン22は、薄型の遠心ファンである。ファンケース31には、吸気口31aと排気口31bとが設けられている。吸気口31aは、ファンケース31の下面に形成され、下方空間S2内に開口している。排気口31bは、ファンケース31の側面に形成され、筐体4の排気孔4dに向いている。
第2の冷却ファン22は、吸気口31aから下方空間S2内の空気を吸い込むとともに、筐体4の排気孔4dを向いてその吸い込んだ空気を排気口31bから吐出する。第2の冷却ファン22の一例は、下方空間S2の空気を筐体4の外部に排気し、下方空間S2の冷却を促進するのに十分な性能のものが選定される。
図3に示すように、第1および第2の冷却ファン21,22は、その間にプリント回路板15を挟むとともに、プリント回路板15の厚さ方向に沿って互いに上下に重なっている。本実施形態に係る第1および第2の冷却ファン21,22は、プリント回路板15に固定されている。ただし第1および第2の冷却ファン21,22の一方または双方を筐体4に固定してもよい。
プリント回路板15は、第1および第2の冷却ファン21,22を制御する制御部を含む。例えば上方空間S1に必要な冷却量に比べて下方空間S2に必要な冷却量が小さい場合は、第2の冷却ファン22は、第1の冷却ファン21に比べて低速駆動されるか若しくは停止される。同様に、例えば下方空間S2に必要な冷却量に比べて上方空間S1に必要な冷却量が小さい場合は、第1の冷却ファン21は、第2の冷却ファン22に比べて低速駆動されるか若しくは停止される。第1および第2の冷却ファン21,22は、それぞれ必要とされる冷却量に合わせて駆動が制御される。
次に、ポータブルコンピュータ1の作用について説明する。
ポータブルコンピュータ1を使用すると、発熱体16が発熱するともに種々の回路部品17が熱をもつ。発熱体16の熱の一部は筐体4内に放出され、残りはプリント回路板15に伝わる。プリント回路板15には、例えば銅箔で形成された配線パターンが設けられている。プリント回路板15に伝わった熱は、この配線パターンなどを介してプリント回路板15のなかで広がる。これらにより筐体4内の上方空間S1内の空気と下方空間S2内の空気はそれぞれ温められる。
図3中の白抜き矢印は空気の流れを示す。第1の冷却ファン21が駆動されると、第1の冷却ファン21は上方空間S1内の温められた空気を吸い込むとともに吸い込んだ空気を筐体4の排気孔4dを通じて筐体4の外部に排気する。これにより筐体4に形成される吸気孔(図示しない)を通じて上方空間S1内に冷たい空気が流れ込み、プリント回路板15の上面15aに実装された発熱体16の冷却が促進される。
第2の冷却ファン22が駆動されると、第2の冷却ファン22は下方空間S2内の温められた空気を吸い込むとともに吸い込んだ空気を筐体4の排気孔4dを通じて筐体4の外部に排気する。これにより下方空間S2内に冷たい空気が流れ込み、プリント回路板15の下面15bに実装された回路部品17の冷却が促進される。
このような構成のポータブルコンピュータ1によれば、プリント回路板15の基板面積を確保できるとともに、高い冷却性能を実現できる。すなわち、二つの冷却ファン21,22をプリント回路板15の上下に分けて搭載することで、プリント回路板15に冷却ファンを避けるための切欠きを設ける必要がなくなる。したがって冷却ファンに邪魔されずにプリント回路板15の基板面積を大きく確保することができる。プリント回路板15の基板面積が大きくなると、配線設計期間の短縮、実装部品の増加によるプリント回路板15の機能向上、およびプリント回路板15の層構造の単純化を図ることができる。
二つの冷却ファン21,22がプリント回路板15の上下に分かれて配置されていると、プリント回路板15の上面15aに実装された部品と下面15bに実装された部品とをそれぞれ十分に冷却することができる。これにより、プリント回路板15の基板面積を確保しても、高い冷却性能を実現することができる。
プリント回路板15の上面15aを冷却する冷却ファン21と下面15bを冷却する冷却ファン22とを個別に設けると、例えばプリント回路板15の上面15aだけを冷却したい場合には、上面15a側の冷却ファン21だけを駆動するとともに下面15b側の冷却ファン22を停止させることができる。すなわち二つの冷却ファン21,22を個別に制御することで、冷却が必要な箇所を必要なだけ冷却することができる。これにより、少エネルギー化を図るとともに、騒音の低減を図ることができる。
筐体4の構造や筐体4内の部品配置により、通常、上方空間S1と下方空間S2とは互いに通風抵抗が異なる。特に本実施形態のようにプリント回路板15が筐体4内の空間の中心から偏心していると、上方空間S1と下方空間S2とで通風抵抗が異なる。本実施形態のように上方空間S1と下方空間S2との個別に冷却ファン21,22が配置すると、その通風抵抗の大小に合わせて各冷却ファン21,22の駆動を制御することができる。
なお図5は本実施形態の変形例の一例を示す。図5に示すように、第1および第2の冷却ファン21,22は、いずれか一方の少なくとも一部のみがプリント回路板15に重なっていてもよい。このようなポータブルコンピュータ1によっても、プリント回路板15の基板面積を確保できるとともに、高い冷却性能を実現できる。ただし図3に示すように第1および第2の冷却ファン21,22が共にプリント回路板15に重なる領域までプリント回路板15が設けられていると、プリント回路板15の基板面積をさらに大きく確保することができる。
第1および第2の冷却ファン21,22が互いに重なっていると、冷却構造を構成する部品が筐体4内の一つの隅部にまとめて実装されることになるので、筐体4内の実装密度を向上させることができ、デッドスペースを減らすことができる。なお第1および第2の冷却ファン21,22は、その全てが互いに重なっていてもよく、一部のみが互いに重なっていてもよい。
さらに第1および第2の冷却ファン21,22が互いに重なっていると、ポータブルコンピュータ1の冷却性能が向上する。すなわちプリント回路板15には通常複数の発熱体16が実装されるが、この複数の発熱体16は一箇所または少数の複数個所にまとめて配置されることが多い。このような発熱体16の実装箇所の近辺に二つの冷却ファン21,22を配置するとポータブルコンピュータ1の冷却性能が向上する。
次に、図4を参照して、一つの冷却ファンに代えて、二つの薄型冷却ファンを搭載することの効果について説明する。
図4は、本実施形態に係る薄型冷却ファン21,22のファン特性と、薄型冷却ファン21,22に対して所定の間係を満たす通常の冷却ファン(以下、通常冷却ファン)のファン特性との実験結果を示す図である。なお所定の間係とは、二つの薄型冷却ファン21,22を互いに重ねたときの体積が一つの通常冷却ファンの体積と略同じであり、且つ、二つの薄型冷却ファン21,22を共に動かしたときの騒音レベル(すなわち音圧レベル)が一つの通常冷却ファンの騒音レベルと略同じであることをいう。
具体的な一例としては、薄型冷却ファン21,22のサイズが50mm×50mm×6mm、通常冷却ファンのサイズが50mm×50mm×12mmであり、二つの薄型冷却ファン21,22を共に動かしたときの騒音レベルおよび通常冷却ファンの騒音レベルが共に38dBである。図4中の電子機器インピーダンス(小)は、14インチサイズのオールインワンタイプのポータブルコンピュータのインピーダンス特性を示し、電子機器インピーダンス(大)は、12インチサイズの薄型ポータブルコンピュータのインピーダンス特性を示す。
本発明者は、同じ実装スペースおよび同じ騒音レベルにおいて、一つの通常冷却ファンを搭載するより二つの薄型冷却ファン21,22を搭載する方が有利な場合があることを見いだした。すなわち、電子機器内を流れる風量は電子機器のインピーダンス(すなわち通風抵抗)の曲線と冷却ファンのファン特性の直線との交点の値となるところ、一つの通常冷却ファンを搭載したときの風量より二つの薄型冷却ファン21,22を搭載したときの風量が大きくなる領域があることを見いだした。具体的には、電子機器のインピーダンスの線とファン特性の線との交点が図4中領域Aの中にある場合は、二つの薄型冷却ファン21,22を実装した方が冷却性能が高くなる。
整理すると、二つの薄型冷却ファンが、(1)二つの薄型冷却ファンの占める体積と同じ体積を占め、且つ、同じ環境下で二つの冷却ファンの騒音レベルと同じ騒音レベルである一つの冷却ファンと比べた場合、(2)二つの薄型冷却ファンの合計吐出風量と上記一つの冷却ファンの吐出風量とを同じに設定したときに二つの薄型冷却ファンの方が静圧が高くなる領域(すなわち図4中Aの領域)内で使用されると、一つの冷却ファンに代えて二つの薄型冷却ファンを搭載した方が電子機器の冷却性能が向上する。なお、種々の大きさのファンでも図4と同様の傾向がみられることを付記しておく。
近年、携帯型電子機器の小型化および高密度実装化が進み、携帯型電子機器のインピーダンスが大きくなってきている。すなわち本実施形態のように二つの薄型の冷却ファン21,22を搭載することは、小型化および高密度実装化が望まれる携帯型電子機器において特に有効である。
次に、本発明の第2の実施形態に係る携帯型電子機器としてのポータブルコンピュータ41を、図6を参照して説明する。なお第1の実施形態に係るポータブルコンピュータ1と同じ機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。
第1の冷却ファン21は、プリント回路板15の上面15aとの間に隙間を設けている。第1の冷却ファン21は、プリント回路板15に対向する吸気口31aを有する。第1の冷却ファン21の一例は、保持具42により筐体4に固定されている。なお第1の冷却ファン21は、保持具によりプリント回路板15に固定されてもよい。
第2の冷却ファン22は、プリント回路板15の下面15bとの間に隙間を設けている。第2の冷却ファン22は、プリント回路板15に対向する吸気口31aを有する。第2の冷却ファン22の一例は、保持具43によりプリント回路板15に固定されている。なお第2の冷却ファン22は、保持具により筐体4に固定されてもよい。
第1および第2の冷却ファン21,22に対向するプリント回路板15の領域には、複数の回路部品45が実装されている。複数の回路部品45の一例は、半導体チップ、コイル、またはコンデンサなどである。複数の回路部品45は、協働して例えば電源回路46を形成している。
このような構成のポータブルコンピュータ41によれば、第1の実施形態と同様に、プリント回路板15の基板面積を確保できるとともに、高い冷却性能を実現できる。
第1および第2の冷却ファン21,22とプリント回路板15との間に隙間が設けられていると、第1および第2の冷却ファン21,22に対向するプリント回路板15の領域にも回路部品を実装することができる。これによりプリント回路板15の機能がさらに向上する。
第1の冷却ファン21は、吸気口31aを通じてプリント回路板15の上面15a近くの空気を直接吸気する。第2の冷却ファン22は、吸気口31aを通じてプリント回路板15の下面15b近くの空気を直接吸気する。これにより、プリント回路板15の上下面15a,15bに実装された発熱体16、および回路部品17,45が効率良く冷却される。
第1および第2の冷却ファン21,22の吸気口31aに対向する領域に電源回路46が設けられていると、電源回路46の冷却が促進される。電源回路46は、ポータブルコンピュータ41のなかでも温度が高くなる部分の一つであるので、電源回路46の冷却が促進できるとポータブルコンピュータ41の冷却性能が高くなる。電源回路46は、小さなチップ部品やコイル、コンデンサなどからなるのでヒートシンクなどを取り付けることは容易ではない。したがって、本実施形態のように電源回路46を強制冷却できると、電源回路46の温度上昇を抑えることができる。
なお本実施形態では第1および第2の冷却ファン21,22が共にプリント回路板15との間に隙間を設けているが、第1および第2の冷却ファン21,22のいずれか一方のみがプリント回路板15との間に隙間を設けてもよい。
次に、本発明の第3の実施形態に係る携帯型電子機器としてのポータブルコンピュータ51を、図7および図8を参照して説明する。なお第1および第2の実施形態に係るポータブルコンピュータ1,41と同じ機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。図7に示すように、ポータブルコンピュータ51は、第2の実施形態に係る構成に加えて、放熱フィン52、熱伝導部材53、および伝熱板54を備える。
図8に示すように、放熱フィン52は、第1の冷却ファン21の排気口31bと筐体4の排気孔4dとの間から、第2の冷却ファン22の排気口31bと筐体4の排気孔4dとの間に亘って設けられている。これにより、第1の冷却ファン21から吐出された空気は、放熱フィン52から熱を奪いながら筐体4の外部に排気される。第2の冷却ファン22から吐出された空気は、放熱フィン52から熱を奪いながら筐体4の外部に排気される。
発熱体16の上方には、伝熱板54が設けられる。伝熱板54は、例えば銅やアルミニウム合金のような熱伝導性の高い材料で形成されている。伝熱板54と発熱体16との間には、伝熱材55が介在されている。伝熱材55の一例は、伝熱グリスまたは伝熱シートである。
熱伝導部材53の一例は、ヒートパイプである。熱伝導部材53は、受熱端部53aと放熱端部53bとを有する。受熱端部53aは伝熱板54に接しており、伝熱板54および伝熱材55を介して発熱体16に熱的に接続されている。受熱端部53aは、押圧部材56によりプリント回路板15に向けて押し付けられている。放熱端部53bは、放熱フィン52に熱的に接続されている。
このような構成のポータブルコンピュータ51によれば、第1の実施形態と同様に、プリント回路板15の基板面積を確保できるとともに、高い冷却性能を実現できる。
第1および第2の冷却ファン21,22により強制冷却される放熱フィン52を設けるとともに、この放熱フィン52に発熱体16が熱的に接続されていると、ポータブルコンピュータ51の冷却性能が向上する。
なお、放熱フィン52は、第1の冷却ファン21の排気口31bと第2の冷却ファン22の排気口のいずれか一方と筐体4の排気孔との間に設けられていればよい。ただし本実施形態のように放熱フィン52が第1の冷却ファン21の排気口31bに対向するとともに第2の冷却ファン22の排気口にも対向していると、放熱フィン52が複数の冷却ファン21,22によって強制冷却されるので、ポータブルコンピュータ51の冷却性能が向上する。
次に、本発明の第4の実施形態に係る携帯型電子機器としてのポータブルコンピュータ61を、図9を参照して説明する。なお第1ないし第3の実施形態に係るポータブルコンピュータ1,41,51と同じ機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。ポータブルコンピュータ61は、第2の実施形態に係る構成に加えて、他の発熱体62、第1および第2の放熱フィン63,64、二つの熱伝導部材53、および二つの伝熱板54を備える。
発熱体16は、プリント回路板15の上面15aに実装されている。他の発熱体62は、プリント回路板15の下面15bに実装されている。他の発熱体62は、発熱体16と同じ種類の部品でもよく異なる種類の部品でもよい。
図9に示すように、第1の放熱フィン63は、上方空間S1に配置されている。第1の放熱フィン63は、第1の冷却ファン21の排気口31bと筐体4の排気孔4dとの間に設けられている。第1の冷却ファン21から吐出された空気は、第1の放熱フィン63から熱を奪いながら筐体4の外部に排気される。第1の放熱フィン63は、熱伝導部材53および伝熱板54を介して発熱体16に熱的に接続されている。第1の放熱フィン63は、プリント回路板15の厚さ方向に沿ってプリント回路板15に重なっている。
第2の放熱フィン64は、下方空間に配置されている。第2の放熱フィン64は、第2の冷却ファン22の排気口31bと筐体4の排気孔4dとの間に設けられている。第2の冷却ファン22から吐出された空気は、第2の放熱フィン64から熱を奪いながら筐体4の外部に排気される。第2の放熱フィン64は、熱伝導部材53および伝熱板54を介して発熱体62に熱的に接続されている。第2の放熱フィン64は、プリント回路板15の厚さ方向に沿ってプリント回路板15に重なっている。つまり第1および第2の放熱フィン63,64は、その間にプリント回路板15を挟むとともに、プリント回路板15の厚さ方向に沿って互いに重ねられている。なお第1および第2の放熱フィン63,64は、互いに一部のみが重なっていてもよい。
このような構成のポータブルコンピュータ61によれば、第1の実施形態と同様に、プリント回路板15の基板面積を確保できるとともに、高い冷却性能を実現できる。すなわち、二つの放熱フィン63,64をプリント回路板15の上下に分けて搭載することで、プリント回路板15に放熱フィンを避けるための切欠きを設ける必要がなくなる。したがって放熱フィンに邪魔されずにプリント回路板15の基板面積を大きく確保することができる。
二つの放熱フィン63,64がプリント回路板15の上下に分かれて配置されていると、プリント回路板15の上面15aに実装された発熱体16と下面15bに実装された発熱体62とをそれぞれ十分に冷却することができる。
次に、本発明の第5の実施形態に係る携帯型電子機器としてのポータブルコンピュータ71を、図10を参照して説明する。なお、第1ないし第4の実施形態に係るポータブルコンピュータ1,41,51,61と同じ機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。
図10に示すように、第1および第2の冷却ファン21,22は、それぞれプリント回路板15の厚さ方向に沿ってプリント回路板15に重なっている。第1および第2の冷却ファン21,22は、互いには重なっていない。
このような構成のポータブルコンピュータ71によっても、第1の実施形態と同様に、プリント回路板15の基板面積を確保できるとともに、高い冷却性能を実現できる。
以上、第1ないし第5の実施形態に係るポータブルコンピュータ1,41,51,61,71について説明したが、本発明はもちろんこれらに限定されるものではない。各実施形態に係る構成要素は適宜組み合わせて適用することができる。
本発明の第1の実施形態に係るポータブルコンピュータの斜視図。 第1の実施形態に係るポータブルコンピュータの断面図。 図2中に示されたポータブルコンピュータのF3−F3線に沿う断面図。 ファン特性と携帯型電子機器のインピーダンスと風量との間係を示す図。 第1の実施形態に係るポータブルコンピュータの変形例の断面図。 本発明の第2の実施形態に係るポータブルコンピュータの断面図。 本発明の第3の実施形態に係るポータブルコンピュータの断面図。 図7中に示されたポータブルコンピュータのF8−F8線に沿う断面図。 本発明の第4の実施形態に係るポータブルコンピュータの断面図。 本発明の第5の実施形態に係るポータブルコンピュータの断面図。
符号の説明
S1…上方空間、S2…下方空間、1,41,51,61,71…ポータブルコンピュータ、4…筐体、4d…排気孔、15…プリント回路板、16,62…発熱体、21…第1の冷却ファン、22…第2の冷却ファン、31a…吸気口、31b…排気口、52,63,64…放熱フィン、53…熱伝導部材。

Claims (10)

  1. 排気孔が開口する筐体と、
    上記筐体に収容されるプリント回路板と、
    上記プリント回路板に実装される発熱体と、
    上記筐体に収容される第1の冷却ファンと、
    上記筐体に収容される第2の冷却ファンと、を具備し、
    上記筐体内の空間は、上記プリント回路板より上方に広がる上方空間と、上記プリント回路板より下方に広がる下方空間とを含み、
    上記第1の冷却ファンは、上記上方空間に配置されるとともに、上記上方空間内に開口する吸気口と上記筐体の排気孔に向く排気口とを有し、
    上記第2の冷却ファンは、上記下方空間に配置されるとともに、上記下方空間内に開口する吸気口と上記筐体の排気孔に向く排気口とを有することを特徴とする携帯型電子機器。
  2. 請求項1に記載の携帯型電子機器において、
    上記第1の冷却ファンおよび上記第2の冷却ファンの少なくともいずれか一方は、少なくともその一部が上記プリント回路板の厚さ方向に沿って上記プリント回路板に重なることを特徴とする携帯型電子機器。
  3. 請求項2に記載の携帯型電子機器において、
    上記第1の冷却ファンおよび上記第2の冷却ファンは、共に上記プリント回路板に重なることを特徴とする携帯型電子機器。
  4. 請求項3に記載の携帯型電子機器において、
    上記第1の冷却ファンおよび上記第2の冷却ファンは、上記プリント回路板の厚さ方向に沿って少なくともその一部が互いに重なることを特徴とする携帯型電子機器。
  5. 請求項4に記載の携帯型電子機器において、
    上記第1の冷却ファンおよび上記第2の冷却ファンの少なくともいずれか一方は、上記プリント回路板との間に隙間を設けることを特徴とする携帯型電子機器。
  6. 請求項5に記載の携帯型電子機器において、
    上記プリント回路板との間に隙間を設ける冷却ファンの吸気口は、上記プリント回路板に対向することを特徴とする携帯型電子機器。
  7. 請求項6に記載の携帯型電子機器において、
    上記第1の冷却ファンの排気口および上記第2の冷却ファンの排気口の少なくともいずれか一方と上記筐体の排気孔との間に設けられる放熱フィンと、
    上記放熱フィンを上記発熱体に熱的に接続する熱伝導部材と、
    を備えることを特徴とする携帯型電子機器。
  8. 請求項7に記載の携帯型電子機器において、
    上記プリント回路板は、このプリント回路板の厚さ方向に沿って上記筐体内の空間の中心から偏心していることを特徴とする携帯型電子機器。
  9. 請求項6に記載の携帯型電子機器において、
    上記プリント回路板に実装される他の発熱体と、
    上記上方空間に配置される第1の放熱フィンと、
    上記下方空間に配置される第2の放熱フィンと、
    上記発熱体を上記第1の放熱フィンに熱的に接続する熱伝導部材と、
    上記他の発熱体を上記第2の放熱フィンに熱的に接続する熱伝導部材と、
    を備えることを特徴とする携帯型電子機器。
  10. 排気孔が開口する筐体と、
    上記筐体に収容されるプリント回路板と、
    上記プリント回路板に実装される発熱体と、
    上記筐体に収容され、上記プリント回路板に対向するとともに、上記筐体内の空気を上記排気孔に向けて吐出する第1の冷却ファンと、
    上記筐体に収容され、上記第1の冷却ファンとは反対から上記プリント回路板に対向するとともに、上記筐体内の空気を上記排気孔に向けて吐出する第2の冷却ファンと、
    を具備することを特徴とする携帯型電子機器。
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