以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図8はパチンコ機に具現化した本発明の一実施形態を例示する。図1において、1は遊技機本体で、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。前枠3は左端側の上下一対のヒンジ4を介して外枠2に着脱及び開閉自在に装着されている。
前枠3の上部側には遊技盤5が例えば前側から着脱自在に装着されると共に、遊技盤5の前側にガラス扉6が、ガラス扉6の下側に隣接して前面開閉板7が夫々配置されている。ガラス扉6、前面開閉板7はヒンジ4と同一側のヒンジ(図示省略)により前枠3に開閉自在に枢支されている。前面開閉板7には、発射用の遊技球を貯留する貯留皿8と、発射手段(図示省略)を作動させるための発射ハンドル9等が前面に設けられている。なお、発射手段は発射ハンドル9を操作したときに貯留皿8から供給される遊技球を遊技盤5側へと発射するようになっている。
遊技盤5の前側には、発射手段により発射された遊技球を案内するガイドレール10が環状に装着されると共に、そのガイドレール10内の遊技領域12には、画像表示手段13を備えたセンターケース14、通過ゲート15、開閉式入賞手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等の各種遊技部品が装着されている。
また遊技盤5の裏側には、図2に示すように、センターケース14等の遊技部品を後側から覆う裏カバー20と集球ケース21とが上下に配置されている。例えば、集球ケース21の背面側に主制御基板22が格納された主制御基板ケース23が着脱自在に装着され、裏カバー20の背面側に演出制御基板24が格納された演出制御基板ケース25と、画像制御基板26が格納された画像制御基板ケース27とが着脱自在に装着されている。
なお、主制御基板22はゲーム中の全体の遊技動作を統括的に制御し、また画像制御基板26は画像表示手段13に表示される演出画像を制御し、更に演出制御基板24は画像表示手段13の周辺に配置された可動演出手段(図示省略)の演出動作、遊技盤5側その他の演出ランプの演出発光、スピーカの効果音等を制御するようになっている。
集球ケース21は開閉式入賞手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等に入賞して遊技盤5の裏側に案内された遊技球を集めて排出口28から回収通路(図示省略)側へと案内するためのもので、裏カバー20の下側に近接して配置され、遊技盤5の裏側に着脱自在に固定されている。
集球ケース21の背面側には、例えば図2に示すように、その略中央に主制御基板ケース23を着脱自在に装着可能な主制御基板ケース装着部30が設けられている。また主制御基板ケース装着部30の一側には、前枠3側の枠側ジョイント部(図示省略)に対応する盤側ジョイント部31が設けられており、遊技盤5を前枠3に装着したときに前枠3側の枠側ジョイント部(図示省略)の前側に対向して、その盤側ジョイント部31が枠側ジョイント部の各枠側コネクタ(図示省略)に着脱自在に接続する。
画像制御基板ケース27は前後に扁平な縦長略矩形状であって、図3〜図8に示すように、例えば透明な合成樹脂製の第1ケース体33と第2ケース体34とを係合手段35と封止手段36とを介して開閉可能に結合して構成されている。画像制御基板ケース27内には、LSIその他の発熱性の電子部品37が裏面側に装着された画像制御基板38と、その電子部品37の放熱用のヒートシンク39とが収容され、またヒートシンク39と画像制御基板38の面方向に並べて冷却ファン40が配置されている。
画像制御基板38は第1制御基板41と第2制御基板42とにより構成されている。第1制御基板41、第2制御基板42は対向端部を所定の間隔で前後に重ねた状態で第1ケース体33内に上下に配置されている。第2制御基板42は第1ケース体33の取り付けボス43に取り付けネジにより固定されている。第1制御基板41は第1ケース体33の取り付けボス44及び位置決め突起45と、取り付けボス44に螺合する取り付けネジ46とにより固定されている。両制御基板41,42の重なり部分では、第1制御基板41用の取り付けボス44及び位置決め突起45が第2制御基板42の通孔に挿通されている。なお、両制御基板41,42は互いに前後に重ならないように配置してもよい。
第1制御基板41の裏面側にはLSI等の発熱性の電子部品37、コネクタ47等が装着され、また第2制御基板42の裏面には左右両側にコネクタ48,49が、その中間に他の電子部品(図示省略)が夫々装着されている。この実施形態ではLSI等の発熱性の電子部品37は薄い偏平状であって、第1制御基板41からの突出量は小さくなっている。両制御基板41,42はコネクタ47等を介して電気的に接続されている。
第1ケース体33は前側が開放する縦長矩形状であって、図3、図4に示すように背壁部50と、この背壁部50の外周に一体に形成された外周壁部51とを有し、この第1ケース体33内に第1、第2制御基板41,42が収容されている。第2ケース体34は蓋を構成する縦長矩形状で、前壁部52と、この前壁部52の外周に一体に形成された内周壁部53とを有し、その内周壁部53が第1ケース体33の外周壁部51内に嵌合している。
係合手段35は第2ケース体34の内周壁部53の上側に設けられた被係合部55と、第1ケース体33の外周壁部51の上側に設けられ且つ被係合部55が係脱自在に係合する係合部56とを有する。封止手段36は第2ケース体34の内周壁部53の下側に設けられた封止突部57と、第1ケース体33の外周壁部51下に設けられ且つ両ケース体33,34を閉じた状態で封止突部57が離脱不能に係合する封止部58とを有し、両ケース体33,34を開放すべく封止部58側を切断したときに、その封止部58に切断痕が残るようになっている。係合手段35、封止手段36は左右両端部に設けられている。なお、係合手段35、封止手段36はケース体33,34に対して上下逆に設けてもよいし、画像制御基板ケース27が左右方向に長い場合には、左右両側で上下両端部に設けてもよい。また係合手段35、封止手段36は1個でもよい。
第1ケース体33の背壁部50には、第2制御基板42の各コネクタ48,49に対応する開口59,60と、この開口59,60の外周で第2制御基板42に当接する開口縁部59a,60aとが設けられ、その開口59,60に第2制御基板42の各コネクタ48,49が嵌合している。
第1ケース体33の背壁部50には、図3〜図8に示すように、上下方向の中間のヒートシンク39用の位置決め保持部62と冷却ファン40用の収容凹部63とが左右に並べて内外逆向きに設けられ、その位置決め保持部62にヒートシンク39が、収容凹部63に冷却ファン40が夫々配置されている。
第1ケース体33の画像制御基板38と対向する背壁部50には、冷却ファン40用の収容凹部63の底壁部64に複数個の排気口65が、その収容凹部63の周辺を除く領域に画像制御基板38に対応して多数の吸気口66が夫々形成されている。
また画像制御基板ケース27内には、図8に示すように、画像制御基板38の第1制御基板41と第1ケース体33の背壁部50との間に、各吸気口66から排気口65に至る迷路状の冷却通路67〜69が背壁部50の略全域に対応して設けられており、吸気口66から吸気した冷却空気をこの冷却通路67〜69を経て排気口65から排気することにより、画像制御基板ケース27内を強制的に冷却するようになっている。
冷却通路67〜69は画像制御基板ケース27内の中間に形成された排気通路67と、この排気通路67の両側に形成された吸気通路68と、各吸気通路68を排気通路67に接続する吸気兼用の連通路69とを有し、背壁部50に一体の隔壁70等により区画されている。
排気通路67は上下方向の中間に左右方向に配置され、この排気通路67と上下の吸気通路68との間に、両者を区画する隔壁70が左右方向に設けられている。排気通路67は第1ケース体33の左右方向の一端部から他端側に伸びており、その他端側に上下の吸気通路68を排気通路67に接続する連通路69が上下方向に設けられている。
なお、各吸気通路68と連通路69との間では、隔壁70に切り欠き部70aが設けられている。また隔壁70は第1制御基板41に当接してもよいが、この実施形態では図4に示すように隔壁70と第1制御基板41との間に隙間を設けて、隔壁70で排気通路67と吸気通路68とを概ね区画する程度とし、隔壁70と第1制御基板41との隙間を経て吸気通路68から排気通路67への冷却空気の若干の移動を許容するようにしている。勿論、隔壁70を第1制御基板41に当接又は近接させて、この隔壁70により排気通路67と吸気通路68との間を略遮断してもよい。
冷却ファン40用の収容凹部63は、図3、図5、図8に示すように、排気通路67の連通路69と反対側の下手側の端部で第1ケース体33の背壁部50に設けられており、この収容凹部63と連通路69との間の上手側にヒートシンク39用の位置決め保持部62が配置されている。従って、第1ケース体33の左右両側に収容凹部63と連通路69とが配置され、その間に位置決め保持部62が配置されている。
収容凹部63は図3〜図5、図8に示すように、背壁部50に裏側から第1制御基板41側へと凹入状に形成され、その凹入端の底壁部64に略同心円状に円弧状の排気口65が設けられている。また収容凹部63には位置決め兼用の複数個の補強リブを介して裏側から冷却ファン40が嵌合され、底壁部64にネジ73により背壁部50に着脱自在に固定されている。
冷却ファン40はハウジング74と、このハウジング74内に回転自在に配置された周方向に複数枚の回転羽根75と、ハウジング74の中央に装着され且つ回転羽根75を内周側から駆動する駆動モータ76とを備え、排気通路67からの冷却空気を排気口65を経て後方に排気するようになっている。
ヒートシンク39は図3、図5〜図7に示すように、電子部品37に熱伝導層77を介して当接する矩形状の本体部78と、この本体部78の一側面から突出し且つ排気通路67内の冷却空気の流れに沿って横方向に配置された上下方向に複数個(多数)のフィン79とを備え、そのフィン79側が位置決め保持部62に前側から着脱自在に嵌合して位置決め保持され、第1ケース体33の背壁部50と第1制御基板41との間で挟持されている。熱伝導層77は電子部品37とヒートシンク39の本体部78との隙間を防止して電子部品37からヒートシンク39への熱伝導が良くなるように、シリコンゴム系の熱伝導シートにより構成されている。
位置決め保持部62は図3、図5〜図7に示すように、第1ケース体33の背壁部50から前側に突出し且つヒートシンク39の外周を取り囲む矩形状の周壁部70,80,81の内側に、ヒートシンク39を上下、左右から位置決めする位置決め突起83,84と、上下両側のフィン79の左右両端部を位置決め突起83との間で挟んでヒートシンク39を保持する保持突起86とが設けられている。
周壁部70,80,81は上下両側の隔壁70の一部と、収容凹部63の周壁部80と、連通路69側で上下の隔壁70間に設けられた仕切り壁81とにより構成されており、冷却空気の流れ方向の両側は各フィン79間に冷却空気が流れるように背壁部50からの突出高さが低くなっている。なお、周壁部は隔壁70とは別に設けてもよい。
位置決め突起83,84は板状又は棒状の突起であって、ヒートシンク39のフィン79に上下、左右から当接して位置決め保持部62内のヒートシンク39を周壁部70,80,81との間に所定の隙間をおいて位置決めするようになっている。上下両側の位置突起83は、ヒートシンク39の左右方向の中央部と両端部とに複数個配置されている。保持突起86は上下両側の複数個の位置決め突起83の内、その左右両端に配置された位置決め突起83との間でフィン79を挟むように配置されている。
上下の位置決め突起83と保持突起86との間隔の内、下側の位置決め突起83と保持突起86との間隔は、図6に示すように、組み立て時に位置決め保持部62内のヒートシンク39を容易に仮止めできるように下側のフィン79を上下両側から挟持し、上側の位置決め突起83と保持突起86との間隔は下側を基準に上側のフィン79が容易に嵌合する程度に遊嵌している。
位置決め保持部62の外周近傍には、図8に示すように、周方向に複数個の取り付けボス44と位置決め突起45とが配置され、その取り付けボス44と位置決め突起45とを介して第1制御基板41が第1ケース体33に固定されている。取り付けボス44は位置決め保持部62の一方の対角線方向の両端に、位置決め突起45は位置決め保持部62の他方の対角線方向の両端に夫々配置され、上下の隔壁70と一体に設けられている。第1制御基板41は位置決め突起44により位置決めされ、取り付けボス44に螺合する取り付けネジ46により固定されている。
なお、上側の位置決め突起83と保持突起86とによりフィン79を挟持する等、上下の少なくとも何れか一方でヒートシンク39のフィン79を保持すればよい。またフィン79を保持する保持部はフィン79の左右方向の全長に設けるか、中間部分等に局部的に設けてもよい。ただ位置決め突起83と保持突起86とでフィン79を両側から挟持する場合、フィン79との接触面積が少なくなるように板厚内の端面で局部的に挟持することが望ましい。
位置決め突起83にはヒートシンク39のフィン79を案内する案内面83aが傾斜状に形成され、また下側の左右の保持突起86の内、その少なくとも一方の保持突起86にもヒートシンク39のフィン79を案内する案内面86aが傾斜状に形成されている。
ヒートシンク39と第1ケース体33の背壁部50との間には、ヒートシンク39を第1制御基板41側に押圧する第1押圧手段88と第2押圧手段89とが介在されている。この第1押圧手段88は金属製の板バネにより構成され、第2押圧手段89は合成樹脂製であり、第1ケース体33の背壁部50に一体に設けられている。
第1押圧手段88は、図3、図5、図8に示すように、上下方向に長い当接部90と、当接部90の上下方向の略中央から左右両側に突出して鈍角状に屈曲する弾性部91と、当接部90の上下両端から左右両側に突出する突出部92とを有し、その各弾性部91が複数個のフィン79に跨がって左右両端部に当接し、当接部90が第1ケース体33の背壁部50に当接している。第1押圧手段88は位置決め突起83,84、保持突起86等により位置決めされている。なお、第1押圧手段88は前後を反対にしてもよい。
第2押圧手段89は、図3、図6〜図8に示すように、位置決め保持部62内で第1ケース体33の背壁部50に一体に設けられた複数個のアーム状の弾性部93と、この弾性部93の先端に突起が設けられ且つ第1押圧手段88の隙間部分でヒートシンク39のフィン79に当接する当接部94とを有する。
弾性部93は位置決め保持部62の上下両端側から中央側に伸びており、中央側に当接部94と反対の基部側が第1ケース体33の背壁部50と一体に接続され、その基部を除く周辺部分にスリット95が形成されている。当接部94は第1押圧手段88の当接部90と弾性部91と突出部92との間の切り欠き部を経てフィン79に当接している。
なお、第2押圧手段89はヒートシンク39を略均等に押圧できるならば、弾性部93、当接部94は1個でもよいし、2個以上の複数個でもよい。また複数個の場合、奇数個でもよいし、偶数個でもよい。スリット95は冷却空気の吸気口を構成している。第1押圧手段88、第2押圧手段89は何れか一方でもよい。
この実施形態では、パチンコ機の起動中は常時冷却ファン40が作動して、画像制御基板ケース27内の上下の吸気通路68から連通路69、排気通路67を経て冷却空気が流れているので、画像制御基板38に発熱性の電子部品37があるにも拘わらず、その冷却空気によりヒートシンク39を介して電子部品37を強制的に空気冷却することが可能であり、電子部品37の発熱によるオーバーヒートを防止できる。
即ち、冷却ファン40が作動すると、画像制御基板ケース27内の排気通路67内の空気が冷却ファン40により排気口65を経て外部に排気されるので、画像制御基板ケース27内が負圧となり、第1ケース体33の背壁部50に形成された多数の吸気口66を経て外気が画像制御基板ケース27内へと吸気される。そして、画像制御基板ケース27内に入った冷却空気は、上下の吸気通路68に沿って横方向に流れた後、連通路69を経て排気通路67に合流しながら、ヒートシンク39のフィン79に沿って横方向へと流れて排気口65から外部へと排気されて行く。勿論、一部の冷却空気は隔壁70と第1制御基板41との隙間を経て吸気通路68から排気通路67へと流れることもある。
このようにヒートシンク39と冷却ファン40とを第1制御基板41の板面方向に並べて配置することにより、冷却ファン40の回転により吸気口66から吸気された冷却空気がヒートシンク39を通過して流れる構成を採る限り、排気口65によって決まる排気位置に対して吸気位置が板面方向に離れるので、第1ケース体33の背壁部50の広範囲に配置した各吸気口66から満遍なく外気を吸気することができる。このため画像制御基板ケース27内の略全体に冷却空気が流通することになり、画像制御基板ケース27内での局部的な熱のこもり等を防止することができる。
特に排気通路67の上下に吸気通路68を配置し、その各吸気通路68を連通路69を経て排気通路67に接続することにより、画像制御基板ケース27の略全体にわたって冷却通路67〜69を配置できるので、局部的な熱のこもりを防止できる。また画像制御基板ケース27の第1ケース体33の端部近傍に排気口65を設け、この排気口65に対応して冷却ファン40を配置することにより、画像制御基板ケース27内に吸気通路68、排気通路67を含む冷却通路67〜69を設けるに当たっても、排気口65が背壁部50の略中央に位置する場合等に比して、その冷却通路67〜69を画像制御基板ケース27の全域にわたって容易に配置することができる。
また第1制御基板41の電子部品37に当接させる必要のあるヒートシンク39は第1ケース体33の内側面に形成された位置決め保持部62に配置し、冷却ファン40は第1ケース体33の外側面に形成された収容凹部63に配置しているので、冷却ファン40を通過した後の冷却空気が画像制御基板ケース27内を循環することがなく、画像制御基板ケース27内での熱のこもり等を防止できる。
画像制御基板ケース27の組み立てに際しては、第1ケース体33の背壁部50の位置決め保持部62内に、その背壁部50と一体に設けられた第2押圧手段89とは別に第1押圧手段88を嵌め込み、次いでその各押圧手段88,89に当接するように位置決め保持部62内にヒートシンク39を嵌めて位置決めし保持する。
この場合、ヒートシンク39のフィン79側を第1ケース体33の位置決め保持部62に合わせて、位置決め保持部62の上下、左右の位置決め突起83,84間にフィン79が入るように、位置決め保持部62にヒートシンク39を嵌め込む。またヒートシンク39の下側のフィン79の両端部を下側の位置決め突起83と保持突起86との間に挿入すると、下側のフィン79の左右両端部が下側の位置決め突起83と保持突起86とにより両側から保持されるので、位置決め保持部62内でのヒートシンク39の移動を阻止できる。勿論、上下、左右の位置決め突起83,84間に嵌め込むことにより、位置決め保持部62内でヒートシンク39を移動しないように保持してもよい。
ヒートシンク39を位置決め保持部62に収めた後、取り付けボス43等を介して第1ケース体33内に第2制御基板42を取り付け、同様に取り付けボス44、取り付けネジ46等を介して第1ケース体33内に第1制御基板41を取り付ける。
第1制御基板41を所定位置に取り付けネジ46等で固定して、電子部品37を熱伝導層77を介してヒートシンク39の本体部78に当接させると、ヒートシンク39が各押圧手段88,89に抗して位置決め保持部62内へと押し込まれて行くので、第1制御基板41と第1ケース体33の背壁部50とによりヒートシンク39を両側から挟持することができる。その後、第1ケース体33と第2ケース体34とを係合手段35、封止手段36を介して閉状態に結合する。
なお、冷却ファン40は第1ケース体33の収容凹部63内に外側から取り付けるが、駆動モータ76を第2制御基板42等に接続するのであれば、両ケース体33,34を結合する前の何れかの時点で取り付ければよい。
このように第1ケース体33の内面に位置決め保持部62を設け、この位置決め保持部62により位置決め保持されたヒートシンク39を第1ケース体33と第1制御基板41とにより挟持することにより、ヒートシンク39を予め固定する工程が不要であって組み立て分解を容易にできるので、製作コストを低減できると共に、取り外したヒートシンク39の再利用や、第1制御基板41上の冷却対象である電子部品37の確認を容易に行える利点がある。
またヒートシンク39にそのフィン79の配置領域から外側に突出する取り付け部を設ける必要がないので、ヒートシンク39の構造を小型化、単純化できる上に、ヒートシンク39全体に占めるフィン79の配置領域の割合を広くでき、ヒートシンク39の小型化を図りつつも冷却効率を向上させることができる。更にヒートシンク39に取り付け部が不要であるため、第1制御基板41上に他の電子部品37、印刷配線を配置する際の配置領域も広くできる利点がある。
また第1ケース体33とヒートシンク39との間には、ヒートシンク39を第1制御基板41側に押圧する押圧手段88,89があるので、第1ケース体33と第1制御基板41とによりヒートシンク39を挟持する構造であるにも拘わらず、ヒートシンク39を押圧手段88,89の押圧力により電子部品37に押し付けることができ、電子部品37の熱をヒートシンク39を介して効率的に放熱することが可能である。金属板性の第1押圧手段88と、第1ケース体33に一体の第2押圧手段89とを併用してヒートシンク39を電子部品37に押圧しているため、何れか一方の場合に比較して十分な押圧力を無理なく確保でき、ヒートシンク39を確実に電子部品37に押圧することができる。
第1ケース体33の位置決め保持部62は冷却空気が流れる冷却通路67〜69中にあり、この位置決め保持部62に、フィン79間を冷却空気が通過できるようにヒートシンク39のフィン79側を嵌め込んでいるので、その冷却通路67〜69を流れる冷却空気によりヒートシンク39を効率的に冷却することができる。また第2押圧手段89は第1ケース体33にスリット95を介して一体に形成された複数個の弾性部93を有し、そのスリット95が冷却空気の吸気口66を形成しているので、位置決め保持部62の底部側から外気を吸気することができ、位置決め保持部62の底部側での熱のこもりも防止できる。
しかも、位置決め保持部62にはヒートシンク39の少なくとも1枚のフィン79を着脱自在に保持する保持突起86があるので、位置決め保持部62内でのヒートシンク39の動きを阻止でき、組み立て等に際しても、ヒートシンク39が位置決め保持部62から脱落したりすることがなく、その後の取り扱いを容易に行うことができる。
位置決め保持部62にはヒートシンク39の外周を取り囲む周壁部70,80,81があり、この周壁部70,80,81の内側に、周壁部70,80,81との間に所定隙間をおいてヒートシンク39を位置決めする位置決め突起83,84を設けているため、位置決め保持部62の周辺部分での第1ケース体33の強度を確保しながらも、位置決め保持部62内のヒートシンク39のフィン79側に冷却空気を流すことができる。
第1ケース体33の位置決め保持部62の周辺には上下両側に隔壁70がある上に、位置決め保持部62の一方の対角線方向の両端に取り付けボス44があり、他方の対角線方向の両端に位置決め突起45があって、これらの取り付けボス44、位置決め突起45を介して第1制御基板41を第1ケース体33に固定しているので、第1ケース体33と第1制御基板41との間にヒートシンク39、押圧手段88,89があるにも拘わらず、第1ケース体33と第1制御基板41との何れか一方が弾性変形するようなことがなく、ヒートシンク39を確実に挟持することができる。
ヒートシンク39と冷却ファン40とを第1制御基板41の板面方向に並べて配置しているため、ヒートシンク39と冷却ファン40とを重ねて配置する場合に比較して画像制御基板ケース27全体の厚さを薄くすることができる。従って、基板ケース全体の厚さを制限せざるを得ない箇所に装着する場合であっても、ヒートシンク39のフィン79の高さを低く抑える必要がなくヒートシンク39による放熱効果の低下を極力防止することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では基板ケースとして画像制御基板ケース27を例示しているが、発熱性の電子部品37が装着された制御基板を収容する基板ケースであれば、画像制御基板ケース27以外の各種の基板ケースでも同様に実施可能である。基板ケースは縦方向の取り付け箇所に縦長状に装着する他、縦方向の取り付け箇所に横長状に装着しても良いし、水平方向の取り付け箇所の上面又は下面に前後又は左右方向に装着しても良い。
基板ケースは通常第1ケース体33と第2ケース体34とを開閉可能に結合して構成されるが、3個以上のケース体を結合したものでもよいし、片側が開放した基板ケースの場合であれば、1個のケース体により構成したものでもよい。また基板ケース内に第1制御基板41と第2制御基板42とを収容しているが、内部の制御基板は1個でもよいし、3個以上でもよい。
発熱性の電子部品37はLSI等の半導体素子が一般的であるが、半導体素子以外のものでもよい。ヒートシンク39は発熱性の電子部品37が矩形状のLSI等の半導体素子であれば、その電子部品37の形状に対応して矩形状のものを使用するが、必ずしも矩形状である必要はなく、電子部品37の形状に合わせて適宜形状のものを使用すればよい。その場合、第1ケース体33に形成される位置決め保持部62は、ヒートシンク39に対応する形状にすればよい。
ケース体33とヒートシンク39との間に押圧手段88,89を設ける場合、弾性線材等を折り曲げて構成し、それをフィン79間に挿入して第1ケース体33の位置決め保持部62の底部と本体部78との間に介在する等、第1押圧手段88、第2押圧手段89以外のものを採用してもよい。しかし、フィン79間の冷却空気の流れを阻害しないようにすることが望ましい。
位置決め保持部62は冷却空気が流れる冷却通路67〜69中にあれば十分であるが、ヒートシンク39の冷却効率の点では、実施形態に例示するように広範囲の吸気口66から吸気された多量の冷却空気が集中して流れる排気通路67に配置することが望ましい。また隔壁70を第1制御基板41に当接させる等により、ヒートシンク39の下手側、即ち冷却ファン40とヒートシンク39との間では排気通路67と吸気通路68とを区画して、ヒートシンク39の下手側では排気通路67に冷却空気が流入しないようにしてもよい。この場合には、冷却空気の殆どがヒートシンク39を通過するようにできる。
位置決め保持部62内でのヒートシンク39の位置決め保持は、ヒートシンク39が若干の遊びを介して位置決め保持部62内に遊嵌する程度でも十分であるが、ヒートシンク39の外周に、その端面に当接する複数個の位置決め突起83,84を配置して、この位置決め突起83,84間にヒートシンク39を押し込んで固定するようにしてもよい。
また位置決め突起83,84はヒートシンク39の概ねの位置決めを行い、ヒートシンク39の動きは一部の位置決め突起83と保持突起86、又は一対の保持突起86でフィン79の一部を両側から挟むようにしてもよい。位置決め保持部62の底部に第2押圧手段89を設けない場合には、その底部にも吸気口66を設けることが望ましい。
位置決め保持部62は外周に周壁部70,80,81を有する構造となっているが、背壁部50の裏面に補強リブを設ける等により所定の強度を確保できれば、周壁部70,80,81は省略してもよい。特に排気通路67内の仕切り壁81は省略してもよい。また仕切り壁81を設ける場合でも、冷却空気のフィン79間の流れを阻害しないように、フィン79の高さの略半分又はそれ以下の高さとすることが望ましい。
ヒートシンク39と冷却ファン40は第1制御基板41の板面方向に並べて配置するが、左右方向に並べて配置する他、上下方向に並べて配置してもよい。冷却ファン40は冷却通路67〜69の排気口65側近傍、特に排気口65に対向して配置し、その上手側近傍にヒートシンク39を配置するのが望ましいが、排気口65よりも上手側であれば、排気口65から離れた位置に冷却ファン40を配置し、更にこの冷却ファン40から上手側に離れた位置にヒートシンク39を配置してもよい。
第1ケース体33の内側面にヒートシンク39用の位置決め保持部62と冷却ファン40用の収容凹部63とを並べて配置してもよい。更に実施形態では本発明をパチンコ機に適用した場合を例示しているが、アレンジボール機等の弾球遊技機は勿論のこと、スロットマシンを含む各種遊技機においても同様に実施可能であることは云うまでもない。