JP2008184813A - 起倒式水防装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電力供給源の停電の有無に関係なく、浸水時に人力によらず自動的に水防板を起立させて通路を閉塞できる起倒式水防装置を提供すること。
【解決手段】 水防板2の係止状態が解除されると、ドアクローザ8の付勢減速機構が発生する常時的な付勢力によって、揺動アーム8bは、その基端部を中心にして、その先端部が上方へ向けて回動される。すると、この揺動アーム8bの先端部と係合される水防板2は、支持軸3を中心にして倒伏姿勢から起立方向へ向けて回動される。そして、この回動によって、水防板2の横幅方向両側部が各門柱6に当接されると、かかる水防板2が通路面51上に起立姿勢となって通路50が閉塞されるのである。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば、建造物などの通路に設けられ、通常時は通路面に凹設される収容凹部内に水防板を倒伏姿勢で収容し、大雨等による浸水の危険性がある非常時に水防板を通路面上に起立させて通路を閉塞して、通路への浸水を防止する起倒式水防装置に関するものである。
例えば、従来型の防水扉装置によれば、大雨等の増水に伴って浸水の虞がある時には、下記する特許文献1又は2に記載のように作業者による手動操作によって防水扉が起立させられるか、又は、特許文献3記載のように作業者により操作される電動モータの動力によって防水扉が起立させられていた。
特開平11−247520号公報 特開2006−83595号公報 特開平6−257345号公報
しかしながら、上記した特許文献1又は2に記載の防水扉装置では、防水扉が作業員の手動操作によって作動されるため、大雨などによる浸水時に防水扉装置を作動させるか否かは作業員の判断に委ねられており、例えば、急な増水に際しては防水扉装置の作動が間に合わず、通路内が浸水してしまうという問題点があった。
また、上記した特許文献3記載の防水扉装置では、防水扉の閉塞機構の動力源として電気機器である電動モータが使用されているため、浸水時に電力供給源が停電したりすると、防水扉装置を可動させることすらできず、通路内に浸水させてしまうという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、電力供給源の停電の有無に関係なく、浸水時に人力によらず自動的に水防板を起立させて通路を閉塞できる起倒式水防装置を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の起倒式水防装置は、通路面に凹設される収容凹部内に倒伏姿勢で収容され、且つ、その通路面上に起立姿勢となって通路を閉塞する水防板と、その水防板を倒伏姿勢と起立姿勢との間で回動可能に支持する支持軸とを備えており、その支持軸を介して前記水防板が倒伏姿勢から起立姿勢にされた場合に、その水防板の幅方向両側部が当接されるように前記通路両側に配設される一対の門柱と、その水防板に係合される揺動アームを介して前記水防板を倒伏姿勢から起立方向へ常時付勢する機械式のドアクローザと、そのドアクローザにより付勢される前記水防板を倒伏姿勢で係止すると共に、その係止を解除する方向へ移動可能に形成される係止部材と、その係止部材の一部の下方から突出されることで、その係止部材を係止解除方向へ押動する押動部材と、その押動部材によって前記係止部材による前記水防板の係止を解除するため、前記通路にある水を取水して貯留し、その貯留水の水位上昇に伴って前記押動部材を浮力により浮上させて突出させる貯水槽とを備えている。
この請求項1記載の起倒式水防装置によれば、通常時において水防板は通路面の収容凹部に倒伏姿勢で収容されており、通路が浸水し始めると、その通路にある水が貯水槽に取水されて貯留される。貯水槽内の貯留水の水位が上昇すると、この貯留水の浮力によって押動部材が浮上されて上方へ突出され、この押動部材の突出によって、係止部材が係止解除方向へ押動される。係止部材が押動部材により押動されることで、係止部材による水防板の係止状態が解除されると、揺動アームを介してドアクローザにより常時付勢され続けていた水防板が、支持軸を介して倒伏姿勢から起立方向へ向けて回動される。
この回動によって、水防板が通路面上に起立されると、水防板の幅方向両側部が各門柱にそれぞれ当接されて、通路が閉塞される。この結果、水防板よりも下流側の通路への浸水が防止される。しかも、ドアクローザは揺動アームを介して水防板を常時的に付勢するので、水防板が起立姿勢にある場合でも、水防板を一対の門柱に対して圧接して、水防板の転倒が防止される。
請求項2記載の起倒式水防装置は、請求項1記載の起倒式水防装置において、前記収容凹部は、前記水防板が起立姿勢とされる場合に、その水防板よりも浸水時の水流方向上流側に相当する前記通路面に凹設されており、前記水防板は、起立姿勢となった場合に、前記一対の門柱よりも浸水時の水流方向上流側に配設されている。
この請求項2記載の起倒式水防装置によれば、請求項1記載の起倒式水防装置と同様に作用する上、水防板が起立された場合、この水防板は、浸水時の水流方向上流側から各門柱に当接される。さすれば、水防板が浸水に伴う水流の水圧を受ける場合に、その水圧によって水防板を各門柱に対して圧接させることができる。
請求項3記載の起倒式水防装置は、請求項1又は2に記載の起倒式水防装置において、前記ドアクローザは、前記通路側部における前記収容凹部外に配設され、その配設位置から前記揺動アームが前記水防板へ向けて延設されているものである。この請求項3記載の起倒式水防装置によれば、請求項1又は2に記載の起倒式水防装置と同様に作用する上、ドアクローザは通路面に凹設される収容凹部外に配設されるので、浸水当初の水が収容凹部内に流入しても、ドアクローザが水没して水浸しになることは回避される。
請求項4記載の起倒式水防装置は、請求項1から3のいずれかに記載の起倒式水防装置において、前記係止部材は、前記通路面に沿って略水平方向に移動可能に形成され、その一部に前記押動部材へ向けて延設される当接片を備えており、前記押動部材は、その上端部に斜設されて前記当接片が当接可能に形成される頂部斜面を備えており、その頂部斜面は、前記係止部材の前記係止解除方向へ向けて下降傾斜されている。
この請求項4記載の起倒式水防装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の起倒式水防装置と同様に作用する上、貯水槽内の水位上昇に伴って押動部材が浮上を開始すると、係止部材の当接片が押動部材の頂部斜面によって押されて、係止部材が係止解除方向へ移動しだす。そして、押動部材の突出量が増加するに従って、係止部材の当接片が頂部斜面の傾斜に沿って下方へ相対的に摺動されて、係止部材が係止解除方向へ移動される。つまり、押動部材を上昇させる力の水平分力を当接片に加えることで、係止部材を略水平方向へ移動させるのである。
請求項5記載の起倒式水防装置は、請求項1から4のいずれかに記載の起倒式水防装置において、前記係止部材は、その一部に前記押動部材へ向けて延設される当接片を備えており、前記貯水槽は、その当接片の下方であって前記通路面上に前記取水口が開口形成され、その取水口の下方に連通して貯留水を貯留可能な貯留空間が形成されており、前記押動部材は、前記取水口内に浮上可能に遊嵌されるフロートであって、前記貯留空間内の水位上昇に伴う浮力を受けて、前記取水口から前記通路面上から上方へ突出されるものである。
この請求項5記載の起倒式水防装置によれば、請求項1から4のいずれかに記載の起倒式水防装置と同様に作用する上、通路にある水が貯水槽に取水されて貯留され、貯水槽内の貯留水の水位が上昇すると、フロートである押動部材自体が貯留水の浮力を受けて浮上される。すると、この押動部材であるところのフロートが取水口から通路面上に上方へ向けて突出され、この突出によって係止部材の当接片が係止解除方向へ押動されて、係止部材が移動される。
請求項6記載の起倒式水防装置は、請求項4又は5に記載の起倒式水防装置において、前記係止部材は、前記当接片に回動可能に軸着され、前記頂部斜面に当接して転動される当接ローラを備えている。この請求項6記載の起倒式水防装置によれば、請求項4又は5に記載の起倒式水防装置と同様に作用する上、係止部材の当接片は当接ローラを介して押動部材の頂部斜面と当接されており、その当接ローラが頂部斜面を相対的に転動する格好で押動部材により押動される。
請求項7記載の起倒式水防装置は、請求項1から6のいずれかに記載の起倒式水防装置において、前記ドアクローザの付勢力により前記水防板が起立姿勢とされた場合に、その水防板の下端部に沿って前記通路面と略面一状にその通路面に埋設され、圧縮変形可能な弾性材料で形成されている止水部材を備えており、前記水防板は、前記ドアクローザによって起立姿勢された場合に、その水防板の下端部よって前記止水部材を圧縮変形させて、その止水部材に圧接される。
請求項8記載の起倒式水防装置は、請求項7記載の起倒式水防装置において、前記一対の門柱は、前記水防板が起立姿勢の場合に、その水防板の揺動端上方に対向するように延設される延在部を備えており、その延在部の下端面は、その各門柱に対する前記水防板の当接方向に向かって下降傾斜されており、その水防板が倒伏姿勢から起立方向に向けて回動される場合に、その水防板の揺動端と摺接することで、その水防板を下方に押圧するものである。
請求項9記載の起倒式水防装置は、請求項1から8のいずれかに記載の起倒式水防装置において、前記門柱から出没可能に形成され、前記水防板が起立姿勢となる場合に、その門柱から突出して前記水防板に係合されることで、その水防板を前記門柱に対して係止して、その水防板が起立姿勢から倒伏姿勢へ向けて転倒することを阻止するラッチ部材を備えている。
請求項1記載の起倒式水防装置によれば、例えば、浸水初期に通路内へ水が流れ込むと、その通路面にある水が貯水槽へ取水され、その貯水槽内の水位が所定値を超えれば、水防板の係止状態が解除されて、水防板がドアクローザの付勢力によって自動的に倒伏姿勢から起立させられて通路が閉塞される。このように、作業員不在でも、浸水状況を自動的に検知して水防板によって通路を自動的に閉塞できるので、通路内に大量の水が流れ込んで建造物が浸水してしまうことを防止できるという効果がある。
また、浸水状況を検知して水防板の係止状態を解除して水防板を起立させる機構、即ち、ドアクローザ、係止部材、押動部材および貯水槽の動作には電力が不要であるので、非常時に停電などによって電力供給路が断絶しても水防板による浸水防止機能を確実に維持させることができるという効果がある。さらに、例えば、ドアクローザとして一般にドアを自動的に閉塞させる汎用製品を使用すれば、ドアクローザを安価に入手でき、部品調達が容易であると共に、部品交換などのメンテナンスが容易となるという効果もある。
請求項2記載の起倒式水防装置によれば、請求項1記載の起倒式水防装置の奏する効果に加え、ドアクローザによる付勢力に加えて浸水時の水圧を利用して、水防板を各門柱に圧接できるので、起立姿勢の水防板をより転倒し難くできるという効果がある。もっとも、収容凹部は、起立姿勢の水防板よりも浸水時の水流方向上流側に相当する通路面に凹設されるので、浸水時には水没することは否めない。しかも、水防板の閉塞機構であるドアクローザが収容凹部に設置される場合は、このドアクローザまでも水没することとなる。
ところが、この請求項2記載の起倒式水防装置によれば、水防板の閉塞機構として、電動モータなどの電気機器ではなく、機械式のドアクローザが用いられるので、このようなドアクローザが収容凹部とともに浸水により水没したとしても水防板の閉塞機能を維持することができ、電気機器のように浸水時にショートして作動不能となることもないという効果がある。
請求項3記載の起倒式水防装置によれば、請求項1又は2に記載の起倒式水防装置の奏する効果に加え、浸水当初に収容凹部内に浸水しても、ドアクローザが水没して水浸しになることは防止されるので、例えば、水防板が起立される前にドアクローザが水没して作動不能となるような事態を回避できるという効果がある。しかも、従来装置のように水防板の閉塞機構に相当するドアクローザを収容凹部内に収容する必要がないので、収容凹部の凹設深さを水防板の厚み程度とすることができ、施工作業や施工コストを軽減できるという効果がある。
請求項4記載の起倒式水防装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の起倒式水防装置の奏する効果に加え、押動部材の突出動作を、複雑な機構を介することなく、その押圧部材の頂部斜面を介して係止部材の当接片を押動するだけで、係止部材の係止解除動作に変換することができる。よって、電気的構成が不要であって機構的に単純であるので、故障発生率を低減でき、なおかつ、故障時にはメンテナンスを容易に行うことができるという効果がある。
請求項5記載の起倒式水防装置によれば、請求項1から4のいずれかに記載の起倒式水防装置の奏する効果に加え、貯水槽の取水口自体を押動部材の収容スペースとし、なおかつ、押動部材自体を貯留水から直接浮力を受けるフロートとしているので、係止部材の係止解除機構全体としての構成をより単純化でき、結果、更なる故障発生率の低減やメンテナンス容易性の向上が図られるという効果がある。
請求項6記載の起倒式水防装置によれば、請求項4又は5に記載の起倒式水防装置の奏する効果に加え、当接ローラを介することで係止部材の当接片と押動部材の頂部斜面との摩擦抵抗が低減されるので、その分、係止部材を押動するために押動部材に作用させるべき浮力を低減できる。このため、浮力発生源である貯水槽やフロートなどのコンパクト化が図られるので、通路の路肩などの狭小スペースでも貯水槽やフロートを設置でき、なおかつ、施工作業や施工コストを軽減できるという効果がある。
請求項7記載の起倒式水防装置によれば、請求項1から6のいずれかに記載の起倒式水防装置の奏する効果に加え、浸水を防止するために水防板が起立させられると、水防板の下端部が通路面に埋設される止水部材に圧接されるので、水防板の下端部と通路面との隙間を密封して、かかる隙間からの漏水によって水防板の下流側へ浸水することを防止できるという効果がある。しかも、止水部材は通路面と略面一状に埋設されるので、止水部材で通行者が躓くことも防止できるという効果がある。
請求項8記載の起倒式水防装置によれば、請求項7記載の起倒式水防装置の奏する効果に加え、水防板が起立姿勢にさせられることで、各門柱の延在部によって水防板の揺動端が下方に押圧されて、水防板の下端部を自動的に止水部材に圧接させることができるという効果がある。
請求項9記載の起倒式水防装置によれば、請求項1から8のいずれかに記載の起倒式水防装置の奏する効果に加え、ラッチ部材によって起立姿勢となった水防板が門柱に係合されるので、浸水時の水圧変動によって水防板の転倒させられることを防止できるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1から図4は、本発明の一実施例である起倒式水防装置1の設置状態を示した図であって、これらの図中に示した白抜き矢印は、浸水時の通路50へ流れ込む水の水流方向を示している。
図1は、水防板2が倒伏姿勢(略水平姿勢)のときの起倒式水防装置1の側面図であって、その一部を部分断面視したものである。図2は、水防板2が起立姿勢(略垂直姿勢)のときの起倒式水防装置1の側面図であって、その一部を部分断面視したものである。図3は、図1に示す状態にある起倒式水防装置1の平面図である。図4は、図2に示す状態にある起倒式水防装置1の平面図である。
なお、図1から図4において通路50の横幅方向、収容凹部4の横幅方向または水防板2の横幅方向とは、図1若しくは図2の紙面に対する垂直方向、又は、図3若しくは図4の上下方向をいい、図1から図4における収容凹部4の縦幅方向とは、図1から図4の左右方向をいう。
図1に示すように、起倒式水防装置1は、建造物などの通路50上に配設される水防板2を備えている。この水防板2は、浸水時などの非常時において通路面51上に起立姿勢となって通路50を閉塞(閉鎖)するものであり(図2参照)、支持軸3を介して倒伏姿勢と起立姿勢との間で揺動可能に支持される略平板状に形成されている。
また、水防板2は、収容凹部4に収容されて倒伏姿勢となったときに、通路面51と略面一状となって通路面51の一部として機能するものである。よって、不使用状態の水防板2が人や車両の通行の妨げとなることがなく、通行者や通行車両が水防板2を踏みつけて通路50を往来することができる。さらに、水防板2の上面部の周囲からは略薄板状の縁板部2aが略水平方向に延設されており、この縁板部2aが収容凹部4の開口縁部に載上されるように形成されている。
また、この水防板2を収容するため、通路面51には収容凹部4が凹設されている(図2参照)。収容凹部4は、水防板2を倒伏姿勢で収容可能な凹陥部であって、その上部開口が倒伏姿勢の水防板2によって閉塞される。この収容凹部4は、水防板2が起立姿勢とされる場合、その水防板2よりも浸水時の水流方向上流側(図1の右側)に相当する通路面51に凹設されている。このため、浸水時には、水防板2に対して水流方向上流側から水圧が加わるので、水防板2が後述する各門柱6に圧接されて(図4参照)、水防板2の水密性が一層向上される。
収容凹部4内には、その縦幅方向一側(図1の左側)の縁辺部4aに回動固定部5が固着されており、この回動固定部5には、水防板2の基端部2b(図1の左端部)が支持軸3を介して回動可能に軸着されている。また、収容凹部4における回動固定部5の固着側の縁辺部4aには、通路面51から門柱6が立設されている。門柱6は、起立姿勢の水防板2を支保する支柱であり、水防板2の横幅方向両側にそれぞれ立設されている(図3及び図4参照)。
また、起立姿勢になった水防板2の基端部2b、つまり、水防板2の下端部と対向する通路面51上の箇所には、その水防板2の基端部2bに沿って通路面51と略面一状に止水パッキン7が埋設されている(図2参照)。この止水パッキン7は、水防板2の基端部2bが押圧されることで弾性的に圧縮変形可能な弾性材料で形成されており、水防板2が起立姿勢となった場合に、この水防板2の基端部2bと通路面51との間に水密性を付与して漏水を防止するものである。
なお、水防板2の支持軸3による軸着位置は、かかる水防板2が起立姿勢となった場合に、この水防板2の基端部2bが通路面51の止水パッキン7を押圧するように位置調整されている。
ドアクローザ8は、一対の門柱6,6にそれぞれ1個ずつ固定されており(図3参照)、水防板2を倒伏姿勢から起立方向へ向けて常時付勢するスプリング・ダンパ系の機械式ドアクローザである。このドアクローザ8は、そのケーシング8aと、そのケーシング8aに基端部が揺動可能に連結され水防板2に先端部が係合される揺動アーム8bとを備えており、ケーシング8a内には、揺動アーム8bを介して水防板2を起立方向(図1の反時計回り方向)へ常時付勢すると共に揺動アーム8bの揺動速度を減速する付勢減速機構(図示せず)が収容されている。
このドアクローザ8によれば、水防板2の係止状態が解除されると、ケーシング8a内の付勢減速機構が発生する常時的な付勢力によって、揺動アーム8bは、その基端部を中心にして、その先端部が上方へ向けて回動される。すると、この揺動アーム8bの先端部と係合される水防板2は、支持軸3を中心にして倒伏姿勢から起立方向へ向けて回動される。そして、この回動によって、水防板2の横幅方向両側部が各門柱6に当接されると、かかる水防板2が通路面51上に起立姿勢となって通路50が閉塞されるのである。
また、揺動アーム8bの先端部にはカムフォロアを用いた案内ローラ8cが回動可能に軸支されており、この案内ローラ8cが水防板2の縁板部2a裏面に当接した状態で引っ掛けられることで、揺動アーム8bの先端部は水防板2と係合されている。このため、ドアクローザ8によって水防板2を倒伏姿勢から起立方向へ付勢する場合には、案内ローラ8cが水防板2の縁板部2a裏面で相対的に転動されて、揺動アーム8bと水防板2との接触摩擦が低減されるので、ドアクローザ8に加わる水防板2からの負荷を低減できる。
また、ドアクローザ8のケーシング8aは、収容凹部4の外部に配設されており、具体的には、通路面51から立設される各門柱6の側面であって、通路面51よりも上側部分に相当する箇所に固定されている。このため、浸水当初に収容凹部4内に浸水しても、ドアクローザ8が水没して水浸しになることは防止される。
しかも、収容凹部4内にドアクローザ8の収容スペースが不要なので、収容凹部4の深さとして水防板2の厚みの分を確保すれば事足りる。よって、水防板2の設置工事に際して通路面51を深く掘り返す必要がなく、その分、設置工事を簡素化でき、既存施設にも設置し易く、工事コストを低減することができる。
さらに、本実施例で使用するドアクローザ8は、一般にドアを自動的に閉塞させる汎用的かつ安価な部品であるので、部品調達が容易であると共に、部品交換などのメンテナンスが容易である。また、ドアクローザ8は電気的な駆動源が不要なので、停電などによって電力供給路が断絶しても水防板2が機能不能とならず、水防板2を確実に機能させることができる。
図3に示すように、水防板2が倒伏姿勢の場合に、収容凹部4の縦幅方向一側の縁辺部4a(図3の左側)には水防板2の基端部2bが対応して配置され、その他側の縁辺部4b(図3の右側)には水防板2の揺動端2cが対応して配置される。また、この水防板2の揺動端2cに対応する収容凹部4の縁辺部4bには、この縁辺部4bに沿ってガイドレール9が敷設されており、このガイドレール9内には係止部材10が配設されている。
ガイドレール9は、係止部材10の動きを、収容凹部4の横幅方向(図3の上下方向)へ向けて直線的に往復移動可能にガイドする案内部材であり、係止部材10は、ドアクローザ8によって常時付勢されている水防板2を倒伏姿勢の状態で係止するものである。また、この係止部材10の移動方向の延長線上であって、収容凹部4の横幅方向一側の通路面51には、通路面51にある水を取水して貯留する貯水槽11が埋設されている。
この貯水槽11の上端部には平面視略円形状に開口された取水口11aが設けられており、この取水口11aの内周部には平面視略円形状のフロート12が遊嵌されている。これらの貯水槽11及びフロート12は、通路50内への浸水を検知するためのものであり、洪水などの発生時に通路50に流れ込んだ水を、取水口11aを通じて貯水槽11内に取水し、貯水槽11内にある貯留水の水面を上昇させて、その貯留水から浮力を受けるフロート12を貯水槽11内で浮上させるように構成されている。
また、各門柱6には起立姿勢の水防板2と圧接される圧接面6aがそれぞれ形成されており、各門柱6の圧接面6aは、各門柱6に嵌着される止水パッキン13の一面で形成されている。これによって、各門柱6と水防板2との当接面間に水密性が付与されて漏水が防止されている。なお、止水パッキン13は、上記した止水パッキン7と同種の弾性材料で形成されている。
図4に示すように、水防板2が起立姿勢となった場合に、かかる水防板2は一対の門柱6,6よりも浸水時の水流方向上流側(図4の右側)に配設されており、この一対の門柱6,6には水防板2の横幅方向両側端部が水密に圧接される。ここで、ドアクローザ8は、揺動アーム8bを介して水防板2を常時的に付勢するので、起立姿勢の水防板2を各門柱6に対して常時的に圧接でき、かかる水防板2の転倒を防止することができる。
また、係止部材10は、ガイドレール9内で往復移動する上記した移動フレーム10aと、その移動フレーム10aの一端部に設けられる当接片10bと、移動フレーム10aに設けられる一対の係合ローラ10cとを備えている。係止部材10の移動フレーム10aは、ガイドレール9の延設方向長さより若干短く形成されている。
さらに、当接片10bは、係止部材10の移動フレーム10aの一端部(図4中の上端部)から貯水槽11内に遊嵌されているフロート12の頂端部へ向けて延設されており、この当接片10bの先端部にはカムフォロアを用いた当接ローラ10dが回動可能に軸着されている。
この当接ローラ10dは、フロート12の上端部に形成される頂部斜面12aに当接して転動するものであり、これによって係止部材10とフロート12との摩擦抵抗が低減される。また、移動フレーム10aの幅方向一側面はガイドレール9から収容凹部4側に露出されており、かかる露出面には上記した一対の係合ローラ10cが回動可能に軸着されている。
係合ローラ10cは、当接ローラ10dと同様にカムフォロアが用いられており、移動フレーム10aにおける長手方向(図中の左右方向)に間隔を隔てた2箇所に1個ずつ設けられている。各係合ローラ10cは水防板2の揺動端2cに係合可能に形成されており、この水防板2の揺動端2cには、各係合ローラ10cに対応する2箇所に、水防板2の縁板部2a裏面から平面視略逆L字形に曲折して延設される曲折板2dがそれぞれ固着されている。
そして、この水防板2の縁板部2aと各曲折板2dとの間隙部は、係合ローラ10cを係合可能な平面視略コ字形のローラ係合部2eとされている。これらのローラ係合部2eは、水防板2の横幅方向に細長い溝状に形成されており、その長手方向一側部(図4の下側)が係合ローラ10cを係入可能に開放されており、その長手方向他側部(図4の上側)が係合ローラ10cの移動制限するために曲折板2dによって閉塞されている。
図5は、図1に示した門柱6の部分的拡大図である。図5に示すように、各門柱6は、水防板2が起立姿勢の場合に、その水防板2の揺動端2c上方に対向するように延設される延在部6bを備えている。各門柱6の延在部6bの下端面は、水防板2の各門柱6に対する圧接方向(図5の矢印方向)に向かって下降傾斜した板バネで形成されており、水防板2が起立動作によって倒伏姿勢から起立姿勢に向けて回動するときに、その水防板2の揺動端2c(の縁板部2a)と摺接して、水防板2を下方へ押圧するものである。これによって、水防板2は通路面51に埋設される止水パッキン7に押圧されて水密性を発揮するのである。
図6は、図3のVI−VI線における縦断面図である。図6に示すように、通路50の路肩部分であって収容凹部4の横幅方向一側には上記した貯水槽11が埋設されている。この貯水槽11は、その上端部が開放された無蓋有底の略中空円筒状に形成されており、かかる上端部の開放部が通路面51にある水を取水するための取水口11aであって、この取水口11aの下方に連通する内周部が取水した水を貯留するための貯留空間11bとされている。
フロート12は、貯水槽11の取水口11aから貯留空間11b内に遊嵌される軽量軸状体に形成されており、この貯留空間11b内で上下動可能とされている。このフロート12は、貯留空間11b内の水位上昇に伴う浮力を受けることで取水口11aから通路面51上から上方へ突出されるものであり、その上端部によって係止部材10の当接片10bを押動して、係止部材10を係止解除方向(図6右方)へ移動させるものである。
具体的に、フロート12の上端部は略三角錐状に形成されており、その頂端中心部から全周方向に下降傾斜した頂部斜面12aが斜設されている。また、このフロート12の頂部斜面12aは、係止部材10の係止解除方向(図6右方)へ向けて当接片10bを押動する傾斜面であって、係止部材10の当接片10b(の当接ローラ10d)と当接可能に形成され、かつ、その頂端中心部から係止部材10配設側へ向けて下降傾斜されている。
このようにフロート12の頂部斜面12aはフロート12全周に斜設されるので、フロート12が貯水槽11内で回転しても、頂部斜面12aの係止部材10に対する向きを常に一定に保つことができる。また、フロート12は、非浸水時(通常時)には貯水槽11の内底部に載置されており、かかる状態で、フロート12の上方には、その頂部斜面12aと間隔を隔てて係止部材10の当接片10bが延設されている。そして、係止部材10は、通路面51に沿って略水平方向(図6の左右方向)に移動可能に形成されている。
上記のように構成された係止部材10、貯水槽11およびフロート12によれば、洪水などの浸水時に通路面51にある水が取水口11aから貯水槽11内へ流入して、貯留空間11bの貯留水の水位が上昇すると、フロート12が貯留空間11b内で浮上して、フロート12の上端部が取水口11aから通路面51上に突出される。この突出によって、フロート12の頂部斜面12aが係止部材10の当接ローラ10dに当接されると、当接片10bが収容凹部4の横幅方向他側(図6右側)へ向けて押動されて、係止部材10が同一方向へ移動させられる。
このように係止部材10が収容凹部4の横幅方向他側(図6左側)へ移動されると、係止部材10の各係合ローラ10cが、水防板2の各曲折板2dの上を転動して、各ローラ係合部2eから抜脱される。すると、水防板2の係止部材10による係止状態が解除されて、各ドアクローザ8の付勢力によって、水防板2が倒伏姿勢から起立方向へ回動されて通路面51上に起立させられるのである。
図7は、図6のVII−VII線における縦断面図である。図7に示すように、ガイドレール9の上端面は通路面51と略面一とされている。このガイドレール9は、それを断面視した場合に、収容凹部4側にある垂直面部が開口された断面視略コ字形に形成されており、その内側垂直面にカムフォロアを用いた走行ローラ14が回動可能に軸着されている。この走行ローラ14は、ガイドレール9の長手方向、即ち、係止部材10の移動方向(図7の紙面に対する垂直方向)に間隔を隔てて合計4箇所に設けられている。
一方、係止部材10の移動フレーム10aは、ガイドレール9の内側垂直面と対向する側面部が開口された断面視略コ字形に形成されており、ガイドレール9の上下の対向面間に遊嵌されている。また、移動フレーム10aの側面部の開口からは、その移動フレーム10a内に合計4個ある走行ローラ14が遊嵌されている。
この結果、係止部材10の移動フレーム10aは、4個の走行ローラ14の回動を介して、ガイドレール9内で誘導案内されつつ、通路50の横幅方向にスムーズに往復移動される。また、この移動フレーム10aの外側垂直面はガイドレール9の開口部から収容凹部4側に露出されており、この露出された移動フレーム10aの垂直面には上記した合計2個の係合ローラ10cが軸着されている。
次に、図8及び図9を参照して、上記実施例の変形例について説明する。なお、以下説明する各実施例では、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
なお、上記した第1実施例の起倒式水防装置1は、起立姿勢となった水防板2と一対の門柱6,6に対して、収容凹部4が浸水時の水流方向上流側に凹設されるものであったが、これ以降に説明する第2及び第3実施例の起倒式水防装置1は、特に、起立姿勢となった水防板2と一対の門柱6,6に対して収容凹部4が浸水時の水流方向下流側に凹設される場合により有効に機能するものである。
図8は、第2実施例の起倒式水防装置20の部分的拡大断面図であって、図中の白抜き矢印は浸水時の水流方向を示している。第2実施例の起倒式水防装置20は、上記した第1実施例の起倒式水防装置1に対して、起立姿勢にある水防板2に対する転倒防止機構を付加したものである。
図8に示すように、第2実施例の起倒式水防装置20によれば、各門柱6の延在部6bには、起立姿勢にある水防板2の揺動端2cへ向けて出没可能に形成される係合ラッチ21が配設され、その係合ラッチ21を起立姿勢にある水防板2の揺動端2c側へ向けて弾性的に付勢する弾性体であるスプリング部材22が配設されている。一方、水防板2の揺動端2cには係合ラッチ21が係合可能な凹陥部である係合凹部23が形成されている。
また、係合ラッチ21の先端部の一側には、水防板2が起立姿勢へ向けて回動するときに、その水防板2の揺動端2cに摺接される傾斜面21aが形成されている。さらに、係合ラッチ21の先端部の他側には、水防板2が起立姿勢になったときに、水防板2の係合凹部23の内側面に当接して、その水防板2が起立姿勢から倒伏姿勢へ向けて回動する転倒動作を阻止する係止面21bが形成されている。
この第2実施例の起倒式水防装置20によれば、水防板2が起立方向へ回動して、水防板2が起立姿勢に近づき、水防板2の揺動端2cが各門柱6の延在部6bの下方に入り込むと、水防板2の揺動端2cが係合ラッチ21の傾斜面21aと摺接されて、係合ラッチ21が各門柱6の延在部6b内へ一旦没入される。そして、水防板2が起立姿勢となると、水防板2の揺動端2cにある係合凹部23が係合ラッチ21の真下位置に到達して、係合ラッチ21が突出されて係合凹部23に係合されるのである。
図9は、第3実施例の起倒式水防装置30の側面図であって、水防板2が起立姿勢になった状態を図示したものであり、図中の白抜き矢印は浸水時の水流方向を示している。第3実施例の起倒式水防装置30は、上記した第1実施例の起倒式水防装置1に対して、起立姿勢にある水防板2に対する転倒防止機構を付加したものである。
図9に示すように、第3実施例の起倒式水防装置30は、起立姿勢にある水防板2の裏面に一端部が枢着される第1のリンク31aと、収容凹部4内に一端部が枢着される第2のリンク31bとを有して、その第1及び第2のリンク31a,31bの他端同士が枢着されて形成されるヒンジ型のストッパアーム31を備えている。
ストッパアーム31は、水防板2が倒伏姿勢の場合に第1及び第2のリンク31a,31bが折り畳まれて水防板2と収容凹部4の底面との間に収容されており、水防板2が起立動作によって起立姿勢に変更されるに従って第1及び第2のリンク31a,31bが略一直線状に伸ばされる。これによって、水防板2はストッパアーム31を介して各門柱6に押し付けられるので、水防板2を押し倒そうとする浸水時の水圧を受け支えることができる。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
水防板が倒伏姿勢のときの起倒式水防装置の側面図である。 水防板が起立姿勢のときの起倒式水防装置の側面図である。 図1に示す状態にある起倒式水防装置の平面図である。 図2に示す状態にある起倒式水防装置の平面図である。 図1に示した門柱の部分的拡大図である。 図3のVI−VI線における縦断面図である。 図6のVII−VII線における縦断面図である。 第2実施例の起倒式水防装置の部分的拡大断面図である。 第3実施例の起倒式水防装置の側面図であって、水防板が起立姿勢になった状態を図示したものである。
符号の説明
1,20,30 起倒式水防装置
2 水防板
2b 水防板の基端部(起立姿勢の水防板の下端部)
2c 水防板の揺動端
3 支持軸
4 収容凹部
6,6 門柱(一対の門柱)
6b 延在部
7 止水パッキン(止水部材)
8 ドアクローザ
8b 揺動アーム
10 係止部材
10b 当接片
10d 当接ローラ
11 貯水槽
11a 取水口
11b 貯留空間
12 フロート(フロート、押動部材)
12a 頂部斜面
21 係合ラッチ(ラッチ部材)
50 通路
51 通路面

Claims (9)

  1. 通路面に凹設される収容凹部内に倒伏姿勢で収容され、且つ、その通路面上に起立姿勢となって通路を閉塞する水防板と、その水防板を倒伏姿勢と起立姿勢との間で回動可能に支持する支持軸とを備えた起倒式水防装置において、
    その支持軸を介して前記水防板が倒伏姿勢から起立姿勢にされた場合に、その水防板の幅方向両側部が当接されるように前記通路両側に配設される一対の門柱と、
    その水防板に係合される揺動アームを介して前記水防板を倒伏姿勢から起立方向へ常時付勢する機械式のドアクローザと、
    そのドアクローザにより付勢される前記水防板を倒伏姿勢で係止すると共に、その係止を解除する方向へ移動可能に形成される係止部材と、
    その係止部材の一部の下方から突出されることで、その係止部材を係止解除方向へ押動する押動部材と、
    その押動部材によって前記係止部材による前記水防板の係止を解除するため、前記通路にある水を取水して貯留し、その貯留水の水位上昇に伴って前記押動部材を浮力により浮上させて突出させる貯水槽とを備えていることを特徴とする起倒式水防装置。
  2. 前記収容凹部は、前記水防板が起立姿勢とされる場合に、その水防板よりも浸水時の水流方向上流側に相当する前記通路面に凹設されており、
    前記水防板は、起立姿勢となった場合に、前記一対の門柱よりも浸水時の水流方向上流側に配設されていることを特徴とする請求項1記載の起倒式水防装置。
  3. 前記ドアクローザは、前記通路側部における前記収容凹部外に配設され、その配設位置から前記揺動アームが前記水防板へ向けて延設されているものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の起倒式水防装置。
  4. 前記係止部材は、前記通路面に沿って略水平方向に移動可能に形成され、その一部に前記押動部材へ向けて延設される当接片を備えており、
    前記押動部材は、その上端部に斜設されて前記当接片が当接可能に形成される頂部斜面を備えており、
    その頂部斜面は、前記係止部材の前記係止解除方向へ向けて下降傾斜されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の起倒式水防装置。
  5. 前記係止部材は、その一部に前記押動部材へ向けて延設される当接片を備えており、
    前記貯水槽は、その当接片の下方であって前記通路面上に前記取水口が開口形成され、その取水口の下方に連通して貯留水を貯留可能な貯留空間が形成されており、
    前記押動部材は、前記取水口内に浮上可能に遊嵌されるフロートであって、前記貯留空間内の水位上昇に伴う浮力を受けて、前記取水口から前記通路面上から上方へ突出されるものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の起倒式水防装置。
  6. 前記係止部材は、前記当接片に回動可能に軸着され、前記頂部斜面に当接して転動される当接ローラを備えていることを特徴とする請求項4又は5に記載の起倒式水防装置。
  7. 前記ドアクローザの付勢力により前記水防板が起立姿勢とされた場合に、その水防板の下端部に沿って前記通路面と略面一状にその通路面に埋設され、圧縮変形可能な弾性材料で形成されている止水部材を備えており、
    前記水防板は、前記ドアクローザによって起立姿勢された場合に、その水防板の下端部よって前記止水部材を圧縮変形させて、その止水部材に圧接されることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の起倒式水防装置。
  8. 前記一対の門柱は、前記水防板が起立姿勢の場合に、その水防板の揺動端上方に対向するように延設される延在部を備えており、
    その延在部の下端面は、その各門柱に対する前記水防板の当接方向に向かって下降傾斜されており、その水防板が倒伏姿勢から起立方向に向けて回動される場合に、その水防板の揺動端と摺接することで、その水防板を下方に押圧するものであることを特徴とする請求項7記載の起倒式水防装置。
  9. 前記門柱から出没可能に形成され、前記水防板が起立姿勢となる場合に、その門柱から突出して前記水防板に係合されることで、その水防板を前記門柱に対して係止して、その水防板が起立姿勢から倒伏姿勢へ向けて転倒することを阻止するラッチ部材を備えていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の起倒式水防装置。
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