JP2005113442A - 浸入水感知装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】 地下室等の本体内への浸入水を確実に検知し、そして本体内への浸水を防止する。
【解決手段】 フロート(1)と、ラッチ機構(10)と、ラッチ機構と機械的手段(20)により接続されている切換弁(30)とからなる。フロート(1)は、本体(H)内の底部に直接配置する。切換弁(30)の流路は、フロートによりラッチ機構のラッチ状態が解除されると、ひねりバネ(27)の復元力により切り替わる。そして、水道水がピストンシリンダに供給され、防水板は水圧により地上の所定位置まで上昇する。この上昇した防水板により本体内への浸水が阻止される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、浸入水感知装置に関するもので、さらに具体的には限定するものではないが、雨水、河川水、海水等の氾濫水が地下室、屋内等の建造物、ケース等の本体内へ浸入したことを検知する浸入水感知装置に関するもので、この浸入水感知装置が前記本体内へ氾濫水が浸入したことを検知すると、前記本体の出入口近傍の所定位置に設置されている防水板が、水道水、貯水タンク中の水等の水圧により駆動されて、氾濫水が前記本体内へ浸入するのを阻止するようになっている浸入水検知装置に関するものである。
タンク中の液位、河川の水位等を検知する水位検知装置は、文献名を挙げるまでもなく従来周知で、一般に液面に浮いているフロート、このフロートで作動するスイッチ等からなっている。したがって、水位が所定位置まで上昇すると上昇したフロートがスイッチを作動して信号を発する。この信号に基づいて、給水を停止する、排水する、水門を開ける等の種々の操作がなされるようになっている。
特願2001−326873 特開2001−241261
本出願人は、特許文献1により、通常は地下に配置され、防潮時に地上へ駆動される防水板と、この防水板に対応して地上に設けられている枠状支柱体と、前記防水板を地下から地上へ駆動する駆動装置とから構成され、駆動装置が水道水で作動する水圧ピストン・シリンダユニットから可動防水装置を提案している。この防水板は、所定位置までは枠状支柱体に非接触的に駆動され、所定位置に達すると、その縁部分が枠状支柱体に当接するようになっている。
また、本出願人は特許文献2により、海水、河川水、雨水等の氾濫水が地下室へ浸入するのを堰き止める防水板と、該防水板を地下から側壁に沿って駆動する駆動装置とから構成され、そして駆動装置が水道水が供給される水圧式のピストンシリンダユニットからなる防水装置を提案している。この特許文献2には、水圧式のピストンシリンダユニットに水道水を給排する切換弁も示されている。この切換弁を作動する機構は、浸入水を受ける水受皿と、この水受皿と切換弁とを結んでいるリンク機構とからなっている。したがって、水受皿に浸入水が所定量溜まると水受皿は重量により下がり、切換弁の弁体がリンク機構により回転して流路が切り替わる。そして、ピストンシリンダユニットに水道水が供給される。これにより、防水板が所定位置へ駆動され、地下室等への氾濫水の浸入が防止される。
フロートと、このフロートを検知するスイッチとからなる従来の水位検知装置は、構造が簡単で低価格であるという利点があり、実用に供されてはいる。しかしながら、欠点もある。例えば、電気的に水位を検知し、そして電気信号により関連部材を駆動するようになっているので、停電時には用をなさない欠点がある。特に、本出願人が特許文献1、2により提案しているような可動防水装置は、災害時の防水を目的としているが、災害時には電力が得られないことが多いので、このような水位検知装置あるいは浸入水感知装置では災害時には防水板が駆動されないことになる。
また、特許文献2に記載されている切換弁を作動する機構は、浸入水を受ける水受皿と、この水受皿と切換弁とを結んでいるリンク機構とからなっているので、すなわち機械的な機構からのみ構成されているので、停電時のような電気が得られないときでも確実に作動するという特徴を有し、現在も問題なく実用に供されている。しかしながら、改良すべき点も認められる。例えば、浸入水は樋により水受皿に導かれるようになっているので、浸入水が水受皿に入らないトラブルが生じることもあり得る。そうすると、切換弁は作動しないことになる。浸入水が水受皿に入らないと、浸入水は地下室に貯まり、やがて水受皿は浸入水で浮くようになる。そうすると、切換弁は永久に作動しないことになる。また、切換弁の弁体が水受皿の重量により駆動されるようになっているので、弁体の駆動に多少の不安もある。さらには、排水ポートあるいは下水口から水が逆流する逆流水に対しては作動しないという問題もある。
以上のように、本出願人が提案している特許文献1、2に記載されている発明によると、防水板を駆動する動力も、また設置スペースも格別に必要とせず、しかも必要時には防水板が駆動され、地下室等を確実に防水することができるという特徴を有するが、切換弁に改良の余地が認められる。
したがって、本発明は、改良された浸入水感知装置を提供すること目的とし、限定するものではないが、特に海水、河川水、雨水等の氾濫水が地下室へ浸入するのを堰き止める防水板と、該防水板を所定位置へ駆動する駆動装置とから構成され、そして駆動装置は水道水等の水が供給される水圧式のピストンシリンダユニットからなる防水装置に適用して好適な浸入水感知装置を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するために、フロートが適用されるが、このフロートは水受皿のような容器を使用することなく、本体内に直接的に設置される。望ましくは本体内の低位置に直接配置される。これにより、浸入水を確実に検知できる。また、排水溝等から本体内に浸水する逆流水も検知できる。さらに、本発明は上記目的を達成するために、切換弁、警報器等は、フロートの浮力ではなく、バネの復元力で作動するように構成される。これにより、フロートの浮力は比較的小さくても、切換弁、警報器等は確実に作動する。また、本発明は、フロートと切換弁、警報器等との間は機械的な手段すなわちラッチ機構を介して接続されている。これにより、災害時のような停電時にも確実に作動する。
上記のようにして、請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、地下室、屋内等の本体内へ浸入する浸入水で浮くフロートと、手動的にラッチ状態にセットされると共に前記フロートの浮力によりラッチ状態が解除されるようになっているラッチ機構と、前記ラッチ機構と機械的手段により接続されている切換弁、警報器等の被駆動部材とからなり、前記被駆動部材は、前記フロートにより前記ラッチ機構のラッチ状態が解除されると、バネの復元力または錘により作動し、前記フロートは、前記本体内の所定位置に直接配置されるように構成される。
請求項2に記載の発明は、浸入水感知装置が、雨水、河川水、海水等の氾濫水が地下室、屋内等の本体内へ浸入したことを検知すると、前記本体の出入口近傍の所定位置に設置されている防水板が、水道水、貯水タンク中の水等の水圧により駆動されて、氾濫水が前記本体内へ浸入するのが阻止されるようになっている防水装置において、前記浸入水感知装置は、前記本体内へ浸入する浸入水で浮くフロートと、手動的にラッチ状態にセットされると共に前記フロートの浮力によりラッチ状態が解除されるようになっているラッチ機構と、前記ラッチ機構と機械的手段により接続されている切換弁とからなり、前記切換弁は、前記フロートにより前記ラッチ機構のラッチ状態が解除されると、バネの復元力または錘により流路が切り替わり、前記防水板が水圧により所定位置へ駆動され、前記フロートは、前記本体内の所定位置に直接配置されるように構成される。請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の浸入水感知装置において、フロートが発泡樹脂から構成される。
以上のように、本発明によると、地下室、屋内等の本体内へ浸入する浸入水で浮くフロートと、手動的にラッチ状態にセットされると共に前記フロートの浮力によりラッチ状態が解除されるようになっているラッチ機構と、前記ラッチ機構と機械的手段により接続されている切換弁、警報器等の被駆動部材とからなり、前記被駆動部材は、前記フロートにより前記ラッチ機構のラッチ状態が解除されると、バネの復元力または錘により作動し、前記フロートは、前記本体内の所定位置に直接配置されているので、すなわち切換弁、警報器等の被駆動部材は、ラッチ機構と機械的に接続されているので、停電等により電力が得られないときでも、被駆動部材をフロートにより駆動することができ、また被駆動部材はバネの復元力または錘により作動するので、確実に作動するという効果が得られる。また、本発明によると、フロートは本体内の所定位置に直接配置されているので、本体内に浸入する浸水に対しては勿論のこと、排水ポートあるいは下水口から逆流する逆流水に対して確実に作動するという、本発明に特有の効果が得られる。請求項2に記載の発明によると、浸入水感知装置が、雨水、河川水、海水等の氾濫水が地下室、屋内等の本体内へ浸入したことを検知すると、前記本体の出入口近傍の所定位置に設置されている防水板が、水道水、貯水タンク中の水等の水圧により駆動されて、氾濫水が前記本体内へ浸入するのが阻止されるようになっている防水装置において、前記浸入水感知装置は、前記本体内へ浸入する浸入水で浮くフロートと、手動的にラッチ状態にセットされると共に前記フロートの浮力によりラッチ状態が解除されるようになっているラッチ機構と、前記ラッチ機構と機械的手段により接続されている切換弁とからなり、前記切換弁は、前記フロートにより前記ラッチ機構のラッチ状態が解除されると、バネの復元力または錘により流路が切り替わり、前記防水板が水圧により所定位置へ駆動され、前記フロートは前記本体内の所定位置に直接配置されているので、フロートが本体内に浸入する浸入水に対して直接的に作動し、停電等により電力が得られないときでも、本体内への浸入水を確実に阻止することができるという、請求項2に記載の発明に特有の効果が得られる。
以下添付図面により、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態に係わるフロート1が本体H内の底部に配置されている状態を示す斜視図である。図1には正確には示されていないが、本体Hは本実施の形態では地下室、道路に面した室等であり、災害時に雨水、河川水、海水等の氾濫水が出入口から浸入する室でもある。そして、その出入口近傍には前述した特許文献1、2に示されているような可動防止装置が設けられている。可動防水装置は、概略的には防水板と、この防水板を駆動する水圧ピストンシリンダユニットからなっている。そして、水道水あるいは貯水タンク中の水圧源は、切換弁を介して水圧ピストンシリンダユニットに接続されている。このように構成されている可動防水装置は、通常は路面よりも下の地下に埋設されており、その上は通路の一部として利用されるようになっている。また、必要時に切換弁を切り換えて圧力水を水圧ピストンシリンダユニットに供給すると、防水板が地下から地上の所定高さまで駆動される。これによって、本体Hの出入口が閉鎖され、氾濫水が本体H内へ浸入することが防止されるようになっている。
浸入水感知装置は、フロート1、ラッチ機構10、弁操作機構20等からなっている。この弁操作機構20により切換弁30の弁体が切り換えられるようになっている。フロート1は、本実施の形態では、安価に得られ耐久性もある発泡樹脂から構成されている。このフロート1の下方の側面は、保持部材2、2により保持されている。保持部材2、2の端部は、本体Hの床面Fに固定されているブラケット3、3にピン4により回動自在に取り付けられている。このようにフロート1が保持部材2、2により床面Fに取り付けられているので、本体H内が浸水すると、フロート1はピン4を回転の中心として矢印A方向に回動的に浮くことはできるが、妄りな動きは規制されている。フロート1と共に回動的に浮く一方の保持部材2の、図1において右方の端部には、ラッチ解除板5が取り付けられている。また、フロート1は上面も上面保持部材2’で保持され、この上面保持部材2’に取っ手6が設けられている。
ラッチ機構10は、ラッチピン11、ラッチ爪12、スタンド13等からなっている。スタンド12は本体Hの底部に固定され、その上縁はセット時にラッチピン11の下面を一時的に受けるピン受17となっている。ラッチ爪12は、図1の斜視図には正確には示されていないが、棒状部分とフック状部分とから全体がL字形を呈するように構成されている。棒状部分の一方の端部がラッチ解除板5により押し上げられる受動部15となり、フック状部分がラッチピン11を抑えている鍵部16となっている。そして、棒状部分の他方の端部近傍部がピン19によりスタンド13に回動自在に取り付けられている。
ラッチピン11は、水平方向に延び、そして先端部はL字部材18に取り付けられ、このL字部材18に弁操作機構20のレバー21が接続されている。弁操作機構20は、レバー21と、このレバー21の後端部を回動自在に支持しているブラケット25、25とから構成されている。レバー21の始端部は、L字部材18に一体化され、終端部は二股状に分かれて取付部22、22となっている。切換弁30の弁箱に取り付けられているブラケット25、25は、先端は二股状になっている。そして、レバー21の取付部22、22が二股状になっているブラケット25、25に挿入された形でピン26により回動自在に支持されている。取付部22、22とブラケット25、25とに間には、ひねりバネ27が設けられ、レバー21は、図1において矢印B方向に回動するようにバネ付勢されている。また、レバー21がひねりバネ27の復元力により矢印B方向に回動すると、切換弁30の弁体が回転し、流路が切り替わるようになっている。
レバー21は、比較的重量があり、そして図1に示されているセット状体ではレバー21の回転中心であるピン26よりも下方に位置している。したがって、ひねりバネ27の復元力は、レバー21の重量により相殺されている。これにより、ラッチピン11は小さな力あるいは小さな摩擦力でラッチ爪12の鍵部16に係止している。しかしながら、ラッチ状体が解除され、レバー21がある程度上昇すると、レバー21の重量中心とピン26との間の間隔は小さくなるので、レバー21の重量の影響あるいは相殺力は小さくなる。これにより、切換弁30の弁体は、ひねりバネ27の大きな復元力により確実に切り換えられることになる。
切換弁30は、本実施の形態では3個のポートを有し、第1のポート31は、水道管に、第2のポート32は水圧ピストンシリンダユニトに、そして図示されない第3のポートは排水溝にそれぞれ接続されている。
次に、上記実施の形態の作用について説明する。取っ手6により手動的にフロート1を持ち上げる。そうすると、ラッチ解除板5が上方へ押し上げられ、ラッチ爪12の受動部15が上方へ駆動される。ラッチ爪12はピン19を中心として、図1において矢印Cで示されている方向に回動し、ラッチ爪12の鍵部16は開放状態になる。そこで、ラッチピン11を弁操作機構20のひねりバネ27に抗して押し下げ、ラッチピン受17に載せる。そしてフロート1を下げる。これにより、ラッチピン11はラッチ爪12の鍵部16によりラッチされ、セットされる。このセットによりレバー21は、図1に示されている状態になり、切換弁30の第1のポート31は閉鎖され、第2のポート32と第3のポートは連通する。水圧ピストンシリンダユニットの水は、第3のポートより排水され、防水板は自重により地下の所定位置に下がる。本体Hの出入口近傍に配置されている可動防水装置の防水板は、外部から見えないようになると共に、その上は通路の一部として利用される状態になる。
今、氾濫水あるいは逆流水が本体H内に浸水すると、あるいはケース排水溝Dから浸水すると、やがてフロート1は浮く。そうすると、ラッチ解除板5がラッチ爪12の受動部15を押し上げる。ラッチ爪12は、前述したように図1において矢印C方向に回動してラッチピン11を開放する。レバー21は、ひねりバネ27の復元力により図1において矢印B方向に回動する。このひねりバネ27の復元力により、切換弁30の弁体が回転し、第1、2のポート31、32が連通する。水道水が水圧ピストンシリンダユニットに供給され、防止板が地上の所定高さまで駆動される。これにより、前記した特許文献1、2に記載されているように、本体H内への氾濫水あるいは逆流水の浸入が防止される。なお、前述したようにして、切換弁30を元の状態にセットできることは明らかである。
上記実施の形態では、本体H内が浸水すると、切換弁30が作動して防水板を駆動するようになっているが、切換弁30の代わりに機械的な鐘等の警報器を作動させることもできる。この警報により、適宜浸水対策を取ることもできる。また、上記実施の形態では、切換弁30の弁体は、ひねりバネ27の復元力のみで作動するようになっているが、図1において点線で示されているように、ひねりバネ27の代わりに錘Wにより作動するように実施することもできる。錘Wで実施しても略同様な作用・効果が得られることは明らかである。また、ひねりバネ27と錘Wの両方を設けても同様な作用・効果が得られることも明らかである。
本発明の実施の形態をセット状態で示す斜視図である。
符号の説明
1 フロート 5 ラッチ解除板
10 ラッチ機構 11 ラッチピン
12 ラッチ爪 20 弁操作機構
21 レバー 25 ブラケット
30 切換弁 31、32 ポート

Claims (3)

  1. 地下室、屋内等の本体内へ浸入する浸入水で浮くフロートと、手動的にラッチ状態にセットされると共に前記フロートの浮力によりラッチ状態が解除されるようになっているラッチ機構と、前記ラッチ機構と機械的手段により接続されている切換弁、警報器等の被駆動部材とからなり、
    前記被駆動部材は、前記フロートにより前記ラッチ機構のラッチ状態が解除されると、バネの復元力または錘により作動し、
    前記フロートは、前記本体内の所定位置に直接配置されている、ことを特徴とする浸入水感知装置。
  2. 浸入水感知装置が、雨水、河川水、海水等の氾濫水が地下室、屋内等の本体内へ浸入したことを検知すると、前記本体の出入口近傍の所定位置に設置されている防水板が、水道水、貯水タンク中の水等の水圧により駆動されて、氾濫水が前記本体内へ浸入するのが阻止されるようになっている防水装置において、
    前記浸入水感知装置は、前記本体内へ浸入する浸入水で浮くフロートと、手動的にラッチ状態にセットされると共に前記フロートの浮力によりラッチ状態が解除されるようになっているラッチ機構と、前記ラッチ機構と機械的手段により接続されている切換弁とからなり、
    前記切換弁は、前記フロートにより前記ラッチ機構のラッチ状態が解除されると、バネの復元力または錘により流路が切り替わり、前記防水板が水圧により所定位置へ駆動され、
    前記フロートは、前記本体内の所定位置に直接配置されている、ことを特徴とする浸入水感知装置。
  3. 請求項1または2に記載の浸入水感知装置において、フロートが発泡樹脂からなる浸入水感知装置。
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