JP2008183337A - 誘導加熱容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高周波磁界により渦電流が誘起されて発熱する誘導加熱発熱体を備えた誘導加熱容器であって、誘導加熱発熱体を発熱させて被加熱物を加熱するに際して、機器の操作によることなく、所定時間経過後に自動的に加熱を終わらせることができる誘導加熱容器を提供する。
【解決手段】 水7などを収容するようにされた容器本体2と、高周波磁界により渦電流が誘起されて発熱する誘導加熱発熱体3とを備え、容器本体2の側壁部2bの内面側には、庇状に水平に張り出した返し部2dが非形成部2eを間に挟んで周方向に沿うように形成されているとともに、誘導加熱発熱体3が、返し部2dよりも下方に位置し、かつ、容器本体2との間に所定の空隙が形成されるように取り付ける。
【選択図】 図1
【解決手段】 水7などを収容するようにされた容器本体2と、高周波磁界により渦電流が誘起されて発熱する誘導加熱発熱体3とを備え、容器本体2の側壁部2bの内面側には、庇状に水平に張り出した返し部2dが非形成部2eを間に挟んで周方向に沿うように形成されているとともに、誘導加熱発熱体3が、返し部2dよりも下方に位置し、かつ、容器本体2との間に所定の空隙が形成されるように取り付ける。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電磁調理器などが備える電磁誘導加熱コイルにより発生する高周波磁界によって渦電流が誘起され、そのジュール熱により発熱する誘導加熱発熱体を備えた誘導加熱容器に関する。
近年、ガス機器が主流であった加熱調理機器に代わって、一般に、電磁調理器と称される加熱調理機器が、安全性、清潔性、利便性、経済性などの観点から、飲食業などにおける業務用のみならず、一般家庭においても広く普及するようになってきている。
しかしながら、この種の電磁調理器は、内部に備えた電磁誘導加熱コイルにより高周波磁界を発生させ、誘起された渦電流によって生じるジュール熱により加熱対象物を加熱するというものである。このため、炎を使わずに加熱調理を行うことができる反面、その原理上、使用できる調理器具が限られてしまい、鉄、鉄ホーローなどの磁性金属からなる専用の調理器具を用いなければならないという不利があった。
このような状況下、上記した電磁調理器の不利を解消するものとして、例えば、特許文献1には、蒸し鍋用土鍋の底に、発熱体としてアルミニウムや銀の薄い金属層を底部に配して電磁調理器で蒸し料理ができるようにした土鍋が提案されている。
特開2002−238738号公報
ところで、近年、食のインスタント化が進み、電子レンジで加熱するだけで食することができるようにされた種々の食品が、冷凍又は冷蔵されて市場に流通している。このような流通形態において、包装容器をそのまま調理容器として使用できれば便利であり、また、シューマイに代表されるような蒸し料理にあっては、本来の風味を損なわないためにも、電子レンジで加熱するのではなく、蒸気によって加熱するのが好ましい。
このため、包装容器をそのまま蒸し器として利用できれば、非常に手軽で、便利である。
このため、包装容器をそのまま蒸し器として利用できれば、非常に手軽で、便利である。
しかしながら、特許文献1には、電磁調理器で蒸し料理ができるようにした土鍋が提案されているものの、特許文献1に記載されているような蒸し鍋用土鍋は、上記のような用途に利用するには不向きである。
また、電磁調理器により包装容器を蒸し器として利用するにあたり、機器の操作によることなく、収容された調理対象に応じて、容器ごとに設定された時間で加熱処理を自動で終わらすことができれば、加熱不足や、過剰加熱を未然に防いで、常に適切な条件で調理対象を蒸して加熱処理できるようになることが期待されるが、特許文献1では、そのような検討はなされていない。
また、電磁調理器により包装容器を蒸し器として利用するにあたり、機器の操作によることなく、収容された調理対象に応じて、容器ごとに設定された時間で加熱処理を自動で終わらすことができれば、加熱不足や、過剰加熱を未然に防いで、常に適切な条件で調理対象を蒸して加熱処理できるようになることが期待されるが、特許文献1では、そのような検討はなされていない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、高周波磁界により渦電流が誘起されて発熱する誘導加熱発熱体を備えた誘導加熱容器であって、誘導加熱発熱体を発熱させて被加熱物を加熱するに際して、機器の操作によることなく、所定時間経過後に自動的に加熱を終わらせることができる誘導加熱容器の提供を目的とする。
本発明に係る誘導加熱容器は、液状の被加熱物を収容するようにされた容器本体と、高周波磁界により渦電流が誘起されて発熱する誘導加熱発熱体とを少なくとも備え、前記容器本体の側壁部の内面側には、庇状に張り出した返し部が、一又は複数の非形成部を間に挟んで周方向に沿うように形成されているとともに、前記誘導加熱発熱体が、前記返し部よりも下方に位置し、かつ、前記側壁部及び返し部に近接され、前記容器本体との間に所定の空隙が形成されるようにして、前記容器本体に取り付けられている構成としてある。
このような構成を採用した本発明に係る誘導加熱容器は、容器本体に収容された液状の被加熱物と接触した状態で誘導加熱発熱体を発熱させることによって、被加熱物を加熱することができる。そして、被加熱物が沸騰するに伴って減少していくと、誘導加熱発熱体が露出し、被加熱物への熱の流れが途絶えて過剰に発熱するようになってくるところ、沸騰する被加熱物は、その沸騰する勢いで、誘導加熱発熱体と、容器本体との間に形成された空隙を通って、返し部の下面に回り込んでいき、返し部の直下に位置する誘導加熱発熱体に降り注ぐ、というようにして容器内を循環する。
これにより、返し部の直下に位置する部位では、誘導加熱発熱体が発する熱は、降り注がれてくる被加熱物によって定常的に奪われていくため、過剰な発熱を抑制することができる一方で、返し部が形成されていない非形成部では、誘導加熱発熱体に被加熱物が降り注いでこないので、その部位における過剰な発熱を抑制することができない。このため、誘導加熱発熱体は、被加熱物が減少していくにしたがって、返し部の直下に位置する部位よりも、返し部が形成されていない非形成部側に位置する部位が過剰に発熱することとなり、その温度が誘導加熱発熱体の溶融温度以上になると、非形成部側に位置する部位が優先的に溶融して破断し、機器の操作によらずとも、所定時間経過後に自動的に加熱を終わらせるようにすることが可能となる。
これにより、返し部の直下に位置する部位では、誘導加熱発熱体が発する熱は、降り注がれてくる被加熱物によって定常的に奪われていくため、過剰な発熱を抑制することができる一方で、返し部が形成されていない非形成部では、誘導加熱発熱体に被加熱物が降り注いでこないので、その部位における過剰な発熱を抑制することができない。このため、誘導加熱発熱体は、被加熱物が減少していくにしたがって、返し部の直下に位置する部位よりも、返し部が形成されていない非形成部側に位置する部位が過剰に発熱することとなり、その温度が誘導加熱発熱体の溶融温度以上になると、非形成部側に位置する部位が優先的に溶融して破断し、機器の操作によらずとも、所定時間経過後に自動的に加熱を終わらせるようにすることが可能となる。
このように、本発明に係る誘導加熱容器は、前記誘導加熱発熱体を発熱させて、前記容器本体に収容された液状の被加熱物を加熱、沸騰させたときに、前記誘導加熱発熱体が、前記非形成部側の部位において選択的に過剰に発熱して破断する構成とすることができる。
また、本発明に係る誘導加熱容器は、前記被加熱物として水が収容され、前記容器本体に収容された水と接した状態で前記誘導加熱発熱体を発熱させて、容器内に蒸気を発生させるようにした構成とすることができる。
このような構成とすることにより、本発明に係る誘導加熱容器は、安全、かつ、手軽に、電磁調理器により蒸し器として利用することができる。
このような構成とすることにより、本発明に係る誘導加熱容器は、安全、かつ、手軽に、電磁調理器により蒸し器として利用することができる。
また、本発明に係る誘導加熱容器は、電磁調理器により蒸し器として利用するにあたり、蒸気孔が穿設されたトレーを前記容器本体に支持させ、前記トレー上に調理対象が載置されるようにした構成とすることができる。
以上のように、本発明の誘導加熱容器によれば、誘導加熱発熱体を発熱させて被加熱物を加熱するに際し、誘導加熱発熱体の所定の部位が優先的に破断されるようにして、機器の操作によらずとも、所定時間経過後に自動的に加熱を終わらせることができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、図1は、本実施形態に係る誘導加熱容器の概略を示す説明図であり、後述する図2のA−A断面に相当する位置での容器縦断面を示している。
なお、図1は、本実施形態に係る誘導加熱容器の概略を示す説明図であり、後述する図2のA−A断面に相当する位置での容器縦断面を示している。
図1に示す容器1は、水7などの液状の被加熱物を収容するようにされた容器本体2と、高周波磁界により渦電流が誘起されて発熱する誘導加熱発熱体3と、調理対象6が載置されるトレー4と、容器本体2の開口部を覆う蓋体5とを備えている。そして、これらを備えて構成される本実施形態の容器1は、発熱する誘導加熱発熱体3が水7を加熱、沸騰させ、このときに発生する蒸気によって調理対象6を蒸すようにされている。
容器本体2は、底部2aの周りを囲むようにして立設された側壁部2bを有しており、この側壁部2bの内面側には、庇状に水平に張り出す返し部2dが周方向に沿って形成されている。側壁部2bの内面側に形成される返し部2dは、側壁部2bの内面側の全周には至っておらず、図示するように、その一部が途中で途切れている。そして、返し部2dは、返し部2dが形成されていない非形成部2eを間に挟んで周方向に沿うように形成されている。
なお、容器本体2の底部2aは、図示するような方形状とするほか、他の多角形状や、円形状など、任意の形状とすることができる。
なお、容器本体2の底部2aは、図示するような方形状とするほか、他の多角形状や、円形状など、任意の形状とすることができる。
図示する例において、返し部2dは、容器本体2の側壁部2bの内面側に沿う一辺と、その両端に接続するそれぞれの辺の一部を非形成部2eとし、この非形成部2eを間に挟んで周方向に沿うように形成されているが、返し部2dを形成する態様は、これに限定されない。返し部2dは、一又は複数の非形成部2eを間に挟んで周方向に沿うように形成されていればよい。
また、返し部2dの上方には、トレー4を支持するための段部2cが、側壁部2bの内周縁の全周に沿って設けられている。容器本体2は、図示するように、この段部2cに調理対象6が載置されたトレー4を支持させるとともに、容器本体2の上端縁に載置した蓋体5で開口部が覆われるようになっており、これによって、容器内を蒸気で満たして、調理対象6を蒸すことができるようになっている。
誘導加熱発熱体3としては、電磁調理器などが備える電磁誘導加熱コイルから発生する高周波磁界により渦電流が誘起され、その電気抵抗によりジュール熱が生じて発熱し得る導電性材料、例えば、アルミニウム,ニッケル,金,銀,銅,白金,鉄,コバルト,錫,亜鉛など、又はこれらの合金、あるいは、導電性を付与した樹脂フィルムや紙などの導電性材料を用いることができる。
より具体的には、例えば、金属材料としてアルミニウムを用いる場合、誘導加熱発熱体3は、0.10〜100μm程度の厚みのアルミニウム箔を用いて形成することができる。
より具体的には、例えば、金属材料としてアルミニウムを用いる場合、誘導加熱発熱体3は、0.10〜100μm程度の厚みのアルミニウム箔を用いて形成することができる。
図示する例において、誘導加熱発熱体3は、容器本体2の底部2aと同様の形状とされており、その四隅が、容器本体2の底部2aから突出して形成された支持部2fに固定されている。
誘導加熱発熱体3を支持部2fに固定するには、図示するように、誘導加熱発熱体3の四隅に設けたスリット3bから支持部2fの先端部分を突出させて、この先端部分にイーリング、シーリングなどの留め具を固着すればよいが、これに限定されない。例えば、スリット3bから突出させた支持部2fの先端部分を折り返したり、潰したりするなどのほか、ビス、鋲などの留め具を用いたり、ヒートシールや、接着剤によって固定するようにしてもよい。さらに、スリット3bの代わりに、十字、星形などに切り込みを入れてもよく、誘導加熱発熱体3と支持部2fとの接触面積を減らして、熱伝導が少なくなるような切り込み形状とするのが好ましい。
なお、図2は、容器本体2に誘導加熱発熱体3を取り付けた状態の概略を示す平面図である。
誘導加熱発熱体3を支持部2fに固定するには、図示するように、誘導加熱発熱体3の四隅に設けたスリット3bから支持部2fの先端部分を突出させて、この先端部分にイーリング、シーリングなどの留め具を固着すればよいが、これに限定されない。例えば、スリット3bから突出させた支持部2fの先端部分を折り返したり、潰したりするなどのほか、ビス、鋲などの留め具を用いたり、ヒートシールや、接着剤によって固定するようにしてもよい。さらに、スリット3bの代わりに、十字、星形などに切り込みを入れてもよく、誘導加熱発熱体3と支持部2fとの接触面積を減らして、熱伝導が少なくなるような切り込み形状とするのが好ましい。
なお、図2は、容器本体2に誘導加熱発熱体3を取り付けた状態の概略を示す平面図である。
このようにして誘導加熱発熱体3を容器本体2に取り付ければ、適度な張力を作用させながら誘導加熱発熱体3を固定できるので、水7が沸騰する際の勢いによって、誘導加熱発熱体3が激しく揺れ動いてしまうのを抑制することができる。
さらに、誘導加熱発熱体3は、ほとんどの部分が、容器本体2とは非接触となり、誘導加熱発熱体3が発熱する際の熱による影響が少ない。このため、容器本体2を形成する材料には、冷凍又は冷蔵された食品などの包装容器として従来用いられているものと同様の材料、より具体的には、ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂などの合成樹脂材料、さらには、紙や、ガラスなど、種々の汎用の非磁性材料を用いることができる。これにより、電磁調理器で使用可能な低コストの誘導加熱容器を容易に提供することが可能になる。
また、このようにして誘導加熱発熱体3を容器本体2に取り付けるにあたり、誘導加熱発熱体3は、図示するように、容器本体2の側壁部2bに形成された返し部2dよりも下方に位置し、かつ、容器本体2の側壁部2b及び側壁部2bに形成された返し部2dに近接され、容器本体2との間に所定の空隙が形成されるようにして取り付けるが、これについては後述する。
以上のような容器1は、市販の電磁調理器の上に置いて使用される。この際、所定量の水7を容器本体2に注入して、誘導加熱発熱体3が水7に浸されるようにしつつ、容器本体2の段部2cにトレー4を支持させる。そして、このトレー4上に調理対象6を載置し、容器本体2の開口部を蓋体5で覆ってから、誘導加熱発熱体3が水7と接した状態で電磁調理器を作動させ、誘導加熱発熱体3を発熱させる。
これにより、誘導加熱発熱体3に接している水7が加熱されて沸騰し、容器内に発生する蒸気により調理対象6を蒸すことができる。
これにより、誘導加熱発熱体3に接している水7が加熱されて沸騰し、容器内に発生する蒸気により調理対象6を蒸すことができる。
水7を容器本体2に注入するに際して、水7には、必要に応じて、調理用の香料、油分、調味液などを含有させることもできる。
また、特に図示しないが、トレー4には一又は二以上の蒸気孔を穿設し、水7が沸騰して発生した蒸気が容器全体に行き渡るようにしておくことができる。蓋体5には、容器内に発生した蒸気を適度に外部に逃がすための蒸気抜きを設けておくこともできる。トレー4や、蓋体5は、前述したような容器本体2と同様の材料を用いて形成することができるが、蓋体5は、加熱対象6を目視できるように、透明性の高い材料により形成するのが好ましい。
また、特に図示しないが、トレー4には一又は二以上の蒸気孔を穿設し、水7が沸騰して発生した蒸気が容器全体に行き渡るようにしておくことができる。蓋体5には、容器内に発生した蒸気を適度に外部に逃がすための蒸気抜きを設けておくこともできる。トレー4や、蓋体5は、前述したような容器本体2と同様の材料を用いて形成することができるが、蓋体5は、加熱対象6を目視できるように、透明性の高い材料により形成するのが好ましい。
このように、容器1は、水7を注入するだけで、電磁調理器により蒸し器として利用することができるが、使用に際して容器内に蒸気が発生すると、これに伴って容器本体2に注入された水7が減少する。
そして、水7が減少して水位が下がっていくと、誘導加熱発熱体3が水面から露出し、水7への熱の流れが途絶えて過剰に発熱するようになってくるところ、前述したように、誘導加熱発熱体3は、容器本体2の側壁部2bに形成された返し部2dよりも下方に位置し、かつ、容器本体2の側壁部2b及び側壁部2bに形成された返し部2dに近接され、容器本体2との間に所定の空隙が形成されるようにして、容器本体2に取り付けられている。
そして、水7が減少して水位が下がっていくと、誘導加熱発熱体3が水面から露出し、水7への熱の流れが途絶えて過剰に発熱するようになってくるところ、前述したように、誘導加熱発熱体3は、容器本体2の側壁部2bに形成された返し部2dよりも下方に位置し、かつ、容器本体2の側壁部2b及び側壁部2bに形成された返し部2dに近接され、容器本体2との間に所定の空隙が形成されるようにして、容器本体2に取り付けられている。
このようにすることで、沸騰する水7は、図3に示すように、その沸騰する勢いで、誘導加熱発熱体3と、容器本体2との間に形成された空隙を通って、返し部2dの下面に回り込んでいき、返し部2dの直下に位置する誘導加熱発熱体3に降り注ぐ、というようにして容器内を循環する。
なお、図3は、後述するように水7が減少して誘導加熱発熱体3に破断が生じる直前の状態において、返し部2d近傍における水7の挙動を模式的に示す説明図であり、容器本体2との間に形成された空隙を通って、返し部2dの下面に回り込んでいく水7の挙動を矢印で示している。
なお、図3は、後述するように水7が減少して誘導加熱発熱体3に破断が生じる直前の状態において、返し部2d近傍における水7の挙動を模式的に示す説明図であり、容器本体2との間に形成された空隙を通って、返し部2dの下面に回り込んでいく水7の挙動を矢印で示している。
これにより、返し部2dの直下に位置する部位では、誘導加熱発熱体3が発する熱は、降り注がれてくる水7によって定常的に奪われていくことになり、誘導加熱発熱体3が水面よりも上方に露出することとなっても、その部位における過剰な発熱は抑制される。その一方で、返し部2dが形成されていない非形成部2eでは、誘導加熱発熱体3に水7が降り注いでいかないため、その部位における過剰な発熱を抑制することができない。
このため、誘導加熱発熱体3は、水7が減少して水位が下がっていくにしたがって、返し部2dの直下に位置する部位よりも、返し部2dが形成されていない非形成部2e側に位置する部位が過剰に発熱することとなり、その温度が誘導加熱発熱体3の溶融温度以上になると、図4に示すように、非形成部2e側に位置する部位において、外縁部から中央部に向かって優先的に破断が生じる。
なお、図4は、誘導加熱発熱体3が破断した状態を示す説明図であり、破断部を符号Cで示す。
なお、図4は、誘導加熱発熱体3が破断した状態を示す説明図であり、破断部を符号Cで示す。
ここで、図示する例では、誘導加熱発熱体3のほぼ中央に、円形の抜き孔からなる貫通部3aが形成されている。このような貫通部3aを設けることで、誘導加熱発熱体3が、外縁部から中央部に向かって破断しやすくなるようにすることができる。貫通部3aは、図示するような円形の抜き孔とするほか、例えば、スリットを放射状に切り込んで形成するなどしてもよい。
誘導加熱発熱体3が破断すると、安全機構が働いて電磁調理器が停止する。このため、調理対象6を蒸すのに要する時間に応じて、誘導加熱発熱体3の形状、寸法、容器本体2に注入する水の量などを適宜調整することにより、誘導加熱発熱体3を発熱させてから、誘導加熱発熱体3が破断するまでの時間を管理して、電磁調理器の操作によらずとも、所定時間経過後に、加熱処理を自動的に終わらせることができる。
したがって、収容された調理対象6に応じて、容器ごとに設定された時間で加熱処理を自動で終わらすことができ、加熱不足や、過剰加熱を未然に防いで、常に適切な条件で調理対象を蒸して加熱処理できる。
したがって、収容された調理対象6に応じて、容器ごとに設定された時間で加熱処理を自動で終わらすことができ、加熱不足や、過剰加熱を未然に防いで、常に適切な条件で調理対象を蒸して加熱処理できる。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、前述した実施形態では、被加熱物として水7を容器本体2に収容し、容器1を蒸し器として使用して、調理対象6を蒸して加熱処理する例を示したが、被加熱物を直接に加熱するための加熱容器として使用するようにしてもよい。
また、前述したように、返し部2dを形成しない非形成部2eは、一つに限らず、誘導加熱発熱体3を破断させたい部位に応じて複数としてもよく、非形成部2eの長さや、その数などは、誘導加熱発熱体3をどのように破断させるかによって任意に調整することができる。
また、前述したように、返し部2dを形成しない非形成部2eは、一つに限らず、誘導加熱発熱体3を破断させたい部位に応じて複数としてもよく、非形成部2eの長さや、その数などは、誘導加熱発熱体3をどのように破断させるかによって任意に調整することができる。
また、返し部2dを形成するにあたり、その具体的な形成手段としては、例えば、図5に示すように、容器本体2の側壁部2bの一部を容器内方に陥入させ、これによって返し部2dを形成するようにしてもよい。別体とされた上部容器本体21と下部容器本体22とを組み合わせて容器本体2が形成されるようにするとともに、この際、図6に示すように、上部容器本体21の下端縁の一部を容器内方に折り曲げたり、図7に示すように、下部容器本体の上端縁の一部を容器内方に折り曲げたりしておき、この折り曲げられた部位によって返し部2dが形成されるようにすることもできる。
また、図8に示すように、トレー4の一部を容器本体2の底部2a側に陥没させて、この陥没させた部位を返し部2dとすることもできる。特に図示しないが、別体とされた返し部2dを形成する部材を、容器本体2の側壁部2bの内壁面に取り付けるようにしてもよい。
なお、図5〜図8は、図1に対応させて上記各変形例の概略を示す説明図であるが、誘導加熱発熱体3などの図示は省略してある。
また、図8に示すように、トレー4の一部を容器本体2の底部2a側に陥没させて、この陥没させた部位を返し部2dとすることもできる。特に図示しないが、別体とされた返し部2dを形成する部材を、容器本体2の側壁部2bの内壁面に取り付けるようにしてもよい。
なお、図5〜図8は、図1に対応させて上記各変形例の概略を示す説明図であるが、誘導加熱発熱体3などの図示は省略してある。
以上説明したように、本発明は、市販の電磁調理器により誘導加熱発熱体を発熱させて、被加熱物を加熱する誘導加熱容器を提供する。
1 容器
2 容器本体
2b 側壁部
2d 返し部
2e 非形成部
3 誘導加熱発熱体
4 トレー
6 調理対象
7 水
2 容器本体
2b 側壁部
2d 返し部
2e 非形成部
3 誘導加熱発熱体
4 トレー
6 調理対象
7 水
Claims (4)
- 液状の被加熱物を収容するようにされた容器本体と、
高周波磁界により渦電流が誘起されて発熱する誘導加熱発熱体とを少なくとも備え、
前記容器本体の側壁部の内面側には、庇状に張り出した返し部が、一又は複数の非形成部を間に挟んで周方向に沿うように形成されているとともに、
前記誘導加熱発熱体が、前記返し部よりも下方に位置し、かつ、前記側壁部及び返し部に近接され、前記容器本体との間に所定の空隙が形成されるようにして、前記容器本体に取り付けられていることを特徴とする誘導加熱容器。 - 前記誘導加熱発熱体を発熱させて、前記容器本体に収容された液状の被加熱物を加熱、沸騰させたときに、
前記誘導加熱発熱体が、前記非形成部側の部位において選択的に過剰に発熱して破断するようにされた請求項1に記載の誘導加熱容器。 - 前記被加熱物として水が収容され、
前記容器本体に収容された水と接した状態で前記誘導加熱発熱体を発熱させて、容器内に蒸気を発生させるようにした請求項1〜2のいずれか1項に記載の誘導加熱容器。 - 蒸気孔が穿設されたトレーを前記容器本体に支持させ、前記トレー上に調理対象が載置されるようにした請求項3に記載の誘導加熱容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007021411A JP2008183337A (ja) | 2007-01-31 | 2007-01-31 | 誘導加熱容器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007021411A JP2008183337A (ja) | 2007-01-31 | 2007-01-31 | 誘導加熱容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008183337A true JP2008183337A (ja) | 2008-08-14 |
Family
ID=39726755
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007021411A Pending JP2008183337A (ja) | 2007-01-31 | 2007-01-31 | 誘導加熱容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008183337A (ja) |
-
2007
- 2007-01-31 JP JP2007021411A patent/JP2008183337A/ja active Pending
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