JP2008110168A - 誘導加熱調理容器 - Google Patents

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Hagino Fujita
萩乃 藤田
Takayuki Aikawa
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Abstract

【課題】 冷凍又は冷蔵された食品などの加熱対象を市場に流通させる際の包装容器として使用することができ、これを購入した消費者は、そのまま市販の電磁調理器により蒸し器として手軽に、かつ、安全に利用することができるとともに、機器の操作によることなく、常に適切な条件で調理対象を蒸して加熱調理できる誘導加熱調理容器を提供する。
【解決手段】 容器本体2に注入された水7と接した状態で誘導加熱発熱体3を発熱させ、水7を加熱、沸騰させて、容器内に発生する蒸気により調理対象6を蒸して加熱調理するに際して、蒸気を発生させた後に、誘導加熱発熱体3の一部が水面よりも上位に上昇するようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電磁調理器などが備える電磁誘導加熱コイルにより発生する高周波磁界によって渦電流が誘起され、そのジュール熱により発熱する誘導加熱発熱体を備えた誘導加熱調理容器に関する。
近年、ガス機器が主流であった加熱調理機器に代わって、一般に、電磁調理器と称される加熱調理機器が、安全性、清潔性、利便性、経済性などの観点から、飲食業などにおける業務用のみならず、一般家庭においても広く普及するようになってきている。
しかしながら、この種の電磁調理器は、内部に備えた電磁誘導加熱コイルにより高周波磁界を発生させ、誘起された渦電流によって生じるジュール熱により加熱対象物を加熱するというものである。このため、炎を使わずに加熱調理を行うことができる反面、その原理上、使用できる調理器具が限られてしまい、鉄、鉄ホーローなどの磁性金属からなる専用の調理器具を用いなければならないという不利があった。
このような状況下、上記した電磁調理器の不利を解消するものとして、例えば、特許文献1には、蒸し鍋用土鍋の底に、発熱体としてアルミニウムや銀の薄い金属層を底部に配して電磁調理器で蒸し料理ができるようにした土鍋が提案されている。
特開2002−238738号公報
ところで、近年、食のインスタント化が進み、電子レンジで加熱するだけで食することができるようにされた種々の食品が、冷凍又は冷蔵されて市場に流通している。このような流通形態において、包装容器をそのまま調理容器として使用できれば便利であり、また、シューマイに代表されるような蒸し料理にあっては、本来の風味を損なわないためにも、電子レンジで加熱するのではなく、蒸気によって加熱するのが好ましい。
このため、包装容器をそのまま蒸し器として利用できれば、非常に手軽で、便利である。
しかしながら、特許文献1には、電磁調理器で蒸し料理ができるようにした土鍋が提案されているものの、特許文献1に記載されているような蒸し鍋用土鍋は、上記のような用途に利用するには不向きである。
また、電磁調理器により包装容器を蒸し器として利用するにあたり、機器の操作によることなく、収容された調理対象に応じて、容器ごとに設定された時間で加熱処理を自動で終わらすことができれば、加熱不足や、過剰加熱を未然に防いで、常に適切な条件で調理対象を蒸して加熱調理できるようになることが期待されるが、特許文献1では、そのような検討はなされていない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、冷凍又は冷蔵された食品などの加熱対象を市場に流通させる際の包装容器として使用することができ、これを購入した消費者は、そのまま市販の電磁調理器により蒸し器として手軽に、かつ、安全に利用することができるとともに、機器の操作によることなく、常に適切な条件で調理対象を蒸して加熱調理できる誘導加熱調理容器の提供を目的とする。
本発明に係る誘導加熱調理容器は、容器本体に注入された水を加熱、沸騰させて、容器内に発生する蒸気により調理対象を蒸して加熱調理するようにされた誘導加熱調理容器であって、高周波磁界により渦電流が誘起されて発熱する誘導加熱発熱体を備え、前記水と接した状態で前記誘導加熱発熱体を発熱させて蒸気を発生させた後に、前記誘導加熱発熱体の一部が水面よりも上位に上昇するようにした構成としてある。
このような構成とした本発明に係る誘導加熱調理容器は、電磁調理器により蒸し器として手軽に、かつ、安全に利用することができるとともに、機器の操作によることなく、所定時間経過後に誘導加熱発熱体を破断させ、自動的に加熱調理を終わらせて、常に適切な条件で調理対象を蒸して加熱調理することが可能となる。
また、本発明に係る誘導加熱調理容器は、誘導加熱発熱体の一部を水面よりも上位に上昇させるために、前記誘導加熱発熱体を水面に浮かんだ状態で回動可能に軸支することにより、蒸気の発生に伴い前記水が減少して水位が下がっていくにしたがって、前記誘導加熱発熱体が軸回りに回動するようにした構成としてもよく、前記誘導加熱発熱体を水面に浮かんだ状態で回動可能に軸支するとともに、長手方向の一方の端部が前記容器本体に固定された、熱収縮性の部材の長手方向の他方の端部を、前記誘導加熱発熱体に取り付けておくことにより、前記水が沸騰する際の熱によって、前記部材が収縮して前記誘導加熱発熱体を牽引し、軸回りに回動するようにした構成としてもよい。
また、本発明に係る誘導加熱調理容器は、上記のような構成とするにあたり、前記誘導加熱発熱体が、補強構造体を備えている構成とするのが好ましく、これにより、誘導加熱発熱体の変形を抑止して、その平面形状を維持したまま、水面に浮かんだ状態から軸回りに回動させることができる。
また、本発明に係る誘導加熱調理容器は、誘導加熱発熱体の一部を水面よりも上位に上昇させるために、前記誘導加熱発熱体の対向する外縁部のそれぞれに熱収縮性の部材を取り付けるとともに、一方の外縁部に取り付けられる前記部材が、他方の外縁部に取り付けられる前記部材に対して、より上位の位置で前記容器本体側に固定されるようにすることで、前記水が沸騰する際の熱によって、前記部材が収縮して前記誘導加熱発熱体を水平に対して斜めに張架するようにした構成としてもよい。
この場合、誘導加熱発熱体の破断が生じやすくなるように、前記誘導加熱発熱体の一方の外縁部に取り付けられる前記部材が、前記誘導加熱発熱体に対して、前記外縁部に沿う逆向きの二方向に張力が作用するように取り付けられている構成とするのが好ましい。
また、本発明に係る誘導加熱調理容器は、誘導加熱発熱体の一部を水面よりも上位に上昇させるために、前記誘導加熱発熱体の外縁部の裏面側に沿って、収縮方向の両端縁部のみが前記誘導加熱発熱体に接合されるように熱収縮性の部材を取り付けることにより、前記水が沸騰する際の熱によって、前記部材が収縮して前記外縁部の中央部分が撓みながら部分的に隆起するようにした構成としてもよい。
以上のように、本発明の誘導加熱調理容器は、冷凍又は冷蔵された食品などの加熱対象を市場に流通させる際の包装容器として好適に使用することができるとともに、安全、かつ、手軽に、市販の電磁調理器により蒸し器として利用することができる。そして、使用に際しては、機器の操作によらずとも、所定時間経過後に誘導加熱発熱体を破断させ、自動的に加熱調理を終わらせるようにすることができ、常に適切な条件で加熱調理を行うことが可能となる。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
[第一実施形態]
先ず、本発明に係る誘導加熱調理容器の第一実施形態について説明する。
なお、図1は、本発明に係る誘導加熱調理容器の第一実施形態の概略を示す説明図であり、後述する図2のA−A断面に相当する位置での容器縦断面を示している。
本実施形態において、容器1は、注入された水7を蓄える容器本体2と、高周波磁界により渦電流が誘起されて発熱する誘導加熱発熱体3と、調理対象6が載置されるトレー4と、容器本体2の開口部を覆う蓋体5とを備えている。
誘導加熱発熱体3には、電磁調理器などが備える電磁誘導加熱コイルから発生する高周波磁界により渦電流が誘起され、その電気抵抗によりジュール熱が生じて発熱し得る導電性材料、例えば、アルミニウム,ニッケル,金,銀,銅,白金,鉄,コバルト,錫,亜鉛など、又はこれらの合金、あるいは、導電性を付与した樹脂フィルムや紙などの導電性材料を用いることができる。より具体的には、例えば、金属材料としてアルミニウムを用いる場合、誘導加熱発熱体3は、0.10〜100μm程度の厚みのアルミニウム箔を用いて形成することができる。
誘導加熱発熱体3は、所定量の水7を容器本体2に注入したときに、水面に浮かんだ状態となり、かつ、回動軸3a回りに回動可能となるように、容器本体2に軸支される。図示する例において、誘導加熱発熱体3は、ほぼ矩形状とされ、補強構造体3bを備えて構成されている。
なお、図2は、誘導加熱発熱体3を容器本体2に軸支した状態を示す説明図である。
補強構造体3bは、沸騰する水7からの衝撃などによる誘導加熱発熱体3の変形を抑止して、その平面形状を維持したまま、水面に浮かんだ状態から、回動軸3a回りに回動させることができれば、その具体的な構成は、特に制限されない。
例えば、図示する例では、棒状の部材を格子状に組み合わせて補強構造体3bとし、その下面側に誘導加熱発熱体3を取り付けているが、誘導加熱発熱体3の変形を抑止できる程度の剛性を有していれば、耐水コート紙や、合成樹脂製の板材など、種々の部材を利用することができる。
ただし、誘導加熱発熱体3は、加熱コイル側(電磁調理器側)の方が高温となり、また、水面に浮かんだ状態では、誘導加熱発熱体3が発する熱は水7に吸収されるため、誘導加熱発熱体3が発熱する際の熱による影響はそれほど考慮しなくてもよいが、誘導加熱発熱体3からの熱の影響が及ばないようにするためには、誘導加熱発熱体3との接触面積が小さくなるような構造とするのが好ましい。
また、容器本体2に軸支された誘導加熱発熱体3は、ほとんどの部分が、容器本体2とは非接触となる。このため、容器本体2を形成する材料には、誘導加熱発熱体3が発熱する際の熱による影響を考慮する必要がない。
したがって、冷凍又は冷蔵された食品などの包装容器として従来用いられているものと同様の材料、より具体的には、ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂などの合成樹脂材料、さらには、紙や、ガラスなど、種々の汎用の非磁性材料にて容器本体2を形成することにより、電磁調理器で使用可能な低コストの誘導加熱調理容器を容易に提供することができる。
以上のような容器1は、市販の電磁調理器の上に置いて使用される。この際、誘導加熱発熱体3が水面に浮かぶように、所定量の水7を容器本体2に注入しつつ、容器本体2の周縁に沿って形成された段部2aにトレー4を支持させる。そして、このトレー4上に調理対象6を載置し、容器本体2の開口部に蓋体5をかぶせてから、誘導加熱発熱体3が水7と接した状態で電磁調理器を作動させ、誘導加熱発熱体3を発熱させる。これにより、誘導加熱発熱体3に接している水7が加熱されて沸騰し、容器内に発生する蒸気により調理対象6を蒸して加熱調理することができる。
水7を容器本体2に注入するに際して、水7には、必要に応じて、調理用の香料、油分、調味液などを含有させることもできる。
また、特に図示しないが、トレー4には一又は二以上の蒸気孔を穿設し、水7が沸騰して発生した蒸気が容器全体に行き渡るようにしておくことができる。蓋体5には、容器内に発生した蒸気を適度に外部に逃がすための蒸気抜きを設けておくこともできる。トレー4や、蓋体5は、前述したような容器本体2と同様の材料を用いて形成することができるが、蓋体5は、加熱対象6を目視できるように、透明性の高い材料により形成するのが好ましい。
このように、容器1は、加熱調理に際して水7を注入するだけで、電磁調理器により蒸し器として利用することができ、容器内に蒸気が発生すると、これに伴って容器本体2に注入された水7が減少する。そして、水7が減少して水位が下がっていくにしたがって、水面に浮かんでいた誘導加熱発熱体3が、自らの重さにより回動軸3a回りに回動する。すると、図1(b)に示すように、誘導加熱発熱体3の一部(図1中右側の部位)が水面よりも上位に上昇する。
水面から露出した上記部位にあっては、水7への熱の流れが途絶えて過剰に発熱し、図3に示すように、その外縁部から中央部に向かって破断が生じる。その一方で、他の部位は水に浸されたままであり、水7に熱が奪われて過剰な発熱が抑止されるため破断は生じない。
なお、図3は、誘導加熱発熱体3が破断した状態を示す説明図であり、破断部を符号Cで示す。また、図3中、水面よりも上位に上昇する側を矢印で示す。
ここで、図示する例では、誘導加熱発熱体3のほぼ中央に、円形の抜き孔からなる貫通部3cが形成されている。このような貫通部3cを設けることで、誘導加熱発熱体3が、外縁部から中央部に向かって破断しやすくなるとともに、誘導加熱発熱体3の下面側に発生した蒸気を逃がして、誘導加熱発熱体3の回動が妨げられないようにすることができる。貫通部3cは、図示するような円形の抜き孔とするほか、例えば、スリットを放射状に切り込んで形成するなどしてもよい。
誘導加熱発熱体3に破断が生じると、安全機構が働いて電磁調理器が停止する。このため、加熱調理に要する時間に応じて、誘導加熱発熱体3の形状、寸法、容器本体2への軸支のさせ方、容器本体2に注入する水の量などを適宜調整することにより、誘導加熱発熱体3を発熱させてから、誘導加熱発熱体3が破断するまでの時間を管理して、電磁調理器の操作によらずとも、所定時間経過後に、加熱調理を自動的に終わらせることができる。
例えば、図示する例では、誘導加熱発熱体3を軸支するにあたり、回動軸3aの位置を偏らせて、常に、図1中右側の部位が上昇するようにしている。これは、回動軸3aが誘導加熱発熱体3の中心にあると、沸騰する水面上で誘導加熱発熱体3がシーソーのように上下に揺れ動き、その際、沸騰する水7から飛沫がかかって熱が奪われるなどして、誘導加熱発熱体3の過剰発熱部位、すなわち、破断部位が一意に定まらず、誘導加熱発熱体3の同じ部位を再現性よく安定して破断させることが困難となってしまうためである。
なお、誘導加熱発熱体3の破断部位を一意に定める上で、回動軸3aは、誘導加熱発熱体3の中心に対して偏って設けられているのが好ましいが、その具体的な位置は図示する例には限られない。水位が下がるにしたがって、誘導加熱発熱体3が回動するようになっていれば、回動軸3aは、例えば、誘導加熱発熱体3の端縁に沿って設けてもよく、誘導加熱発熱体3に対して一定の距離を隔てた上方又は下方に設けてもよい。
このように、本実施形態にあっては、誘導加熱発熱体3を発熱させて所定量の蒸気を発生させた後に、誘導加熱発熱体3の一部を水面よりも上位に上昇させることで、水面から露出する部位が破断するようにし、かつ、誘導加熱発熱体3が破断するまでの時間を正確に管理することができる。したがって、収容された調理対象6に応じて、容器ごとに設定された時間で加熱処理を自動で終わらすことができ、加熱不足や、過剰加熱を未然に防いで、常に適切な条件で調理対象を蒸して加熱調理できる。
また、本実施形態では、誘導加熱発熱体3が水面に浮かんだ状態で加熱を開始するため、電磁調理器上に置くときに容器1が傾いてしまったり、電磁調理器自体が傾いて設置されていたりしても、誘導加熱発熱体3が常に水平を維持した状態で加熱を開始することができ、これによっても誘導加熱発熱体3が破断するまでの時間管理をより正確に行うことが可能となる。
なお、誘導加熱発熱体3は、水7を注入した時点で水面に浮かんでいなくともよい。例えば、電磁調理器を作動させたときに、高周波磁界から受ける斥力によって上方に持ち上げられて水面に浮かんだ状態になるようにしてもよい。
[第二実施形態]
次に、本発明に係る誘導加熱調理容器の第二実施形態について説明する。
なお、図4は、本発明に係る誘導加熱調理容器の第二実施形態の概略を示す説明図であり、前述の第一実施形態における図1に対応する。
前述した第一実施形態では、水7が減少して水位が下がっていくにしたがって、水面に浮かんでいた誘導加熱発熱体3が、自重で回動軸3a回りに回動するようにしているが、本実施形態では、より積極的に、誘導加熱発熱体3が回動するタイミングを調整できるようにしている。
すなわち、本実施形態では、第一実施形態と同様に、誘導加熱発熱体3を水面に浮かんだ状態で容器本体2に軸支して、回動可能となるようにしているが、これとともに、熱収縮性のフィルム材8を用いて、その収縮方向の一方の端部を容器本体2側に固定するとともに、他方の端部を誘導加熱発熱体3に取り付けてある。
このようにすることで、水7が沸騰する際の熱によってフィルム材8が収縮し、収縮したフィルム材8に誘導加熱発熱体3が牽引されて、回動軸3a回りに回動するようにしてある。
なお、図4に示す例では、熱収縮性のフィルム材8の一方の端部を容器本体2に直接固定しているが、誘導加熱発熱体3が、フィルム材8に牽引されて回動するようになっていれば、フィルム材8の一方の端部が固定される位置は、誘導加熱発熱体3(及び補強構造体3a)を除く容器本体2側のいずれの位置であってもよい。例えば、トレー4の一部を垂下させて、この垂下する部分にフィルム材8を固定するようにしてもよい。
したがって、本実施形態によれば、フィルム材8の熱収縮の程度により、誘導加熱発熱体3が回動するタイミングを調整することができ、例えば、フィルム材8の熱収縮の程度を大きくして、水7の水位が下がりきらないうちに、誘導加熱発熱体3を回動させるようにすることができる。また、第一実施形態では、水面よりも上位に上昇させて破断させる部位を一意に定めるためには、回動軸3aを偏らせなければならなかったが、本実施形態では、その必要もない。
熱収縮性のフィルム材8としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂などからなる無延伸フィルム材を一軸延伸し、熱を加えることで、延伸方向とは逆向きに収縮するようにしたものを、ひも状、又は帯状に加工して用いることができる。
帯状に加工されたフィルム材8を用いる場合、幅方向(延伸方向に直交する方向)に長くなると、幅方向に生じる収縮が無視できなくなり、延伸方向の収縮量が不足しがちになってしまう。このような場合には、延伸に先立って、図5(b)に示すように、延伸方向に沿ってスリット81を入れるのが好ましい。これにより、幅方向に生じる収縮を抑え、延伸方向の収縮量を十分に確保することができるようになる。
なお、図5は、帯状に加工されるフィルム材8の一例についての説明図であり、図5(a)〜(c)は製造工程を示し、図5(c)中の矢印は延伸方向である。また、図5(d)は、熱収縮後の状態を示しており、図中の矢印は収縮方向である。
本実施形態が第一実施形態と異なるのは、以上の点であり、それ以外は同様の構成を備えているので、他の構成についての詳細な説明は省略する。
[第三実施形態]
次に、本発明に係る誘導加熱調理容器の第三実施形態について説明する。
なお、図6は、本発明に係る誘導加熱調理容器の第三実施形態の概略を示す説明図であり、前述の第一実施形態における図1に対応する。
本実施形態において、誘導加熱発熱体3には、その対向する外縁部のそれぞれに、熱収縮性のフィルム材8a,8bが取り付けられており、これとともに、これらのフィルム材8a,8bは、容器本体2に固定されている。そして、図示する例において、誘導加熱発熱体3は、ほぼ矩形状とされ、一方の外縁部(図6中左側の外縁部)に取り付けられるフィルム材8aが、他方の外縁部(図6中右側の外縁部)に取り付けられるフィルム材8bに対して、より上位の位置で容器本体2に固定されている。
ここで、熱収縮性のフィルム材8a,8bとしては、第二実施形態におけるフィルム材8と同様のものを用いることができるが、本実施形態では、図7に示すように、幅広の帯状としたものにスリットを入れたフィルム材8a,8bを用いるのが好ましい。
なお、図7は、誘導加熱発熱体3にフィルム材8a,8bを取り付けた状態を示す説明図である。また、この例では、熱収縮性のフィルム材8a,8bの一方の端部を容器本体2に直接固定しているが、フィルム材8bに対してフィルム材8aが上位(又は下位)の位置で固定されていれば、フィルム材8a,8bの一方の端部が固定される位置は、誘導加熱発熱体3を除く容器本体2側のいずれの位置であってもよい。例えば、第二実施形態と同様に、トレー4の一部を垂下させて、この垂下する部分に固定するようにしてもよい。
このようにすることで、水7が沸騰する際の熱でフィルム材8a,8bが収縮すると、誘導加熱発熱体3は、フィルム材8a,8bに引っ張られて、図6(b)に示すように、水平に対して斜めに張架される。その結果、蒸気の発生により水位が下がるのと相俟って、誘導加熱発熱体3の一部(図6中左側の部位)が水面よりも上位に上昇することになる。これにより、第一実施形態と同様に、水面から露出した上記部位において、水7への熱の流れが途絶えて発熱が過剰となり、その外縁部から中央部に向かって破断が生じて電磁調理器が停止する。
ここで、誘導加熱発熱体3にフィルム材8a,8bを取り付けるには、例えば、誘導加熱発熱体3にヒートシール層を積層して、ヒートシールすることが挙げられる。この場合、誘導加熱発熱体3が水7に浸されている間は、誘導加熱発熱体3が発する熱は水7に吸収されるため、誘導加熱発熱体3からの熱による影響を考慮しなくてもよいが、誘導加熱発熱体3の全面にヒートシール層が形成されていると、誘導加熱発熱体3が水面から露出して過剰加熱により破断する際に、ヒートシール層も焼けて異臭が生じてしまう。このため、少なくとも、破断部Cとなる部分(図7中鎖線で囲む部分)には、ヒートシール層が形成されないようにするのが好ましい。
また、本実施形態にあっては、導加熱発熱体3の水面から露出する側の外縁部に取り付けられるフィルム材8aが、誘導加熱発熱体3に対して、その外縁部に沿う逆向きの二方向に張力を及ぼすように取り付けておくのが好ましい。図示する例では、誘導加熱発熱体3のコーナー近傍にフィルム材8aを外縁部に対して斜めに取り付け、フィルム材8aが収縮する際に作用する張力F1,F2の分力F1,F2が、外縁部に沿う逆向きの二方向に向かうようにしてある(図7参照)。このようにすることで、誘導加熱発熱体3の破断が生じやすくすることができる。
本実施形態が、前述した第一及び第二実施形態と異なるのは、以上の点であり、それ以外は同様の構成を備えているので、他の構成についての詳細な説明は省略する。
[第四実施形態]
次に、本発明に係る誘導加熱調理容器の第四実施形態について説明する。
なお、図8は、本発明に係る誘導加熱調理容器の第四実施形態の概略を示す説明図であり、前述の第一実施形態における図1に対応する。
本実施形態において、誘導加熱発熱体3は、容器本体2に注入された水7の中に漂うように、取付部材9を介して容器本体2に取り付けられている。すなわち、誘導加熱発熱体3は、水7が注入されると、水7から受ける浮力によって水面に浮かび上がっていこうとしたり、誘導加熱発熱体3を浮き上がらせるのに十分な浮力が生じなくとも、電磁調理器を作動させたときの高周波磁界から受ける斥力によって浮かび上がろうとしたりするが、これらの場合のように、誘導加熱発熱体3を浮かび上がらせようとする力が作用しても、取付部材9によって一定以上の浮上が妨げられて、そのまま水面下を漂うように取り付けられている。
図示する例において、誘導加熱発熱体3は、ほぼ矩形状とされている。そして、図8中左側の外縁部の裏面側に沿って、熱収縮性のフィルム材8が取り付けられているが、誘導加熱発熱体3に対しては、フィルム材8の収縮方向の両端縁部のみが接合されている。フィルム材8としては、第二実施形態におけるフィルム材8と同様のものを用いることができる。
このようにすることで、水7が沸騰する際の熱でフィルム材8が収縮すると、誘導加熱発熱体3の外縁部におけるフィルム材8と接合された部分が中央に引き寄せられて、図8(b)、図9に示すように、その中央部分が撓みながら部分的に隆起して隆起部3dが形成される。その結果、蒸気の発生により水位が下がるのと相俟って、誘導加熱発熱体3の一部(隆起部3dの頂部側)が水面よりも上位に上昇することになる。これにより、第一実施形態と同様に、水面から露出した上記部位において、水7への熱の流れが途絶えて発熱が過剰となり、その外縁部から中央部に向かって破断が生じて電磁調理器が停止する。
なお、図9は、誘導加熱発熱体3の外縁部が撓んで隆起部3dが形成された状態を示す斜視図であり、図9中の矢印は、フィルム材8の収縮方向を示している。
本実施形態が、前述した第一、第二及び第三実施形態と異なるのは、以上の点であり、それ以外は同様の構成を備えているので、他の構成についての詳細な説明は省略する。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、誘導加熱発熱体3の一部を水面よりも上位に上昇させるにあたり、その好まし実施形態として、四つの実施形態を示したが、これらの形態以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の変更実施が可能である。
以上説明したように、本発明は、冷凍又は冷蔵された食品などの包装容器として使用することができるとともに、市販の電磁調理器により蒸し器として手軽に利用することができる誘導加熱調理容器を提供する。
本発明に係る誘導加熱調理容器の第一実施形態の概略を示す説明図である。 誘導加熱発熱体を容器本体に軸支した状態を示す説明図である。 誘導加熱発熱体が破断した状態を示す説明図である。 本発明に係る誘導加熱調理容器の第二実施形態の概略を示す説明図である。 帯状に加工されるフィルム材の一例についての説明図である。 本発明に係る誘導加熱調理容器の第三実施形態の概略を示す説明図である。 第三実施形態において誘導加熱発熱体にフィルム材を取り付けた状態を示す説明図である。 本発明に係る誘導加熱調理容器の第四実施形態の概略を示す説明図である。 誘導加熱発熱体の外縁部が撓んで隆起部が形成された状態を示す斜視図である。
符号の説明
1 容器
2 容器本体
3 誘導加熱発熱体
3a 回動軸
3b 補強構造体
3d 隆起部
6 調理対象
7 水
8 フィルム材
8a,8b フィルム材

Claims (7)

  1. 容器本体に注入された水を加熱、沸騰させて、容器内に発生する蒸気により調理対象を蒸して加熱調理するようにされた誘導加熱調理容器であって、
    高周波磁界により渦電流が誘起されて発熱する誘導加熱発熱体を備え、
    前記水と接した状態で前記誘導加熱発熱体を発熱させて蒸気を発生させた後に、前記誘導加熱発熱体の一部が水面よりも上位に上昇するようにしたことを特徴とする誘導加熱調理容器。
  2. 前記誘導加熱発熱体を水面に浮かんだ状態で回動可能に軸支することにより、
    蒸気の発生に伴い前記水が減少して水位が下がっていくにしたがって、前記誘導加熱発熱体が軸回りに回動するようにした請求項1に記載の誘導加熱調理容器。
  3. 前記誘導加熱発熱体を水面に浮かんだ状態で回動可能に軸支するとともに、収縮方向の一方の端部が前記容器本体側に固定された、熱収縮性の部材の収縮方向の他方の端部を、前記誘導加熱発熱体に取り付けておくことにより、
    前記水が沸騰する際の熱によって、前記部材が収縮して前記誘導加熱発熱体を牽引し、軸回りに回動するようにした請求項1に記載の誘導加熱調理容器。
  4. 前記誘導加熱発熱体が、補強構造体を備えている請求項2〜3のいずれか1項に記載の誘導加熱調理容器。
  5. 前記誘導加熱発熱体の対向する外縁部のそれぞれに熱収縮性の部材を取り付けるとともに、一方の外縁部に取り付けられる前記部材が、他方の外縁部に取り付けられる前記部材に対して、より上位の位置で前記容器本体側に固定されるようにすることで、
    前記水が沸騰する際の熱によって、前記部材が収縮して前記誘導加熱発熱体を水平に対して斜めに張架するようにした請求項1に記載の誘導加熱調理容器。
  6. 前記誘導加熱発熱体の一方の外縁部に取り付けられる前記部材が、前記誘導加熱発熱体に対して、前記外縁部に沿う逆向きの二方向に張力が作用するように取り付けられている請求項5に記載の誘導加熱調理容器。
  7. 前記誘導加熱発熱体の外縁部の裏面側に沿って、収縮方向の両端縁部のみが前記誘導加熱発熱体に接合されるように熱収縮性の部材を取り付けることにより、
    前記水が沸騰する際の熱によって、前記部材が収縮して前記外縁部の中央部分が撓みながら部分的に隆起するようにした請求項1に記載の誘導加熱調理容器。
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