JP2008179775A - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)ポリフェニレンスルフィド100重量部に対し、(B)特定構造を有する環状ポリフェニレンスルフィド混合物1〜50重量部からなる樹脂組成物であって、(B)環状ポリフェニレンスルフィド混合物中、m=6の環状ポリフェニレンスルフィドの含有量が50重量%未満であることを特徴とするポリフェニレンスルフィド樹脂組成物である。
【選択図】なし
Description
〔1〕(A)PPS100重量部に対し、(B)一般式(1)で表される環状PPS混合物であって、m=6の環状PPSの含有量が50重量%未満である環状PPS混合物1〜50重量部を配合してなるPPS樹脂組成物、
〔3〕前記一般式(1)で表される環状PPS混合物のmが4〜12であることを特徴とする〔1〕,〔2〕のいずれか1項記載のPPS樹脂組成物、
〔4〕〔1〕〜〔3〕のいずれか1項記載のPPS樹脂組成物からなる成形品、
〔5〕(A)PPS100重量部に対し、(B)一般式(1)で表される環状PPS混合物であって、m=6の環状PPSの含有量が50重量%未満である環状PPS混合物1〜50重量部を配合することを特徴とするPPS樹脂組成物の製造方法、
〔7〕〔5〕記載の製造方法により得られたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を、射出成形することを特徴とするポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなる成形品の製造方法、
に関するものである。
本発明で使用する(A)ポリフェニレンスルフィド(PPS)とは、構造式(2)で示される繰り返し単位を70モル%以上、より好ましくは90モル%以上を含む重合体であり、上記繰り返し単位が70モル%未満では、耐熱性が損なわれるので好ましくない。
本発明の環状PPS混合物は、下記一般式(1)で表される、m=4〜20の整数で表される環状PPSの混合物であって、さらに環状PPS混合物中、m=6の環状PPSの含有量が50重量%未満である。
PPS混合物の製造方法としては、公知の技術を用いることができ、たとえば、少なくともp−ジクロロベンゼンに代表されるポリハロゲン化芳香族化合物、硫化ナトリウムに代表されるアルカリ金属硫化物及びN−メチル−2−ピロリドンに代表される有機極性溶媒を含有する混合物を加熱して、PPS混合物およびアルカリ金属ハライドを含む反応溶液を調製し、該反応液をたとえば水等で処理することでPPS混合物(PPSと環状PPSの混合物)を得る方法や、ジフェニルジスルフィド類もしくはチオフェノール類を酸化重合することでPPS混合物を得る方法が例示できる。ただし、これら方法で一般に得られるPPS混合物中に含まれる環状PPS混合物は通常5重量%未満と低いため、環状PPS混合物を5重量%以上含むPPS混合物を得るためには、たとえばPPS混合物の重合の際に、重合溶媒を多量に用いるなどの特殊な方法が必要であり、このような方法で効率よく多量のPPS混合物を得ることは経済的に不利であり、工業的には成立に難がある。
本発明ではPPS混合物を、前記式(1)記載の環状PPS混合物(m=4〜20)を溶解可能な溶剤と接触させて環状PPS混合物を含む溶液を調製する。
本発明では前述のようにして得られた前記式[I]で表される環状PPS混合物(m=4〜20)を含む溶液から溶剤の除去を行い、環状PPS混合物を得る。ここで溶剤の除去は、たとえば加熱し、常圧以下で処理する方法や、膜を利用した溶剤の除去を例示できるが、より収率よく、また効率よく環状PPS混合物を得るとの観点では常圧以下で加熱して溶剤を除去する方法が好ましい。なお、前述の様にして得られた環状PPSを含む溶液は温度によっては固形物を含む場合もあるが、この場合の固形物も環状PPS混合物に属するものであるので、溶剤の除去時に溶剤に可溶の成分とともに回収する事が望ましく、これにより収率よく環状PPS混合物を得られるようになる。
(3)〜(5)に記載の方法により得られた環状PPS混合物は十分に高純度であり、本発明の樹脂組成物の必要成分である環状PPS混合物として好適に用いることができるが、さらに以下に述べる後処理を付加的に施すことによってよりいっそう純度の高い環状PPS混合物を得ることが可能である。
かくして得られた環状PPS混合物は前記式(1)におけるmが単一ではなく、前記式(1)で表されるm=4〜20の異なるmを有する環状PPS混合物あり、さらに環状PPS混合物中の、m=6の環状PPS含量が50重量%未満という特徴を有する。
m=6の環状PPSは、極めて安定な針状の結晶構造を有し、かつ結晶化しやすいため、「再結晶」という方法に適した環状物である反面、その安定な針状結晶構造を反映して融点が348℃と高くなる。PPSとm=6の環状PPSからなる樹脂組成物では、流動性向上効果や結晶化特性の向上効果は認められず、また該樹脂組成物を溶融加工する際の、成形加工性はPPS単体に比べ、むしろ劣る結果となることを筆者らは見出した。
本発明の樹脂組成物は(A)PPS100重量部に対し、(B)一般式(1)で表される環状PPS混合物であって、m=6の環状PPSの含有量が50重量%未満である環状PPS混合物1〜50重量部を配合してなるPPS樹脂組成物である。
本発明のPPS樹脂組成物は、先に述べた方法などによって得られる(B)環状PPS混合物を、(A)PPS樹脂に配合することによって得られる。
本発明のPPS樹脂組成物は、成形加工性や機械特性及び電気的特性に優れるため、その用途としては、例えばセンサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品等に代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク(登録商標)、コンパクトディスク、デジタルビデオディスク等の音声・映像機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品等に代表される家庭、事務電気製品部品;オフィスコンピューター関連部品、電話器関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品:顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計等に代表される光学機器、精密機械関連部品;水道蛇口コマ、混合水栓、ポンプ部品、パイプジョイント、水量調節弁、逃がし弁、湯温センサー、水量センサー、水道メーターハウジングなどの水廻り部品;バルブオルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター,ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンシオメーターベース、排気ガスバルブ等の各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキパッド摩耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビューター、スタータースイッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウォッシャーノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、燃料タンク、点火装置ケース、車速センサー、ケーブルライナー等の自動車・車両関連部品、その他各種用途が例示できる。
ジフェニルジスルフィド(東京化成)
酢酸パラジウム(和光純薬 特級)
バナジルアセチルアセトナート(東京化成)
トリフルオロメタンスルホン酸(東京化成)
トリフルオロ酢酸(アルドリッチ)
トリフルオロ酢酸無水物(関東化学 鹿特級)
1、2−ジクロロエタン(アルドリッチ)
塩化第二銅(東京化成)
酸素(東亜テクノガス)
分子量はサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)の一種であるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算で算出した。GPCの測定条件を以下に示す。
装置:センシュー科学 SSC−7100
カラム名:センシュー科学 GPC3506
溶離液:1−クロロナフタレン
検出器:示差屈折率検出器
カラム温度:210℃
プレ恒温槽温度:250℃
ポンプ恒温槽温度:50℃
検出器温度:210℃
流量:1.0mL/min
試料注入量:300μL (スラリー状:約0.2重量%)
ガス発生量は熱重量分析機を用い、加熱時重量減少率により評価した。なお、試料は2mm以下の細粒物を用いた。
装置:パーキンエルマー社製 TGA7
測定雰囲気:窒素気流下
試料仕込み重量:約10mg
測定条件:
(a)プログラム温度50℃で1分保持
(b)プログラム温度50℃から320℃まで昇温速度20℃/分で熱重量分析を行った際に、100℃到達時点の試料重量(W1)を基準とした320℃到達後、30分間ホールドした時の試料重量(W2)より、
ΔW320℃=(W1−W2)/W1×100(%)
を測定し、該ΔWを発生ガス量と定め、算出した。同様に360℃到達時の試料減量(W2)より、ΔW360℃を算出した。
流動性を評価するため、キャピラリー型溶融粘度測定装置(東洋精機社製CAPIROGRAPH−1C)を用いて、オリフィスL/D=20(内径1mm)、測定温度320℃、および360℃、剪断速度1000sec−1の条件により測定した溶融粘度(Pa・s)を流動性評価項目とした。
パーキンエルマー製DSC7を用いて得られたポリマーの熱的特性を測定した。下記測定条件を用い、結晶化温度Tcは1st Runの値を、融点Tmは2nd Runの値を用いた。
First Run
・50℃×1分 ホールド
・50℃から340℃へ昇温,昇温速度20℃/分
・340℃×1分 ホールド
・340℃から100℃へ降温,降温速度20℃/分(この時の結晶化ピーク温度をTmcとする)
Second Run
・100℃×1分 ホールド
・100℃から340℃へ昇温,昇温速度20℃/分(この時の融解ピーク温度をTmとする)
<射出成形時のバリ長さの測定>
円周上に(a)幅4mm×長さ20mm×400μm、(b)幅4mm×長さ20mm×厚み20μmの2つの突起部を有する80mm直径×2mm圧の円盤形状金型を用いて、シリンダー温度320℃、金型温度130℃で射出成形を行い、厚みの厚い(a)の突起部が先端まで重点される時の厚みの薄い(b)の突起部の充填長さを測定し、これをバリ長さとした。なおゲート位置は円板中心部分とした。射出成形には日精樹脂工業(株)社製PS20E2ASEを用いた。
本文(3)記載の環状PPSの原料となるPPS混合物の製造例について下記に説明する。
撹拌機付きの1000Lのオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム82.7kg(700モル)、96%水酸化ナトリウム29.6kg(710モル)、N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略する場合もある)を114.4kg(116モル)、酢酸ナトリウム17.2kg(210モル)、及びイオン交換水100kgを仕込み、常圧で窒素を通じながら約240℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、精留塔を介して水143kgおよびNMP2.8kgを留出した後、反応容器を160℃に冷却した。なお、この脱液操作の間に仕込んだイオウ成分1モル当たり0.02モルの硫化水素が系外に飛散した。
参考例1の方法で得られたPPS混合物を500g分取し、溶剤としてクロロホルム12kgを用いて、浴温約80℃でソックスレー抽出法により3時間PPS混合物と溶剤を接触させ、抽出液を得た。得られた抽出液は室温で一部固形状成分を含むスラリー状であった。この抽出液スラリーからエバポレーターを用いてクロロホルムを留去した後、真空乾燥機70℃で3時間処理して固形物210g(PPS混合物に対し、収率42%)を得た。
参考例2と同様にして固形物を得た後、得られた固体にクロロホルム2kgを加え、室温で超音波をかけてスラリー状の混合液を得た。これを第二の溶剤としてメタノールと接触させるために、スラリー状混合液をメタノール25kgに撹拌しながら約10分かけてゆっくりと滴下した。滴下終了後、約15分間攪拌を継続した。沈殿物を目開き10〜16μmのガラスフィルターで吸引濾過して回収し、得られた白色ケークを70℃で3時間真空乾燥して白色粉末を180g得た。白色粉末の収率は用いたPPS混合物に対して35%であった。
参考例3と同様にして固形物を得た後、さらに下記操作を加えた。すなわち、得られた固体に再度クロロホルム3kgを加え、室温で超音波をかけてスラリー状の混合液を得た。これを第二の溶剤としてメタノールと接触させるために、スラリー状混合液をメタノール25kgに撹拌しながら約10分かけてゆっくりと滴下した。滴下終了後、約15分間攪拌を継続した。沈殿物を目開き10〜16μmのガラスフィルターで吸引濾過し、得られた白色ケークを70℃で3時間真空乾燥して白色粉末140gを得た。白色粉末の収率は、用いたPPS混合物に対して28%であった。
酢酸パラジウム22.4g(0.1mol)を20Lの1,2−ジクロロエタンに溶解させ、30.02g(0.2mol)のトリフルオロメタンスルホン酸、840.12g(4mol)のトリフルオロ酢酸無水物を加えた。そこに、ジフェニルジスルフィド436.69g(2mol)を添加し、反応系中を酸素で置換し、40℃に加温し、40℃で5時間反応させた。なお、反応溶液のガスクロマトグラフィー分析により、反応開始2時間後に、ジフェニルジスルフィドの消失を確認した。反応終了後、反応溶液を10重量%の塩酸酸性メタノール溶液20kgに注入すると沈殿物が得られた。沈殿物を濾過、水10kg、メタノール10kgで洗浄後、減圧下80℃で乾燥し、収率64%でPPS混合物(280g)を得た。以下の操作は参考例2と同様に行った。すなわち、得られたPPS混合物を280g分取し、溶剤としてクロロホルム12kgを用いて、浴温約80℃でソックスレー抽出法により3時間PPS混合物と溶剤を接触させ、抽出液を得た。得られた抽出液は室温で一部固形状成分を含むスラリー状であった。この抽出液スラリーからエバポレーターを用いてクロロホルムを留去した後、真空乾燥機70℃で3時間処理して固形物50gを得た。白色粉体の収率は、用いたPPS混合物に対して、18%であった。
特許文献5と同様の方法により、市販の架橋タイプのPPS樹脂(“トレリナ”M2100)10kgから、1000Lのクロロホルム抽出を行った。その後、抽出液を室温まで冷却し、析出した白色固形分と溶媒を濾過により分離した。得られた白色固形分を一昼夜自然乾燥した後、160℃で2時間乾燥した。得られた白色固体(50g)の高速液体クロマトグラフィー(装置;島津社製LC−10,カラム;C18,検出器;フォトダイオードアレイ)より成分分割した成分のマススペクトル分析(装置;日立製M−1200H)、更にMALDI−TOF−MSによる分子量情報より、純度99.9%のシクロヘキサ(p−フェニレンスルフィド)と0.1%の直鎖状PPSオリゴマーとm=13以上の環状PPS(Mw=2000)であることがわかった。
参考例1の方法で得られたPPS混合物を500g分取し、溶剤としてクロロホルム12kgを用いて、浴温約80℃でソックスレー抽出法により3時間PPS混合物と溶剤を接触させ、抽出液を得た。得られた抽出液は室温で一部固形状成分を含むスラリー状であった。この抽出液スラリーからエバポレーターを用いてクロロホルムを留去した後、真空乾燥機70℃で3時間処理して固形物210g(PPS混合物に対し、収率42%)を得た。
参考例4で製造した純度97%の環状PPS混合物(cPPS−3)を分集高速液体クロマトグラフィーを用いて、各成分に分離し、m=4〜12の成分を分離・回収し、融点測定を行った。その融点を参考までに表2に示す。
参考例4で製造したcPPS−3(純度97%)(環状PPS混合物)と特許文献5を参考にし、参考例6で製造したcPPS−5(m=6の環状PPSが主成分)を下記配合比でヘンシェルミキサーを用いてドライブレンドした。
cPPS−7:cPPS−3/cPPS−5=80/20(重量%)
cPPS−8:cPPS−3/cPPS−5=70/30(重量%)
cPPS−9:cPPS−3/cPPS−5=50/50(重量%)
得られた配合品の融点を表1に示した。
また環状PPS混合物中、m=6の環状PPS単体の含有量が50重量未満において、融点は280℃付近となり、PPSの融点P(277〜282℃)とほぼ同等の融点となることがわかる。
攪拌機付オートクレーブに硫化ナトリウム9水塩6.004kg(25モル)、およびN−メチルピロリドン4.5kgを仕込み、窒素を通じながら徐々に205℃まで昇温し、水2.6リットルを留出した。次に反応容器を180℃に冷却後、1,4−ジクロロベンゼン3.719kg(25.3モル)ならびにNMP3kgを加えて、窒素下に密閉し、270℃まで昇温後、274℃で1.5時間反応させた。冷却後、反応生成物を温水で2回洗浄し、次にこのスラリーを攪拌機付オートクレーブに通し、さらに熱湯で数回洗浄した。これを濾過後、80℃で24時間減圧乾燥してPPS樹脂、2.45kgを得た(Mw=2万)。次いで大気下220℃で5時間処理した。得られたPPS樹脂は、溶融粘度205Pa・s(320℃、剪断速度1000sec−1)、ガラス転移温度88℃、Tm=277℃、Tmc=215℃であった。結晶化速度を表すTm−Tmc=62℃であった。
表3記載の組成からなる原料を、ドライブレンドし、押出温度320℃に設定し、ニーディングゾーンを2箇所保有し、スクリュー回転数を200rpmの高速で回転させた2軸スクリュー押出機(池貝工業社製PCM−30)に供給し溶融混練し、ペレタイズ後、温度130℃で3時間乾燥後、320℃での溶融粘度測定、DSC測定およびTGAにより、320℃での熱重量減量測定(発生ガス量測定)を行った。なお比較例1のPPSのみの場合は、他の樹脂組成物との熱履歴の違いを取り除くため、PPS単体を同じように溶融混練した。
表4記載の組成からなる原料を、ドライブレンドし、押出温度を実施例1〜10、比較例1〜3に比して、比較的高温の360℃に設定した以外は、実施例1〜10、比較例1〜3と同様の操作を行い、360℃での溶融粘度測定、TGAにより、360℃での熱重量減量測定を行った。また射出成形時のバリ長さの測定については、シリンダー温度のみを320℃から360℃に設定した以外は、実施例1〜10、比較例1〜3と同様の操作を行った。
Claims (7)
- (B)環状ポリフェニレンスルフィド混合物中、m=6の環状ポリフェニレンスルフィドの含有量が30重量%未満であることを特徴とする請求項1記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- 前記一般式(1)で表される環状ポリフェニレンスルフィド混合物のmが4〜12であることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなる成形品。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を、射出成形することを特徴とするポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなる成形品の製造方法。
- 請求項5記載の製造方法により得られたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を、射出成形することを特徴とするポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなる成形品の製造方法。
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