JP2008178723A - 遊技機 - Google Patents

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高明 市原
Yoji Kawakami
洋二 川上
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Abstract

【課題】 抽選条件の成立に起因して乱数を取得し、取得した乱数が当り値であるときに遊技者に有利な遊技状態とする制御装置を備え、その制御装置で取得される乱数が、初期値から順に所定時間毎に更新されて予め設定された数値範囲内を循環するとともに、前記初期値が所定周期毎に更新されて変更されるようにプログラムされている遊技機において、不正行為による被害を防止する。
【解決手段】 メイン制御部に初期化信号が入力して初期化処理が行われると(S10)、スピーカから報知音が発生する(S12)。この報知音によって、ホール店員等は不正行為が行われていることを発見し、不正行為による被害を防止することができる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、抽選条件の成立に起因して抽選を行い、抽選の結果が当りであるときに遊技者に有利な遊技状態とする制御装置を備えた遊技機に関する。
例えば、パチンコ機のような遊技機では、遊技機に組付けられた各種電装装置を制御する制御装置が設けられ、この制御装置は、所定の抽選条件の成立に起因して抽選を行い、抽選の結果が当りであるときに遊技者に有利な遊技状態となるよう各種電装装置を制御する。この制御装置により行われる抽選方法としては、乱数による抽選が一般的に行われている。
すなわち、制御装置は、所定時間毎に更新されて、予め設定された数値範囲内を循環するように乱数を発生させる。そして、抽選条件成立時に発生している乱数を取得し、その取得した乱数が当り値(設定された数値範囲内で適宜決定された数値)であるか否かにより遊技者に有利な遊技状態とするか否かを決定する。具体的に説明するために、乱数が4ms毎に更新し、0〜249の数値範囲内を循環するようプログラムされているものとする。制御装置は、乱数プログラムを起動すると、初期値(通常0に設定される)から順に4ms毎に乱数を更新しながら発生させ、乱数が249となると再度0に戻って、先程と同様に乱数を更新する。そして、抽選条件が成立すると、そのときに発生している乱数を取得し、その乱数が当り値(例えば7)であるときに、遊技者に有利な遊技状態(例えば、特定の入賞装置が開放される状態)とする。
かかる乱数を用いた抽選方法では、乱数の当り値は通常一定の値とされる。このため、図9(a)に示すように、制御装置で発生される乱数が常に一定の初期値に戻るようプログラム(例えば、0から順に249まで更新され、次周期以降も0〜249を循環する)されているものとすると、乱数が初期値となってから当り値を発生させるまでの時間(t1,t2)は常に一定の時間となる。したがって、このことを利用して不正行為(いわゆる、体感機(メトロノーム)等を利用した当り乱数の狙い打ち行為)を働く場合がある。かかる実情に基づいて、制御装置で発生される乱数の初期値を所定の周期毎に変更する初期値変更型乱数方式が開発されている。
初期値変更型乱数方式の場合も、上述した図9(a)に示す例と同様、乱数は所定時間毎に更新されて、予め設定された数値範囲内を循環する。しかしながら、初期値変更型乱数方式の場合には、乱数が設定された数値範囲内を所定周期(例えば、1周期)循環すると、次に更新を開始する初期値を変更するようにプログラムされている。具体的に説明するため、上述した例と同様、乱数が0〜249の数値範囲内を4ms毎に更新されて循環するものとし、1循環(1周期)毎に初期値を変更するものとする。図9(b)に示すように、初期値変更型乱数方式の場合、最初の周期は乱数が0〜249を循環し、次の周期では初期値が変更され(例えば、0から150)、乱数は150〜249,0〜149を循環することとなる。したがって、初期値変更型乱数方式によれば、乱数が初期値となってから当り値を発生させるまでの時間が、初期値の変更に伴って変化していくため(図の例では、t1からt2)、上述したような不正を防止することが可能となる。
しかしながら、初期値変更型乱数方式としても、なお不正が防止できない場合がある。すなわち、初期値変更型乱数方式においても、制御装置が乱数プログラムを起動した初回周期の処理においては、初期値は固定された値(通常は0)となる。このため、強制的に乱数プログラムを初期化しプログラムを再起動させれば、その再起動時の初期値は常に固定された値となる。すなわち、乱数プログラムを初期化するための信号が制御装置に入力してから乱数が当り値となる時間は、常に一定の時間となる。したがって、初期値変更型乱数方式であっても、制御装置で行われる乱数プログラムを強制的に再起動することで、乱数が当り値となるタイミングを知ることができ、これによって不正行為を働くことが可能となる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、不正行為の発見を容易にすることで、不正行為による被害を防止することができる遊技機を提供する。
上記課題を解決するため請求項1に記載の遊技機は、抽選条件の成立に起因して乱数を取得し、取得した乱数が当り値であるときに遊技者に有利な遊技状態とする制御装置を備え、その制御装置で取得される乱数が、初期値から順に所定時間毎に更新されて予め設定された数値範囲内を循環するとともに、前記初期値が所定周期毎に更新されて変更されるようにプログラムされている遊技機であって、前記乱数プログラムを初期化する初期化信号が制御装置に入力したときに、初期化信号が入力したことを報知する報知手段が付加されている。
ここで、「初期化信号」は、乱数プログラムを初期化し再起動するための信号であればどのようなものでも良く、例えば、停電信号(停電処理を開始するための信号)、クリア信号(停電時に記憶装置に保存した情報をクリアするための信号)等が初期化信号に相当する。
上記遊技機では、制御装置に初期化信号が入力すると、その旨が報知手段により報知される。したがって、制御装置に初期化信号が入力したことをホール店員等が発見することができ、不正行為による被害を防止することができる。
請求項1に記載の遊技機においては、前記報知手段は、音及び/又は光を用いて報知を行うことが好ましい(請求項2)。このような構成によれば、簡易な手段により初期化信号が入力した旨を報知することができる。
請求項1又は2に記載の遊技機においては、前記報知手段による報知動作の有効又は無効を選択する選択スイッチをさらに備え、選択スイッチにより報知動作が有効とされているときは前記報知手段による報知が行われ、選択スイッチにより報知動作が無効とされているときは前記報知手段による報知が行われないことが好ましい(請求項3)。このような構成によれば、遊技機のメンテンナンス者等による遊技機への電源投入時(初期化時)において、報知手段による報知が行われないようにすることができる。
請求項1又は2に記載の遊技機においては、前記報知手段による報知の解除方法を設定する設定スイッチをさらに備え、その設定スイッチの操作により前記報知手段による報知の解除が所定時間経過後に自動的に停止する自動解除と、操作者が所定の操作を行うことで解除する手動解除とに切替えることが好ましい(請求項4)。このような構成によれば、遊技機を管理する管理者の事情に応じて解除方法を適切なものとすることができる。
上記課題を解決するため請求項5に記載の遊技機は、抽選条件の成立に起因して乱数を取得し、取得した乱数が当り値であるときに遊技者に有利な遊技状態とする制御装置を備え、その制御装置で取得される乱数が、初期値から順に所定時間毎に更新されて予め設定された数値範囲内を循環するとともに、前記初期値が所定周期毎に更新されて変更されるようにプログラムされている遊技機であって、前記乱数プログラムを初期化する初期化信号が制御装置に入力したときに、制御装置の所定の出力端子から初期化信号が入力したことを報知する報知信号が出力される。
上記遊技機では、制御装置に初期化信号が入力すると、制御装置の所定の出力端子から報知信号が出力される。したがって、この出力端子に種々の装置を接続することで、これらの装置を介して制御装置に初期化信号が入力したことを知ることができる。このため、不正行為の発見が可能となり、不正行為による被害を防止することができる。
請求項5に記載の遊技機においては、前記制御装置の所定の出力端子には音制御回路が接続されており、その音制御回路は、制御装置から出力された報知信号が入力すると音声出力装置から報知音を発生させるようにしても良い(請求項6)。このような構成によると、制御装置に初期化信号が入力すると音声出力装置から報知音が出力されるため、この音によって不正行為を発見することができる。
請求項5又は6に記載の遊技機においては、前記制御装置の所定の出力端子には発光制御回路が接続されており、その発光制御回路は、制御装置から出力された報知信号が入力すると発光装置から報知光を出力することが好ましい(請求項7)。このような構成によると、制御装置に初期化信号が入力すると発光装置から報知光が出力されるため、この光によって不正行為を発見することができる。
請求項5乃至7のいずれかに記載の遊技機においては、前記制御装置の所定の出力端子には外部情報端末が接続可能とされており、その外部情報端末は、制御装置から出力された報知信号が入力するとその旨を報知するようにプログラムされていることが好ましい(請求項8)。このような構成によると、制御装置の出力端子に外部情報端末を接続することで、制御装置に初期化信号が入力したことを外部情報端末により確実に監視することができる。
ここで、「外部情報端末」には、例えば、遊技機から外部出力される営業情報(大当り回数等)を管理するホールコンピュータや、所定の信号を受信すると異常を報知する警報装置等が該当する。
請求項6に記載の遊技機においては、前記音制御回路は、報知信号が入力してから所定時間後に音声出力装置から出力されている報知音を停止することが好ましい(請求項9)。このような構成によると、音声出力装置から出力されている報知音が自動的に停止するため、報知音の出力を解除するための手間を省くことができる。
請求項9に記載の遊技機においては、前記制御回路は報知信号出力後は通常の処理に移行し、前記音制御回路は、報知音出力中に前記制御回路から出力されたコマンドを受信すると、そのコマンドに基づく効果音を報知音停止後に音声出力装置から出力することが好ましい(請求項10)。このような構成によると、報知音の出力が終了すると、報知音出力中に制御回路から出力されたコマンドに基づく効果音が発生するため、報知音終了後にスムーズに遊技を再開することができる。
請求項9又は10に記載の遊技機においては、音声出力装置から出力される報知音の停止後に、報知音が出力された痕跡を表示する手段が付加されていることが好ましい(請求項11)。このような構成によると、報知音の出力停止後に報知音が出力された旨の痕跡が残されるため、報知音出力中に異常があったことに気付かなかった場合でも、その後に異常があった遊技機を特定することができる。
請求項7に記載の遊技機においては、前記発光制御回路は、報知信号が入力してから所定時間後に発光装置から出力されている報知光を停止させることが好ましい(請求項12)。このような構成によると、発光装置から出力されている報知光が自動的に停止するため、報知光の出力を解除するための手間を省くことができる。
請求項12に記載の遊技機においては、前記制御回路は報知信号出力後は通常の処理に移行し、前記発光制御回路は、報知光出力中に前記制御回路から出力されたコマンドを受信すると、そのコマンドに基づく効果光を報知光停止後に発光装置から出力することが好ましい(請求項13)。このような構成によると、報知光の出力が終了すると、報知光出力中に制御回路から出力されたコマンドに基づく効果光が出力されるため、スムーズに遊技を再開することができる。
請求項12又は13に記載の遊技機においては、発光装置から出力される報知光の停止後に、報知光が出力された痕跡を表示する手段が付加されていることが好ましい(請求項14)。このような構成によると、報知光の出力停止後に報知光が出力された旨の痕跡が残されるため、報知光出力中に異常があったことに気付かなかった場合でも、その後に異常があった遊技機を特定することができる。
上述した各請求項に記載の遊技機は、下記に記載の形態で好適に実施することができる。
(形態1) 請求項1又は2に記載の遊技機において、前記報知手段は制御装置に接続された音声出力装置及び/又は発光装置であり、制御装置に初期化信号が入力すると、制御装置は音声出力装置及び/又は発光装置を作動させるための信号を出力するようになっていても良い。
(形態2) 形態1に記載の遊技機において、前記音声出力装置又は発光装置は遊技状態に応じて遊技演出を行う装置を兼ねることが好ましい。
以下、本発明をパチンコ機に適用した一実施例について図1乃至図6を参照して説明する。ここで、図1はパチンコ機の外観を示す正面図であり、図2は図1に示すパチンコ機の背面図であり、図3は図1に示すパチンコ機の電装系の構成を示すブロック図であり、図4は初期化スイッチの構造を説明するための図面であり、図5は初期化スイッチの回路構成を示す図面であり、図6はメイン制御部における初期化信号入力時の処理のフローチャートであり、図7は音制御部400における処理のフローチャートである。
図1に示すようにパチンコ機10の遊技盤面12には、図柄表示装置14、第1種始動口30、大入賞口34等が適宜配置されている。
第1種始動口30は始動口センサ(図示省略)を有し、始動口センサにより第1種始動口30に入賞したパチンコ球を検出する。また、大入賞口34は開閉蓋36を有し、特定条件下においてソレノイド(図示省略)により開閉蓋36が開閉される。開閉蓋36が開放される期間は、例えば大入賞口34にパチンコ球が所定個数(一般的には10個)入賞するか、開放してから30秒間を経過するまでのいずれか早いほうで終了する。
図柄表示装置14は、特別図柄を変動表示する図柄表示器22を備える。図柄表示器22は、特定の条件の成立(例えば、第1種始動口30へのパチンコ球の入賞)に起因して特別図柄の変動表示を行う。図柄表示器22に変動表示される特別図柄は、変動停止時の表示態様によって特別遊技状態(大入賞口34が開放される状態;遊技者に有利な状態)に移行することを、遊技者に認識させる機能を有する。
なお、第1種始動口30、大入賞口34等の入賞口に入賞したパチンコ球は、遊技盤面12の裏側に設けられた入賞球センサ(図示省略)により検出され、同じく遊技盤面12の裏側に組み付けられた賞球装置(図示省略)からパチンコ球が払い出される。上記賞球装置は、後述する賞球制御部によりその動作が制御される。
パチンコ機10には、上述した遊技盤面12以外に、遊技状態に応じて発光するランプ類(発光装置)や、賞球や貸球を含むパチンコ球を貯留する上皿46等が設けられている。この上皿46の裏側には、上述した各入賞口にパチンコ球が入賞した際の効果音や、図柄表示器22に特別図柄を変動表示する際の効果音等を発生するスピーカ(音声出力装置)48が備付けられている。また、上皿46の下方には、上皿46に貯留されるパチンコ球が満タンのときに一時的にパチンコ球を貯留する下皿40、タバコの吸い殻を入れる灰皿42等が設けられている。これらの装置の構造等については、公知のパチンコ機と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
次に、図1に示すパチンコ機10の電装系の構造を、図2及び図3を用いて説明する。図3に示すように、本実施例に係るパチンコ機10の電装系は、従来のパチンコ機と同様に、電源装置100と、電源装置100から供給される電力によりパチンコ機全体を制御する制御装置(以下、メイン制御部という)200と、メイン制御部200より送信された制御情報(コマンドデータ)に基づき賞球装置40を制御する賞球制御部300と、メイン制御部200より送信された制御情報(コマンドデータ)に基づきスピーカ48から効果音を発生する制御を行う音制御部400と、メイン制御部200より送信された制御情報(コマンドデータ)に基づき図柄表示器22を制御する表示制御部500と、メイン制御部200に電気的に接続された入賞球センサ50、始動口センサ32、ソレノイド35(大入賞口34の開平蓋36を開閉する駆動装置)等で構成されている。また、メイン制御部200は、遊技ホールに設置された際にはホールコンピュータ600に接続され、大当り回数等の営業情報を出力するようになっている。
なお、音制御部400、表示制御部500の構成等は、従来のパチンコ機に装備されているものと同様であればよく、特に本発明を特徴づけるものではないので、その詳細な説明は省略する。
以下、メイン制御部200、賞球制御部300、電源装置100の構成について説明する。なお、メイン制御部200、賞球制御部300、電源装置100は、図2に示すように、いずれもパチンコ機の裏面に設けられている。
メイン制御部200は、CPU(プロセッサ)202と、CPU202と接続されたROM202a、RAM202b等の記憶装置、入力処理回路204、出力処理回路208、通信制御回路206等により構成される。CPU202は、ROM202aに格納された制御プログラムにしたがってパチンコ機10を制御する。例えば、始動口センサ32から入賞検出信号を受け取ると乱数を取得し、その取得した乱数に基づいて表示制御部500に特別図柄を変動表示するようにコマンドを出力する。具体的には、取得した乱数が当り値である場合には、特別図柄を大当りの表示で停止するよう表示制御部500にコマンドを出力し、また、大入賞口34の開放動作(即ちソレノイド35による開閉蓋36の開放制御)を行う。一方、取得した乱数が当り値でない場合には、特別図柄がハズレの表示で停止するよう表示制御部500にコマンドを出力する。なお、上述した処理において取得される乱数は、既に説明した初期値変更型乱数方式の乱数プログラムをCPU202が実行することで発生させている。また、ROM202aに格納される制御プログラムには、後述する初期化処理(初期化信号が入力したときの処理)を実現するためのプログラムも含まれている。
RAM202bには、入賞球センサ50から送信された入賞球情報、始動口センサ32から送信された始動口情報、図柄表示器22に表示される特別図柄が「大当たり」となる確率が高いことを示す確率変動情報等の、各種データが格納される。このRAM202bには、電源装置100とメイン制御部200とを接続する電力供給線に設けられたコンデンサ内に通電中に蓄えられた電荷が、通電遮断時(停電時)に流れるようになっている。これにより、電源が遮断されている間もRAM202bに記憶されている記憶内容が保持されるようになっている。なお、電源遮断時等においてRAM202bの記憶内容を保持する方法としては、上述した方法以外にも、RAM202bに不揮発性のフラッシュメモリを用いることにより、RAM202bに記憶された記憶内容を保持することもできる。
入力処理回路204は、入賞球センサ50、始動口センサ32、初期化スイッチ102、停電検出部106等から発信された信号を、CPU202で取扱えるように処理する回路である。また、出力処理回路208は、ソレノイド35に駆動信号を出力する回路であり、通信制御回路206は賞球制御部300、音制御部400、表示制御部500にコマンドデータを送信したり、遊技ホールに設置後はホールコンピュータ600に対して大当り回数等の営業情報や、初期化信号がメイン制御部200に入力したことを報知する報知信号を出力するための回路である。
賞球制御部300は、メイン制御部200から送信されるコマンドデータ(球払出し情報)を受けて、賞球装置40から所定個数の賞球を払い出す賞球払出し処理を行う。この賞球制御部300は、メイン制御部100と同様、CPU302、ROM302a、RAM302b、通信制御回路303、入力処理回路304、出力処理回路306等によって構成される。
CPU302は、ROM302aに格納されている制御プログラムに従って賞球装置40の賞球払出し制御等を行う。ROM302aに格納されている制御プログラムには、RAM302bの記憶内容を初期化するためのプログラムが含まれる。
RAM302bには、球払い出し情報等の各種データ、入出力信号が格納される。このRAM302bも、メイン制御部100のRAM202bと同様、通電中にコンデンサに貯えた電荷を利用して、電源が遮断されている間もRAM302bに記憶されている内容が保持されるようになっている。なお、不揮発性のフラッシュメモリを用いてRAM302bの記憶内容を保持しても良い点は、メイン制御部100の場合と同様である。
通信制御回路303は、メイン制御部200から送信されたデータを受信するための回路であり、入力処理回路304は、初期化スイッチ102、停電検出部104から出力された信号を受信するための回路であり、また、出力処理回路306は、CPU302から送られたデータを受けて、賞球装置40に対して賞球払出し制御〔賞球モータ(典型的にはステッピングモータ)の駆動制御〕を行うための駆動信号を出力する回路である。
電源装置100には、パチンコ機10に組付けられた各電装装置に所定の電位の電力を供給する電圧変圧部106、電源遮断を検出する停電検出部104並びに電源スイッチ108及び初期化スイッチ102等の各種スイッチ類が設けられる。
電圧変圧部106は、図3に示すように、メイン制御部200、賞球制御部300、音制御部400、表示制御部500に所定の電位の電力を供給する一方、各種電装装置(入賞球センサ50、始動口センサ32、図柄表示器22、ソレノイド35、賞球装置40、スピーカ48等)に所定の電位の電力を供給する。すなわち、電圧変圧部106は、ホールの交流電源からの交流入力を整流回路により整流・平滑し、この整流・平滑化した直流電源を、レギュレータにより各電装装置に適した電圧に変換して供給する。なお、図3には、メイン制御部200及び賞球制御部300以外の装置への電力供給線はその図示を省略している。
停電検出部106は、ホールの交流電源からの交流入力を継続的に監視し、その波形が所定周期だけ欠落した状態が続いた場合に電源が遮断されたと判断し、メイン制御部200、賞球制御部300に停電信号を出力する。また、電源スイッチ108は、ホールの交流電源からの交流入力のON/OFFを操作するためのスイッチであり、図2に示すようにパチンコ機の裏面に設けられている。
なお、電圧変圧部106、停電検出部104、電源スイッチ108の構成等は、従来公知のパチンコ機と同様であれば良く、本発明を特に特徴付けるものでもないので、その詳細な説明については省略する。
初期化スイッチ102は、停電復帰後の営業開始時等にホール店員によって操作されるスイッチで、上述したメイン制御部200、賞球制御部300の処理を初期化するために操作される。この初期化スイッチ102は、図2に示すようにパチンコ機の裏面(詳しくは、電源装置100の基板上120)に設けられている。この初期化スイッチ102を、図4を参照して詳しく説明する。
初期化スイッチ102は、押圧されることにより接点を閉じる形式のいわゆるリードスイッチである。具体的には、図4(b)に示すように、電源装置100の基板120上に配設されたプッシュ型のスイッチである。この初期化スイッチ102は、弾力性を有するプラスチック材料で形成されたケーシング110内に収容されている。ケーシング110には、図4(a)に示すように、初期化スイッチ102と対向する位置に押圧部114が設けられ、この押圧部114の周囲3方向には切り抜き112が設けられている。押圧部114の内側の面(初期化スイッチ102に対向する部分)には、初期化スイッチ102側に突出する接触部116が形成されている。
かかる構成の初期化スイッチ102をON状態とするには、ホール店員等が押圧部114を基板120側に押圧する。押圧部114が基板120側に押圧され図4(c)に示すように変形すると、接触部116が初期化スイッチ102を押し、初期化スイッチ102がON状態となる。初期化スイッチ102をOFF状態とするためには、押圧部114の押圧を解除する。これにより、接触部116がその弾性によって初期化スイッチ102から離れ、初期化スイッチ102の接点が開きOFF状態となる(図4(b)の状態)。
なお、押圧部114は、図4(b)に示すように、ケーシング110の表面から突出することなくツライチとされることで、誤って押圧部114が押されてしまうことを防止する。
上述したように構成される初期化スイッチ102と、この初期化スイッチ102に接続された各制御部(本実施の形態では、メイン制御部200、賞球制御部300)との関係を、図5を用いて説明する。
図5に示すように、初期化スイッチ102の出力信号は、2つのバッファIC(図中A、Bで示す)を介して各制御部に入力される。図5に示す回路図から明らかなように、初期化スイッチ102がOFF状態では、初期化スイッチ102の出力信号はHighレベルの信号となり、2つのバッファICを介して制御部にHighレベルの信号が入力する。一方、初期化スイッチ102がON状態では、初期化スイッチ102の出力信号はLowレベルの信号となり、2つのバッファICを介して制御部にLowレベルの信号が入力する。
したがって、メイン制御部200の乱数プログラムを初期化させようとする者は、初期化スイッチ102とメイン制御部200との間に不正基板を介装し、不正基板からメイン制御部200に初期化信号を出力することとなる。
次に、上述のように構成されるパチンコ機10の電源遮断時の作用及び初期化スイッチ操作時(初期化信号入力時)の作用について説明する。まず、電源遮断時の作用について説明する。
本実施の形態のパチンコ機10では、パチンコ機10への電力供給が遮断されると、停電検出部104は、まず電源遮断が本当に発生したかどうか(瞬間的な停電かそうでないか)を判断する。電源遮断が発生していると判断した場合(所定時間の間、交流入力が無い場合)には、メイン制御部200(同時に、賞球制御部300)に停電信号を出力する。メイン制御部200は、この停電信号を受信すると、CPU202により停電処理を開始する。すなわち、RAM202bへのアクセスを禁止することによって、その時点でRAM202bに記憶されている記憶内容(例えば、確率変動情報等)を保持する。同様に、賞球制御部300においても、CPU302によりRAM302bへのアクセスが禁止され、RAM302bに記憶された記憶内容(例えば、球払い出し情報等)が保持される。
次に、初期化スイッチ操作時におけるパチンコ機10の作用について説明する。本実施の形態に係るパチンコ機10では、上述したことから明らかなように、メイン制御部200及び賞球制御部300に設けられたRAM202b、302bには電源遮断時の記憶内容がそのまま保持される。これらRAM202b、302bに記憶されている記憶内容は、電源遮断時に遊技を行っている遊技者が電源復帰後も同じパチンコ機で遊技を行う場合には保持される必要があるが、電源遮断時に遊技を行っている遊技者が電源遮断中に帰った場合には、記憶内容を保持することは好ましくない。例えば、メイン制御部100のRAM202bに記憶されている確率変動情報が保持されたまま営業が開始されると、そのパチンコ機は最初から確率変動状態で遊技を再開することとなり、ホールに配置された他のパチンコ機で遊技を行う遊技者との間で不公平が生じ、かつ、ホール側の不利益ともなる。また、賞球制御部300のRAM302bに記憶されている球払い出し情報が記憶されたまま営業が開始されると、営業開始時に人が座っていないにもかかわらず賞球が払い出されることとなるため、ホール店員が払い出されたパチンコ球を回収する等の手間が生じる。そこで、本実施例のパチンコ機10では、初期化スイッチ102を操作することで、RAM202b、302bの記憶内容をクリアすることが可能となっている。
以下、初期化信号が入力したときのメイン制御部200の処理について、図6を参照して説明する。なお、賞球制御部300における初期化処理の手順は、報知音が発生しない点以外は略同一であるので、ここではメイン制御部200の処理についてのみ説明する。
まず、図6に示すフローチャートを参照してメイン制御部200の初期化信号入力時の処理を説明する。初期化信号が入力すると、メイン制御部200は、まずCPU202の初期化を行う(S10)。
次いで、初期化信号が入力した旨を報知するためのコマンドを音制御部400に出力する(S12)。後述するように音制御部400は、このコマンドに基づいてスピーカ48から報知音を出力する。したがって、ホール店員等は、この報知音によってパチンコ機10に不正が行われていることを発見することができる。
ステップS14では、次にRAM202bに記憶されている記憶内容をクリアする。ステップS14の処理によりRAM202bの記憶内容がクリアされると、メイン制御部200は、図柄表示器22に所定の画面(デフォルト画面)を表示するためのコマンドを表示制御部500に出力する(S18)。図柄表示器22に所定の画面が表示されるため、ホール店員等はRAM202bの内容がクリアされたことを確認することができる。これらステップS12〜S18の報知処理〔報知を行うためのコマンド(報知コマンド)の出力〕が完了すると、RAM202bの記憶内容がクリアされた状態で、通常の遊技処理であるメイン処理に移行する(S22)。すなわち、メイン制御部200は、報知コマンド出力後は通常の遊技制御を実行する。このため、例えば、報知コマンド出力後に第1種始動口30にパチンコ球が入賞すれば、これに基づくコマンド(例えば、表示制御部500に図柄の変動を指示するコマンド,音制御部400に効果音の出力を指示するコマンド等)を出力する。さらに、その図柄変動が大当りになれば大入賞口34の開閉動作を実行する。以上の説明から明らかなように、音制御部400は、ステップS12で出力されたコマンドに基づく報知音の出力中にも効果音を出力することを指示するコマンドを受信することとなる。コマンド受信時の音制御部400の処理については後述する。なお、ステップS22で移行する遊技処理では、上述した乱数プログラムが初期状態から再起動されることとなる。
なお、上述した例ではステップS10の初期化処理後、直ちに報知音の発生(報知音コマンドの出力)を行ったが、報知音の発生はステップS14のRAMクリア処理の後で行っても良い。要は、乱数プログラムが初期化され初期状態から再起動されたことを迅速に報知できれば良いためである。
次に、メイン制御部200から出力されたコマンドを受信した音制御部400の処理について図7を参照して説明する。なお、図7の処理はコマンドを受信する毎に行われる。したがって、例えば、報知音コマンドの受信により図7の処理が行われている間(報知音の出力処理中)に効果音コマンドを受信した場合には、その効果音コマンドに基づいても図7の処理が行われる。すなわち、二つの処理(報知音コマンドに基づく処理,効果音コマンドに基づく処理)が平行して行われることとなる。
図7に示すように、音制御部400はコマンドを受信すると、まず、その受信したコマンドが報知音コマンド(報知音を出力することを指示するコマンド)か否かを判断する(S22)。受信したコマンドが報知音コマンドである場合〔S22でYESの場合〕にはステップS24に進み、受信したコマンドが報知音コマンドでない場合〔S22でNOの場合〕にはステップS34に進む。
ステップS34に進むと、まず、受信したコマンド(効果音コマンド)に基づいて効果音データを作成し(S34)、次いで、スピーカ48から報知音が出力中か否か(すなわち、音制御部400から報知音データが出力中か否か)を判断する(S36)。スピーカ48から報知音が出力中である場合〔S36でYESの場合〕には後述するステップS26に進み、報知音が出力されていない場合〔S36でNOの場合〕には後述するステップS32に進む。
ステップS24に進んだ場合、まず、報知音タイマをスタートさせ(S24)、次いで、受信した報知音コマンドに基づいて報知音データを作成する(S25)。この報知音タイマは、報知音が出力される時間を計時するタイマであり、報知音の出力開始時にカウントを開始する。すなわち、本実施例では、報知音は30秒間だけ出力され、報知音の出力開始から30秒が経過すると自動的に停止する。したがって、本実施例では、報知音の停止タイミングを決定するために、報知音の出力開始と同時に報知音タイマをスタートする。なお、本実施例において、報知音の出力を30秒後に自動的に停止させるのは、ホールを巡回しているホール店員が報知音に気付くのには30秒もあれば充分であり、また、自動的に報知音を停止することで解除の手間を省くことができるためである。
ステップS26に進むと、音制御部400は、ステップS24とステップS34の処理により作成される音データ(報知音データと効果音データ)のうち報知音データを優先してスピーカ48に出力することで、スピーカ48から報知音を出力する(S26)。したがって、報知音出力中に効果音コマンドを受信しても、遊技者等は報知音のみが聞こえることとなる。すなわち、本実施例では、報知音コマンドに基づいてスピーカ48から報知音が出力されているときであっても効果音コマンドを受信すると、その受信した効果音コマンドに基づいて図7の処理を平行して行い、効果音データを作成する。ただし、報知音データと効果音データの両者が作成されるときは、報知音データを優先して出力することで、スピーカ48からは報知音のみが聞こえるようにしている。なお、報知音を優先して出力する方法としては、例えば、報知音出力チャンネルと効果音出力チャンネルとを分けておき、報知音の出力時には効果音チャンネルをオフする方法を採ることができる。また、報知音の出力時には、効果音チャンネルのボリュームを絞る方法を採ることもできる。
次いで、音制制御部400は、報知期間が終了したか否かを判断する(S28)。具体的には、ステップS24でスタートしたタイマが所定時間(本実施例では30秒間)だけカウントしたか否かで判断する。報知期間が満了している場合〔S28でYESの場合〕にはステップS30に進み、報知期間が満了していない場合〔S28でNOの場合〕にはステップS25に戻ってステップS25からの処理を繰返す。したがって、スピーカ48からは報知音〔周期的な音(ビープ音)〕が報知期間中(本実施例では30秒間)繰返し出力されることとなる。
スピーカ48からの報知音の出力が終了すると、次に、報知音が出力された痕跡を残すための表示処理を行う(S30)。具体的には、遊技盤面12に設けられた専用のランプを点灯・点滅させることで、報知音の出力終了後も報知音が出力されたこと(異常が発生したこと)が表示されることとなる。これによって、報知音の出力にホール店員等が気付かなかった場合にも、点灯するランプを見ることによって異常があった遊技機を発見することが可能となる。なお、報知が自動的に解除される場合には、このステップS30の痕跡表示に替えて、上述の報知音の出力処理(ステップS25,S26)を所定の周期で繰り返し再実行するようにしても良い。この場合には、報知処理を解除するスイッチを別途設け、このスイッチをホール店員等が操作することで、報知音の出力が繰り返し行われ続けることを防止しても良い。
ステップS32では、音制御部400は、効果音データが作成されているときはその効果音データをスピーカ48に出力することで、効果音をスピーカ48から出力する(S32)。したがって、効果音データが平行して作成されているときは、スピーカ48からの報知音の出力が終了すると、直ちにスピーカ48から効果音が出力されることとなる。すなわち、本実施例の音制御部400は、報知音の出力中であってもコマンドを受信するとそのコマンドに基づいて効果音データを作成しているため、報知音の出力が終わると直ちに効果音の出力を開始することができる。これによりスムーズな遊技処理の再開が行われる。
上述したことから明らかなように、本実施例のパチンコ機では、メイン制御部200に初期化信号が入力すると、スピーカ48から報知音が出力される。したがって、初期化スイッチ102が操作されていないにもかかわらずスピーカ48から報知音が出力されれば、不正な手段(不正基板)により初期化信号がメイン制御部200に入力されたことを知ることができる。このため、不正行為を発見することができ、不正行為による被害を防止することができる。
なお、本実施例では営業開始前等の電源投入時(パワーオンリセット)にも、初期化スイッチをON操作することで報知音が出力される。しかしながら、この場合は、ホール店員等の操作により報知音が出力されているのであり、営業開始後の遊技途中に初期化信号が繰り返し入力することで報知音が出力される場合とは、明確に区別することができる。このため、初期化スイッチの操作により報知音が出力されても、そのことが特に問題となるわけではない。
以上、本発明の好適な一実施例について詳細に説明したが、これは例示に過ぎず、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した下記に例示する種々の形態で実施することができる。
(1)上述した実施例では、メイン制御部に初期化信号が入力したことをスピーカから報知音を出力することでホール店員等に報知するようにしたが、本発明はこのような例に限られず、別途パチンコ機に装備されたランプ(発光装置)等をランプ制御部により点灯、点滅又は消灯することで報知するようにしても良い。ランプにより報知するようにすれば、騒音が大きい場所(ホール)でも不正行為に気付くことができる。
また、スピーカとランプによる報知を同時に行うようにしても良い。スピーカとランプの両者によって報知することで、より確実にホール店員等に不正行為を報知することができる。この場合には、例えばスピーカからのビープ音に同期してランプを点滅させるようにしても良い。
なお、ランプにより報知を行う場合には、前述した実施例と同様に、ランプ制御部によって報知開始から所定時間経過時に自動的に報知を停止するようにしても良い。このような構成によると、上述の実施例と同様に報知を解除する際の手間を省略することができる。
さらに、ランプ制御部においても報知中にコマンドを受信した場合には、前述した実施例と同様に、そのコマンドを平行処理するようにしても良い。一つの方法としては、例えば、ランプ制御部において、予め装飾ランプのうち、通常装飾(効果光)にしか使用しないランプと報知時には報知光を優先して表示するランプを設定する。そして、報知中にメイン制御部からコマンドを受信すると、その受信したコマンドに基づいてランプ駆動データを作成する。そして、報知を優先して表示するランプについてはそのまま報知を優先して継続し、通常装飾にしか使用しないランプについては平行処理することで作成された駆動データによって発光を制御する。これによって、報知光を優先して特定の発光パターンで発光させながら、メイン制御部から出力されたコマンドに基づく効果光を同時に発光することができる。
(2)メイン制御部に初期化信号が入力したことを報知する方法としては、図柄表示器に所定の画面(RAM202bのクリア処理後に表示される画面とは異なる画面)を表示するようにしても良い。例えば、図柄表示器に「遊技機がリセットされました。」という表示をして報知をするようにしても良い。この場合には、前述の実施例と同様に、報知中に受信したコマンドを平行処理するとともに報知中は報知表示を優先し、報知終了後は直ちに画面に遊技演出を表示できるようにしても良い。例えば、上記の「遊技機がリセットされました。」という表示を背景データとして用意し、報知用の背景データとする。そして、遊技演出コマンド(図柄変動コマンド)を受信すると、そのコマンドを処理することで図柄変動やキャラクタの出現を行うための画像データが作成されるが、報知中には報知用の背景データが優先される(すなわち、図柄変動やキャラクタは表示されない)。そして、報知終了と同時に背景データの優先表示を停止することで図柄変動(又はキャラクタ)を表示する。このような構成によると、報知処理中にも受信したコマンド(図柄変動コマンド等)を平行処理するので、報知終了後に受信したコマンドに基づく図柄変動を続きから表示することができる。続きから表示されるため、他の装置(例えば、大入賞口)との動作の不一致が防止できる。
なお、図柄表示器での報知は、巡回するホール店員にとって気付き難いものであることから、メイン制御部からのコマンド(図柄変動コマンド)を受信した場合には、報知よりもメイン制御部からのコマンドを優先して図柄変動を表示するようにしても良い。
(3)上述した実施例と異なり、報知期間中は音制御部及び/又はランプ制御部は、メイン制御部から出力されるコマンドを無効(無視)とするようにしても良い。この場合には、音制御部及び/又はランプ制御部におけるコマンドの平行処理が不要になり、両制御部の処理量を少なくすることができる。また、報知終了後に次のコマンドを受信するまでは音声が停止し、全ランプが停止するため、これによってホール店員が異常を発見することも可能となる。
(4)報知の解除は、上述した音制御部やランプ制御部等のサブ制御部による個別の自動解除の他、メイン制御部から出力される解除コマンドの受信によって解除するようにしても良い。このような構成によると、全ての制御部を同一タイミングで報知解除することができる。
この場合、メイン制御部は、報知期間中は一時的に遊技処理を停止してタイマで所定時間をカウントし、所定時間経過時(遊技処理再開時)に解除コマンドを各サブ制御部に出力するようにしても良い。このような構成によると、少なくとも報知期間中だけは不正が継続して行われることを防止することができる。
なお、メイン制御部からの解除コマンドにより解除が行われる場合であって報知が行われた痕跡を表示するときには、この解除コマンドにより報知が行われた痕跡を表示する装置(専用ランプ,図柄表示器等)をオンするようにしても良い。例えば、図柄表示器を用いて痕跡を表示する場合には、解除コマンドを図柄制御部に出力し、図柄制御部では受信した解除コマンドに基づいて画面上の特定の箇所に異常があったことを示す表示、特定のキャラクタの表示又は背景色を変える表示を行うようにしても良い。
(5)上述の実施例では、報知の解除を報知開始から所定時間経過後に自動的に解除(例えば、制御部によるタイマを利用した解除)するようにしたが、このような方法に限られず、例えば、遊技機への電源の再投入(電源スイッチのON‐OFF操作)により遊技機全体をリセットするようにしても良いし、あるいは解除専用の解除スイッチによって解除を行うようにしても良い。
解除スイッチによって報知の解除を行う場合には、解除スイッチをメイン制御部に設けても良いし、報知処理を行う各サブ制御部(音制御部,ランプ制御部等)に設けても良い。メイン制御部に解除スイッチを設けた場合には、例えば、解除スイッチがONしたことを検出したメイン制御部が各サブ制御部(音制御部,ランプ制御部等)に解除コマンドを出力するように構成することができる。このような構成では、同時に各サブ制御部の報知処理がリセットされるため、各サブ制御部の同期を図ることができる。
各サブ制御部に解除スイッチを設けた場合には、各サブ制御部毎に解除操作を行うことができる。各サブ制御部に解除スイッチを設けた場合でも、上述したタイマにより自動的に解除する実施例と同様に、報知中に受信したコマンドを平行処理することで報知解除と同時に遊技演出(効果音,効果光等)を行うようにすることもできる。この場合におけるサブ制御部の処理を図8に例示する。図8にはランプ制御部の処理の一例を示している。図8から明らかなように、解除スイッチによる場合も図7に示す場合(タイマによる自動解除)と略同様に処理を行うことができる。すなわち、報知光の出力が停止するか否かを決めるステップ(図7においてはステップS28)が「解除スイッチがONされたか否か」になる点と、報知解除後の痕跡表示が省略されている点でのみ異なる。痕跡表示が省略されるのは、解除スイッチをホール店員等が直接操作するため、痕跡表示を残す必要がないためである。
なお、上述した解除スイッチは遊技機表側に設けても良いし、遊技機裏側の所定位置や各サブ制御部(音声制御基板)に設けるようにしても良い。遊技機の裏側に解除スイッチを設けた場合には、ホール店員は内枠を開錠して解除スイッチを操作することとなる。遊技機の裏側に設けると、遊技者が直接解除操作することができないため好ましい。
さらに、この解除スイッチを、内枠の開閉を検出する内枠センサやガラス扉の開閉を検出するガラス扉センサと兼用するようにしても良い。このように既存のセンサの一つを解除スイッチとして利用することで、検出部材の増設によるコストアップや遊技機のハード変更等を防止することができる。
(6)報知の解除を行う方法として、タイマ等により制御部が自動的に行う自動解除方法と、解除スイッチによりホール店員等が手動で行う手動解除方法との両者の方法を選択的に行うことを可能としても良い。この場合には、自動解除か手動解除かを選択するためのスイッチを遊技機に設けることが好ましい。このようなスイッチを設けた場合には、例えば、電源投入時にメイン制御部がスイッチの状態を検出し、検出されたスイッチの状態に基づいて自動解除か手動解除かを選択するようにすれば良い。このような構成では、ホールの事情に応じて自動解除か手動解除かを選択することができる。例えば、比較的ホール店員の数が少なく30秒程度の報知では気づいても対応できない等の事情があるホールでは、手動解除を選択することでホール店員が駆けつけるまで継続して報知しておきたいというニーズに対応することができる。
また、複数の装置(スピーカ,ランプ等)により報知を行うことが可能な場合には、報知を行う装置をホール側が選択できるようにしても良い。これによりホールのニーズに応じて最適な装置で報知を行うことができる。
さらには、自動解除のみを行う遊技機であっても、報知音を出力する期間をホール毎に設定できるスイッチを設けるようにしても良い。これにより、ホール店員が少ないホールでは報知時間を長くし、ホール店員が多いホールでは報知時間を短くすること等ができる。
(7)スピーカから出力される音で報知を行う場合には、報知音量を徐々に大きくするようにしても良い。徐々に報知音量を大きくすることで、営業開始時やメンテナンス時(不正の目的でメイン制御部の処理がリセットされるのではない時)等において、いきなり大音量で報知音が出力されることはなく、すぐに解除操作を行うことで大音量になる前に解除することができる。また、遊技中に遊技機の故障等のためリセットしなければならないときにも、すぐに解除操作を行うことで大音量になる前に解除することができ、遊技者に不快感を与えないようにすることができる。
また、メイン制御部がリセットされたときに必ず報知を行うのではなく、報知を行うか否か(報知を有効とするか無効とするか)を選択するスイッチをさらに設けるようにしても良い。ホール店員等による電源投入時(不正の目的でメイン制御部の処理がリセットされるのではない時)には、このスイッチを操作することで報知処理を無効化し、報知音を出力する必要がない場合には報知音を出力しないようにすることができる。このようなスイッチを設ける場合には、有効・無効の切替え忘れを防止するため、電源投入時(リセット時)に同時にこのスイッチを操作することでのみ有効・無効を切替えるようにすることが好ましい。
(9)メイン制御部は、ホールコンピュータ(外部情報端末)に初期化信号が入力した旨を報知する報知信号を出力するようにしても良い。このような構成によると、ホールコンピュータがホール内のパチンコ機の状態(初期化信号が入力したか否か)を管理するため、より確実に不正行為を発見することができる。
この場合には、報知信号を出力したパチンコ機の台番情報をもとに店内モニターを即座に報知してきたパチンコ機に焦点を合わせるように構成しても良い。さらに、店内モニターで撮影した映像をビデオに録画するように構成することで防犯効果を向上することができる。なお、この場合における報知の解除は、ホールコンピュータから行うようにすることができる。
(10)上述した方法と異なり、メカ的な方法により報知することも可能である。例えば、初期化信号が入力したときに、ソレノイド等を駆動することで可動片を動かし、その可動片の動きにより報知するようにしても良い。
本発明の一実施例に係るパチンコ機の外観を示す正面図 図1に示すパチンコ機の背面図 図1に示すパチンコ機の電装系の構成を示すブロック図 初期化スイッチの構造を説明するための図面 初期化スイッチと制御部の接続関係を説明するための回路図 制御部における初期化処理のフローチャート 音制御部におけるコマンド受信時の処理を示すフローチャート 解除スイッチにより報知処理が解除される場合のサブ制御部(ランプ制御部)における処理を示すフローチャート 初期値が変更されない乱数発生方式と初期値が変更される乱数発生方式を説明するための図
符号の説明
10・・パチンコ機
48・・スピーカ
100・・電源装置
102・・初期化スイッチ
108・・電源スイッチ
200・・メイン制御部
300・・賞球制御部
400・・音制御部
500・・表示制御部

Claims (14)

  1. 抽選条件の成立に起因して乱数を取得し、取得した乱数が当り値であるときに遊技者に有利な遊技状態とする制御装置を備え、その制御装置で取得される乱数が、初期値から順に所定時間毎に更新されて予め設定された数値範囲内を循環するとともに、前記初期値が所定周期毎に更新されて変更されるようにプログラムされている遊技機であって、
    前記乱数プログラムを初期化する初期化信号が制御装置に入力したときに、初期化信号が入力したことを報知する報知手段が付加されていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記報知手段は、音及び/又は光を用いて報知を行うことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記報知手段による報知動作の有効又は無効を選択する選択スイッチをさらに備え、選択スイッチにより報知動作が有効とされているときは前記報知手段による報知が行われ、選択スイッチにより報知動作が無効とされているときは前記報知手段による報知が行われないことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 前記報知手段による報知の解除方法を設定する設定スイッチをさらに備え、その設定スイッチの操作により前記報知手段による報知の解除が所定時間経過後に自動的に停止する自動解除と、操作者が所定の操作を行うことで解除する手動解除とに切替えることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  5. 抽選条件の成立に起因して乱数を取得し、取得した乱数が当り値であるときに遊技者に有利な遊技状態とする制御装置を備え、その制御装置で取得される乱数が、初期値から順に所定時間毎に更新されて予め設定された数値範囲内を循環するとともに、前記初期値が所定周期毎に更新されて変更されるようにプログラムされている遊技機であって、
    前記乱数プログラムを初期化する初期化信号が制御装置に入力したときに、制御装置の所定の出力端子から初期化信号が入力したことを報知する報知信号が出力されることを特徴とする遊技機。
  6. 前記制御装置の所定の出力端子には音制御回路が接続されており、その音制御回路は、制御装置から出力された報知信号が入力すると音声出力装置から報知音を発生させることを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
  7. 前記制御装置の所定の出力端子には発光制御回路が接続されており、その発光制御回路は、制御装置から出力された報知信号が入力すると発光装置から報知光を出力することを特徴とする請求項5又は6に記載の遊技機。
  8. 前記制御装置の所定の出力端子には外部情報端末が接続可能とされており、その外部情報端末は、制御装置から出力された報知信号が入力するとその旨を報知するようプログラムされていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の遊技機。
  9. 前記音制御回路は、報知信号が入力してから所定時間後に音声出力装置から出力されている報知音を停止することを特徴とする請求項6に記載の遊技機。
  10. 前記制御回路は報知信号出力後は通常の処理に移行し、前記音制御回路は、報知音出力中に前記制御回路から出力されたコマンドを受信するときは、そのコマンドに基づく効果音を報知音停止後に音声出力装置から出力することを特徴とする請求項9に記載の遊技機。
  11. 音声出力装置から出力される報知音の停止後に、報知音が出力された痕跡を表示する手段が付加されていることを特徴とする請求項9又は10に記載の遊技機。
  12. 前記発光制御回路は、報知信号が入力してから所定時間後に発光装置から出力されている報知光を停止させることを特徴とする請求項7に記載の遊技機。
  13. 前記制御回路は報知信号出力後は通常の処理に移行し、前記発光制御回路は、報知光出力中に前記制御回路から出力されたコマンドを受信するときは、そのコマンドに基づく効果光を報知光停止後に発光装置から出力することを特徴とする請求項12に記載の遊技機。
  14. 発光装置から出力される報知光の停止後に、報知光が出力された痕跡を表示する手段が付加されていることを特徴とする請求項12又は13に記載の遊技機。
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