JP2008177469A - 抵抗変化型素子および抵抗変化型素子製造方法 - Google Patents

抵抗変化型素子および抵抗変化型素子製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】所定の動作原理においてバイポーラ型の動作が可能であって記憶素子として利用可能な抵抗変化型素子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の抵抗変化型素子Xは電極1,2および酸化物層3を有する。電極2は酸化変性部2aを有する。酸化変性部2aは、酸化物層3に酸素イオン4を供与して高抵抗状態から低抵抗状態に変化可能であり、酸化物層3から酸素イオン4を受容して低抵抗状態から高抵抗状態に変化可能である。酸化物層3は、酸化変性部2aから酸素イオン4を受容して高抵抗状態から低抵抗状態に変化可能であり、酸化変性部2aに酸素イオン4を供与して低抵抗状態から高抵抗状態に変化可能である。本発明の製造方法は、電極1,2および酸化物層3を含む積層構造を形成する工程と、電極1,2を各々負極および正極として当該電極間に電圧を印加することによって電極2内に酸化変性部2aを形成する工程とを含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、相対的に電流が流れにくい高抵抗状態と相対的に電流が流れやすい低抵抗状態との間を切り替わることが可能な抵抗変化型素子に関する。
不揮発性メモリの技術分野においては、ReRAM(resistive RAM)が注目を集めている。ReRAMは、抵抗変化型素子であり、一般に、一対の電極と、当該電極対間に印加される電圧に応じて高抵抗状態および低抵抗状態の間を選択的に切り替わることが可能な記録膜とを有する。ReRAMでは、記録膜の抵抗状態の選択的な切り替わりを利用して、情報の記録ないし書き換えが実行され得る。このようなReRAMないし抵抗変化型素子に関しては、例えば下記の特許文献1〜5に記載されている。
国際公開第2003/094227号パンフレット 特開2004−273615号公報 特開2004−281913号公報 特開2005−123361号公報 特開2005−203463号公報
ReRAMは、電気的特性の観点からバイポーラ型とユニポーラ型に大別される。バイポーラ型のReRAMでは、記録膜を高抵抗状態から低抵抗状態へ変化させるための、電極対間の電圧印加方向と、記録膜を低抵抗状態から高抵抗状態へ変化させるための、電極対間の電圧印加方向とが異なる。すなわち、バイポーラ型のReRAMでは、2種類の抵抗状態変化ないし切り替わりにおいて、異なる極性の電圧が利用される。一方、ユニポーラ型のReRAMでは、記録膜を高抵抗状態から低抵抗状態へ変化させるための、電極対間の電圧印加方向と、記録膜を低抵抗状態から高抵抗状態へ変化させるための、電極対間の電圧印加方向とは同じである。すなわち、ユニポーラ型のReRAMでは、2種類の抵抗状態変化において、同じ極性の電圧が利用される。バイポーラ型のReRAMは、一般に、ユニポーラ型ReRAMよりも高速に動作することができる。
バイポーラ型ReRAMとして、PrCaMnO3よりなる記録膜を具備する所定のReRAMや、Crが添加されたSrZrO3よりなる記録膜を具備する所定のReRAMが報告されている。しかしながら、これらReRAMについては、バイポーラ型の動作が可能であるという事実は知られているが、動作原理が特定されていない。動作原理が不明であると、ReRAMの各部についての材料選択や設計寸法等の最適化の指針が定まらず、ReRAMの素子設計における最適化が困難である。また、記録膜を構成する基本材料の種類が異なると、ReRAMの動作原理は大きく異なると考えられている。
本発明は、以上のような事情の下で考え出されたものであり、所定の動作原理においてバイポーラ型の動作が可能であって記憶素子として利用可能な抵抗変化型素子、および、そのような抵抗変化型素子を製造するための方法を、提供することを目的とする。
本発明の第1の側面によると抵抗変化型素子が提供される。本抵抗変化型素子は、第1電極と、第2電極と、当該第1および第2電極の間に位置し且つ当該第2電極に接する酸化物層と、を含む積層構造をする。第2電極は、例えば遷移金属を含んでなり、酸化物層に接する酸化変性部を有する。この酸化変性部は、酸化物層に酸素イオンを供与して高抵抗状態から低抵抗状態に変化可能であり、且つ、当該酸化物層から酸素イオンを受容して低抵抗状態から高抵抗状態に変化可能である。酸化物層は、酸化変性部から酸素イオンを受容して高抵抗状態から低抵抗状態に変化可能であり、且つ、酸化変性部に酸素イオンを供与して低抵抗状態から高抵抗状態に変化可能である。
本発明の第2の側面によると、このような構成を有する抵抗変化型素子を製造するための方法が提供される。本方法は、第1電極、第2電極、並びに当該第1電極および第2電極の間に位置し且つ当該第2電極に接する酸化物層、を含む積層構造を形成する工程と、第1および第2電極を各々負極および正極として当該第1および第2電極間に電圧を印加することによって第2電極内に酸化変性部を形成する工程とを含む。電圧印加工程は、少なくとも第2電極および酸化物層を加熱しつつ行うのが好ましい。本方法における電圧印加工程では、電界作用により、酸化物層内に酸素イオンを発生させ且つ当該酸素イオンを負極側たる酸化物層から正極側たる第2電極へと移動させ、そして、第2電極において酸化物層と接する部位を酸化(酸化変性)させる。このようにして形成される酸化変性部は、まず、酸素リッチな状態にあり、絶縁体たる例えば遷移金属酸化物を多く含むので、相対的に高い抵抗を示す(高抵抗状態)。これとともに、一定量の酸素イオンを第2電極へと放出した酸化物層は、正電荷欠陥(正電荷を伴う酸素空孔)が発生および蓄積して比較的に強い内部電場が生じている状態にあり、当該内部電場がキャリア(正孔等)移動の障害となるので、相対的に高い抵抗を示す(高抵抗状態)。このように、第2の側面に係る方法によって製造された第1の側面に係る抵抗変化型素子は、まず、酸化変性部および酸化物層が共に高抵抗状態をとる高抵抗状態にある。
高抵抗状態にある本抵抗変化型素子の第1および第2電極の間に、当該第1および第2電極を各々正極および負極として所定電圧を印加して、電界作用により、酸化変性部内に酸素イオンを発生させて当該酸素イオンを酸化変性部から酸化物層へと部分的に戻すと(即ち、酸化変性部から酸化物層への酸素イオン供与を生じさせると)、酸化変性部は一定程度還元されることとなる(即ち、酸素による酸化の度合いは低くなる)。第2電極の酸化変性部に接する酸化物層としては、酸化変性部内での酸素イオン生成反応の触媒として機能し得るものが好ましく、そのような酸化物層を採用すると、酸素イオン生成や酸素イオン移動を促進することができる。酸化変性部の酸化度合いの低減は、キャリア(正孔等)移動にとって有利に作用する(酸化度合いが低いほど、酸化変性部の抵抗は小さくなる)。そのため、酸化変性部から酸化物層への酸素イオン供与により、酸化変性部は高抵抗状態から低抵抗状態に変化する。一方、酸化変性部からの酸素イオンの受容により、酸化物層内の正電荷欠陥は減少する。正電荷欠陥の減少により、酸化物層に生じていた所定の内部電場は減弱する。これは、キャリア(正孔等)移動にとって有利に作用する。そのため、酸化変性部からの酸素イオンの受容により、酸化物層は高抵抗状態から低抵抗状態に変化する。このような低抵抗化過程を経て、第2電極内の酸化変性部および酸化物層が共に高抵抗状態から低抵抗状態へと変化することにより、本素子は高抵抗状態から低抵抗状態へと切り替わる。印加電圧を消滅させても、酸化変性部および酸化物層は低抵抗状態を維持し、従って、本素子はその低抵抗状態を維持する。
低抵抗状態にある本抵抗変化型素子の第1および第2電極の間に、当該第1および第2電極を各々負極および正極として所定電圧を印加して、電界作用により、酸化物層内に酸素イオンを発生させ且つ当該酸素イオンを酸化物層内から酸化変性部要子内へと移動させると(即ち、酸化物層から酸化変性部への酸素イオン供与を生じさせると)、酸化物層内に正電荷欠陥(正電荷を伴う酸素空孔)が発生し、また、酸化物層内の正電荷欠陥は増大する。この内部電場は、キャリア(正孔等)移動にとって不利に作用する。そのため、酸化物層から酸化変性部への酸素イオン供与により、酸化物層は低抵抗状態から高抵抗状態に変化する。一方、酸化物層からの酸素イオンの受容により、酸化変性部の酸化の度合いは高くなる。この酸化度合いの高まりは、キャリア(正孔等)移動にとって不利に作用する。そのため、酸化物層からの酸素イオンの受容により、酸化変性部は低抵抗状態から高抵抗状態に変化する。このような高抵抗化過程を経て、酸化物層および第2電極内の酸化変性部が共に低抵抗状態から高抵抗状態へと変化することにより、本素子は低抵抗状態から高抵抗状態へと切り替わる。印加電圧を消滅させても、酸化物層および酸化変性部は高抵抗状態を維持し、従って、本素子はその高抵抗状態を維持する。また、このような高抵抗状態にある本素子については、上述した低抵抗化過程を経ることにより、低抵抗状態に再び切り替わることが可能である。
本素子では、高抵抗状態から低抵抗状態へ変化させるための、電極対間の電圧印加方向と、低抵抗状態から高抵抗状態へ変化させるための、電極対間の電圧印加方向とは、異なる。また、本素子が高抵抗状態と低抵抗状態との間を切り替わるに際しては、第2電極の酸化変性部および酸化物層の各内部や、酸化変性部と酸化物層の間において、酸素イオンは可逆的に移動する。
以上のように、本素子は、相対的に電流が流れにくい高抵抗状態と相対的に電流が流れやすい低抵抗状態との間を、バイポーラ型の動作で適切に切り替わることができる。このような本素子によると、抵抗状態の選択的な切り替わりを利用して、情報の記録ないし書き換えを実行することが可能である。すなわち、本素子は、抵抗変化型の不揮発性記憶素子として用いることが可能である。また、本素子は、回路内の所定箇所にて抵抗を選択的に変化させるためのスイッチング素子としても、用いることが可能である。
好ましくは、第2電極は遷移金属の窒化物を含んでなる。この場合、好ましくは、第2電極内の酸化変性部は酸化変性遷移金属窒化物を含んでなる。遷移金属は、例えば、Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Nb,Taからなる群より選択される。酸化変性された遷移金属窒化物は、本素子の上述の低抵抗化過程において酸素イオン生成反応の触媒として機能する場合がある。このような酸化変性遷移金属窒化物によると、本素子の低抵抗化過程において酸素イオン生成や酸素イオン移動を促進することができる。低抵抗化過程における酸素イオン生成および酸素イオン移動の促進は、本素子における抵抗スイッチングの繰り返しによって第2電極内の酸化変性部に酸素ないし酸素イオンが不当に蓄積していくことを、抑制するうえで好ましい。
好ましくは、酸化物層は導電性酸化物よりなる。このような構成は、酸化物層にて絶縁破壊による物質ないし構造の破壊を誘起することなく酸素イオンおよび酸素空孔を発生させて、酸素イオンについて、酸化物層内および酸化物層と酸化変性部との間を可逆的に移動させるうえで、好適である。また、酸化物層における、酸素イオン移動に対する活性化エネルギは2eV以下であるのが好ましい。
好ましくは、酸化物層にはアルカリ土類元素が添加されている。このような構成は、酸化物層の導電性、酸化物層の酸素イオン移動性、並びに、酸化物層と酸化変性部との間の酸素イオン授受の生じやすさ、を向上するうえで好適である。
好ましくは、酸化物層は、蛍石構造型酸化物またはペロブスカイト構造型酸化物よりなる。また、好ましくは、酸化物層は、YやCa、Mgが添加されたZrO2、ZrO2、CeO2、PrMnO3、SrTiO3、またはY23含む。これらの構成によると、良好な酸化物層を設けることが可能である。
好ましくは、酸化物層は結晶質材料よりなる。酸素イオンが移動可能な結晶質材料内では、酸素イオンが移動可能な非晶質材料内よりも、酸素イオン移動に対する散乱因子が小さい傾向にある。そのため、酸化物層の酸素イオン移動性向上の観点からは、酸化物層を構成する材料は、非晶質材料よりも結晶質材料の方が好ましい。
好ましくは、第1電極は、Pt,Au,Pd,Ru,SrRuO3からなる群より選択される材料よりなる。酸化されにくいこれら非酸化性材料は、本素子の電極材料として好ましい。
図1は、本発明に係る抵抗変化型素子Xの断面図である。抵抗変化型素子Xは、基板Sと、一対の電極1,2と、酸素供給層3とからなる積層構造を有し、相対的に電流が流れにくい高抵抗状態と相対的に電流が流れやすい低抵抗状態との間を切り替わることが可能に構成されている。
基板Sは、例えばシリコン基板や酸化物基板である。シリコン基板の表面には、熱酸化膜が形成されていてもよい。酸化物基板としては、例えば、MgO基板、SrTiO3基板、Al23基板、石英基板、およびガラス基板が挙げられる。
電極1は、本発明における第1電極であり、良導電性材料よりなり、例えば貴金属や良導電性酸化物よりなる。貴金属としては、例えばPt,Au,Pd,Ru,Irが挙げられる。良導電性酸化物としては、例えばSrRuO3,RuO2,IrO2,SnO2,ZnO,ITOが挙げられる。電極1の厚さは、例えば30〜100nmである。
電極2は、本発明における第2電極であり、価数変化しやすい遷移金属を含んでなる。そのような遷移金属としては、例えばTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Nb,Taが挙げられる。好ましくは、電極2は、これら遷移金属の窒化物を含んでなる。電極2の厚さは、例えば30〜100nmである。
また、電極2は、酸素供給層3と接する酸化変性部2aを有する。酸化変性部2aは、電極2の内部が部分的に酸化(酸化変性)されて形成された部位であり、好ましくは、酸化変性された遷移金属窒化物よりなる。また、酸化変性部2aは、高抵抗状態および低抵抗状態の間を選択的に切り替わり得る部位である。具体的には、酸化変性部2aは、酸素供給層3に酸素イオンを供与して高抵抗状態から低抵抗状態に変化可能であり(低抵抗化)、且つ、酸素供給層3から酸素イオンを受容して低抵抗状態から高抵抗状態に変化可能である。酸化変性遷移金属窒化物は、酸素イオン生成反応の触媒能を有する傾向があり、酸化変性部2aがそのような酸化変性遷移金属窒化物よりなる場合、酸化変性部2a自身の低抵抗化において酸素イオン生成を促進することができる。酸化変性部2aの厚さは、電極2の全体厚さより小さい限りにおいて、例えば10〜30nmである。また、酸化変性部2aにおける、酸素イオン移動に対する活性化エネルギは、2eV以下であるのが好ましい。
酸素供給層3は、本発明における酸化物層であり、電極1,2間に位置して酸化変性部2aと接し、電極2内の酸化変性部2aの抵抗状態の変化と並行して高抵抗状態および低抵抗状態の間を選択的に切り替わり得る部位である。具体的には、酸素供給層3は、酸化変性部2aから酸素イオンを受容して高抵抗状態から低抵抗状態に変化可能であり、且つ、酸化変性部2aに酸素イオンを供与して低抵抗状態から高抵抗状態に変化可能である。酸素供給層3としては、酸化変性部2a内での酸素イオン生成反応の触媒として機能し得るものが好ましく、そのような酸素供給層3を採用すると、酸化変性部2aの上述の低抵抗化、ないし、これに並行する酸素供給層3の低抵抗化において、酸素イオン生成や酸素イオン移動を促進することができる。酸素供給層3の厚さは、例えば10〜200nmである。また、酸素供給層3における、酸素イオン移動に対する活性化エネルギは、2eV以下であるのが好ましい。
本実施形態では、酸素供給層3は、導電性酸化物よりなり、具体的には蛍石構造型酸化物、ペロブスカイト構造型酸化物、パイロクロア構造型酸化物、タングステンブロンズ構造型酸化物、またはブラウンミラライト構造型酸化物よりなる。蛍石構造型酸化物としては、Yや、Mg、Caが添加されたZrO2(部分安定化ジルコニア)、ZrO2、およびY23などを採用することができる。ペロブスカイト構造型酸化物としては、PrMnO3およびSrTiO3などを採用することができる。パイロクロア構造型酸化物としては、Nd2MO27などを採用することができる。タングステンブロンズ構造型酸化物としては、CuWO3などを採用することができる。ブラウンミラライト構造型酸化物としては、Sr2Fe25などを採用することができる。
酸素供給層3には、Caなどのアルカリ土類元素が添加されてもよい。このような構成は、酸素供給層3の導電性および酸素イオン移動性等を向上するうえで好適である。また、アルカリ土類元素の添加は、酸素供給層3がペロブスカイト構造型酸化物である場合に特に有効である。
好ましくは、酸素供給層3は結晶質材料よりなる。結晶質材料よりなる固体電解質は、非晶質材料よりなる固体電解質よりも、酸素イオン移動性が高い傾向にある。酸素イオンが移動可能な結晶質材料内では、酸素イオンが移動可能な非晶質材料内よりも、酸素イオン移動に対する散乱因子が小さい傾向にあるからである。
抵抗変化型素子Xは、必要に応じて他の層を備えてもよい。例えば、電極1と酸素供給層3の間に、酸素イオン生成促進層を更に有してもよい。酸素イオン生成促進層とは、酸素供給層3内および酸化変性部2a内を移動すべき酸素イオンを発生しやすくするための部位である。酸素イオン生成促進層は、酸素イオンの生成反応の触媒として機能し得る貴金属を含有する導電性酸化物よりなる。そのような貴金属としては、例えばPt,Au,Pd,Ru,Irが挙げられる。酸素イオン生成促進層を構成する導電性酸化物中の貴金属の濃度は、例えば10〜50at%である。このような酸素イオン生成促進層の厚さは、例えば1〜5nmである。
このような構造を有する抵抗変化型素子Xの製造においては、まず、図2(a)に示すように基板S上に電極1を形成する。具体的には、基板S上に所定材料を成膜した後、所定のレジストパターンをマスクとして利用して当該膜に対してエッチング処理を施すことにより、基板S上にて電極1をパターン形成することがでる。成膜手法としては、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、またはLD(Laser Deposition)法を採用することができる。以降の酸素供給層3および電極2についても、このような材料成膜およびその後のエッチング処理によるパターニングを経て、形成することができる。
電極1の構成材料としてPtを採用する場合には、例えば、スパッタリング装置を使用して行うスパッタリング法において、スパッタガスとしてArガス(0.5Pa)を用い、Ptターゲットを用い、DC放電とし、投入電力を1.0kWとし、温度条件を室温〜300℃とすることにより、基板S上にPt膜を形成することができる。電極1の構成材料としてSrRuO3を採用する場合には、例えば、スパッタリング法において、スパッタガスとしてArとO2の混合ガス(0.5Pa,酸素濃度10〜30vol%)を用い、SrRuO3ターゲットを用い、DC放電またはRF放電とし、投入電力を1.0kWとし、温度条件を室温〜500℃とすることにより、基板S上にSrRuO3膜を形成することができる。
抵抗変化型素子Xの製造においては、次に、図2(b)に示すように電極1上に酸素供給層3を形成する。酸素供給層3の構成材料として、所定量(例えば10〜50at%)のCaが添加されたPrMnO3(以下「(Pr,Ca)MnO3」と記載する)を採用する場合には、例えば、スパッタリング法において、スパッタガスとしてArとO2の混合ガス(0.5Pa,酸素濃度5〜15vol%)を用い、(Pr,Ca)MnO3ターゲットを用い、RF放電とし、投入電力を1.0kWとし、温度条件を室温〜500℃とすることにより、(Pr,Ca)MnO3膜を形成することができる。酸素供給層3の構成材料として、所定微少量(例えば1〜10at%)のYが添加されたZrO2を採用する場合には、例えば、スパッタリング法において、スパッタガスとしてArとO2の混合ガス(0.5Pa,酸素濃度5〜15vol%)を用い、Y添加ZrO2ターゲットを用い、RF放電とし、投入電力を1.0kWとし、温度条件を室温〜300℃とすることにより、Y添加ZrO2膜を形成することができる。また、酸素供給層3の構成材料として、還元型の(即ち酸素が一部欠損した)Y23-Xを採用する場合には、例えば、スパッタリング法において、スパッタガスとしてAr(0.5Pa)を用い、Y23ターゲットを用い、RF放電とし、投入電力を1.0kWとし、温度条件を室温〜300℃とすることにより、還元型Y23-X膜を形成することができる。
抵抗変化型素子Xの製造においては、次に、図2(c)に示すように酸素供給層3上に電極2を形成する。電極2の構成材料としてTiNを採用する場合には、例えば、スパッタリング法において、スパッタガスとしてArとN2の混合ガス(0.5Pa,酸素濃度20〜50vol%)を用い、Tiターゲットを用い、DC放電とし、投入電力を1.0kWとし、温度条件を室温〜300℃とすることにより、TiN膜を形成することができる。
抵抗変化型素子Xの製造においては、次に、図2(d)に示すように電極2内に酸化変性部2aを形成する。具体的には、電極1,2を各々負極および正極として当該電極1,2間に電圧を印加することによって、電極2内に酸化変性部2aを形成する。好ましくは、少なくとも電極2および酸素供給層3を加熱しつつ電圧印加を実行する。加熱する場合、好ましくは、非酸化性雰囲気下で電圧印加を実行する。印加電圧は例えば4V以上である。酸素供給層3がPrCaMnO3などのペロブスカイト構造型酸化物よりなる場合、印加電圧は好ましくは4〜7Vである。酸素供給層3が還元型の(即ち酸素が一部欠損した)Y23-Xなどの蛍石構造型酸化物よりなる場合、印加電圧は好ましくは5〜10Vである。電圧印加時間については、室温条件下では例えば30〜60分であり、200℃以上の加熱条件下では例えば10〜20分である。
電圧印加工程では、電界作用により、酸素供給層3内に酸素イオンを発生させ且つ当該酸素イオンを負極側たる酸素供給層3から正極側たる電極2へと移動させ、そして、電極2において酸素供給層3と接する部位を酸化(酸化変性)させる。このようにして形成される酸化変性部2aは、まず、酸素リッチな状態にあり、絶縁体たる遷移金属酸化物を多く含むので、相対的に高い抵抗を示す(高抵抗状態)。これとともに、一定量の酸素イオンを電極へと放出した酸素供給層3は、正電荷欠陥(正電荷を伴う酸素空孔)が発生および蓄積して比較的に強い内部電場が生じている状態にあり、当該内部電場がキャリア(正孔等)移動の障害となるので、相対的に高い抵抗を示す(高抵抗状態)。
以上のようにして、電極1と、酸素供給層3と、内部に酸化変性部2aを有する電極2とを備える抵抗変化型素子Xを製造することができる。
図3は、抵抗変化型素子Xの動作原理を表す。図4は、抵抗変化型素子Xにおける電流−電圧特性の一例を示すグラフである。図4のグラフの横軸は、抵抗変化型素子Xの電極1,2間に印加される電圧を示し、縦軸は、抵抗変化型素子Xを通過する電流を示す。また、図4のグラフでは、電極1,2を各々負極および正極として抵抗変化型素子Xに印加された電圧に正の符号を付して表し、電極1,2を各々正極および負極として抵抗変化型素子Xに印加された電圧に負の符号を付して表す。更に、図4のグラフでは、電極2から電極1へと流れる電流に正の符号を付して表し、電極2から電極1へと流れる電流に負の符号を付して表す。
製造された抵抗変化型素子Xの初期の状態においては、図3(a)に示すように、酸化変性部2aは、酸素リッチな状態にあり、絶縁体たる遷移金属酸化物を多く含むので、相対的に高い抵抗を示す(高抵抗状態)。これとともに、一定量の酸素イオン4を電極2へと放出した酸素供給層3は、正電荷欠陥4’(正電荷を伴う酸素空孔)が発生および蓄積して比較的に強い内部電場が生じている状態にあり、当該内部電場がキャリア(正孔等)移動の障害となるので、相対的に高い抵抗を示す(高抵抗状態)。そのため、初期状態の抵抗変化型素子X自体も、高抵抗状態にある。
高抵抗状態にある抵抗変化型素子Xの電極1,2を各々正極および負極として、当該電極1,2間の印加電圧の絶対値を0Vから次第に増大させると、まず、例えば図4の矢印D1で示すように、抵抗変化型素子Xを通過する電流の絶対値は、相対的に小さな変化率で次第に増大する。
印加電圧の絶対値が増大して所定のV1以上に至ると、電極1,2間の電界作用により、図3(b)に示すように、電極2内の酸化変性部2aにて酸素イオン4を発生させて当該酸素イオン4を酸素供給層3へ戻すことができる。上述のように酸化変性遷移金属窒化物は酸素イオン生成反応の触媒能を有する傾向があるところ、酸化変性部2aがそのような酸化変性遷移金属窒化物よりなる場合、酸素イオン生成を促進することができる。また、酸化変性部2a内での酸素イオン生成反応の触媒として機能し得る酸素供給層3を採用する場合、酸素イオン生成や酸素イオン移動を促進することができる。
このように、酸化変性部2aから酸素供給層3への酸素イオン供与を生じさせると、酸化変性部2aは、還元されることとなる(即ち、酸素による酸化の度合いが低くなる)。この酸化度合いの低減は、抵抗変化型素子Xにおけるキャリア(正孔等)移動にとって有利に作用する。そのため、酸化変性部2aから酸素供給層3への酸素イオン供与により、酸化変性部2aは高抵抗状態から低抵抗状態に変化する。一方、酸化変性部2aからの酸素イオン4の受容により、酸素供給層3内の正電荷欠陥4’は減少する(図の明確化の観点より、図3では、酸素供給層3内に戻された酸素イオン4を黒ベタで表すが、当該酸素イオン4と正電荷欠陥4’との間において電荷的中和が生じる)。正電荷欠陥4’の減少により、酸素供給層3に生じていた所定の内部電場は減弱する。これは、抵抗変化型素子Xにおけるキャリア(正孔等)移動にとって有利に作用する。そのため、酸化変性部2aからの酸素イオンの受容により、酸素供給層3は高抵抗状態から低抵抗状態に変化する。このようにして、酸素供給層3および酸化変性部2aが共に高抵抗状態から低抵抗状態へと変化することにより、例えば図4の矢印D2で示される電流値変化に顕れているように、抵抗変化型素子Xは高抵抗状態から低抵抗状態へと切り替わる。この低抵抗化過程における上述のV1は、抵抗変化型素子Xが高抵抗状態から低抵抗状態へと切り替わるために要する最小電圧であり、例えば4〜6Vである。
この後、電極1,2を各々正極および負極としたまま、印加電圧の絶対値をV1以下に減少させても、酸素供給層3および酸化変性部2aは低抵抗状態を維持し、従って、抵抗変化型素子Xも低抵抗状態を維持する。この電圧減少過程では、例えば図4の矢印D3で示すように、抵抗変化型素子Xを通過する電流の絶対値は、相対的に大きな変化率で次第に減少する。
次に、低抵抗状態にある抵抗変化型素子Xの電極1,2を各々負極および正極として、当該電極1,2間の印加電圧を0Vから次第に増大させると、例えば図4の矢印D4で示すように、抵抗変化型素子Xを通過する電流は、相対的に大きな変化率で次第に増大する。
印加電圧が増大して所定の電圧V2以上に至ると、電極1,2間の電界作用により、酸素供給層3内に酸素イオン4を発生させることができ、続いて、図3(a)に示すように、発生した酸素イオン4を酸素供給層3から電極2内の酸化変性部2aへと移動させることができる。
このように、酸素供給層3から酸化変性部2aへの酸素イオン供与を生じさせると、酸素供給層3内に正電荷欠陥4’(正電荷を帯びた酸素空孔)が発生し、また、酸素供給層3内の正電荷欠陥4’が増大する。これにより、酸素供給層3には、印加電圧とは逆の方向性を有する所定の内部電場が形成される。この内部電場は、抵抗変化型素子Xにおけるキャリア(正孔等)移動の障害となる。そのため、酸素供給層3から酸化変性部2aへの酸素イオン供与により、酸素供給層3は低抵抗状態から高抵抗状態に変化する。一方、酸素供給層からの酸素イオンの受容により、酸化変性部2aの酸化の度合いは高くなる。この酸化度合いの高まりは、抵抗変化型素子Xにおけるキャリア(正孔等)移動にとって不利に作用する。そのため、酸素供給層3からの酸素イオン4の受容により、酸化変性部2aは低抵抗状態から高抵抗状態に変化する。このようにして、酸素供給層3および電極2内の酸化変性部2aが共に低抵抗状態から高抵抗状態へと変化することにより、例えば図4の矢印D5で示される電流値降下に顕れているように、抵抗変化型素子Xは低抵抗状態から高抵抗状態へと切り替わる。この高抵抗化過程における上述のV2は、抵抗変化型素子Xが低抵抗状態から高抵抗状態へと切り替わるために要する最小電圧であり、例えば4〜6Vである。
上述のようにして抵抗変化型素子Xが高抵抗化された後、電極1,2を各々負極および正極としたまま、印加電圧をV2以下に減少させても、酸素供給層3および酸化変性部2aは高抵抗状態を維持し、従って、抵抗変化型素子Xも高抵抗状態を維持する。この電圧減少過程では、例えば図4の矢印D6で示すように、抵抗変化型素子Xを通過する電流は、相対的に小さな変化率で次第に減少する。
高抵抗状態に至った抵抗変化型素子Xについては、上述した低抵抗化過程を経ることにより、低抵抗状態に再び切り替えることが可能である。すなわち、抵抗変化型素子Xは、上述の低抵抗化過程と高抵抗化過程を適宜経ることにより、相対的に電流が流れにくい高抵抗状態と相対的に電流が流れやすい低抵抗状態との間を選択的に切り替わることが可能なのである。高抵抗状態から低抵抗状態へ変化させるための、電極1,2間の電圧印加方向と、低抵抗状態から高抵抗状態へ変化させるための、電極1,2間の電圧印加方向とは異なる。また、抵抗変化型素子Xが高抵抗状態と低抵抗状態との間を切り替わるに際しては、酸化変性部2a内、酸素供給層3内、および酸化変性部2aと酸素供給層3との間において、酸素イオン4は可逆的に移動する。
以上のように、抵抗変化型素子Xは、相対的に電流が流れにくい高抵抗状態と相対的に電流が流れやすい低抵抗状態との間を、バイポーラ型の動作で適切に切り替わることができる。このような抵抗変化型素子Xによると、抵抗状態の選択的な切り替わりを利用して、情報の記録ないし書き換えを実行することが可能である。すなわち、抵抗変化型素子Xは、抵抗変化型の不揮発性記憶素子として用いることが可能である。また、抵抗変化型素子Xは、回路内の所定箇所にて抵抗を選択的に変化させるためのスイッチング素子としても、用いることが可能である。
〔サンプル素子S1〕
図5(a)に示す積層構成を有するサンプル素子S1を、上述の抵抗変化型素子Xの実施例として作製した。サンプル素子S1における電極1,2の対向面積は31400μm2である(後出のサンプル素子S2における電極対の対向面積も31400μm2である)。初期状態において、サンプル素子S1は高抵抗状態にある。
このサンプル素子S1について、抵抗値の変化を調べた。具体的には、サンプル素子S1における電極1,2間の抵抗値を測定しつつ、当該サンプル素子S1に対し、第1条件での電圧印加およびその後の第2条件での電圧印加を、複数回繰り返した。第1条件では、電極1は正極であり、電極2は負極であり、当該電極対間の印加電圧は、パルス強度5Vでパルス幅10nsecのパルス電圧である。第2条件では、電極1は負極であり、電極2は正極であり、当該電極対間の印加電圧は、パルス強度5Vでパルス幅10nsecのパルス電圧である。
この抵抗値変化調査において順次測定されたサンプル素子S1の抵抗値から抽出した一部の抵抗値を、図5(b)のグラフに示す。図5(b)のグラフにおいて、横軸は、電圧印加の累積数(回)を常用対数スケールで表し、縦軸は、抵抗値(Ω)を常用対数スケールで表し、各プロット(●)は、測定された抵抗値を表す。
図5(b)のグラフに表れているように、サンプル素子S1は抵抗状態の切り替わりを示した。当該抵抗スイッチングでは、高抵抗状態と低抵抗状態の間の抵抗値差が大きく、且つ、抵抗スイッチングを数多く繰り返しても抵抗値差に減少は見られなかった。
〔サンプル素子S2〕
図6(a)に示す積層構成を有するサンプル素子S2を作製した。このサンプル素子S2について、サンプル素子S1と同様の条件で抵抗値の変化を調べたところ、抵抗値の実用的な切り替わりを示さなかった。
以上のまとめとして、本発明の構成およびそのバリエーションを以下に付記として列挙する。
(付記1)第1電極と、
第2電極と、
前記第1電極および前記第2電極の間に位置し且つ当該第2電極に接する酸化物層と、を含む積層構造を有し、
前記第2電極は、前記酸化物層に接する酸化変性部を有し、当該酸化変性部は、前記酸化物層に酸素イオンを供与して高抵抗状態から低抵抗状態に変化可能であり、且つ、当該酸化物層から酸素イオンを受容して低抵抗状態から高抵抗状態に変化可能であり、
前記酸化物層は、前記酸化変性部から酸素イオンを受容して高抵抗状態から低抵抗状態に変化可能であり、且つ、前記酸化変性部に酸素イオンを供与して低抵抗状態から高抵抗状態に変化可能である、抵抗変化型素子。
(付記2)前記酸化物層から前記酸化変性部への酸素イオン供与により、正電荷を伴う酸素空孔が前記酸化物層内にて発生または増大し、且つ、前記酸化変性部は酸化される、付記1に記載の抵抗変化型素子。
(付記3)前記酸化変性部から前記酸化物層への酸素イオン供与により、前記酸化変性部は還元され、且つ、前記酸化物層内の前記酸素空孔は減少する、付記2に記載の抵抗変化型素子。
(付記4)前記第2電極は遷移金属の窒化物を含んでなる、付記1から3のいずれか一つに記載の抵抗変化型素子。
(付記5)前記酸化変性部は酸化変性遷移金属窒化物を含んでなる、付記4に記載の抵抗変化型素子。
(付記6)前記遷移金属は、Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Nb,Taからなる群より選択される、付記4または5に記載の抵抗変化型素子。
(付記7)前記酸化物層は導電性酸化物よりなる、付記1から6のいずれか一つに記載の抵抗変化型素子。
(付記8)前記酸化物層にはアルカリ土類元素が添加されている、付記1から7のいずれか一つに記載の抵抗変化型素子。
(付記9)前記酸化物層は、蛍石構造型酸化物またはペロブスカイト構造型酸化物よりなる、付記1から8のいずれか一つに記載の抵抗変化型素子。
(付記10)前記酸化物層は、YやCa、Mgが添加されたZrO2、ZrO2、CeO2、PrMnO3、SrTiO3、またはY23よりなる、付記1から9のいずれか一つに記載の抵抗変化型素子。
(付記11)前記酸化物層は結晶質材料よりなる、付記1から10のいずれか一つに記載の抵抗変化型素子。
(付記12)前記第1電極は、Pt,Au,Pd,Ru,SrRuO3からなる群より選択される材料よりなる、付記1から11に記載の抵抗変化型素子。
(付記13)付記1から12のいずれか一つに記載の抵抗変化型素子を製造するための方法であって、
第1電極、第2電極、並びに当該第1電極および第2電極の間に位置し且つ当該第2電極に接する酸化物層、を含む積層構造を形成する工程と、
前記第1および第2電極を各々負極および正極として当該第1および第2電極間に電圧を印加することによって前記第2電極内に酸化変性部を形成する工程と、を含む抵抗変化型素子製造方法。
(付記14)前記電圧印加工程は、少なくとも前記第2電極および前記酸化物層を加熱しつつ行う、付記13に記載の抵抗変化型素子製造方法。
本発明に係る抵抗変化型素子の断面図である。 本発明に係る抵抗変化型素子製造方法を表す。 本発明に係る動作原理を表す。 本発明に係る抵抗変化型素子における電流−電圧特性の一例を示すグラフである。 (a)はサンプル素子S1の積層構成を表し、(b)はサンプル素子S1についての抵抗値測定の結果を表すグラフである。 サンプル素子S2の積層構成を表す。
符号の説明
X 抵抗変化型素子
S 基板
1,2 電極
2a 酸化変性部
3 酸素供給層
4 酸素イオン
4’ 正電荷欠陥

Claims (6)

  1. 第1電極と、
    第2電極と、
    前記第1電極および前記第2電極の間に位置し且つ当該第2電極に接する酸化物層と、を含む積層構造を有し、
    前記第2電極は、前記酸化物層に接する酸化変性部を有し、当該酸化変性部は、前記酸化物層に酸素イオンを供与して高抵抗状態から低抵抗状態に変化可能であり、且つ、当該酸化物層から酸素イオンを受容して低抵抗状態から高抵抗状態に変化可能であり、
    前記酸化物層は、前記酸化変性部から酸素イオンを受容して高抵抗状態から低抵抗状態に変化可能であり、且つ、前記酸化変性部に酸素イオンを供与して低抵抗状態から高抵抗状態に変化可能である、抵抗変化型素子。
  2. 前記酸化物層から前記酸化変性部への酸素イオン供与により、正電荷を伴う酸素空孔が前記酸化物層内にて発生または増大し、且つ、前記酸化変性部は酸化される、請求項1に記載の抵抗変化型素子。
  3. 前記酸化変性部から前記酸化物層への酸素イオン供与により、前記酸化変性部は還元され、且つ、前記酸化物層内の前記酸素空孔は減少する、請求項2に記載の抵抗変化型素子。
  4. 前記第2電極は遷移金属の窒化物を含んでなる、請求項1から3のいずれか一つに記載の抵抗変化型素子。
  5. 前記遷移金属は、Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Nb,Taからなる群より選択される材料よりなる、請求項4に記載の抵抗変化型素子。
  6. 請求項1から5のいずれか一つに記載の抵抗変化型素子を製造するための方法であって、
    第1電極、第2電極、並びに当該第1電極および第2電極の間に位置し且つ当該第2電極に接する酸化物層、を含む積層構造を形成する工程と、
    前記第1および第2電極を各々負極および正極として当該第1および第2電極間に電圧を印加することによって前記第2電極内に酸化変性部を形成する工程と、を含む抵抗変化型素子製造方法。
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