JP2008177432A - 封止用熱硬化型樹脂シート、電子部品装置及び電子部品装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便な工程により、配線基板に弾性表面波素子等の電子素子の電子機能部を阻害することなく、必要部分には十分に樹脂を充填させ、電子素子を封止することができる粘土状の熱硬化型樹脂シート、電子部品装置及び電子部品装置の製造方法を提供する。
【解決手段】配線基板41に固定された弾性表面波素子42等の電子素子の上に、外力により塑性変形可能な粘土状の封止用熱硬化型樹脂シート45を積層し、この樹脂シートを加熱硬化させることで、電子素子の電子機能部を樹脂で阻害することなく気密空間46を形成して封止する電子部品装置47及びその製造方法。
【選択図】図2c
【解決手段】配線基板41に固定された弾性表面波素子42等の電子素子の上に、外力により塑性変形可能な粘土状の封止用熱硬化型樹脂シート45を積層し、この樹脂シートを加熱硬化させることで、電子素子の電子機能部を樹脂で阻害することなく気密空間46を形成して封止する電子部品装置47及びその製造方法。
【選択図】図2c
Description
本発明は、常温で容易に塑性変形することができる粘土状の封止用熱硬化型樹脂シート、これを用いた電子部品装置及び電子部品装置の製造方法に関し、特に、表面にセンサ機能を有する電子素子のセンサ周辺表面を汚さず、かつ効率的に封止することができる粘土状の封止用熱硬化型樹脂シート、電子部品装置及び電子部品装置の製造方法に関する。
弾性表面波素子は、圧電基板の一方の面に櫛形電極が形成されたものである。この弾性表面波素子は、携帯電話等の移動体通信機器におけるフィルタ等に広く利用されている。しかしながら、このような電子部品ではその製造において次のような問題がある。
弾性表面波素子は、その表面に櫛形電極が形成されており、この櫛形電極に水分、塵等の異物が付着しないように弾性表面波素子を封止する必要がある一方、弾性表面波素子の動作に影響を与えないように弾性表面波素子の表面における弾性表面波伝搬領域に封止用樹脂等が接触し、振動が不十分となって素子の機能が阻害されること等がないようにしなければならない。
そのため、従来は、弾性表面波素子を用いた電子部品装置の製造方法は、例えば、弾性表面波素子の接続電極と実装基板の導体パターンとを電気的に接続した後、セラミックや金属などで形成されたキャップのような構造体によって弾性表面波素子を囲って封止する方法や(例えば、特許文献1参照。)、弾性表面波素子の周囲をあらかじめレジストを枠状に印刷又は周囲にダム枠を貼り付けた後、液状封止樹脂を注入していた(例えば、特許文献2参照)。また、シート状の封止樹脂による封止も行われていた(例えば、特許文献3乃至5参照。)
特開昭59−10015号公報
特開2004−96350号公報
特開2003−32061号公報
特開2004−7051号公報
特開2004−83761号公報
しかしながら、キャップのような構造体で封止を行う方法では、小型、薄型化が困難であり、また、上記構造体は、弾性表面波素子の接続電極と実装基板の導体パターンとの機械的接続強度や接続安定性が不十分であった。
また、周囲を液状封止樹脂で囲って封止を行う方法では、液状封止樹脂が弾性表面波素子における表面の弾性表面波伝搬領域に入り込む可能性が高いという問題があった。
さらに、シート状の封止樹脂は、細部への樹脂の充填不良によるボイドの発生等の問題を有し、樹脂の溶融粘度が高い場合には、電子部品細部への樹脂の充填不良が発生し、逆に樹脂の溶融粘度が低い場合には、弾性表面波素子における表面の弾性表面波伝搬領域に入り込む可能性が高いものであった。
また、これと同様の問題は、弾性表面波素子だけでなく、振動子等の圧電素子、高周波回路を備えた回路素子、受光素子のようなセンサ素子や発光素子等においても、その電子機能を発揮する素子表面を中空状態や気密状態とした封止構造が必要であり、電子機能部表面に封止用の樹脂が接触すると電子部品の動作に影響があり、これらの電子素子も上記した同様の問題を有している。
本発明は、これらの問題点に対処するためになされたものであり、電子素子の実装基板とこれに実装された電子素子を備えた電子部品装置に、簡易な構成で、電子部品の動作への悪影響を与えることなく、電子部品の接続電極と実装基板の導体パターンとの機械的な接合の強度や接合の安定性を図ると同時に、簡易な操作により電子部品の動作に悪影響を与えることなく電子部品を封止することができる粘土状の封止用樹脂シート、この封止用樹脂シートを用いた電子部品装置及び電子部品装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートは、液状の熱硬化型樹脂と非導電性フィラーを必須成分とする樹脂組成物から形成される封止用樹脂シートであって、樹脂組成物が、非導電性フィラーを10〜90質量%含み、封止用熱硬化型樹脂シートが、常温で外力により塑性変形することを特徴とするものである。
また、本発明の電子部品装置は、配線基板と、該配線基板に固定された電子素子と、この電子素子を封止用熱硬化型樹脂シートを用いて封止した電子部品装置であって、封止用熱硬化型樹脂シートとして本発明の粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートを用いるものであって、配線基板と電子素子との間に気密空間が形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の電子部品装置の製造方法は、配線基板に電子素子を固定する工程と、配線基板に固定された電子素子に、本発明の粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートを積層する工程と、この粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートを加熱硬化して、配線基板と電子素子との間に気密空間を形成したまま電子素子を封止する工程と、を有することを特徴とするものである。
本発明の粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートは、ハンドリング性が良好で、この粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートを用いた場合には、封止用熱硬化型樹脂シートを電子素子上に積層して加熱成形することで容易に電子部品を封止することができるため封止工程を簡略化して製造を簡便に行うようにできる。また、大掛かりな設備を必要とせずに電子機能部を有する電子素子の機能を阻害することなく封止することができるため、製造コストの低減を図ることができる。
本発明の電子部品装置は、従来のような樹脂封止のためのケースを使用していないため、薄く、軽量にすることができ、取り扱いが容易であり、電子素子の電子機能部が封止樹脂により悪影響を受けないため装置の信頼性が高いものである。
本発明の電子部品装置の製造方法によれば、粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートを用いており、加熱硬化により封止ができるためキャップ等を用いる必要がない。また、この電子部品装置の製造方法によれば、電子部品と配線基板との接続部や電子部品表面に十分に樹脂を含浸・充填して固定することができ、かつ、電子部品の配線基板と対抗する面を樹脂により汚染することがなく、例えば、弾性表面波素子の弾性表面波伝搬領域等の電子機能部が気密状態下に保たれ電子素子の機能を阻害することなく電子部品装置を簡便に製造することができる。
以下、実施の形態及び実施例を参照しながら本発明について詳細に説明する。
本発明者らは上記の目的を達成しようと鋭意研究を重ねた結果、電子部品の封止用熱硬化型樹脂シートとして、常温で外力により容易に塑性変形するものである粘土状の熱硬化型樹脂シートを用いることで、配線基板とその配線基板に固定された電子素子との間に気密空間を形成しながら、熱硬化型樹脂で簡便に封止することができることを見出し本発明を完成したものである。
以下、図面を参照しながら本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。図1a〜図1cは、本発明の粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートの断面図である。
本発明の粘土状の封止用熱硬化型樹脂シート10は、常温では固形でシート形状を維持し、常温で外力により容易に塑性変形可能である粘土状の熱硬化型樹脂シートである。
ここで、本明細書における粘土状とは、封止用熱硬化型樹脂シートに常温、常圧下、特に何ら力を加えていない状態では、その形状を保持しつづけ、外力を加えた場合には、その小さな応力により自在に変形し、成形可能でありながら、一旦成形した後、静置した状態ではその形状を保つことができるという特異なレオロジー特性を有するもの、すなわち、塑性変形が可能である性状のことを言う。
ここで、塑性変形を行わせることができる外力としては0.01〜1.0MPaの大きさであることが好ましい。この程度の大きさの力を加えることで封止用熱硬化型樹脂シートを塑性変形させることができれば、加熱溶融前に封止物の形状に沿って封止用熱硬化型樹脂シートの変形を容易に行うことができる。また、このとき封止用熱硬化型樹脂シート10は、封止操作を行う際に加熱溶融するものであり、その溶融する温度が40〜180℃であることが好ましく、60〜150℃であることがより好ましく、80℃程度であることが特に好ましい。
このような性質を有するようにするために、例えば、封止用熱硬化型樹脂シートを形成する樹脂組成物の常温における可塑度を200〜700の範囲となるようにすることが好ましい。この可塑度が700を超えると、封止の際に電子素子と配線基板間の隙間から侵入して、電子機能部まで到達し、気密空間の維持が困難となる傾向があり、また、200未満であるとボイドの残存量が増して、樹脂と配線基板との接着不良や充填不良を起こしやすくなる傾向がある。
さらに、封止の際に温度サイクルが加わる場合、封止樹脂に起因する熱応力が大きくなり、電子素子に歪を与え、特性が劣化し、樹脂と電子素子との界面又は樹脂と配線基板との界面で、剥離や樹脂クラックが生じるなどの不具合を起こしやすくなる。
上記のような可塑度範囲とすることによって、封止時の樹脂の流れ出しを抑えることができるため、弾性表面波素子の櫛形電極等の電子素子における電子機能部を汚染することなく封止することができ、配線基板上で電子素子の機能を阻害することなく封止することが効率的にできるのである。なお、本明細書における可塑度は、JIS K 6249に準拠した方法に基づいて、平行板可塑度計により測定したものである。
なお、この樹脂組成物の可塑度は、樹脂組成物に配合されるチクソ性付与剤を添加することにより調整したり、均一な樹脂組成物を得るための混練時に、混練の時間や速度等を調節することにより適宜調整したりすることができる。
また、本発明の粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートは、シート状のものであれば、その平面形状は特に限定されるものではなく、一般的には、矩形状のシートを用いるが、電子部品を封止するのに適した形状であればこれに限られるものではない。
そして、本発明の粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートは、その厚さが対象とする電子素子の封止に用いることができるものであればよく、例えば、0.05〜1.0mmの範囲で適宜決定すればよい。このとき、使用する封止用熱硬化型樹脂シートの厚さによって、配線基板上に一枚積層してもよいし、複数枚を積層するようにしてもよい。ただし、シート厚が厚くなりすぎると熱伝導性が悪くなり、封止部材が撓む可能性が高くなるので好ましくない。このように熱硬化型樹脂で形成されたシート単独で構成された粘土状の封止用熱硬化型樹脂シート10の断面を、図1aに示した。
この図1aでは、単独の粘土状の熱硬化型樹脂シートからなる構成を示したが、本発明の粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートは、粘土状の熱硬化型樹脂シートを複数枚積層して形成してもよい。
複数枚の粘土状の熱硬化型樹脂シートを用いる場合には、全て同じ可塑度を有する粘土状の熱硬化型樹脂シートを用いてもよいが、厚さ方向に可塑度が異なる粘土状の熱硬化型樹脂シートを積層させることが好ましく、異なる可塑度の熱硬化型樹脂シートを積層する場合には、封止用熱硬化型樹脂シートの厚さ方向において可塑度が、順次、低くなるように又は高くなるように積層することが好ましい。例えば、図1bの粘土状の封止用熱硬化型樹脂シート20は、粘土状の熱硬化型樹脂シート21及び22を積層して構成されたものであり、その粘土状の熱硬化型樹脂シートの可塑度は、熱硬化型樹脂シート21よりも熱硬化型樹脂シート22の方が低い値をとるように積層されている。
また、同様に、図1cの粘土状の封止用熱硬化型樹脂シート30は、粘土状の熱硬化型樹脂シート31、32及び33を積層して構成されたものであり、その熱硬化型樹脂シートの可塑度は、粘土状の熱硬化型樹脂シート31から熱硬化型樹脂シート33へ向かって、順次、低い値をとるように積層されている。
これは4層以上の粘土状の熱硬化型樹脂シートを用いた場合にも同様に、粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートの一方の面から他方の面に向かって段階的に、可塑度が低くなるように積層して形成されることが好ましい。
なお、粘土状の熱硬化型樹脂シートを複数枚積層して粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートとする場合には、熱硬化型樹脂シート同士を熱ラミネートにより接合して一体化したり、熱硬化型樹脂シートの上に樹脂組成物を塗布して、これを繰り返して積層された粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートとしたり、金型やプレスにより熱硬化型樹脂シート同士を圧着させたりして積層させたりすればよい。また、熱硬化型樹脂シートを接着せずに単に重ね合わせただけで構成してもよい。
このとき、粘土状の熱硬化型樹脂シートを熱ラミネートで接合する際には、ラミネート条件として、0〜1.0MPaの圧力を加圧しながら、30〜130℃で加熱して行うことが好ましい。加熱加圧ロールは0.1〜2.0m/分の速度で通過させることが好ましい。
なお、このような粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートを用いて電子素子を封止する場合、封止用熱硬化型樹脂シートを加熱溶融させるときの加熱温度は、通常、40〜180℃程度であればよく、電子素子の耐熱温度以下であればよいが、電子素子を高温に晒さないように60〜150℃であることが好ましい。
次に、この封止用熱硬化型樹脂シートは、熱硬化型の樹脂組成物をシート状に形成して得られるが、ここで用いる樹脂組成物は、液状の熱硬化型樹脂と非導電性フィラーとを必須成分とし、電子部品封止のために加熱溶融できる粘土状のものであればよい。
ここで用いる熱硬化型の樹脂組成物としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂系、ビスマレイミドトリアジン変性樹脂、熱硬化型ポリフェニレンエーテル樹脂等であって液状のものをベースとする樹脂等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
中でもエポキシ樹脂をベース樹脂とすることが好ましく、エポキシ樹脂をベース樹脂としたときは、(A)エポキシ樹脂と、(B)エポキシ樹脂用硬化剤と、(C)平均粒径が0.1〜50μmである非導電性フィラー((D)成分で用いられる非導電性フィラーは除く)と、(D)チクソ性付与剤と、を配合した樹脂組成物とすることが好ましい。
ここで(A)エポキシ樹脂としては、液状のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂が好適に用いられる。このようなものとしては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混含して使用することができる。また、このグリシジルエーテル系エポキシ樹脂にはグリシジルエーテル系の変性エポキシ樹脂も含まれ、変性エポキシ樹脂としては例えばBT樹脂(ビスマレイミドトリアジン樹脂)、ウレタン変性樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、リン変性エポキシ樹脂等を使用することができる。また、このとき液状のエポキシ樹脂に固形のエポキシ樹脂を混合したものとすることもできるが、そのときは、混合後のエポキシ樹脂が液状であることが求められる。
ここで(B)エポキシ樹脂用硬化剤としては、通常、エポキシ樹脂の硬化に使用されている化合物であれば特に制限なく使用でき、例えばアミン硬化系としてジシアンジアミド、芳香族ジアミン等が挙げられ、フェノール硬化系としてフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、トリアジン変性フェノールノボラック樹脂等が挙げられ、酸無水物系としてメチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の脂環式酸無水物、無水フタル酸等の芳香族酸無水物、脂肪族二塩基酸無水物(PAPA)等の脂肪族酸無水物、クロレンド酸無水物等のハロゲン系酸無水物等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
この(B)エポキシ樹脂用硬化剤の配合量は、(A)エポキシ樹脂に対する当量比で0.5〜1.5とすることが好ましい。(B)エポキシ樹脂用硬化剤の含有量が(A)エポキシ樹脂に対する当量比で0.5未満となると硬化が不十分となり、1.5を超えると溶融粘度の上昇が早くなり、充填が不十分となってしまう。
また、この硬化剤と共に硬化促進剤を配合することが好ましく、このような硬化促進剤としては、通常、エポキシ樹脂の硬化促進剤として使用されているものであればよく、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、三フッ化ホウ素アミン錯体、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。これらの硬化促進剤は単独又は2種類以上混合して使用することができる。この硬化促進剤は、(A)エポキシ樹脂100質量部に対して、0〜5質量部とすることが好ましい。
また、ここで(C)平均粒径が0.1〜50μmである非導電性フィラーとしては、タルク、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、溶融シリカ、合成シリカ、破砕シリカ、金属水和物、酸化チタン、カーボンブラック等の樹脂組成物に配合される通常用いられている無機充填剤であれば特に限定されずに用いることができる。ただし、(D)チクソ性付与剤として非導電性フィラーが用いられている場合には、それは含まれない。
また、この(C)平均粒径が0.1〜50μmである非導電性フィラーは、熱膨張係数の調整を目的として用いることもでき、その使用量は、樹脂組成物中に0〜90質量%の割合で配合されるもので、5〜85質量%であることが好ましい。ただし、液状の樹脂組成物や硬化剤を使用した場合、シート化した際にタック性が高く、ハンドリング性も悪くなってシート化自体が困難となってしまうため、この非導電性フィラーは5質量%以上添加することが好ましい。
また、この(D)チクソ性付与剤としては、通常、樹脂組成物のチクソ性付与剤として使用されているものであればよく、例えば、アエロジル等の比表面積が100g/m2以上の無機材料、ウィスカ等の針状の無機材料、鱗片状の無機材料、チクソ性が増大する有機材料等が挙げられる。これらのチクソ性付与剤は単独又は2種以上混合して使用することができる。
また、この(D)チクソ性付与剤は、チクソ性の調整を目的として通常用いられているものであれば特に限定されずに使用することができるが、その使用量は樹脂組成物中に1〜50質量%の割合で配合されることが好ましい。ただし、液状の樹脂組成物や硬化剤を使用した場合、シート化した際にタック性が高く、ハンドリング性も悪くなり、シート化自体が困難となってしまうため、チクソ性付与剤は5質量%以上添加することが特に好ましい。
なお、ここで非導電性フィラーは、樹脂組成物中に10〜90質量%含まれるものであるが、(D)チクソ性付与剤としてアエロジル等の非導電性フィラーが用いられている場合には、(C)成分と(D)成分とを合わせて、樹脂組成物中に10〜90質量%となるものである。
さらに、この樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)エポキシ樹脂用硬化剤、(C)平均粒径0.1〜50μmである非導電性フィラー及び(D)チクソ性付与剤の成分の他に、必要に応じて、また本発明の目的に反しない限度において他の無機質又は有機質の微粉末充填材、顔料、老化防止剤、粘着付与剤としてエラストマー等を添加配合することができる。また、この樹脂組成物は、その不揮発分が99質量%以上であることが好ましい。
このような樹脂組成物の調製は、(A)エポキシ樹脂、(B)エポキシ樹脂用硬化剤、(C)平均粒径0.1〜50μmである非導電性フィラー、(D)チクソ性付与剤及び必要に応じてその他添加剤を、ニーダ等により均一に混合、攪拌する公知の調整方法により容易に行うことができる。
本発明の粘土状の封止用熱硬化型樹脂シート又はその材料となる粘土状の熱硬化型樹脂シートは、所定の厚さ、引っ張り強度を有するベースフィルム上に二軸ロールやカレンダーロール等のロール機、押出し機、プレス機等で、厚さが所望の厚さとなるように圧延、押出し、プレスさせて製造することができる。この粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートは、そのハンドリング性、加工性の観点から、常温では形状を保持することが求められる。
次に、本発明の粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートを用いて電子部品装置を製造する方法について説明する。ここでは、電子素子として表面弾性波素子を例に以下説明する。図2a〜cは、本発明の粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートを用いて表面弾性波素子を用いた電子部品装置を製造する工程を示した断面図である。
本発明の電子部品装置の製造方法においては、まず、配線基板41に弾性表面波素子42を接着、固定する工程を行う。このとき、弾性表面波素子42は外部接続用電極43を有しており、この外部接続用電極43と配線基板の表面に形成されている配線パターンとがハンダ等で接続され、回路を形成するように配線基板41上に実装される。そのとき、配線基板41の表面と弾性表面波素子42の配線基板に対向する面とは空間を形成して固定され、接触することはない(図2(a))。
このように空間を設けるのは、弾性表面波素子が素子表面に櫛形電極で形成された弾性表面波伝搬領域のような電子機能部44を有しているためであり、この電子機能部44が封止樹脂に接触したり、配線基板に接触したりすれば、その弾性表面波の伝搬に不具合が生じ、素子の機能が阻害されるためである。この弾性表面波素子と同様に電子機能部を有する素子としては、水晶振動子等の圧電素子、高周波回路を形成する回路素子、受光素子等のセンサ素子等が挙げられる。
次に、粘土状の封止用熱硬化型樹脂シート45を、配線基板41に固定した弾性表面波素子42上に積層する工程を行う。ここで用いる粘土状の封止用熱硬化型樹脂シート45は、本発明の粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートであり、その常温における可塑度が200〜700のものである。
したがって、本工程後は、配線基板41上に固定された弾性表面波素子42の上にさらに粘土状の封止用熱硬化型樹脂シート45が配置され(図2(b))、上部から観察した場合に、弾性表面波素子42が粘土状の封止用熱硬化型樹脂シート45で隠れるように配置されている。
そして、最後に、粘土状の封止用熱硬化型樹脂シート45を加熱硬化させて、配線基板と弾性表面波素子の間に気密空間を形成したまま弾性表面波素子42を封止する工程を行う。この工程は、粘土状の封止用熱硬化型樹脂シート45を加熱溶融させ、さらにそのまま加熱して硬化させることで、弾性表面波素子42を封止するもので、このとき、封止用熱硬化型樹脂は、外部接続用電極43で留まり、配線基板41と弾性表面波素子42との間に形成された空間には含浸していくことがなく、この部分に気密空間46が形成される。
この封止する工程において、加熱温度は、40〜180℃、好ましくは60〜150℃で、10〜120分間、好ましくは30〜60分間行うようにすればよい。さらに、その後、80〜180℃で30〜120分間加熱を行い、樹脂が完全に硬化するようにすることが好ましい。
この封止工程においては、封止前に積層した封止用熱硬化型樹脂シート45を常温又は加熱下、0.01〜1.0MPaの圧力で加圧しておくことが好ましく、このように圧力をかけることで封止用熱硬化型樹脂シート45が弾性表面波素子42の電子機能部44と配線基板41間に気密空間46が形成される中空樹脂封止を効率的に行うことができ、目的とする封止状態の弾性表面波素子装置47を得ることができる。なお、封止工程において加圧する前に、40〜120℃で予め封止用熱硬化型樹脂シートを加熱しておいてもよい。
また、この封止工程では、未硬化の封止用熱硬化型樹脂シート45と配線基板41とを、粘着等により一体化させるために、上記電子素子を封止する工程の前に、常圧下において、0.5MPa以下の低い圧力で熱ラミネート成形やプレス成形して、配線基板及び電子素子に封止用熱硬化型樹脂シートを仮接着する工程を行うことが好ましい。この加圧成形により、封止用熱硬化型樹脂シート45と配線基板41間に空気が閉じ込められた状態で硬化して、そこにボイドが残存するという現象を防止することができる。
このとき、ラミネート条件としては、例えば、温度範囲30〜180℃、加熱加圧ロール0.1〜5m/分の速度で通過させることにより良好な封止樹脂が得られる。本発明の封止用熱硬化型樹脂シートは、常温で粘土状であるため、常温やその付近の温度でラミネート操作を行った際にも封止物の形状に沿って容易に変形させることができ封止作業を簡便に効率よく行うことができる。
また、上記の封止用熱硬化型樹脂シートを積層する工程において用いる粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートが粘土状の熱硬化型樹脂シートを複数枚積層して形成されたものである場合には、その粘土状の熱硬化型樹脂シートの常温における可塑度は、弾性表面波素子42側から封止樹脂の表面側に向かって、順次、高い値となる順番で積層することが好ましい。
このような順番で積層すると、封止する工程において、配線基板41に近い熱硬化型樹脂シートは、比較的可塑度が低いために流れ出しにくく、弾性表面波素子42の電子機能部44側と配線基板41間に気密空間46が電子機能部44の機能を阻害しないように確実に形成され、配線基板41に遠い、封止樹脂の表面側の熱硬化型樹脂シートは、可塑度が高いために内側に比べて流れ出しやすく、弾性表面波素子42を配線基板41上に密着、封止固定するのに好ましい。
上記のような工程を経ることにより、信頼性の高い弾性表面波素子装置を製造することができる。
実際の工程においては、配線基板としてのウェハ上に複数の配線パターンが形成され、それぞれに電子素子が固定、封止されるため、樹脂封止した後、ダイシングソーによりダイシング位置で切断して樹脂パッケージ毎に切り離して一回の工程で複数個の電子部品装置が製造される。
以下に、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において、「部」とは「質量部」を意味する。
(実施例1)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート828;エポキシ当量 190) 100部、ジアミノジフェニルスルフォン(DDS) 10部、溶融シリカ(龍森株式会社製、商品名:RD−8)50部、アエロジル(日本アエロジル株式会社製、商品名:AEROSIL#200)30部を攪拌混合し、常温での可塑度が400となるように調整して樹脂組成物を得た。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート828;エポキシ当量 190) 100部、ジアミノジフェニルスルフォン(DDS) 10部、溶融シリカ(龍森株式会社製、商品名:RD−8)50部、アエロジル(日本アエロジル株式会社製、商品名:AEROSIL#200)30部を攪拌混合し、常温での可塑度が400となるように調整して樹脂組成物を得た。
この得られた熱硬化型樹脂組成物を支持体となる離形フィルムにのせ、粘土状の熱硬化型樹脂シートの厚さが500μmとなるように調整したプレス機を用いて加熱、加圧して、厚さ500μmの粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートを製造した。このときのプレス条件は40℃、10MPaであった。
この成形した粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートを配線基板上に固定された弾性表面波素子上に配置して、プレス機にて常温で0.6MPa加圧成形した後、80℃の乾燥機に投入し、60分間加熱して粘土状の熱硬化型樹脂シートを硬化させた後、150℃で4時間硬化させて弾性表面波素子を封止した電子部品装置を製造した。
(実施例2)
実施例1において、粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートの常温での可塑度が800となるようにした以外は、同様の操作を行い、厚さ250μmの粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートを製造した。
実施例1において、粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートの常温での可塑度が800となるようにした以外は、同様の操作を行い、厚さ250μmの粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートを製造した。
こうして得られた粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートと、実施例1と同様の操作により厚さのみ250μmとした粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートとを、可塑度の低いほう(実施例1で製造した粘土状の封止用熱硬化型樹脂シート)を弾性表面波素子側に配置し、プレス機で加熱、加圧して配線基盤と仮接着させた。
仮接着後、80℃の乾燥機に投入し、60分間加熱して粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートを硬化させた後、150℃で4時間硬化させて弾性表面波素子を封止した電子部品装置を製造した。
(実施例3)
実施例1において、粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートの常温での可塑度が150となるようにした以外は、同様の操作を行い、粘土状の封止用熱硬化型樹脂シート及びそれを用いて弾性表面波素子を封止した電子部品装置を製造した。
実施例1において、粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートの常温での可塑度が150となるようにした以外は、同様の操作を行い、粘土状の封止用熱硬化型樹脂シート及びそれを用いて弾性表面波素子を封止した電子部品装置を製造した。
(比較例1)
ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート1256;エポキシ当量 7800)20部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート828;エポキシ当量 190)30部、ジシアンジアミド 1.6部、2−エチル−4−メチルイミダゾール 0.1部、合成シリカ(アドマファイン株式会社製、商品名:SC 2050)40部を混合し、これを支持体となる離形フィルムに塗布、乾燥した。このとき、熱硬化型樹脂シートの厚さが50μm、150℃加熱時の溶融粘度が70Pa・sとなるように150℃で2分間程度加熱して調整した。
ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート1256;エポキシ当量 7800)20部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート828;エポキシ当量 190)30部、ジシアンジアミド 1.6部、2−エチル−4−メチルイミダゾール 0.1部、合成シリカ(アドマファイン株式会社製、商品名:SC 2050)40部を混合し、これを支持体となる離形フィルムに塗布、乾燥した。このとき、熱硬化型樹脂シートの厚さが50μm、150℃加熱時の溶融粘度が70Pa・sとなるように150℃で2分間程度加熱して調整した。
この熱硬化型樹脂シートを4枚積層して、ラミネートロールを用いて加熱、加圧して、厚さ200μmになるように封止用熱硬化型樹脂シートを製造した。このときのラミネート条件は、温度50℃、0.5MPaの圧力を加圧しながら加熱加圧ロール1.0m/分の速度であった。
この積層させた封止用熱硬化型樹脂シートを配線基板上に固定された弾性表面波素子上に配置して、150℃の乾燥器に投入し、120分間加熱して封止用熱硬化型樹脂シートを硬化させ、弾性表面波素子を封止した電子部品装置を作成した。
(比較例2)
エポキシ樹脂(住友化学株式会社製、商品名:ESX−221;エポキシ当量 220、軟化点 85℃) 70部、難燃性エポキシ樹脂として臭素化エポキシ樹脂(旭化成株式会社製、商品名:AER−745) 30部、フェノールアラルキル樹脂(三井東圧化学株式会社製、商品名:XL−225L;軟化点 84℃、水酸基当量 180) 56部、シランカップリング剤(UCC社製、商品名:A−187) 3.5部、カーボンブラック 1.5部、ヘプタデシルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、商品名:C17Z) 2部、加熱硬化タイプ付加型シリコーンゲル 14部、平均粒径 30μmのMBS粉末(日本合成ゴム株式会社製、商品名:68K4) 45部、離型剤としてエステルワックス(カルナバワックス) 2部、難燃剤として三酸化アンチモン 14部、充填剤として溶融シリカ(東芝セラミックス株式会社製、商品名:GR−80AK) 370部を用い、これらをまず万能混合機中でフェノール樹脂を軟化点以上の温度で加熱溶融し、シリコーンゲル及びMBS粉末を添加した後、攪拌・混合し、さらに3本ロールにて混練して、未硬化の樹脂組成物を得た。この封止用樹脂組成物の25℃における粘度は、50Pa・sであった。
エポキシ樹脂(住友化学株式会社製、商品名:ESX−221;エポキシ当量 220、軟化点 85℃) 70部、難燃性エポキシ樹脂として臭素化エポキシ樹脂(旭化成株式会社製、商品名:AER−745) 30部、フェノールアラルキル樹脂(三井東圧化学株式会社製、商品名:XL−225L;軟化点 84℃、水酸基当量 180) 56部、シランカップリング剤(UCC社製、商品名:A−187) 3.5部、カーボンブラック 1.5部、ヘプタデシルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、商品名:C17Z) 2部、加熱硬化タイプ付加型シリコーンゲル 14部、平均粒径 30μmのMBS粉末(日本合成ゴム株式会社製、商品名:68K4) 45部、離型剤としてエステルワックス(カルナバワックス) 2部、難燃剤として三酸化アンチモン 14部、充填剤として溶融シリカ(東芝セラミックス株式会社製、商品名:GR−80AK) 370部を用い、これらをまず万能混合機中でフェノール樹脂を軟化点以上の温度で加熱溶融し、シリコーンゲル及びMBS粉末を添加した後、攪拌・混合し、さらに3本ロールにて混練して、未硬化の樹脂組成物を得た。この封止用樹脂組成物の25℃における粘度は、50Pa・sであった。
次に、この封止用樹脂組成物を用い、スクリーン印刷塗布法にて、配線基板上に0.3mm厚さの封止層を形成し、150℃、30分間加熱硬化させ弾性表面波素子を封止した電子部品装置を作成した。
(比較例3)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート1001;エポキシ当量 475)20部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート828;エポキシ当量 190)30部、ジシアンジアミド 1.6部、2−エチル−4−メチルイミダゾール 0.1部、合成シリカ(アドマファイン株式会社製、商品名:SC 2050)40部を混合し、これを支持体となる離型フィルムに塗布、乾燥した。このとき、熱硬化型樹脂シートの厚さが50μmとなるように150℃で加熱して調整した。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート1001;エポキシ当量 475)20部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート828;エポキシ当量 190)30部、ジシアンジアミド 1.6部、2−エチル−4−メチルイミダゾール 0.1部、合成シリカ(アドマファイン株式会社製、商品名:SC 2050)40部を混合し、これを支持体となる離型フィルムに塗布、乾燥した。このとき、熱硬化型樹脂シートの厚さが50μmとなるように150℃で加熱して調整した。
この熱硬化型樹脂シート4枚を、ラミネートロールで加熱、加圧して厚さが200μmとなるように積層し、封止用熱硬化型樹脂シートを製造した。このときのラミネート条件は、温度40℃、1.0MPaの圧力、加熱加圧ロール1.0m/分の速度であった。
この積層させた封止用熱硬化型樹脂シートを配線基板に固定された弾性表面波素子上に配置して、150℃の乾燥器に投入し、120分間加熱して封止用熱硬化型樹脂シートを硬化させ、弾性表面波素子を封止した電子部品装置を作成した。
(試験例)
実施例1〜3、比較例1〜3で得られた封止用熱硬化型樹脂シートの弾性表面波素子装置の素子と配線基板との間の充填性やエッジ部の露出の有無、気密空間の空隙形状保持性、気密空間の気密性の保持について試験し、その結果を表1に示した。
実施例1〜3、比較例1〜3で得られた封止用熱硬化型樹脂シートの弾性表面波素子装置の素子と配線基板との間の充填性やエッジ部の露出の有無、気密空間の空隙形状保持性、気密空間の気密性の保持について試験し、その結果を表1に示した。
*1 充填性:電子部品装置の封止樹脂の研磨面について目視によりボイドの有無を判定した。
○=ボイドなし、△=微小ボイドあり、×=ボイドあり
*2 エッジ部分露出:電子部品装置の封止用樹脂のエッジ部分の露出の有無を目視により判定した。
○=露出なし、×=露出あり
*3 空隙形状保持:電子部品装置の空隙部を露出させた研磨面について目視により空隙形状の保持状態を確認した。
◎=樹脂浸入全くなし、○=樹脂浸入少しあり、△=樹脂の浸入かなりあり、×=埋没
*4 気密性・密着性:バブリング試験により確認した。バブリング試験は、300℃に加熱したオイル中に粘土状の熱硬化型樹脂シートで封止した弾性表面波素子装置を投入し、気泡が発生するかを目視にて確認した。
○=空隙気密・密着性あり、×=空隙気密・密着性なし、−:評価不能
○=ボイドなし、△=微小ボイドあり、×=ボイドあり
*2 エッジ部分露出:電子部品装置の封止用樹脂のエッジ部分の露出の有無を目視により判定した。
○=露出なし、×=露出あり
*3 空隙形状保持:電子部品装置の空隙部を露出させた研磨面について目視により空隙形状の保持状態を確認した。
◎=樹脂浸入全くなし、○=樹脂浸入少しあり、△=樹脂の浸入かなりあり、×=埋没
*4 気密性・密着性:バブリング試験により確認した。バブリング試験は、300℃に加熱したオイル中に粘土状の熱硬化型樹脂シートで封止した弾性表面波素子装置を投入し、気泡が発生するかを目視にて確認した。
○=空隙気密・密着性あり、×=空隙気密・密着性なし、−:評価不能
実施例のすべてにおいて、シートの封止時の充填性が良好で、封止後の空隙について形状保持、気密性も良好であり、弾性表面波素子の機能を阻害することなく封止できたことがわかった。
10…粘土状の封止用熱硬化型樹脂シート、20…粘土状の封止用熱硬化型樹脂シート、21,22…粘土状の熱硬化型樹脂シート、30…粘土状の封止用熱硬化型樹脂シート、31,32,33…粘土状の熱硬化型樹脂シート、41…配線基板、42…弾性表面波素子、43…外部接続用電極、44…電子機能部、45…粘土状の封止用熱硬化型樹脂シート、46…気密空間、47…電子部品装置
Claims (11)
- 液状の熱硬化型樹脂と非導電性フィラーを必須成分とする樹脂組成物から形成される封止用熱硬化型樹脂シートであって、
前記樹脂組成物が、前記非導電性フィラーを10〜90質量%含み、
前記封止用熱硬化型樹脂シートが、常温で外力により塑性変形することを特徴とする粘土状の封止用熱硬化型樹脂シート。 - 前記外力が0.01〜1.0MPaであることを特徴とする請求項1記載の粘土状の封止用熱硬化型樹脂シート。
- 前記樹脂組成物が、(A)エポキシ樹脂と、(B)エポキシ樹脂用硬化剤と、(C)平均粒径が0.1〜50μmである非導電性フィラー((D)成分で用いられる非導電性フィラーは除く)と、(D)チクソ性付与剤と、を必須成分とするものであって、かつ、前記樹脂組成物の不揮発分が99質量%以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の粘土状の封止用熱硬化型樹脂シート。
- 前記樹脂組成物の可塑度が、常温で200〜700であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の粘土状の封止用熱硬化型樹脂シート。
- 前記粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートが、それぞれ用いる樹脂組成物の可塑度が異なる複数枚の熱硬化型樹脂シートを積層して形成されたものであって、一方の面から他方の面に向かって可塑度が順次低くなるように積層されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の粘土状の封止用熱硬化型樹脂シート。
- 配線基板と、該配線基板に固定された電子素子と、前記電子素子を封止用熱硬化型樹脂シートを用いて封止した電子部品装置であって、
前記封止用熱硬化型樹脂シートとして請求項1乃至5のいずれか1項記載の粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートを用いるものであって、前記配線基板と前記電子素子との間に気密空間が形成されていることを特徴とする電子部品装置。 - 前記粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートが、可塑度の異なる複数枚の粘土状の熱硬化型樹脂シートを積層して形成されたものであって、前記電子部品側から封止樹脂の表面側に向かって順次可塑度が高くなるように積層して形成されたものであることを特徴とする請求項6記載の電子部品装置。
- 前記電子素子が、前記配線基板と対抗する素子表面に電子機能部を有することを特徴とする請求項6又は7記載の電子部品装置。
- 前記電子素子が、弾性表面波素子であることを特徴とする請求項8記載の電子部品装置。
- 配線基板に電子素子を固定する工程と、
前記配線基板に固定された電子素子に、請求項1乃至5のいずれか1項記載の粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートを積層する工程と、
前記粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートを加熱硬化して、前記配線基板と前記電子素子との間に気密空間を形成したまま電子素子を封止する工程と、
を有することを特徴とする電子部品装置の製造方法。 - 前記電子素子を封止する工程において、常温下で、0.01〜1.0MPaの圧力を加圧した後、前記粘土状の封止用熱硬化型樹脂シートを封止することを特徴とする請求項11記載の電子部品装置の製造方法。
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JP2012119599A (ja) * | 2010-12-03 | 2012-06-21 | Shin Etsu Chem Co Ltd | ウエハモールド材及び半導体装置の製造方法 |
JP2018006482A (ja) * | 2016-06-29 | 2018-01-11 | 株式会社村田製作所 | 電子部品装置、回路基板への電子部品装置の実装方法、および、回路基板への電子部品装置の実装構造 |
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2007
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