JPH10289969A - 半導体装置およびそれに用いる封止用樹脂シート - Google Patents

半導体装置およびそれに用いる封止用樹脂シート

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JPH10289969A
JPH10289969A JP9098752A JP9875297A JPH10289969A JP H10289969 A JPH10289969 A JP H10289969A JP 9098752 A JP9098752 A JP 9098752A JP 9875297 A JP9875297 A JP 9875297A JP H10289969 A JPH10289969 A JP H10289969A
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誠 桑村
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達志 伊藤
Masanori Mizutani
昌紀 水谷
Koji Noro
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Abstract

(57)【要約】 【課題】半導体素子と配線回路基板間の良好な導通特性
を維持され信頼性の高い半導体装置を提供する。 【解決手段】配線回路基板1上に、複数の接続用電極部
2および接続用パッド5を介して半導体素子3が搭載さ
れ、上記配線回路基板1と半導体素子3との間の空隙
に、封止樹脂層4が形成されている。そして、上記封止
樹脂層4は、接続用電極部2形成面と反対側の面および
その近傍が、無機質充填剤を含有しない状態、すなわ
ち、無機質充填剤を含有しない封止樹脂層4aに形成さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子をフェ
ースダウン構造でマザーボード、あるいはドーターボー
ド等の配線回路基板上に実装する方式による半導体装置
の製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の半導体デバイスの性能向上に伴う
要求として、半導体素子をフェースダウン構造で、配線
回路が形成されたマザーボード、あるいはドーターボー
ド等の配線回路基板に実装される方法(フリップチップ
方式、ダイレクトチップアタッチ方式等)が軽薄短小に
よる高密度実装とともに電気特性面からも注目されてい
る。これは、従来から用いられている方式、例えば、半
導体素子から金ワイヤーでリードフレーム上にコンタク
トをとりパッケージングされた形態でマザーボード、あ
るいはドーターボード等の配線回路基板に実装する方法
では、配線による情報伝達の遅れ、クロストークによる
情報伝達エラー等が生ずるという問題が発生しているこ
とに起因する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、上記フリップチ
ップ方式、ダイレクトチップアタッチ方式においては、
互いの線膨脹係数が異なる半導体素子と上記配線回路基
板をダイレクトに電気接続を行うことから、接続部分の
信頼性が問題となっている。この対策としては、半導体
素子と上記配線回路基板との空隙に液状樹脂材料を注入
し硬化させて樹脂硬化体を形成し、電気接続部に集中す
る応力を上記樹脂硬化体にも分散させることにより接続
信頼性を向上させる方法が採られている。しかしなが
ら、上記液状樹脂材料は、超低温(−40℃)での保管
が必要であることに加えて、上記半導体素子と配線回路
基板との空隙への注入においては注射器で行う必要があ
り、注入ポジション、注入量コントロールが困難である
等の問題を抱えている。
【0004】また、上記液状樹脂材料では、耐湿信頼性
に優れたエポキシ樹脂およびフェノール樹脂の硬化系材
料を選択する際には希釈剤を用いて使用しなければなら
ず、このように希釈剤を用いると、樹脂硬化体と半導体
素子との界面にボイドが発生するという問題が生じ、耐
湿信頼性の向上とボイドの発生の抑制という両者の両立
が困難な状況であった。
【0005】このような点を解決するために、本出願人
は、半導体素子と配線回路基板との間の空隙を樹脂封止
する際に、封止用樹脂シートを用いた封止方法をすでに
提案している。すなわち、この方法は、配線回路基板上
に接続用電極部を介して封止用樹脂シートを搭載し、さ
らにこの封止用樹脂シート上に半導体素子を搭載した
後、上記封止用樹脂シートを加熱溶融させて封止樹脂層
を形成するとともに、上記接続用電極部を加圧して配線
回路基板と半導体素子とを圧着接合するというものであ
る。しかしながら、このようにして製造された半導体装
置では、配線回路基板と半導体素子の導通特性が低下す
るという問題が新たに生じた。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、半導体素子と配線回路基板間の良好な導通特性
を維持することのできる半導体装置、および、そのよう
な導電特性に優れた封止樹脂層を形成することのできる
封止用樹脂シートの提供をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、配線回路基板上に、複数の接続用電極部
を介して半導体素子が搭載され、上記配線回路基板と半
導体素子との間の空隙が、下記の封止樹脂層(X)によ
って封止されてなる半導体装置を第1の要旨とする。 (X)封止樹脂層の、少なくとも接続用電極部形成面と
反対側の面、および、その近傍が、無機質充填剤を含有
しない状態に形成された封止用樹脂層。
【0008】また、上記半導体装置の封止樹脂層を形成
する際に用いられる封止用樹脂シートであって、下記の
特徴(Y)を備えた封止用樹脂シートを第2の要旨とす
る。 (Y)封止用樹脂シートの少なくとも片面が、その表面
から少なくとも5μmの深さまで、無機質充填剤を含有
しない層に形成されている。
【0009】すなわち、本発明者らは、半導体素子と配
線回路基板との間の空隙を樹脂封止した際に生じる配線
回路基板と半導体素子の導通特性の低下原因を突き止め
るべく研究を重ねた。そして、半導体素子と配線回路基
板との間の空隙を樹脂する際に用いる封止用樹脂シート
には無機質充填剤が分散されており、接続用電極部を介
してこのシートを配線回路基板上に搭載し、さらにこの
シート上に半導体素子を搭載して、シートを加熱溶融さ
せるとともに、上記接続用電極部を加圧して配線回路基
板と半導体素子とを圧着接合すると、上記接続用電極部
表面に、封止用樹脂シート中に含有されている無機質充
填剤が残存し、これが上記配線回路基板と半導体素子の
導通特性を低下させていることを突き止めた。この知見
にもとづき、上記無機質充填剤の存在による導通特性の
低下を防止すべく、さらに研究を重ねた。その結果、シ
ートの少なくとも片面が、その表面から少なくとも5μ
mの深さまで、無機質充填剤を含有しない層に形成され
た封止用樹脂シートを用い、これを、少なくとも接続用
電極部形成面と反対側の面に無機質充填剤を含有しない
層が位置するよう封止用樹脂シートを位置決めして半導
体素子と配線回路基板との間の空隙を樹脂封止するとい
う着想に到達した。この結果、形成される封止樹脂層
は、少なくとも接続用電極部形成面と反対側の面が、そ
の表面から少なくとも5μmの深さまで、無機質充填剤
を含有しない層に形成されるため、加圧された接続用電
極部表面に無機質充填剤が残存せず、配線回路基板と半
導体素子とが密接に接合されることを見出し本発明に到
達した。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0011】本発明の半導体装置は、図1に示すよう
に、配線回路基板1の片面に、複数の接続用電極部2お
よび接続用パッド5を介して半導体素子3が搭載された
フェイスダウン構造をとる。そして、上記配線回路基板
1と半導体素子3との間に封止樹脂層4が形成されてい
る。
【0012】そして、上記封止樹脂層4では、この封止
樹脂層4の接続用電極部2形成面と反対側の面およびそ
の近傍が、半導体素子3側が、無機質充填剤を含有しな
い状態、すなわち、無機質充填剤を含有しない封止樹脂
層(ノンフィラー封止樹脂層)4aに形成されている。
一方、接続用電極部2形成面側は、無機質充填剤が分散
された状態、すなわち、無機質充填剤を含有する封止樹
脂層4bが形成されている。なお、本発明において、上
記封止樹脂層4の接続用電極部2形成面と反対側の面お
よびその近傍、すなわち、無機質充填剤を含有しない封
止樹脂層(ノンフィラー封止樹脂層)4aの厚み(表面
からの深さ)は、具体的には、5〜50μmの範囲とな
る。
【0013】また、上記配線回路基板1と半導体素子3
とを電気的に接続する上記複数の接続用電極部2および
接続用パッド5の位置関係は、図1に示す位置関係に限
定されるものではなく、例えば、接続用パッド5が配線
回路基板1面に配設され、接続用電極部2が半導体素子
3面に配設されていてもよい。この場合は、上記封止樹
脂層4の、無機質充填剤を含有しない封止樹脂層(ノン
フィラー封止樹脂層)4aは、配線回路基板1側に位置
する。
【0014】なお、上記図1に示す半導体装置におい
て、封止樹脂層4は、封止樹脂層4の片面のみに、無機
質充填剤を含有しない封止樹脂層(ノンフィラー封止樹
脂層)4aが形成された2層構造(無機質充填剤含有層
+ノンフィラー封止樹脂層)からなる形態であるが、上
記形態に限定するものではなく、無機質充填剤を含有し
ない封止樹脂層(ノンフィラー封止樹脂層)4aが、封
止樹脂層4の両面の双方に形成された3層構造(ノンフ
ィラー封止樹脂層+無機質充填剤含有層+ノンフィラー
封止樹脂層)からなる形態であってもよい。この場合、
無機質充填剤を含有しない封止樹脂層(ノンフィラー封
止樹脂層)4aのそれぞれの厚み(深さ)は、上記と同
様、具体的には、5〜30μmの範囲となる。
【0015】上記複数の接続用電極部(ジョイントボー
ル)2の材質としては、特に限定するものではないが、
例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロ
ム、錫、鉛、インジウム、半田およびこれらの合金があ
げられる。また、上記接続用電極部2の形状としては、
特に限定されるものではないが、配線回路基板1、半導
体素子3の双方の電極間の封止樹脂を押し出す効果の高
いものが望ましく、表面に凹部の少ないものが好まし
い。そして、具体的に上記接続用電極部(ジョイントボ
ール)2の形状としては、略球状、断面楕円状、あるい
は、円錐状、角錐状等の種々の形状があげられる。
【0016】そして、上記接続用パッド5の材質も、上
記接続用電極部(ジョイントボール)2の材質と同様の
ものがあげられる。
【0017】また、上記配線回路基板1の材質として
は、特に限定するものではないが、大別してセラミック
基板、プラスチック基板があり、上記プラスチック基板
としては、例えば、エポキシガラス基板、ビスマレイミ
ドトリアジン基板、ポリフェニレンエーテル基板等があ
げられる。
【0018】つぎに、本発明の半導体装置における封止
樹脂層4の形成材料について説明する。
【0019】本発明において、上記封止樹脂層4形成材
料としては、下記の特徴(Y)を備えた封止用樹脂シー
トが用いられる。 (Y)封止用樹脂シートの少なくとも片面が、その表面
から少なくとも5μmの深さまで、無機質充填剤を含有
しない層に形成されている。
【0020】このような特徴(Y)を備えた封止用樹脂
シートのうち、無機質充填剤を含有する層部分の形成材
料としては、特に限定するものではないが、例えば、常
温で固体の性状を有するものであればよく、例えば、固
体状のエポキシ樹脂組成物が用いられる。
【0021】上記エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂
(a成分)と、硬化剤(b成分)と、無機質充填剤(c
成分)とを用いて得られるものであり、常温で固体を示
す。なお、本発明において、上記常温とは、具体的に、
20〜50℃の範囲をいう。
【0022】上記エポキシ樹脂(a成分)としては、常
温で固体であれば特に限定するものではなく従来公知の
もの、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポ
キシ樹脂があげられ、単独でもしくは2種以上併せて用
いることができる。なかでも、溶融時に濡れ性が良好な
低粘度のものを用いることが好ましい。特に好ましく
は、濡れ性が良くなるという観点から、具体的に、下記
の一般式(1)で表される構造のビフェニル型エポキシ
樹脂があげられる。そして、ビフェニル型エポキシ樹脂
とともに、上記他のエポキシ樹脂を併用する場合には、
上記ビフェニル型エポキシ樹脂の配合量を、エポキシ樹
脂成分全体の20重量%(以下「%」と略す)以上とな
るように設定することが好ましく、なかでも、50%以
上となるように設定することがより好ましい。
【0023】
【化1】
【0024】上記一般式(1)中のR1 〜R4 で表され
る炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブ
チル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の直
鎖状または分岐状の低級アルキル基があげられ、特にメ
チル基が好ましく、上記R1 〜R4 は互いに同一であっ
ても異なっていてもよい。なかでも、上記R1 〜R4
全てメチル基である下記の式(2)で表される構造のビ
フェニル型エポキシ樹脂を用いることが特に好適であ
る。
【0025】
【化2】
【0026】上記一般式(1)で表されるビフェニル型
エポキシ樹脂としては、エポキシ当量が177〜240
g/eqで、軟化点が80〜130℃のものを用いるこ
とが好ましく、なかでも、エポキシ当量が177〜22
0g/eqで、軟化点が80〜120℃のものを用いる
ことが特に好ましい。
【0027】エポキシ樹脂(a成分)として上記ビフェ
ニル型エポキシ樹脂を使用した場合の本発明の封止樹脂
層4において、無機質充填剤を含有する層部分の形成材
料であるエポキシ樹脂組成物の全有機成分中における上
記ビフェニル型エポキシ樹脂の配合割合は、特に10〜
96重量%(以下「%」と略す)の範囲が好ましく、な
かでも20〜94%の範囲が好適である。すなわち、上
記ビフェニル型エポキシ樹脂(a成分)の配合割合が1
0%未満であれば、半導体素子の封止用途において、撥
水性および低吸湿性が発揮され難く、逆に、96%を超
えると、封止材料であるシート自身が脆くなり、取り扱
いが容易でなくなる傾向がみられるからである。
【0028】上記エポキシ樹脂(a成分)とともに用い
られる硬化剤(b成分)は、エポキシ樹脂成分に対して
硬化作用を奏するものであれば特に限定するものではな
く通常用いられている各種硬化剤、例えば、フェノール
樹脂、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物、
アミン化合物等があげられ、信頼性の点から、特にフェ
ノール樹脂が好適に用いられる。なかでも、接着力、吸
湿性等の点から、ノボラック型フェノール樹脂を用いる
ことがより好ましい。そして、より一層良好な接着力、
吸湿性等の点から、特に下記の一般式(3)で表される
フェノール樹脂を用いることが好適である。
【0029】
【化3】
【0030】上記一般式(3)中の繰り返し数mは、0
または正の整数を示すが、特にmは0〜10の整数であ
ることが好ましく、なかでもmは0〜8の整数であるこ
とがより好適である。
【0031】上記一般式(3)で表されるフェノール樹
脂は、例えば、アラルキルエーテルとフェノールとを、
フリーデルクラフツ触媒で反応させることにより得られ
る。
【0032】上記フェノール樹脂としては、特に、水酸
基当量が147〜250g/eq、軟化点が60〜12
0℃のものが好ましく、なかでも、水酸基当量が147
〜220g/eq、軟化点が60〜110℃のものが好
適である。
【0033】上記フェノール樹脂のエポキシ樹脂(a成
分)に対する配合割合は、エポキシ樹脂(A成分)中の
エポキシ基1当量当たり、上記フェノール樹脂中の水酸
基が0.7〜1.3当量となるように配合することが好
適であり、なかでも0.9〜1.1当量となるように配
合することがより好適である。
【0034】上記エポキシ樹脂(a成分)および硬化剤
(b成分)とともに用いられる無機質充填剤(c成分)
としては、特に限定するものではなく従来公知のものが
用いられ、例えば、球状あるいは破砕状シリカ粉末、炭
酸カルシウム、チタン白、アルミナ、窒化珪素等があげ
られる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いら
れる。なかでも、球状シリカ粉末が好ましく用いられ
る。また、このような無機質充填剤としては、最大粒径
100μm以下のものを用いることが好ましい。特に好
ましくは最大粒径50μm以下である。すなわち、最大
粒径が100μmを超えると、配線回路基板と半導体素
子間(封止用樹脂層を用いて樹脂封止される空隙)の充
填が不可能になる場合があるからである。また、上記最
大粒径とともに、平均粒径が1〜20μmのものを用い
ることが好ましく、特に好ましくは2〜10μmであ
る。したがって、このような観点から、上記無機質充填
剤の最大粒径は、配線回路基板と半導体素子間(樹脂封
止される空隙)の距離の1/2以下に設定することが好
ましい。より好ましくは1/10〜1/3である。すな
わち、最大粒径を1/2以下に設定することにより、上
記配線回路基板と半導体素子間への溶融した封止用樹脂
層の充填が、ボイド等が生じず良好になされるようにな
るからである。
【0035】上記無機質充填剤(c成分)の含有割合
は、無機質充填剤を含有する層部分の形成材料であるエ
ポキシ樹脂組成物全体の90重量%(以下「%」と略
す)以下に設定することが好ましく、より好ましくは2
0〜90%であり、特に好ましくは55〜75%であ
る。すなわち、無機質充填剤(c成分)の含有量が少な
過ぎると、樹脂硬化物の特性である線膨張係数が大きく
なり、このため、半導体素子と上記線膨張係数との差が
大きくなって、樹脂硬化物や半導体素子にクラック等の
欠陥を発生させるおそれがある。また、多過ぎると、エ
ポキシ樹脂組成物の溶融粘度が高くなることから充填性
が低下するからである。
【0036】上記エポキシ樹脂組成物には、上記エポキ
シ樹脂(a成分)、硬化剤(b成分)および無機質充填
剤(c成分)以外に、さらに硬化促進剤を配合すること
もできる。このような硬化促進剤としては、従来からエ
ポキシ樹脂の硬化促進剤として知られている種々の硬化
促進剤が使用可能であり、例えば、アミン系、リン系、
ホウ素系、リン−ホウ素系等の硬化促進剤があげられ
る。なかでも、トリフェニルホスフィン、ジアザビシク
ロウンデセン、テトラフェニルホスフェート、テトラフ
ェニルボレートの混合物等が好適である。これらは単独
でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0037】さらに、上記a〜c成分、硬化促進剤とと
もに、必要に応じて他の添加剤を適宜配合することもで
きる。
【0038】上記他の添加剤としては、低応力化剤、難
燃剤、難燃助剤、離型剤、カップリング剤、顔料、染料
等があげられる。
【0039】上記低応力化剤としては、シリコーン化合
物、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等のゴム粒子、
難燃剤としては、ブロム化エポキシ樹脂等が、難燃助剤
としては、三酸化二アンチモン等が、離型剤としては、
カルナバ、ポリエチレン系ワックス等が、カップリング
剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン等のシラン系カップリング剤等があげられる。
【0040】本発明の封止用樹脂シートは、例えば、つ
ぎのようにして製造することができる。すなわち、上記
エポキシ樹脂(a成分)、硬化剤(b成分)ならびに無
機質充填剤(c成分)の各成分を所定量配合し、これに
必要に応じて各種成分、例えば、硬化促進剤、他の各種
添加剤を所定量配合し溶融混練して均一系とした後、パ
レット上に受入れし、冷却後プレス圧延して所望の厚み
にシート化する(無機質充填剤含有層の作製)。
【0041】上記溶融混合物の調製およびシート化につ
いては特に上記方法に限定するものではなく、例えば、
上記混合物の調製においては2軸および3軸ロール等を
用いることができる。また、シート化においても、ロー
ル圧延によるシート化あるいは各種溶媒と混合したもの
を塗工することによりシートを得る方法を採用すること
もできる。
【0042】一方、無機質充填剤を含有しない層(ノン
フィラー層)となるシートを作製する。これは、上記と
同様、エポキシ樹脂(a成分)および硬化剤(b成分)
の各成分を所定量配合し、これに必要に応じて各種成
分、例えば、硬化促進剤、他の各種添加剤を所定量配合
し溶融混練して均一系とした後、パレット上に受入れ
し、冷却後プレス圧延して所望の厚みにシート化する
(無機質充填剤を含有しない層の作製)。
【0043】上記溶融混合物の調製およびシート化につ
いても特に上記方法に限定するものではなく、無機質充
填剤含有層の作製と同様、他の方法を適宜に採用するこ
とができる。
【0044】そして、本発明の封止用樹脂シートは、上
記無機質充填剤含有シートと、無機質充填剤を含有しな
いシートとを貼り合わせることにより得られる。例え
ば、2層構造からなる封止用樹脂シートは、上記無機質
充填剤含有シートと、無機質充填剤を含有しないシート
の2枚のシートを貼り合わせることにより得られる。ま
た、3層構造からなる封止用樹脂シートは、上記無機質
充填剤含有シートの両面に、それぞれ無機質充填剤を含
有しないシートを貼り合わせることにより得られる。こ
のようにして得られる封止用樹脂シートのうち、無機質
充填剤を含有しない層の厚み、すなわち、表面からの深
さは少なくとも5μmに設定されなければならない。特
に好ましくは10〜30μmである。この無機質充填剤
を含有しない層、その表面からの深さが5μm未満のよ
うに浅いと、結果的に、無機質充填剤が、例えば、半田
等の接合部界面に存在するようになり、導通特性が低下
するためである。
【0045】上記封止用樹脂シート全体の厚みおよび重
量は、搭載される半導体素子の大きさおよび接続用電極
部の大きさ、すなわち、半導体素子と配線回路基板との
空隙を充填し樹脂封止することにより形成される封止樹
脂層の占める容積により適宜に設定される。具体的に
は、シート全体の厚みは、10〜150μmに設定され
る。また、無機質充填剤含有層の厚みは、上記厚みのう
ちの5〜50μmを占めるように設定する。
【0046】なお、上記封止用樹脂シートにおいて、2
層構造のシートの作製方法としては、上記無機質充填剤
含有シートと無機質充填剤を含有しないシートの2枚の
シートを貼り合わせて作製する方法以外に、無機質充填
剤が配合されたエポキシ樹脂組成物を用いこれをシート
化する際に無機質充填剤の沈降を利用して層分離させる
ことにより2層構造のシートとする方法があげられる。
【0047】本発明の半導体装置は、先に述べたよう
に、配線回路基板上に、複数の接続用電極部を介して半
導体素子が搭載され、上記配線回路基板と半導体素子と
の間の空隙が、特定の封止樹脂層(X)によって封止さ
れており、この封止樹脂層(X)が形成されていること
が特徴である。このような半導体装置は、例えば、上記
封止用樹脂シートを用い、つぎのようにして製造され
る。
【0048】まず、図2に示すように、複数の球状の接
続用電極部(ジョイントボール)2が設けられた配線回
路基板1上に、上記接続用電極部2を介して固形の2層
構造の封止用樹脂シート10を載置する。このとき、無
機質充填剤を含有する層10bが接続用電極部2と接
し、接続用電極部2形成面と反対側の面に、無機質充填
剤を含有しない層(ノンフィラー層)10aが位置する
よう封止用樹脂シート10を載置する。ついで、図3に
示すように、上記封止用樹脂シート10上の所定位置
に、半導体素子3面に設けられた接続用パッド5を介し
て半導体素子3を載置し仮接着した後、加熱および加圧
によって、上記封止用樹脂シート10を溶融状態とし、
上記半導体素子3と上記配線回路基板1との間の空隙内
に上記溶融状態の樹脂を充填し硬化させて上記空隙を樹
脂封止して封止樹脂層を形成するとともに、上記接続用
電極部2と接続用パッド5の電気接続を行うことによ
り、配線回路基板1と半導体素子3の電気的接続および
固着を完了する。このようにして、図1に示す半導体装
置を製造する。
【0049】なお、上記半導体装置の製法では、複数の
球状の接続用電極部(ジョイントボール)2が設けられ
た配線回路基板1を用いた場合について述べたが、これ
に限定するものではなく、予め半導体素子3の片面(接
続面側)に上記複数の球状の接続用電極部(ジョイント
ボール)2が配設され、配線回路基板1の片面(接続面
側)に接続用パッド5が設けられたものを用いてもよ
い。この場合(予め半導体素子3面に接続用電極部2が
配設されたものを使用)は、図4に示すように、配線回
路基板1の接続用パッド5形成面に固形の封止用樹脂シ
ート10を載置して、その上に、配線回路基板1と接続
用電極部2配設面とが対峙するよう接続用電極部2が設
けられた半導体素子3を載置する。この場合、封止用樹
脂シート10は、無機質充填剤を含有する層10bが半
導体素子3の接続用電極部2と接し、接続用電極部2形
成面と反対側の面に、無機質充填剤を含有しない層(ノ
ンフィラー層)10aが位置するよう封止用樹脂シート
10を載置する。後の工程は、上記と同様である。
【0050】上記封止用樹脂シート10としては、配線
回路基板1に封止用樹脂シート10を仮接着する場合に
は、タック性を備えたシート状のエポキシ樹脂組成物と
することが好ましい。そして、上記封止用樹脂シート1
0の大きさとしては、上記搭載される半導体素子3の大
きさ(面積)により適宜に設定され、通常、半導体素子
3の大きさ(面積)より少し小さくなるように設定する
ことが好ましい。
【0051】また、上記半導体装置の製造方法におい
て、上記封止用樹脂シート10を加熱溶融して溶融状態
とする際の加熱温度としては、半導体素子3および配線
回路基板1の耐熱性および接続用電極部2および接続用
パッド5の各融点、さらに封止用樹脂シート10の軟化
点、耐熱性等を考慮して適宜に設定される。具体的に
は、70〜300℃の範囲に設定することが好ましく、
特に好ましくは120〜200℃である。そして、加熱
方法としては、赤外線リフロー炉、乾燥機、温風機、熱
板等があげられる。
【0052】さらに、上記溶融状態とした封止用樹脂を
上記半導体素子3と上記配線回路基板1との間の空隙内
に充填する際には、加熱とともに上記のように加圧する
ことが好ましく、その加圧条件としては、接続用電極部
2および接続用パッド5の材質と個数等や、温度によっ
て適宜に設定されるが、具体的には0.01〜0.5k
gf/個の範囲に設定され、好ましくは0.02〜0.
3kgf/個の範囲に設定される。
【0053】上記製造方法に従って製造される半導体装
置の一例としては、前述の図1に示すように、形成され
た封止樹脂層4が、搭載された半導体素子3の周囲から
はみ出さないよう形成されたタイプがあげられるが、半
導体装置の用途等によっては、図5に示すように、形成
された封止樹脂層4′が、搭載された半導体素子3の周
囲からはみ出すよう形成されたタイプであってもよい。
図5において、4a′は先に述べた半導体装置(図1参
照)と同様、無機質充填剤を含有しない封止樹脂層(ノ
ンフィラー封止樹脂層)であり、4b′は無機質充填剤
を含有する封止樹脂層である。
【0054】そして、上記のようにして製造された半導
体装置において、半導体素子3の大きさは、通常、幅2
〜20mm×長さ2〜30mm×厚み0.1〜0.6m
mに設定される。また、半導体素子3を搭載する配線回
路が形成された配線回路基板1の大きさは、通常、幅1
0〜70mm×長さ10〜70mm×厚み0.05〜
3.0mmに設定される。そして、溶融した封止用樹脂
が充填される、半導体素子3と配線回路基板1の空隙の
両者間の距離は、通常、5〜100μmである。特に、
本発明に用いられる封止用樹脂の特性等を考慮すると、
上記両者間の距離は、10〜70μmに設定することが
好ましい。
【0055】上記封止用樹脂シートを用いて封止するこ
とにより形成された封止樹脂層4、自身の特性として
は、各使用温度での溶融粘度が1000poise以
下、ゲルタイムは150℃で0.5〜30分、その硬化
物としては、線膨張係数が7〜50ppmであることが
好ましい。より好ましくは溶融粘度が500poise
以下、ゲルタイムが150℃で1.0〜15分、線膨張
係数が12〜40ppmである。すなわち、溶融粘度が
上記範囲内に設定されることにより、充填性が良好とな
る。また、ゲルタイムが上記範囲内に設定されることに
より、成形作業性、特に硬化時間の短縮が可能となる。
さらに、線膨張係数が上記範囲内に設定されることによ
り樹脂硬化体や半導体素子にクラック等の応力の欠陥防
止が可能となる。なお、上記溶融粘度はフローテスター
粘度計により測定し、上記ゲルタイムは熱板上にて測定
した。また、線膨張係数は熱機械分析(TMA)により
測定した。
【0056】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0057】まず、実施例に先立って、下記に示す各成
分を準備した。
【0058】〔エポキシ樹脂a1〕下記の式(4)で表
される構造のビフェニル型エポキシ樹脂
【0059】
【化4】
【0060】〔エポキシ樹脂a2〕クレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂(エポキシ当量:195g/eq、融
点:60〜90℃)
【0061】〔硬化剤b1〕フェノールノボラック樹脂
(水酸基当量:105g/eq、軟化点60℃)
【0062】〔無機質充填剤c1〕球状シリカ(平均粒
径:3μm、最大粒径:18μm)
【0063】〔無機質充填剤c2〕破砕状シリカ(平均
粒径:3μm、最大粒径:18μm)
【0064】〔硬化促進剤d1〕トリフェニルホスフィ
【0065】〔硬化促進剤d2〕テトラフェニルホスフ
ェートとテトラフェニルボレートとの混合物
【0066】〔低応力化剤〕アクリロニトリル−ブタジ
エンゴム
【0067】〔難燃剤〕ブロム化エポキシフェノールノ
ボラック樹脂
【0068】〔難燃助剤〕三酸化二アンチモン
【0069】〔離型剤〕ポリエチレン系ワックス
【0070】〔カップリング剤〕γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン
【0071】
【実施例1〜10、比較例1〜4】下記の表1に示すよ
うに、タイプの異なる封止用樹脂シートを後記の方法に
従って製造した。
【0072】
【表1】
【0073】〔各封止用樹脂シートの作製〕下記の表2
〜表4に示す各成分を、同表に示す割合で配合しエポキ
シ樹脂組成物を調製した。このエポキシ樹脂組成物をト
ルエンに混合溶解し、この混合溶液を離型処理したポリ
エステルフィルム上に塗布した。つぎに、上記混合溶液
を塗布したポリエステルフィルムを120℃で乾燥さ
せ、トルエンを除去することにより、上記ポリエステル
フィルム上に目的とする厚み80μmの樹脂シート(シ
リカ粉末が分散されている)を作製した。
【0074】一方、下記の表2〜表4に示す各成分(無
機質充填剤を除く)を、同表に示す割合で配合しエポキ
シ樹脂組成物を調製した。このエポキシ樹脂組成物をト
ルエンに混合溶解し、この混合溶液を離型処理したポリ
エステルフィルム上に塗布した。つぎに、上記混合溶液
を塗布したポリエステルフィルムを120℃で乾燥さ
せ、トルエンを除去することにより、上記ポリエステル
フィルム上に目的とする樹脂シート(シリカ粉末は不
含)を作製した。
【0075】ついで、上記シリカ粉末が分散された樹脂
シートと上記シリカ粉末を含まない樹脂シートを貼り合
わせることにより2層構造の封止用樹脂シートを作製し
た(タイプA〜CおよびF)。
【0076】また、上記シリカ粉末が分散された樹脂シ
ートの両面に上記シリカ粉末を含まない2枚の樹脂シー
トを貼り合わせることにより三層構造の封止用樹脂シー
トを作製した(タイプE)。
【0077】また、下記の表3に示す各成分を、同表に
示す割合で配合しエポキシ樹脂組成物を調製した。この
エポキシ樹脂組成物をトルエンに混合溶解し、この混合
溶液を離型処理したポリエステルフィルム上に塗布し、
塗布した状態で、一日放置することにより配合されたシ
リカ粉末を沈降分離させた。つぎに、上記混合溶液を塗
布したポリエステルフィルムを120℃で乾燥させ、ト
ルエンを除去することにより、上記ポリエステルフィル
ム上に、沈降分離によりシリカ粉末が分散された層とシ
リカ粉末を含まない層の2層構造からなる厚み100μ
mの封止用樹脂シートを作製した(タイプD)。
【0078】下記の表4に示す各成分を、同表に示す割
合で配合しエポキシ樹脂組成物を調製した。このエポキ
シ樹脂組成物をトルエンに混合溶解し、この混合溶液を
離型処理したポリエステルフィルム上に塗布した。つぎ
に、上記混合溶液を塗布したポリエステルフィルムを1
20℃で乾燥させ、トルエンを除去することにより、上
記ポリエステルフィルム上に目的とする単層構造の樹脂
シート(シリカ粉末が分散)を作製した(タイプG)。
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
【0082】このようにして得られた各実施例のシート
状エポキシ樹脂組成物(封止用樹脂シート)を用い、前
述の半導体装置の製法に従って半導体装置を製造した
(先の段落番号0048に記載)。すなわち、図2に示
すように、配線回路基板1(厚み1mmのガラスエポキ
シ基板)上に設けられた球状のジョイントボール2(材
質:半田、融点:185℃、形状:直径200μm×高
さ90μm)を介して、上記配線回路基板1上に上記各
封止用樹脂シート10を載置した。この際、2層構造の
封止用樹脂シートに関しては、無機質充填剤を含有する
層10bがジョイントボール2と接し、ジョイントボー
ル2形成面と反対側の面に、無機質充填剤を含有しない
層(ノンフィラー層)10aが位置するよう封止用樹脂
シート10を載置した。その後、図3に示すように、上
記封止用樹脂シート10上の所定の位置に、接続用パッ
ド5(材質:半田、融点:185℃、形状:直径200
μm×高さ30μmの半球状)が設けられた半導体素子
3(厚み:700μm、大きさ:11mm×11mm)
を載置した。その後、加熱温度180℃×荷重0.08
kgf/個×1分の条件で封止用樹脂シート10を加熱
溶融して、配線回路基板1と半導体素子3との空隙内に
溶融状態の樹脂を充填し、その後、熱硬化(条件:20
0℃×20分)およびジョイント部の溶融接合(条件:
215℃×90秒)させることにより、図1に示すよう
に、上記空隙が封止樹脂層4で樹脂封止された半導体装
置を作製した。
【0083】一方、上記のように、球状のジョイントボ
ール2以外に円錐状の接続用電極部7を備えた配線回路
基板1を用いた半導体装置の製造工程について述べる。
基本的には上記と同様の工程を経由して得られる。すな
わち、図6に示すように、配線回路基板1(厚み1mm
のガラスエポキシ基板)上に設けられた円錐状の接続用
電極部7(材質:半田、融点:185℃、形状:直径2
00μm×高さ200μm)を介して、上記配線回路基
板1上に上記各封止用樹脂シート10を載置した。この
際、上記と同様、2層構造の封止用樹脂シートにおい
て、無機質充填剤を含有する層10bが接続用電極部7
と接し、接続用電極部7形成面と反対側の面に、無機質
充填剤を含有しない層(ノンフィラー層)10aが位置
するよう封止用樹脂シート10を載置した。その後、上
記封止用樹脂シート10上の所定の位置に、接続用パッ
ド5(材質:半田、融点:185℃、形状:直径200
μm×高さ30μmの半球状)が設けられた半導体素子
3(厚み:700μm、大きさ:11mm×11mm)
を載置した。その後、加熱温度180℃×荷重0.08
kgf/個×1分の条件で封止用樹脂シート10を加熱
溶融して、配線回路基板1と半導体素子3との空隙内に
溶融状態の樹脂を充填し、その後、熱硬化(条件:20
0℃×20分)および円錐状の接続用電極部7を溶融
(条件:215℃×90秒)させることにより、図1に
示すように、上記空隙が封止樹脂層4で樹脂封止された
半導体装置を作製した。なお、各接続用電極部(ジョイ
ントボール)の形状を上記表2〜表4に併せて示した。
【0084】得られた半導体装置について、初期の通電
試験を行い、さらに、その半導体装置を用いて、プレー
シャークッカーテスト〔PCTテスト(条件:121℃
×2atm×100%RHで200時間放置)〕を行っ
た後に通電チェックを行った。さらに、上記PCTテス
トでの放置時間を1000時間として通電チェックを行
った。その結果、各放置時間における不良が発生した割
合(不良発生率)を算出した。さらに、この不良発生率
とともに、不良が発生したものを×、全く不良が発生し
なかったものを○として表示した。その結果を下記の表
5〜表7に示す。
【0085】
【表5】
【0086】
【表6】
【0087】
【表7】
【0088】上記表5〜表7の結果、実施例では、初期
の通電チェック、PCTテスト200時間後ならびに1
000時間後の通電チェックにおいて不良が全く発生し
なかった。これに対して、比較例は、いずれも初期の通
電チェックおよびPCTテスト200時間後の通電チェ
ックにおいては不良が全く発生しなかったが、PCTテ
スト1000時間後の通電チェックにおいていずれも不
良が発生した。
【0089】
【発明の効果】以上のように、本発明は、配線回路基板
上に、複数の接続用電極部を介して半導体素子が搭載さ
れ、上記配線回路基板と半導体素子との間の空隙が、封
止樹脂層の、少なくとも接続用電極部形成面と反対側の
面、および、その近傍が、無機質充填剤を含有しない状
態に形成された封止樹脂層(X)によって封止された半
導体装置である。このような半導体装置の特殊な封止樹
脂層(X)は、シートの少なくとも片面が、その表面か
ら少なくとも5μmの深さまで、無機質充填剤を含有し
ない層に形成された封止用樹脂シートを用い、このシー
トを、少なくとも接続用電極部形成面と反対側の面に無
機質充填剤を含有しない層が位置するよう位置決めして
使用することにより形成される。このように、上記封止
樹脂層(X)は、少なくとも接続用電極部形成面と反対
側の面が、その表面から少なくとも5μmの深さまで、
無機質充填剤を含有しない層に形成され、加圧された接
続用電極部表面に無機質充填剤が残存せず、配線回路基
板と半導体素子とが密接に接合される。したがって、半
導体素子と配線回路基板間の導通特性の低下が抑制され
て、信頼性の高い半導体装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の一例を示す断面図であ
る。
【図2】上記半導体装置の製造工程を示す説明断面図で
ある。
【図3】上記半導体装置の製造工程を示す説明断面図で
ある。
【図4】他の半導体装置の製造工程を示す説明断面図で
ある。
【図5】本発明の半導体装置の他の例を示す断面図であ
る。
【図6】円錐状の接続用電極部を有する配線回路基板を
用いた半導体装置の製造工程を示す説明断面図である。
【符号の説明】
1 配線回路基板 2 接続用電極部 3 半導体素子 4 封止樹脂層 4a 無機質充填剤を含有しない封止樹脂層(ノンフィ
ラー封止樹脂層) 4b 無機質充填剤を含有する封止樹脂層 10 封止用樹脂シート 10a 無機質充填剤を含有しない層(ノンフィラー
層) 10b 無機質充填剤を含有する層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野呂 弘司 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配線回路基板上に、複数の接続用電極部
    を介して半導体素子が搭載され、上記配線回路基板と半
    導体素子との間の空隙が、下記の封止樹脂層(X)によ
    って封止されてなる半導体装置。 (X)封止樹脂層の、少なくとも接続用電極部形成面と
    反対側の面、および、その近傍が、無機質充填剤を含有
    しない状態に形成された封止用樹脂層。
  2. 【請求項2】 上記封止樹脂層が、下記の(A)および
    (B)成分を含有するエポキシ樹脂組成物によって形成
    されたものである請求項1記載の半導体装置。 (A)エポキシ樹脂。 (B)フェノール樹脂。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の半導体装置の封
    止樹脂層を形成する際に用いられる封止用樹脂シートで
    あって、上記封止用樹脂シートが、下記の特徴(Y)を
    備えていることを特徴とする封止用樹脂シート。 (Y)封止用樹脂シートの少なくとも片面が、その表面
    から少なくとも5μmの深さまで、無機質充填剤を含有
    しない層に形成されている。
  4. 【請求項4】 上記封止用樹脂シートが、下記の(A)
    および(B)成分を含有するエポキシ樹脂組成物によっ
    て形成されたものである請求項3記載の封止用樹脂シー
    ト。 (A)エポキシ樹脂。 (B)フェノール樹脂。
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