JP2008177040A - 電解液の液面調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
鉛蓄電池の製造設備を小型化し、ガスの発生に伴う電解液面位のバラツキを抑制する電解液の液面調整方法を提供する。
【解決手段】
正極板と負極板とをセパレータを介して交互に積層して成る極板群を電槽内に収納し、該電槽内に電解液を注入した状態で電槽化成を行った鉛蓄電池の電解液の液面調整方法において、電槽化成終了後、電槽内を減圧し、次いで電槽内を常圧に戻し大電流で所定時間充電を行い、その後、電槽内の電解液面を所定の液面位置になるように補液または排液することを特徴とする電解液の液面調整方法。
【選択図】図1
鉛蓄電池の製造設備を小型化し、ガスの発生に伴う電解液面位のバラツキを抑制する電解液の液面調整方法を提供する。
【解決手段】
正極板と負極板とをセパレータを介して交互に積層して成る極板群を電槽内に収納し、該電槽内に電解液を注入した状態で電槽化成を行った鉛蓄電池の電解液の液面調整方法において、電槽化成終了後、電槽内を減圧し、次いで電槽内を常圧に戻し大電流で所定時間充電を行い、その後、電槽内の電解液面を所定の液面位置になるように補液または排液することを特徴とする電解液の液面調整方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、鉛蓄電池、電解液の液面調整方法に関するものである。
鉛蓄電池は、鉛と一酸化鉛を主成分とする鉛粉を水と希硫酸で混練し、ペースト状活物質とした後、ペースト状活物質を鉛合金などの集電体に充填し保持させ、ペースト状活物質を充填し保持された充填板を、活物質の結晶の成長、ペーストの強度アップ、格子表面と活物質との化学的な結合力の増加、水分の除去などを目的とした熟成乾燥を行い、この後、熟成乾燥工程を経て作製された未化成の正負極板をセパレータを挟んで交互に積層することにより極板群を形成し、この極板群を電槽に収納し、注液口を設けた蓋と熱溶着をし、この鉛蓄電池内に電解液である希硫酸を注液して、通電し電槽化成を行い製造される。電槽化成終了後は電解液量が所定量となるように補液または排液が行われ、電槽の外側面には電解液の上限値を示すライン(以下、本願ではアッパーレベルと称する)と下限値を示すライン(以下、本願ではローワーレベルと称する)が施されており、該電解液の補液または排液はアッパーレベルで電解液面を調整する方法が一般的である。
しかしながら、電槽化成は通常大電流で行われるため、該電槽化成の末期では活物質の表面および内部から激しくガスが発生し、電槽化成終了直後において電槽の底部や極板群内部、極板群と電槽内壁の間などにガス溜まりが存在している。そして、ガスが十分に排出されていない状態で電解液の液面高さをアッパーレベルに調整しても、鉛蓄電池を数日間放置することで鉛蓄電池内部のガスが徐々に抜けて行き、電解液の液面が低下し液面高さにバラツキが生じてしまうといった不具合が生じていた。
そこで、電解液の液面高さのバラツキを抑制する方法として、複数の鉛蓄電池を充電完了後に放電し、その後圧縮空気を該電池内に送り込んで電槽を膨張させた上、該電池に振動または衝撃を加え、該電池を集合電池に組み立てた後、電解液面が所定の範囲内に位置するように電解液量を調整すること(特許文献1)が提案されている。
しかしながら上記した特許文献1の方法は、充電完了後、放電をし、加圧し、振動または衝撃を加え、集合電池に組み立てた後に液面調整をしなければならず煩わしいものである。
発明者らは、現在の市場を満足すべく、短絡の原因や液口栓のガス抜け用の穴が塞がれる危険性が無く、ガスの発生に伴う電解液の液面高さのバラツキを抑制する方法はないかと種々検討を行った。
そして、電槽化成終了後、電槽内を減圧し、次いで電槽内を常圧に戻し大電流で所定時間充電を行い、その後、電槽内の電解液面を所定の液面位置になるように補液または排液することが好適であることを見出し、さらに検討を進めて本発明を完成させるに至ったものである。
本発明は、上記記載のように、ガスの発生に伴う電解液の液面高さのバラツキを抑制する鉛蓄電池を提供することを目的とする。
そして、電槽化成終了後、電槽内を減圧し、次いで電槽内を常圧に戻し大電流で所定時間充電を行い、その後、電槽内の電解液面を所定の液面位置になるように補液または排液することが好適であることを見出し、さらに検討を進めて本発明を完成させるに至ったものである。
本発明は、上記記載のように、ガスの発生に伴う電解液の液面高さのバラツキを抑制する鉛蓄電池を提供することを目的とする。
本発明は、正極板と負極板とをセパレータを介して交互に積層して成る極板群を電槽内に収納し、該電槽内に電解液を注入した状態で電槽化成を行った鉛蓄電池の電解液の液面調整方法において、電槽化成終了後、電槽内を減圧し、次いで電槽内を常圧に戻し大電流で所定時間充電を行い、その後、電槽内の電解液面を所定の液面位置になるように補液または排液することを特徴としたものである。
また、電槽化成終了後の電槽内の減圧を‐300mmHg〜‐500mmHgとすることを特徴としたものである。
また、電槽内を大気に晒した後、該鉛蓄電池を0.5CA以上の電流値で充電することを特徴としたものである。
また、該鉛蓄電池を0.5CA以上で充電する際の充電時間を10〜30秒間とすることを特徴としたものである。
化成終了後、減圧放置することは特開昭59−157959号公報や特開昭59−157969号公報で知られている。しかしながら、これら公報に記載されるものは、容量の発現がとくに初期において困難であること、低級鉛酸化物が化学的に硫酸鉛化して不可逆性の強い不導体となり、回復充電を行っても容量が戻りにくい等の課題を解決し、容量増加および放置後の容量回復性の改善を行うものであり、電解液の液面調整に関するものではなく、即ち電解液の電解液の液面高さのバラツキの抑制を行うと言う考えは全く無いものであり、本発明は電槽内を減圧状態とした後、常圧に戻し大電流で所定時間充電を行うという新規な構成により、電解液の液面高さのバラツキを抑えると言う特異な効果を奏するものである。
また、電槽化成終了後の電槽内の減圧を‐300mmHg〜‐500mmHgとすることを特徴としたものである。
また、電槽内を大気に晒した後、該鉛蓄電池を0.5CA以上の電流値で充電することを特徴としたものである。
また、該鉛蓄電池を0.5CA以上で充電する際の充電時間を10〜30秒間とすることを特徴としたものである。
化成終了後、減圧放置することは特開昭59−157959号公報や特開昭59−157969号公報で知られている。しかしながら、これら公報に記載されるものは、容量の発現がとくに初期において困難であること、低級鉛酸化物が化学的に硫酸鉛化して不可逆性の強い不導体となり、回復充電を行っても容量が戻りにくい等の課題を解決し、容量増加および放置後の容量回復性の改善を行うものであり、電解液の液面調整に関するものではなく、即ち電解液の電解液の液面高さのバラツキの抑制を行うと言う考えは全く無いものであり、本発明は電槽内を減圧状態とした後、常圧に戻し大電流で所定時間充電を行うという新規な構成により、電解液の液面高さのバラツキを抑えると言う特異な効果を奏するものである。
本発明の液面調整方法を行うことで、電槽化成終了後に放置したり、または加圧したりする方法よりも、時間をかけずかつ簡単に液面調整後の液面上昇や低下によって起こる電解液の液面高さのバラツキを抑制することが可能である。
極板は従来と同様に、鉛と一酸化鉛を主成分とする鉛粉を水と希硫酸で混練したペースト状活物質をPb−Ca系やPb−Ca−Sn系の鉛合金からなる格子基板等の集電体に充填して保持させた充填板を、活物質の結晶の成長、ペーストの強度アップ、格子表面と活物質との化学的な結合力の増加、水分の除去などを目的とした熟成乾燥工程を経て作製さる。この様に作成された未化成の正負極板をセパレータを挟んで交互に積層して極板群を形成し、この極板群を電槽内に収納し、注液口を設けた蓋と熱融着し、注液口より電槽内に電解液である希硫酸を注液した後、化成工程で充放電され化成されて蓄電池が製造されるものである。本発明は、電槽化成工程終了後、直ちに電槽内を所望の圧力に減圧し、その後、所定の電流で所定時間充電することが従来と異なる。
ここで、電槽化成終了後の電槽内の減圧方法について説明する。図1は、本発明における減圧装置の概略図である。
図1に示すように、電槽11には熱融着された電槽蓋12に形成され、該電槽蓋12には複数個の注液口13が形成されており、該電槽蓋12の注液口13全体を覆うように電槽蓋12にカバー2が当接され、該カバー2は上壁と、この4側面を囲繞する4つの側壁からなり、下面は開口しており、底面を除いた略箱形状である。電槽化成終了後の電槽11の減圧は、該カバー2の1側壁が減圧装置3と連結する連結用管4によってカバー2と減圧装置3が連結されており、減圧装置3によって所望の圧力に制御し、連結用管4を介してカバー2内、次いで電槽11内へと徐々に所望の圧力に変化していくので、電槽11内を所望の圧力に制御することが可能となっている。
なお、カバーの4つの側壁の下面には、夫々気密性を保つためのゴムパッキン21などを施すことが好ましい。
また、カバー2および連結用管4は耐酸性、耐圧性がある材質であれば良く、例えば、 ステンレス(SUS)などを用いることが好ましい。
図1に示すように、電槽11には熱融着された電槽蓋12に形成され、該電槽蓋12には複数個の注液口13が形成されており、該電槽蓋12の注液口13全体を覆うように電槽蓋12にカバー2が当接され、該カバー2は上壁と、この4側面を囲繞する4つの側壁からなり、下面は開口しており、底面を除いた略箱形状である。電槽化成終了後の電槽11の減圧は、該カバー2の1側壁が減圧装置3と連結する連結用管4によってカバー2と減圧装置3が連結されており、減圧装置3によって所望の圧力に制御し、連結用管4を介してカバー2内、次いで電槽11内へと徐々に所望の圧力に変化していくので、電槽11内を所望の圧力に制御することが可能となっている。
なお、カバーの4つの側壁の下面には、夫々気密性を保つためのゴムパッキン21などを施すことが好ましい。
また、カバー2および連結用管4は耐酸性、耐圧性がある材質であれば良く、例えば、 ステンレス(SUS)などを用いることが好ましい。
まず、Pb−Ca−Sn−Al合金格子(高さ113mm、幅137mm)に正極活物質を86g充填した未化成正極板5枚を作製し、夫々U字状のポリエチレンセパレータに上方から未化成正極板の耳部が上部となるように挿入し、その後、該ポリエチレンセパレータの両側面をギアシールで閉じた。このとき、該ポリエチレンセパレータは上部のみ開口した状態である。次いで、Pb−Ca−Sn−Al合金格子(高さ114mm、幅137mm)に負極活物質を75g充填した未化成負極板6枚を作製した。そして、ポリエチレンセパレータで包み込んだ該未化成正極板5枚と該未化成負極板6枚を交互に積層して正極板同士および負極板同士をそれぞれストラップで溶接して極板群を製作し、該極板群を電槽に収納し、該電槽に蓋を施して電槽蓋に施してある注液口より希硫酸を注入し、定格容量48Ahの12Vの鉛蓄電池を作製した。
その後、30℃水槽中において、正極活物質理論容量に対し充電電気量が250%となるまで電槽化成を行った。
そして、電槽化成終了後、直ちに鉛蓄電池の注液口に図1に示すカバーを施し、該カバーの1側壁から連結用管を介して接続される減圧装置を用いて電槽内を表1に示す種々の圧力(−100mmHg、−300mmHg、−500mmHg、−600mmHg)になるまで減圧し、所定の圧力に達した後常圧に戻し0.5CAの充電電流で20秒充電を行った。そして、電解液の液面高さがアッパーレベル以上のものはアッパーレベルまで電解液を排液し、アッパーレベル未満のものはアッパーレベルまで電解液を注液することで電解液の液面調整を行った(本発明1〜4)。
また、鉛蓄電池の希硫酸の比重は電槽化成終了時にほぼ所望の液比重となるように調製した。
その後、30℃水槽中において、正極活物質理論容量に対し充電電気量が250%となるまで電槽化成を行った。
そして、電槽化成終了後、直ちに鉛蓄電池の注液口に図1に示すカバーを施し、該カバーの1側壁から連結用管を介して接続される減圧装置を用いて電槽内を表1に示す種々の圧力(−100mmHg、−300mmHg、−500mmHg、−600mmHg)になるまで減圧し、所定の圧力に達した後常圧に戻し0.5CAの充電電流で20秒充電を行った。そして、電解液の液面高さがアッパーレベル以上のものはアッパーレベルまで電解液を排液し、アッパーレベル未満のものはアッパーレベルまで電解液を注液することで電解液の液面調整を行った(本発明1〜4)。
また、鉛蓄電池の希硫酸の比重は電槽化成終了時にほぼ所望の液比重となるように調製した。
(比較例1)
電槽化成終了後、直ちに電槽内を300mmHgで加圧した以外は、実施例1と同様に定格容量48Ahの12Vの鉛蓄電池を作製した(比較例1)。
(従来例1)
電槽化成終了後、電槽内を減圧または加圧を行わなかった以外は、実施例1と同様に定格容量48Ahの12Vの鉛蓄電池を作製した(従来例1)。
表1は電槽内を減圧(本発明1〜4)または加圧(比較例1)した圧力、アッパーレベルを基準、即ちアッパーレベルを0.0mmとしときの各セル(6セル)の液面高さの変位の平均値を夫々示したものであり、液面高さの測定は、放置後1日目、放置後7日目および7日間放置後に鉛蓄電池の長側面の底部を水平面に対して10°傾けて左右に3回振動した後の計3回行った。
電槽化成終了後、直ちに電槽内を300mmHgで加圧した以外は、実施例1と同様に定格容量48Ahの12Vの鉛蓄電池を作製した(比較例1)。
(従来例1)
電槽化成終了後、電槽内を減圧または加圧を行わなかった以外は、実施例1と同様に定格容量48Ahの12Vの鉛蓄電池を作製した(従来例1)。
表1は電槽内を減圧(本発明1〜4)または加圧(比較例1)した圧力、アッパーレベルを基準、即ちアッパーレベルを0.0mmとしときの各セル(6セル)の液面高さの変位の平均値を夫々示したものであり、液面高さの測定は、放置後1日目、放置後7日目および7日間放置後に鉛蓄電池の長側面の底部を水平面に対して10°傾けて左右に3回振動した後の計3回行った。
表1に示すように、電槽化成終了後の電槽内の減圧を−100〜−600mmHgとした本発明1〜4は、放置後7日目および放置後7日目の振動において比較例1および従来例1に比し電解液の液面高さのバラツキが少なく良好であることが分る。
しかし、比較例1では、放置後1日目から電解液の液面高さがアッパーレベルよりもかなり上回っていた。液面がアッパーレベルよりもかなり高い状態では、過充電などにより液面が更に上昇した場合、液口栓から電解液が噴き出す危険性があり、また、電槽化成中に電槽底部に落下した活物質や活物質脱落防止用のペースト紙が貼付された極板を使用する場合、該ペースト紙が剥がれ夫々電解液に舞い上がってしまい、短絡の原因や液口栓のガス抜け用の穴が塞がれる危険性などが生じる。
なお、放置後7日目に振動を行うことで、どの鉛蓄電池(本発明1〜4、比較例1および従来例1)も電解液の液面高さの低下が見られるが、これは電槽の底部や極板の細孔に保持されていたガスが排出されたためであると思われる。
電槽内を減圧することで、比較例1や従来例1に比し電解液の液面高さのバラツキを抑制することが可能であるが、表1からも明らかな如く、電槽内の減圧は−300mmHgから−500mmHgの範囲で特に変動が少なく好ましい。これは、減圧が‐300mmHg未満では減圧による電解液の液面高さのバラツキ抑制の効果が薄く、また、電槽内の減圧が‐500mmHg超過では減圧が強すぎ、極板中の数μm程度の非常に小さな細孔中に存在していたガスまで排出され電解液と置換されることが考えられ、その後に比較的大きな電流で短時間充電を行ってもガスはこの非常に小さな細孔中には保持されず、一方、放置中は自己放電によってこの細孔中でのガス発生が起こり、発生したガスによる電解液の液面高さのバラツキを比較的大きくするためと思われる。よって、電槽内の減圧は‐300〜‐500mmHgが好ましい。
しかし、比較例1では、放置後1日目から電解液の液面高さがアッパーレベルよりもかなり上回っていた。液面がアッパーレベルよりもかなり高い状態では、過充電などにより液面が更に上昇した場合、液口栓から電解液が噴き出す危険性があり、また、電槽化成中に電槽底部に落下した活物質や活物質脱落防止用のペースト紙が貼付された極板を使用する場合、該ペースト紙が剥がれ夫々電解液に舞い上がってしまい、短絡の原因や液口栓のガス抜け用の穴が塞がれる危険性などが生じる。
なお、放置後7日目に振動を行うことで、どの鉛蓄電池(本発明1〜4、比較例1および従来例1)も電解液の液面高さの低下が見られるが、これは電槽の底部や極板の細孔に保持されていたガスが排出されたためであると思われる。
電槽内を減圧することで、比較例1や従来例1に比し電解液の液面高さのバラツキを抑制することが可能であるが、表1からも明らかな如く、電槽内の減圧は−300mmHgから−500mmHgの範囲で特に変動が少なく好ましい。これは、減圧が‐300mmHg未満では減圧による電解液の液面高さのバラツキ抑制の効果が薄く、また、電槽内の減圧が‐500mmHg超過では減圧が強すぎ、極板中の数μm程度の非常に小さな細孔中に存在していたガスまで排出され電解液と置換されることが考えられ、その後に比較的大きな電流で短時間充電を行ってもガスはこの非常に小さな細孔中には保持されず、一方、放置中は自己放電によってこの細孔中でのガス発生が起こり、発生したガスによる電解液の液面高さのバラツキを比較的大きくするためと思われる。よって、電槽内の減圧は‐300〜‐500mmHgが好ましい。
次に、電槽化成終了後に電槽内を減圧し、次いで電槽内を常圧に戻した後の充電電流および充電時間の検討を行った。
そこで、実施例1と同様の方法で定格容量48Ahの12Vの鉛蓄電池を作製し、電槽化成終了後、電槽内を−300mmHgになるまで減圧し、表2に示す種々の条件(充電電流0.2〜1.0CA、充電時間5〜60秒)で充電を行い、その後、電解液の液面高さがアッパーレベル以上のものはアッパーレベルまで電解液を排液し、アッパーレベル未満のものはアッパーレベルまで電解液を注液することで電解液の液面調整を行った(本発明3〜14)。
表2は、種々作製した鉛蓄電池(本発明3〜14)の電槽化成終了後に行った夫々の充電電流値、充電時間およびアッパーレベルを基準、即ちアッパーレベルを0.0mmとしときの各セル(6セル)の液面高さの変位の平均値を夫々示したものであり、液面高さの測定は、放置後1日目、放置後7日目および7日間放置後に鉛蓄電池の長側面の底部を水平面に対して10°傾けて左右に3回振動した後の計3回行った。
そこで、実施例1と同様の方法で定格容量48Ahの12Vの鉛蓄電池を作製し、電槽化成終了後、電槽内を−300mmHgになるまで減圧し、表2に示す種々の条件(充電電流0.2〜1.0CA、充電時間5〜60秒)で充電を行い、その後、電解液の液面高さがアッパーレベル以上のものはアッパーレベルまで電解液を排液し、アッパーレベル未満のものはアッパーレベルまで電解液を注液することで電解液の液面調整を行った(本発明3〜14)。
表2は、種々作製した鉛蓄電池(本発明3〜14)の電槽化成終了後に行った夫々の充電電流値、充電時間およびアッパーレベルを基準、即ちアッパーレベルを0.0mmとしときの各セル(6セル)の液面高さの変位の平均値を夫々示したものであり、液面高さの測定は、放置後1日目、放置後7日目および7日間放置後に鉛蓄電池の長側面の底部を水平面に対して10°傾けて左右に3回振動した後の計3回行った。
表2に示すように、充電電流を0.5〜1.0CA、充電時間を10〜30秒とした本発明8〜9、12〜13は、電解液の液面高さのバラツキが少なく良好であることが分る。
一方、低い充電電流が充電した本発明3〜6の場合は比較的電槽の底部やセパレータに付着したガスが残留し、放置7日目では自己放電などにより発生するガスにより電解液の液面高さが上昇し、どれもアッパーレベルより2.0mm以上上昇してしまうが、これらガスは、電槽の振動を行うことで簡単に排出されるものである。
また、本発明7、11の様に充電時間の短いものは、電解液の液面高さのバラツキを抑制する効果が薄く、本発明10、14の様に充電時間の長いものでは電解液の液面高さのバラツキは小さいものの、時間を掛けただけの効果の向上はなく、時間とエネルギーが無駄であるばかりでなく、ガス発生に伴い硫酸ミストも多量に発生する可能性があり、更に充電を続けた場合、減圧を行う前の状態に戻ってしまう可能性もある。
よって、電槽内の減圧後の充電電流は0.5CA以上が好ましく、また、その際の充電時間は10〜30秒が好ましい。
一方、低い充電電流が充電した本発明3〜6の場合は比較的電槽の底部やセパレータに付着したガスが残留し、放置7日目では自己放電などにより発生するガスにより電解液の液面高さが上昇し、どれもアッパーレベルより2.0mm以上上昇してしまうが、これらガスは、電槽の振動を行うことで簡単に排出されるものである。
また、本発明7、11の様に充電時間の短いものは、電解液の液面高さのバラツキを抑制する効果が薄く、本発明10、14の様に充電時間の長いものでは電解液の液面高さのバラツキは小さいものの、時間を掛けただけの効果の向上はなく、時間とエネルギーが無駄であるばかりでなく、ガス発生に伴い硫酸ミストも多量に発生する可能性があり、更に充電を続けた場合、減圧を行う前の状態に戻ってしまう可能性もある。
よって、電槽内の減圧後の充電電流は0.5CA以上が好ましく、また、その際の充電時間は10〜30秒が好ましい。
以上の結果より、電槽化成終了後、電槽内を減圧し、次いで電槽内を常圧に戻し大電流で所定時間充電を行い、その後、電槽内の電解液面を所定の液面位置になるように補液または排液することで、電槽化成終了後に放置したり、または加圧したりする方法よりも、時間をかけずかつ簡単に液面調整後の液面上昇や低下によって起こる電解液の液面高さのバラツキを抑制することが可能である。
1 鉛蓄電池
11 電槽
12 電槽蓋
13 注液口
2 カバー
21 ゴムパッキン
3 吸引装置
4 連結用管
11 電槽
12 電槽蓋
13 注液口
2 カバー
21 ゴムパッキン
3 吸引装置
4 連結用管
Claims (4)
- 正極板と負極板とをセパレータを介して交互に積層して成る極板群を電槽内に収納し、該電槽内に電解液を注入した状態で電槽化成を行った鉛蓄電池の電解液の液面調整方法において、電槽化成終了後、電槽内を減圧し、次いで電槽内を常圧に戻し大電流で所定時間充電を行い、その後、電槽内の電解液面を所定の液面位置になるように補液または排液することを特徴とする電解液の液面調整方法。
- 電槽化成終了後の電槽内の減圧を‐300mmHg〜‐500mmHgとすることを特徴とする請求項1に記載の電解液の液面調整方法。
- 電槽内を常圧に戻した後、該鉛蓄電池を0.5CA以上の電流値で充電することを特徴とする請求項1に記載の電解液の液面調整方法。
- 該鉛蓄電池を0.5CA以上で充電する際の充電時間を10〜30秒間とすることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の電解液の液面調整方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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