JP2008176860A - ブラシの保管方法、及び磁気記録媒体用基板の洗浄方法、磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

ブラシの保管方法、及び磁気記録媒体用基板の洗浄方法、磁気記録媒体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い洗浄仕上がりで洗浄できる磁気記録媒体用基板の洗浄に用いられるブラシの保管方法を提供する。
【解決手段】磁気記録媒体用基板の洗浄に用いられるポリビニルアルコールスポンジからなるブラシ3の保管方法であって、過酸化水素を含有する保管液中で前記ブラシ3を保管するブラシの保管方法とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ブラシの保管方法、及び磁気記録媒体用基板の洗浄方法、磁気記録媒体の製造方法に関し、特に、磁気記録媒体用基板の洗浄に用いられるポリビニルアルコール(以下、「PVA」と略記する。)スポンジからなるブラシの保管方法、及び磁気記録媒体用基板の洗浄方法、磁気記録媒体の製造方法に関する。
一般に、ハードディスクドライブなどに用いられる磁気記録媒体用の基板としては、アルミニウム基板やガラス基板が用いられている。近年、磁気記録媒体の記録密度はますます高まってきており、磁気記録面上でのヘッドの低浮上化に対応できるように、磁気記録媒体用基板の表面に対して高い平坦度が求められると共に高い清浄度が求められている。このため、磁気記録媒体用基板の表面に付着したほこり等を除去するための高度な洗浄技術が求められている。
磁気記録媒体用基板の洗浄方法として、例えば、特許文献1には、磁気ディスク基板などのワークの表面に研磨加工などの表面処理を行った後、該ワークの表面に付着している異物などを除去するために、ワークを洗浄槽内でコンベアにより搬送しながら、液体を用いて洗浄し、その後、液体で洗浄されたワークを洗浄槽から1つずつ取り出してスクラブ洗浄機の回転ブラシによりワークを1つずつスクラブ洗浄する方法が開示されている。
磁気記録媒体用基板のスクラブ洗浄では、ブラシとしてPVAスポンジなどが用いられる。PVAスポンジは、親水性高分子であるPVAからなるものであり、高い吸水性と保水性とを有し、洗浄用途に適した特性を有する。
一般に、PVAスポンジは、PVA水溶液に多孔化剤を添加し、次いで、成形して所定の成形物とし、そして、PVAを凝析する塩を含む水溶液中でスポンジ化することにより製造される(例えば、特許文献2参照)。
このようなPVAスポンジの製造方法において用いられる多孔化剤は、PVA樹脂中に細孔を形成させるためのものである。多孔化剤としては、界面活性剤等のようにPVA水溶液に気泡を形成させることができるもの、炭酸カルシウム等のように酸性条件で発泡するもの、アルカリ条件で発泡するもの、熱で発泡するもの、澱粉等のように酸性条件下で取り除くことのできるもの、紙パルプ等のように生分解性を有するもの、寒天ゲル等のように熱溶融するもの等が挙げられる。そして、多孔化剤の種類や使用量を変化させることにより、所定の大きさで所定の空隙率の孔が形成される。
このようなPVAスポンジは、湿式で用いられるが、PVAスポンジの材質に応じて、湿式または乾式で保管される。湿式で保管を行う必要のあるPVAスポンジの中には、一旦乾燥してしまうと、極度に収縮して水を含ませても復元しなくなるものなどがある。また、このような湿式で保管されるPVAスポンジでは、保管中にかびが発生する場合がある。特に、PVAスポンジの製造工程において、澱粉などのかびの発生しやすい材料が用いられている場合、保管中にかびが発生しやすいという不都合がある。このため、湿式で保管されるPVAスポンジには、防かび剤が添加されている場合が多い。防かび剤としては、メチル−2−ベンズイミダゾールカーバメート等の多くの物質が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2001−96245号公報 特開2001−302840号公報 特開平11−139913号公報
しかしながら、従来の磁気記録媒体用基板の洗浄方法では、十分に高い清浄度が得られず、洗浄仕上がりを高めることが要求されていた。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、高い洗浄仕上がりで洗浄できる磁気記録媒体用基板の洗浄に用いられるブラシの保管方法を提供することを目的とする。
また、高い洗浄仕上がりが得られる磁気記録媒体用基板の洗浄方法および、磁気記録面上でのヘッドの低浮上化に対応できる磁気記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために、PVAスポンジの保管に用いられている防かび剤に着目し、防かび剤と磁気記録媒体用基板の洗浄仕上がりとの関係について調べた。その結果、従来から用いられている防かび剤は、洗浄後の磁気記録媒体用基板の表面に残留して、磁気記録媒体用基板の洗浄仕上がりに悪影響を及ぼすことが明らかになった。
そして、本願発明者は、鋭意努力検討を重ね、磁気記録媒体用基板の洗浄仕上がりに悪影響を及ぼすことなく、PVAスポンジからなるブラシに発生するかびを防ぐことのできるブラシの保管方法を見出し、本発明を完成した。すなわち本願発明は以下に関する。
(1)磁気記録媒体用基板の洗浄に用いられるポリビニルアルコールスポンジからなるブラシの保管方法であって、過酸化水素を含有する保管液中で前記ブラシを保管することを特徴とするブラシの保管方法。
(2)前記保管液中の過酸化水素の濃度が、1質量%〜10質量%の範囲内であることを特徴とする(1)に記載のブラシの保管方法。
(3)前記保管液が過酸化水素水であることを特徴とする(1)または(2)に記載のブラシの保管方法。
(4)(1)〜(3)の何れか1項に記載のブラシの保管方法により保管されたブラシを用いて、前記磁気記録媒体用基板を洗浄することを特徴とする磁気記録媒体用基板の洗浄方法。
(5)(4)に記載の磁気記録媒体用基板の洗浄方法により前記磁気記録媒体用基板を洗浄する工程を備えることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
本発明のブラシの保管方法では、過酸化水素を含有する保管液中でPVAスポンジからなるブラシを保管するので、保管中のPVAスポンジにおけるかびの発生を十分に防止できる。しかも、本発明のブラシの保管方法により保管されたブラシを用いて磁気記録媒体用基板を洗浄した場合、磁気記録媒体用基板の表面にかびが付着することもないし、保管時に添加した過酸化水素が洗浄時に流れ去るため、磁気記録媒体用基板の表面に過酸化水素が残留することもない。したがって、本発明によれば、保管液が磁気記録媒体用基板の洗浄仕上がりに悪影響を及ぼすことはなく、高い洗浄仕上がりが得られる。
また、本発明の磁気記録媒体用基板の洗浄方法によれば、保管液が磁気記録媒体用基板の洗浄仕上がりに悪影響を及ぼすことはなく、高い洗浄仕上がりが得られるので、高い清浄度を有する磁気記録媒体用基板が得られる。また、本発明の磁気記録媒体の製造方法によれば、磁気記録媒体用基板を洗浄する工程において清浄度の高い表面が得られるので、磁気記録面上でのヘッドの低浮上化に対応できる磁気記録媒体が得られる。
以下、本発明に係るブラシの保管方法、及び磁気記録媒体用基板の洗浄方法および磁気記録媒体の製造方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態では、磁気記録媒体の製造工程に含まれる洗浄工程において、磁気記録媒体用基板のスクラブ洗浄を行なう。磁気記録媒体用基板のスクラブ洗浄方法としては、後述するように、ディスク状の磁気記録媒体用基板の両表面を、カップ型やロール型の回転するブラシで挟み、磁気記録媒体用基板およびブラシを回転させながら、純水等を供給して洗浄する方法などが挙げられる。
本実施形態では、スクラブ洗浄に用いるブラシとしてPVAスポンジを用い、このPVAスポンジを、過酸化水素を含有する保管液中で湿式で保管する。
PVAスポンジとしては、PVA水溶液に多孔化剤を添加し、次いで、成形して所定の成形物とし、そして、PVAを凝析する塩を含む水溶液中でスポンジ化することにより製造されたものなどを使用でき、特に限定されないが、気孔径が50μm〜130μmの範囲内、ゴム硬度が60±20度の範囲内のものを用いることが好ましい。
また、PVAスポンジの製造方法において用いられる多孔化剤は、PVA樹脂中に細孔を形成させることができるものであればよく、界面活性剤等のようにPVA水溶液に気泡を形成させることができるもの、炭酸カルシウム等のように酸性条件で発泡するもの、アルカリ条件で発泡するもの、熱で発泡するもの、澱粉等のように酸性条件下で取り除くことのできるもの、紙パルプ等のように生分解性を有するもの、寒天ゲル等のように熱溶融するもの等が挙げられる。そして、多孔化剤の種類や使用量を変化させることにより、所定の大きさで所定の空隙率の孔が形成される。
保管液としては、保管液中の過酸化水素の濃度が1質量%〜10質量%の範囲内である過酸化水素水を用いることが好ましい。過酸化水素を含有させる液体として純水を用いた場合、過酸化水素を安定して溶解することが可能であり、PVAスポンジに対する反応性がなく、PVAスポンジを安定して保管できるため好ましい。
また、保管液中の過酸化水素の濃度が1質量%未満であると、過酸化水素による防かび効果が低下して、保管中のPVAスポンジにおけるかびの発生を十分に防止できない恐れがある。また、保管液中の過酸化水素の濃度が10質量%を超えると、PVAスポンジが過酸化水素により変質する場合があるため好ましくない。
次に、本実施形態の磁気記録媒体用基板の洗浄方法に用いられるスクラブ洗浄装置を、図面を用いて説明する。
図1(a)は、本実施形態の磁気記録媒体用基板の洗浄方法に用いられるスクラブ洗浄装置の一例を、洗浄される磁気記録媒体用基板の表面側から見た平面図であって、ロール型のブラシを用いる洗浄装置の例である。また、図1(b)は、図1(a)に示す洗浄装置のA−A‘断面図であり、図1(c)は、図1(a)に示す洗浄装置のB−B‘断面図である。
図1(a)〜図1(c)において、符号1は洗浄される磁気記録媒体用基板、符号2は磁気記録媒体用基板1を保持して回転させるためのチャックローラ、符号3はロール型のブラシを示している。図1(b)および図1(c)に示すように、磁気記録媒体用基板1は、2本のブラシ3、3に挟まれている。2本のブラシ3、3は、磁気記録媒体用基板1を介して対向配置され、相反する方向に所定の回転数で回転されている。また、図1(a)および図1(b)に示すように、チャックローラ2が、磁気記録媒体用基板1の外周に接して等間隔で4本配置されている。そして、4本のチャックローラ2を所定の回転数で同一方向に回転させることにより、磁気記録媒体用基板1が、チャックローラ2に保持された状態で所定の方向に所定の速度で回転されるようになっている。また、図1(a)〜図1(c)に示すスクラブ洗浄装置には、洗浄液ノズル4が磁気記録媒体用基板1を介して対向配置されている。洗浄液ノズル4は、磁気記録媒体用基板1の上に、水、界面活性剤などの洗浄液を所定の供給量で供給するものである。
磁気記録媒体用基板1としては、直径3.5インチ程度以下で中央に開口部の形成されたディスク状の一般的なものが挙げられる。また、磁気記録媒体用基板1の材質としては、特に限定されないが、NiPメッキ膜が形成されたAl合金基板、ガラス基板、セラミックス基板、可曉性樹脂基板、NiPをメッキあるいはスパッタ法により蒸着せしめた基板などが挙げられる。
また、磁気記録媒体用基板1は、磁気記録媒体の製造工程に含まれる洗浄工程を行なう前の被洗浄物である。磁気記録媒体の製造工程に含まれる洗浄工程は、磁気記録媒体の製造工程においていかなる段階で行なわれる洗浄工程であってもよいが、例えば、所定の表面平均粗さRaとなるように、磁気記録媒体用基板1の表面にメカニカルテクスチャー加工を施した後の洗浄工程とすることができる。
ロール型のブラシ3としては、過酸化水素を含有する上記の保管液中で保管された上記のPVAスポンジからなるものが用いられている。保管液から取り出されたロール型のブラシ3は、純水中でもみ洗いする方法などにより、ブラシ3から保管液を洗い流してから用いることが好ましい。
図1(a)〜図1(c)に示す洗浄装置を用いて磁気記録媒体用基板1をスクラブ洗浄するには、まず、洗浄する磁気記録媒体用基板1をチャックローラ2に保持させ、磁気記録媒体用基板1を両面から挟み込むように2本のロール型のブラシ3を配置する。そして、洗浄液ノズル4より洗浄液を供給し、チャックローラ2を図1(c)に示す矢印の方向に回転させて磁気記録媒体用基板1を図1(a)に示す矢印の方向に回転させながら、ロール型ブラシ3を図1(b)および図1(c)に示す矢印の方向に回転させて、磁気記録媒体用基板1上でブラシ3を摺動させ、磁気記録媒体用基板1の両面を同時に洗浄する方法によって行なわれる。この方法では、円盤状の磁気記録媒体用基板1の両面の全面を一度にスクラブ洗浄できる。
また、図2は、本実施形態の磁気記録媒体用基板の洗浄方法に用いられるスクラブ洗浄装置の他の例を、洗浄される磁気記録媒体用基板の一面側から見た平面図であって、カップ型のブラシを用いる洗浄装置の例である。
図2において、符号5はカップ型のブラシ、符号6はカップ型のブラシ5を保持するためのアームを示している。なお、図2に示すスクラブ洗浄装置において、図1に示すスクラブ洗浄装置と同一のものについては同一の符号を付し、その説明を省略する。
磁気記録媒体用基板1の両側の表面は、それぞれ2本のカップ型のブラシ5(磁気記録媒体用基板の一面側のブラシのみ図示し、一面側と反対側に設置されたブラシは図示略)に挟まれている。2本のブラシ5は、磁気記録媒体用基板1を介して対向配置され、相反する方向に所定の回転数で回転されている。また、2本のブラシ5は、図2に示すように、アーム6に保持されることにより、所定の位置に移動されるようになっている。カップ型のブラシ5としては、過酸化水素を含有する上記の保管液中で保管された上記のPVAスポンジが用いられている。保管液から取り出されたカップ型のブラシ5は、純水中でもみ洗いする方法などにより、ブラシ5から保管液を洗い流してからスクラブ洗浄装置に取り付けて使用されることが好ましい。また、図2に示すスクラブ洗浄装置には、洗浄液ノズル4が磁気記録媒体用基板1を介して対向配置されている。
図2に示す洗浄装置を用いて磁気記録媒体用基板1をスクラブ洗浄するには、まず、洗浄する磁気記録媒体用基板1をチャックローラ2に保持させ、磁気記録媒体用基板1を両面から挟み込むようにアーム6によって2本のカップ型のブラシ5を配置させる。そして、洗浄液ノズル4より洗浄液を供給し、チャックローラ2を回転させて磁気記録媒体用基板1を図2に示す矢印B方向に回転させながら、2本のロール型ブラシ3を図2に示す矢印A方向に回転させて、磁気記録媒体用基板1上でブラシ5を摺動させ、磁気記録媒体用基板1の両面を同時に洗浄する方法によって行なわれる。この方法では、円盤状の磁気記録媒体用基板1の両面の全面を一度にスクラブ洗浄できる。
次に、本実施形態の磁気記録媒体用基板の洗浄方法で洗浄された磁気記録媒体用基板を用いて磁気記録媒体を製造する方法について説明する。
まず、所定の材質の磁気記録媒体用基板1を用意し、磁気記録媒体用基板1の表面にメカニカルテクスチャー加工を施し、磁気記録媒体用基板1の表面を所定の表面平均粗さRaとする。続いて、磁気記録媒体用基板1を洗剤の入れられた洗浄槽中に浸漬させて浸漬洗浄する。その後、図1または図2に示す洗浄装置を用いる本実施形態の洗浄方法を用いて、磁気記録媒体用基板1をスクラブ洗浄する。そして、洗浄された磁気記録媒体用基板1の表面に、スパッタ法を用いて、例えば、CrW合金などの非磁性合金からなる下地膜と、CoCrPtTaCu合金などの磁性合金からなる磁気記録層膜とを形成する。その後、磁気記録層膜の上にプラズマCVD法を用いて硬質炭素膜からなる保護膜を形成し、保護膜の形成された磁気記録媒体用基板1の表面にディッピング法によりPFPE潤滑剤を塗布する方法により磁気記録媒体を製造する。
本実施形態のブラシの保管方法では、過酸化水素を含有する保管液中でポリビニルアルコールスポンジからなる図1に示すロール型のブラシ3または図2に示すカップ型のブラシ5を保管するので、保管中のPVAスポンジにおけるかびの発生を十分に防止できる。また、本実施形態のブラシの保管方法により保管されたロール型のブラシ3またはカップ型のブラシ5を用いて磁気記録媒体用基板1を洗浄した場合、磁気記録媒体用基板1の表面にかびが付着することもないし、保管時に添加した過酸化水素が洗浄時に流れ去るため、磁気記録媒体用基板1の表面に過酸化水素が残留することもない。さらに、本実施形態のブラシの保管方法では、従来の防かび剤を用いなくてすむため、従来の防かび剤が、洗浄後の磁気記録媒体用基板1の表面に残留することもない。したがって、高い洗浄仕上がりが得られる。
また、本実施形態の磁気記録媒体の製造方法において、本実施形態の磁気記録媒体用基板の洗浄方法は、磁気記録層膜等の薄膜が形成される前の洗浄工程に用いられている。このため、洗浄後の磁気記録媒体用基板1の表面には、ほこり等の付着物のない高度な清浄面が求められる。本実施形態の磁気記録媒体用基板の洗浄方法では、本実施形態のブラシの保管方法により保管されたブラシを用いて、磁気記録媒体用基板1を洗浄するので、高い洗浄仕上がりが得られ、磁気記録層膜等の薄膜が良好に形成される高い清浄度を有する磁気記録媒体用基板を得ることができる。
また、本実施形態の磁気記録媒体の製造方法によれば、磁気記録媒体用基板を洗浄する工程において清浄度の高い表面が得られるので、磁気記録面上でのヘッドの低浮上化に対応できる、平坦度が高く良好な磁気記録層膜等の薄膜の形成された磁気記録媒体が得られる。
「実施例」
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例)
磁気記録媒体用基板として、表面に厚さ10μmのNiPメッキ膜の形成された直径3.5インチ、厚さ0.8mmのディスク状のアルミニウム合金基板を用いた。この磁気記録媒体用基板の表面に、表面平均粗さRaが1nmとなるようにメカニカルテクスチャー加工を施した。続いて、磁気記録媒体用基板を5%の濃度のアルカリ系洗剤(商品名:RBS225、ケミカルプロダクト社製)の入れられた洗浄槽中に浸漬させて浸漬洗浄した。その後、図2に示す洗浄装置を用いて3回スクラブ洗浄を行なった。このスクラブ洗浄では、カップ型のブラシとして、5質量%の過酸化水素水からなる保管液中に30℃で7日間保管し、純水中でもみ洗いする方法によりブラシから保管液を洗い流した直径8.5cm、厚さ2cmのカップ型のPVAスポンジ(イーグル化成社製)を用いた。スクラブ洗浄の条件は、カップ型ブラシの回転速度を500rpm、磁気記録媒体用基板の回転速度を120rpm、1回あたりのスクラブ洗浄時間を8秒間、洗浄液を純水とした。
このようにして洗浄された磁気記録媒体用基板の表面に、スパッタ法を用いて、厚さ8nmのCrW合金(25質量%Cr−75質量%W)からなる下地膜と、厚さ30nmのCoCrPtTaCu合金(18質量%Cr−8質量%Pt−3質量%Ta−1質量%Cu−残部Co)からなる磁気記録層膜とを形成した。その後、磁気記録層膜の上にプラズマCVD法を用いて厚さ7nmのカーボン膜からなる保護膜を形成し、保護膜の形成された磁気記録媒体用基板の表面にディッピング法によりPFPE潤滑剤を塗布する方法により磁気記録媒体を製造した。
(比較例)
PVAスポンジの保管に、濃度0.25%のデヒドロ酢酸ナトリウムとシュウ酸の混合水溶液からなる保管液を用いたこと以外は、実施例と同様にして磁気記録媒体を製造した。
このようにして得られた実施例および比較例の磁気記録媒体100枚について、圧電素子付きのヘッドの用いられたグライドテスターを用いて磁気記録媒体の表面形状の検査を行った。なお、ヘッドのグライド高さ(ヘッドと磁気記録媒体との距離)は0.25μインチとした。
その結果、実施例では、100枚中1枚の磁気記録媒体について不良箇所が見つかったが、その不良箇所の原因は、磁気記録媒体用基板のスクラブ洗浄不良ではなかった。
これに対し、比較例では、3枚の不良が見つかった。なお、比較例の3枚の不良の磁気記録媒体のうちの2枚は、スクラブ洗浄時に磁気記録媒体用基板の表面に残留した物質が原因であると推測された。
また、実施例および比較例の磁気記録媒体を微分干渉光学顕微鏡(600倍)で観察した。その結果、比較例の磁気記録媒体では、中央付近に磁気記録媒体用基板のスクラブ洗浄不良に起因する磁気記録層膜などからなる積層膜のふくれが発生していた。これに対し、実施例の磁気記録媒体では、良好な磁気記録層膜が形成されていた。
図1は、本実施形態の磁気記録媒体用基板の洗浄方法に用いられるスクラブ洗浄装置の一例を示した図である。 図2は、本実施形態の磁気記録媒体用基板の洗浄方法に用いられるスクラブ洗浄装置の他の例を示した図である。
符号の説明
1…磁気記録媒体用基板、2…チャックローラ、3…ブラシ、4…洗浄液ノズル、5…ブラシ、6…アーム。

Claims (5)

  1. 磁気記録媒体用基板の洗浄に用いられるポリビニルアルコールスポンジからなるブラシの保管方法であって、
    過酸化水素を含有する保管液中で前記ブラシを保管することを特徴とするブラシの保管方法。
  2. 前記保管液中の過酸化水素の濃度が、1質量%〜10質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のブラシの保管方法。
  3. 前記保管液が過酸化水素水であることを特徴とする請求項1または2に記載のブラシの保管方法。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載のブラシの保管方法により保管されたブラシを用いて、前記磁気記録媒体用基板を洗浄することを特徴とする磁気記録媒体用基板の洗浄方法。
  5. 請求項4に記載の磁気記録媒体用基板の洗浄方法により前記磁気記録媒体用基板を洗浄する工程を備えることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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