JP2008176048A - 電子写真感光体及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性基体上に少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層をこの順で有する電子写真感光体であって、前記電子写真感光体の最表面層がフィラー粒子を含有し、前記最表面層中のフィラー粒子が下記式(1)1.0×10-3≦(df×b3)/(dm×a3)≦2.5×10-2(式中、aは平均フィラー粒子間距離(nm)を意味し、bは平均フィラー粒子径(nm)を意味し、dfはフィラー粒子の密度(g/cm3)を意味し、dmは最表面層の固形分の平均密度(g/cm3)を意味する)を満足する均一な分散状態であり、前記電荷発生層が、350〜500nmの発振波長を有する露光光により電荷を発生しうる材料からなることを特徴とする電子写真感光体により上記課題を解決する。
【選択図】図1
Description
久性には、感光体の表面層となる感光層の膜強度すなわち耐刷性が影響する。感光層の膜強度が低く、耐刷性が充分でないと、繰返し使用によって感光層表面が削り取られて感光層の膜厚が減少する。その結果、感光体は、帯電電位の低下及び残留電位の上昇等の特性変化を引起しやすい。
機能分離型感光体において、その最表面に耐磨耗効果を付与できれば、生産プロセスに余分な工程を含むことがないため、保護層を付与する場合と比較して大きなコスト上のメリットがある。また、感光層と保護層を積層して設けることによっておこる上記の弊害を回避することが可能となる。しかしながら、その一方で、システム上の新たな課題を考慮することが必要となる。例えば、フィラー粒子を添加して耐刷性向上を図る際、フィラー粒子と感光層に含まれる高分子バルク(結着樹脂)との間に数10μmに及ぶ電荷輸送層全体にわたるトラップが生じる。その結果、露光部の残留電位の上昇をまねく危険性が、保護層に添加する場合と比較して、極めて大きくなることとなる。また、積層型感光体の場合に、フィラー粒子と電荷発生層の相互作用によると思われる電荷発生層と電荷輸送層との界面近傍の層の不均一性に由来する画像欠陥が発生する場合もある。
赤外光領域にある。また、代表的な発光ダイオードの発光波長は740nmにある。
D=1.22λ/NA (2)
(D;感光体上でのスポット径、λ;レーザ波長、NA;レンズ開口数)
で示されるように感光体上におけるレーザ光のスポット径を理論上かなり小さくすることが可能である。従って、潜像の書き込み密度、すなわち解像度を上げるためには、これらレーザは非常に有用である。
/クリーニング性/電気的耐久性に優れ、異常画像のない高品位な画像出力が可能な電子写真感光体及びこれを用いた画像形成装置を提供することである。
前記電子写真感光体の最表面層がフィラー粒子を含有し、
前記最表面層中のフィラー粒子が下記式(1)
1.0×10-3≦(df×b3)/(dm×a3)≦2.5×10-2 (1)
(式中、aは平均フィラー粒子間距離(nm)を意味し、bは平均フィラー粒子径(nm)を意味し、dfはフィラー粒子の密度(g/cm3)を意味し、dmは最表面層の固形分の平均密度(g/cm3)を意味する)を満足する均一な分散状態であり、
前記電荷発生層が、350〜500nmの発振波長を有する露光光により電荷を発生しうる材料を含むことを特徴とする電子写真感光体が提供される。
図1は、本発明の第1の実施の形態である電子写真感光体1の構成を簡略化して示す部分断面図である。本実施の形態の電子写真感光体1(以下、感光体と略称する)は、導電性材料からなる円筒状の導電性基体11と、導電性基体11の外周面上に積層される層であって電荷発生物質を含有する電荷発生層12と、電荷発生層12の上に更に積層される層であって電荷輸送物質を含有する電荷輸送層13とを含む。電荷発生層12と電荷輸送層13とは、感光層14を構成する。すなわち、感光体1は、積層型感光体である。
導電性基体11は、感光体1の電極としての役割を果たすとともに、他の各層12、13の支持部材としても機能する。なお導電性基体11の形状は、図1では円筒状であるけれども、これに限定されることなく、円柱状、シート状又は無端ベルト状等であってもよい。
波長が揃っている。そのため、感光体表面で反射されたレーザ光と感光体内部で反射されたレーザ光とが干渉を起こし、この干渉による干渉縞が画像上に現れて画像欠陥となることがある。導電性基体11の表面に前述のような処理を施すことによって、この波長の揃ったレーザ光の干渉による画像欠陥を防止できる。
電荷発生層12は、光を吸収することによって電荷を発生する電荷発生物質を主成分として含有する。主成分とは、その成分がその主たる機能を発現できる量を含有することを意味する。電荷発生物質として有効な物質としては、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料等のアゾ系顔料、インジゴ又はチオインジゴ等のインジゴ系顔料、ペリレンイミド又はペリレン酸無水物等のペリレン系顔料、アントラキノン又はピレンキノン等の多環キノン系顔料、金属フタロシアニン又は無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルー、ビクトリアブルー等に代表されるトリフェニルメタン系色素、エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、アクリジンオレンジ、フラペオシン等に代表されるアクリジン系色素、メチレンブルー、メチレングリーン等に代表されるチアジン系色素、カプリブルー又はメルドラブルー等に代表されるオキサジン系色素、スクアリリウム色素、ピリリウム塩類及びチオピリリウム塩類、チオインジゴ系色素、ビスベンゾイミダゾール系色素、キナクリドン系色素、キノリン系色素、レーキ系色素、アゾレーキ系色素、ジオキサジン系色素、アズレニウム系色素、トリアリルメタン系色素、キサンテン系色素、シアニン系色素、トリフェニルメタン系色素等の有機光導電性材料、ならびにセレン及び非晶質シリコン等の無機光導電性材料等を挙げることができる。
これらの電荷発生物質は、1種が単独で使用されてもよく、又は2種以上が組合わされて使用されてもよい。
主成分として含まれる電荷発生物質以外の任意成分としては、増感染料、結着樹脂、酸化防止剤、レベリング剤、可塑剤等が挙げられる。
リレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂及びポリビニルホルマール樹脂、ならびにこれらの樹脂を構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂等を挙げることができる。共重合体樹脂の具体例としては、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂及びアクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂等の絶縁性樹脂を挙げることができる。結着樹脂はこれらに限定されるものではなく、一般に用いられる樹脂を結着樹脂として使用できる。これらの樹脂は、1種が単独で使用されてもよく、また2種以上が混合されて使用されてもよい。
ましくは0.1μm以上1μm以下である。電荷発生層12の膜厚が0.05μm未満であると、光吸収の効率が低下し、感光体1の感度が低下することがあるので好ましくない。電荷発生層12の膜厚が5μmを超えると、電荷発生層12内部での電荷移動が感光層14の表面電荷を消去する過程の律速段階となり、感光体1の感度が低下することがあるので好ましくない。
電荷発生層12上には電荷輸送層13が設けられる。電荷輸送層13は、電荷発生層12に含まれる電荷発生物質が発生した電荷を受入れ、これを輸送する能力を有する電荷輸送物質と、感光体の耐久性を向上させるフィラー粒子とを主成分とし、任意に電荷輸送物質及びフィラー粒子を結着させる結着樹脂とを含んで構成できる。バインダ樹脂は好ましくは30〜80重量%の範囲である。結着樹脂以外に酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、可塑剤等が挙げられる。電荷輸送物質としては、ホール輸送物質及び電子輸送物質を用いることができる。
電荷輸送物質は、ここに挙げたものに限定されるものではなく、その使用に際しては単独又は2種以上を混合して用いることができる。
電荷輸送層13を構成する結着樹脂としては、特に限定されず、当該分野で公知の樹脂をいずれも使用できる。特に、膜強度の観点から、ポリカーボネートを主成分とする樹脂が好ましい。
。これらの樹脂は単独で使用してもよく、また2種以上の混合物を使用してもよい。
1.0×10-3≦(df×b3)/(dm×a3)≦2.5×10-2 (1)
上記式中、aは平均フィラー粒子間距離(nm)、bは平均フィラー粒子径(nm)、dfはフィラー粒子の密度(g/cm3)、dmは最表面層の固形分の平均密度(g/cm3)を意味する。なお、a、b、df及びdmは以下の方法により測定できる。
bは、正確にはSEM観察により求めることができるが、市販のフィラー粒子であればカタログ値より引用してもよい。
dfは、作製前のフィラー粒子の体積と重量を測定して計算、又は市販品であればカタログ値を引用してもよい。
dmは、塗膜の体積と重量を測定して計算して求める。
ここで最表面層の固形分とは、塗布液を塗布し溶媒を乾燥して固化した電荷輸送層の塗膜のことである。
しい。dfの範囲は1.5〜7g/cm3であることが好ましく、1.5〜3g/cm3であることがより好ましい。dmの範囲は1〜2g/cm3であることが好ましく、1〜1.5g/cm3であることがより好ましい。
なお、上記塗布液中のフィラー粒子の分散状態は、例えば光散乱式粒度分布測定装置等を用いて評価できる。
ミド等の非プロトン性極性溶剤等を挙げることができる。これらの溶剤は、1種が単独で使用されてもよく、また2種以上が混合されて使用されてもよい。また前述の溶剤に、必要に応じてアルコール類、アセトニトリル又はメチルエチルケトン等の溶剤を更に加えて使用できる。これらの溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。
感光層14の各層には、感度の向上を図り、更に繰返し使用による残留電位の上昇及び疲労等を抑えるために、電子受容物質及び色素等の増感剤を1種又は2種以上添加してもよい。
0重量部であることがより好ましい。酸化防止剤の使用量が0.1重量部未満であると、塗布液の安定性の向上及び感光体の耐久性の向上に充分な効果を得ることができない場合があるので好ましくない。また、50重量部を超えると、感光体特性に悪影響を及ぼすことがあるので好ましくない。
図3は、本発明の第2の実施の形態である電子写真感光体2の構成を簡略化して示す部分断面図である。電子写真感光体2は、電子写真感光体1に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
電子写真感光体2において注目すべきは、導電性基体11と感光層14との間に、中間層(下引き層)15が設けられていることである。
中間層15には、各種樹脂材料からなる樹脂層又はアルマイト層等が用いられる。
て感光体の電気特性を維持できる。粒子径は0.02〜0.5μmの範囲であることが好ましい。
金属酸化物粒子としては、例えば酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム及び酸化スズ等の粒子を挙げることができる。
前述の粒子を樹脂溶液中に分散させる方法としては、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミル、超音波分散機又はペイントシェーカ等を用いる一般的な方法を使用できる。
感光体の製造方法に際して、好ましくは電荷発生層12、電荷輸送層13、中間層15等、各層の形成毎に乾燥工程が含まれることが好ましい。感光体の乾燥温度としては、約50℃〜約140℃が適当であり、特に約80℃〜約130℃の範囲が好ましい。感光体の乾燥温度が約50℃未満では乾燥時間が長くなる又は溶剤が充分に蒸発せず感光層中に残るため好ましくない。また、乾燥温度が約140℃を越えると、繰返し使用時の電気的特性が悪くなり、感光体を使用して得られる画像が劣化することがあるため好ましくない。
図4は、本発明の画像形成装置30の構成を簡略化して示す配置側面図である。図4に示す画像形成装置30は、感光体1を搭載するレーザプリンタである。以下、図4を参照してレーザプリンタ30の構成及び画像形成動作について説明する。なお、図4に記載のレーザプリンタ30は、本発明の画像形成装置の単なる例示であり、以下の記載内容によって本発明の画像形成装置が限定されるものではない。
また、感光体を複数設けることで複数の異なるトナーを用いて重ね併せ画像を形成可能な構成も採用できる。この構成はタンデム方式と称される。
まず、直径:30mm、長さ:362mmのアルミニウム製円筒状支持体上に種々の条件にて感光層を形成し、実施例及び比較例として準備した感光体について説明する。なお、下記実施例及び比較例において「部」は重量部を意味する。
酸化チタンTTO−MI−1(石原産業製商標)3部、アルコール可溶性ナイロン樹脂CM−8000(東レ製商標)3部、メタノール60部、1,3−ジオキソラン40部をペイントシェーカにて10時間分散処理することで、下引き層用塗布液を調製した。調製した下引き層用塗布液を、直径30mm、長さ362mmのアルミニウム製円筒状支持体上に膜厚0.9μmとなるように浸漬塗布法によって成膜することで、下引き層を形成した。
上記工程により、実施例1の感光体を作製した。
ポリカーボネート樹脂(TS2040)1.25部及びシリカ(TS−610)1.25部をテトラヒドロフラン22.5部に混合し、次いでボールミルにて混合液を5時間分散処理することで、電荷輸送層用一次分散塗布液を調製した。次に、電荷輸送物質として上記構造式(B)で示されるトリアリールアミン系化合物(日本蒸留工業社製)100部、ポリカーボネート樹脂(TS2040)138.75部及び酸化防止剤(スミライザーBHT)5部をテトラヒドロフラン984部に混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗布液に使用すること以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
ポリカーボネート樹脂(TS2040)3.1部及びシリカ(TS−610)3.1部をテトラヒドロフラン55.8部に混合し、次いでボールミルにて混合液を5時間分散処理することで、電荷輸送層用一次分散塗布液を調製した。次に、電荷輸送物質として上記構造式(B)で示されるトリアリールアミン系化合物(日本蒸留工業社製)100部、ポリカーボネート樹脂(TS2040)136.9部及び酸化防止剤(スミライザーBHT)5部をテトラヒドロフラン992部に混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗布液に使用すること以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
ポリカーボネート樹脂(TS2040)4.65部及びシリカ(TS−610)4.65部をテトラヒドロフラン83.7部に混合し、次いでボールミルにて混合液を5時間分散処理することで、電荷輸送層用一次分散塗布液を調製した。次に、電荷輸送物質として上記構造式(B)で示されるトリアリールアミン系化合物(日本蒸留工業社製)100部、ポリカーボネート樹脂(TS2040)135.35部及び酸化防止剤(スミライザーBHT)5部をテトラヒドロフラン998部に混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗布液に使用すること以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
フィラー粒子をアルミナ(スミコランダムAA−04:住友化学工業製)に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、感光体を作製した。
フィラー粒子をシリカ(X−24−9163A:信越化学工業製)に変更したこと以外
は、実施例3と同様にして、感光体を作製した。
フィラー粒子をシリカ(SO−E5:アドマテックス製)に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、感光体を作製した。
電荷輸送層用一次分散塗布液に、酸化防止剤(スミライザーBHT:住友化学製)を添加しないこと以外は、実施例3と同様にして、感光体を作製した。
ポリカーボネート樹脂(TS2040)3.1部及びシリカ(TS−610)3.1部をテトラヒドロフラン55.8部に混合し、次いでペイントシェーカにて混合液を5時間分散処理することで、電荷輸送層用一次分散塗布液を調整した。この塗布液中のフィラー粒子の粒度分布を測定したところ、明らかに1次粒子径より極めて大きな粗大凝集体(粒子径1μm)が形成されていることを確認した。得られた塗布液を使用したこと以外は、実施例3と同様にして、感光体を作製した。
ポリカーボネート樹脂(TS2040)0.12部及びシリカ(TS−610)0.12部をテトラヒドロフラン2.16部に混合し、次いでボールミルにて混合液を5時間分散処理することで、電荷輸送層用一次分散塗布液を調製した。次に、電荷輸送物質として上記構造式(B)で示されるトリアリールアミン系化合物(日本蒸留工業社製)100部、ポリカーボネート樹脂(TS2040)139.8部及び酸化防止剤(スミライザーBHT)5部をテトラヒドロフラン980部に混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗布液に使用すること以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
ポリカーボネート樹脂(TS2040)5.0部及びシリカ(TS−610)5.0部をテトラヒドロフラン90部に混合し、ボールミルにて混合液を5時間分散処理することで、電荷輸送層用一次分散塗布液を調製した。次に、電荷輸送物質として上記構造式(B)で示されるトリアリールアミン系化合物(日本蒸留工業社製)100部、ポリカーボネート樹脂(TS2040)135.0部及び酸化防止剤(スミライザーBHT)5部をテトラヒドロフラン1005.6部に混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗布液に使用すること以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
電荷輸送物質として上記構造式(2)で示されるトリアリールアミン系化合物(日本蒸留工業社製)100部、ポリカーボネート樹脂(TS2040)140部及び酸化防止剤(スミライザーBHT)5部をテトラヒドロフラン980部に混合して溶解した。得られた溶液を電荷輸送層用二次分散塗布液に使用すること以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
フィラー粒子の分散状態の優劣については、粒度分布を粒度分布測定装置(UPA−150(日機装製))にて測定した。フィラー粒子が、1次粒子径に近い状態まで安定に分散されている状態(分布を示している場合)を○、ミクロンオーダーの凝集体が形成されている状態(分布を示している場合)を×とした。
また、aは、本実施例では均一な分散状態が確認できたのでフィラー粒子の添加量と媒体である塗膜の体積より計算値として求めた。
bは、市販のフィラー粒子なのでカタログ値より引用した。
dfは、市販品のフィラー粒子なのでカタログ値を引用した。
dmは、塗膜の体積と重量を測定して計算して求めた。
複合機を用いて下記文字テストチャートを10万枚画像形成することによって、感度、耐刷性及び画像を以下の方法により評価した(サンプル画像出力及び画像形成時すべてモノクロ印字)。
複写機から現像器を取外し、代わりに表面電位計(トレック・ジャパン製:model
344)を取り付けた。この複写機を用い、温度25℃、相対湿度50%の常温/常湿(N/N:Normal Temperature/Normal Humidity)環境中において、レーザ光による露光を施さなかった場合の感光体の表面電位を−600Vに調整した。その状態でレーザ光により露光(0.4μJ/cm2)し、感光体の初期の表面電位を露光電位VL1(−V)とし、文字テストチャートを記録紙10万枚に印刷することで、耐刷試験を行なった後の表面電位を露光電位VL2(−V)として測定した。得られたVLから以下の基準で感度を評価した。なお、露光電位VLの絶対値が小さい程、感光体が高感度であることを意味する。
<判定基準>
○:|VL|<80(V)
△:80(V)≦|VL|<110(V)
×:110(V)≦|VL|
AR−C260改造機に備わるクリーニング器のクリーニングブレードが、感光体に接する圧力、いわゆるクリーニングブレード圧を21gf/cm(2.06×10-1N/cm:初期線圧)に調整した。N/N環境中で、各感光体毎に文字テストチャートを記録紙10万枚に印刷することで、耐刷試験を行なった。
文字テストチャートはISO19752で規定されたテストチャートを用いた。
耐刷試験開始時と10万枚画像形成後の感光層の厚みを、膜厚測定装置(商品名:F−20−EXR、フィルメトリックス製)を用いて測定した。耐刷試験開始時の膜厚と10万枚画像形成後の膜厚との差から、感光体ドラム10万回転あたりの削れ量を求めた。得られた削れ量から以下の基準で耐刷性を評価した。なお、削れ量が多い程、耐刷性が悪いことを意味する。
<判定基準>
○:削れ量d<0.8μm/100k回転
△:0.8μm/100k回転≦削れ量d<1.0μm/100k回転
×:1.0μm/100k回転≦削れ量d
1)画像判定(ドット・文字再現性<鮮鋭性>)
試験用複写機にて、N/N環境中で、耐刷試験スタート前に1200dpi相当の1ドット1スペース画像及び5ポイントの文字画像を出力した。これらの画像から、以下の判断基準で画像評価(文字・ドット再現性)を行った。
○:目視にて、画像上に異常なく、鮮明な画像。
△:目視にて、画像上に若干のドット・文字の乱れがみられるが実使用上問題ないレベル。
×:目視にて、画像上にドット・文字の乱れが発生し不鮮明な画像。
耐刷試験後の画質の低下レベルを、ハーフトーン画像を出力することで、以下の判断基準で濃度ムラを評価した。
○:目視にて、画像に濃度ムラなし。良好な画像。
△:目視にて、画像に濃度ムラあり。実使用上問題ないレベル。
×:目視にて、画像に濃度ムラあり。実使用上問題となるレベル。
耐刷試験後の画質の低下レベルを、1200dpi相当の1ドット1スペース画像及び5ポイントの文字画像を出力することで、以下の判断基準で画像ボケを評価した。
○:目視にて、画像上に画像ボケ無し。良好な画像。
△:目視にて、画像上に部分的な画像ボケが発生したが、実使用上問題ないレベル。
×:目視にて、画像上に部分的に数箇所、又は広範囲に画像ボケが1枚以上発生。
上記5項目の判定結果を基に、下記のとおり判定する。
◎:5項目すべて○
○:5項目のうち○或いは△のみで1項目以上△
×:少なくとも1つ以上×
評価結果を表2に示す。
も明らかとなった。
・不均一な分散状態に起因する、電気的安定性の著しい悪化、及び鮮鋭性の低下と画像ボケ等の異常画像の発生(比較例1)、
・耐刷性の著しい悪化(比較例2及び4)、
・フィラー粒子の添加量が多いことによる電気的安定性の著しい悪化と鮮鋭性の低下及び耐磨耗性向上により最表面層がリフェイスされず、酸性ガスの影響を受けやすくなったために生じた画像ボケや画像ムラ等の異常画像の発生(比較例3)
が確認された。
実施例1の感光体を用い、露光器の半導体レーザの発信波長を780nmに変更したこと以外は、上記と同様にして感度、耐刷性及び画像を評価した。結果を下記表3に示す。
・ドット・文字再現性(鮮鋭性)が高くなること、
・フィラー粒子を添加した場合でもレーザ光による散乱の影響が抑えられ、その結果、繰返し疲労後も濃度ムラや画像ボケ等の異常画像が発生しなかったこと
が確認された。
11 導電性基体
12 電荷発生層
13 電荷輸送層
14 感光層
15 中間層
30 レーザプリンタ(画像形成装置)
31 半導体レーザ
32 回転多面鏡
34 結像レンズ
35 ミラー
36 コロナ帯電器
37 現像器
38 転写紙カセット
39 給紙ローラ
40 レジストローラ
41 転写帯電器
42 分離帯電器
43 搬送ベルト
44 定着器
45 排紙トレイ
46 クリーナ
47 矢符
48 転写紙
49 露光手段
Claims (6)
- 導電性基体上に少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層をこの順で有する電子写真感光体であって、
前記電子写真感光体の最表面層がフィラー粒子を含有し、
前記最表面層中のフィラー粒子が下記式(1)
1.0×10-3≦(df×b3)/(dm×a3)≦2.5×10-2 (1)
(式中、aは平均フィラー粒子間距離(nm)を意味し、bは平均フィラー粒子径(nm)を意味し、dfはフィラー粒子の密度(g/cm3)を意味し、dmは最表面層の固形分の平均密度(g/cm3)を意味する)を満足する均一な分散状態であり、
前記電荷発生層が、350〜500nmの発振波長を有する露光光により電荷を発生しうる材料を含むことを特徴とする電子写真感光体。 - 前記フィラー粒子が酸化珪素からなる請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記フィラー粒子が100nm以下の粒子径を有する請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
- 酸化防止剤を更に含有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
- 感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有し、前記感光体が請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子写真感光体を含むことを特徴とする画像形成装置。
- 感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有し、重ね合わせ画像を形成可能にするために、前記感光体を複数備え、前記複数の感光体がタンデム方式で配置され、前記現像手段が複数のトナーを備え、前記複数の感光体が請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子写真感光体を含むことを特徴とする画像形成装置。
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